以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る呼接続制御装置を含む通信システムのシステム構成図である。図1に示されるとおり、通信システム1は、通信ネットワークを構成するシステムであり、この通信ネットワークは、通信システム1および通信システム2を含んでいる。図1に示す通信システム1,2は、いずれも通信端末であるUE(User Equipment)90a(発側の通信端末:第1の通信端末)およびUE90b(着側の通信端末:第2の通信端末)との間の呼接続を制御するシステムであり、IMS(IP Multimedia Subsystem)のコアネットワークを構成する。以下の実施形態では、UE90aは発側のネットワークである第1のネットワーク(NW1)の通信システム1に接続し、UE90bは着側ネットワークである第2のネットワーク(NW2)の通信システム2に接続する。
通信システム1は、IBCF(Interconnection Border Control Function)/TrGW(Transition Gateway)10a、MGW(Media Gateway)10b、P−CSCF(Proxy-Call Session Control Function)10c、S−CSCF(Serving-Call Session Control Function)100、および、AS(Application server)200を含んで構成されている。
IBCF/TrGW10aは、自ネットワークが他のネットワークとIP相互接続を行う際に、他のネットワークとの間でのSIP(Session Initiation Protocol)信号を送受信する際のゲートウェイとしての機能を有する。また、SIP信号を用いるIP相互接続における他のネットワークとの相互接続点をIP−POI(IP Point Of Interconnection)という。
MGW10bは、自ネットワークが他のネットワークと既存のISUP(ISDN User Part)により接続を行う際に、他のネットワークとの間での関門装置としての機能を有する。また、ISUPによる接続における他のネットワークとの相互接続点をSTM−POI(STM(Synchronous Transfer Mode)−POI)という。
P−CSCF10cおよびS−CSCF100は、IMSにおいて通信端末の呼制御を行う機能を有し、SIP(Session Initiation Protocol)信号の送受信に係る制御を行う。また、S−CSCF100は、UE90aに係る呼接続制御を行う際に、AS200で保持される情報に基づいて、他のネットワークとの接続方式を変更する機能を有する。S−CSCF100およびAS200は、通信システム1における呼接続制御装置として機能する。この点は後述する。
AS200は、各種アプリケーションサービスを提供する機能を有する。また、AS200では、自ネットワーク内の通信端末それぞれについて、機能を特定する情報を保持している。本実施形態における通信端末の機能を特定する情報とは、通信端末がIP−POIを経由したSIP相互接続に対応可能であるかを示す情報である。この情報は、例えば、通信端末の機種毎に保持される。この点については後述する。
通信システム2は、IBCF/TrGW20aおよびMGW20bを含んで構成されている。また、通信システム2は、電話番号からネットワークで扱うアドレス情報を検索する仕組みであるENUM(Telephone Number Mapping)20dを含んで構成されている。
ここで、図1を参照しながら、VoLTEなどのSIP通信(SIP信号を利用した通信)を利用した音声通話について説明する。
UE90aからUE90bに対する呼接続(発信処理)を行う際には、通信システム1のS−CSCF100は、AS200および通信システム2のENUM20dに対して、通信接続に必要な情報に係る問い合わせ処理を行った後、IBCF/TrGW10aおよびIP−POIを用いて、通信システム2に対してINVITE信号を送信する。ENUM20dに対する問い合わせ処理は、公知の処理である。
通信システム2のIBCF/TrGW20aは、IBCF/TrGW10aからのINVITE信号を受信すると、この信号に基づき、UE90bに対してINVITE信号を送信する。これにより、通信システム1を含むNW1と通信システム2を含むNW2とは、IP−POI経由で通信接続することができる。したがって、発信側端末であるUE90aと着信側端末であるUE90bとは、IP−POI経由で通信接続することになり、VoLTEなどのSIP通信による通話を可能にすることができる。
ここで、発信側端末のUE90aが他のネットワークに在圏する端末とのSIP通信による通話に不具合のある(例えば、未対応である)機種の通信端末であるとする。この場合、UE90aは、IP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末であることになる。この場合でも、UE90aからのUE90bとの発信処理を行う際には、IBCF/TrGW10aおよびIP−POIを用いて、通信システム2に対してINVITE信号が送信される。このINVITE信号に対してUE90bが応答すると、通信システム1を含むNW1と通信システム2を含むNW2とは、IP−POI経由で通信接続される。しかしながら、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末である場合、このIP−POIを経由する通信接続に問題が生じて、正しく通話が行われない可能性がある。
