以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態(第一実施形態)について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口904は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
本実施形態にかかる遊技機1は、ある当否判定結果(対象当否判定結果)が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高まったことを示唆する演出として、先読み演出を実行することが可能である。先読み演出それ自体は公知であるため詳細な説明を省略するが、先読み演出は、対象当否判定結果を報知するための演出(以下、当否判定結果を報知する演出を単に報知演出と称することもある)を、それより前に実行される当否判定結果(先の当否判定結果)を報知するための演出を利用したものとする演出である。これに該当するものであれば先読み演出の具体的態様はどのようなものであってもよい。変動・停止を繰り返す識別図柄80の背景画像を所定の特殊画像としたり、ある所定の文字や絵柄等を表示し続けたり、後述する保留図柄70を通常とは異なる態様としたりすること等を例示することができる。
本実施形態では、このような先読み演出が複数種設定されている。そのうちの一つの例として、三つの識別図柄80(左、中、右の識別図柄80)のうち、中の識別図柄80に特定図柄として例えば「7」図柄が停止することが連続する先読み演出が搭載されている。
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄70が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留図柄70が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。メインの表示装置91とは異なる表示装置に保留図柄70が表示される構成であってもよい。保留図柄70の態様は常に同じであってもよいし、大当たり信頼度が高まったことを示唆する通常の保留図柄とは異なる態様の一または複数種の特殊図柄が設定されていてもよい(上述したように、かかる保留図柄の変化も先読み演出の一種であると捉えることもできる)。
以下、ある当否判定結果を報知する一連の演出の一部として、先読み演出を実行するか否かを決定するための制御手法について説明する。なお、以下の説明では、先読み演出の対象となる当否判定情報(取得が先読み演出を実行する契機となった当否判定情報)に対応するものについては「対象」という文字を付して、先読み演出の対象となる当否判定結果よりも先に当否判定結果の報知が完了するものについては「先の」という文字を付して説明する。
本実施形態では、先読み演出を実行するか否かを決定するための制御処理は、図示されないサブ制御基板(サブ制御基板に構築された制御回路)によって実行される。サブ制御基板は、種々の演出を決定するための基板である。サブ制御基板とは別に、遊技球の入賞の検出、当否判定、当否判定結果の報知の完了等を制御する図示されない主制御基板が設けられており、当該主制御基板から送信される各種コマンドに基づき、サブ制御基板が種々の制御を行う。なお、本実施形態では先読み演出を実行するか否かの決定はサブ制御基板で行っているが、他の基板、例えば主制御基板(主制御基板に構築された制御回路)により制御される構成としてもよい。以下では、先読み演出に関する特徴的な制御部分のみを説明し、その他の制御についてはどのようなものであってもよいため、説明を省略する。
サブ制御基板が行う先読み演出に関する制御(処理)としては、第一処理10および第二処理20が設定されている。まず、第一処理10について説明する。サブ制御基板は、主制御基板から送信される各種コマンドを継続的に受信しており、当該コマンドの一種である入賞コマンドを受信したかどうかが判断される(S1−1)。なお、図3に示すフローは入賞コマンドの受信を含めて記載しているが、実際には当該入賞コマンドの受信が第一処理10を開始する契機であるといえ、入賞コマンドの受信以降に実行される処理が第一処理10である。入賞コマンドは、当否判定の契機となる始動入賞口904への遊技球の入賞が検出されたときにサブ制御基板が受信するコマンドである。「当否判定の契機となる始動入賞口904への遊技球の入賞」であるから、記憶手段に記憶されている上記数値の記憶数が一杯であるとき(いわゆる保留が満タンのとき)に始動入賞口904に遊技球が入賞したとしても、それを契機とする入賞コマンドは発生しない。
入賞コマンドを受信した場合(S1−1「Yes」)には、先読み禁止条件(以下、単に禁止条件という)が成立しているかどうかが判断される(S1−2)。入賞コマンドを受信したということは、当否判定が実行される新たな入賞(対象となる入賞)が検出されたということである。その入賞時点において、対象となる当否判定結果を報知する一連の演出の一部として先読み演出を実行しても問題ないかどうかを判断するために、禁止条件を参照する。なお、禁止条件を参照するタイミングは、入賞時点(入賞コマンドの受信時点)から所定時間経過した後であってもよい。後述する第二処理20が実行される契機となる時点(保留球数コマンド受信時点)よりも前であればよい。
禁止条件は、先読み演出を発生させないようにするための条件(先読み演出が実行可能な状況であるか否かを判断するための条件)であるため、適宜設定することができる。禁止条件の条項としては、以下のようなものが例示できる。ただし、これらはあくまで例示であって、以下に挙げる条項の全てを禁止条件として採用しなければならないわけではない。また、以下に挙げる条項以外の条項を禁止条件として設定してもよい。少なくともいずれか一つの条項が禁止条件となっていればよい。
・先の保留(当否判定情報)が所定数以上存在していないこと
先読み演出は、ある当否判定結果(対象保留)を報知する一連の演出の一部としてそれよりも先に報知が完了する当否判定結果の報知演出を利用するものであるため、先の保留が存在していないと実行することができない。また、先の保留が所定数未満であると、十分な演出効果を発現しないことが考えられる。そのため、当該時点において、先の保留が所定数以上(少なくとも一つ以上)存在していることを条件とすることが考えられる。
・先の保留(当否判定情報)に対応する当否判定結果に大当たりとなるものが存在していること
先の保留に大当たりとなるものが存在している場合、先読み演出が実行されたとしても、途中で大当たり遊技が実行されてしまう。つまり、大当たり遊技によって先読み演出が遮断されてしまう。そのため、このような場合には、先読み演出が実行されないようにすることが考えられる。また、これを発展させて、いわゆる小当たり(大当たりと見せかけるような擬似当たり)に当選した先の保留が存在する場合にも、先読み演出が実行されないようにすることが考えられる。
・先の保留(当否判定情報)に対応する当否判定結果を報知する演出として所定の演出が設定されていること
当該所定の演出としては、演出の時間が長くなる、映像の切替わりが生じる等の種々の事象が発生するいわゆるリーチ演出(またはスーパーリーチ演出)が例示できる。つまり、演出の時間が長くなると、その演出の長さによって先読み演出の継続性が阻害されてしまう。また、映像の切替わり等の事象が生じるようなものであると、先読み演出の継続性が阻害されてしまうし、そもそも、先読み状態であることを示す表示ができなくなる可能性がある。そのため、このような場合には、先読み演出が実行されないようにすることが考えられる。この条件を発展させて、先の保留に対応する当否判定結果の報知演出として、いわゆるリーチ演出(識別図柄80のうちの所定数以上の図柄が同じ図柄となり、他の図柄が変動表示している状態)が発生しないこと(先の保留に対応する当否判定結果の報知演出が、全ていわゆるどはずれで終了すること)を条件として設定することが考えられる。
・予め設定された変動回数後に遊技状態の変化(ステータス変化)が生じること(先の当否判定結果を報知する演出中に遊技状態の変化(ステータス変化)が生じること(先読み演出の途中で遊技状態の変化が生じないようにするための条項))
