JP6878167B2 - トイレ用キャビネット - Google Patents

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本発明は、トイレ内に設置されるトイレ用キャビネットに関する。
特許文献1には、トイレ内において便器の側方に設置されるキャビネットが開示されている。このキャビネットは、内部に収容空間を有しかつ前面が開口したキャビネット本体と、キャビネット本体の開口を閉鎖する左右の2枚の第1及び第2扉とを備え、キャビネット本体の前面開口が便器側に向くようにトイレ内に設置される。
このようにトイレ内に設置されるキャビネットにおいては、キャビネット本体の前方に便器が配置されるため、第1扉及び第2扉を開くためのスペースが制限される。そのため、特許文献1のキャビネットは、便器の手前側に配置される第1扉が、キャビネット本体の前面側へスイングしつつ第2扉から離れる方向にスライドすることでキャビネット本体の開口を開き、便器の奥側に配置される第2扉は、第1扉を開いた後にもともと第1扉があった位置へ向けてスライドすることでキャビネット本体の開口を開くように構成されている。
特開2010−125062号公報
特許文献1に記載されたキャビネットは、第1扉を開かなければ第2扉を開くことができない。また、第2扉を開くと第1扉が開放した領域は第2扉によって塞がれてしまう。そのため、キャビネット本体の開口を広く開放することが困難である。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、キャビネット本体の開口を可及的に広く開放することができるトイレ用キャビネットを提供することを目的とする。
(1)本発明に係るトイレ用キャビネットは、
内部に収容空間を有しかつ前面が開口したキャビネット本体と、
前記キャビネット本体の開口を閉鎖する左右2枚の第1扉及び第2扉と、
前記第1扉を、前記第2扉から離れる方向へ左右方向にスライド移動可能に前記キャビネット本体に連結する第1連結具と、
前記第2扉における前記第1扉側とは反対側の端部を上下方向の軸心回りに回動自在に支持する第2連結具と、を備えている。
上記構成を有するトイレ用キャビネットは、トイレ内の便器の側方に好適に設置することができるものである。特に、便器の手前側に第1扉が、便器の奥側に第2扉がそれぞれ配置されるようにトイレ用キャビネットを設置することによって、第1扉を便器の手前側へ向けてスライド移動させて開くことができ、第2扉を便器側へ揺動させて開くことができる。したがって、第1及び第2扉の双方を同時に開いても一方の扉が他方の扉の開放領域を塞いでしまうことがない。そのため、上記構成のトイレ用キャビネットは、便器の側方に配置された場合でも、キャビネット本体の開口を可及的に広く開放することができる。
(2)好ましくは、前記第2扉の開度を、便器に干渉しない開度に制限する規制部材をさらに備えている。
このような構成によって、第2扉の開き過ぎにより第2扉が便器に干渉してしまうのを防止することができる。
(3)好ましくは、前記第2扉の左右方向の幅が、前記第1扉の左右方向の幅よりも小さい。
このような構成によって、第2扉の開き角度をより大きくすることができ、収容空間内の備品等を取り出しやすくすることができる。
(4)好ましくは、前記収容空間は、当該キャビネット本体内の左右方向の全幅に渡って連続している。
第1扉と第2扉とは、それぞれ互いに離れる方向に移動するため、収容空間を左右方向に区画する区画壁を設けず、当該収容空間をキャビネット本体の左右方向の全幅にわたって連続した形態とすることによって、第1及び第2扉の双方を開いたときに収容空間をより広く用いることができる。
本発明によれば、キャビネット本体の開口を可及的に広く開放することができる。
本発明の一実施形態に係るトイレ用キャビネットを含む手洗いキャビネットの正面図である。 手洗いキャビネットの斜視図である。 第1及び第2扉を開いた状態の手洗いキャビネットの斜視図である。 第3キャビネットの横断面図である。 第1及び第2扉を開いた状態の第3キャビネットの横断面図である。 第1連結具の要部を示す平面説明図である。 図1におけるA−A矢視断面図である。
以下、図面を参照しながら好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレ用キャビネットを含む手洗いキャビネットの正面図である。手洗いキャビネット10は、第1キャビネット11、第2キャビネット12、第3キャビネット13、カウンター天板14、及び手洗い器15を有している。
第1〜第3キャビネット11〜13は左右方向に並べて配置されている。
カウンター天板14は、第1〜第3キャビネット11〜13にわたる左右方向の長さを有しており第1〜第3キャビネット11〜13の上面に配置されている。
手洗い器15は、第1キャビネット11の上方においてカウンター天板14上に配置されている。
図2及び図3は、手洗いキャビネット10の斜視図である。