そこで、本実施形態に係る通信システム1では、図2に示すように、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末であるか否かを、AS200において判定する。また、AS200による判定結果に基づいて、S−CSCF100が、UE90aに係る音声通話のために利用する相互接続点としてIP−POIではなくSTM−POIを選択する、すなわち、UE90aによる通話のための接続先をIBCF/TrGW10aからMGW10bに変更する。この結果、通信システム1(発側のNW1)と通信システム2(着側のNW2)とは、STM−POI経由で通信接続することができる。したがって、発信側端末であるUE90aと着信側端末であるUE90bとは、STM−POI経由で通信接続することになる。STM−POI経由での通信接続では、SIP通信による通話ではなくISUP通信(ISUP信号を利用した通信)による通話が行われる。ISUP通信による通話はすでに行われている接続形態であり、仮にIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末であっても、本接続形態による通話は問題なく行うことができる。
このように、本実施形態に係る通信システム1では、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話に対して不具合を有する機種であるか否かをAS200において判定し、その結果に基づいて、S−CSCF100により接続先の変更が行われる。
上記のAS200およびS−CSCF100に含まれる機能部について、図3を参照しながら説明する。図3に示すように、AS200は、通信部201、不具合有無判定部202(不具合有無判定手段)、不具合情報付与部203、および、不具合情報保持部204(不具合情報保持手段)を含んで構成される。また、S−CSCF100は、通信部101、接続先決定部102(変更手段)、および、接続処理部103(変更手段)を含んで構成される。
AS200の通信部201は、S−CSCF100との間で通信を行う機能を有する。S−CSCF100からは、UE90aの機種を特定する情報を含んで、UE90aに係る機能等の問い合わせに係る信号を受信する。そのため、AS200の通信部201では、当該問い合わせに係る信号に対する応答信号をS−CSCF100に対して送信する。
不具合有無判定部202は、不具合情報保持部204において保持される情報に基づいて、UE90aがSIP通信を利用した通話に対して不具合を有するか否かを判定する機能を有する。
不具合情報付与部203は、不具合有無判定部202は、不具合有無判定部202による判定結果に基づいて、UE90aがSIP通信を利用した通話に対して不具合を有する場合に、UE90aに対して送信する応答信号に対してUE90aがSIP通信に対して不具合を有することを示す情報(例えば、フラグ等)を付与する機能を有する。
不具合情報保持部204は、通信端末の機種毎に、IP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話に対する不具合を有するか否かを示す情報を保持する。不具合情報保持部204で保持される情報の例を図4に示す。図4に示すように、不具合情報保持部204では、通信端末の機種名と、機種名に対して、IP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話(ここでは、VoLTE相互接続)に対する不具合の有無を示す情報が対応付けられた情報が保持されている。したがって、UE90aの機種を特定する情報があると、当該情報に基づいて、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話に対して不具合を有するか否かを特定することができる。
不具合情報保持部204に保持される情報は、例えば、新しい通信端末が使用開始される場合のように、通信端末の機種やその機能に関して変更がある場合に、通信事業者等によって更新される。
なお、機種名に代えて、IMEI(International Mobile Equipment Identifier:通信端末毎の端末を識別する番号)、または、IMEISV(IMEI Software Version)を用いてもよい。IMEIは、1端末毎に割り振られる番号であるので、このような構成とした場合には、例えば同じ機種であっても特定の通信端末にのみ不具合がある場合に、当該通信端末に対応するIMEIに対応付けて不具合有を示す情報を保持することで、特定の通信端末のみについてSIP通信を利用した通話を回避することが可能となる。不具合情報保持部204において、IMEIのように通信端末毎に割り振られる情報に対応付けて、IP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話に対する不具合を有するか否かを示す情報が保持されている場合には、S−CSCF100からAS200に対して送信される信号(UE90aに係る機能等の問い合わせに係る信号)には、UE90aの機種を特定する情報が含まれていなくてもよい。S−CSCF100からAS200に対して送信される信号には、少なくともUE90aを特定する情報が含まれていればよい。