「遊技状態の変化」としては、演出のモード(ステージ:通常遊技状態と時短状態を含む)移行や大当たりの確率が異なる状態(高確・低確)等が例示できる。演出のモードは、報知演出の基本的な態様を司るものである。例えば、あるモード中の識別図柄80の態様と、別のモード中の識別図柄80の態様は異なる、といったように、演出を構成する各要素の基本的態様がモードによって決まる構成とする場合がある。このような構成において、状態変化(あるモードから別のモードへの移行)が発生する際に、当該状態変化を挟んで先読み演出を継続して実行することが困難な場合には、遊技状態が変化する前(例えば四つ変動前)に先読み演出の実行を禁止し、状態変化が発生しないことを、先読み演出を実行するための条件とすることが考えられる。なお、本実施形態では、遊技状態の変化(ステータスの変化)は、識別図柄80の変動が停止(確定)したとき(新たに識別図柄80が変動を開始するとき)に変化しうるように設定されているが、それ以外に遊技状態の変化(ステータスの変化)が発生しうる場合があるように構成されていてもよい。
・遊技状態(ステータス)が特定の状態であること
遊技状態(ステータス)、すなわち演出のモード(ステージ)が特定の状態(特定のモード(ステージ)の場合には、先読み演出が実行されないようにすることができる。遊技状態によっては、予め設定された先読み演出の少なくともいずれかを実行するのにふさわしくない(実行することが困難または不可能である)ケースが考えられる。そのため、遊技状態が特定の状態である場合には、先読み演出が実行されないようにする。
・先の保留図柄として特殊図柄が設定されていること
上述したように、いわゆる大当たり信頼度が高まったことを示唆する保留図柄70として特殊図柄が設定されており、先の保留図柄70として特殊図柄が設定されている場合には、それよりも後の保留に対応する当否判定結果を報知する一連の演出の一部として先読み演出を実行しない構成とすることが考えられる。特殊図柄が設定されている状態で先読み演出が開始されてしまうと、当該先読み演出が特殊図柄に対応して開始されたものと勘違いしてしまうことや、特殊図柄に対応する当否判定結果の報知演出が単純な演出(いわゆるどはずれ演出のような単純な演出)とならない蓋然性が高い等の理由によるものである。なお、このような保留図柄70の変化が、先読み演出の一種として設定されているのであれば、次に説明する条項を禁止条件として設定すれば、本条項を禁止条件として設定する必要が無くなる。
・既に先読み演出が設定されていること
先読み演出が重なって発生することになると、当該先読み演出が、どの保留図柄70に対応する当否判定結果を示唆しているものなのか分かりにくい。また、既に実行されている先読み演出によって、次の先読み演出を実行することができないこと(例えば、ある領域に赤色の画像を表示する先読み演出が実行されているときに、当該領域に青色の画像を表示する先読み演出を実行することができない)も考えられる。そのため、既に先読み演出が設定されている場合には、新たに先読み演出が設定されないようにする。
このように、禁止条件を構成する条項としては種々考えられる。なお、上記禁止条件を構成する条項は、先読み演出を実行するかどうかを判断する対象(対象保留)よりも先の保留に関するものである。先読み演出を実行するかどうかを判断する対象となる遊技球の始動入賞口904への入賞を検出した時点において、既に当否判定結果の報知演出が開始されているもの(当該時点において変動中の識別図柄80によって当否判定結果が報知されるもの(厳密には「保留」ではないもの。いわゆる当該変動保留))を「先の保留」に含めて判断してもよいし、含めずに判断してもよい。本実施形態では、既に当否判定結果の報知演出が開始されているものを、「先の保留」に含めて判断する。
S1−2において、禁止条件が成立していない(禁止条件として設定された全ての条項が成立していない)と判断されたとき(S1−2「No」)には、先読み演出を実行するか否かを決定する抽選(以下、先読み実行抽選と称する。なお、当該第一処理10において実行される先読み実行抽選は後述する第一抽選11に相当する)を実行する(S1−3)。当該先読み実行抽選は、始動入賞口904への遊技球の入賞が検出された(当否判定情報が取得された)ことを契機とする第一時点にて実行される抽選であるといえる。また、当該先読み実行抽選は、少なくとも、対象となる当否判定結果が大当たりとなるものかどうか(対象となる当否判定情報である上記数値が大当たりとなるものかどうか)を踏まえて実行される。例えば、対象となる当否判定結果が大当たりとなる場合の方が、はずれとなる場合よりも先読み演出が実行されやすくなるような抽選態様とすればよい。
先読み実行抽選に当選した場合(S1−3「Yes」)には、先読み演出の具体的な内容を決定する抽選を実行する。先読み内容決定抽選は、複数種の先読み演出が搭載されている場合には、実行する先読み抽選の種類と、その内容を決定する。当該先読み内容決定抽選も、少なくとも、対象となる当否判定結果が大当たりとなるものかどうか(対象となる当否判定情報である上記数値が大当たりとなるものかどうか)を踏まえて実行される。複数種の先読み演出が搭載されている場合であって、各種先読み演出が発生したときの大当たり信頼度に差を設定するのであれば、当否判定結果が大当たりとなる場合の方が、はずれである場合よりも、より大当たり信頼度が高い種類の先読み演出が実行される蓋然性が高くなるような抽選態様とする。また、ある特定の種類の先読み演出において、その演出態様によって大当たり信頼度を示唆するものであれば、当否判定結果が大当たりとなる場合の方が、はずれである場合よりも、より大当たり信頼度が高い態様の先読み演出が実行される蓋然性が高くなるような抽選態様とする。このように、先読み内容決定抽選により、先読み演出の具体的内容が決定される。
なお、S1−3の先読み実行抽選と、S1−4の先読み内容決定抽選が併せて行われるような態様としてもよい。例えば、具体的な内容ごとに細分化された各先読み演出の演出態様のそれぞれに割り当てられた当選確率と、先読み演出を実行しないことの当選確率の総和が100%となるような演出テーブル(大当たり用のテーブルとはずれ用のテーブルが用意されるとよい)を用い、先読み演出を実行しないという選択肢に当選しなければ、先読みを実行することと、その具体的内容が一度に決定される抽選態様としてもよい。
一方、上記S1−2において禁止条件が成立していると判断されたとき(禁止状態のとき)(S1−2「Yes」)には、対象保留に対応づけた禁止条件成立情報(フラグ)を記憶手段に記憶させる。かかる禁止条件成立情報は、第二処理20を実行するか否かの判断において用いられる。
第二処理20について説明する。上述したように、サブ制御基板は、主制御基板から送信される各種コマンドを継続的に受信しており、当該コマンドの一種である保留球数コマンドを受信した場合に(S2−1「Yes」)、記憶内の保留数と受信した保留数を比較して保留数が減ったか否かが判断される(S2−2)。保留数が減っていないと判断された場合(例えば保留数が増加したと判断された場合)(S2−2「No」)は、図4に示す処理を終了する。保留数が減っていると判断された場合(S2−2「Yes」)は、次の当否判定結果の報知演出(当該次の当否判定結果を報知するための識別図柄80の変動)が開始されたということである。つまり、ある一つの当否判定結果の報知が完了したということ、または次の(新たな)当否判定結果の報知演出が開始されるということを示すコマンドであれば、そのコマンドの具体的な内容はどのようなものであってもよい。
なお、第二処理20は、保留球数コマンドを受信した場合に、個々の当否判定に関する情報(上記数値)それぞれに対して行う。つまり、各保留に対して行う。具体的には、先に遊技球が始動入賞口904に入賞することによって取得された当否判定情報(保留)から順に、全ての当否判定情報(保留)について行う。したがって、先の当否判定情報(保留)に対して行われる処理によって、それよりも後の当否判定情報(保留)に対し、禁止条件が成立してしまうこともある。例えば、先の当否判定情報(保留)に対して行われた第二処理20によって先読み演出を実行することが決定された場合には、それよりも後の当否判定情報(保留)に対して禁止条件が成立してしまう(既に先読み演出が設定されているという禁止条件の一条項が成立してしまう)こととなる。
