以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明の照明装置の代表例としての面光源装置の形態にて本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る照明装置(面光源装置)を模式的に示す平面図であり、図1Bは、図1A中のB部を拡大して示す図であり、図1Cは、図1A中のC−C線に沿う上記照明装置の断面の要部を拡大して示す図である。
面光源装置100は、基板110と、基板110に配置された複数の発光素子と、基板110上の当該発光素子を覆う位置に配置された複数の光束制御部材130と、個々の光束制御部材上に配置されている複数の光散乱部材140と、基板110上であって光束制御部材130から離れた位置に配置されているカバー150とを有する。
基板110は、上記発光素子および光束制御部材130を支持するための部材である。基板110は、面光源装置に通常利用される基板であってよく、上記発光素子のための配線や、入射する光をカバー150に向けて反射、拡散するための光拡散層などを含む。基板110は、X方向およびZ方向に所定の間隔で上記発光素子および光束制御部材130を支持している。基板110は、例えば、アルミニウムや銅などの熱伝導性の高い金属で構成される。基板110に高い熱伝導性を要しない場合は、基板110は、ガラス不織布にエポキシ樹脂を含浸させた樹脂製基板のような熱伝導性の比較的低い材料で構成することができる。
なお、X方向は、基板110の平面方向における一方向であり、Y方向は、当該平面方向に直交する方向であり、Z方向は、上記平面方向のうちのX方向に直交する方向である。
基板110には、第1発光素子120aと、第2発光素子120bとを一対とする、複数対の発光素子が配置されている。たとえば、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bは、いずれも、発光ダイオード(LED)である。第1発光素子120aと第2発光素子120bとは、X方向に並んで配置されている。第1発光素子120aおよび第2発光素子120bは、いずれも、Y方向に沿う光軸をそれぞれ有する。
第1発光素子120aおよび第2発光素子120bは、互いに異なる色の光を出射する。ここで、出射光の色が異なるとは、出射光のそれぞれの分光分布が異なることを言う。したがって、出射光が同種の色であっても出射光の色味が異なる場合がある。たとえば、第1発光素子120aの発光色はマゼンタであり、第2発光素子120bの発光色はグリーンである。
光束制御部材130および光散乱部材140については後に説明する。
カバー150は、光束制御部材130から出射された光を出射する部材であり、通常、透光性と光拡散性とを有し、拡散部材とも言われる。カバー150は、例えば樹脂製の平板であり、基板110に対向し、かついずれの光束制御部材130に対してY方向において離れて配置されている。
カバー150の材料の例には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、スチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂(MS)などの光透過性樹脂、および、光透過性のガラス、が含まれる。カバー150の光拡散性は、常法によってカバー150に付与することができ、例えば、カバー150の表面の粗面化処理によって付与することができ、あるいは、カバー150中にビーズなどの散乱子を分散させることによって付与することが可能である。
次いで、光束制御部材130を説明する。図2Aは、第1の実施の形態における光束制御部材の表面側からの斜視図であり、図2Bは、当該光束制御部材の裏面側からの斜視図である。また、図3Aは、上記光束制御部材の正面図であり、図3Bは、当該光束制御部材の平面図であり、図3Cは、当該光束制御部材の底面図であり、図3Dは、当該光束制御部材の側面図である。さらに、図4Aは、上記光束制御部材の図3BにおけるA−A線に沿う断面を示す図であり、図4Bは、上記光束制御部材の図3BにおけるB−B線に沿う断面を示す図である。
光束制御部材130は、透光性を有する材料で構成される。当該材料には、前述したカバー150を構成する樹脂材料を利用することができる。光束制御部材130は、例えば、そのような樹脂の一体成形品である。光束制御部材130は、さらに光拡散性を有していてもよく、当該光拡散性も、カバー150のそれと同様の方法により光束制御部材130に付与することが可能である。
光束制御部材130は、その平面形状がZ方向に長い略矩形であり、その表面側の形状は、X方向およびY方向において中央部で括れており、X方向およびZ方向において、それら中心軸に対して各々線対称の形状となっている。また、裏面側の形状は、Z方向における中央部およびZ方向に沿う両側部の略H字型に肉厚の部分を有し、その他の部分が薄肉の部分(凹部)となっている。上記中央部のZ方向におけるさらに中心部では、X方向に延出する凹部が形成されている。この凹部は、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bを覆う位置および大きさで形成されている。
光束制御部材130は、入射部131、全反射部、出射部138および導光部136を有する。
入射部131は、前述した裏面側の形状における肉厚の部分に形成された凹部の表面である。このように、入射部131は、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bをこれらから離れてY方向から覆い、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの出射光を受ける部分となっている。入射部131のX方向およびZ方向における中央部には、平面部133が形成されており、平面部133のX方向における隣には、V字溝132が形成されている。平面部133は、X方向において、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bのそれぞれの光軸を含む範囲(例えば、両光軸間)に形成され、後述する出射部138から出射される光を生成するように形成されている。このように入射部131における上記中央部は、本実施の形態においては平面で形成されているが、それに限られない。
