JP6877766B2 - 光クロスコネクト装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信ネットワークのノードにおいて使用される光クロスコネクト装置に関する。
光ファイバを伝送媒体とする光通信技術は、信号の伝送距離の長延化をもたらし、大規模な光通信網が構築されてきた。近年では、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)回線やFTTH(Fiber To The Home)回線を経由したインターネット通信が広く普及し、無線通信回線を経由した携帯型無線端末がコモディティ化した状況に至っている。これに伴って、有線ネットワークおよび無線ネットワークのいずれにおいても、通信トラフィックが爆発的に増大しており、通信網に対する大容量化、高速化、高機能化および低消費電力化の要求がますます高まっている。最近では、ストリーミングを利用した定額音楽サービスや高精細動画の配信サービスが普及しており、今後の世界のIPトラフィックは年率1.3倍のペースで増加を続けると予測されている。
光通信においては、波長の異なる複数の光信号を1本の光ファイバ伝送路で同時に伝送する波長多重通信技術の導入によって、2地点間の伝送容量を増大することが可能となった。さらに通信網における複数の伝送路が集まるノードにおいては、光信号を電気信号に変換することなく光信号のままで信号経路の設定や切替処理を行なう方式を用いる、いわゆるフォトニックネットワークが実現されている。フォトニックネットワークを使用することによって、ノードのスループットを飛躍的に拡大するとともに、ノード装置の消費電力を大幅に削減することも期待されている。
フォトニックネットワークを用いた光ノードシステムとしては、複数のノードをリング状またはバス状に接続した再構成可能光アドドロップ多重(ROADM:Reconfigurable Optical Add Drop Multiplexing)システムや、複数のノードをメッシュ状に接続した光クロスコネクト(OXC:Optical Cross-Connect)システムがよく知られている。OXCシステムでは、各ノードに複数の入力側光ファイバ伝送路と、複数の出力側光ファイバ伝送路とが接続され、入力側光ファイバ伝送路から入力される波長分割多重光信号(以下、波長多重化光と呼ぶ)に対して、波長ごとに接続経路(方路)を切り替える光スイッチが備えられている。この構成によって、任意の入力側光ファイバ伝送路から入力された波長多重化光のうち任意の波長の光信号を、任意の出力側光ファイバ伝送路へ出力することができる。
図1は、OXCシステムにおける光ノードのトラフィック経路切替の概要を説明する図である。OXCシステムの光ネットワークにおいては、ノード1に対して複数の隣接ノードがメッシュ状に接続されており、他の隣接ノードから接続された複数の光ファイバ10がノード1に入力される。ノード1において特定のトラフィックに対して経路切替が行われた後に、そのトラフィックは再び複数の光ファイバ11の1つを経由して他のノードへ運ばれる。具体的には、1つの入力光ファイバ10−1においては、複数の隣接ノードの内の1つのノードから、λからλの複数の波長の光信号が多重化された波長多重化光12が伝搬している。ノード1において、波長多重化光12の内の任意の1つの波長の光信号、例えば波長λkの光信号14−1が選択される。選択された光信号は、複数の出力光ファイバ11の内の任意の1つの出力光ファイバ、例えば出力光ファイバ11−nを伝搬する波長多重化光13の中の波長λkの光信号14−2として、他の隣接ノードへ伝送される。したがって、ノード1は、m個の入力光ファイバが接続されたm個の入力ポートに入力された任意の波長の光信号を、n個の出力光ファイバが接続された任意の出力ポートに切り替えるように動作する。このように、m個の入力ポートおよびn個の出力ポートを持ち、各ポートに波長多重化光を伝搬させる光ファイバが接続されており、特定の波長を持つ光信号を光信号のままで任意に経路切替を行うノードは、光クロスコネクト(OXC:Optical Cross-Connect)装置と呼ばれる。尚、このノードのことをROADMと称する場合もあるが、以下の本明細書の説明では、このノードをOXC装置と呼ぶ(特許文献1)。
図2Aおよび図2Bは、OXC装置の2つの構成例を概念的に示した図である。図2Aは、ブロードキャスト&セレクト型のOXC装置20−1の構成を示しており、m個の入力ポートにm本の光ファイバが接続され、n個の出力ポートにn本の光ファイバが接続されている。入力側にはm個の1×n構成の光カプラ21が配置されており、各々の光カプラは入力された波長多重化光をn個に分岐するよう動作する。光カプラ21は、概ね等レベルで単純に光を分岐するので、分岐された後の光信号レベルは低下する。出力側にはn個のm×1構成の波長選択スイッチ(WSS:Wavelength Selective Switch)22が配置されており、各々のWSSはm個の光カプラからのそれぞれの分岐光に含まれる波長多重化光の中の任意の波長の光信号を任意の組み合わせで選択することができる。
WSSでは、異なる波長多重化光から同一波長の光信号を同時に選択すると出力側で区別できなくなるため、異なる波長多重化光から異なる波長の光信号が選択される。WSSは、波長選択性を持って光信号を選択することが可能であって、例えばアレイ導波路回折格子(AWG)と光スイッチを組み合せたものが利用可能であり、また、AWGの代わりに他のバルク状の回折格子等も利用できる。図2Aの構成のOXC装置20−1は、光カプラ21によって波長多重化光の分配(分岐)を行い、その後WSS22によって任意の波長の光信号を選択するので、ブロードキャスト&セレクト型と呼ばれている。
図2Bは、ルート&コンバイン型のOXC装置20−2の構成を示しており、ブロードキャスト&セレクト型の構成における光信号の方向を逆にした構成となっている。すなわち、入力側にはm個の1×n構成のWSS23が配置されており、出力側にはn個のm×1構成の光カプラ24が配置されている。波長選択を行う順序がブロードキャスト&セレクト型と異なっているだけで、任意のポートに入力された波長多重化光の任意の波長の光信号を任意の出力ポートに出力する動作の点で、図2Aおよび図2Bの各構成の間には差異は無い。尚、一般的にはOXC装置の入力ポートの数mと出力ポートnの数は異なっていて良いし、同じであっても良い。
上述のように、光カプラ21、24では、分岐数に応じて挿入損失が増加する。具体的には、分岐数をnとするとき10log(n)で損失(dB)が発生するため、例えば分岐数が20になると損失は13dBまで増大する。一方で、1入力L出力(1×L)構成のWSSは、同じ分岐数の光カプラよりも損失を少なく構成できる(例えば出力ポート数が20の場合で高々7dB程度)。OXC装置におけるポート数が増えると光カプラ21、24での損失が増えるため、図2Aおよび図2Bのいずれの構成でも、光信号のレベルが低下して光増幅器などの導入が必要となる。光カプラによって生じる損失の問題を避けるために、光カプラを使用せずにWSSだけで構成するOXC装置が、大規模ノード用の光スイッチとして有力視されている。
図3は、ルート&セレクト型のOXC装置の構成を示す図である。図2Aおよび図2Bに示した各構成と同様に、m個の入力ポートにm本の光ファイバが接続され、n個の出力ポートにn本の光ファイバが接続されている。ルート&セレクト型と呼ばれる本構成のOXC装置では、光カプラを使用しないでWSSだけで経路切り替えを行い、図2Aおよび図2Bで説明したブロードキャスト&セレクト型とルート&コンバイン型とを組み合わせたような構成となっている。図2Aおよび図2Bの各構成と比べて、OXC装置の入力ポートおよび出力ポートの数が増えても挿入損失の増加が抑えられ、ポート数が8程度以上の場合では、通常このルート&セレクト型のOXC装置が利用されている。
図4Aおよび図4Bは、実際のネットワークにおいてOXC装置がどのように動作するかを説明する図である。図4Aは、四角形で示された複数のノードがメッシュ状に相互に接続された光ネットワークの地理的な配置を示している。例えば、1つの四角が都市に対応しており、複数の都市(ノード)間が光ファイバの伝送路リンクによって接続されていることに対応している。白抜きの四角で示したノード40に着目すると、ノード40を中心として、ノード40に直接接続された6つの隣接ノードが点線の丸で囲んで示されている。あるノードにおいて、伝送リンクで直接接続されている隣接ノードの数をノード次数(Node Degree)と呼ぶ。したがって、図4Aのノード配置の場合には、ノード次数は6となる。メッシュ状に接続された各ノードに、隣接ノードとの間のトラフィックを処理するためにOXC装置が配置される。
図4Bは、中心ノード40に配置されるOXC装置41の構成を示した図である。OXC装置41はルート&セレクト型であって、入力ポート側および出力ポート側の双方にWSSが設置されている。図4Aのネットワーク配置の場合、中心ノード40から見たときに中心ノード40と接続される隣接ノードの数は6個なので、各ノード間の接続ファイバが1対(上りと下り)の場合、入力光ファイバおよび出力光ファイバの数mはそれぞれ6となる。図面上では、OXC装置41の入力光ファイバおよび入力ポートを上から1〜6番とし、出力光ファイバおよび出力ポートも上から1〜6番とする。入力光ファイバの1番および出力光ファイバの1番が、6個の隣接ノードの内の1番目のノードに接続されるものとする。同様に、同じ番号の入力光ファイバおよび出力光ファイバが、対応する番号の隣接ノードに接続されるものとする。OXC装置41内では、同一の隣接ノードに接続される入力光ファイバと出力光ファイバとの間を一般的には接続する必要が無いことに注意されたい。入力側WSSと出力側WSSとの間の接続で、同一番号の入力ポートおよび出力ポート間を接続する点線44で示された内部接続は一般的には不要である。同一ノードにおいて光信号をルーティングする意味がなく、そのような切り替えのための経路を用意しておくことは無駄だからである。つまり、隣接ノードの内の1つからの光信号は、中心ノード40を経由して、その隣接ノードを除いた残りの5個の隣接ノードへ経路切り替えができれば良い。したがって、入力側および出力側の各WSSのポート数NWSSは(m−1)=5で良い。
図4Bに示したように、OXC装置が設置される中心ノードと1つの隣接ノードと間には、入力(上り)光ファイバと出力(下り)光ファイバの2本のファイバが対として備えられる。したがって、ノードを通過するトラフィック量が時間とともに増加したことによりOXC装置の拡張を行うため、新規の追加の光ファイバリンクとして光ファイバを増設する時は、通常は上りリンク専用光ファイバと下りリンク専用光ファイバの2本を対として増設する。これは、広域網においては、一般に1本の光ファイバを双方向の通信のために使うことは無いからである。また、図2Aおよび図2Bおよび図3の各構成例では、入力ポートの数mと出力ポートの数nが異なるものとして説明したが、通常はOXC装置の入力ポートの数と出力ポートの数は同じとなる。上りと下りのトラフィック量が非常に異なる場合には、1つの伝送路リンクにおいて光ファイバの本数が上りおよび下りの間で異なる場合もあるが、通常はm=nと考えれば良い。
最初に述べたように、光ノード間のトラフィックが増えれば、OXC装置によって取り扱うトラフィックの量も増え、1つの伝送路リンク上の光ファイバの本数も増える。光ファイバの本数を増やそうとするときは、光ファイバを接続するOXC装置の必要ポート数も増えていることになる。
米国特許第9084033号明細書
しかしながら、OXC装置において入力・出力ポートを増やすためには技術的およびコスト的な大きな問題があった。図2Aに示したブロードキャスト&セレクト型または図2Bに示したルート&コンバイン型の構成のOXC装置では、光カプラにおいて光を分岐することによる挿入損失が発生する。OXC装置のポート数が増えれば、光カプラの分岐数も増えて、この損失が無視できなくなる。例えば、ポート数が8程度の範囲では、損失は最少9dBで済むが、ポート数が64まで増えると他の要因のものも含めて損失は20dBを超えることになる。年率23%程度のトラフィック増加割合を想定した場合、10年後にはトラフィック量は1.2310=8倍になる。したがって、現時点のトラフィック量を想定した8×8の構成のOXC装置の光カプラによる損失が許容範囲であっても、10年後のトラフィック量を想定した64×64の構成の場合には、損失補償なしではこのOXC装置を利用できない。そこで、入出力ポートが多いOXC装置としては、光カプラを使用せずにWSSのみを使用して大規模化した構成のルート&セレクト型OXC装置が有力視されている。