本実施形態では、不具合情報保持部204では、機種毎に不具合の有無を示す情報が保持されていて、不具合有無判定部202は、UE90aの機種を特定する情報に基づいて、不具合情報保持部204に保持される情報から、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有するか否かを判定する場合について説明する。
S−CSCF100の通信部101は、P−CSCF10c、AS200、ENUM20d、IBCF/TrGW10a、および、MGW10bとの間で、UE90aの音声通話に係る通信を行う機能を有する。S−CSCF100からAS200に対して、UE90aに係る問い合わせ信号に対する応答信号を受信した場合には、接続先決定部102および接続処理部103において、当該応答信号に係る処理が行われる。
接続先決定部102は、通信部101において受信された応答信号を参照して、UE90aの音声通話に係る接続先を決定する機能を有する。本実施形態の場合、接続先決定部102では、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する場合には、AS200において、応答信号に対して不具合を有することを示す情報が付与される。したがって、接続先決定部102では、不具合を有することを示す情報が付与されているか否かを確認して、接続先を決定する。具体的には、不具合を示す情報が付与されている場合には、接続先となる(着側のNW2との接続に利用する)関門装置をMGW10bとすることを決定する。一方、不具合を示す情報が付与されていない場合には、接続先となる(着側のNW2との接続に利用する)関門装置を既存動作(SIP通信が通常通り行われる場合の動作)通りにIBCF/TrGW10aとすることを決定する。
接続処理部103は、接続先決定部102での決定に基づいて、UE90aに係る音声通話に係る接続処理を行う機能を有する。音声通話に係る接続処理は、公知の方法であるので、詳細の説明は省略する。
次に、通信システム1におけるUE90aに係る呼接続制御方法(発信側の場合)について、図5〜図7を参照しながら説明する。図5は、一連の処理に係るシーケンス図であり、図6は、AS200での判定に関して説明するフロー図であり、図7は、S−CSCF100での判定に関して説明するフロー図である。
まず、UE90aが、UE90bとの音声通話を要求する信号(INVITE信号:SIP_INVITE)をP−CSCF10cに対して送信する(S01)。P−CSCF10cはこれをS−CSCF100に対して送信し、S−CSCF100は当該信号をAS200に対して送信する(S02)。これにより、AS200の通信部201において、UE90aからの音声通話を要求する信号が受信される。
AS200の不具合有無判定部202では、UE90aからの音声通話を要求する信号に基づいて、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対応可能な機種であるかを判定する(S03)。より具体的には、UE90aの機種に係る情報と、不具合情報保持部204に保持される情報とを比較して、UE90aが不具合を有する端末であるか否かを判定する。
この結果、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末である場合(不具合端末の場合)には、不具合情報付与部203において、UE90aからのINVITE信号に対して、UE90aが不具合を有することを示す情報を付与する(S04)。その後、AS200の通信部201からS−CSCF100に対して、不具合を有することを示す情報が付与されたINVITE信号が応答信号として送信される(S05)。
S−CSCF100の通信部101において、AS200からINVITE信号を受信すると、接続先決定部102において、INVITE信号に付与された情報に基づいて、接続先が決定される。UE90aが不具合を有する端末である場合、不具合を有することを示す情報がINVITE信号に付与されているので、接続先決定部102では当該情報を参照して、接続先としてMGW10bを選択する(S06)。その後、接続処理部103により、S−CSCF100からMGW10bに対してINVITE信号が送信され(S07)、MGW10bを経由した、すなわち、STM−POIを利用した通信接続に係る処理が行われる。
一方、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有しない端末である場合(不具合端末ではない場合)には、不具合情報付与部203ではUE90aが不具合を有することを示す情報を付与等が行われず、そのままAS200の通信部201からS−CSCF100に対してINVITE信号が応答信号として送信される(S08)。
