JP6876706B2 - 電磁共振回路を備えたcwメーザ - Google Patents

電磁共振回路を備えたcwメーザ Download PDF

Info

Publication number
JP6876706B2
JP6876706B2 JP2018533753A JP2018533753A JP6876706B2 JP 6876706 B2 JP6876706 B2 JP 6876706B2 JP 2018533753 A JP2018533753 A JP 2018533753A JP 2018533753 A JP2018533753 A JP 2018533753A JP 6876706 B2 JP6876706 B2 JP 6876706B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
maser
coil
active medium
population inversion
maser according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018533753A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019508877A (ja
Inventor
アペルト、ステファン
シュェフケ、マーチン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Forschungszentrum Juelich GmbH
Original Assignee
Forschungszentrum Juelich GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Forschungszentrum Juelich GmbH filed Critical Forschungszentrum Juelich GmbH
Publication of JP2019508877A publication Critical patent/JP2019508877A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6876706B2 publication Critical patent/JP6876706B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S1/00Masers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the microwave range
    • H01S1/04Masers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the microwave range liquid
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/60Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using electron paramagnetic resonance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S1/00Masers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the microwave range
    • H01S1/02Masers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the microwave range solid
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S4/00Devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in wave ranges other than those covered by groups H01S1/00, H01S3/00 or H01S5/00, e.g. phonon masers, X-ray lasers or gamma-ray lasers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明はコヒーレント電磁波発生用メーザに関する。可視光を放出するレーザと異なり、メーザはマイクロ波又はラジオ波を発生する。メーザは、活性媒体と、当該活性媒体中で反転分布を発生させる装置、並びに前記メーザのマイクロ波周波数に同調する共振器を含む。メーザは、例えば、原子時計操作用増幅器として及びミリ波用発生器として、地球人工衛星との通信トラフィック、電波天文受信システム及び無線中継システムにおいて使用されている。