保留数が減っていると判断された場合(S2−2「Yes」)には、対象保留に禁止条件成立情報が対応づけられているかどうか(禁止条件成立情報の有無)を判断する(S2−3)。禁止条件成立情報は、上記第一処理10において設定されたものである。つまり、対象保留について、第一処理10において禁止条件が成立したことによって先読み演出が実行できなかったとの判断に至ったのかどうかが判断される。禁止条件成立情報(フラグ)が存在しないと判断された場合、つまり、先読み実行抽選を行ったと判断された場合(S2−3「No」)には、第一処理10時に禁止条件が成立しておらず、先読み実行抽選(S1−3)を実行するに至ったものに該当することとなる。つまり、第一処理10において、既に先読み演出を実行するか否かを決定(抽選)する段階に至っているということになるから、改めて先読み演出の実行を実行するか否かを決定(抽選)する処理を実行することはない。ここで再度先読み演出を実行するか否かを判断することになると、先読み演出の発生頻度が著しく上昇してしまうおそれがあるため、それを防止するためである。
また、図4に示すフローは、保留数が減っているかの判断(S2−2)、禁止条件成立情報の有無の判断(S2−3)を含めて記載しているが、実際には以下で説明する禁止条件の成立の有無の判断(S2−3)以降に実行される処理を第二処理20とする。つまり、S2−1とS2−2、およびS−3の工程は、第二処理20を実行すべきかどうか(第二処理20を実行する契機が成立しているかどうか)を判断するための工程である。
対象保留に対する禁止条件成立情報が対応づけられていると判断された場合、つまり先読み実行抽選を行っていないと判断された場合(S2−3「Yes」)には、現時点、すなわち保留数が減っていると判断された時点において禁止条件が成立しているかどうかが判断される(S2−4)。保留数が減っていると判断された場合(S2−2「Yes」)は、対象保留よりも先のある当否判定結果の報知が完了したということでもあって、当該ある当否判定結果の報知の完了により、記憶されていた新たな保留に対応する識別図柄80の変動が開始したことにより(保留が一つ消化され、次の保留に対応する当否判定結果の報知が開始されることにより)、第一処理10の時に存在していた禁止条件が解消した可能性がある。そのため、再び禁止条件が成立しているかどうかを判断する。
本実施形態では、第一処理10の時に参照される禁止条件と、第二処理20の時に参照される禁止条件は同じである。ただし、第一処理10時に参照される禁止条件(第一禁止条件)と、第二処理20の時に参照される禁止条件(第二禁止条件)が異なるものとなるように設定されていてもよい。例えば、第二禁止条件は、第一禁止条件として設定されていない一または複数の別の条項を含み、当該別の条項が設定されている分、第二禁止条件をクリアする(第二禁止条件が非成立となる)ハードルが高くなるように設定されていてもよい。このようにすれば、第二処理20を経て実行されることが決定される先読み演出が発生する蓋然性が、第一処理10を経たそれよりも低くなる。後述するように、第二処理20は、第一処理10において禁止条件によって先読み演出を実行しないと判断されたものについて再度先読み演出を実行するか否かを判断するもの(いわば、再抽選)であるため、第一処理10よりも第二処理20の方が先読み演出を実行することとなる蓋然性が低くなるように、禁止条件を設定してもよい。つまり、第一処理10だけでなく、第二処理20を含めたトータルの先読み演出の発生頻度を、禁止条件の内容(第一禁止条件と第二禁止条件の差等)により調整することが可能である。
禁止条件が成立していない(S2−4「No」)と判断された場合、すなわちある当否判定結果の報知が完了したことによって第一処理10の時に発生していた禁止条件が解消したと判断された場合には、先読み実行抽選を行う(S2−5)。当該先読み実行抽選は、上記第一時点以降の所定条件が成立した時点である第二時点に実行される抽選であるといえる。
本実施形態では、第二処理20にて行われる先読み実行抽選(以下、形式的に第二抽選21と称することもある)の具体的態様は、第一処理10にて行われる先読み実行抽選(以下、形式的に第一抽選11と称することもある)の具体的態様と異なる。端的にいえば、第二抽選21を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性は、第一抽選11を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性よりも低く設定されているということである。
第一抽選11と第二抽選21のこのような関係性を実現するための手法は種々考えられる。図5(a)に示すように、本実施形態では、対象当否判定結果がはずれとなるものであって、当該対象当否判定結果の報知演出に特定演出30が含まれないものについては、第二抽選21を経て先読み演出の実行が決定されることがないように設定されている。すなわち、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30が含まれないものは、第一抽選11(第一処理10)を経て先読み演出の実行が決定される可能性はあるものの、第二抽選21(第二処理20)を経て先読み演出の実行が決定される可能性はないため、その分第二抽選21を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性は、第一抽選11を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性よりも低いということである。
特定演出30は、発生することによって対象当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことが示唆されるものであればよい。本実施形態では、いわゆるリーチ状態が構築される演出が特定演出30として設定されている。リーチ状態は、当否判定結果を報知する識別図柄80のうち、一部の識別図柄80が停止または擬似的に停止した状態において、未だ大当たりとなる可能性が残されている状態をいう。本実施形態では、左の識別図柄80と右の識別図柄80が同じ図柄で停止または擬似停止した状態(図5(b)参照)をいう。対象当否判定結果の報知演出において、かかるリーチ状態が構築されないものについては、第二抽選21の対象から除かれるということである。つまり、リーチ状態が構築されずにはずれとなることが報知される(いわゆる「どはずれ」となる)ものについては、第二抽選21の対象から除かれるということである。換言すれば、いわゆるノーマルリーチ演出の水準以上の演出が発生するものについては、第二抽選21の対象となるということである。
「リーチ状態が構築される演出」を特定演出30とするのはあくまで一例である。例えば、いわゆる「スーパーリーチ演出」が特定演出30として設定された構成としてもよい。このようにすれば、リーチ状態が構築されないものだけでなく、リーチ状態が構築されるもののいわゆるスーパーリーチ演出に発展せずに終了するもの(いわゆるノーマルリーチ演出に留まるもの)も、第二抽選21の対象から除外されることになって、第二抽選21(第二処理20)を経た先読み演出の発生頻度がより低くなる。
また、「リーチ状態が構築される演出」に加え、「リーチ状態が構築される蓋然性が高まったことを示唆する演出」が特定演出30として設定された構成としてもよい。「リーチ状態が構築される蓋然性が高まったことを示唆する演出」は、リーチ状態が構築されるかもしれないということを遊技者に示唆するような態様であればどのようなものであってもよい。例えば、左の識別図柄80が停止または擬似停止した後、当該左の識別図柄80と同種の右の識別図柄80が停止または擬似停止しそうな状況であることを示すように「煽る」演出(図5(c)参照)がこの種の演出として考えられる。「リーチ状態が構築される蓋然性が高まったことを示唆する演出」は、結果としてリーチ状態が構築されないケースを含むものであるため、「リーチ状態が構築される演出」のみを特定演出30として設定した場合に比して、第二抽選21の対象となるものが増加することになる。つまり、リーチ状態が構築される演出」のみを特定演出30として設定した場合に比して、第二抽選21(第二処理20)を経た先読み演出の発生頻度が高くなる。「リーチ状態が構築される蓋然性が高まったことを示唆する演出」は、何事もなく識別図柄80がはずれとなる組み合わせで停止する態様とは異なり、遊技者がそれなりに注視する演出であるとして、第二抽選21の対象に加えてもよい。