S−CSCF100の通信部101において、AS200からINVITE信号を受信すると、接続先決定部102において、INVITE信号に付与された情報に基づいて、接続先が決定される。UE90aが不具合を有しない端末である場合、不具合を有することを示す情報はINVITE信号に付与されていないので、接続先決定部102では接続先として既存の動作で用いられるIBCF/TrGW10aを選択する(S09)。その後、接続処理部103により、S−CSCF100からIBCF/TrGW10aに対してINVITE信号が送信され(S10)、IBCF/TrGW10aを経由した、すなわち、IP−POIを利用した通信接続に係る処理が行われる。
上記の一連の処理におけるAS200での判定処理等について、図6を参照しながら説明する。
AS200では、通信部201において、S−CSCF100を経由してUE90aからのINVITE信号を受信する(S21)。このINVITE信号に含まれている発信側のUE90aの機種を特定する情報(または、発信側のUE90aを特定する情報)と、不具合情報保持部204において保持される不具合の有無に係る情報のうち、UE90aに対応する機種に係る情報(または、UE90aに係る情報)とに基づいて、不具合有無判定部202では、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話(VoLTE相互接続)について不具合を有する機種であるか否かを判定する(S22)。ここで、不具合を有する機種であると判定された場合(S22−YES)には、不具合情報付与部203においてINVITE信号に対して不具合情報を付与し、通信部201からS−CSCF100に対してINVITE信号を送信する(S23)。一方、不具合を有する機種ではないと判定された場合(S22−NO)には、不具合情報付与部203における不具合情報の付与等は行われず、既存動作に沿って、通信部201からS−CSCF100に対してINVITE信号を送信する(S24)。
また、上記の一連の処理におけるS−CSCF100での判定処理等について、図7を参照しながら説明する。
S−CSCF100では、通信部101において、AS200からUE90aに係るINVITE信号を受信する(S31)。次に、接続先決定部102では、INVITE信号に対して不具合を有することを示す情報(不具合情報)が付与されているか否かを判定する(S32)。ここで、不具合情報が付与されている場合(S32−YES)には、着側のNW2との通信接続に利用する関門装置としての接続先としてMGW10bを選択する(S33)。一方、不具合情報が付与されていない場合(S32−NO)には、着側のNW2との通信接続に利用する関門装置としての接続先として、既存動作に沿ってIBCF/TrGW10aを選択する(S34)。その後、接続処理部103は、接続先決定部102で選択された接続先に対してINVITE信号を送信し(S35)、UE90bとの呼接続に係る処理を行う。
以上のように、本実施形態に係る呼制御装置であるS−CSCF100およびAS200では、第1の通信端末としてのUE90aが、所定の通信方式(本実施形態ではIP−POIを経由したSIP相互接続による通話であるVoLTE通信)に対して不具合を有するかを示す不具合情報を保持する不具合情報保持手段としての不具合情報保持部204と、UE90aに係る呼接続を行う際に、不具合情報保持部204に保持される情報に基づいて、UE90aが所定の通信方式に対して不具合を有するかを判定する不具合有無判定手段としての不具合有無判定部202と、不具合有無判定部202においてUE90aが所定の通信方式に対して不具合を有すると判定された場合、UE90aに係る呼接続の通信方式を所定の通信方式から変更する変更手段としての接続先決定部102および接続処理部103と、を有する。
このような構成とすることで、UE90aが所定の通信方式(本実施形態ではIP−POIを経由したSIP相互接続による通話であるVoLTE通信)に対して不具合を有している場合には、この通信方式とは異なる他の通信方式(本実施形態ではISUP通信)を利用して、第2の通信端末となる相手方のUE90bとの間で呼接続を行うことができる。したがって、所定の通信方式に対してUE90aが対応できない場合であっても、呼接続を正常に行うことが可能となる。
近年、IP−POIを経由したSIP相互接続による通話(VoLTE)に係る技術開発が進められ、互いに異なるネットワーク間でもVoLTEによる相互接続が検討されている。しかしながら、ネットワーク間のVoLTEによる相互接続が達成された場合であっても、通信端末がこの技術に対応できていない場合には、VoLTEを利用した通話が適切に行われない可能性が考えられる。これは、VoLTEのようなSIP通信を利用した通話では、通信端末同士で直接SIPメッセージやメディアの送受信が行われるが、SIPメッセージおよびメディアの送受信方法には様々な方式があり、必ずしも全ての方式に通信端末が対応しているわけではない。仮に、通信端末が本来対応すべき特定の方式に対応していないという不具合を有しており、かつ相手からその方式を要求された場合には、SIPメッセージやメディアの送受信が適切に行われない可能性がある。同一ネットワークに通信接続する通信端末間でのSIP通信を利用した通話については、接続に問題がないか等が事前に十分な検証が行われる場合が多いが、異なるネットワークに通信接続する通信端末同士では、接続に問題がないか等の検証が十分に行われない可能性がある。また、相互接続が開始される前の機種等、特定の機種においてのみ不具合が発生する場合には、ネットワーク間のVoLTEによる相互接続を開始するまでには不具合があること自体が見つからず、運用を開始した後に問題が発覚する可能性も考えられる。