図5Aおよび図5Bは、従来技術の入出力ポート数を大規模化したOXC装置の構成を示す図である。図5Aはブロードキャスト&セレクト型構成で、図2Aの構成をそのままでポート数Nを20以上に拡大した例である。上述の通り、この構成で信号光を20分岐した場合には、入力側の信号光カプラ(SC)による挿入損失が13dBとなる。他の過剰損を含めれば、OXC装置の光カプラを経由することでだけで15dB程度の光信号レベルの低下が生じる。図5Bは、WSSのみを使用したルート&セレクト型構成で、ポート数Nを20以上に拡大した例であって、光カプラを使用した図5Aの構成と比べて挿入損失を7dB以上改善できる。図5Bのルート&セレクト型のOXC装置で20の入出力ポートを持つ構成では、入力側WSS53および出力側WSS54のいずれも、1×20構成のWSSが必要となる。ここで、簡単のため光信号方向に関係なく1×n構成のWSSの複数(n)ポート側を出力ポートとすると、OXC装置の一方の側のポートに接続される1つのWSSから、対向する側のポートのすべてのWSSの出力ポートへの経路が構成される。すなわち、1つの入力側WSS53の出力ポートは、対向する側のすべての出力側WSS54の各出力ポートへ接続され、1つの出力側WSS54の出力ポートは、対向する側のすべての入力側WSS53の各出力ポートへ接続される。尚、前述の様に同一の隣接ノードに接続される入力光ファイバと出力光ファイバとの間の接続は省くことができるが、簡単のために以下ではそのことは考えない。双方の側のWSS間の相互接続により、OXC装置に接続されるノード間のすべての経路が設定可能となり、1つの出力ポートに同じ波長をルーティングしない様にすればコンテンションの無いルーティングが実現される。このような相互接続を持つ図5Bのルート&セレクト型構成によって、挿入損失の増加を抑えることができるものの、大規模化したOXC装置には依然として技術上およびコスト上の問題があった。
図6A〜図6Cは、WSSの構成例およびクロストークの問題について説明する図である。図6Aおよび図6Bは、具体的なWSSの構成例を示している。図6Aに示したWSS60−1は、ファイバアレイから光を入出力し、LCOS光学プロセッサ62、シリンドリカルレンズ63、グレーティング61などのバルク型の光学部品を備えている。いずれの光学部品も比較的高価なものであり、これらを手作業で正確に組み立てる調整が必要であって、実現可能な出力ポートの数も限られる。図6Bに示したWSS60−2は、アナログマイクロミラーアレイ(MEMS)64、レンズ、グレーティング65などを備え、コリメータアレイ66を経由して光を入出力する。WSS60−2の構成でも、高価な光学部品および機構部品を精密に組み立てて調整する必要がある。したがって、現在入手可能なWSSを構成する部品およびWSSの製造コストは、PLC(Planar Lightwave Circuit)で構成できる光カプラと比較すれば10倍以上である。しかも、先の図5Bに示した入出力の両側にWSSのみを使用したルート&セレクト型構成では、図5Aの構成と比べて高価なWSSの数が2倍となる。また、現在利用可能なWSSの出力ポート数は、最大でも9程度に制限されている。これは、次に述べるようにWSSを多ポート化したときに生じる、クロストーク問題のためである。
図6Cは、WSSにおいて生じるクロストークを説明する図である。WSSにおいて生じるクロストークには様々な種類の態様があるが、WSSの波長選択特性に最も影響を与えるのは、インバンドクロストークである。インバンドクロストークは、図6Cの点線矢印で示されており、1つの入力光ファイバ68−1からの波長多重化光のある波長λの光信号を出力光ファイバ(ポート)69で選択するときに、非選択入力光ファイバ68−7から伝搬する同一波長λの光信号(非希望信号)の漏れを言う。非選択入力光ファイバ68−7からの同一波長λの光信号(非希望信号)の漏れは、当然に、入力光ファイバ68−1からの目的とする光信号(希望信号)に対して妨害となり、信号品質を劣化させる。また、出力光ファイバ69で選択されなかった他の波長の光信号も、すべての入力ポートから出力光ファイバ69へ漏れ出る。これはアウトバンドクロストークと呼ばれており、インバンドクロストークを含めてWSSの波長選択性能を制限する。フィルタリングが難しくなるため、通常、上述のクロストーク量はWSSのポート数が多くなるほど増加する。結果として波長選択性能を悪化させてしまうため、現時点ではWSSの出力ポート数は最大でも9程度に制限されている。尚、WSSは通常1×nの構成を持ち、1つの入力(出力)ポートと、n個の出力(入力)ポートを備えている。複数のポート側のポート数nをWSS次数(WSS Deg)と呼ぶ。例えば、1×20の構成のWSSの次数は20となる。
したがって、図5Bに示した20ポートを持つOXC装置を実現するのに必要な例えば1×20構成のWSSは、図5Bに拡大して示したWSS55のように、ポート数がより少ない(WSS次数がより小さい)WSS56−1〜3を従続接続して構成される。具体的には、並列の2つの1×9構成のWSS56−1、56−2を、もう1つの1×9構成のWSS56−3と従属接続することになる。そうすると、図5Bのルート&セレクト型構成のOXC装置では、入力ポート側および出力ポート側の双方において、20×3=60個のWSSが必要となり、装置全体では120個の1×9構成のWSSが必要となる。図5Aに示したブロードキャスト&セレクト型構成と比べて少なくとも2倍の数の高価なWSSが必要となり、20ポートを越えるルート&セレクト型構成のOXC装置はコスト的な観点からは実現性が乏しいものであった。
また、図5Bの従来技術のルート&セレクト型構成のOXC装置は、トラフィック量の増加に対して拡張の柔軟性に乏しく、スケーラビリティに欠ける点でも問題があった。先に述べたように、図5BのOXC装置50−2では、OXC装置を設置する中心ノードおよびその隣接ノードの構成、並びに、中心ノードにおいて一定期間に予測されるトラフィックの最大量を想定して、その予測トラフィック最大量に対応できるように、WSS53、54のポート数が決定されていた。すなわち、ノードのトラフィック最大量に応じてOXC装置の最大の入力ポート数および出力ポート数を決定し、WSS構成を決定していた。さらに、これらの入力ポートおよび出力ポートの間ですべての経路設定が可能となるように、一方の側(例えば入力ポート側)の1つのWSSは、対向する側(出力ポート側)のすべてのWSSと相互接続されていた。このような内部経路による接続によって、OXC装置50−2において、光ファイバで接続された任意のノード間を結ぶ経路を設定し切り替えを実施できる。OXC装置を設置する中心ノードにおけるトラフィックの増加に合わせて、OXC装置に接続する光ファイバを追加していくことで、光ファイバ上のトラフィクが光ファイバの最大伝送レートを越えず、波長衝突が無い様にルーティングすればコンテンション(Contention)なしに常に完全な経路設定が可能である。
しかしながら、OXC装置50−2としては、運用を開始する装置導の時点ですべてのWSSが設置され相互に接続された形態で構成するのが一般的である。一旦運用状態に入った装置に対して内部経路の接続を含む増設作業を行うのは煩雑で、作業に伴う事故の可能性もあり、現実的でない。したがって、装置導入の時点から予測最大トラフィック量に見合う最大ポート数に対応した構成のWSS(通常は、装置ポート数=WSSの次数)を含み、すべてのWSS間の相互接続が完了した構成済みの状態で運用を開始することになる。ところが新規のノードでは、通常、運用開始当初のトラフィック量は当然に想定した最大トラフィック量よりも少ない。最近の急激なトラフィックの増加レートを考えると、装置導入の時点では、OXC装置内で内部経路の接続が済んだ半分以上のWSSは未使用状態となる。つまり従来技術のOXC装置では、多数の未使用のWSSを含む状態で装置を導入せざるを得ず、非常に高額の初期費用が掛かるにもかかわらず装置内の高価なデバイスの稼動率が低い状態で運用を開始するしかなかった。このように、図5Bに示した従来技術によるルート&セレクト型構成のOXC装置では、合理的な初期構成による装置導入と、ノードにおけるトラフィックの増加の状況に合わせた柔軟な拡張ができず、スケーラビリティにも欠け、経済性も含めた合理的なネットワークの運用が難しかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大規模化したOXC装置をより低コストに実現するところにある。
本開示の1つの側面によれば、複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の入力ポート側に、各々が、前記複数の入力光ファイバの1つに接続された入力ポート、および、NWSS個の出力ポートを有する、1×NWSS構成の複数の波長選択スイッチ(WSS)を備え、前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal, とするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal, の最大値NMaxが、NMax> NWSS の関係を満たすことを特徴とする光クロスコネクト装置が開示される。
以上説明したように、大規模化したOXC装置をより低コストに実現する。
図1は、OXCシステムにおける光ノードのトラフィック切替の概要を説明する図である。 図2Aは、従来技術のOXC装置の構成例を概念的に示した図である。 図2Bは、従来技術のOXC装置の別の構成例を概念的に示した図である。 図3は、ルート&セレクト型のOXC装置の構成を示した図である。 図4Aは、光ネットワークの地理的な配置の例を説明する図である。 図4Bは、実際のネットワークで中心ノードに配置される従来技術のOXC装置の構成を示した図である。 図5Aは、従来技術の大規模化したブロードキャスト&セレクト型のOXC装置の構成を示す図である。 図5Bは、従来技術の大規模化したWSSのみを使用したルート&セレクト型のOXC装置の構成を示す図である。 図6Aは、WSSの具体的なWSSの構成例を示す図である。 図6Bは、WSSの別の具体的なWSSの構成例を示す図である。 図6Cは、WSSのクロストークについて説明する図である。 図7Aは、本開示のOXC装置が使用される中心ノードを含むネットワークの地理的な構成を示す図である。 図7Bは、本開示のOXC装置が使用されるネットワークの中心ノードと隣接ノードの各々との間における光ファイバのペアの割り当てを説明する図である。 図7Cは、本開示のOXC装置が使用されるネットワークでOXC装置拡張も考慮した光ファイバの接続状態を説明する図である。 図8Aは、本開示のOXC装置が設置されるネットワークの構成を説明する図である。 図8Bは、本開示のOXC装置の構成を概念的に示した図である。 図9Aは、本開示のOXC装置の増設過程で、ノードAが運用を開始した時点のネットワーク状態とOXC装置状態(第1の状態)を説明する図である。 図9Bは、本開示のOXC装置の増設過程で、2つのノードに光ファイバを増設した状態(第2の状態)を説明する図である。 図10Aは、本開示のOXC装置の増設過程で、トラフィック量増加によりノードC、Dに光ファイバを増設した状態(第3の状態)を説明する図である。 図10Bは、本開示のOXC装置の増設過程で、トラフィック量増加によりノードB、Eに光ファイバを増設した状態(第4の状態)を説明する図である。 図11は、実施例1のOXC装置が動作するネットワーク構成と装置の初期状態を説明する図である。 図12Aは、実施例1のOXC装置で出力光ファイバの増設アルゴリズムを説明する第1の図である。 図12Bは、実施例1のOXC装置で出力光ファイバの増設アルゴリズムを説明する第2の図である。 図13Aは、実施例1のOXC装置で入力光ファイバの増設アルゴリズムを説明する第3の図である。 図13Bは、実施例1のOXC装置で入力光ファイバの増設アルゴリズムを説明する第4の図である。 図14は、本開示のOXC装置において利用可能なカスケード型のWSSの具体構成を示した図である。 図15は、本開示のOXC装置のルート&セレクト型の構成例を示す図である。 図16は、本開示のOXC装置における制御の概略を説明する図である。 図17は、実施例1のOXC装置における光ファイバの使用率の閾値設定とトラフィック収容率と間の関係を示す図である。 図18は、本開示のOXC装置において、隣接ノードの数によってトラフィック収容率がどのように変化するかを示した図である。 図19は、本開示のOXC装置において、増設シミュレーション計算の最終状態で必要としたWSSの数を従来技術と比較した図である。 図20は、本開示のOXC装置における実施例2の新規の光ファイバを接続するアルゴリズムを示す図である。