多くの場合、メーザを操作するためには、低温又は高真空を発生させる必要がある。通常、複合ポンピングプロセス、例えば、ビーム分離、ポンピングレーザ又は動的核分極(DNP)が必要とされる。
室温で操作可能な活性固体媒体を含むメーザは、非特許文献1から公知である。前記活性媒体における反転分布は、脈動型レーザによる光学的ポンピングによって発生する。さらに、前記メーザはメーザ周波数に同調する空洞共振器を含んでいる。全体で、約1.42GHzの周波数fのマイクロ波を発生することが可能なメーザが提供される。光学的ポンピングには比較的大量のエネルギーが必要とされるので、パルス作動のみが可能である。
非特許文献2及び3は、如何にして室温で操作可能なメーザがサファイア共振器の存在下においてダイアモンド又は光学的にポンピングされた有機分子又はメーザ可能な分子のNVセンターを使用することによって実現可能であるかについての考察を開示している。
メーザの周波数が低ければ低い程、電磁波の波長が長くなる。メーザが空洞共振器を含む場合には、その共振器は十分に大きくする必要がある。
光学的ポンピングによって反転分布が得られる場合には、有機媒体は高い光学的特性及び等級を備えそして高い技術的努力によって提供される必要がある。
非特許文献4は、ピックアップコイル、キャパシタンス及びフィルターコイルを含む高特性の電磁共振回路を備えたNMR分光計を開示している。
独特許出願102014218873
DOI: 10.1038/nature11339 DOI: 10.1038/ncomms9251 Nature 488, 353-356 (2012) DOI: 10.1038/nphys3382 DOI: 10.10.38/MPHYS3382
本発明の目的は、室温で操作可能なさらに進化したメーザを提供することを目的とする。
上記した問題を解決するために、メーザは電磁共振回路を有し、そして当該電磁共振回路は、ピックアップコイル、キャパシタンス及びフィルターコイルを含み、そして当該ピックアップコイルにおける有機分子又はメーザ可能な分子の活性媒体並びに当該活性媒体において反転分布を生じさせるための反転分布装置を含んでいる。この態様で作られたメーザは室温で操作可能でありそして連続的なマイクロ波放射又はラジオ波放射が可能である。上記活性媒体は自由に選択することが可能であり、その結果、異なるメーザ周波数を実現することが可能となる。共振器として電磁共振回路を用いることによって、MHzの範囲並びにkHzの範囲のメーザ周波数においてさえも小型設計が可能となる。1kHzから10MHzまでの周波数が可能である。
本発明の一つの実施の形態において、反転分布装置は、有機分子又はメーザ可能な分子の核スピンが当該反転分布装置及びその装置によって得られる反転分布によって負のスピン温度となるように構成される。この実施の形態は、光学的ポンピング、ビーム分離又はDNP工程をなしで済ませるという有利な態様を可能とする。4桁までの周波数範囲、特に1kHzから10MHzまでの周波数範囲をカバーすることが可能となる。比較的小さい周波数にも拘らず、電磁共振回路として大きな設置面積は必要ではなくそして空洞共振器も使用することはない。
一つの実施の形態において、活性媒体の有機分子又はメーザ可能な分子における負の核スピン温度を得るために、上記装置は、化学的、好ましくはパラ水素によってポンピングされる。このポンピングは、特に、活性媒体の有機分子又はメーザ可能な分子を及びパラ水素が結合可能な触媒を介して行われる。そして、反転分布を達成するために、上記パラ水素はその核スピンを活性媒体の有機分子又はメーザ可能な分子に転移することができる。特に、光学的ポンピングを行うために必要とされる技術的尽力に比較して上記した技術的尽力は低い。このような手法によって、コヒーレントな電磁波、即ち、いわゆるCWメーザを連続的に発生させることができるメーザを提供することが可能となる。CWメーザは長時間に亘って非常に正確な測定を可能とするが、そのような測定は同様の方法でパルスメーザを用いても不可能である。上記のようなCWメーザを用いると、例えば、非常に正確に作動するNMRセンサ又は磁界センサが実現する。