上記全反射部は、光束制御部材130の前述した中央部の括れからZ方向に沿って拡大しながら延出する曲面の部分であり、上記括れのZ方向における一方側に配置されている第1全反射部135aと、他方側に配置されている第2全反射部135bとを含む。第1全反射部135aおよび第2全反射部135bの外表面は、共に、上記括れからZ方向に沿って離れるに連れて、Y方向およびX方向における第1発光素子120aおよび第2発光素子120bからの距離が漸次大きくなる形状の凸曲面である。このように、上記全反射部は、入射部131から入射した光の一部を、Z方向に向けて全反射させるように構成されている。
出射部138は、光束制御部材130における上記括れの部分に形成されている。出射部138は、具体的には、Y方向において、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの出射方向(外方)に対して窪む形状を有する曲面で構成されている。より詳しくは、出射部138は、Z方向において第1全反射部135aと第2全反射部135bとを連続して繋ぐ凹曲面の部分である。出射部138の高さ(上記発光素子からのY方向における距離)は、X方向において一定である。
出射部138は、X方向において、第1発光素子120aの光軸および第2発光素子120bの光軸と交わるように配置されている。たとえば、出射部138は、光束制御部材130のZ方向における中心部に配置されており、X方向において平面部133と同じ範囲(すなわち両光軸間)に配置されている。このように、出射部138は、上記全反射部に、Z方向における上記全反射部の上記光軸寄り(中央側)の端で隣接する位置に配置され、入射部131から入射した光の他の一部を外方へ出射するように構成されている。すなわち、出射部138は、出射部138へ到達する光を外方へ出射するような形状であればよく、本実施の形態における形状に限定されない。
導光部136は、上記全反射部からZ方向に沿ってさらに外側(第1発光素子120aの光軸および第2発光素子の光軸からZ方向に沿って離れる方向)へ延出する部分である。導光部136は、XY平面で切断したときの形状が略かまぼこ型となる外表面と内表面とを有する。上記外表面は、Z方向に沿って上記全反射部から離れるほどにわずかに収縮する先細りの形状となっている。上記内表面は、Z方向において一定の略かまぼこ型となっている。このように、導光部136は、上記全反射部のZ方向における上記光軸とは反対側の端からZ方向に延出し、入射した光をZ方向に導くとともに導光部136から外方へ出射するように構成されている。
なお、光束制御部材130のZ方向における中央の上記括れの部分は、前述の出射部138を除き、第1全反射部135aの凸曲面とこれに対向する第2全反射部135bの凸曲面との間に形成される谷部で構成されている。
次に、光散乱部材140について説明する。図5Aは、本実施の形態における光散乱部材の正面図であり、図5Bは、上記光散乱部材の底面図であり、図5Cは、上記光散乱部材の側面図であり、図5Dは、上記光散乱部材の図5B中のD−D線に沿う断面図である。
光散乱部材140は、光束制御部材130を覆う本体141と、本体141のZ方向における中央部に配置されている拡散透過部142と、本体141のZ方向における両端部に配置されている係止爪143と、光散乱部材140のZ方向における中央部に配置されている突起144とを有している。
本体141は、光束制御部材130のZ方向における大部分を覆う半筒状の部材である。本体141は、透光性を有していればよく、透明であってもよいし、光拡散性をさらに有していてもよい。本体141は、カバー150および光束制御部材130で前述した各種の材料と同じ材料で構成することができる。
拡散透過部142は、本体141のZ方向における中央部の内周壁面に形成された、X方向に沿って延出している複数の並列する凹条145で構成されている。それぞれの凹条145のYZ平面における断面形状は、例えば半円状である。凹条145の形状は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
係止爪143は、光束制御部材130に対する光散乱部材140の位置を決めるための部材であり、例えば、光束制御部材130の表面のZ方向における両端部に形成された係止穴に嵌合する部材である。また、突起144は、基板110に対する光散乱部材140の位置を決めるための部材であり、例えば、基板110に形成される位置決め孔に嵌合する部材である。
光束制御部材130は、基板110においてX方向に並んで配置されている第1発光素子120aおよび第2発光素子120bを入射部131で覆う位置に配置される。このとき、光束制御部材130は、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bのそれぞれの光軸が、入射部131および出射部138における所定の位置、例えば入射部131における平面部133および出射部138と交差するように配置される。
光散乱部材140は、基板110上に配置された光束制御部材130に対してY方向から被さって配置される。光散乱部材140は、基板110および光束制御部材130の一方または両方に対して決められた位置に配置され、拡散透過部142は、光束制御部材130の出射部138をY方向において覆う位置に配置される。
こうして、上記発光素子および光束制御部材130を有する発光装置が構成される。さらに基板110上にカバー150が配置されると照明装置(面光源装置100)が構成される。
第1発光素子120aおよび第2発光素子120bのそれぞれの出射光は、入射部131から光束制御部材130に入射する。入射部131に入射した光のうち、平面部133以外の部分に入射した光は、基本的には第1全反射部135aまたは第2全反射部135bで全反射し、そして導光部136の表面から、当該表面において一部反射しながら出射する。こうして、平面部133以外の部分に入射した光は、Z方向に導かれながらX方向およびY方向において交差し、主に導光部136から外方へ出射する。
