実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
トランジスタは半導体素子の一種であり、電流や電圧の増幅や、導通又は非導通を制御するスイッチング動作などを実現することができる。本明細書におけるトランジスタは、IGFET(Insulated Gate Field Effect Transistor)や薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を含む。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置、及び表示装置の駆動方法について説明する。
本発明の一態様の表示装置は、可視光を反射する第1の表示素子と、可視光を発する第2の表示素子とが混在した表示装置である。
本発明の一態様の表示装置は、反射光の光量を制御することにより階調を表現する第1の画素と、光源を有し、当該光源の光量を制御することにより階調を表現する第2の画素を有する。第1の画素及び第2の画素は、それぞれマトリクス状に複数配置され、表示部を構成する。また、表示装置は、第1の画素及び第2の画素を駆動する駆動部を有することが好ましい。駆動部は、第1の画素と第2の画素にそれぞれ異なる信号を供給して駆動可能な構成であることが好ましい。
また、第1の画素と第2の画素は、同数かつ同ピッチで、表示領域内に配置されていることが好ましい。このとき、隣接する第1の画素と第2の画素を合わせて、画素ユニットと呼ぶことができる。
さらに、第1の画素及び第2の画素は、表示装置の表示領域に混在して配置されていることが好ましい。これにより、後述するように複数の第1の画素のみで表示された画像と、複数の第2の画素のみで表示された画像、及び、複数の第1の画素及び複数の第2の画素の両方で表示された画像のそれぞれを、同じ表示領域に表示することができる。
第1の画素が有する第1の表示素子には、外光を反射して表示する素子を用いることができる。このような素子は、光源を持たないため、表示の際の消費電力を極めて小さくすることが可能となる。
第1の表示素子には、代表的には、反射型の液晶素子を用いることができる。又は、第1の表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子の他、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式等を適用した素子などを用いることができる。
また、第2の画素が有する第2の表示素子は光源を有し、その光源からの光を利用して表示する素子を用いることができる。このような画素が射出する光は、その輝度や色度が外光に左右されることがないため、色再現性が高く(色域が広く)、かつコントラストの高い、つまり鮮やかな表示を行うことができる。
第2の表示素子には、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)などの自発光性の発光素子を用いることができる。又は、第2の画素が有する表示素子として、光源であるバックライトと、当該バックライトからの光の透過光の光量を制御する透過型の液晶素子とを組み合わせたものを用いてもよい。
第1の画素は、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光、又はシアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)の3色の光をそれぞれ呈する副画素を有する構成とすることができる。また、第2の画素も同様に、例えば赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の光、又はシアン(C)、マゼンタ(M)、黄色(Y)の3色の光をそれぞれ呈する副画素を有する構成とすることができる。なお、第1の画素及び第2の画素がそれぞれ有する副画素は、4色以上であってもよい。副画素の種類が多いほど、消費電力を低減することが可能で、また、色再現性を高めることができる。
本発明の一態様の表示装置は、第1の画素で画像を表示する第1のモード、第2の画素で画像を表示する第2のモード、及び、第1の画素及び第2の画素で画像を表示する第3のモードを切り替えることができる。
第1のモードは、第1の表示素子による反射光を用いて画像を表示するモードである。第1のモードは光源が不要であるため、極めて低消費電力な駆動モードである。例えば、外光の照度が十分高く、かつ外光が白色光又はその近傍の光である場合に有効である。第1のモードは、例えば、本や書類などの文字情報を表示することに適した表示モードである。また、反射光を用いるため、目に優しい表示を行うことができ、目が疲れにくいという効果を奏する。
第2のモードは、第2の表示素子による発光を利用して画像を表示するモードである。そのため、外光の照度や色度によらず、極めて鮮やかな(コントラストが高く、かつ色再現性の高い)表示を行うことができる。例えば、夜間や暗い室内など、外光の照度が極めて小さい場合などに有効である。また外光が暗い場合、明るい表示を行うと使用者が眩しく感じてしまう場合がある。これを防ぐために、第2のモードでは輝度を抑えた表示を行うことが好ましい。これにより、眩しさを抑えることに加え、消費電力も低減することができる。第2のモードは、鮮やかな画像や滑らかな動画などを表示することに適したモードである。
第3のモードは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光の両方を利用して表示を行うモードである。具体的には、第1の画素が呈する光と、第1の画素と隣接する第2の画素が呈する光を混色させることにより、1つの色を表現するように駆動する。第1のモードよりも鮮やかな表示をしつつ、第2のモードよりも消費電力を抑えることができる。例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯など、外光の照度が比較的低い場合や、外光の色度が白色ではない場合などに有効である。また、反射光と発光とを混色させた光を用いることで、まるで絵画を見ているかのように感じさせる画像を表示することが可能となる。
上述のように、第3のモードは、第1の表示素子による反射光と、第2の表示素子による発光の両方を用いるモードである。したがって、第3の表示のモードのことを、ハイブリッド表示と呼ぶことができる。