好ましくは、活性媒体は液体である。気体状媒体と比較して、高いスピン密度が達成され、このことは低い技術的尽力でCWレーザを提供することに寄与している。固体媒体と比較して、反転分布の発生に対して著しく低いエネルギーを費やすのみで足りる。また、このような理由で、過度に高い尽力を費やすことなくCWメーザを提供することが可能となる。
一つの実施の形態において、活性媒体は固体であり、特に、軟質ポリマーからなり、又は軟質ポリマーを含んでいる。
一つの実施の形態において、反転分布装置は、液体の対応する有機分子又はメーザ可能な分子が負のスピン温度を有する媒体が提供されるように分離される方法で配置される。
そのような分離方法は、水素中に含まれるパラ水素が分離されるような方法で水素に対する一つの実施の形態において実施される。この分離されたパラ水素は、活性媒体中で負のスピン温度を発生させるために、化学的ポンピングに対して使用される。あるいは、パラ水素は反転によって得られる。そのような反転は一般的に低温で行われる。
核スピンが生じるより高いエネルギーレベルが低いエネルギーレベルよりもより強くなる場合に、負のスピン温度が発生する。
一つよりも多い核の型を有する場合、より高い多極子秩序又は部分的な反転分布を有するより多くの複雑な非平衡占有を発生させる可能性がある。そのような状況からのメーザはいまだ実証されていない。この基本的に異なる原理は従来の反転分布に加えて本発明によって実現可能となる。このことは本発明の趣旨の範囲内における部分的な反転分布を表している。
負のスピン温度を有する有機分子又はメーザ可能な分子は分極化されている。地球磁場、又は磁気遮蔽に起因して地球磁場よりも弱い磁場はこれに対して充分である。分極化は、活性媒体中の核スピンの秩序付けられた配列を意味する。スピン状態の異なる秩序クラスがある:単一スピン(双極子)、二つのスピン(四極子)及びマルチスピン配置(多極子)。反転した双極子状態(単一スピン状態)はまた反転占有とも呼ばれ、これは負のスピン温度に対応する。高次の分極は低次の分極よりも一層好ましい。従って、過分極、即ち、熱平衡を遥かに超えた活性媒体における核スピンの秩序付けられた配列はより好ましい。
それを用いて本発明が実現された有機分子の例は、ピリジン、即ち、CN、又はアセトニトリル、即ち、CHCNである。これらは溶剤、即ち、メタノールに溶解された。
共振器の性能は、インストール空間の減少と共に改善されることが判明した。特に、ピックアップコイルは小さい方が好ましい。ピックアップコイルのインストール空間の減少そしてそれによる活性メーザ媒体のインストール空間の減少は当該活性メーザ媒体の共振器への結合を有利に改善する。これとは対照的に従来技術から公知のメーザの特性は、インストール空間のサイズとともに増加する。後者は、例えば、非特許文献5から公知のメーザに適用される。
前記メーザの操作のための電磁共振回路の充分に高い特性を提供することに留意する必要がある。従って、フィルターコイル及びキャパシタンスは好ましくは少なくとも100、有利には少なくとも200、特に好ましくは少なくとも500の高い特性を有する。二者択一的に、又は追加的に共振回路の特性は少なくとも100、有利には少なくとも200、特に好ましくは少なくとも300である。
フィルターコイルは、技術的に単純な態様で適切な電磁共振回路を得るために、接地センタータッピングを有している。
フィルターコイルの特性及びキャパシタの特性は、ピックアップコイルの特性を一般的に超えており、好ましくは数倍、少なくとも2倍、特に好ましくは少なくとも3倍は超えている。円筒状コイルはピックアップコイルとしては好適であり、活性媒体を内部に保持した容器を円筒状コイル内に挿入可能となる。ピックアップコイルは、ほんの少しの巻線、例えば、10までの巻線を有することができる。ピックアップコイル及び/又はフィルターコイルからのワイヤー又はストランドは、例えば、銅、銀又は金から作られている。
好ましくは、ピックアップコイル及び/又はフィルターコイルは、さらに改良された電磁共振回路を完成するために、ストランドを有し、そのストランドの細いワイヤーは特に絶縁性ワニス層によって電気的に絶縁されている。従って、ストランドは、好ましくは、高周波耐性を有している。
下記する複数の実施の形態は、個別に並びにそれらの組み合わせにおいて、電磁共振回路の有利な性能をさらに改良する。
前記センタータッピングは好ましくは前記フィルターコイルの中心に正確に設置されている。前記センタータッピングが前記中心に正確に配置されている場合には、前記センタータッピングは前記共振回路の寄生振動傾向を特に良好に抑圧する。これは積極的な効果である。