これに対して、本実施形態で説明した呼接続制御装置によれば、不具合に係る情報がある場合にはその情報に基づいて通信方式を変更することが可能となっているので、所定の通信方式に対して対応できない通信端末についても、呼接続を正常に行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、呼接続制御装置として機能するS−CSCF100およびAS200が存在するネットワークに通信接続するUE90aが発信側の端末である場合について説明している。より具体的には、不具合有無判定部202は、UE90aからの呼接続要求に基づいて、UE90aが所定の通信方式に対して不具合を有するかを判定し、変更手段としての接続先決定部102および接続処理部103は、不具合有無判定部202によりUE90aが所定の通信方式に対して不具合を有すると判定された場合、第1のネットワーク(NW1)と第2のネットワーク(NW2)との間の相互接続点を、所定の通信方式に対応する相互接続点(本実施形態では、IP−POI)から他の相互接続点(STM−POI)に変更している。
このような構成とすることで、UE90aから相互接続点までの第1ネットワーク内での呼接続の通信方式をUE90aが対応可能な通信方式に変更することができることから、所定の通信方式に対してUE90aが対応できない場合であっても、UE90aから発信する呼接続を正常に行うことが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態として、呼接続制御装置として機能するS−CSCF100およびAS200が存在するネットワークに通信接続するUE90aが着信側の端末である場合について説明する。
第1実施形態では、UE90aが発信側端末として、UE90bとの呼接続要求を送信するため、UE90aの在圏するネットワークであるNW1側のS−CSCF100が相互接続点を選択することができていた(図1,2参照)。しかしながら、UE90aが着信側である場合、相互接続点の選択は、発信側のUE90bが在圏するNW2のS−CSCFにより行われる。したがって、NW1側では相互接続点の選択を行うことができない。
NW1とNW2との間でSIP信号を用いるIP相互接続を行う場合、基本的には相互接続点としてIP−POIが選択される。そのため、UE90aの不具合により正常な呼接続ができない可能性がある。
上記の問題点について、図8を参照しながら説明する。図8は、図1に対応する図であるが、NW1とNW2とを入れ替えて配置している。また、発信側と着信側とを入れ替えて記述することに伴って、NW2側のS−CSCF20f、NW1側のENUM10dを追加している。さらに、図8では、NW1側では、MSC(Mobile Switching Center)/VLR(Visited Location Register)10eを追加して示している。MSC/VLR10eは、3G網に属する回線交換装置であるが、この装置の機能等は後述する。
UE90bからUE90aに対する呼接続(発信処理)を行う際には、通信システム2のS−CSCF20fは、通信システム1のENUM10dに対して、通信接続に必要な情報に係る問い合わせ処理を行った後、IBCF/TrGW20aおよびIP−POIを用いて、通信システム1に対してINVITE信号を送信する。ENUM10dに対する問い合わせ処理は、公知の処理である。
通信システム1のIBCF/TrGW10aは、IBCF/TrGW10bからのINVITE信号を受信すると、S−CSCF100へ送られる。S−CSCF100では、AS200に対して通信接続に必要な情報に係る問い合わせ処理を行った後、P−CSCF10cを経て、LTE網を介してUE90aに対してINVITE信号を送信する。これにより、通信システム1を含むNW1と通信システム2を含むNW2とは、IP−POI経由で通信接続することができる。したがって、発信側端末であるUE90aと着信側端末であるUE90bとは、IP−POI経由で通信接続することになり、VoLTEなどのSIP通信による通話を可能にすることができる。
しかしながら、発信側端末のUE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に不具合のある機種の通信端末であると、IP−POIを経由する通信接続に問題が生じて、正しく通話が行われない可能性がある。第1実施形態では、このような問題点を鑑みて、IP−POIを経由する通信接続ではなくSTM−POIを経由する通信接続を行う場合について説明した。しかしながら、通信システム1が着側のネットワークである場合、通信システム1側で相互接続点を選択することはできない。