ハイブリッド表示とは、1つのパネルにおいて、反射光と、自発光とを併用して、色調又は光強度を互いに補完して、文字又は画像を表示する方法である。又は、ハイブリッド表示とは、同一画素又は同一副画素において複数の表示素子から、それぞれの光を用いて、文字及び/又は画像を表示する方法である。ただし、ハイブリッド表示を行っているハイブリッドディスプレイを局所的にみると、複数の表示素子のいずれか一を用いて表示される画素又は副画素と、複数の表示素子の二以上を用いて表示される画素又は副画素と、を有する場合がある。
なお、本明細書等において、上記構成のいずれか1つ又は複数の表現を満たすものを、ハイブリッド表示という。
また、ハイブリッドディスプレイは、同一画素又は同一副画素に複数の表示素子を有する。なお、複数の表示素子としては、例えば、光を反射する反射型素子と、光を射出する自発光素子とが挙げられる。なお、反射型素子と、自発光素子とは、それぞれ独立に制御することができる。ハイブリッドディスプレイは、表示部において、反射光、及び自発光のいずれか一方又は双方を用いて、文字及び/又は画像を表示する機能を有する。
ここで、表示装置の構成として、第1の画素及び第2の画素を有する表示部と、駆動部と、制御部と、測光部と、を有する構成とすることができる。制御部は、外部から入力される画像情報、又は測光部から入力される外光情報(照度など)に基づき、第1の画素に出力する第1の信号、及び第2の画素に出力する第2の信号を生成し、出力する。ここで、前述の画像情報は、各画素ユニットに対応する階調値を含む情報であり、例えばビデオ信号などの映像信号が挙げられる。制御部で生成、出力された第1の信号、第2の信号は、駆動部を介して、それぞれ第1の画素、第2の画素に供給される。前述したように、駆動部は、第1の画素と第2の画素にそれぞれ異なる信号を供給して駆動可能な構成であることが好ましい。
なお制御部は、画像情報を、表示に適切な状態に処理し、これを記憶する機能を有していることが好ましい。また制御部は、画像情報又は/及び外光情報に基づいて、上述した表示モードを選択する機能を有していることが好ましい。
以下では、本発明の一態様のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
<表示装置の構成例>
図1は、本発明の一態様の表示装置10のブロック図である。表示装置10は、制御部11、駆動部13、及び表示部14を有する。また表示装置10は、外光の照度を検出する測光部12を有していてもよい。
制御部11は、演算部31及び記憶部32を有する。
演算部31には、画像情報を含む映像信号S0が外部から入力される。当該映像信号S0に含まれる画像情報は、記憶部32に記憶することができる。映像信号S0に含まれる画像情報は、演算部31によって表示に最適な状態に補正(調色、調光など)される。記憶部32と演算部31とは、前述した画像情報の「記憶」と「補正」のやり取りを、相互間で行える構成であることが好ましい。
また、演算部31は、測光部12と接続されており、測光部12で検出された外光情報(照度など)L0を基に、画像情報を表示に最適な状態に補正(調色、調光など)する機能も有している。
駆動部13は、第1のドライバ15aと第2のドライバ15bを有する。第1のドライバ15a及び第2のドライバ15bは、例えば、信号線駆動回路や走査線駆動回路としての機能を有する。第1のドライバ15aには、制御部11から第1の信号Saが供給され、第2のドライバ15bには、制御部11から第2の信号Sbが供給される。ここで、第1の信号Sa及び第2の信号Sbは、上述した演算部31によって最適な状態に補正された画像情報を基に生成される信号であり、後述する表示部14内の各画素ユニットに供給する階調値を含む信号である。第1の信号Saと第2の信号Sbは、同じ信号であってもよいし、それぞれ別の信号であってもよい。
なお、図1には示していないが、制御部11は、第1の信号Sa及び第2の信号Sbの他に、クロック信号、スタートパルス信号などのタイミング信号を生成して駆動部13に出力する機能も有する。
第1のドライバ15aは、制御部11から供給された第1の信号Saを基に、表示部14に第1の情報Daを供給することができる。同様に、第2のドライバ15bは、制御部11から供給された第2の信号Sbを基に、表示部14に第2の情報Dbを供給することができる。第1の情報Da及び第2の情報Dbは、具体的には、階調値を含む信号、走査信号、電源電位等を含む情報である。第1の情報Da、第2の情報Dbは、第1のドライバ15a、第2のドライバ15bから、一定間隔を置いて1フレームごとに表示部14に供給される。ここで、1フレーム当たりの時間やフレーム間隔等は、制御部11で任意に設定することができる。なお、第1のドライバ15aと第2のドライバ15bは、第1の情報Daと第2の情報Dbを表示部14に同時に供給することもできるし、それぞれ個別に供給することもできる。
また、図1には示していないが、第1のドライバ15a及び第2のドライバ15bは、フレームメモリを有していてもよい。第1のドライバ15aが有するフレームメモリには、第1の情報Daを、第2のドライバ15bが有するフレームメモリには、第2の情報Dbを記憶させることができる。なお、当該フレームメモリが記憶できるのは、1フレーム分の情報のみであり、表示部14に供給するフレームごとに記憶内容が更新される。当該フレームメモリでの記憶履歴は、制御部11の有する記憶部32が記憶できる構成であることが好ましい。
表示部14は、マトリクス状に配置された複数の画素ユニット20を有する。画素ユニット20は、第1の画素21と、第2の画素22を有する。表示部14内の複数の画素ユニット20が有する第1の画素21は、いずれも上述の第1のドライバ15aから供給される第1の情報Daによって駆動される構成となっている。同様にして、表示部14内の複数の画素ユニット20が有する第2の画素22は、いずれも上述の第2のドライバ15bから供給される第2の情報Dbによって駆動される構成となっている。
図1では、第1の画素21及び第2の画素22が、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に対応する表示素子を有する場合の例を示している。