前記センタータッピングは追加的なワイヤー又はストランドを備える一つの実施の形態において実現されている。前記追加的なワイヤー又はストランドの一端部は地面に接続されており、即ちアースされている。さらに、前記フィルターコイルの他のワイヤーの一端部は地面に接続されている。
製造のために、例えば、2本の電気的伝導体(特に、第1及び第2ワイヤー又は第1及び第2ストランド)は互いに撚り合わされ又は一緒に配索される。続いて、2本の撚り合わされた電気的伝導体は前記コイルに巻き付けられる。前記第1電気的伝導体(ワイヤー又はストランド)の端部及び前記第2電気的伝導体(ワイヤー又はストランド)の反対側の端部はアースされている。そして、他の2つの端部は前記コイルの電気的端子を形成する。
上記した2本の伝導体が同一の長さであれば、前記センタータッピングは前記中心に正確に位置する。
前記フィルターコイルは電気的及び/又は磁気的シールドによって特別に遮蔽されている。磁気的シールドのために、シールドの壁はミューメタル又は鉄、好ましくは、高い透磁性の鉄、によって好ましくは構成されている。
磁気的シールドは、好ましくは、実質的に磁気的に閉鎖されたチャンバー又は缶によって形成されている。しかしながら、前記メーザはまたそのようなシールドなしに作動する。このことは実施例において実現されている。
磁気的シールドは電磁的干渉に対して有利に保護作用を行い、それによって、信号雑音比の改善に寄与する。
前記シールドの壁は好ましくは二重壁であり、又は、缶の内部には、スペーサーによって第1の缶から一定の間隔を保って第2の缶が設けられている。そして、前記フィルターコイルは前記第2の缶の内部に配置されている。従って、特に好ましくは、前記シールドは二重壁チャンバー又は二重壁缶から構成される。
NMR又はESR分光法の場合、前記フィルターコイルは、NMR又はESRの場合に用いられる磁場Bから磁気的に遮蔽されることが可能となる。このシールドは更なる改良を提供する。
前記磁気シールドの二重壁の壁又は前記磁気シールドの1個又は2個の缶の壁は有利には1mm〜3mmの厚さ、例えば、1.5mmの厚さである。電気シールドの壁は好ましくは3mmまでの厚さ及び/又は少なくとも0.5mmの厚さである。電気シールドの壁は好ましくはスロット付きである。電気シールドの壁は好ましくは銅製である。
前記シールドは好ましくはアースされている。2個の缶の場合には、一般的に外側の缶がアースされる。しかしながら、二者択一的又は追加的に内側缶をアースすることも可能である。
有利には、前記ピックアップコイルはNMR又はESR分光法に用いられる励磁コイルからは分離されている。このように第2のコイルが設けられ、この第2のコイルはNMR又はESR分光法を実行するための励磁コイルとして用いられる。これにより、励磁コイルとは独立している測定装置を最適化することが可能となり、この測定装置は信号雑音比の改善を可能とする。前記ピックアップコイルは好ましくは前記励磁コイルの内側に配置される。励磁コイルとピックアップコイルとの間隔は、2個のコイル間の不利な結合を充分に小さく維持するために、有利には少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mmである。前記励磁コイルの主軸(rf場方向)は、2個のコイル間の不利な結合を充分に小さく維持するために、好ましくは前記ピックアップコイルの受感軸に対して本質的に垂直に、好ましくは垂直に配置されている。
一方でピックアップコイル及び他方でキャパシタ及びフィルターコイルは、一つの有利な実施の形態において特に低損失電気トランスファーラインによって互いに接続されている。このことは良好な電気伝導体からなる導線、例えば、銅からなる導線によって、例えば、少なくとも1mmの大きな断面を有する導線によって、2本の導線状の電気伝導体をルーピング又は撚り合わせるによって、及び/又は適切な電気的絶縁体、特にテフロン(登録商標)製の絶縁体によって達成される。導線の個々の伝導体及び/又は両方の電気伝導体は絶縁の目的のためにテフロン(登録商標)製の鞘に一緒に収めることが可能である。伝導体はワイヤー又はストランドとすることができる。
一つの独立発明は導線を示し、この導線は好ましくは一緒に撚り合わされている2本のストランドからなり、特にESR又はNMR分光法用の低損失導線を提供するために、そのストランドは前記したテフロン(登録商標)製鞘を有している。
前記導線が2本のストランドによって形成されている場合、少なくとも1mmというストランドの断面は、特に任意に設けられた絶縁体を含む2本のストランドの個々のワイヤーの断面の合計となる。さらに、低損失導線を提供し、それによって更に改良された信号雑音比を実現するために、前記導線のストランドは、特に表面にワニス塗布すること及び/又は高周波抵抗の態様で配置されることによって、好ましくは互いに電気的に絶縁されている。