そこで、本実施形態に係る通信システム1では、図9に示すように、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末であるか否かを、AS200において判定する。また、AS200による判定結果に基づいて、S−CSCF100が、UE90aに係る音声通話のために利用する無線通信網をLTE網から3G網に変更する。すなわち、UE90aに対してINVITE信号を送信する際の接続先をP−CSCF10cからMSC/VLR10eに変更する。この結果、通信システム1(発側のNW1)と通信システム2(着側のNW2)とは、IP−POI経由で通信接続することができるが、SIP信号を利用した通信に関してはMSC/VLR10eにおいて終端される。MSC/VLR10eとUE90aとの間は3G網を経由した回線交換による音声通信が行われるため、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話に対して不具合があっても、UE90aとUE90bとの間で呼接続を成立させ通話が可能となる。
このように、本実施形態に係る通信システム1では、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続を利用した通話に対して不具合を有する機種であるか否かをAS200において判定し、その結果に基づいて、S−CSCF100により接続先(音声通話のためにUE90aに対して接続される装置)の変更が行われる。
上記のAS200およびS−CSCF100に含まれる機能部は、第1実施形態と同様であり、図3に示す通りである。第1実施形態との相違点は、AS200およびS−CSCF100が受信およびするINVITE信号がUE90aからの信号ではなく、UE90bからのUE90a宛の信号である点である。
また、第1実施形態では、S−CSCF100の接続先決定部102において、AS200から送信されるINVITE信号に不具合を示す情報が付与されている場合には、接続先となる(着側のNW2との接続に利用する)関門装置をMGW10bまたはIBCF/TrGW10aから選択している。これに対して、第2実施形態では、接続先決定部102は、不具合を示す情報が付与されている場合には、接続先となる(UE90aとの接続に利用する)装置をMSC/VLR10eとすることを決定する。一方、不具合を示す情報が付与されていない場合には、接続先となる(UE90aとの接続に利用する)装置を既存動作(SIP通信が通常通り行われる場合の動作)通りにP−CSCF10cとすることを決定する。このように、UE90aが発信側の端末であるか着信側の端末であるかによって、接続先決定部102が選択する接続先の装置が異なる。何れの場合でも、接続先決定部102は、AS200の不具合有無判定部202により判定された結果に基づいて、接続先を決定することになる。そして、接続処理部103は、接続先決定部102での決定に基づいて、UE90aに係る音声通話に係る接続処理を行う。
次に、通信システム1におけるUE90aに係る呼接続制御方法(着信側の場合)について、図10〜図12を参照しながら説明する。図10は、一連の処理に係るシーケンス図であり、図11は、AS200での判定に関して説明するフロー図であり、図12は、S−CSCF100での判定に関して説明するフロー図である。
まず、UE90bから送信されたUE90aとの音声通話を要求する信号(INVITE信号:SIP_INVITE)を、通信システム2からIBCF/TrGW10aが受信する。このINVITE信号は、UE90bから送信され、通信システム2内で所定の処理が行われて、通信システム2のIBCF/TrGW20aから送信されるものである。
IBCF/TrGW10aは、このIBCF/TrGW10bからのINVITE信号をS−CSCF100に対して送信する(S41)。S−CSCF100は当該信号を受信すると、AS200に対して送信する(S42)。これにより、AS200の通信部201において、UE90aに対する音声通話を要求する信号が受信される。
AS200の不具合有無判定部202では、UE90aに対する音声通話を要求する信号に基づいて、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対応可能な機種であるかを判定する(S43)。より具体的には、UE90aの機種に係る情報と、不具合情報保持部204に保持される情報とを比較して、UE90aが不具合を有する端末であるか否かを判定する。
この結果、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有する端末である場合(不具合端末の場合)には、不具合情報付与部203において、UE90aからのINVITE信号に対して、UE90aが不具合を有することを示す情報として、3G網を利用した着信(3G着信)で対応することを指示する情報を付与する(S44)。その後、AS200の通信部201からS−CSCF100に対して、上記の不具合を有することを示す情報(3G網経由での着信を指示する情報)が付与されたINVITE信号が応答信号として送信される(S45)。