本実施形態における第二抽選21を上記のように設定している理由は以下の通りである。本実施形態では、第一抽選11(第一処理10)を経た先読み演出が発生しうることに加え、第二抽選21(第二処理20)を経た先読み演出も発生しうる。つまり、第二抽選21(第二処理20)が実行される分、先読み演出の発生頻度が高まっているといえる。このように先読み演出の発生頻度の上昇は遊技の趣向性向上という点においては有効であるといえるが、上述した「既に先読み演出が設定されている」ときには新たに先読み演出を発生させないという禁止条件が設定されていることを踏まえると、新たな先読み演出の発生を阻害してしまうという点において問題がある。例えば、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が比較的高い演出(大当たりに期待がもてる演出)を実行することになる当否判定情報が新たに取得されたとしても、それについて先読み演出を実行することができなくなってしまう。そこで、特定演出30が発生せずにはずれとなることが報知されるようなものについては(先読み演出を発生させることの重要性がそれほど高くないとして)第二抽選21の対象から除外することで、第二抽選21(第二処理20)を経た先読み演出の発生を一定程度抑制し、新たな先読み演出の発生が著しく阻害されることがないようにしている。
そして、このように設定したとしても、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30が含まれないものについても第一抽選11(第一処理10)を経て先読み演出の実行が決定される可能性はあるということになるから、趣向性の低下は抑制される。具体的には、先読み演出の発生というものが「特定演出」以上の水準の演出が発生することが確定するといった単純な関係性が成立する遊技性にはならない。
このように、本実施形態では、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30が含まれないものを、第二抽選21の対象から除くことにより、第二抽選21を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性が、第一抽選11を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性よりも低くなるように設定しているが、その他の手法により当該蓋然性の高低を実現することが考えられる。当該その他の手法の一例としては、第一抽選11に当選する確率よりも、第二抽選21に当選する確率が低くなるように設定することが考えられる。つまり、本実施形態のように一部を抽選の対象から除くという手法ではなく、単純に当選確率に高低を設定するという手法が考えられる。
かかる第二抽選21(先読み実行抽選)に当選した場合(S2−5「Yes」)には、先読み内容決定抽選を行う(S2−6)。本実施形態では、当該第二処理20において行われる先読み内容決定抽選は、第一処理10において行われる先読み内容決定抽選と同じである。ただし、第二処理20において行われる先読み内容決定抽選と、第一処理10において行われる先読み内容決定抽選の内容を異ならせてもよい。第二抽選21(先読み実行抽選)の対象からは、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30を含まないものが除かれているのであるから、それを踏まえて第二処理20において行われる先読み内容決定抽選により当選しうる先読み演出の種類を設定する。具体的には、第一処理10において行われる先読み内容決定抽選により実行することが決定されうる先読み演出の種類より、第二処理20において行われる先読み内容決定抽選により実行することが決定されうる先読み演出の種類を少なくする。すなわち、第一処理10において実行することが決定される可能性がある複数種の先読み演出のうちの一部が、第二処理20においては可能性がないものとする。当該複数種の先読み演出のうちの一部は、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30を含むものである場合には先読み演出として実行されることが適当であるが、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30を含まないものである場合には先読み演出として実行されることが適当でないものである。つまり、第二処理20においては、対象当否判定結果の報知演出に特定演出30を含まないものについいて先読み演出が実行されないのであるから、それにふさわしくない先読み演出を予め除いておく構成としてもよい。
S2−4において禁止条件が成立していないと判断され(S2−4「No」)、S2−5の先読み実行抽選が実行された場合には、先読み演出を実行すると判断されたとき(S2−5「Yes」)、先読み演出を実行しないと判断されたとき(S2−5「No」)のいずれの場合であっても、既に一回の先読み実行抽選が実行されたことになるから、記憶手段に記憶されていた対象保留に対応する禁止条件成立情報を抹消(フラグをリセット)する(S2−7)。
一方、本実施形態では、S2−4において禁止条件が成立していると判断された場合(S2−4「Yes」)には、先読み実行抽選が実行されなかったということになるから、記憶手段に記憶されている対象保留に対応する禁止条件成立情報を維持する(S2−8)。禁止条件成立情報が維持されるということは、次の保留球数コマンド(変動開始時)の受信があったとき(保留数が減少したと判断されたとき)、再び禁止条件が成立しているかどうかが判断され、成立していないと判断されたときに先読み実行抽選が実行されることとなる。つまり、当該対象保留に対して再び第二処理20の先読み実行抽選が実行される可能性が残存しないことになる。このようにして、禁止条件成立情報が維持されている限り、遊技球が始動入賞口904に入賞したタイミングで先読み実行抽選ができなかった保留に対し、当該入賞のタイミング以外のタイミングで対象保留の先読み実行抽選が行われる可能性があることとなる。ただし、禁止条件成立情報を維持せず、禁止条件成立情報を抹消する構成としてもよい。つまり、第二処理20において、禁止条件の成立の有無に拘わらず、禁止条件成立情報を抹消し、再度第二処理20が実行される可能性がないように設定することで、第二処理20が複数回実行される可能性を排除した構成としてもよい。
なお、本実施形態は、第一処理10において禁止条件の成立が認められ、先読み実行抽選に至らなかった場合に禁止条件成立情報(フラグ)を記憶手段に記憶する構成であるが、先読み実行抽選に至った場合に先読み実行抽選を行ったことを示す情報(フラグ)を記憶手段に記憶する構成としてもよい。つまり、ある当否判定に関する情報(保留)について、既に先読み実行抽選が実行されたか否かを判断することができる情報であればよい。「先読み実行抽選を行ったことを示す情報」を用いる場合には、上記第一処理10および第二処理20において、禁止条件が成立していなかったときに、「先読み実行抽選を行ったことを示す情報」が記憶手段に記憶されることになる。第二処理20は、「先読み実行抽選を行ったことを示す情報」が記憶手段に記憶されていない場合に限り、実行される可能性があることとなる。
以下、具体的な演出例を用いて先読み演出の設定(上記第一処理10や第二処理20)について説明する。なお、実際には、全ての保留に対して第一処理10および第二処理20が実行されることとなるが、説明を分かりやすくするため、一つの保留のみをピックアップした上で具体的な演出例を説明する。以下の説明に用いる各図では、当該説明の対象となる保留図柄70を他の保留図柄70と異ならせて描いている(他の保留図柄70が○であり、対象となる保留図柄70を○の中に×を描いた図形としている)が、これは説明を分かりやすくするためであって、実際の見た目には対象となる保留図柄70と他の保留図柄70を区別することはできない。また、以下の説明で発生する先読み演出は、全て、中の識別図柄80に「7」が停止する演出態様としている。つまり、以下の演出例は、先読み演出を実行するか否かの判断を中心に説明するものであって、先読み演出の内容についてはどのようなものであってもよいから、当該「7」が停止する先読み演出を図示して説明する(上述したように、実際には先読み内容決定抽選によって先読み演出の種類や具体的な内容が決定される)。また、「7」が停止する先読み演出の発生回数(先読みの連続回数)が増減しうる先読み内容決定抽選の内容とすることも可能であるが、以下の演出例では当該回数が可能な限り多くなるように設定されるものとする。