前記ピックアップコイルはストランド、即ち、細い個々のワイヤーからなる電気伝導体によって形成されている。前記ストランドの個々のワイヤーは有利には互いに電気的に絶縁されている。それ故に、個々のワイヤーの表面は有利には電気絶縁性のワニスで塗られている。前記ストランドは好ましくは耐高周波性である。
ストランデッド・ワイヤのワインディングを有するトロイダル形又は円筒形フィルターコイルが好適であることが証明されている。高特性Q>1000の外部共振器の実現のために、前記フィルターコイルは可能な最低のエネルギー損失の交流磁場に従うか又は低いAC損失を示す。このために、前記フィルターコイルは無視しうる浮遊磁場を有する必要があり、そして前記ワインディングのAC抵抗はできる限り低くする必要がある。また、前記フィルターコイルの誘電損失又は磁気コアにおける損失は最小にする必要がある。
有利には、一方のピックアップコイルと他方のキャパシタ及びフィルターコイルとの間の間隔は少なくとも5cmであり、有利には少なくとも50cmであり、特に有利には少なくとも60cmである。これにより、B場(ESR又はNMR分光法の場合に存在するので)と通常にシールドされているフィルターコイルとの間の相互に妨害する磁気の影響を低減する。シールドはB場に不利に影響しないことが実現される。さらに、シールドはB場によって不利に飽和されることが排除される。
前記キャパシタンスは、適正な共振を調節可能とするために、有利に同調可能である。有利には、前記キャパシタンスは多数の個々のキャパシタから形成され、それらのキャパシタは互いに並行して適切に接続され、そして前記キャパシタンスが必要に応じて変更できるような態様で接続可能とされている。これにより、高特性の同調可能なキャパシタンスを提供するために、高特性の市販のキャパシタを使用することが可能となる。
特許文献1において、本発明のメーザがそれを用いて実現された共振回路が図面に基づいて説明されている。
本発明は、ピックアップコイル、キャパシタンス及びフィルターコイル、前記ピックアップコイルにおけるメーザ可能な分子の活性媒体並びに反転分布、特に前記活性媒体中の部分的な反転分布を発生させるための反転分布装置を含む電磁共振回路を有するメーザに特に関するものである。
前記反転分布装置は、前記分子の核スピンが負のスピン温度になるような態様で好ましくは構成されている。又は、前記反転分布装置は、複雑な非平衡占有(多極子秩序)が発生するような態様で好ましくは構成されている。
前記メーザは、好ましくは、前記分子が負のスピン温度を取りうるような態様で、前記反転分布装置が前記活性媒体中で反転分布の発生のためのパラ水素を含むように構成されている。
前記メーザは、好ましくは、複雑なスピン秩序がメーザ活性分子において発生可能なように構成されている。
特に、反転分布装置は前記活性媒体中の反転分布、特に部分的反転分布の発生のための触媒、又は高い秩序の非平衡占有の発生のための触媒を含む。
前記触媒によって、前記(部分的)反転分布は特にパラ水素の存在で良好に発生する。
特に、前記活性媒体は液体である。固体もまた有益である。特に、固体は軟質ポリマーからなり、又は軟質ポリマーを含む。
一つの実施の形態において、前記活性媒体はメタノールを含む。
一つの実施の形態において、前記活性媒体は、メタノール、特に好ましくは、メタノール−dのような有機溶剤を含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、ピリジン又はアセトニトリルを含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、パラ水素によって過分極可能な物質を含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、PHIP(パラ水素誘導分極)活性物質を含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、SABRE(可逆的交換による信号増幅)活性物質を含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、窒素化合物を含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、一つ又は多くのN−複素環化合物及び/又はニトリルを含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、ピリジン及び/又はアセトニトリルを含む。