導光部136から出射された光は、導光部136が光散乱部材140で覆われている部分では光散乱部材140の本体141を透過し、主に、カバー150において、光束制御部材130のZ方向における中心部に対応する部分よりも外側の領域を一様に照らす。すなわち、カバー150における光束制御部材130に対応する領域とその周辺が導光部136から出射された光による照射領域となるが、光束制御部材130のZ方向における中心部に対応する部分の明るさは導光部136からの出射光以外で補われる。第1発光素子120aのマゼンタ光と第2発光素子120bのグリーン光は、カバー150における光束制御部材130のZ方向における両端部に対応する部分に向かって混色され、導光部136からの出射光は白色光として観察される。
入射部131に入射した光のうち、平面部133に入射した光の一部は、出射部138から出射する。出射部138からの出射光は、光散乱部材140の拡散透過部142を透過および拡散して、カバー150における光束制御部材130のZ方向における中央部に対応する部分に到達する。平面部133を介して出射部138から出射される光について、さらに説明する。
図6Aは、上記光束制御部材と発光素子との平面視したときの位置関係をその説明のために模式的に示す図であり、図6Bは、発光素子からのXY平面における出射光の出射角を説明するための図である。図6Aに示されるように、上記発光素子の平面形状は正方形であり、その中心は、光束制御部材130の、Z方向における中心を通るX方向に沿う中心軸上にあるものとする。また、上記発光素子の光軸は、上記発光素子から出射される光の光学的な中心を表しており、上記発光素子の平面形状における中心を通る、Y方向に沿う直線で表される。図6B中、OA1は、第1発光素子120aの光軸を表し、OA2は、第2発光素子120bの光軸を表している。また、XY平面におけるX方向のうち、第1発光素子120a側をX1方向、第2発光素子120b側をX2方向とする。
出射部138から出射される光については、X方向において、一方の発光素子の中心からの光が、他方の発光素子の内縁(一方の発光素子側の縁)からの光を超えてより遠方まで到達する。すなわち、第1発光素子120aとその光軸OA1との交点をA1、第2発光素子120bのX1方向側の端をA2、出射部138における第1発光素子120aの出射光が通る部分のうちの、X2方向側の端をB1、出射部138における第2発光素子120bの出射光が通る部分のうちの、X2方向側の端をB2、A1とB1とを通る直線L1のカバー150との交点をC1(図示せず)、そして、A2とB2とを通る直線L2のカバー150との交点をC2としたときに、C1はC2よりもX2方向側(光軸OA2から離れる方向)に位置する。なお、B1とB2は重複する。
このように、X2側から見たときに、より遠い第1発光素子120aの中心からの光は、より近い第2発光素子120bの内縁(X1方向側の縁)からの光よりもより遠方に到達している。図示しないが、同様に、X1側では、第2発光素子120bの中心からの光は、第1発光素子120aの内縁(X2方向側の縁)からの光よりもより遠方に到達する。よって、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bのそれぞれからの、出射部138から出射される出射光は、カバー150の内表面において、互いに、そして確実に重なり合う。
さらに、出射部138から出射される光については、X方向において、一方の発光素子の光の光度と他方の発光素子の光の光度との比が、カバー150の内表面の特定の位置間で一定の範囲に入っていることが、両発光素子からの光の混色の均一さを高める観点から好ましい。
すなわち、第1発光素子120aの光軸OA1とカバー150との交点をC3、第2発光素子120bとその光軸OA2との交点をA3、出射部138のX1方向側の端をB3、A1およびB3を通る直線(P3)とカバー150との交点をC4とする。また、A1とC3とを結ぶ直線をP1、A3とC3とを結ぶ直線をP2、A1とC4とを結ぶ直線をP3、A3とC4とを結ぶ直線をP4とする。さらに、A1からC3に向かう(直線P1に沿う)第1発光素子120aからの光の光度をI1、A3からC3に向かう(直線P2に沿う)第2発光素子120bからの光の光度をI2、これらの比I1/I2をIAとし、A1からC4に向かう第1発光素子120aからの光の光度をI3、A3からC4に向かう第2発光素子120bからの光の光度をI4とし、これらの比I3/I4をIB、としたときに、IAは、IBの0.9〜1.1倍であることが、上記の観点から好ましい。
このように、X1側から見た場合では、より近い第1発光素子120aの出射光の光度の、より遠い第2発光素子120bの出射光の光度に対する比が、より近い第1発光素子120aの中心からの光が到達するX方向における範囲のうちの特定の範囲において実質的に等しい。図示しないが、同様に、X2側から見た場合では、より近い第2発光素子120bの出射光の光度の、より遠い第1発光素子120aの出射光の光度に対する比が、より近い第2発光素子120bの中心からの光が到達するX方向における範囲のうちの特定の範囲において実質的に等しい。
上記のIAおよびIBの関係が満たされると、カバー150における第1発光素子120aの出射光と第2発光素子の120bの出射光との重なる部分における色度差が十分に小さくなり、色ムラが実質的に観察されなくなる。このように、上記の関係が満たされることは、カバー150における光の混色の均一さを高める観点から好ましい。
上記の説明から明らかなように、出射部138からの出射光は、カバー150における光束制御部材130のZ方向における中央部に対応する部分に到達し、光束制御部材130の他の部分からの出射光と同様に白色光として観察される。よって、カバー150は、X方向およびZ方向のいずれにおいても暗部を形成することなく、均一に白色光を外方へ出射する。
上記X方向におけるC1とC2との位置関係、および、上記IAとIBとの関係は、いずれも、発光素子間のX方向における間隔、出射部138のX方向における長さ、平面部133のX方向における長さ、または光学距離、によって調整することが可能である。当該光学距離は、光源から被照射面までの距離であり、例えば、面光源装置100ではY方向における発光素子の設置面からカバー150の内表面までの距離である。たとえば、光学距離は、10〜30mmの範囲から適宜に決めることができる。上記の間隔、長さおよび光学距離は、コンピュータによる(例えば、汎用のPCと光学設計用の公知のプログラムとを用いる)シミュレーションおよび試作品による実測の一方または両方によって適宜に予想し、また確認することが可能である。