本開示のOXC装置は、装置の入力ポート数および出力ポート数に関係なく、従来技術と比べてより小規模のWSSを利用し、同時に、従来技術の構成とは異なる視点から装置内部でWSSを接続することによって、大幅に装置の低コスト化を実現する。さらに、本開示のOXC装置は、トラフィックの初期状態の設定およびその後の増加に対応した装置の拡張を、柔軟に、経済的に行うことができる。さらに、装置の拡張を段階的に必要なだけ、しかも制限なく行うことができる。従来技術のOXC装置では、装置の入力ポートおよび出力ポート構成(数)は、将来的に想定された最大トラフィックに対応させて、接続することになる光ファイバの数のみを考慮して決定されていた。さらに、入力ポートおよび出力ポート間で取り得るすべての経路を設定できるように、装置内部でWSSの対向するすべての出力ポートが相互に接続された最大構成をとっていた。このため、OXC装置の最大ポート数に応じ、WSSも1×20構成などの大規模な構成のものを使用せざるを得なかった。
発明者らは、OXC装置が設置されるノードに接続されることになる光ファイバの最大数だけでなく、個々の光ファイバと実際の隣接ノードとの接続関係および個々のトラフィック量も含めて、OXC装置の内部経路の接続を考慮する着想を得た。そしてこの考慮を行ことで、内部経路の設定に一定の制限を加えて対向するWSSのすべての出力ポート同士を相互に完全に接続しなくても、従来技術のOXC装置と比べて極わずかのトラフィック収容率の低下で済むことを見出した。従来技術のOXC装置内のWSSでは、光ファイバの接続先のノードの地理的な位置を考えればほとんど使用しない場合であっても、ルーティング特性が低下しないように経路を構成するために、内部経路の接続がなされていた。従来技術のOXC装置では、OXC装置内のWSSの対向するすべてのポートが相互に接続された最大構成を採っていた。発明者らは、この最大構成が確実にすべての経路を設定できるとしても、一方でその経路には無駄も多いのではないかとの着想を持った。また発明者らは、想定されたトラフィック最大量に対応するために光ファイバの数が増加していく場合でも、現実に存在するネットワークの地理的関係から、実際の隣接ノードの数は最大でも8以下であることにも着目した。本開示によれば、OXC装置が置かれる中心ノードに接続される光ファイバの最大数にとらわれないで、より小規模のWSSを使用しても十分な性能でトラフィック収容が可能なことを見出した。
以下、本開示のOXC装置の構成について、図面を用いながら説明する。以下の本開示のOXC装置の説明では、簡単のため入力ポートの数と出力ポートの数が同じであって、装置の入出力間で対称な構成のものとして説明する。しかしながら、後述するように入力ポートの数と出力ポートの数が異なっていても本開示における特徴はそのまま維持される。また以下の説明で、単に入力ポート、出力ポートと言う場合には、それぞれ、OXC装置の入力ポートと出力ポートを表すものとする。
本明細書では、用語「OXC装置」は、OXCノードと同じ意味で使用される。OXC装置は、複数の隣接ノードと接続された1以上の入力光ファイバと、1以上の出力光ファイバが接続され、任意の入力ポートに入力された波長多重化光の特定の波長の光信号を、任意のいずれかの出力ポートへ波長ルーティングするものとして機能する。
図7A〜図7Cは、本開示のOXC装置が使用されるネットワークの構成を説明する図である。本開示のOXC装置が設置されるノードは、以下の説明では「中心ノード」とも呼ばれる。本開示のOXC装置が設置されるネットワークの構成は、従来技術の場合と変わりがない。図7Aは、中心ノード71を含むネットワーク70の地理的な構成を示す図である。中心ノード71の周りには、中心ノードと直接のリンクを持つ点線の丸で囲まれた隣接ノード72が6つある。したがって、中心ノード71のノード次数(ノードDeg)は6となる。図7Aで示したノード間の1つの伝送路リンクは、単にノード間に光通信の接続が在ることだけを示しており、物理的な光ファイバを示してはいない。
図7Bは、中心ノードN1(71)および中心ノードN1と直接リンクを持つ6つの隣接ノードN2〜N7の間における、光ファイバ接続を示す図である。例えば、中心ノードN1と隣接ノードN7との間には、3組の光ファイバリンク73が存在している。3組の光ファイバリンク73は、各々が、中心ノードN1に対する上り光ファイバと下り光ファイバの2本の物理光ファイバのペアを含む。本明細書では、上り光ファイバおよび下り光ファイバのペアを1つのファイバリンクとする。つまり、ノード間の光ファイバリンクの数が3であるとき、ノードの当該ノード間におけるファイバ次数(ファイバDeg)は3とする。ファイバ次数の定義には様々なものあり、上り光ファイバと下り光ファイバを区別して数える場合もあるが、本明細書の説明では、簡単のため、上り光ファイバおよび下り光ファイバのペアの数が、当該2つのノード間のファイバ次数に対応するものとする。
図7Bに示したように、中心ノードN1と隣接ノードN2〜N7の各々との間には、トラフィック量に応じた数の光ファイバのペアが割り当てられる。従来技術のOXC装置では、中心ノードN1に接続される光ファイバをすべて同じものとして区別せずに取り扱っていたため、その光ファイバが具体的にどの隣接ノードに対するものであるのかについての考慮が無かった。また、既に接続されていた光ファイバにおける現実のトラフィック量を、光ファイバの増設の要否の判断のために利用してはいたが、一旦光ファイバの追加を決定すれば、新たに追加した光ファイバは無条件にすべての隣接ノードへ接続されていた。これは、従来技術のOXC装置において、装置導入の時点でそのノードで予測された最大トラフィックに基づいて最大構成を想定し、かつ、装置内のWSSの対向するすべての出力ポートが内部経路で相互に接続された構成を取っていたことに対応している。発明者らは、装置導入の時点から将来の最大トラフィック量に見合った最大構成を前提としたり、WSS間を完全に相互接続したりする必要性は無いのではないかと考えた。すなわち、時間経過とともに変動していく既設光ファイバのトラフィック量の動向を利用しながら、OXC装置の拡張とともに特定のノードの光ファイバ毎にWSS出力ポートの内部経路の接続実施を判断すれば良いと考えた。
図7Cは、時間の経過とともに実施されるOXC装置拡張も考慮したときの光ファイバの接続状態を説明する図である。図7Cの光ファイバ接続図は、拡張が進んだある時点でのノード間の光ファイバ接続構成を示している。実際の光ネットワークでは、中心ノード71で運用開始初期の時点でトラフィックを処理するためには、隣接ノードの各々に1つの光ファイバリンクがあれば良い場合が多い。したがって、OXC装置の導入時には、中心ノードおよび隣接ノード間で、図7Cで黒の■で示した端点に接続される光ファイバリンク74−1のみが備えられていれば良いはずである。白抜きの□で示した端点に接続される光ファイバリンク74−2、74−3は、隣接ノード毎にトラフィック量が増加して性能限界に近いと予測された段階で光ファイバ増設の判断を行い、必要なだけの光ファイバを必要な時点で追加するのが合理的である。その光ファイバ増設よりも前の段階で、遠い将来の最大トラフィック時に利用されるWSSや、それらのWSS同士間の接続は不要である。また、トラフィック量が増加すれば、白抜きの□を原理的には制限無く増やすことができる。発明者らは、将来の予測最大トラフィック量に基づいた最大構成を前提とし、装置の導入時から装置内に最大数の要素部品(WSS)を備え、WSS同士の間を完全に相互接続していた従来技術のOXC装置構成には無駄が多いと考えた。
図8Aおよび図8Bは、本開示のOXC装置および周辺の隣接ノードの構成を概念的に示した図である。図8Aは、本開示のOXC装置が設置されるネットワークの構成を説明する図である。本開示のOXC装置は、隣接ノードとの間で複数の光ファイバが接続されるすべてのノードに設置されるが、ここでは、中心ノードA(80)に設置されたものとして説明する。中心ノードAに対して、その周辺には4つの隣接ノードであるノードB、ノードC、ノードD、ノードEがあるものとする。中心ノードAと各隣接ノードとの間を結ぶ線81は、1つの光ファイバリンクを表しており、1つの光ファイバリンクは、中心ノードAと例えば隣接ノードB(82)とを接続する2本の光ファイバ(上り光ファイバおよび下り光ファイバのペア)に対応する。すなわち、ノードBから中心ノードAに入る「入力光ファイバ」(上り光ファイバ)と、中心ノードAからノードBに出る「出力光ファイバ」(下り光ファイバ)とから構成されるものとする。光ファイバリンクを表す線上に記載された番号は、同じ経路上で異なる光ファイバペア(光ファイバリンク)を識別するもので、後述するように番号の順に増設されていくものとする。図8Aのネットワークでは、ノード次数D(ノードDegree)は4となる。また、本開示のOXC装置では、装置内に使用するWSSのWSS次数Dを5とした。以下の説明では、ある時点におけるOXC装置の入力ポート数および出力ポート数は常に同じものとする。言い換えると、光ファイバを追加するときには、「入力光ファイバ」および「出力光ファイバ」をペアで同時に増設するものとする。
図8Bは、本開示のOXC装置の構成を概念的に示す図である。本開示のOXC装置は図2Bで示した従来技術のルート&コンバイン型の構成を持っている。入力光ファイバ85が接続される入力ポート側に複数のWSS83が配置され、出力光ファイバ86が接続される出力ポート側に複数の光カプラ84が配置されている点で、図2Bの従来技術のルート&コンバイン型の構成と差異はない。しかしながら、WSS83の各々の構成ならびにWSS83と光カプラ84との間の接続状態の点において、従来技術のOXC装置と大きく相違している。OXC装置の拡張および光ファイバの増設手順については後述するが、図8Bは、光ファイバの増設作業過程の途中のある時点での本開示のOXC装置の構成を示している点に留意されたい。したがって、図8Bにおける少なくとも8番目以降の入力光ファイバ85および8番目以降の出力光ファイバ86は、図8Aに対応するネットワークの拡張が進んだ構成の状態を示しており、増設作業過程の途中のある時点では接続されている必要が無いことに留意されたい。さらに、増設作業のある時点で、例えば8番目以降のWSS83が設置されていなくても良い。図8Bは、後述する図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bにおける増設工程の説明のために、すべての光ファイバと要素部品が便宜上最初から示されている点に留意されたい。
本開示のOXC装置は、中心ノードの周りの隣接ノードの数に応じて非常に小規模なWSSを使用する点で、将来的なトラフィック最大量から想定した最大構成の大規模なWSSを使用していた従来技術のOXC装置と大きく相違する。図8Aに示したネットワークのノード次数Dが4であるとき、一例として、本開示のOXC装置のWSSではWSS次数Dが5のWSSを使用する。すなわち、1×5構成のWSS(D=5)を使用する。これは、従来技術のOXC装置が例えば1×20(D=20)以上の大規模な構成のWSSを使用していたのとは対照的である。本開示のOXC装置では、従来技術と比べて非常に小規模の(Dが小さい)ポート数(分岐数)が少ないWSSを使用すれば良いので、挿入損失を減らすために図5Bに示したように高価なWSSを大量に使用したルート&セレクト型の構成を採用する必要性が無い。図8Bのルート&コンバイン型の構成であっても、入力ポート側のWSS83に対向している、反対側の出力ポート側の光カプラ84の分岐数も5で済む。その結果、装置の入出力の両側にWSSを使用する必要が無く、光カプラ84における挿入損失は最大でも7dB程度に抑えられる。
したがって、本開示のOXC装置における小規模なWSSは、従来技術のように複数のWSSを従属接続して出力ポートの数を増やす必要も無く、安価で小規模な単一のWSSによって構成可能である。また、小規模なWSSを使用することができるので、図6Cに示したクロストークによる性能劣化の心配も無い。その上に、光カプラを使用したとしても分岐数が少なく挿入損失も小さいで、装置の入力側または出力側の一方の側のみにWSSを含むルート&コンバイン型またはブロードキャスト&セレクト型の装置構成を利用できる。大規模なWSSを入力ポート側および出力ポート側の両方の側に使用するルート&セレクト型を採用する必要性が無いので、WSSの使用数を大幅に減らすことができる。本開示の構成のOXC装置を採用することで、入力・出力ポート数が20を越えるような大規模なOXC装置のコストを、従来技術よりも大幅に下げることができる。本開示のOXC装置における具体的なWSSの数の削減の効果は、実施例1(図19)において、さらに詳細に説明される。