前記活性媒体は、一つの実施の形態において、[IrCl(cod)(IMes)]を含む。
一つの実施の形態において、前記メーザは連続作動で操作される。
本発明のメーザの構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態において、活性媒体にピリジンを溶解した場合の時間と振幅の関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、活性媒体にアセトニトリルを溶解した場合の時間と振幅の関係を示すグラフである。
続いて、本発明を2つの実施の形態及び図面に基づいて説明する。
図1は本発明のメーザの構造を示す説明図で、当該メーザは円筒形コイルであるピックアップコイル1、同調可能なキャパシタンス2及びフェライトコア4を備えたフィルターコイル3を含んでいる。キャパシタンス及び円筒形コイルの特性は約300に達する。前記ピックアップコイルは約100ワインディングの銅を含み、そして約1cmの内径並びに約1cmの高さを有している。当該フィルターコイルの特性は340であった。
液体中に溶解する有機分子又はメーザ可能な分子からなる活性媒体5は容器6内に入っている。当該容器6は前記ピックアップコイル1の内部に配設されている。反転分布、特に部分的反転分布を実行するために、パラ水素発生のための装置7が設けられ、ライン8の端部に設置されるインフレーションニードル9を用いて、パラ水素は当該装置7によってライン8を介して容器6に導入される。それによって、有機分子又はメーザ可能な分子の核スピンは部分的反転分布の状態になる。それの特殊なケースは負のスピン温度である。パラ水素の供給はバルブ10によって調節される。
容器6へのパラ水素の供給をモニターしかつ調節するために、圧力計11は容器6とライン21内の圧力をモニターする。更なるニードルバルブ12及びバルブ13は上記調節に寄与することができる。
トランスファーライン14は、一緒に撚り合わされている2本のストランドによって形成されており、このトランスファーライン14は一方のピックアップ1と他方のキャパシタンス2及びフィルターコイル3との間で比較的大きな間隔(>10cm)を確保している。差動増幅器15は必要に応じてピックアップコイル1からの信号を増幅するためフィルターコイル3に接続されている。
ピックアップコイル1、トランスファーライン14、同調可能なキャパシタンス2、フィルターコイル3及びフェライトコア4並びに差動増幅器15はシールド16内に配置されている。前記シールド16の外側には、操作用及び/又は評価用電子機器が設けられ、それらは差動増幅器15によって増幅された信号を操作及び/又は評価することが出来る。図示した実施の形態において、それらの電子機器はNMR操作ユニット17及びデータ収集装置18を含む。
前記シールド16は円筒形コイル19内に達しており、その結果、容器6は当該円筒形コイル19内の中央部に位置している。静磁場Bは、コイル体20に巻き付けられた円筒形コイル19によって発生せしめられる。
36Kの温度で発生せしめられた約92%パラ水素の一部を含むパラ水素ガスは液体状活性媒体の入っている容器に5バールの圧力で導入された。前記液体状活性媒体は溶剤として0.5cmのd−メタノールを含んでおり、そこには一つのケースでは数μLのピリジンがそして他のケースでは数μLのアセトニトリルが溶解された。その液状活性媒体はさらに触媒として数mgの[IrCl(cod)(IMes)]を含んでいた。
約1−16mTの静磁場Bは前記円筒形コイル19によって発生せしめられた。上記構造にもかかわらず、ΔB/Bの値、〜10−6cm−3が達成された。
このことは、前置増幅器の後にロックイン増幅器によってさらに増幅されたメーザ振動の発生を可能としたものである。この方法で増幅された信号は、16kHzのサンプリングレートで前記データ収集装置18によって記録された。
この方法によって得られた結果は図2(ピリジンに対して)及び図3(アセトニトリルに対して)に示されている。[s]で示された時間に亘り[V]で示された測定された振幅がそれぞれ示されている。上記した二つの数値は、連続コヒーレント電磁波が過渡的振動後に発生したことを示している。
1:ピックアップコイル、2:キャパシタンス、3:フィルターコイル、4:フェライトコア、5:活性媒体、6:容器、7:反転分布装置、8、21:ライン、9:インフレーションニードル、10、13:バルブ、11:圧力計、12:ニードルバルブ、14:トランスファーライン、15:差動増幅器、16:シールド、17:NMR操作ユニット、18:データ収集装置、19:円筒形コイル、20:コイル体。