図6に示す第一演出例について説明する。遊技球が始動入賞口904に入賞したとき(対象保留が発生したとき)に、禁止条件が成立しておらず、その結果実行された先読み実行抽選によって先読み演出を実行することが決定されたとする(図6(a))。つまり、第一処理10において先読み演出を実行することが決定されたとする。この場合には、対象となる当否判定結果の報知演出が開始されるまで(図6(g))、先読み演出を継続する。本例では、対象となる当否判定よりも先の当否判定結果を報知する識別図柄80のうち、中の識別図柄80に「7」を停止させることを継続的に実行する(図6(b)、(d)、(f))。第一処理10において先読み演出を実行することが決定されたのであるから、その後対象保留について第二処理20の先読み抽選は実行されない。
なお、本例の対象保留に先読み演出が設定されたため、それよりも後の保留については、当該対象保留について先読み演出が設定されたことを理由とする禁止条件が成立することとなる。したがって、対象保留よりも後の保留については、対象保留についての先読み演出が終了するまで、先読み演出が設定されることはない。以下の具体例における対象保留について先読み演出が設定された場合についても同じである。すなわち、対象保留について先読み演出が設定された後、当該先読み演出が終了するまでは、対象保留よりも後の保留について先読み演出が設定されることはない(ただし、あくまで、本実施形態のように「既に先読み演出が設定されている」という条項が禁止条件の一つである必要がある)。
図7に示す第二演出例について説明する。遊技球が始動入賞口904に入賞したとき(対象保留が発生したとき)に、禁止条件が成立していたとする。つまり、第一処理10において先読み実行抽選が実行されなかったとする(図7(a))。その場合は、当該状態が維持されている限りにおいて対象保留に対する先読み演出は発生しない(図7(b))。その後、保留数の減少が認められた場合に第二処理20が実行される。第二処理20において再び禁止条件が成立しているかどうかが判断された結果、禁止条件が成立しておらず、その結果実行された先読み実行抽選によって先読み演出を実行することが決定されたとする(図7(b))。この場合には、これ以降、対象となる当否判定結果の報知演出が開始されるまで(図7(g))、先読み演出を継続する。本例では、対象となる当否判定よりも先の当否判定結果を報知する識別図柄80のうち、中の識別図柄80に「7」を停止させることを継続的に実行する(図7(d)、(f))。第二処理20において先読み演出を実行することが決定された後は、その後対象保留について第二処理20の先読み抽選は実行されない。
図8に示す第三演出例について説明する。遊技球が始動入賞口904に入賞したとき(対象保留が発生したとき)に、禁止条件が成立しておらず、その結果実行された先読み実行抽選に当選しなかったとする(図8(a))。つまり、第一処理10において、禁止条件が成立していなかったものの、先読み実行抽選にははずれたものとする。この場合、既に一回の先読み実行抽選が実行されたのであるから、その後保留数の減少が認められた場合でも(図8(c))第二処理20における先読み実行抽選が実行されることはない。より具体的には、対象保留には禁止条件成立情報が存在しないと判断されるため、その後第二処理20(禁止条件の成立の有無の判断や、先読み実行抽選)が実行されることはないように構成されている。したがって、先読み抽選を行った保留に対しては第一処理10後に対象保留について先読み演出が実行される可能性はなくなる。
図9に示す第四演出例について説明する。遊技球が始動入賞口904に入賞したとき(対象保留が発生したとき)に、禁止条件が成立していたとする。つまり、第一処理10において先読み実行抽選が実行されなかったとする(図9(a))。その後、保留数が減っていると判断されたことを契機として実行される第二処理20において再び禁止条件が成立しているかどうかを判断した結果、未だ禁止条件が成立していたとする(図9(c))。さらにその後の保留数が減っていると判断されたことを契機として実行される第二処理20において、再び禁止条件が成立しているかどうかが判断された結果、禁止条件が成立しておらず先読み抽選が行われ、その結果実行された先読み実行抽選によって先読み演出を実行することが決定されたとする(図9(e))。この場合には、これ以降、対象当否判定結果の報知演出が開始されるまでの変動において、先読み演出を継続する。このように、二回目以降の第二処理20を経て、先読み演出が開始されることもある。
図10に示す第五演出例について説明する。遊技球が始動入賞口904に入賞したとき(対象保留が発生したとき)に、禁止条件が成立していたとする。つまり、第一処理10において先読み実行抽選が実行されなかったとする(図10(a))。その後、保留数が減っていると判断されたことを契機として実行される第二処理20において再び禁止条件が成立しているかどうかを判断した結果、禁止条件が成立しておらず、先読み実行抽選が実行され、当該抽選に当選しなかったとする(図10(c))。この場合、既に一回の先読み実行抽選が実行されたのであるから、その後保留数が減っていると判断されたとしても、禁止条件成立情報が存在しないと判断されるため、その後保留数が減っていると判断されても第二処理20における禁止条件の成立の有無の判断や、先読み実行抽選が実行されることはない。したがって、一度先読み実行抽選が行われた対象保留については先読み演出が実行される可能性はなくなる。
このように構成される本実施形態にかかる遊技機1を、遊技者目線で捉えると次のようなことがいえる。本実施形態にかかる遊技機1は、所定の入賞領域に遊技球が入賞してから、少なくとも一つの先の当否判定結果の報知が完了する所定時点の前から先読み演出が開始されること(第一処理10の先読み実行抽選に当選して開始されること)もあるし、当該所定時点の後から開始されること(第二処理20の先読み実行抽選に当選して開始されること)もある。つまり、先読み演出が開始されるタイミングが一定でないから、遊技の趣向性の低下を抑制することが可能である。
このように、本実施形態に遊技機1によれば、第一処理10時に禁止条件が成立していることにより先読み演出が実行されないことが決定された場合でも、その後の第二処理20時に禁止条件が成立しておらず、当該第二処理20によって先読み演出が実行されることが決定される場合があるから、先読み演出の発生頻度が大きく低下してしまうことが抑制される。
また、本実施形態のように、第一処理10および第二処理20は、先読み演出の実行の有無だけでなく、実行すると決定した場合にはその内容までを決定するもの(先読み内容決定抽選を実行するもの)とすることが可能である。
また、本実施形態では、禁止条件が成立していないと判断された上での第一処理10が実行された結果、先読み演出を実行しないと判断されたもの(先読み実行抽選に当選しなかったもの)については、その後前記第二処理20において先読み実行抽選が実行されないように構成されている。つまり、第一処理10時に禁止条件が成立していないと判断された上で先読み演出を実行しないと判断されたものについては、従来通りの制御を行ったとしても先読み演出を実行しないと判断されたものであるから、第二処理20を行わなくてもよい。換言すれば、このような場合にも第二処理20において先読み実行抽選が行われるものとすると、先読み演出の発生頻度が上昇してしまうおそれがあるため、そのような事態の発生を抑制することが可能である。
また、本実施形態では、特定演出30が発生せずにはずれとなることが報知されるようなものについては(先読み演出を発生させることの重要性がそれほど高くないとして)第二抽選21の対象から除外されている。その分、第二抽選21(第二処理20)を経た先読み演出の発生頻度が抑制されることになるため、「既に先読み演出が設定されている」という禁止条件に基づき、大当たりに期待がもてる演出を実行することになる当否判定情報が新たに取得されたとしても、それについて先読み演出を実行することができなくなるといった状況の発生を抑制することが可能である。