図2及び図3に示すように、手洗いキャビネット10は、トイレ室50内の側壁51に沿って配置されている。また、第3キャビネット13は、トイレ室50内の奥側の壁52に突き合わされている。トイレ室50内の壁52の手前にはタンク54付きの便器53が設置されている。なお、以下の説明において、便器53の座面53a側を手前側、タンク54側を奥側という。また、第1〜第3キャビネット11〜13が並ぶ方向を左右方向といい、この左右方向に直交する水平方向を前後方向という。したがって、キャビネット10がトイレ室50に設置されている状態では、便器53の手前側〜奥側の方向が、キャビネット10の左右方向と一致する。
第1キャビネット11は、内部に収容空間を有し前面に開口する第1キャビネット本体21と、第1キャビネット本体21の前面開口を塞ぐ1枚の扉22とを有する。第1キャビネット本体21内は、手洗い器15の水栓15aに繋がる給水管や手洗い器15に接続される排水管が収容されている。また、第1キャビネット本体21内には、洗剤等の備品も収容することができる。
第2キャビネット12は、内部に収容空間を有し前面が開口する第2キャビネット本体24と、この第2キャビネット本体24の前面開口を閉鎖する1枚の扉25とを有する。第2キャビネット本体24は、仕切り板26によって上下に区画されており、下側の領域が扉25によって閉鎖されている。第2キャビネット本体24の上側の領域は、前方に開放されており、当該領域には、トイレットペーパーを保持するためのペーパーホルダー27と、スピーカー28とが設けられている。
第3キャビネット13は、内部に収容空間を有し前面が開口する第3キャビネット本体30と、この第3キャビネット本体30の前面開口を閉鎖する2枚の扉31,32とを有する。以下、第3キャビネット13を正面から見て左側の扉を第1扉31といい、右側の扉を第2扉32という。便器53を基準にすると、第1扉31が便器53の手前側に配置され、第2扉32が便器53の奥側に配置されることになる。
図4は、第3キャビネット(トイレ用キャビネット)13の横断面図である。また、図5は、第1及び第2扉31,32を開いた状態の第3キャビネット13の横断面図である。
第1扉31は、第1連結具34によって第3キャビネット本体30の左端の壁部30aに取り付けられている。第2扉32は第2連結具35によって第3キャビネット本体30の右端の壁部30bに取り付けられている。
第1連結具34は、一端が左壁部30aに回動自在に連結され、他端が第1扉31に回動自在に連結された複数のアーム(リンク)34a,34b,34cを有している。各アーム34a,34b,34cは、いわゆる平行リンクを構成している。そして、第1扉31は、その左右方向の姿勢を維持したまま、前側(便器53側)にやや移動しながら第2扉32から離れる左方向に向けてスライドし、第3キャビネット本体30の前面を開放する。なお、第1連結具34は、図示されたものに限らず、平行リンクを構成する2又はそれ以上のアームを備えたものであればよく、一般的に使用されている汎用品を用いることができる。また、第1連結具34は、平行リングに限らず、第1扉31を第2扉32から離れる方向にスライドさせて開くものであれば特に限定されない。
なお、図6に示すように、第1扉31を開く際の各アーム34a,34b,34cの回動量は、いずれかのアーム34bが当接するストッパ部材36によって制限される。このようなストッパ部材36を第1連結具34に設けることによって、アーム34a,34b,34cが隣接する扉25等に接触するのを防止することができる。また、このようなストッパ部材36を第1連結具34に付加的に設けることによって、第1連結具34として市販等されている汎用品を用い、第1扉31の所望の開度に応じたストッパ部材36を設けることで、第3キャビネット13専用の第1連結具34を製作する必要が無くなり、第3キャビネット13の製造コストの低減を図ることができる。
一方、第2連結具35は、いわゆる蝶番であり、第2扉32の右端部を上下方向の軸心回りに回動自在に支持する。したがって、第2扉32は、第1扉31側の左端部が前方へ略円弧状に揺動することによって第3キャビネット本体30の前面を開放する。
以上のように、本実施形態の第3キャビネット13は、第1扉31と第2扉32との開放の形態が異なっており、第1扉31が第2扉32から離れる方向にスライドするのに対して、第2扉32は、第1扉31側の端部が前方へ揺動する。そのため、双方の扉31,32を同時に開放することができ、かつ、双方の扉31,32を同時に開いたときに、一方の扉が他方の扉の開放領域を塞いでしまうことがない。そのため、キャビネット本体の前面開口を広く開放することができる。
仮に、第2扉32と略同様に、第1扉31の第2扉32側の端部を前方に揺動させる構成を採用したとすると、第1扉31を開いたとしても便器53の手前側から第3キャビネット本体30内にアクセスし難くなるが、本実施形態のように第1扉31を第2扉32から離れる方向にスライドさせることで、便器53の手前側からでも第3キャビネット本体30内にアクセスしやすくなっている。
第1扉31は第3キャビネット本体30の左壁部30aに、第2扉32は第3キャビネット本体30の右壁部30bにそれぞれ連結具34,35を介して連結されているので、左壁部30aと右壁部30bとの間には、第1扉31又は第2扉32を支持するために壁部を設ける必要がない。そのため、第3キャビネット本体30内の収納空間を、第3キャビネット本体30内の左右方向の幅全体にわたって連続した空間とすることができ、第3キャビネット本体30内を広く活用することができる。