第1の画素21は、赤色(R)に対応する表示素子21R、緑色(G)に対応する表示素子21G、青色(B)に対応する表示素子21Bを有する。表示素子21R、表示素子21G、表示素子21Bは、それぞれ外光の反射を利用する表示素子である。
第2の画素22は、赤色(R)に対応する表示素子22R、緑色(G)に対応する表示素子22G、青色(B)に対応する表示素子22Bを有する。表示素子22R、表示素子22G、表示素子22Bは、それぞれ光源の光を利用する表示素子である。
第1の信号Saは、画素ユニット20の第1の画素21に与えられる階調値を含む信号である。ここでは、第1の信号Saは、1つの画素ユニット20につき、表示素子21R、表示素子21G、表示素子21Bのそれぞれに与えられる3つの階調値の情報を含む。
また、第2の信号Sbは、画素ユニット20の第2の画素22に与えられる階調値を含む信号である。ここでは、第2の信号Sbは、1つの画素ユニット20につき、表示素子22R、表示素子22G、表示素子22Bのそれぞれに与えられる3つの階調値の情報を含む。
信号Sa及び信号Sbは、それぞれ単一の信号線により伝達するシリアル信号であってもよいし、複数の信号線により伝達するパラレル信号であってもよい。
制御部11は、後述する第1のモード、第2のモード及び第3のモードのいずれか一を選択し、それぞれのモードに基づいた第1の信号Sa及び第2の信号Sbを生成し、駆動部13に出力する機能を有する。
ここで、演算部31は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサを用いることができる。また、これらマイクロプロセッサをFPGA(Field Programmable Gate Array)やFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現した構成としてもよい。
このとき、映像信号S0は、表示装置10とは別に設けられた中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)などにより生成され、制御部11に供給される構成としてもよい。又は、演算部31がCPUを兼ね、演算部31が映像信号S0を生成する機能を有していてもよい。
また、外部から入力される映像信号S0は、あらかじめガンマ補正などの補正がなされた信号であってもよいし、演算部31が当該補正を行う機能を有していてもよい。演算部31は、映像信号S0に対して補正を行った信号を基に第1の信号Sa及び第2の信号Sbを生成してもよいし、生成した第1の信号Sa及び第2の信号Sbのそれぞれに対して補正を行ってもよい。
演算部31は、プロセッサにより種々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理やプログラム制御を行う。プロセッサにより実行し得るプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格納されていてもよいし、これとは別のメモリに格納されていてもよい。
演算部31は、メインメモリを有していてもよい。メインメモリは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリや、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリを備える構成とすることができる。
RAMとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられ、演算部31の作業空間として、仮想的にメモリ空間が割り当てられ利用される。外部に設けられた記憶装置に格納されたオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ等は、実行のためにRAMにロードされる。RAMにロードされたこれらのデータやプログラム、プログラムモジュールは、演算部31に直接アクセスされ、操作される。
制御部11は、プリント基板等の回路基板に実装され、駆動部13は、表示部14が形成された基板に設けられる構成とすることができる。このとき、回路基板と駆動部13とは、FPC(Flexible Print Circuit)等を介して接続されていればよい。またこのとき、駆動部13は、表示部14が形成された基板に、表示部14を構成するトランジスタなどと同一の工程で形成されていてもよいし、駆動部13の一部又は全部がIC(Integrated Circuit)として当該基板に実装されていてもよい。又は、制御部11及び駆動部13を、1つ又は複数のICの形態として、当該基板に実装してもよい。又は、制御部11及び駆動部13が、表示部14が形成された基板に、表示部14を構成するトランジスタなどと同一の工程で形成されていてもよい。
以上が、表示装置の構成例についての説明である。
<画素ユニットの構成例>
続いて、図2の各図を用いて画素ユニット20について説明する。図2(A)乃至図2(C)は、画素ユニット20の構成例を示す模式図である。
第1の画素21は、表示素子21R、表示素子21G、表示素子21Bを有する。表示素子21Rは、外光を反射し、第1の画素21に入力される第1の階調値に含まれる赤色に対応する階調値に応じた輝度の赤色の光R1を、表示面側に射出する。表示素子21G、表示素子21Bも同様に、それぞれ緑色の光G1、青色の光B1を、表示面側に射出する。
第2の画素22は、表示素子22R、表示素子22G、表示素子22Bを有する。表示素子22Rは、光源を有し、第2の画素22に入力される第2の階調値に含まれる赤色に対応する階調値に応じた輝度の赤色の光R2を、表示面側に射出する。表示素子22G、表示素子22Bも同様に、それぞれ緑色の光G2、青色の光B2を、表示面側に射出する。
〔第1のモード〕
図2(A)は、外光(可視光)を反射する表示素子21R、表示素子21G、表示素子21Bを駆動して画像を表示する動作モード(第1のモード)の例を示している。第1のモードは、例えば、外光の照度が十分に高い場合などに適用することが有効な動作モードである。図2(A)に示すように、第1のモードでは、第2の画素22を用いずに、第1の画素21からの光(光R1、光G1、及び光B1の各可視光)のみを混色させることにより、所定の色の光25を表示面側に射出する。第1のモードは外光の照度を利用し、光源を必要としないため、後述する第2のモードと比べて、極めて低消費電力での表示が可能である。