S−CSCF100の通信部101において、AS200からINVITE信号を受信すると、接続先決定部102において、INVITE信号に付与された情報に基づいて、接続先が決定される。UE90aが不具合を有する端末である場合、不具合を有することを示す情報がINVITE信号に付与されているので、接続先決定部102では当該情報を参照して、接続先として3G網を経由する際に利用するMSC/VLR10eを選択する。その後、接続処理部103により、S−CSCF100からMSC/VLR10eに対してINVITE信号が送信される(S47)。
MSC/VLR10eでは、S−CSCF100からのINVITE信号に基づいて、UE90aとの間で3G網を利用した着信(CSFB着信)に係る処理を行う(S47)。その結果、MSC/VLR10eからUE90aに対してSETUP信号が送信され(S48)、UE90aが応答可能な状態となる。CSFB着信を行う場合、UE90aにはVoLTE通信に係るINVITE信号が送信されないことになる。
一方、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話に対して不具合を有しない端末である場合(不具合端末ではない場合)には、不具合情報付与部203ではUE90aが不具合を有することを示す情報を付与等が行われない。ただし、本実施形態では、不具合を有することを示す情報を付与することに代えて、既存動作通り、すなわち、VoLTEを利用した着信を行うことを指定する情報を付与する(S49)。このように、AS200側で、不具合を有さないと判定された通信端末に対してもそれを示す情報を付与してもよい。その後、AS200の通信部201からS−CSCF100に対してINVITE信号が応答信号として送信される(S50)。
S−CSCF100の通信部101において、AS200からINVITE信号を受信すると、接続先決定部102において、INVITE信号に付与された情報に基づいて、接続先が決定される。UE90aが不具合を有しない端末である場合、不具合を有することを示す情報がINVITE信号に付与されていないので、接続先決定部102では接続先として既存の動作で用いられるP−CSCF10cを選択する。その後、接続処理部103により、S−CSCF100からP−CSCF10cに対してINVITE信号が送信される(S51)。INVITE信号を受信したP−CSCF10cは、UE90aに対してINVITE信号を送信する(S52)。この結果、UE90aが応答可能な状態となる。
上記の一連の処理におけるAS200での判定処理等について、図6を参照しながら説明する。
AS200では、通信部201において、S−CSCF100を経由してUE90bからのUE90a宛のINVITE信号を受信する(S61)。このINVITE信号に含まれている着信側のUE90aの機種を特定する情報(または、着信側のUE90aを特定する情報)と、不具合情報保持部204において保持される不具合の有無に係る情報のうち、UE90aに対応する機種に係る情報(または、UE90aに係る情報)とに基づいて、不具合有無判定部202では、UE90aがIP−POIを経由したSIP相互接続による通話(VoLTE相互接続)について不具合を有する機種であるか否かを判定する(S62)。ここで、不具合を有する機種であると判定された場合(S62−YES)には、不具合情報付与部203においてINVITE信号に対して不具合情報に対応するとして、3G網経由での着信を指示するパラメータを設定し、通信部201からS−CSCF100に対してINVITE信号を送信する(S63)。一方、不具合を有する機種ではないと判定された場合(S62−NO)には、不具合情報付与部203における不具合情報の付与等に代えて、既存動作に沿って、必要に応じて、LTE網経由での着信を指示するパラメータを設定し、通信部201からS−CSCF100に対してINVITE信号を送信する(S64)。
また、上記の一連の処理におけるS−CSCF100での判定処理等について、図12を参照しながら説明する。
S−CSCF100では、通信部101において、AS200からUE90a宛のINVITE信号を受信する(S71)。次に、接続先決定部102では、INVITE信号に対して不具合を有することを示す情報(不具合情報)が付与されているか否かを判定する。本実施形態の場合には、着信の際に使用する通信網(着信網)を示すパラメータを確認する(S72)。ここで、着信網として3G網が指示されている場合(S72−3G)には、3G網経由での着信を決定し(S73)、接続先としてMSC/VLR10eを選択する。一方、着信網としてLTE網が指示されている場合(S72−VoLTE)には、LTE網経由での着信を決定し(S74)、既存動作に沿ってP−CSCF10cを選択する。その後、接続処理部103は、接続先決定部102で選択された接続先との間で通信を行うことで、UE90aに対する着信に係る処理を行う。