本開示のOXC装置の従来技術とのもう1つの大きな相違点は、1本の光ファイバと接続される1つのWSS83を見たときに、WSS83から対向する光カプラ84への内部経路の接続が、最大でもWSS次数Dの数5に限定されていることにある。従来技術のOXC装置では、装置内で対向するWSSのすべての出力ポート同士が漏れなく相互接続されていた。すなわち、将来の予測最大トラフィック量から想定されたOXC装置の最大構成に対応するため、すべてのWSSがお互いに内部経路で相互接続されることを予定していた。運用途中での増設時作業の複雑さや、作用に伴う事故発生の危険性および作業コストも考慮して、最初からすべてのWSS間の内部経路の相互接続を全て完了した状態で装置が導入されていた。
これに対して、本開示のOXC装置ではWSS83の出力ポートは5つしか存在せず、当然に、図8Bの対向する14個の光カプラのすべてには接続はされない。言い換えると、ある隣接ノードから中心ノードへの1つの入力光ファイバは、中心ノードから出る出力光ファイバの一部とだけしか接続されておらず、最大でもD個の所定の数の出力光ファイバとしか接続されていない。したがって、従来技術のOXC装置の最初のハードウェア構成が将来のトラフィックの増加を想定した「最大構成」を前提としたものであったのに対して、本開示のOXC装置では、最大構成の概念は存在しない。むしろ逆に、装置の最初のハードウェア構成は従来技術とは正反対の「最小構成」で装置を導入できる。本開示のOXC装置を「最小構成」の状態で導入できるこの特性は、後述するように柔軟でスケーラブルな装置拡張性および光ファイバの増設能力にも繋がっている。装置構成および拡張性の点において、本開示のOXC装置は、従来技術とは全く異なる観点から着想されたものであることに留意されたい。
したがって、本開示のOXC装置は、1以上の入力光ファイバ85が接続される複数の入力ポートおよび1以上の出力光ファイバ86が接続される複数の出力ポートを有し、前記入力光ファイバおよび前記出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノード82と相互接続され、前記入力ポートに入力された波長多重された光信号を前記出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記入力ポート側または前記出力ポート側の少なくとも一方の側に、各々の入力ポートが前記入力光ファイバおよび前記出力光ファイバのいずれかに接続され、各々がNWSS個の出力ポートを有する1×NWSS構成の複数の波長選択スイッチ(WSS)83を備え、前記複数のWSS83の内の1つの隣接ノードに接続された1つのWSSの前記NWSS個の前記出力ポートは、前記一方の側とは反対の側にある前記入力光ファイバまたは前記出力光ファイバの中で、前記1つの隣接ノードを除いたN−1個の前記隣接ノードに接続された光ファイバ86の内の一定の数の光ファイバだけに、内部経路87を経由して接続されており、前記複数のWSSに加えて、さらに追加のWSSを組み込んで新たな入力光ファイバおよび出力光ファイバを増設可能なように構成されているOXC装置として実施できる。
図8Bは、1〜3番の出力光ファイバと接続済みだったノードEからの4番の入力光ファイバを、ノードBへの新規増設の5番の出力光ファイバ、ノードCへの新規増設の6番の出力光ファイバへそれぞれ接続している増設工程の途中の状況を示している。次に、本開示のOXC装置のより具体的な増設工程を説明することによって、本開示における特徴がさらに明らかになるだろう。
図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bは、本開示のOXC装置が初期構成状態から増設されていく経過を段階的に説明する図である。図9A、図9B、図10A、図10Bの順に、中心ノードAにおいてOXC装置が拡張される様子を示している。図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bの一連の説明で前提とするネットワーク構成は、図8Aの構成と全く同一なので、詳細な説明は省略する。各図において上側に、その時点でのノード間の光ファイバリンクの接続状態が示されており、下側に中心ノードAにおけるOXC装置の入力側WSSと出力側光カプラとの内部接続状態が示されている。WSSのWSS次数Dは5であり、1×5の構成のWSSが使用される。また各図において、ノードAに接続される各隣接ノードを示すシンボルのハッチングと、そのノードと接続されるWSSおよび光カプラのシンボルのハッチングとが、揃えて描かれていることに留意されたい。
図9Aを参照すると、ノードAが運用を開始した時点でのネットワーク状態とOXC装置の状態(第1の状態)が示されている。ノードAからノードB〜Eのそれぞれに1つの光ファイバリンク(「入力光ファイバ」および「出力光ファイバ」のペア)が設定されている。例えば、ノードB(対象隣接ノード)に対しては、1番の入力光ファイバが最上部のWSSに接続され、1番の出力光ファイバが最上部の光カプラに接続されている。この状態では、4番目までの各々WSSからは、対象隣接ノードを除いた他の隣接ノードの出力光ファイバに向かって、OXC装置内の3本の内部接続90が構成されている。ここで、同一の対象隣接ノードの入力光ファイバおよび出力光ファイバをOXC装置内で接続する必要が無いことに留意されたい。このような接続は、ノードBからノードBへの経路を構成することになるが、そのようなルーティングにはそもそも意味がないためである。したがって、本開示のOXC装置が設置される中心ノードにおいては、一般的には同一の対象隣接ノードの入力光ファイバと出力光ファイバの間の接続は行われない。これは、下側のOXC装置図で、同じ番号の光ファイバを結ぶ「水平の接続線」が存在しないことに対応する。もちろん本開示のOXC装置の構成では、同一の対象隣接ノードの入力光ファイバと出力光ファイバの間の接続を行う様に、拡張することも可能である。
図9Aの状態は、いずれのWSSも未だすべての出力を使用しておらず、通信トラフィックの量が1本の光ファイバの許容量を越えない限り、常に任意の経路を構成できる。図9Aでは、後述の図10A〜図10Bを含めた全体の説明のために、例示的に14個のWSSと14個の光カプラを描いているが、この時点で、上から5個目以下のWSSおよび光カプラは全く不要であって、本開示のOXC装置では、初期状態として、上から4番目までのWSSと4番目までの光カプラを備え、これらが相互に接続されていれば、ノードAの運用を開始できる。後述する光ファイバの増設の段階で、モジュール化されたWSSや光カプラをOXC装置に追加していけば良い。したがって、図9Aでは未使用状態のWSSおよび光カプラを白抜きのシンボルで表示している点に留意されたい。図9B、図10A〜図10Bでも同様である。
この点で従来技術のOXC装置では、1つのWSSは対向する側のすべてWSSの1つのポートと接続されている必要があった。従来技術のOXC装置でも段階的にWSSを追加することは可能であるが、WSSのポート数が20を越えた複雑な内部接続を持つ構成になっており、装置の運用中に段階的にWSSを追加していく作業は煩雑でしかも事故を併発する可能性もある。したがって運用中にWSSを追加していく増設作業は、事実上難しい。これに対して、図9Aの本開示のOXC装置では、WSSのポート数は最大5個であって、装置内における光カプラとの内部接続は簡素である。装置内の接続作業は格段に容易であって、段階的なWSSの増設も従来技術と比べて簡単である。このように、本開示のOXC装置を導入する初期の段階では、最低限の数のWSSおよび光カプラ等の要素部品のみを含む初期状態でサービスを開始できる。OXC装置の初期導入コストはこの点でも、従来技術のOXC装置と比べて格段に低い。
次に図9Bを参照すると、ノードAが運用を開始した後で2つのノードに光ファイバを増設した状態(第2の状態)が示されている。中心ノードAと、ノードBおよびノードCとの間のトラフィックの増加を受けて、中心ノードAからノードBへ5番目の光ファイバリンクが、ノードCへ6番目の光ファイバリンクが、それぞれ追加された状態となっている。この時点では、ノードBからの1番目の入力光ファイバのWSSからは、4本の内部接続91によって4本の出力光ファイバに接続されているが、未だすべての接続ポートは使用されていない。ノードBでのトラフィックの増加に対応して、新たにノードBからの5番目の入力光ファイバが接続され、対応するWSSから4本の内部接続によって4本の出力光ファイバに接続されている。同様に、新たにノードCからの6番目の入力光ファイバが接続され、対応するWSSから4本の内部経路の接続92によって4本の出力光ファイバに接続されている。
図9Bの状態では、設置済みのWSSのすべてのポートを使い切ってはいないが、新たな光ファイバを2ペア追加した状態にあり、合計6つの光ファイバリンクに対する経路が構成されている。先に述べたように、図9Bには7番目以降のWSSおよび光カプラが描いてあるが、これも説明のためであって、この時点でこれらの未使用の要素部品は不要である。したがって、本開示のOXC装置では、ネットワークのトラフィック需要に応じて、段階的に装置構成を拡張していけることが理解できるだろう。
図10Aは、ネットワークのトラフィック量がさらに増えて、さらにノードCおよびノードDに新たな光ファイバを増設した状態(第3の状態)が示されている。中心ノードAと、ノードCおよびノードDとの間のトラフィックの増加を受けて、中心ノードAからノードCに8番目の光ファイバリンクが、ノードDに7番目の光ファイバリンクが、それぞれ追加された状態となっている。この状態では、1番目の入力光ファイバに接続された1番目のWSSの5つのすべてのポートが使用され、5本の内部経路の接続100によって、ノードCへの2番目の出力光ファイバ、ノードDへの3番目の出力光ファイバ、ノードEへの4番目の出力光ファイバ、ノードCへの6番目の出力光ファイバ、ノードDへの7番目の出力光ファイバへ接続されている。また、新たにノードCからの8番目の入力光ファイバが接続され、8番目のWSSの1つの出力ポートが内部経路の接続101によって7番目の出力光ファイバにのみ接続されている。この点において、1つのWSSが対向する側のすべてのWSSへそれぞれ接続されていた従来技術のOXC装置の構成と、対向する側の一部のWSS(出力光ファイバ)だけに内部経路で接続される本開示のOXC装置の構成との相違点を端的に示している。本開示のOXC装置内で、どのように入力ポートと出力ポートとの間を接続していくかについては、任意のアルゴリズムを適用できるが、詳細は後述する。
図10Bは、ネットワークのトラフィック量がさらに増えて、ノードBからノードEに新たな光ファイバをさらに1つずつ増設した状態(第4の状態)が示されている。すべての隣接ノードとのトラフィックの増加を受けて、中心ノードAからノードDに9番目の光ファイバリンクが、ノードBに10番目の光ファイバリンクが、ノードEに11番目の光ファイバリンクが、ノードCに12番目の光ファイバリンクがそれぞれ追加された状態となっている。この時、ノードCからの8番目入力光ファイバは、新たに3本の出力光ファイバと内部経路の接続102で接続されている。この時点では、1〜7番目まのでWSSおよび光カプラは、すべてのポートが接続されている。また、新たにノードCからの12番目の入力光ファイバが接続され、12番目のWSSの3つの出力ポートが内部経路の接続103によって新たに追加された9、10、11番目の出力光ファイバにのみ接続されている。
図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bに示した第1の状態から第4の状態までのOXC装置の増設過程から明らかなように、本開示のOXC装置では中心ノードにおけるトラフィックの増加に対応して、小規模なWSS(Dの小さい)およびカプラを順次追加しながら、トラフィックの増加に見合った、装置内の構成要素を増設していくことができる。装置のサービス開始または1回の増設イベントが終了した段階で、装置内部においてWSSの少なくともいくつかのポートは未接続状態となっている。この点、従来技術のOXC装置では、少なくともWSSが装置内に設置された段階で、WSSのすべてのポートが対向するWSSに接続済みであったことと対照的である。
本開示のOXC装置では、小さな規模のWSSを必要な数だけ順次追加していくことで、光ファイバの増設に対応可能であって、トラフィックの増加に対して柔軟な装置の拡張が可能である。先にも述べたが、図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bでは、説明のためにOXC装置の構成部品としてWSSおよび光カプラの数は14個のみを示している。しかしながら、本開示のOXC装置では、これらの数にも何ら制限がない。OXC装置としての筐体のサイズおよびスペースを十分とっておくことで、または、筐体の形態を順次増設が可能なように構成することで、WSSおよび光カプラの数をさらに増加させていくことが可能であって、装置の増設を無制限にできる。これに対して、従来技術のOXC装置では、一旦入力ポートの数および出力ポートの数を定めて最大構成を決めてしまうと、その最大構成を越えて増設するのは困難で非効率ある。なぜならば、増設は最大構成の単位でしか行えず、増設をしたとしても、相当の長い期間に渡って大量の未稼働の要素部品を含むことになり非常に非効率的だからである。本開示のOXC装置では、最小単位として光ファイバのペア単位で無駄なく増設が可能であって、従来技術と比べて、装置の拡張のスケーラビリティに圧倒的に優れている。