また、本実施形態のように、対象となる当否判定に関する情報よりも先に記憶手段に記憶された当否判定に関する情報に対応する当否判定結果の報知が完了したとき(本実施形態でいう保留球数コマンドを受信して保留数が減っていると判断されたとき(S2−2「Yes」)、すなわち、いわゆる識別図柄80の変動が開始されたとき)を、禁止条件が解消している可能性があるとして、第二抽選21を実行する契機としている(第二時点に到達したと判断している)。すなわち、本実施形態に沿っていえば、禁止条件成立情報の有無の判断(S2−3)に至るか否かの工程として設定することが可能である。
ただし、保留数が減っていると判断されること(S2−2「Yes」)という契機に加えて、または、この契機に代えて、第二処理20を実行する可能性がある契機として別の契機を設定してもよい。つまり、上記実施形態に沿っていえば、第二処理20に移行するか否かの判断である禁止条件成立情報の有無の判断(S2−3)に至るか否かの工程として、保留数が減っていると判断されること(S2−2「Yes」)という契機に加えて、または、この契機に代えて、別の契機を設定してもよい。すなわち、第二処理20が発生するきっかけとなるのは、保留が減少したときに限られるものではない。その具体例を以下に示す。なお、以下に示す具体例はあくまで一例であり、これ以外の例も考えられる。
・第一具体例
第一処理10時にいずれかの禁止条件が成立していることを理由として対象保留について先読み演出を行わないことが決定された場合に、当該禁止条件が成立していない状態となったことを契機として、対象保留について先読み演出を実行するか否かを判断する。つまり、禁止条件が成立した状態が解消されたか否かを判断する手段を設け、当該手段によって禁止条件が非成立の状態となったと判断された時点で再度対象保留について先読み演出を実行するか否かを判断する。
例えば、「既に先読み演出が設定されている」という禁止条件が成立していることを理由として対象保留について先読み演出を行わないことが決定された場合には、既に実行されていた先読み演出が終了したことを契機として、対象保留について先読み演出を実行するか否かを判断する。
・第二具体例
第一処理10時にいずれかの禁止条件が成立していることを理由として対象保留について先読み演出を行わないことが決定された場合に、当該禁止条件の成立の理由となった全ての保留が消化されたこと(全ての当否判定結果の報知演出が終了したこと)を契機として、対象保留について先読み演出を実行するか否かを判断する。つまり、禁止条件の成立の理由となった全ての保留が消化されたか否かを判断する手段を設けるとともに、当該手段によって全ての保留が消化されたと判断された時点で再度対象保留について先読み演出を実行するか否かを判断する。
例えば、「既に先読み演出が設定されている」という禁止条件が成立していることを理由として対象保留について先読み演出を行わないことが決定された場合には、当該既に実行されている先読み演出を実行する契機となった保留が消化されたかどうか(当該保留に対応する当否判定結果の報知演出が終了したかどうか)を判断する。そして、当該保留が消化されたことを契機として、対象保留について先読み演出を実行するか否かを判断する。
これら第一具体例や第二具体例のような契機を、保留が減少したという契機に加えて、または保留が減少したという契機に代えて、禁止条件成立情報の有無の判断(S2−3)に至る契機となる構成とすれば、遊技球の始動入賞口904への入賞を契機として第一処理10が実行された後、保留が減少したということ以外の種々の事象の発生を契機としてその際に存在している保留に対して順次第二処理20が実行される可能性がある(禁止条件成立情報の有無が判断される)ため、遊技球の始動入賞口904への入賞時に禁止条件が成立していることから先読み判定が実施できなくても、その後の上記種々の事象が発生したときに改めて先読み演出を実行するか否かの判定が実施される可能性が発生することになる。
次に、第二実施形態にかかる遊技機2について、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。
上述したように、先読み実行抽選(第一抽選11、第二抽選21)によって先読み演出の実行が決定されたとき、先読み内容決定抽選によって先読み演出の内容をどのようなものとするかが決定される。基本的には、予め設定された複数種の先読み演出(候補となる演出)のうちから、先読み内容決定抽選によって実行する先読み演出を決定することになる。先読み内容決定抽選によって決定される一つの要素として、先読み演出の連続回数(以下、先読み回数と称する)という事項がある。つまり、先読み演出は、複数の当否判定結果の報知演出に亘って発生しうるものであるところ、かかる先読み演出に利用する当否判定結果の報知演出の数が「先読み回数」ということである。一般的には、先読み回数の最大数は記憶手段に記憶可能な当否判定情報(保留)の数となる。なお、先読み回数が1回である先読み演出も発生しうる設定としてもよいし、発生することがない設定としてもよい。
先読み内容決定抽選は、大きく分けて、先読み演出の種類と先読み回数を決定するものである。先読み演出の種類とは、背景画像を所定の特殊画像としたり、ある所定の文字や絵柄等を表示し続けたりすること(例えば、特殊態様の保留図柄70を表示し続ける)等、先読み演出の基本的態様のことである。かかる基本的態様の決定とともに、先読み回数が決定される。なお、連続性のある基本的態様の先読み演出が決定された場合に限り、複数回の先読み回数が設定されうることになる。本実施形態では、先読み演出の内容を決定するに際し、特殊制御が実行されることがある。かかる特殊制御について以下詳細に説明する。なお、以下で説明する特殊制御は先読み回数に関連するものであるから、それについての制御のみ説明し、それ以外の制御については説明を省略する。また、本実施形態を説明するために用いる各図は、記憶手段に記憶されている当否判定情報の存在(保留図柄70)を概念的に示した図としている。これらの図においては、第一実施形態と同様に、対象当否判定情報(対象保留)を○の中に×を描いた図形として示し、それ以外の当否判定情報(対象保留以外の保留)を○の図形として示している。
通常制御(特殊制御が実行されない場合の制御)について説明する。基本的には、先読み演出は、対象当否判定結果の報知演出を含めた複数の報知演出を利用して実行される。例えば、ある当否判定情報(対象当否判定情報、対象保留)が取得されたことを契機として先読み演出の実行が決定され、かかる先読み演出の先読み回数がX回であることが決定されたとする。その場合には、先の当否判定結果の報知演出X−1回分と、対象当否判定結果の報知演出とを用いた先読み演出が発生する。例えば、先読み演出の先読み回数が2回に決定された場合には、対象当否判定結果よりも一つ前の先の当否判定結果の報知演出と、対象当否判定結果の報知演出とを用いた先読み演出が発生する(図11参照)。
特殊制御は、対象当否判定情報が取得されたことを契機として先読み演出の実行が決定された場合であっても、当該先読み演出に利用される演出に対象当否判定結果の報知演出が含まれないようにするものである。換言すれば、当該先読み演出が、対象当否判定結果の報知演出が開始されるよりも前に終了するように制御するということである。具体的には次のように制御される。
先読み回数がX回の先読み演出を実行することが決定されたときには、対象当否判定情報よりも先に取得された先の当否判定情報(なお、本実施形態において先の当否判定情報(先の保留)というときは対応する報知演出が開始されていないもの(いわゆる当該変動保留を除く)をいう)がX個以上記憶手段に記憶されている場合(対象保留を除いた先の保留がX個以上記憶されている場合)に特殊制御が実行されうる(詳細は後述)。X個以上の先の当否判定情報が記憶されているということは、対象当否判定結果の報知演出が実行される前までに、X回以上の先の当否判定結果の報知演出が実行されるということである。先読み回数がX回の先読み演出は、対象当否判定結果の報知演出を利用せずに、X回以上の先の当否判定結果の報知演出のうちのいずれかを利用して実行する。例えば、先読み演出の先読み回数が2回に決定され、2個以上の先の当否判定情報が記憶されているときには、当該2個以上の先の当否判定情報に対応する報知演出のうちの2つを利用した先読み演出を実行する特殊制御が発生しうる(図12参照)。
