JP6879110B2 - 鋼管およびその製造方法 - Google Patents
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Description
C:0.03〜0.50%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.5〜2.0%、
P:0.100%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.100%以下、
N:0.010%以下、
O:0.010%以下、
Cr:0〜1.00%、
Mo:0〜1.00%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ti:0〜0.050%、
Nb:0〜0.100%、
V:0〜0.100%、
B:0〜0.0050%、
Ca:0〜0.0100%、
残部:Feおよび不純物であり、
前記鋼管の肉厚をtとしたときに、前記鋼管の外表面から1/8tの位置における(001)X線反射ランダム強度が3.0以上であり、
前記鋼管の外表面から5/8tの位置から7/8tの位置までの領域における(001)X線反射ランダム強度が3.0未満である、
鋼管。
上記(1)に記載の鋼管。
上記(1)または(2)に記載の鋼管。
C:0.03〜0.50%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.5〜2.0%、
P:0.100%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.100%以下、
N:0.010%以下、
O:0.010%以下、
Cr:0〜1.00%、
Mo:0〜1.00%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ti:0〜0.050%、
Nb:0〜0.100%、
V:0〜0.100%、
B:0〜0.0050%、
Ca:0〜0.0100%、
残部:Feおよび不純物である化学組成を有する鋼帯に対して、ロール成形し、高周波溶接により電縫鋼管とする工程と、
該電縫鋼管に熱間縮径圧延する工程とを備え、
前記熱間縮径圧延する工程において、
圧延終了時の前記電縫鋼管の外表面の温度を、下記(i)式で算出されるAr3点未満とし、かつ、
下記(ii)式で算出される前記電縫鋼管の内表面の温度をAr3点以上とする、
鋼管の製造方法。
Ar3=−507.44×C+877.01 ・・・(i)
TI=TO+10×t ・・・(ii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
C:電縫鋼管のC含有量(質量%)
TI:圧延終了時の電縫鋼管の内表面温度(℃)
TO:圧延終了時の電縫鋼管の外表面温度(℃)
t:電縫鋼管の肉厚(mm)
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。しかし、その含有量が過剰であると、強度が上昇し過ぎて延性および熱間加工性が低下するとともに、溶接接合部に欠陥が発生し易くなって溶接状況が不安定となる。そのため、C含有量は0.03〜0.50%とする。C含有量は0.10%以上であるのが好ましく、0.15%以上であるのがより好ましい。また、C含有量は0.45%以下であるのが好ましい。
Siは、脱酸元素として作用する。しかし、その含有量が過剰であると延性を劣化させる等の悪影響を生じる。そのため、Si含有量は0.01〜0.30%とする。Si含有量は0.02%以上であるのが好ましい。また、Si含有量は0.25%以下であるのが好ましく、0.20%以下であるのがより好ましい。
Mnは、鋼の強度および靭性を確保する上で必要な元素である。一方、Mnは、一般にr値を低下させる元素として知られており、その低下代はC含有量が多い鋼ほど顕著になる。Mn含有量が過剰であると、r値が低下し、さらに強度が高くなり過ぎ、靭性および延性の劣化を招く。そのため、Mn含有量は0.5〜2.0%とする。
Pは、鋼中に不可避的に含有される成分である。しかしながら、P含有量が0.100%を超えると、鋼中で粒界偏析および中心偏析を起こし、延性劣化の原因となる。そのため、P含有量は0.100%以下とする。
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、冷間加工において割れの発生起点となる。そのため、S含有量はできるだけ少ないことが望ましく、その上限を0.030%とする。
Alは、脱酸のために必要な元素であるが、過剰に添加するとAl2O3などの鋼中に残存する脱酸生成物の量が増すことになる。特に、電縫鋼管に用いられる場合、電縫部での巨大な介在物は致命的欠陥となる。したがって、Al含有量は0.100%以下とする。
Nは、鋼中に不純物として含有される。N含有量が0.010%を超えると靱性が低下する。そのため、N含有量は0.010%以下とする。N含有量は0.005%以下であるのが好ましい。
O(酸素)は鋼中に不純物として含有される。O含有量が0.01%を超えると靱性が低下する。そのため、O含有量は0.010%以下とする。O含有量は0.005%以下であるのが好ましい。
Mo:0〜1.00%
Ni:0〜1.00%
Cu:0〜1.00%
Cr、Mo、Ni、Cuは、いずれも鋼の強度を高める元素であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、過剰に含有させるとコストが上昇するだけでなく、延性の低下を招く。そのため、いずれの元素の含有量も1.00%以下とする。上記の効果を得るためには、これらの元素から選択される1種以上を0.05%以上含有させるのが好ましい。
Nb:0〜0.100%
V:0〜0.100%
Ti、Nb、Vは、炭化物、窒化物または炭窒化物を形成することによって、鋼を高強度化し、さらに加工性を向上するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、過剰に含有させると結晶粒内または粒界に、多量の炭化物、窒化物または炭窒化物として析出し、延性を劣化させる。そのため、Ti、NbおよびVの含有量はそれぞれ0.050%以下、0.100%以下、および0.100%以下とする。上記の効果を得るためには、これらの元素から選択される1種以上を0.010%以上含有させるのが好ましい。