従来技術において増設を最大構成単位で行い、同一ノード内で複数のOXC装置を跨いで光信号が出力される場合、例えば、最大構成の装置Aおよび最大構成の装置Bを用いた時は、装置Aに接続された入力光ファイバからの光信号が、装置Aの出力光ファイバから出力され、さらに装置Bの入力光ファイバを経由して、装置Bの出力光ファイバから光信号がノードを出ることになる。この場合、増設された従来技術のOXC装置で経路切替される光信号はOXC装置を都合2回通ることになり、信号劣化が大きくなる。一方で、本開示のOXC装置では、たとえどれだけWSSを追加して装置構成を拡張していっても、また、どれだけ装置の全体規模を大きくしても、光信号が経由するデバイスは、光カプラおよびWSSの1対のみとなる。したがって光信号の品質の点においても、本開示のOXC装置は、従来技術のOXC装置よりも優れていることがわかる。
上述のように、本開示のOXC装置では、小規模のWSSおよび光カプラを組み合わせたブロードキャスト&セレクト型またはルート&コンバイン型のOXC装置を利用することができる。装置内で使用されるWSSの数は、ルート&セレクト型の従来技術の場合の半分以下で済む。しかもWSS次数Dの小さい、より安価なものを利用できる。ここで、コンテンションによる経路設定の損失を抑えて、光スイッチとしての一定の性能を得るためには、WSSの規模すなわち、WSS次数D(WSS Degree)を、ノード次数Dとの関係で次式を満たすようにすることが望ましい。
≧D−1 式(1)
図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bの例では、ノード次数Dは4なので、WSS次数が3以上であれば良い。従来技術の構成では、WSS次数は、その中心ノードで想定する最大の光ファイバ数(ペア数)であったのと対照的である。尚、上の式(1)において、あまりに少ないポート数(すなわちWSS次数D)では、トラフィックのスループットを確保するために、光ファイバリンクを増やさなければならない。そのような場合、ファイバおよびノードを併せたコスト・性能の面でかえって非効率な構成となってしまう。したがって、上の式(1)の意味するところは、WSSには一定程度の大きさの規模が必要であることにある。したがって、式(1)はWSSの最小構成を示す目安であるが、必ずしも必須ではない。図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bの例と同様のネットワーク構成による後述する実施例1では、1×5構成のWSS(D=5)の場合を例示している。具体的なWSSの構成については、図14においてさらに説明する。
図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bでは、特定のノード間でのトラフィック量を大まかに考慮する外は特定のアルゴリズムなしに、装置内の空き部分に順次WSSおよび光カプラを拡張して内部経路の接続を実施して、光ファイバを増設するものとして説明した。本開示のOXC装置では、トラフィック量が少ない導入初期を除くと、すべての入力光ファイバおよび出力光ファイバが相互に接続されているわけではない。言い換えると、あるノードに接続された入力光ファイバは、一定の数の一部の出力光ファイバのみと接続され、あるノードに接続された出力光ファイバは、一定の数の一部の入力光ファイバのみと接続されている。このため、常に100%の確率では経路設定ができない恐れがあるようにも思える。しかしながら本開示のOXC装置においては、トラフィック量に基づいたより緻密なアルゴリズムを用いて光ファイバの増設を行えば、ノード間のすべての経路を接続しているために増設のタイミングを適切行う限り経路設定の失敗(損失)が生じない従来技術と比べても、ほぼ遜色のない程度にトラフィックを収容できる。次の実施例で、装置内部の接続(内部経路の接続)の手順のより具体的なアルゴリズムを示し、本開示のOXC装置による具体的な効果も合わせて詳細に示す。
本実施例では、光ファイバの増設の段階で、既設の光ファイバの使用率に基づいて新規の光ファイバを接続するアルゴリズムを説明する。本実施例では、OXC装置の内部において、入力光ファイバと出力光ファイバとの間を内部経路で接続するときに、既存の光ファイバの使用率に基づいて、接続するかどうかを判断する。従来技術では、すべての入力光ファイバと出力光ファイバとの間が完全に接続されており、処理可能な数を越えない限り、経路設定にコンテンションは生じない。一方、本開示のOXC装置では、すべての入力光ファイバと出力光ファイバとの間は完全には接続されてはいない。しかしながら、内部経路の接続の判断を行うための光ファイバの使用率の閾値を適切に選択すれば、経路設定のコンテンションの発生を非常に小さく抑えられる。
図11は、本実施例のOXC装置のネットワーク構成と装置の初期状態を説明する図である。図11の左側のネットワーク図は、中心ノードAおよび4つの隣接ノードB〜隣接ノードEを示しておりノード次数はD=4となる。WSS次数は、式(1)を満たすようにD=5とする。したがって、OXC装置が動作するネットワーク構成は、図9A〜図9Bおよび図10A〜図10Bの場合と同じである。初期状態で設置済みの光ファイバが1〜4の番号で示されている。以下の説明では、トラフィックの増加のために新たに、ノードBとの間に5番の増設光ファイバを、ノードCとの間に6番の増設光ファイバをそれぞれ追加しようとしている状況にある。
図11の右側には、光ファイバの増設直前の時点での中心ノードAにおけるOXC装置の構成が示されている。本実施例では、対象とする隣接ノードからの入力光ファイバ113が接続される入力側に光カプラ111があり、対象とする隣接ノードへの出力光ファイバ114が接続される出力側にWSS112がある。すなわち本実施例では、ブロードキャスト&セレクト型のOXC装置の構成の例を示している。点線よりも上側の1番〜4番の光ファイバが設置済みの初期光ファイバである。ここで、入力ファイバおよび出力ファイバの隣に表記した数字は、各光ファイバの現時点での使用率を表している。すなわち、符号115で示した数字は各隣接ノードから中心ノードAへの入力光ファイバの使用率を、符号116で示した数字は、中心ノードAから各隣接ノードへの出力光ファイバの使用率を示す。
ここで、光ファイバの使用率とは、対象のシステムにおいて各ファイバで利用可能な光通信チャネルの全体数に対する、現在利用されているチャネル数の比率、または、利用可能な通信帯域における最大設定可能なキャリア数と現在使用しているキャリア数の比率などで良い。また、使用率は光ファイバの使用状況を表しておりは、対象とする光ファイバに割り当て可能な最大の周波数帯域と現在使用されている光パスの帯域の総和との比率、または、対象とする光ファイバに収容可能な光パスの本数と現在使用されている光パスの本数との比率であっても良い。これらの比率は、100%が最大値であって、100%に近いほど新たにトラフィックを追加する余裕がなく、新規の光ファイバを増設する必要性が高い。
図12A〜図12Bおよび図13A〜図13Bは、本実施例の光ファイバの増設アルゴリズムを説明する図である。図12A〜図12Bで、出力光ファイバの増設アルゴリズムを説明し、図13A〜図13Bで、入力光ファイバの増設アルゴリズムを説明する。ここでは、光ファイバリンク5と光ファイバリンク6の新たな増設要求があったものとする。図12Aは、新規の5番目の増設出力光ファイバを5番目のWSSから対向するいずれの入力光ファイバのカプラと接続するかを決める段階を示している。このとき、対向する入力光ファイバのそれぞれの使用率が「閾値90%未満」を接続条件として、内部経路の接続を行うかどうかを判定する。既存の1番目の入力光ファイバについては、使用率が90%なので、「閾値90%未満」の接続条件を満たさないので、5番目の増設出力光ファイバと1番目の入力光ファイバとは接続を行わない。既存の2番目の入力光ファイバについても、同様に「閾値90%未満」の接続条件を満たさないので接続は行わない。一方、既存の3番目および4番目の入力光ファイバについては、それぞれ使用率が76%および72%なので、「閾値90%未満」の接続条件を満たす。したがって、5番目の増設出力光ファイバと3番目および4番目の入力光ファイバとの内部経路の接続を実施する。新規の5番目の増設入力光ファイバについては、同一の対象ノードBの間を接続することになり、ノードBからノードBへルーティングする意味がないため、接続は行わない。新規の6番目の増設入力光ファイバについては、使用率が0%なので「閾値90%未満」の接続条件を満たし、接続を行う。結果として、5番目のWSSから3本の内部経路120によって、3つの入力光ファイバとの接続が決定される。
図12Bは、新規の6番目の増設出力光ファイバを6番目のWSSから対向するどの入力光ファイバの光カプラと接続するかを決める段階を示している。6番目の増設出力光ファイバについても、5番目の場合と全く同様に、入力光ファイバの使用率に基づいて判定を行う。結果として、6番目のWSSから3本の内部配線(内部経路)121によって、3番目、4番目の既存の入力光ファイバ、および、5番目の増設入力光ファイバとの接続が決定される。
図13Aは、新規の5番目の増設入力光ファイバを、5番目のカプラから対向するいずれかの出力光ファイバのWSSと接続するかを決める段階を示している。入力光ファイバの接続判断のアルゴリズムも、出力光ファイバの場合と全く同様である。既存の1番目の出力光ファイバについては、使用率が90%であって「閾値90%未満」の接続条件を満たさないので、5番目の増設入力光ファイバと1番目の出力光ファイバとは接続を行わない。既存の2番目の出力光ファイバについても、同様に「閾値90%未満」の接続条件を満たさないので接続は行わない。一方、既存の3番目および4番目の出力光ファイバについては、それぞれ使用率が76%および72%なので、「閾値90%未満」の接続条件を満たす。したがって、5番目の増設入力光ファイバと3番目および4番目の出力光ファイバとの内部経路の接続を実施する。新規の5番目の増設入力光ファイバについては、同一の対象ノードBの間を接続することになり無駄な経路となるため、内部接続は行わない。新規の6番目の増設入力光ファイバについては、使用率が0%なので「閾値90%未満」の接続条件を満たし、接続を行う。結果として、5番目の光カプラからの3本の内部配線(内部経路)130によって、3つの出力光ファイバとの接続が決定される。一部の接続は、図12Bの工程で実施済みである。
図13Bは、新規の6番目の増設入力光ファイバを、6番目のカプラから対向するいずれの出力光ファイバのWSSと接続するかを決める段階を示している。6番目の増設入力光ファイバについても、5番目の場合と全く同様に、対向する出力光ファイバの使用率に基づいて判定を行う。結果として、6番目の光カプラからの3本の内部配線(内部経路)131によって、3番目、4番目の既存の出力光ファイバ、および、5番目の増設出力光ファイバとの接続が決定される。尚、上記の例では示していないが、1つの隣接ノードに対して一度に2ペアの光ファイバ(2本の入力光ファイバと2本の出力光ファイバで、合計4本の光ファイバ)を追加する場合には、追加した同一隣接ノードのWSSと光カプラ同士は接続しない。例えばノードBとの2ペアの光ファイバを中心ノードAに接続し、これらファイバ同士で入力と出力間を内部接続すれば、B→A→Bの経路を設定することになり、このようなルーティングには意味が無いからである。
上述のように本開示のOXC装置では、追加のWSSまたはカプラの出力ポートを、装置の入力ポート側または出力ポート側の内で前記WSSまたはカプラが追加された側とは反対側にある光ファイバと内部経路によって接続を行う決定が、前記反対側の光ファイバの各々における使用状況に基づいていることになる。
図12A〜図12Bおよび図13A〜図13Bで説明してきたように、新規の増設光ファイバについては、接続対象となる対向する側の光ファイバの使用率に基づいて、極簡単なアルゴリズムを入力側光ファイバおよび出力側光ファイバで独立して適用すれば良い。何らかの理由で、同一の隣接ノードで入力光ファイバと出力光ファイバの使用率が異なる場合がある。また、トラフィック量が上りと下りで異なる場合が有り得る。したがって、閾値(例えば90%)の前後で一方の方向では接続可能(例えば87%)と判断し、もう一方の方向では接続不可(例えば91%)と判断される場合がある。このような場合も、内部経路の接続を行うかどうかのルールを適宜決めれば良いのであって、本実施例のOXC装置の内部経路の接続の判断アルゴリズムでは、光ファイバの使用率という非常に単純な条件だけに基づいて判断できる簡便さが重要である。したがって、上述のアルゴリズムは様々に変形が可能であって、上述の図12A〜図12Bおよび図13A〜図13Bで説明したものだけに限定されない。