図7Aは、面光源装置100と同様の構成を有する面光源装置(ここでは「面光源装置E1」とも言う)における発光素子および光束制御部材を模式的に示す図であり、図7Bは、面光源装置E1の、当該光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置とカバーを照らす光の色度との関係を示す図であり、図7Cは、面光源装置E1の、上記光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。当該照度は、最大照度を1としたときの割合で表されている。
図7Aにおいて、各発光素子のX方向における長さは2.5mmであり、発光素子間のピッチ(X方向における両発光素子の中心間距離)は7mmであり、光学距離ODは20mmである。平面部および出射部のX方向における長さは、ともに7mmであり、その両端で光軸OA1、OA2に接している。図7B中、dxは光束制御部材E1のX方向における中心からの距離(mm)を表し、当該中心よりも第1発光素子(X1方向)側は正、第2発光素子(X2方向)側は負で表される。図7C中、Erは、各発光素子の出射光のカバー(被照射面)における最大照度に対する照度の比を表す。破線は、第1発光素子の出射光(マゼンタ光)の照度比を表し、実線は、第2発光素子の出射光(グリーン光)の照度比を表す
なお、第1発光素子および第2発光素子の出射光の出射角とその光度との関係を図8に示す。出射角の角度は、第1発光素子側を正、第2発光素子側を負で、それぞれ表示されている。面光源装置E1の光束制御部材では、光軸OA1、OA2間の距離、出射部の長さおよび平面部の長さがいずれも同じである。このため、前述のC2は、C1はC2よりも明らかにX2方向側にある。また、前述のC3とC4とが重なる。よって、上記のIAおよびIBも等しく、これらの比は1となる。よって、図7Bに示されるように、X方向における色度u’の差が十分に小さい。このとき、カバーにおけるそれぞれの発光素子の光の照度は、X方向における中心よりもわずかに遠方にピークを有する分布を呈している。このような照度分布の場合に、出射部からカバーに到達した光が十分に混色されて見えることがわかる。
図9Aは、面光源装置E2の、上記光束制御部材における発光素子の出射光の出射角を模式的に示す図であり、図9Bは、面光源装置E2の、当該光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置とカバーを照らす光の色度との関係を示す図であり、図9Cは、面光源装置E2の、上記光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。
面光源装置E2は、平面部および出射部のX方向における長さがより長い以外は、面光源装置E1と同じに構成されている。より具体的には、出射部および平面部の長さは、いずれも、出射部の端が光軸に対して所定の角度φ1(=10°)をなす直線と接するときの出射部の長さと同じである。
面光源装置E2の光束制御部材では、光軸OA1、OA2間の距離よりも、出射部の長さおよび平面部の長さがいずれも長いが、前述のC1がC2よりもX2方向側にあることは明らかである。また、前述のC4は、C3よりも外側に位置するが、その差は10°である。図8によれば、各発光素子における10°の光度は、光度のピーク値に対してほとんど差を有していないことから、上記のIAおよびIBの比は、ほぼ1となる。よって、図9Bに示されるように、X方向における色度u’の差が十分に小さい。このとき、カバーにおけるそれぞれの発光素子の光の照度は、X方向におけるほぼ中心にピークを有するが、その裾野はわずかに遠方にシフトしている分布を呈している。このような照度分布の場合にも、出射部からカバーに到達した光が十分に混色されて見えることがわかる。
面光源装置E1、E2では、カバーは、発光素子からの二色の光が適切に混色した白色光で照らされる。よって、当該カバーからは当該白色光が出射され、面光源装置E1、E2は、いずれも、白色光を面状に発光する照明装置として機能する。
図10Aは、面光源装置C1の、光束制御部材における発光素子の出射光の出射角を模式的に示す図であり、図10Bは、面光源装置C1の、上記光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置とカバーを照らす光の色度との関係を示す図であり、図10Cは、面光源装置C1の、上記光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。面光源装置C1は、上記光束制御部材が平面部および出射部を有さない以外は、面光源装置E1と同じに構成されている。
図10Aに示されるように、面光源装置C1では、第1、第2発光素子のそれぞれから全方位に出射された光は、全反射部において主にZ方向へ導かれるが、残りの光は、X方向への配光が制御されないまま、全反射部の間のわずかな谷間から出射される。
第1発光素子および第2発光素子の出射光は、いずれも、X方向において規制されないことから、第1発光素子の出射光は、第2の発光素子の出射光よりもX1方向のより遠方まで到達し、第2発光素子の出射光は、第1の発光素子の出射光よりもX2方向のより遠方まで到達する。すなわち、面光源装置C1では、カバーの内表面における前述の点C2は、C1よりも遠方にあり、C3は存在するもののC4は存在しない。
面光源装置C1では、図10B、図10Cに示されるように、光束制御部材の中心よりも第1発光素子側では第1発光素子の出射光がより強く影響し、光束制御部材の中心よりも第2発光素子側では第2発光素子の出射光がより強く影響している。その結果、カバーは、発光素子からの二色の光のそれぞれによって照らされ、カバーには、光束制御部材のZ方向における中央部に対応する部分において、上記の二色の光による色ムラが発生する。
図11Aは、面光源装置E3における発光素子および光束制御部材の出射光の出射角を模式的に示す図であり、図11Bは、面光源装置E3における上記光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置とカバーを照らす光の色度との関係を示す図であり、図11Cは、面光源装置E3における上記光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。