〔第2のモード〕
図2(B)は、自らが光(可視光)を発する表示素子22R、表示素子22G、表示素子22Bを駆動して画像を表示する動作モード(第2のモード)の例を示している。第2のモードは、例えば、外光の照度が極めて小さい場合などに適用することが有効な動作モードである。図2(B)に示すように、第2のモードでは、第1の画素21を用いずに、第2の画素22からの光(光R2、光G2、及び光B2の各可視光)のみを混色させることにより、所定の色の光25を表示面側に射出する。第2のモードは、前述した第1のモードと比べて、より鮮やかな表示を行うことができる。また、外光の照度の小ささに合わせて輝度を低くすることで、使用者が感じる眩しさを抑えると共に、消費電力の低減を図ることもできる。
〔第3のモード〕
図2(C)は、外光(可視光)を反射する表示素子21R、表示素子21G、表示素子21Bと、自らが光(可視光)を発する表示素子22R、表示素子22G、表示素子22Bの両方を駆動して画像を表示する動作モード(第3のモード)の例を示している。第3のモードは、例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯など、外光の照度が比較的低い場合や、外光の色度が白色ではない場合などに有効な動作モードである。図2(C)に示すように、第3のモードでは、画素ユニット20は、光R1、光G1、光B1、光R2、光G2、及び光B2の6つの光(可視光)を混色させることにより、所定の色の光25を表示面側に射出する。第3のモードは、前述した第1のモードと比べて、より鮮やかな表示を行うことができると共に、前述した第2のモードと比べて、低消費電力での表示が可能である。また、第3のモードでは、第1の画素21からの反射光(可視光)と第2の画素からの発光(可視光)の割合を、表示装置10の使用環境に応じて適宜調整することによって、どのような環境下でも使用者が見やすく、かつ目に優しい表示を提供することができる。
以上が、画素ユニット20の構成例についての説明である。
<表示装置の動作例1>
以下では、本発明の一態様の表示装置10の具体的な動作例について、詳細に説明する。
〔フローチャート1(ルーチン)〕
図3は、本発明の一態様の表示装置10の動作例を示すフローチャートである。当該フローチャートは、表示部14が有する第2の画素22で長時間同じ文字や画像を表示し続けることによって、表示の焼き付きが生じることを回避又は低減させるための駆動方法を示したものである。
まず初めに、ステップX0にて、表示部14の初期表示の設定を行う。ステップX0は、例えば、表示装置10を電源OFFの状態から電源ONにするときなど、表示部14に最初の表示を行うステップに相当する。この段階では、表示部14にどのような文字や画像を表示するか、また、それらをどのような動作モード(第1のモード、第2のモード、又は第3のモード)で表示するか、などのあらゆる初期設定を、制御部11によって任意に行うことができる。そのため、ステップX0の時点では、表示部14の動作モードは、第1のモード、第2のモード、又は第3のモードのいずれであっても構わない。また、表示部14の面内によって、異なる動作モードが混在していても構わない。例えば、本発明の一態様に係る表示部14が、スマートフォンのディスプレイである場合、メニューのアイコン部やステータスバー部(電池残量や電波強度等を表示)、あるいは年月日や時刻の表示部などは、ディスプレイ面内の同じ箇所で表示を行う時間が長いため、初めから第1のモード又は第3のモードで表示を行い、それ以外の表示箇所については、第2のモードで表示を行うなどが挙げられる。
次に、ステップX1にて、外光照度が「一定値」以下であるか否かの判定を行う。ここで、外光照度は測光部12で検出を行い、制御部11にその情報が供給される。そして、制御部11が有する演算部31にて、外光照度が「一定値」以下であるか否かの判断を行う。なお、当該「一定値」とは、制御部11で任意に設定できる値である。
ステップX1において、判定結果が肯定的(外光照度が「一定値」以下)であった場合には、ステップX2へ進む。ステップX2では、表示部14の一部又は全部を第2の画素22で表示する。すなわち、表示部14の一部又は全部を、第2のモードで表示を行う。ここで、表示部14の一部とは、表示部14面内の同一箇所で長時間の表示を行う可能性が高い箇所(例えば、上述したスマートフォンの場合、メニューのアイコン部やステータスバー部、あるいは年月日や時刻の表示部など)を除く領域のことを指す。こうすることで、夜間や暗い室内など外光照度が低い環境下においても、第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の発光によって表示部14の表示輝度を補い、使用者が見やすい画像を提供することができる。また、上述した表示面内14の同一箇所で長時間の表示を行う可能性が高い箇所については、第1のモード又は第3のモードで表示を行うことで、第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化を抑制し、当該箇所において表示の焼き付きが生じることを低減又は回避することができる。なお、ステップX2の次は、ステップX3(後述)へ進む。
ステップX1において、判定結果が否定的(外光照度が「一定値」以上)であった場合には、ステップX3へ進む。ステップX3では、表示部14へ供給する第2の情報Dbが、第2のドライバ15bのフレームメモリを未経由か否か、すなわち、フレームメモリで記憶された履歴の有無の判定を行う。
ステップX3において、判定結果が肯定的(第2の情報Dbは、フレームメモリを未経由であり、フレームメモリで記憶された履歴がない)であった場合には、ステップX4(後述)へ進む。
ステップX3において、判定結果が否定的(第2の情報Dbは、フレームメモリを経由しており、フレームメモリで記憶された履歴がある)であった場合には、ステップX5(後述)へ進む。
前述したステップX4では、表示部14の表示の一部又は全部が不変か否かの判定を行う。ここで、当該表示の一部又は全部が不変であるか否かの判断は、現在フレームメモリに記憶されている第2の情報Dbと、1フレーム前にフレームメモリに記憶されていた第2の情報Dbとが同じであるか否かで行う。当該判断は、制御部11が、記憶部32に記憶されたフレームメモリの記憶履歴に基づいて行うことができる。