このように、本来(通常制御)であれば対象当否判定結果の報知演出を含めたX回の報知演出を利用して先読み演出が実行されるところ、特殊制御が実行される場合には当該先読み演出を前倒しで実行させる。なお、特殊制御が実行されることが決定された場合であっても、先読み演出の演出態様(基本的態様)は維持される。すなわち、特殊制御は、特殊制御が実行されなければ実行されたであろう演出態様と同じ態様の先読み演出を、前倒しで実行させるというものである。
本実施形態では、かかる特殊制御が実行されうる条件として、以下のような条件が設定されている。かかる条件を満たさない場合には、特殊制御が実行されないことになる。ただし、通常制御により先読み演出の実行が決定されることはあってもよい。なお、以下に示す条件は必要最小限の条件であり、これ以外の条件が設定された構成としてもよい。
・先の当否判定情報がX個以上記憶手段に記憶されていること
特殊制御は、先読み回数がX回である先読み演出を前倒しで実行させるというものであるため、対象当否判定情報が取得された時点で、記憶手段に記憶されている対象当否判定情報を除いた当否判定情報、すなわち先の当否判定情報(先の保留)がX個以上存在しなければならない。かかる条件を満たさないケースにおいては、先読み演出を前倒しさせることは不可能になるため、特殊制御は実行されない。例えば、先読み回数が3回である場合において、先の当否判定情報が2個しか存在しない場合には、特殊制御は実行されない(図13参照)。
ただし、記憶手段に記憶されている先の当否判定情報(先の保留)の数に合わせて、先読み回数を強制的に減少させる構成としてもよい。例えば、先の当否判定情報(先の保留)が2つである場合には、先読み回数が2回以下であるである先読み演出を強制的に発生させるような特殊制御の態様としてもよい。
・先の当否判定情報がはずれとなるものであること
特殊制御が実行された場合、先読み演出はX個の先の当否判定結果の報知演出を用いて実行されることになる。仮に、当該先読み演出に利用される報知演出に大当たりとなることを報知するものが含まれている場合(図14参照)、それを利用して前倒しさせた先読み演出を発生させてしまうと大当たりを報知する報知演出との関係において矛盾等が生じてしまうおそれがある。よって、この場合には特殊制御を実行しないようにする。なお、上述した「先の保留(当否判定情報)に対応する当否判定結果に大当たりとなるものが存在していること」が禁止条件として設定されていれば、通常制御による先読み演出すら発生しないことになる。
かかる条件をさらに限定してもよい。例えば、X個の先の当否判定結果の報知演出のいずれもが、特定演出30(特定演出30については第一実施形態にて説明した通りである)を含まないものである場合に限り、特殊制御が実行されうる構成とする。特定演出30が発生することによって大当たり信頼度が高まったことが示唆されるような報知演出中に、前倒しさせた先読み演出を発生させてしまうと報知演出と先読み演出の関係において矛盾等が生じてしまうおそれが高いとして、特殊制御が実行されないようにしてもよい。なお、特定演出30は、発生することにより大当たり信頼度が高まったことが示唆される演出であればどのようなものであってもよいが、「リーチ状態が構築される演出」を特定演出30として設定することが好ましい。すなわち、X個の先の当否判定結果の報知演出のいずれもが、いわゆる「どはずれ」となる報知演出である場合に限り、特殊制御が発生しうる構成とするとよい。
・対象当否判定結果がはずれとなるものであること
特殊制御は、本来であれば対象当否判定結果の大当たり信頼度を示す先読み演出を前倒しで実行させるというものであるから、対象当否判定結果が大当たりとなる場合(図15参照)にそれに対応する先読み演出を前倒しさせるのは問題がある。つまり、対象当否判定結果がはずれとなるものであれば、対象当否判定情報が取得されたことを契機とする先読み演出を前倒しさせてもよいとして、特殊制御が実行されうる構成とする。
かかる条件をさらに限定してもよい。例えば、対象当否判定結果の報知演出が、特定演出30(特定演出30については第一実施形態にて説明した通りである)を含まないものである場合に限り、特殊制御が実行されうる構成とする。対象当否判定結果の報知演出が、特定演出30が発生することによって大当たり信頼度が高まったことが示唆されるようなものである場合には、当該対象当否判定結果を対象とする先読み演出を発生させた方が好ましいとして、特殊制御が実行されないようにしてもよい。なお、特定演出30は、発生することにより大当たり信頼度が高まったことが示唆される演出であればどのようなものであってもよいが、「リーチ状態が構築される演出」を特定演出30として設定することが好ましい。すなわち、対象当否判定結果の報知演出が、いわゆる「どはずれ」となる報知演出である場合に限り、特殊制御が発生しうる構成とするとよい。
以上説明したような特殊制御を実行するのは遊技の趣向性が低下してしまうことを抑制するためである。特殊制御により遊技の趣向性の低下を抑制できる理由は以下の通りである。
特殊制御により先読み演出を前倒しさせることにより、当該先読み演出が終了する時点が早まることになる。少なくとも、本来であれば先読み演出に利用されるはずの対象当否判定結果の報知演出が先読み演出に利用されないものとなる。したがって、上記第一実施形態にて説明した「既に先読み演出が設定されている」とする禁止条件が解消されるタイミングが早まり、対象当否判定情報よりも後に取得された当否判定情報(後の当否判定情報)に対応する当否判定結果について先読み演出が実行されやすくなる。少なくとも、対象当否判定結果の報知演出は、先読み演出に利用されるものでなくなるから、後の当否判定情報の内容によっては、当該後の当否判定情報が取得されたことを契機として、対象当否判定結果の報知演出を利用した先読み演出が発生しうることになる。このように、特殊制御が実行される場合、(通常制御に比して)先読み演出が終了するタイミングが早まるため、その後実行される演出決定の幅が広がることになる。
ここで、当該観点からいえば、特殊制御を実行する場合、前倒しさせる先読み演出はできるだけ早く開始されること(できるだけ早く終了するようにすること)が好ましい。図16に示すように、例えば(消化順が)4番目の当否判定情報(4番目の保留)が取得されたことを契機として先読み回数2回の先読み演出について特殊制御を実行する場合、記憶手段に記憶されている2番目の当否判定情報と3番目の当否判定情報に対応する報知演出を利用した先読み演出(図16においてC2で示す態様)を実行させるのではなく、1番目の当否判定情報と2番目の当否判定情報に対応する報知演出を利用した先読み演出(図16においてC1で示す態様)を実行させるようにする。つまり、対象当否判定情報が取得された時点で記憶手段に記憶されている先の当否判定情報のうち、対応する当否判定結果の報知演出の開始が最も早い報知演出の最中から先読み演出が開始されるようにする。このようにすれば、(前者を実行した場合よりも)先読み演出が終了するタイミングが早まることになる。
また、別の観点からいえば、特殊制御が実行された場合、本来であれば先読み演出が実行されなかったX個の先の当否判定結果の報知演出中に先読み演出が発生するということになる。つまり、当該観点においても先読み演出の発生頻度の低下を抑制することに資するということがいえる。
なお、特殊制御を実行するか否かを判断する時点は、当然であるが先読み内容決定抽選を行う時点である。上記第一実施形態にて説明したように、第一処理10における(第一抽選11を経た)先読み内容決定抽選と、第二処理20における(第二抽選21を経た)先読み内容決定抽選が実行される構成とする場合には、両方の先読み内容決定抽選時に特殊制御が実行されうる構成としてもよいし、いずれか一方の先読み内容決定抽選時のみ特殊制御が実行されうる構成としてもよい。例えば、第二処理20における先読み内容決定抽選は、禁止条件の成立状態が解消された上で実行されるものであって、禁止条件の成立状態が解消されるまで保留数が減少していることが想定されるから、先読み演出を「前倒し」させる必要がそれほどないとして、特殊制御が実行されることがないように構成されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態では、遊技球の始動入賞口904への入賞を契機として第一処理10が実行された後、ある一つの変動が開始される(先の当否判定結果の報知が完了する)ことを少なくとも一つの契機としてその際に存在している保留に対して順次第二処理20が実行される可能性がある(禁止条件成立情報の有無が判断される)構成となっていることを説明したが、当該第二処理20が実行される可能性が生じる契機を、複数(所定回数)の変動を実施した時点(先の当否判定結果の報知が完了する時点)として設定してもよい。つまり、第一処理10の後、いわゆる保留消化が所定回数発生することを当該契機としてもよい。また、その都度(例えば遊技状態等に応じて)、当該契機となる保留消化の回数が異なる設定としてもよい。