また、本実施例の光ファイバの使用率に基づいたOXC装置の内部接続の判断アルゴリズムは、ノード次数Dや、WSSの次数Dに関係なく有効である。さらに、図8Aや図11のネットワーク構成で前提とした、OXC装置の入力ポートと出力ポートの数が同一の対称構成だけに限られない。すなわち、入力光ファイバと出力光ファイバの数がある時点で異なっている場合や、増設段階において異なる数の入力光ファイバと出力光ファイバを追加するような場合にも適用できる。そのような状況では、入力光ファイバおよび出力光出力ファイバの数に従って、WSSとカプラの数が異なる場合もあり得る。また、これまでの説明で、中心ノードと隣接ノードとの接続は、「入力光ファイバ」および「出力光ファイバ」のペアで行われるものとしたが、上りと下りの信号を1本の光ファイバで伝送することも可能である。そのような場合にも、1本の光ファイバで双方向通信を行う光サーキュレータを利用すれば、本開示のOXC装置を適用できる。
さらに、これまでの説明では、WSSのポート数(WSS次数D)と光カプラの分岐数が同じ数であることを前提として説明をしたが、これらの数が異なっていても、本開示のOXC装置の特徴は失われないことに留意されたい。要するに本開示のOXC装置では、小規模なWSSを順次追加しながらOXC装置を拡張していき、かつ、すべての「入力光ファイバ」および「出力光ファイバ」が相互に内部接続されてはいない点に従来技術にない特徴があり、図12A〜図12Bおよび図13A〜図13Bで説明された例だけに限定的に解釈する必要は無い。
上述の本開示におけるOXC装置の構成は、特に使用されるWSSの構成に関して、ノード次数、ファイバ次数およびWSS次数を用いて、以下に説明するようにさらにより具体的に規定できる。既に図4Aとともに説明したように、あるノードにおいて、伝送リンクによって直接接続されている隣接ノードの数はノード次数(D)と定義される。また図6Cとともに説明したように、1つの入力(出力)ポートおよびn個の出力(入力)ポートを備えた1×nの構成を持つWSSにおいて、複数のポート側のポート数nは、WSS次数(D)と定義される。さらに図7Bとともに説明したように、上り光ファイバおよび下り光ファイバのペアを1つのファイバリンクとしたとき。特定のノード間においてファイバリンク(ファイバペア)の数NPairは、ファイバ次数(D)と定義される。
ここで図8AのOXC装置の周辺ネットワークを再び参照すると、着目するOXC装置が配置される中心ノードAの周辺に4つの隣接ノードB〜Eがあり、これらのノード番号を簡単のためノードB=1、ノードC=2、ノードD=3、ノードE=4とする。上述の定義より中心ノードAのノード次数(D)は4となる。図8Aのネットワーク構成の下で、本開示のOXC装置において使用されるWSSのポート数の上限値は、以下のように決定される。
中心ノードAに関して、各隣接ノードの各々との間におけるファイバペア数NPair,j(j=1,2,3、4:ノード番号)は、図8AのノードB(j=1)に対しては、中心ノードAと3組のファイバペアで接続されているので、NPair,1=3となる。同様にして、ノードC(j=2)、ノードD(j=3)、ノードE(j=4)のファイバペア数を求めると、4つの隣接ノードのファイバペア数は、それぞれNPair,1=3、NPair,2=5、NPair,3=4、NPair,4=2となる。
ここで中心ノードAの4つの隣接ノードの内の1つの隣接ノードについて着目し、当該隣接ノードを除いた他の3(=4−1)つの隣接ノードと中心ノードAとの間で、ファイバペア数NPair,jの合計NTotal,jを考える。例えば、隣接ノードC(ノード番号j=2)についてのファイバペア数の合計NTotal,2は、隣接ノードCを除いた3つの隣接ノードB(j=1),ノードD(j=3),ノードE(j=4)の各ファイバペア数NPair,1、NPair,3、NPair,4を合計したものとなる、すなわち、NTotal,2=3+4+2=9となる。同様にして、すべての隣接ノード(j=1,2,3、4)について、当該隣接ノードを除いた他の隣接ノードと中心ノードAとの間のファイバペア数NPair,jの合計NTotal,jは、以下の通りとなる。以下の式で、例えば式(2)の総和記号Σにおけるj≠1の表記は、ノード番号1の隣接ノードを除くことを意味している。
Figure 0006877766

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本開示のOXC装置において使用されるWSS(WSS次数D)は、すべての隣接ノードのNTotal,jの内の最大値をNMaxとすると、次式を満足する。
Max > Dw 式(6)
本開示のOXC装置で使用するWSSは、通常1×NWSS構成(つまりWSS次数D)なので、結局WSSの出力ポート数NWSS(=D)が次式を満たせば良い。
Max > NWSS 式(7)
上述の図8Aのネットワーク構成の状態における中心ノードAの場合については、式(2)〜(5)から、NTotal,jの内の最大値NMaxは隣接ノードEにおける12となる。したがって、図8Aの中心ノードAに設置されるOXC装置では、式(7)に従って12>NWSS を満たす構成のWSSを使用すれば良い。すなわち、最大出力ポート数がNWSS=11までのWSSを使用すれば良い。このWSSの最大ポート数Nwss(WSS次数Dに対応)は、ある時点において図8Aに示した中心ノードAが隣接ノードを4つ(ノード次数D=4)を持ち、各隣接ノードと間で特定のファイバペア数NPairを持っている条件下で、上述の手順による決定される。逆に言えば、対象とするOXC装置を設置する中心ノードにおいて、予め想定すべき隣接ノードの数がわかっており、ファイバリンク数の最大数を予測または決定できれば、使用すべきWSSの最大構成を予め決定することが可能となる。本開示のOXC装置では、できるだけ小さい規模のWSSを使用することによって、非常に低コストのOXC装置を実現することができる。しかし上述のような式(7)で規定される最大構成にまでWSSの規模を拡大した場合であっても、低コストであって、柔軟にOXC装置を拡張可能な本開示のOXC装置の特徴を発揮することができる。
図14は、本開示のOXC装置において利用可能なWSSの具体構成を示した図である。図5Bでも既に示しているように、WSSの複数のポート側のポート数を増やすため、ポート数の少ない小型のWSSをカスケード(従属)接続して構成することができる。また、カプラおよびWSSの組み合わせによっても、WSSを構成できる。図14では、小規模なWSSのカスケード接続による構成のWSS141、入力側からカプラ、WSSの順にカスケード接続した構成のWSS142によって、WSSを実現できる。これらのカスケード接続形のWSS141、142は、異なる波長の複数の光信号を含む入力の内、1つの波長の光信号を任意の1つの出力ポートに選択して出力することができるWSSとして機能する。したがって、OXC装置の入力側または出力側の一方だけにWSSを持っている図8Bに示したルート&コンバイン型構成、または、図11、図12A〜図12Bおよび図12A〜図12Bに示したブロードキャスト&セレクト型構成の本開示のOXC装置に、上述のカスケード型構成のWSS141、142を利用できる。本開示のOXC装置は、できるだけ小さい規模のWSSを使用することによって、装置全体のコストを下げることができる。しかしながら、WSSの構成方法とコストは、将来的に変動する可能性もある。また図6Cで説明したクロストークの問題が緩和される可能性もある。したがって、図14に示したような様々な構成のカスケード接続のWSSを利用することも妨げない。
図15は、本開示のOXC装置のルート&セレクト型の構成例を示す図である。OXC装置150において、入力光ファイバ153が接続される入力側および出力光ファイバ154が接続される出力側の両方に、それぞれWSS151、152を備えている。両側のWSSの間は、図9A〜図9B、図10A〜図10Bまたは図12A〜図12B、図13A〜図13Bで説明した手順で、内部接続155によって接続される。図15の本開示のOXC装置は、図4Bや図5Bに示した従来技術のルート&セレクト型の構成に対応するものである。上述の図8Bのルート&コンバイン型構成や、図11、図12A〜図12Bおよび図12A〜図12Bのブロードキャスト&セレクト型構成と同様に、図15のルート&セレクト型のOXC装置にも小規模のWSSを使用した本開示のOXC装置の特徴が当てはまる。
図15に示したルート&セレクト型の場合には、OXC装置の入力および出力の両側にWSSを配置しているので、一方の側のWSSはカプラに置き換えることもできる。このような場合には、図15のOXC装置におけるWSS151またはWSS152を、図14の右側に示したような、入力側からWSS、カプラの順にカスケード接続した構成のWSS143によって実現できる。尚、図14のカスケード接続したWSS143では、1つのカプラからの出力ポート間には波長選択性がない。このためWSS143を厳密には完全なWSSとは呼べないが、出力ポートの一部に波長選択性を持つものもWSSに含めれば、図15に示した本開示OXC装置の内の入力または出力側の一方に、カスケード接続したWSS143を利用することもできる。このように、本開示のOXC装置では、複数の出力ポート側または複数の入力ポート側に備えた複数のWSSの各々は、NWSSよりも少ない数の出力ポートを有する複数のWSSを従属接続した構成142、またはカプラと、当該カプラの分岐出力に、NWSSよりも少ない数の出力ポートを有する複数のWSSとを従属接続した構成142を有することができる。
図16は、本開示のOXC装置における制御の概略を説明する図である。本開示のOXC装置160は、入力光ファイバ162に接続される入力側のWSSまたはカプラ164、出光ファイバ163に接続される出力側のWSSまたはカプラ165を備えている。従来技術のOXC装置と同様に、これらの構成要素の設定や動作の制御を行い、または装置全体の制御を行う制御部166を備えることができる。図16では、制御部166はOXC装置内にあるものとして示しているが、OXC装置の外部にあっても、ネットワークを経由して別の装置からの遠隔制御によっても、またOXC装置の内外で分布して配置された複数の制御部によって協働して制御されても良い。制御部166は、中央制御装置(CPU)やメモリなどを備えることができる。
制御部166は、光ファイバの使用率、使用状況や各隣接ノードとのトラフィック量などの情報を測定値または設定値などによって自ら生成し、または、OXC装置外からこれらの情報を受信することができる。これらの情報に基づいて、光ファイバまたはカプラもしくはWSSの増設が必要になったことを示す信号、表示または情報を生成することができる。さらに、これらの情報・信号を表示部167に表示することができる。表示部167は、ディスプレイ装置やLEDランプでも良いし、音声による表示でも良い。光ファイバの使用率、使用状況、トラフィック量などOXC装置の増設の必要性を知らせる情報を、表示し示すことのできるどのような装置・部品も含むことができる。上述のこのような制御部166および表示部167は、OXC装置のルート&コンバイン型、ブロードキャスト&セレクト型、ルート&セレクト型などの構成に関わらず、それぞれのOXC装置に備えていることができる。
図17は、本実施例のOXC装置における内部経路の接続の判断のための光ファイバの使用率の設定閾値と、トラフィック収容率の関係を示す図である。ノード次数D=6の場合であって、隣接ノードが6個の場合のシミュレーション結果を示している。図17の横軸はトラフィック増加イベントと記載しているが、端的にはシミュレーションにおいて時間とともに中心ノードを経由するトラフィック総量が、実線の曲線のように増加していることを示している。したがって、横軸は時間と考えても良い。具体的には、シミュレーションではイベントごとにトラフィック量を30%ずつ増加させている。この増加割合の場合、右側の縦軸に示しているように14イベント(単位時間)を経過した段階で、トラフィックのボリュームは当初(イベント0)の40倍になる。
図17の縦軸に本開示のOXC装置におけるトラフィック収容率(%)を示している。シミュレーションでは、トラフィック増加イベント毎(イベント1〜14)に、OXC装置導入時の初期状態構成に対して光ファイバの増設ならびに装置内部のWSSおよびカプラを追加するかどうかの判断を行う。図11および図12A〜図12Bで説明をした光ファイバの使用率に基づいた増設アルゴリズムを使用してOXC装置を拡張していきながら、光ファイバの使用率の閾値をパラメータとしてトラフィック収容率をシミュレーション計算している。