面光源装置E3は、平面部および出射部のX方向における長さがより長い以外は、面光源装置E1と同じに構成されている。より具体的には、出射部および平面部の長さは、いずれも、出射部の端が光軸に対して所定の角度φ2(=20°)をなす直線と接するときの出射部の長さと同じである。
面光源装置E3の光束制御部材では、光軸OA1、OA2間の距離よりも、出射部の長さおよび平面部の長さがいずれも長いが、前述のC1がC2よりもX2方向側にあることは明らかである。前述のC4は、C3よりも外側に位置し、その差は20°である。図8によれば、各発光素子における20°の光度は、光度のピーク値に対して差を有している。
面光源装置E3では、図11Bに示されるように、色度u’は、X方向において多少の増減を有するが、X方向における色度u’の差は、十分に小さい。しかしながら、X方向における中心に対して、第1発光素子の光の照度はX1方向側に、第2発光素子の光の照度はX2方向側に、それぞれシフトしている分布を呈している。よって、面光源装置E3では、カバーにおける出射部に対応する部分で若干の色ムラがあるように見えることがわかる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態の照明装置は、X方向に並んで配置されており、それらの発光色が互いに異なり、かつX方向に直交するY方向に沿う光軸OA1、OA2をそれぞれ有する第1発光素子120aおよび第2発光素子120bと、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bをY方向から覆う光束制御部材130と、Y方向における光束制御部材130から離れた位置に配置されているカバー150とを有する。光束制御部材130は、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bをこれらから離れてY方向から覆い、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの出射光を受ける入射部131と、入射部131から入射した光の一部を、X方向およびY方向に直交するZ方向に向けて全反射させるための全反射部と、Z方向における上記全反射部の、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの光軸OA1、OA2側の端に隣接する位置に配置され、入射部131から入射した光の他の一部を外方へ出射するための出射部138と、上記全反射部のZ方向における上記光軸OA1、OA2とは反対側の端からZ方向に延出し、入射した光をZ方向に導くとともにX方向およびY方向、すなわち光束制御部材130の外方に出射するための導光部136とを有する。そして、X方向およびY方向を含むXY平面(光軸OA1およびOA2を含む断面)において、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの一方の発光素子とその光軸との交点をA1、第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの他方の発光素子の、X方向における上記一方の素子側の端をA2、出射部138における上記一方の発光素子の出射光が通る部分のうちの、X方向における上記他方の発光素子側の端をB1、出射部138における上記他方の発光素子の出射光が通る部分のうちの、X方向における上記一方の発光素子とは反対側の端をB2、A1とB1とを通る直線のカバー150との交点をC1、および、A2とB2とを通る直線のカバー150との交点をC2、としたときに、C1は、C2よりもX方向における外側に位置する。本実施の形態では、上記B2はB1と重複している。上記の構成を有することにより、上記照明装置は、複数色の発光素子の混色による発光において、発光素子の個別の調整を要さずに均一な発光を実現することができる。
上記照明装置において、出射部138は、一つの光束制御部材130当たり一つとすることが可能であり、また、入射部131も、一つの光束制御部材130当たり一つとすることが可能である。
また、出射部138が、その光の出射方向に対して凹んでいる凹曲面で構成されていることは、全反射部同士を連続した接続部として出射部138を構成し、不連続な接続部によって生じるカバー150における輝線や暗線などの不良発光を防止する観点からより一層効果的である。
また、上記照明装置が、出射部138をY方向から覆う光散乱部材140をさらに有することは、カバー150における光の強度および色の均一性を高める観点からより一層効果的である。
また、XY平面において、上記一方の発光素子の光軸とカバー150との交点をC3、上記他方の発光素子とその光軸との交点をA3、出射部138における上記一方の発光素子の出射光が通る部分のうちの、X方向におけるX1方向側の端をB3、A1およびB3を通る直線とカバー150との交点をC4、A1からC3に向かう上記一方の発光素子からの光の光度I1の、A3からC3に向かう上記他方の発光素子からの光の光度I2に対する比I1/I2をIA、および、A1からC4に向かう上記一方の発光素子からの光の光度I3の、A3からC4に向かう上記他方の発光素子からの光の光度I4に対する比I3/I4をIB、としたときに、IAがIBの0.9〜1.1倍であることは、カバー150における出射部138から出射した光が到達する部分での色ムラを抑制する観点からより一層効果的である。
また、光束制御部材130では、出射部138および入射部131がいずれも一つであり、X方向において、出射部138の両端の位置が第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの光軸OA1、OA2の位置かそれ以上離れた位置であると、上記光学距離の長短に関わらず、上記C1をC2よりもX方向における外側に位置させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態における照明装置は、光束制御部材130の代わりに光束制御部材230を有する以外は、前述した第1の実施の形態と実質的に同じである。以下、光束制御部材230について説明する。
図12Aは、第2の実施の形態における光束制御部材の表面側からの斜視図であり、図12Bは、当該光束制御部材の裏面側からの斜視図である。また、図13Aは、上記光束制御部材の正面図であり、図13Bは、当該光束制御部材の平面図であり、図13Cは、当該光束制御部材の底面図であり、図13Dは、当該光束制御部材の側面図である。さらに、図14Aは、上記光束制御部材の図13BにおけるA−A線に沿う断面を示す図であり、図14Bは、上記光束制御部材の図13BにおけるB−B線に沿う断面を示す図である。