ステップX4において、判定結果が肯定的(現在と1フレーム前とで、記憶されている第2の情報Dbが同じ)であった場合には、ステップX5(後述)へ進む。
ステップX4において、判定結果が否定的(現在と1フレーム前とで、記憶されている第2の情報Dbが異なる)であった場合には、ステップX6(後述)へ進む。
前述したステップX5では、表示部14の一部又は全部において、第2の画素22での表示を停止し、第1の画素21での表示を行う。ここで、表示部14の一部とは、表示部14面内の同一箇所で長時間の表示を行う可能性が高い箇所(例えば、上述したスマートフォンの場合、メニューのアイコン部やステータスバー部、あるいは年月日や時刻の表示部など)を除く領域のことを指す。当該領域については、あらかじめ第1の画素21のみを用いる表示を行うものとする。こうすることで、表示部14の全面において、第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化に起因する表示の焼き付きが生じることを低減又は回避することができる。また、第1の画素のみを用いる動作モード(第1のモード)に切り替えることで、第2の画素を用いる動作モード(第2のモード又は第3のモード)で表示を行う場合と比べて、低消費電力な表示を実現することができる。なお、ステップX5の次は、上で説明したステップX1へ再び戻る。
前述したステップX6では、表示部14の一部又は全部を第2の画素22で表示する(ステップX2と同様の処理)。ここで、表示部14の一部とは、表示部14面内の同一箇所で長時間の表示を行う可能性が高い箇所(例えば、上述したスマートフォンの場合、メニューのアイコン部やステータスバー部、あるいは年月日や時刻の表示部など)を除く領域のことを指す。なお、当該領域については、あらかじめ第1の画素21のみを用いる動作モード(第1のモード)で表示を行っていた場合、第2の画素22を用いる動作モード(第2のモード又は第3のモード)に切り替えてもよいし、このまま第1のモードを継続してもよい。当該領域については、第2の画素22を用いた動作モード(第2のモード又は第3のモード)を継続するものとする。こうすることで、フレーム間で動作モードが切り替わることがないため、経時的に見え方が変わることのない滑らかな画像を使用者に提供することができる。なお、ステップX6の次は、上で説明したステップX1へ再び戻る。
以上のように、ステップX1乃至ステップX6における一連のフローを繰り返すことで、本発明の一態様の表示装置10は、長時間の表示を行う場合でも、使用環境によらず、表示部14の全面において第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化に起因する表示の焼き付きが生じることを低減又は回避することができる。
〔フローチャート2(サブルーチン)〕
本発明の一態様の表示装置10の動作においては、図3に示すフローチャートにおける判定(例えば、ステップX1やステップX4)に対して、遅延を持たせるためのフローを設けてもよい。以下では、当該フローの具体例について説明する。
図4に、図3に示すフローチャートのサブルーチンとして、ステップX1又はステップX4に適用できるフローチャートの一例を示す。図4は、図3に示すフローチャートにおける判定(ステップX1又はステップX4)に対して、遅延を持たせるためのフローである。
まず初めに、ステップY1にて、図3に示すフローチャートのステップX1(ステップX4)における判定の実行回数n(nは0以上の整数)を0回に設定する処理を行う。ステップY1は、ステップX1(ステップX4)の前段階であるステップX0(ステップX3)にて実行される構成であることが好ましい。
次に、ステップY2にて、図3に示すフローチャートのステップX1(ステップX4)に基づく判定を行う。ステップX1(ステップX4)の判定内容の詳細については、上述した説明内容を参酌する。
ステップY2において、判定結果が肯定的であった場合には、ステップY3へ進む。ステップY3では、ステップX1(ステップX4)における判定の実行回数を、それまでの累積実行回数から1つ増やした値(例えば、初めてステップY3を経る場合は、1回。)に設定する処理を行う。なお、ステップY3の次は、ステップY4(後述)へ進む。
ステップY2において、判定結果が否定的であった場合には、ステップY6へ進む。ステップY6では、図3に示すフローチャートのステップX3(ステップX6)へ進む処理を行う。ステップX3(ステップX6)の内容の詳細については、上述した説明内容を参酌する。
前述したステップY4では、図3に示すフローチャートのステップX1(ステップX4)における判定の実行回数nが、上限値N(Nは1以上の整数)を超えているか否かの判定を行う。なお、当該上限値Nについては、制御部11で任意に設定できることが好ましい。
ステップY4において、判定結果が肯定的(n≧N)であった場合は、ステップY5へ進む。ステップY5では、図3に示すフローチャートのステップX2(ステップX5)へ進む処理を行う。ステップX2(ステップX5)の内容の詳細については、上述した説明内容を参酌する。
ステップY4において、判定結果が否定的(n<N)であった場合は、上で説明したステップY2へ再び戻る。ステップY2以降のフローについては、上述した説明内容を参酌することができる。
以上のように、図3に示すフローチャートにおける判定(例えば、ステップX1やステップX4)に対して、上述したステップY1乃至ステップY6のような遅延を持たせるフローを設けることによって、本発明の一態様の表示装置10は、長時間の表示を行う場合でも、使用環境によらず、表示部14の全面において第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化に起因する表示の焼き付きが生じることを低減又は回避することができる。
〔表示部の動作例(表示輝度の時間変化)〕
本発明の一態様の表示装置10は、上述したように、表示部14を3種類の動作モード(第1のモード、第2のモード、第3のモード)で駆動させることができる。例えば、図3に示すフローチャートでは、ステップX2、ステップX5、ステップX6に当該各種動作モードを適用することができる。以下では、図3に示すフローチャートのステップX5における表示部14の具体的な動作例について説明する。