Claims (13)

  1. 電磁共振回路を有するメーザであって、前記電磁共振回路が、ピックアップコイル(1)、キャパシタンス(2)及びフィルターコイル(3)を含み、そして前記ピックアップコイル(1)における有機分子又はメーザ可能な分子の活性媒体(5)並びに当該活性媒体(5)において反転分布を生じさせるための反転分布装置(7)を含み、
    前記反転分布装置は、前記有機分子又はメーザ可能な分子の核スピンが当該反転分布装置及びその装置によって得られる反転分布によって負のスピン温度なるように構成され、且つ前記反転分布装置が前記活性媒体中に反転分布の発生のためのパラ水素を含み、
    前記反転分布装置は、前記活性媒体中で負のスピン温度を発生させるために、パラ水素によって化学的ポンピングが行われることを特徴とするメーザ。
  2. 前記反転分布装置が、前記活性媒体中で反転分布を発生するための触媒を含むことを特徴とする請求項1項記載のメーザ。
  3. 前記活性媒体が液体であることを特徴とする請求項1又は2記載のメーザ。
  4. 前記活性媒体がメタノール−dを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のメーザ。
  5. 前記活性媒体がピリジン又はアセトニトリルを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のメーザ。
  6. 前記活性媒体が1.17mgの[IrCl(cod)(IMes)]を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のメーザ。
  7. 前記フィルターコイル及びキャパシタンスが少なくとも100の高い特性を有し又は前記共振回路の特性が少なくとも200であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のメーザ。
  8. 前記フィルターコイルが接地センタータッピングを含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のメーザ。
  9. 前記フィルターコイルの特性及び前記キャパシタの特性が前記ピックアップコイルの特性の少なくとも2倍を超えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のメーザ。
  10. 前記フィルターコイルが電気及び/又は磁気シールドによって遮蔽されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のメーザ。
  11. 前記ピックアップコイルから分離されている励磁コイルが設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載のメーザ。
  12. 一方で前記ピックアップコイル及び他方で前記キャパシタ及びフィルターコイルが、低損失電気トランスファーラインによって互いに接続されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載のメーザ。
  13. 前記トランスファーラインが、一緒に撚り合わされている2本のストランドによって形成されていることを特徴とする請求項12記載のメーザ。
JP2018533753A 2015-12-30 2016-12-21 電磁共振回路を備えたcwメーザ Active JP6876706B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102015226822.5 2015-12-30
DE102015226822 2015-12-30
DE102016204733.7 2016-03-22
DE102016204733.7A DE102016204733B4 (de) 2015-12-30 2016-03-22 CW-Maser mit elektromagnetischem Schwingkreis
PCT/EP2016/082050 WO2017114703A1 (de) 2015-12-30 2016-12-21 Cw-maser mit elektromagnetischem schwingkreis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019508877A JP2019508877A (ja) 2019-03-28
JP6876706B2 true JP6876706B2 (ja) 2021-05-26