第2扉32と第3キャビネット本体30との間には、第2扉32の開放角度を制限する規制具37が設けられている。この規制具37は、一端部が第2扉32側に上下方向の軸心回りに回動自在に連結された第1部材37aと、一端部が第3キャビネット本体30側に上下方向の軸心回りに回動自在に連結された第2部材37bとを備え、第1部材37aの他端部と第2部材37bの他端部とが上下方向の軸心回りに回動自在に連結されている。したがって、規制具37は、第2扉32を開閉することによって第1部材37aと第2部材37bとの相対角度が変化する。
また、第1部材37aと第2部材37bとは、互いの相対角度が広がる方向への回動が所定角度で制限されている。そのため、第2扉32は、第1部材37aと第2部材37bとの相対角度が制限されたところで開放角度が制限される。このような規制具37を設けることによって、第2扉32を便器53と干渉させることなく可及的に大きく開放することができる。なお、規制具37は、第2扉32の開放角度を制限する機能を達成できればよく、図示されたものに限定されるものではない。例えば、第2扉32の開閉に応じて折れ曲がるものに限らず、伸縮するもの等を用いることができる。
図1に示すように、第2扉32は、その左右方向の幅W2が第1扉31の左右方向の幅W1よりも小さく形成されている。そのため、図5に示すように、便器53と干渉しない位置まで第2扉32を開いたときの第2扉32の開放角度を可及的に大きくすることができる。なお、図5には、比較例として、幅を大きくした場合の第2扉32’を2点鎖線で示している。このように第2扉32の幅W2を第1扉31の幅W1よりも小さくすることによって、第3キャビネット本体30内の収容空間の右端(トイレ室50の奥側)の領域Rへのアクセスが容易となり、第3キャビネット本体30の収容空間を効果的に活用することができる。
図7は、図1におけるA−A矢視断面図である。図7に示すように、第2キャビネット12における仕切り板26の上側の収容空間12aにおいて、ペーパーホルダー27の下側にはスピーカー28が設けられている。仕切り板26よりも上側の収容空間12aには、上下方向に沿って配置された背面板12bが設けられており、この背面板12bにスピーカー28が取り付けられている。背面板12bは、金属製の板材であり、その表面にはガラス質の釉薬を焼き付ける処理(ホーロー処理)等の表面処理が施されている。
スピーカー28は、いわゆる振動スピーカーであり、背面板12bを振動させることによって音を鳴らすものである。スピーカー28は、トイレ室50内に設置された音楽又は映像を再生するためのプレーヤーや、利用者が持参した携帯型プレーヤー等に有線又は無線により接続される。また、スピーカー28は、収容空間12aの背面板12bに取り付けられるため、背面板12bの振動により発生した音は、収容空間12aを囲む壁に伝わって前方へ放出される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施形態では、手洗い器15を含む3台のキャビネット11〜13が左右方向に並べられ、そのうちの一つが本発明のトイレ用キャビネット13とされていたが、本発明のトイレ用キャビネット13が単独でトイレ室50に設置されていてもよい。
上記実施形態では、便器を正面から見たときの左側方にトイレ用キャビネット13が配置されていたが、右側方に配置されていてもよい。
13 :第3キャビネット(トイレ用キャビネット)
30 :第3キャビネット本体
31 :第1扉
32 :第2扉
34 :第1連結具
35 :第2連結具
50 :トイレ室
53 :便器
W1 :第1扉の幅
W2 :第2扉の幅

Claims (5)

  1. 内部に収容空間を有しかつ前面が開口したキャビネット本体と、
    左右方向に隣接した状態で前記キャビネット本体の開口を閉鎖する第1扉及び第2扉と、
    前記第1扉を、左右方向にスライド移動可能に前記キャビネット本体に連結する第1連結具と、
    前記第2扉における前記第1扉側とは反対側の左右方向の端部を上下方向の軸心回りに回動自在に支持する第2連結具と、を備えており、
    前記第1扉は、前記第2扉から離れる方向へ左右方向にスライドすることで前記開口を開き、
    前記第2扉は、前記第1扉から離れる方向に回動することで前記開口を開く、トイレ用キャビネット。
  2. 便器が設置されたトイレ室内において、前記第1扉が前記便器の手前側に配置され、前記第2扉が前記便器の奥側に配置される、請求項1に記載のトイレ用キャビネット。
  3. 前記第2扉の開度を、便器と干渉しない開度に制限する規制部材をさらに備えている、請求項1又は2に記載のトイレ用キャビネット。
  4. 前記第2扉の左右方向の幅が、前記第1扉の左右方向の幅よりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトイレ用キャビネット。
  5. 前記収容空間は、当該キャビネット本体内の左右方向の全幅に渡って連続している、請求項1〜のいずれか1項に記載のトイレ用キャビネット。
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