上記実施形態では、いわゆる先読み演出を実行するか否かを決定するための処理として、第一処理10および第二処理20が設定されていることを説明したが、当該処理の対象となる演出は先読み演出に限られない。実行することが不可能または困難な状態が生じうる演出であって、所定時間が経過したり、所定の条件が整ったりした場合には、当該不可能または困難な状態が解消しうることがある演出であれば、対象となる演出はどのようなものであってもよい。
上記実施形態では、第一処理10において禁止条件が成立したと判断された場合に限り(禁止条件成立情報の存在が確認できる場合に限り)、その後第二処理20が実行される可能性があることを説明したが、第一処理10において禁止条件が成立しているかどうかを第二処理20が実行される要件としなくてもよい。つまり、第一処理10によって先読み演出(特定演出30)が実行されないと判断された場合であれば、第一処理10時における禁止条件の成立の有無に関係なく、その後の所定の条件の成立を契機として(例えば、いわゆる変動開始時(保留消化)を契機として)、第二処理20が実行される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、遊技球が始動入賞口904へ入賞したことを契機として、当該入賞によって発生する保留に対して禁止条件の成立の有無を判断した上で、先読み演出を実行するか否かを判断する(先読み実行抽選を行う)第一処理10を行うようにしているが、上記入賞を契機として、当該入賞によって発生する保留だけでなく、それよりも前の入賞によって発生する保留に対して第一処理10を行うようにしてもよい。このように構成することで、ある時点において未だ先読み実行抽選が行われていない保留に対し、遊技球が始動入賞口904へ入賞したときにも先読み実行抽選が行われる可能性が生じることとなる。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1
当否判定情報に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定結果を報知する演出が開始されていない前記当否判定情報を記憶する記憶手段と、
所定の対象当否判定情報に基づく対象当否判定結果が当たりとなる蓋然性を、当該対象当否判定情報よりも前に取得された先の当否判定情報に基づく先の当否判定結果を報知する演出を利用して示唆する先読み演出を制御する先読み制御手段と、
を備え、
前記先読み制御手段は、前記対象当否判定情報が取得されたことを契機とする第一時点と、前記第一時点以降の所定条件が成立した時点である第二時点において前記対象当否判定結果についての先読み演出を実行するか否かを判断することが可能であり、
前記第一時点において実行される第一抽選を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性よりも、前記第二時点において実行される第二抽選を経て先読み演出の実行が決定される蓋然性の方が低く設定されていることを特徴とする遊技機。
上記手段1にかかる遊技機によれば、第二抽選を経て先読み演出が実行される頻度が低くなるため、第二抽選を経た先読み演出の発生頻度が高くなることが原因で、対象当否判定情報よりも後に取得された当否判定情報に対応する当否判定結果について先読み演出を実行することができなくなる状況の発生を抑制することが可能である。
○手段2
前記対象当否判定結果を報知する演出に特定演出が含まれないものについては、前記第二抽選を経て先読み演出の実行が決定されることがないように構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このような構成とすることで、対象当否判定結果を報知する演出に特定演出が含まれないものについては第二抽選を経た先読み演出が実行されないことになる。
○手段3
前記特定演出は、発生することにより当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆するものであることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このような構成とすることで、対象当否判定結果を報知する演出のうち、いわゆる信頼度が高まったことを示唆する特定演出が含まれないものについては、第二抽選を経た先読み演出が実行されないことになる。
○手段4
前記対象当否判定結果を報知する演出に前記特定演出が含まれていないものについても、前記第一抽選を経て先読み演出の実行が決定される可能性があることを特徴とする手段2または手段3に記載の遊技機。
このような構成とすることで、対象当否判定結果を報知する演出に特定演出が含まれないものについても、先読み演出が発生しうることになる。
○手段5
前記第二抽選は、前記第一抽選によって先読み演出の実行が決定されなかったものの少なくとも一部について実行されることを特徴とする手段1から手段4のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、第一抽選で先読み演出の実行が決定されなかったものについても、第二抽選で先読み演出の実行が決定される可能性があるから、先読み演出の発生頻度を高めることが可能となる。
○手段6
前記特定演出として、リーチ状態が構築される演出が設定されていることを特徴とする手段2から手段5のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすることで、リーチ状態すら構築されずに終了するものについては、第二抽選の対象から除外されることになる。
○手段7
前記特定演出として、リーチ状態が構築される蓋然性が高まったことを示唆する演出が設定されていることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
このような構成とすることで、リーチ状態が構築されるかもしれないという煽りが発生する演出については、第二抽選の対象に含まれることになる。
○手段8
前記第一時点の後、前記対象当否判定情報よりも前に取得された当否判定情報に対応する当否判定結果を報知する演出が完了したことを前記所定条件の成立とすることを特徴とする手段1から手段7のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、対象当否判定情報よりも前に取得された当否判定情報に対応する当否判定結果を報知する演出が完了したこと(保留数が減ったことこと)を契機として、第二抽選が実行されることになる。
○手段9
前記第一時点において既に先読み演出が実行されていた場合において、当該先読み演出が終了したことを前記所定条件の成立とすることを特徴とする手段1から手段7のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、第一時点において実行されていた先読み演出が終了したことを契機として、第二抽選が実行されることとなる。既に先読み演出が実行されている場合に新たな先読み演出の実行を決定しないような設定である場合に特に有効となる。
○手段10
前記第一時点において既に先読み演出が実行されていた場合において、当該先読み演出を実行する契機となった当否判定情報に対応する当否判定結果を報知する演出が終了したことを前記所定条件の成立とすることを特徴とする手段1から手段7のいずれかに記載の遊技機。
このような構成とすれば、第一時点において実行されていた先読み演出を実行する契機となった当否判定情報に対応する当否判定結果を報知する演出が終了したことを契機として、第二抽選が実行されることとなる。既に先読み演出が実行されている場合に新たな先読み演出の実行を決定しないような設定である場合に特に有効となる。