以上のように、本実施形態に係る呼制御装置であるS−CSCF100およびAS200においても、第1実施形態と同様に、UE90aが所定の通信方式(本実施形態ではIP−POIを経由したSIP相互接続による通話であるVoLTE通信)に対して不具合を有している場合には、この通信方式とは異なる他の通信方式(本実施形態では3G網経由での着信)を利用して、第2の通信端末となる相手方のUE90bとの間で呼接続を行うことができる。したがって、所定の通信方式に対してUE90aが対応できない場合であっても、呼接続を正常に行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、呼接続制御装置として機能するS−CSCF100およびAS200が存在するネットワークに通信接続するUE90aが着信側の端末である場合について説明している。より具体的には、不具合有無判定部202は、UE90bからのUE90a宛の呼接続要求に基づいて、UE90aの通信端末が前記所定の通信方式に対して不具合を有するかを判定し、変更手段としての接続先決定部102および接続処理部103は、不具合有無判定部202によりUE90aが所定の通信方式に対して不具合を有すると判定された場合、自装置(S−CSCF100)とUE90a間の通信方式を、所定の通信方式に対応するLTE網を利用した着信から3G網を利用した着信へと変更する。
このような構成とすることで、UE90bからの発信のために、相互接続点から呼接続制御装置までの第1ネットワーク内での呼接続の通信方式は、UE90aが対応可能な通信方式に変更できない場合であっても、自装置とUE90aとの間の通信方式をUE90aが対応可能な通信方式に変更することができる。したがって、所定の通信方式に対してUE90aが対応できない場合であっても、UE90aが着信する呼接続を正常に行うことが可能となる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、呼接続制御装置に含まれる装置がS−CSCF100およびAS200である場合について説明したが、呼接続制御装置に係る機能が1台の装置にまとめられていてもよい。また、呼接続制御装置に係る機能が3台以上の装置に分散された構成であってもよい。また、呼接続制御装置に含まれる機能をS−CSCF100およびAS200とは異なる装置が有していてもよい。
また、上記実施形態では、呼接続制御装置に含まれる機能をS−CSCF100およびAS200に分散させているため、AS200においてINVITE信号に対して不具合を示す情報を付与し、S−CSCF100においてこの不具合を示す情報が付与されているかに基づいて接続先を決定する構成としている。しかしながら、呼接続制御装置に含まれる機能の配置によっては、これらの処理は省略してもよいし、適宜追加してもよい。
また、上記実施形態では、AS200においてINVITE信号に対して不具合を示す情報(フラグ等)を付与することで、不具合有無判定手段としての機能を有するAS200から、変更手段としての機能を有するS−CSCF100に対して、呼接続の通信方式の変更を指示しているが、上記の方法とは異なる既存の方法で呼接続の通信方式の変更を指示する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、通信システム1,2における所定の通信方式がVoLTE通信である場合について説明したが、所定の通信方式はVoLTEに限定されない。
上記実施の形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、本発明の一実施の形態におけるS−CSCF100、AS200などは、本実施形態の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図13は、本実施形態に係るS−CSCF100、AS200のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のS−CSCF100、AS200は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。S−CSCF100、AS200のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
S−CSCF100、AS200における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、AS200の不具合有無判定部202、S−CSCF100の接続先決定部102などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、AS200の不具合有無判定部202、S−CSCF100の接続先決定部102は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(ElectricallyErasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、S−CSCF100の通信部101、AS200の通信部201などは、通信装置1004で実現されてもよい。
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
また、S−CSCF100、AS200は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
情報等は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素(例えば、TPCなど)は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。