Bは、r値を向上させ、さらに耐二次加工性の改善に有効であるため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、過剰に含有させると結晶粒内または粒界に多量の炭化物または窒化物として析出し、延性を劣化させる。そのため、B含有量は0.0050%以下とする。上記の効果を得るためには、B含有量は0.0005%以上であるのが好ましい。
Caは、介在物制御の他、脱酸に有効な元素であり、さらに冷間での加工性を向上させる効果を有するため、必要に応じて含有させてもよい。しかし、過剰に含有させると鋼中の介在物が増加し、逆に冷間での加工性を劣化させる。そのため、Ca含有量は0.0100%以下とする。上記の効果を得るためには、Ca含有量は0.0010%以上であるのが好ましい。
本発明の鋼管は、フェライト主体の金属組織を有する。なお、本発明において、フェライト主体であるとは、フェライトの面積率が50%以上であることを意味する。フェライトの面積率は60%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましい。
本発明に係る鋼管の寸法について特に制限は設けないが、外径が13〜65mmであり、肉厚が1.5〜9.0mmであることが望ましい。
本発明に係る鋼管の製造条件について特に制限はないが、例えば、以下に示す方法により、製造することができる。
Ar3=−507.44×C+877.01 ・・・(i)
但し、上記式中のCは、電縫鋼管のC含有量(質量%)を表す。
TI=TO−10×t ・・・(ii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
TI:圧延終了時の電縫鋼管の内表面温度(℃)
TO:圧延終了時の電縫鋼管の外表面温度(℃)
t:電縫鋼管の肉厚(mm)
Claims (4)
- 鋼管の化学組成が、質量%で、
C:0.03〜0.50%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.5〜2.0%、
P:0.100%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.100%以下、
N:0.010%以下、
O:0.010%以下、
Cr:0〜1.00%、
Mo:0〜1.00%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ti:0〜0.050%、
Nb:0〜0.100%、
V:0〜0.100%、
B:0〜0.0050%、
Ca:0〜0.0100%、
残部:Feおよび不純物であり、
前記鋼管の肉厚をtとしたときに、前記鋼管の外表面から1/8tの位置における(001)X線反射ランダム強度が3.0以上であり、
前記鋼管の外表面から5/8tの位置から7/8tの位置までの領域における(001)X線反射ランダム強度が3.0未満である、
鋼管。 - 前記鋼管が、電縫鋼管である、
請求項1に記載の鋼管。 - 前記鋼管が、熱間縮径圧延鋼管である、
請求項1または請求項2に記載の鋼管。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された鋼管を製造する方法であって、
質量%で、
C:0.03〜0.50%、
Si:0.01〜0.30%、
Mn:0.5〜2.0%、
P:0.100%以下、
S:0.030%以下、
Al:0.100%以下、
N:0.010%以下、
O:0.010%以下、
Cr:0〜1.00%、
Mo:0〜1.00%、
Ni:0〜1.00%、
Cu:0〜1.00%、
Ti:0〜0.050%、
Nb:0〜0.100%、
V:0〜0.100%、
B:0〜0.0050%、
Ca:0〜0.0100%、
残部:Feおよび不純物である化学組成を有する鋼帯に対して、ロール成形し、高周波溶接により電縫鋼管とする工程と、
該電縫鋼管に熱間縮径圧延する工程とを備え、
前記熱間縮径圧延する工程において、
圧延終了時の前記電縫鋼管の外表面の温度を、下記(i)式で算出されるAr3点未満とし、かつ、
下記(ii)式で算出される前記電縫鋼管の内表面の温度をAr3点以上とする、
鋼管の製造方法。
Ar3=−507.44×C+877.01 ・・・(i)
TI=TO+10×t ・・・(ii)
但し、上記式中の各記号の意味は以下のとおりである。
C:電縫鋼管のC含有量(質量%)
TI:圧延終了時の電縫鋼管の内表面温度(℃)
TO:圧延終了時の電縫鋼管の外表面温度(℃)
t:電縫鋼管の肉厚(mm)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017149498A JP6879110B2 (ja) | 2017-08-01 | 2017-08-01 | 鋼管およびその製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019026910A JP2019026910A (ja) | 2019-02-21 |
JP6879110B2 true JP6879110B2 (ja) | 2021-06-02 |
Family
ID=65475834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017149498A Active JP6879110B2 (ja) | 2017-08-01 | 2017-08-01 | 鋼管およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP6879110B2 (ja) |
-
2017
- 2017-08-01 JP JP2017149498A patent/JP6879110B2/ja active Active
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JP2019026910A (ja) | 2019-02-21 |
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