光束制御部材230は、第1入射部231a、第2入射部231b、第1全反射部235a、第2全反射部235b、第1出射部238a、第2出射部238b、および導光部236を有する。
第1入射部231aおよび第2入射部231bは、ともに、光束制御部材230の底面のZ方向における中央部に形成された凹部である。第1入射部231aは、当該中央部のX方向におけるX1方向側に配置されており、第2入射部231bは、X2方向側に配置されている。第1入射部231aの開口部の平面形状は、六角形である。第1入射部231aの当該六角形におけるX方向に対向する角の対角線上には、V字溝232が形成されている。第2入射部231bも、第1入射部231aと同様に構成されている。
第1全反射部235aは、光束制御部材230のZ方向の中心よりも一方側に配置されており、第2全反射部235bは、他方側に配置されている。いずれも全反射部も、Z方向の一方または他方に向けて発光素子から離れるほどにY方向における発光素子までの距離が漸次大きくなる形状であって、X方向の中心を通るYZ平面に対して面対称な形状を有しており、当該中心には、二つの凸曲面の境界に形成される谷部を有している。より具体的には、いずれの全反射部も、並列する二つの半球面の中心をその半径未満の距離で近づけて合体させたような形状を有している。両全反射部は、Z方向に連結しており、その境界には谷部が形成されている。
第1出射部238aおよび第2出射部238bは、いずれも、第1全反射部235aおよび第2全反射部235bの(X方向に沿う)境界の谷部から突出するように独立して配置されている。より具体的には、いずれの出射部も、当該境界に沿う頂縁、および、当該頂縁からZ方向の両側に傾斜する斜面、によって形成される、YZ平面による断面形状が山形の部分である。ただし、XY平面において、第1出射部238aは、そのX方向における中心が第1発光素子120aの光軸OA1よりもX2方向側に位置するように配置されており、第2出射部238bは、そのX方向における中心が第2発光素子120bの光軸OA2よりもX1方向側に位置するように配置されている。
導光部236は、上記全反射部のそれぞれからZ方向に沿って延出する部分である。導光部236は、それぞれ、円筒様の外表面と、XY平面においてX方向の長さに比してY方向の長さが短い、浅い凹部となる内表面とを有している。上記外表面は、より具体的には、並列する二つの半円柱体の中心軸をその半径未満の距離で近づけて合体させたような形状を有しており、合体させた半円柱体の境界に形成される谷部を有している。
なお、光束制御部材230は、そのX方向における側縁からY方向(出射部とは反対側)に向けて突出する突起239をさらに有している。突起239は、基板110に対する光束制御部材230の位置を決めるための部材であり、例えば、基板110に形成される位置決め孔に嵌合する部材である。
光束制御部材230は、基板110においてX方向に並んで配置されている第1発光素子120aおよび第2発光素子120bの第1発光素子120aを第1入射部231aで、第2発光素子120bを第2入射部231bで、それぞれ覆う位置に配置される。この光束制御部材230の上に、光散乱部材140が、その拡散透過部142が光束制御部材230の第1出射部238aおよび第2出射部238bの両方を覆う位置に配置され、さらに基板110上にカバー150が配置されて照明装置(面光源装置)が構成される。
第1発光素子120aおよび第2発光素子120bのそれぞれの出射光は、第1入射部231aおよび第2入射部231bから光束制御部材230に入射する。第1入射部231aおよび第2入射部231bに入射した光のうち、第1出射部238aおよび第2出射部238bに対応する部分以外の部分に入射した光は、基本的には第1全反射部235aまたは第2全反射部235bで全反射し、そして導光部236の表面から、当該表面において一部反射しながら出射する。
こうして、出射部に対応する部分以外の部分に入射した光は、Z方向に導かれ、X方向およびY方向に交差し、主に導光部236から外方に出射し、光散乱部材140の本体141を透過し、主に、カバー150において、光束制御部材230のZ方向における中央部に対応する部分よりも外側の領域を一様に照らし、白色光として観察される。
一方で、上記入射部における上記出射部に対応する部分に入射した光のうち、第1発光素子120aのマゼンタ光は、第1出射部238aから出射し、第2発光素子120bのグリーン光は、第2出射部238bから出射する。これらの出射部からの出射光は、光散乱部材140の拡散透過部142を透過および拡散して、カバー150における光束制御部材130のZ方向における中央部に対応する部分に到達する。
図15Aは、本実施の形態の面光源装置における発光素子および光束制御部材の出射光の出射角を模式的に示す図であり、図15Bは、本実施の形態における一面光源装置(「面光源装置E4」とも言う)光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。図15Cは、本実施の形態における他の面光源装置(「面光源装置E5」とも言う)における光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。
面光源装置E4において、第1出射部238aのX方向における外側(X1方向側)の一端は、第1発光素子120aの発光中心を通り光軸OA1に対して外側に10°の角度を表す直線と重なる位置にある。また、第1出射部238aのX方向における内側(X2方向側)の一端は、第1発光素子120aの発光中心を通り光軸OA1に対して内側に30°の角度を表す直線が重なる位置にある。同様に、第2出射部238bのX方向における内側(X1方向側)の一端は、第2発光素子120bの発光中心を通り光源OA2に対して内側に30°の出射角を表す直線と重なり、外側(X2方向側)の一端は、第2発光素子120bの発光中心を通り光軸OA2に対して外側に10°の出射角を表す直線と重なる。