Family

ID=59069049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018533753A Active JP6876706B2 (ja) 2015-12-30 2016-12-21 電磁共振回路を備えたcwメーザ

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10707637B2 (ja)
EP (1) EP3398234A1 (ja)
JP (1) JP6876706B2 (ja)
CN (1) CN108475894B (ja)
DE (1) DE102016204733B4 (ja)
WO (1) WO2017114703A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019110358A1 (de) * 2019-04-18 2020-10-22 Forschungszentrum Jülich GmbH RASER- und/oder NMR-Spektroskopie-Vorrichtung, Verwendung einer solchen Vorrichtung, System mit zwei solchen Vorrichtungen und Verfahren zum Betrieb einer solchen Vorrichtung sowie eines solchen Systems

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3195061A (en) 1965-07-13 Radio frequency amplification by stimulated emission of radiation
US3075156A (en) 1957-05-02 1963-01-22 Varian Associates Gyromagnetic method and apparatus
NL127102A (ja) * 1963-03-27
US3350632A (en) 1964-08-25 1967-10-31 Varian Associates Optically pumped atomic diffusion maser with separate pumping and observation regions
US3479608A (en) * 1964-10-15 1969-11-18 Nra Inc Method and means for storing and releasing energy by stimulated emission of electromagnetic radiation
JPS56102045A (en) * 1980-01-21 1981-08-15 Nec Corp Microwave electronic tube employing cyclotron resonance
US5424645A (en) * 1993-11-18 1995-06-13 Doty Scientific, Inc. Doubly broadband triple resonance or quad resonance NMR probe circuit
JP2005504956A (ja) * 2001-03-07 2005-02-17 ブラックライト パワー インコーポレーティド マイクロ波パワーセル、化学反応炉、及びパワー変換装置
AU2004248670A1 (en) * 2003-06-12 2004-12-23 Danmarks Tekniske Universitet Optical amplification in miniaturized polymer cavity resonators
CN101359761B (zh) * 2008-09-26 2011-12-28 清华大学 一种自旋电流驱动的新型微波振荡器
CN102870235B (zh) * 2009-11-10 2016-11-23 免疫之光有限责任公司 用于从包括用于上变频的射频、微波能量和磁感应源的各种能量源产生发射光的上下变频系统
CN201572347U (zh) * 2010-01-05 2010-09-08 中国农业大学 一种微波杀虫消毒装置
CN201667379U (zh) * 2010-03-10 2010-12-08 北京纳诺帕技术中心 一种单模圆柱微波腔
DE102014218873B4 (de) 2014-09-19 2019-02-21 Forschungszentrum Jülich GmbH Messvorrichtung für schwache elektromagnetische Signale einer Probe bei niedrigen Frequenzen nebst Verfahren

Also Published As

Publication number Publication date
CN108475894A (zh) 2018-08-31
DE102016204733B4 (de) 2019-05-09
CN108475894B (zh) 2020-02-14
DE102016204733A1 (de) 2017-07-06
US20190013635A1 (en) 2019-01-10
EP3398234A1 (de) 2018-11-07
WO2017114703A1 (de) 2017-07-06
JP2019508877A (ja) 2019-03-28
US10707637B2 (en) 2020-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4398149A (en) NMR Probe coil system
US5294886A (en) Antenna system for a magnetic resonance imaging tomography apparatus
EP2856582B1 (en) Device and method for generating stimulated emission of microwave or radio frequency radiation
EP2875369B1 (en) Crossed-loop resonators
JP2008507715A (ja) 複同調スクロールコイル
JP2009503541A (ja) 軸方向に拘束されたrfプローブコイル
US8947084B2 (en) Antenna device and magnetic resonance imaging device
US4680550A (en) High-frequency antenna device in apparatus for nuclear spin tomography and method for operating this device
JP2016176932A (ja) 小さい磁石エアギャップのためのeprマイクロ波キャビティ
JP4266216B2 (ja) Nmr・esrアンテナ及びそれを用いた分析装置
US20090021261A1 (en) Rf trap tuned by selectively inserting electrically conductive tuning elements
JP6876706B2 (ja) 電磁共振回路を備えたcwメーザ
US3735246A (en) Spin-coupling nuclear magnetic resonance magnetometer utilizing the same coil for excitation and signal pick-up and using toroidal samples
EP3435104B1 (en) Magnetic resonance signal detection module
EP0165741A2 (en) Double post reentrant cavity for NMR probes
US10551331B2 (en) Measuring apparatus for weak electromagnetic signals from a sample at low frequencies, in addition to a method
JP4226853B2 (ja) 高周波nmrプローブの平衡モード動作
US5309103A (en) Apparatus to excite and/or to detect magnetic resonance
Wind et al. 2 Novel DNP-NMR Probes
JPH0854453A (ja) 核磁気共鳴プローブ及びこれを利用した核磁気共鳴装置
JP2018109605A (ja) Hf共鳴装置アセンブリ
EP4116726A1 (en) Interchangeable sample cell for dnp-nmr measurements
Doyle et al. High pressure ENDOR cavity
Rayner et al. Travelling modes in wave-heated plasma sources
RU1773872C (ru) Устройство дл калибровки измерителей напр женности магнитного пол

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under section 34 (pct)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20180626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181113

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210426

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6876706

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150