図5(A)乃至図5(E)は、表示部14を第1の画素21又は/及び第2の画素22で表示させる場合の動作例を表示輝度の時間変化として模式的に示した図である。図5(A)乃至図5(E)において、横軸は時間、縦軸は各画素(第1の画素21、第2の画素22)の表示輝度を表している。図5(A)は、時間を通じて、第2の画素22のみで表示(第2のモード)を続ける場合の動作例である。図中の実線が、第2の画素22の表示輝度を表している。図5(A)は、ステップX5およびステップX6の前段階であるステップX4での判定時における、表示部14の動作例である。図5(B)は、時間を通じて、第1の画素21のみで表示(第1のモード)を続ける場合の動作例である。図中の破線が、第1の画素21の表示輝度を表している。図5(B)は、ステップX5に適用できる動作例の一つである。
ステップX5に適用できる表示部14の動作例は、図5(B)に示すものだけに限られない。図5(C)乃至図5(E)も、ステップX5に適用できる表示部14の動作例である。図5(C)は、第1の画素21での表示(第1のモード)と第2の画素22での表示(第2のモード)を交互に行う動作例である。図中では、期間T1、期間T3を第1の画素21で表示(第1のモード)し、期間T2、期間T4を第2の画素22で表示(第2のモード)する例を示している。このような動作とすることで、図5(A)の動作に比べて第2の画素22の表示時間を短縮させることができるため、第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化を低減することができる。なお、第1の画素21を表示させる期間(期間T1、期間T3等)と第2の画素22を表示させる期間(期間T2、期間T4等)の長さについては、制御部11で任意に設定できることが好ましい。
図5(D)は、時間を通じて、第1の画素21と第2の画素22の双方で表示(第3のモード)し続ける動作例である。図5(A)に示す第2の画素22の表示輝度と比べて、図5(D)に示す第1の画素21、第2の画素の表示輝度はいずれも低い。このような動作とすることで、図5(A)の動作に比べて第2の画素22の表示輝度を低減させることができるため、第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化を低減することができる。なお、第1の画素21の表示輝度と第2の画素22の表示輝度については、制御部11で任意に設定できることが好ましい。
図5(E)は、第1の画素21は、時間を通じて表示(第1のモード)し続け、第2の画素22は、一定の期間(期間T2、期間T4等)のみ表示(第2のモード)する動作例である。このような動作とすることで、図5(A)の動作に比べて第2の画素22の表示時間を短縮させることができると共に、表示輝度を低減させることもできるため、第2の画素22が有する表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)の消耗・劣化を低減することができる。なお、第2の画素22を表示させる期間(期間T2、期間T4等)の長さと表示輝度、及び第1の画素21の表示輝度については、制御部11で任意に設定できることが好ましい。
なお上では、図5(B)乃至図5(E)を、図3に示すフローチャートのステップX5における表示部14の動作例として説明したが、図3に示すフローチャートのステップX6(ステップX2も同様。)の動作例としても適用可能である。ただし、この場合、図5(B)乃至図5(E)における第1の画素21の表示輝度と第2の画素22の表示輝度の関係が入れ替わる。
以上のように、本発明の一態様の表示装置10は、上で説明した各種動作例の一又は複数を適用することができる。これにより、表示部14が有する第2の画素22で長時間同じ文字や画像を表示し続けることによって、表示の焼き付きが生じることを回避又は低減させることができる。
<表示装置の動作例2>
本発明の一態様の表示装置10の動作例は、上述した例に限られない。以下では、上述した例とは別の動作例について説明する。
以下で説明する動作例では、上述した例と異なり、第1のドライバ15a、第1のドライバ15bは、フレームメモリを有していなくてもよい。
なお、以下で説明する動作例は、表示部14が、前述した第2のモード又は第3のモードで動作していることを前提とする。すなわち、表示部14が、同面内において第2の画素22を用いて表示している領域を有することを前提とする。
本発明の一態様では、制御部11が、駆動部13が有する第2のドライバ15bに第2の信号Sbを供給する際、制御部11が有する記憶部32が、当該第2の信号Sbを記憶する機能を有していてもよい。
このとき、記憶部32は、第2のドライバ15bに供給する第2の信号Sbをそのまま記憶してもよいし、過去に第2のドライバ15bに供給した第2の信号Sbも含めた積分値として記憶してもよい。なお、当該積分値に変換する処理は、演算部31が行う。
記憶部32に記憶された第2の信号Sb又は第2の信号Sbの積分値(以下では、これらを総称して「表示情報」と呼ぶ。)は、演算部31によって「補正」がかけられ、新たな第2の信号Sbとして、第2のドライバ15bに供給される。ここで「補正」とは、具体的には、第2のドライバ15bに供給される上述の表示情報(表示部14面内の輝度分布を含む。)に対して、これと反転する表示部14面内の輝度分布を有する表示情報を生成する処理のことを指す。例えば、第2のドライバ15bに供給する表示情報において、表示部14面内で輝度が高い箇所は、当該補正によって低い輝度の表示情報に設定し直され、表示部14面内で輝度が低い箇所は、当該補正によって高い輝度の表示情報に設定し直される。
〔補正前後の表示情報の例〕
図6(A)及び図6(B)には、制御部11から第2のドライバ15bに供給される補正前後の表示情報の一例を示している。図6(A)は、ある表示期間(「補正」前)における表示部14の表示情報である。図6(A)に示す表示情報では、表示部14面内で白い箇所と黒い箇所が千鳥格子状に分布している。ここで、白い箇所は、基準値よりも輝度が高い表示情報を有する箇所であり、黒い箇所は、基準値よりも輝度が低い表示情報を有する箇所である。ここで、基準値とは、制御部11で設定することができる任意の輝度の値である。上述したように、当該表示情報は、記憶部32に記憶される。ここでは、図6(A)に示す表示情報が、過去の表示情報も含めた積分値としてではなく、ある表示期間の表示情報のみを、そのまま記憶部32に記憶するものとして、以下を説明する。