また、面光源装置E4のカバーは、Y方向において十分に長い光学距離(例えば20mm)の位置に配置されている。このため、図15AにおけるA1およびB1を通る直線L1とカバーとの不図示の交点C1は、A2およびB2を通る直線L2とカバーとの不図示の交点C2よりも、X方向におけるより外側(X2方向側)に位置する。また、面光源装置E4における前述のC4は、C3よりも外側に位置するが、その差は10°であることから、面光源装置E4における上記のIAおよびIBの比は、面光源装置E2と同様にほぼ1となる。よって、X方向における色度u’の差が十分に小さく、図15Bに示されるように、カバーにおけるそれぞれの発光素子の光の照度は、X方向における中心よりもわずかに遠方にピークを有する分布を呈している。
面光源装置E5は、両出射部のX方向における内側端は、それぞれの光軸に対して内側に35°の角度を表す直線が重なる位置にある以外は、面光源装置E4と同様に構成されている。面光源装置E5においても、C1は、C2よりもX方向におけるより外側に位置し、C4は、C3よりも外側に位置するものの、C3、C4における光度比はほとんど同じとみなせるので、上記のIAおよびIBの比はほぼ1となる。よって、X方向における色度u’の差が十分に小さく、図15Cに示されるように、カバーにおけるそれぞれの発光素子の光の照度は、X方向における中心よりもわずかに遠方にピークを有する分布を呈している。
よって、面光源装置E4、E5のいずれでも、カバーは、発光素子からの二色の光が適切に混色した白色光で照らされる。よって、当該カバーからは当該白色光が出射され、面光源装置E4、E5は、いずれも、白色光を面状に発光する照明装置として機能する。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態の照明装置は、出射部が、第1発光素子の出射光を出射するための第1出射部と、第2発光素子の出射光を出射するための第2出射部とを含み、入射部が、第1発光素子の出射光を受ける第1入射部と、第2発光素子の出射光を受ける第2入射部とを含む以外は、第1の実施の形態の照明装置と実質的に同じ構成を有している。よって、本実施の形態の照明装置も、第1の実施の形態に係る照明装置と同様に、発光素子の個別の調整を要さずに均一な面発光が可能である。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態における照明装置は、光束制御部材130の代わりに光束制御部材330を有する以外は、前述した第1の実施の形態と実質的に同じである。以下、光束制御部材330について説明する。
図16Aは、第3の実施の形態における光束制御部材の表面側からの斜視図であり、図16Bは、当該光束制御部材の裏面側からの斜視図である。また、図17Aは、上記光束制御部材の底面図であり、図17Bは、上記光束制御部材の図17AにおけるB−B線に沿う断面を示す図であり、図17Bは、上記光束制御部材の図17AにおけるC−C線に沿う断面を示す図である。
光束制御部材330は、入射部131の代わりに第1入射部331aおよび第2入射部331bを有する以外は、光束制御部材130と同様に構成されている。第1入射部331aは、X方向における所定の位置、例えば第1入射部331aのX方向における中心から内側(X2方向側)に形成されている第1入射面部333aと、外側(X1方向側)に形成されているV字溝332とを含む以外は、第2の実施の形態における第1入射部231aと同様に構成されている。第2入射部331bも同様に、例えばX方向におけるその中心から内側(X1方向側)に形成されている第2入射面部333bと、外側(X2方向側)に形成されているV字溝332とを含む以外は、第2の実施の形態における第2入射部231bと同様に構成されている。出射部は、第1の光束制御部材130のそれと同じに構成されている。
なお、第1入射面部333aおよび第2入射面部333bは、それぞれ、V字溝332が前述の樹脂材料で埋められた状態の部分であり、その表面がYZ平面においてV字溝332の両側縁を結ぶ直線で表される部分である。第1入射面部333aおよび第2入射面部333bは、光束制御部材130の平面部133と同様の機能を有する。
図18は、光束制御部材330における発光素子の出射光の出射角を模式的に示す図である。光束制御部材330では、光束制御部材130と同様に、前述のB1とB2とが重なる。本実施の形態の照明装置では、図18における直線L1とカバーとの不図示の交点C1は、直線L2とカバーとの不図示の交点C2よりも、X方向におけるより外側(X2方向側)に位置する。また、本実施の形態の照明装置では、前述の面光源装置E1と同様に、前述のC3とC4とが重なるので、上記のIAおよびIBが等しく、これらの比は1となる。
よって、本実施の形態の照明装置は、面光源装置E1と同様に、図7Bに示されるような、X方向における差が十分に小さな色度u’を呈し、カバーにおけるそれぞれの発光素子の光の照度は、X方向における中心よりもわずかに遠方にピークを有する分布を呈する。そして、本実施の形態の照明装置でも、カバーは、発光素子からの二色の光が適切に混色した白色光で照らされる。よって、当該カバーからは当該白色光が出射され、上記照明装置は、白色光を面状に発光する照明装置として機能する。
本実施の形態における照明装置も、第1の実施の形態で前述した出射光および光度の条件を満たることができ、第1および第2の実施の形態に係る照明装置と同様に、発光素子の個別の調整を要さずに均一な面発光が可能である。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態における照明装置は、光束制御部材130の代わりに光束制御部材430を有する以外は、前述した第1の実施の形態と実質的に同じである。光束制御部材430は、出射部138の代わりに第1出射部438aおよび第2出射部438bを有し、入射部が、これらに対応する第1平面部433aおよび第2平面部433bを含む以外は、光束制御部材130と同じに構成されている。
第1出射部438aおよび第2出射部438bは、例えば、出射部138の中央部に谷部を形成することによって第1発光素子120a側の部分(すなわち第1出射部438a)と第2発光素子120b側の部分(すなわち第2出射部438b)とに分けた場合と同じ構成を有している。第1平面部433aおよび第2平面部433bも、平面部133の中央部にV字溝を形成して平面部を分けた場合と同じ構成を有している。