ここで、トラフィック収容率は次のように計算される。各イベントに対応するトラフィック量を処理するための、従来技術においてWSSのすべての出力ポートが対向する側のすべてのポートのWSSへ経路が構成された場合のネットワーク構成を求める。すなわちOXC装置の入力ポート数および出力ポート数を決定する。従来技術の構成では、すべての光ファイバがWSSによって相互に完全に接続されているので、経路設定にコンテンションは発生せず、光ファイバの伝送容量を超えない限りは、必ずルーティング経路を設定可能である。
次に、その従来技術のネットワーク構成と同一の入力ポート数および出力ポート数で、本開示のOXC装置を構成した場合に最大処理可能なトラフィック量を求める。このとき、従来技術のトラフィック量に対して、本開示のOXC装置では96%のトラフィックしか収容できないとき、トラフィック収容率を96%とする。要するに、トラフィック収容率は、従来技術の構成と同様の入出力ポート構成を備えた本開示のOXC装置において、光スイッチとしてどの程度のトラフィックを本開示のOXC装置で取り扱えるかを示している。したがって収容率が100%であれば、従来技術と全く同等のトラフィック収容能力を持っていることになり、従来技術比で光スイッチとしての性能劣化が無いことを示す。
図17では、実施例1の増設アルゴリズムにおいて光ファイバの使用率の閾値を10、30、50、70、90および100%と変化させた場合の、トラフィック収容率の計算値の推移を示している。閾値が100%とは閾値を設定しない場合と等価である。ここで、トラフィクイベント7の段階までは、いずれの閾値でも収容率は100%である。これは、トラフィクイベント7の段階まではトラフィック量が少ないため、シミュレーションで使用した初期構成(OXC装置と繋がる隣接ノードのリンクファイバが全て1対である構成)ですべてのトラフィックが収容されていることを示している。トラフィクイベント8以降の段階では、閾値を30〜70%の間に設定しておけば、従来技術の構成と比較しても、本開示のOXC装置は98%以上の収容率を確保している。本開示のOXC装置は、WSS間の接続に制限が無くWSSの出力ポートが相互にすべて接続されていて、経路設定のコンテンションが起こらない従来技術と比較しても、光スイッチとしての遜色のない性能を持っていることがわかる。
図18は、本開示のOXC装置において、隣接ノードの数(ノード次数D)によってトラフィック収容率がどのように変化するかを示した図である。図17で示したシミュレーションにおいて、増設アルゴリズムにおける光ファイバの使用率の閾値をトラフィック収容率が良好な40〜70%の範囲にしたときの、トラフィック増加イベント8〜14の間のトラフィック収容率最高値および最悪値を示している。従来技術のOXC装置と比較して、本開示のOXC装置ではトラフィック収容率の劣化はノード次数Dを変えても高々2%程度に抑えられていることが確認できる。
図19は、本開示のOXC装置において、増設シミュレーション計算の最終状態で装置内に必要としたWSSの数を従来技術と比較した図である。図17および図18に示した増設シミュレーション計算において、14回目のトラフィック増加イベントが完了した段階で、最終状態の装置内のWSSの数を異なるノード次数(D=4〜6)の場合で計算した。図19の右側の縦軸には1つの隣接ノードと中心ノードの間の1リンク当たりの平均光ファイバ対数も示している。
WSS間の接続に制限が無く、WSSの出力ポートが相互にすべて接続されていた従来技術のOXC装置では、1×9構成のWSSを用いてノードを構成した場合と、1×20構成のWSSを用いてノードを構成した場合とを示している。従来技術構成では、いずれの場合も、ノード次数が増えれば急激に所要WSSの数が増加する。例えばノード次数D=6の場合、1×9構成のWSSを用いた従来技術の構成では300個を越えている。一方で、本開示のOXC装置の場合は、1×5の構成のような非常に小規模なWSSを使用しても、所要WSSの数は従来技術の数分の1から10分の1程度で済み、遥かに少ないことに注目されたい。したがって、本開示のOXC装置は、従来技術と比べてトラフィック収容率の低下が最大でも2%程度に抑えられる一方で、高価なWSSの所要数は最少の場合では従来技術の1/10で済み、しかも使用するWSS自体がより安価な小規模なもので済む。従来技術比でOXC装置の大幅なコスト削減が可能となる。
以上詳細に説明したように、本開示のOXC装置の構成を採用し、さらに光ファイバの使用率に基づいたOXC装置の内部経路の接続の判断アルゴリズムを利用して光ファイバの増設およびWSSなどの拡張を行えば、多くの利点を得られる。従来技術よりWSSの規模が小さく構成が簡単なため増設作業がより簡単であり、初期導入コストが格段に小さく、トラフィック量に応じて柔軟に拡張ができるスケーラビリティが得られ、装置の大幅な低コスト化が可能となる。WSSと対向する側の光ファイバとの内部経路の接続が制限されることによる極わずかなトラフィック収容率の低下は、光ファイバの増設のタイミングを適切に行えば全く問題にはならない。
図20は、本開示のOXC装置における実施例2の新規の光ファイバを増設し、OXC装置内部で接続するアルゴリズムを示す図である。中心ノード1730と、対象ノード1731との間を、入力光ファイバ1732と出力光ファイバ1733で接続する状況で、初期状態から光ファイバを追加していく手順を示す。以下、Sはステップを示す。
S1700:追加トラフィック発生。
S1702:OXCを従来構成のものと仮定し、追加分のパスをネットワークに仮収容(必要に応じて各リンクに光ファイバを追加)する。
S1704:仮収容したパスをネットワークから取り除く。
S1706:OXCを新構成とする。
S1707:光ファイバを設立番号昇順にソートする。
S1710:未選択の入力光ファイバを一本選択する。
S1712:未選択の出力光ファイバを一本選択する。
S1714:入力光ファイバの始点ノードと出力光ファイバの終点ノードが同じかどうか判断する。
S1716:入力側のWSSと出力側のWSSに空きポートがあるか判断する。
S1718:入力光ファイバと出力光ファイバの使用率が閾値以下か判断する。
S1720:入出力ファイバを結線する。
S1722:未選択の出力光ファイバが存在するか判断する。
S1724:未選択の入力光ファイバが存在するか判断する。
S1726:手順を終了する。
上述の一連の手順は、OXC装置内部で接続するアルゴリズムの一例を示すに過ぎず、様々な変形が可能なことは言うまでもない。上記の手順は、OXC装置における新規の光ファイバを増設する方法の発明としても実施できる。
以上に述べた通り、本開示は以下のOXC装置を含む。
〔項目1〕
複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の入力ポート側に、各々が、前記複数の入力光ファイバの1つに接続された入力ポート、および、NWSS個の出力ポートを有する、1×NWSS構成の複数の波長選択スイッチ(WSS)を備え、前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal, とするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal, の最大値NMaxが、 NMax> NWSS の関係を満たす。
〔項目2〕
項目1の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記複数のWSSは、1つの隣接ノードに接続された1つのWSSの前記NWSS個の前記出力ポートが、前記複数の出力光ファイバの中で、前記1つの隣接ノードを除いた(N−1)個の隣接ノードに接続された光ファイバの内の一部の光ファイバだけに、内部経路を経由して接続されているWSSを含む。
〔項目3〕
複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の入力ポート側に、各々が、前記複数の入力光ファイバの1つに接続された入力ポート、および、NWSS個の出力ポートを有する、1×NWSS構成の複数の波長選択スイッチ(WSS)を備え、前記複数のWSSは、1つの隣接ノードに接続された1つのWSSの前記NWSS個の前記出力ポートが、前記複数の出力光ファイバの中で、前記1つの隣接ノードを除いた(N−1)個の隣接ノードに接続された光ファイバの内の一部の光ファイバだけに、内部経路を経由して接続されているWSSを含む。
〔項目4〕
複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の出力ポート側に、各々が、前記複数の出力光ファイバの1つに接続された入力ポート、および、NWSS個の出力ポートを有する、1×NWSS構成の複数の波長選択スイッチ(WSS)を備え、前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal, とするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal, の最大値NMaxが、 NMax> NWSS の関係を満たす。
〔項目5〕
項目4の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記複数のWSSは、1つの隣接ノードに接続された1つのWSSの前記NWSS個の前記出力ポートが、前記複数の入力光ファイバの中で、前記1つの隣接ノードを除いた(N−1)個の隣接ノードに接続された光ファイバの内の一部の光ファイバだけに、内部経路を経由して接続されているWSSを含む。
〔項目6〕
複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の出力ポート側に、各々が、前記複数の出力光ファイバの1つに接続された入力ポート、および、NWSS個の出力ポートを有する、1×NWSS構成の複数の波長選択スイッチ(WSS)を備え、前記複数のWSSは、1つの隣接ノードに接続された1つのWSSの前記NWSS個の前記出力ポートが、前記複数の入力光ファイバの中で、前記1つの隣接ノードを除いた(N−1)個の隣接ノードに接続された光ファイバの内の一部の光ファイバだけに、内部経路を経由して接続されているWSSを含むことを特徴とする光クロスコネクト装置。
〔項目7〕
項目1乃至3のいずれかの光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の出力ポート側に、前記複数のWSSの前記出力ポートが内部経路によって接続された複数のカプラを備えたルート&コンバイン型の構成、または、前記OXC装置の前記複数の出力ポート側に、1×NWSS構成の複数のWSSをさらに備え、それぞれの側のWSSの前記出力ポートが内部経路によって相互に接続されたルート&セレクト型の構成、を有する。
〔項目8〕
項目4乃至6のいずれかの光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置の前記複数の入力ポート側に、前記複数のWSSの前記出力ポートが内部経路によって接続された複数のカプラを備えたブロードキャスト&セレクト型の構成、または、前記OXC装置の前記複数の入力ポート側に、1×NWSS構成の複数のWSSをさらに備え、それぞれの側のWSSの前記出力ポートが内部経路によって相互に接続されたルート&セレクト型の構成、を有する。
〔項目9〕
項目1乃至8のいずれかの光クロスコネクト(OXC)装置において、前記複数の出力ポート側または前記複数の入力ポート側に備えた前記複数のWSSの各々は、NWSSよりも少ない数の出力ポートを有する複数のWSSを従属接続した構成、またはカプラと、当該カプラの分岐出力に、NWSSよりも少ない数の出力ポートを有する複数のWSSとを従属接続した構成、を有する。
〔項目10〕
項目2の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記入力光ファイバの使用状況に応じた信号を出力する制御部、をさらに備える。
〔項目11〕
項目10の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記信号に応じて、前記入力光ファイバの使用状況を表示する表示部をさらに備える。
〔項目12〕
項目5の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記出力光ファイバの使用状況に応じた信号を出力する制御部をさらに備える。
〔項目13〕
項目12の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記信号に応じて、前記入力光ファイバの使用状況を表示する表示部をさらに備える。
〔項目14〕