図6(A)に示す、ある表示期間における表示部14の表示情報は、記憶部32に記憶され、演算部31にて、上述した「補正」がかけられる。
図6(B)は、「補正」後の、表示部14の表示情報である。「補正」をかけたことにより、図6(A)で輝度が高い表示情報を有する箇所(白い箇所)が、図6(B)では輝度が低い(黒い)表示情報に変更されており、図6(A)で輝度が低い表示情報を有する箇所(黒い箇所)が、図6(B)では輝度が高い(白い)表示情報に変更されている。
このように、制御部11が、ある表示期間における表示部14の表示情報(図6(A))に対して上述した「補正」をかけ、次の表示期間において、図6(A)と反転した表示輝度の面内分布を有する表示情報(図6(B))を第2のドライバ15bに供給することによって、常に時間軸に対する表示情報の面内分布を平準化することができる。
なお、図6(A)及び図6(B)では、輝度が高い表示情報を有する箇所(白い箇所)と低い表示情報を有する箇所(黒い箇所)が千鳥格子状に分布した表示例を示しているが、これに限られず、千鳥格子状以外の分布や、ランダムな分布であってもよい。
また、図6(A)及び図6(B)では、任意の基準値よりも輝度が高い表示情報を有する箇所(白い箇所)と低い表示情報を有する箇所(黒い箇所)の2階調のみでの表示例を示しているが、本発明の一態様はこの限りではなく、表示情報の階調をさらに細かく分割してもよい。この場合も、ある表示期間における表示輝度の面内分布情報を有する表示情報に対して、これと反転する表示輝度の面内分布情報を有する表示情報を次の表示期間に供給することで、時間軸に対する表示情報を面内で平準化することができる。なお、表示情報の階調をどの程度細かく分割するかは、制御部11で任意に設定することができる。
また、図6(A)及び図6(B)では、表示部14の表示情報を面内32分割(4行×8列)して表示しているが、本発明の一態様はこの限りではない。表示部14が有する画素数に応じて、面内での分割数を細分化することが可能である。
また、本発明の一態様の表示装置10は、外光情報(照度)を検出する測光部12を有することができる。そのため、本発明の一態様の表示装置10は、測光部12で検出した外光照度に応じて、表示部14の表示に使用する表示素子を切り替える機能を有していてもよい。
例えば、表示部14が、前述した第2のモード又は第3のモードで動作していたとする。すなわち、表示部14が、同面内において第2の画素22を用いて表示している領域を有していたとする。
測光部12は、外光情報(照度)を検出し、当該外光情報を、制御部11が有する演算部31に供給することができる。
演算部31が測光部12から受け取った外光情報(照度)が「一定値」よりも高い場合、演算部31は、次の表示期間における表示情報を含む第1の信号Saを駆動部13が有する第1のドライバ15aに供給する。なお、上述したように、当該「一定値」とは、制御部11で任意に設定できる値である。
このとき、次の表示期間における表示情報を含む第2の信号Sbについても、常に第2のドライバ15bに供給される構成であることが好ましい。ただし、駆動部13から表示部14に供給されるのは第1のドライバ15aからの第1の情報Daのみであり、第2のドライバ15bからの第2の情報Dbについては、表示部14へ供給されないものとする。
前述したように、第1のドライバ15aから供給される第1の情報Daは、表示部14内の画素ユニット20が有する第1の画素21を駆動させるための情報である。したがって、測光部14が外光照度(「一定値」よりも高い)を検出した次の表示期間では、表示部14は第1の画素21のみを用いて表示を行う。
前述したように、第1の画素21は、外光(可視光)を反射する表示素子(表示素子21R、表示素子21G、表示素子21B)を有し、第1のモードにより表示を行う画素である。そのため、上で説明したように、外光照度が「一定値」よりも高い場合に、表示部14の動作モードを第2のモード又は第3のモードから第1のモードに切り替えることにより、光源を用いない極めて低消費電力な表示を行うことができる。
また前述したように、次の表示期間における表示情報を含む第2の信号Sbについても、常に制御部11から第2のドライバ15bに「補正」された最新情報を供給する構成にしておくことで、例えば、あるタイミングで外光照度が「一定値」よりも高い状態から低い状態に変わり、表示部14の動作モードを第1のモードから第2のモード又は第3のモードに切り替えることになったとしても、即時に、最適な状態に設定された第2の情報Dbを表示部14に供給することできる。
以上のように、本発明の一態様の表示装置10は、外光照度が「一定値」よりも高い場合には、表示部14の動作モードを第2のモード又は第3のモードから第1のモードに切り替えることで、光源を用いない極めて低消費電力な表示を行うことができる。またこのとき、直接表示に寄与しない第2の信号Sbについても、常に制御部11から「補正」された最新表示情報を第2のドライバ15bに供給し続ける構成にすることで、例えば、あるタイミングで外光照度が「一定値」よりも低い状態に変わった場合、即時に、最適な状態に設定された第2の情報Dbを表示部14に供給することができる。すなわち、制御部11は、常に面内輝度分布が平準化された表示情報を第2のドライバ15bに供給し続けることができるため、第2の画素が有する発光性の表示素子(表示素子22R、表示素子22G、表示素子22B)が表示部14面内で局所的に消耗・劣化することを抑制し、表示の焼き付きが生じることを回避又は低減させることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
以下では、本発明の一態様の表示装置の表示部等に用いることのできる表示パネルの例について説明する。以下で例示する表示パネルは、反射型の液晶素子と、発光素子の両方を有し、透過モードと反射モードの両方の表示を行うことのできる、表示パネルである。
<構成例>