第1出射部438aは、その端が、X方向において、第1発光素子の光軸OA1と、この光軸OA1に対して内側に30°の角度をなす直線とに重なる位置に配置されている。第2出射部438bは、その端が、X方向において、第2発光素子の光軸OA2と、この光軸OA2に対して内側に30°の角度をなす直線とに重なる位置に配置されている。第1平面部433aは、Y方向において第1出射部438aと重なる位置に配置されており、第2平面部433bは、Y方向において第2出射部438bと重なる位置に配置されている。
図19Aは、本実施の形態における一照明装置(「面光源装置E6」とも言う)における発光素子および光束制御部材の出射光の出射角を模式的に示す図であり、図19Bは、面光源装置E6における光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置とカバーを照らす光の色度との関係を示す図であり、図19Cは、面光源装置E6のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。
面光源装置E6では、前述の面光源装置E1と同様に、前述のC3とC4とが重なるので、上記のIAおよびIBが等しく、これらの比は1となる。
よって、面光源装置E6は、面光源装置E1と同様に、図19Bに示されるような、X方向における差が十分に小さな色度u’を呈し、図19Cに示されるような、カバーにおけるそれぞれの発光素子の光の照度は、X方向における中心よりもわずかに遠方にピークを有する分布を呈する。そして、面光源装置E6でも、カバーは、発光素子からの二色の光が適切に混色した白色光で照らされる。よって、当該カバーからは当該白色光が出射され、面光源装置E6は、白色光を面状に発光する照明装置として機能する。
図20Aは、本実施の形態の他の照明装置(「面光源装置E7」とも言う)における発光素子および光束制御部材の出射光の出射角を模式的に示す図であり、図20Bは、面光源装置E7における光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置とカバーを照らす光の色度との関係を示す図であり、図20Cは、面光源装置E7における光束制御部材のZ方向における中心部のX方向における位置と、出射部からの、第1、第2発光素子のそれぞれに由来の出射光のカバーにおける照度との関係を示す図である。
面光源装置E7は、その光束制御部材430における第1出射部438a、第2出射部438b、第1平面部433aおよび第2平面部433bのX方向における位置と大きさが、面光源装置E6におけるそれらと異なる以外は、面光源装置E6と同じに構成されている。
面光源装置E7では、第1出射部438aは、その端が、X方向において、第1発光素子の発光中心を通り光軸OA1に対して外側に約10°の角度をなす直線と、内側に約40°の角度をなす直線とに重なる位置に配置されている。第2出射部438bは、その端が、X方向において、第2発光素子の発光中心を通り光軸OA2に対して外側に10°の角度をなす直線と、内側に40°の角度をなす直線とに重なる位置に配置されている。第1平面部433aは、Y方向において第1出射部438aと重なる位置に配置されており、第2平面部433bは、Y方向において第2出射部438bと重なる位置に配置されている。
面光源装置E7においても、前述のC1がC2よりもX2方向側に位置する。また、面光源装置E7では、面光源装置E2と同様に、前述のC4がC3よりも外側に位置するが、C3と第1発光素子の発光中心とを結ぶ直線とC4と第1発光素子の発光中心とを結ぶ直線とのなす角は10°であるため、上記のIAおよびIBの比はほぼ1となる。よって、図20Bに示されるように、X方向における色度u’の差が十分に小さい。また、図20Cに示されるように、それぞれの発光素子の光の照度は、X方向におけるほぼ中心にピークを有するが、その裾野はわずかに遠方にシフトしている分布を呈している。
よって、面光源装置E7でも、カバーは、発光素子からの二色の光が適切に混色した白色光で照らされ、当該カバーからは当該白色光が出射される。このように、面光源装置E7も、白色光を面状に発光する照明装置として機能する。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態における照明装置は、入射部および出射部が発光素子に対応して実質的に独立している構成を有している。このように入射部および出射部を発光素子に対応して実質的に独立した構成としてもよく、金型製作や成形上の観点から入射部を第1発光素子および第2発光素子の両方を覆う1つの凹みとして構成してもよい。
[その他の実施の形態]
前述の実施の形態では、第1発光素子および第2発光素子は、混色によって白色を呈する二色の光のそれぞれを出射する素子であるが、両発光素子の発光色は、混色によって白色以外の所期の色を呈する組み合わせの中から適宜に選ぶことも可能である。また、最終的な出射光の色を白色とする場合においても、両発光素子の発光色は、互いに補色の関係になる色の組み合わせの中から、マゼンタとグリーンの組み合わせ以外にも適宜に選ぶことが可能である。さらには、第1発光素子および第2発光素子に色味の異なる白色の光を出射する素子を用いたとしても、その色味のばらつきを調整することなく、色むらのない均一な白色の被照射面を得ることができる。
上記のように、本発明の実施の形態における照明装置では、入射部および出射部は、発光素子毎に独立していてもよいし両発光素子で共通していてもよい。また、入射部および出射部の一方を発光素子毎に独立して構成し、他方を両発光素子に共通の構成としてもよい。また、出射部の形状は、当該出射部に到達した光を全反射せずに出射する形状から適宜に決めることが可能であり、前述した凹曲面や凸斜面であってもよいし、その他の形状の凹部または凸部であってもよいし、平面であってもよい。
また、前述の実施形態では、いずれの面光源装置も、光束制御部材に加えて光散乱部材をさらに有しているが、光束制御部材のみによって発光色の十分な混色が可能であれば、上記照明装置は、光散乱部材を有していなくてもよい。たとえば、第2の実施の形態の光束制御部材のような、凸部による出射部を有する光束制御部材は、光散乱部材を有さなくとも発光色の良好な混色が可能であることがある。
また、前述の実施の形態では、照明装置として面光源装置を具体的に説明しているが、照明装置の形態は、その用途に応じて適宜に選択することができる。たとえば、蛍光管型の照明装置ならば、カバーの形状は円筒形状であってもよいし、円筒の一部を切り欠いた形状であってもよい。