項目2の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記入力光ファイバの使用状況が閾値を超えたことを表示する表示部をさらに備える。
〔項目15〕
項目5の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記出力光ファイバの使用状況が閾値を超えたことを表示する表示部をさらに備える。
〔項目16〕
項目11乃至13のいずれかの光クロスコネクト(OXC)装置において、前記信号は、前記使用状況として、対象とする光ファイバに割り当て可能な最大の周波数帯域と現在使用されている光パスの帯域の総和との比率、または、前記対象とする光ファイバに収容可能な光パスの本数と現在使用されている光パスの本数との比率のいずれかに基づいて出力される。
〔項目17〕
項目16の光クロスコネクト(OXC)装置において、前記信号は、前記比率が予め定められた閾値以下であること、または、予め定められた範囲の閾値内にあることによって出力される。
〔項目18〕
項目1乃至17のいずれかの光クロスコネクト(OXC)装置において、前記複数のWSSの出力ポート数NWSSは、N−1(前記隣接ノード数N−1)以上である。
以上の通り、本開示によれば、大規模化したOXC装置をより低コストに実現し、同時に、トラフィックの増加に対応した柔軟な拡張が可能なOXC装置の構成および装置の拡張方法が提供される。本開示のOXC装置の構成を採用し、さらに各光ファイバの使用率に基づいたOXC装置の内部接続の判断アルゴリズムを利用して光ファイバの増設およびWSSなどの拡張を行えば、従来技術より構成が簡単なため増設作業がシンプルである。さらに、初期導入コストが格段に小さく、トラフィック量に応じて柔軟に拡張ができるスケーラビリティが得られ、OXC装置の大幅な低コスト化が可能となる。
本開示は、一般的に通信システムに利用することができる。特に、光通信システムのクロスコネクトノードに利用ができる。

Claims (18)

  1. 複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置は、
    前記複数の入力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の入力側波長選択スイッチ(WSS)と、
    前記複数の出力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラと
    を備え、
    前記複数の入力側WSSのそれぞれは、1または複数の内部経路によって前記複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラの少なくとも一部に接続されており、
    前記複数の入力側WSSはNWSS個の出力ポートを有する1×NWSS構成であって、
    前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal,jとするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal,jの最大値NMaxが、
    Max> NWSS の関係を満たすこと
    を特徴とする光クロスコネクト装置。
  2. 前記複数の入力側WSSの出力ポート数NWSSは、(N−1)以上であることを特徴とする請求項1に記載の光クロスコネクト装置。
  3. 複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置において、前記OXC装置は、
    前記複数の入力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の入力側カプラと、
    前記複数の出力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の出力側波長選択スイッチ(WSS)と
    を備え、
    前記複数の入力側カプラのそれぞれは、1または複数の内部経路によって前記複数の出力側WSSの少なくとも一部に接続されており、
    前記複数の出力側WSSはNWSS個の出力ポートを有する1×NWSS構成であって、
    前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal,jとするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal,jの最大値NMaxが、
    Max> NWSS の関係を満たすこと
    を特徴とする光クロスコネクト装置。
  4. 前記複数の出力側WSSの出力ポート数NWSSは、(N−1)以上であることを特徴とする請求項4に記載の光クロスコネクト装置。
  5. 前記入力光ファイバの使用状况に応じた信号を出力する制御部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2、4または5いずれかに記載の光クロスコネクト装置。
  6. 前記出力光ファイバの使用状況に応じた信号を出力する制御部
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1、2、4または5いずれかに記載の光クロスコネクト装置。
  7. 前記信号は、前記使用状況として、
    対象とする光ファイバに割り当て可能な最大の周波数帯域と現在使用されている光パスの帯域の総和との比率、または、
    前記対象とする光ファイバに収容可能な光パスの本数と現在使用されている光パスの本数との比率
    のいずれかに基づいて出力されることを特徴とする請求項10または12に記載の光クロスコネクト装置。
  8. 前記信号は、前記比率が予め定められた閾値以下であること、または、予め定められた範囲の閾値内にあることによって出力されることを特徴とする請求項16に記載の光クロスコネクト装置。
  9. 複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置の運用方法において、
    前記OXC装置は、前記複数の入力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の入力側波長選択スイッチ(WSS)と、
    前記複数の出力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラとを備え、
    運用初期状態において、前記複数の入力側WSSのそれぞれは、1または複数の内部経路によって前記複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラの少なくとも一部に接続されており、
    増設時において、増設対象の出力光ファイバが接続された出力側WSSまたは出力側カプラを、前記入力光ファイバの使用状況に基づいて、前記複数の入力側WSSの少なくもいずれかと内部経路により接続する
    こと特徴とする光クロスコネクト装置の運用方法。
  10. 複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置の運用方法において、
    前記OXC装置は、前記複数の入力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の入力側波長選択スイッチ(WSS)と、
    前記複数の出力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラとを備え、
    運用初期状態において、前記複数の入力側WSSのそれぞれは、1または複数の内部経路によって前記複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラの少なくとも一部に接続されており、
    増設時において、増設対象の入力光ファイバが接続された入力側WSSを、前記出力光ファイバの使用状況に基づいて、前記複数の出力側WSSまたは複数の出力側カプラの少なくもいずれかと内部経路により接続する
    こと特徴とする光クロスコネクト装置の運用方法。
  11. 前記複数の入力側WSSはNWSS個の出力ポートを有する1×NWSS構成であって、
    前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal,jとするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal,jの最大値NMaxが、
    Max> NWSS の関係を満たすこと特徴とする請求項19または20に記載の光クロスコネクト装置の運用方法。
  12. 複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置の運用方法において、
    前記OXC装置は、前記複数の入力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の入力側カプラと、
    前記複数の出力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の出力側波長選択スイッチ(WSS)と
    を備え、
    運用初期状態において、前記複数の入力側カプラのそれぞれは、1または複数の内部経路によって前記複数の出力側WSSの少なくとも一部に接続されており、
    増設時において、増設対象の出力光ファイバが接続された出力側WSSを、前記入力光ファイバの使用状況に基づいて、前記複数の入力側カプラの少なくもいずれかと内部経路により接続する
    こと特徴とする光クロスコネクト装置の運用方法。
  13. 複数の入力光ファイバが接続される複数の入力ポートおよび複数の出力光ファイバが接続される複数の出力ポートを有し、前記複数の入力光ファイバおよび前記複数の出力光ファイバによってN個(Nは自然数)の隣接ノードと相互接続され、前記複数の入力ポートの1つに入力された波長多重された光信号を前記複数の出力ポートのいずれかへ波長ルーティングする光クロスコネクト(OXC)装置の運用方法において、
    前記OXC装置は、前記複数の入力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の入力側カプラと、
    前記複数の出力光ファイバの1つにそれぞれ接続された複数の出力側波長選択スイッチ(WSS)と
    を備え、
    運用初期状態において、前記複数の入力側カプラのそれぞれは、1または複数の内部経路によって前記複数の出力側WSSの少なくとも一部に接続されており、
    増設時において、増設対象の入力光ファイバが接続された入力側カプラを、前記出力光ファイバの使用状況に基づいて、前記複数の出力側WSSの少なくもいずれかと内部経路により接続する
    こと特徴とする光クロスコネクト装置の運用方法。
  14. 前記複数の出力側WSSはNWSS個の出力ポートを有する1×NWSS構成であって、
    前記N個の隣接ノードの内の1つの隣接ノードj(j=1、2・・、N)において、前記OXC装置と接続された1つの前記入力光ファイバおよび1つの前記出力光ファイバからなるファイバペアの数をNPair,j(j=1、2・・、N)とし、当該1つの隣接ノードjを除いた(N−1)個の隣接ノードと前記OXC装置との間の前記ファイバペアの数の合計をNTotal,jとするとき、前記N個の隣接ノードの各々についての前記NTotal,jの最大値NMaxが、
    Max> NWSS の関係を満たすこと特徴とする請求項22または23に記載の運用方法。
  15. 前記OXC装置は、前記入力光ファイバの使用状況に応じた信号を出力する制御部
    をさらに備えていることを特徴とする請求項19または22に記載の光クロスコネクト装置の運用方法。
  16. 前記OXC装置は、前記出力光ファイバの使用状況に応じた信号を出力する制御部
    をさらに備えていることを特徴とする請求項20または23に記載の光クロスコネクト装置の運用方法。
  17. 前記信号は、前記使用状況として、
    対象とする光ファイバに割り当て可能な最大の周波数帯域と現在使用されている光パスの帯域の総和との比率、または、
    前記対象とする光ファイバに収容可能な光パスの本数と現在使用されている光パスの本数との比率
    のいずれかに基づいて出力されることを特徴とする請求項25または26に記載の光クロスコネクト装置の運用方法。
  18. 前記信号は、前記比率が予め定められた閾値以下であること、または、予め定められた範囲の閾値内にあることによって出力されることを特徴とする請求項27に記載の光クロスコネクト装置の運用方法。
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