図7(A)は、表示装置400の構成の一例を示すブロック図である。表示装置400は、表示部362にマトリクス状に配列した複数の画素410を有する。また、表示装置400は、回路GDと、回路SDを有する。また、方向Rに配列した複数の画素410、及び回路GDと電気的に接続する複数の配線G1、複数の配線G2、複数の配線ANO、及び複数の配線CSCOMを有する。また、方向Cに配列した複数の画素410、及び回路SDと電気的に接続する複数の配線S1及び複数の配線S2を有する。
なお、図7(A)に示す表示装置400は、図1で示した表示装置10のうち、駆動部13と表示部14に相当する。
なお、ここでは簡単のために、回路GDと回路SDを1つずつ有する構成を示したが、液晶素子を駆動する回路GD及び回路SDと、発光素子を駆動する回路GD及び回路SDとを、別々に設けてもよい。
画素410は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素410において、液晶素子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図7(B1)は、画素410が有する電極311bの構成例を示している。電極311bは、画素410における液晶素子の反射電極として機能する。また、電極311bには、開口451が設けられている。
図7(B1)には、電極311bと重なる領域に位置する発光素子360を破線で示している。発光素子360は、電極311bが有する開口451と重ねて配置されている。これにより、発光素子360が発する光は、開口451を介して表示面側に射出される。
図7(B1)では、方向Rに隣接する画素410が異なる色に対応する画素を示している。このとき、図7(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口451が一列に配列されないように、電極311bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子360を離すことが可能で、発光素子360が発する光が隣接する画素410が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう。)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子360を離して配置することができるため、発光素子360のEL層をシャドーマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、電極311bは、図7(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口451の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子360を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する電極311bに設ける開口451の面積が小さすぎると、発光素子360が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口451の形状は、例えば、多角形、四角形、楕円形、円形又は十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口451を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口451を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
<回路構成例>
図8は、画素410の構成例を示す回路図である。図8では、隣接する2つの画素410を示している。
画素410は、スイッチSW1、容量素子C1、液晶素子340、スイッチSW2、トランジスタM、容量素子C2、及び発光素子360等を有する。また、画素410には、配線G1、配線G2、配線ANO、配線CSCOM、配線S1、及び配線S2が電気的に接続されている。また、図8では、液晶素子340と電気的に接続する配線VCOM1、及び発光素子360と電気的に接続する配線VCOM2を示している。
図8では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
スイッチSW1は、ゲートが配線G1と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S1と接続され、ソース又はドレインの他方が容量素子C1の一方の電極、及び液晶素子340の一方の電極と接続されている。容量素子C1は、他方の電極が配線CSCOMと接続されている。液晶素子340は、他方の電極が配線VCOM1と接続されている。
また、スイッチSW2は、ゲートが配線G2と接続され、ソース又はドレインの一方が配線S2と接続され、ソース又はドレインの他方が、容量素子C2の一方の電極、トランジスタMのゲートと接続されている。容量素子C2は、他方の電極がトランジスタMのソース又はドレインの一方、及び配線ANOと接続されている。トランジスタMは、ソース又はドレインの他方が発光素子360の一方の電極と接続されている。発光素子360は、他方の電極が配線VCOM2と接続されている。
図8では、トランジスタMがチャネル領域を形成する半導体を挟む2つのゲートを有し、これらが接続されている例を示している。これにより、トランジスタMが流すことのできる電流を増大させることができる。
配線G1には、スイッチSW1を導通状態又は非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM1には、所定の電位を与えることができる。配線S1には、液晶素子340が有する液晶の配向状態を制御する信号を与えることができる。配線CSCOMには、所定の電位を与えることができる。
配線G2には、スイッチSW2を導通状態又は非導通状態に制御する信号を与えることができる。配線VCOM2及び配線ANOには、発光素子360が発光する電位差が生じる電位をそれぞれ与えることができる。配線S2には、トランジスタMの導通状態を制御する信号を与えることができる。
図8に示す画素410は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線G1及び配線S1に与える信号により駆動し、液晶素子340による光学変調を利用して表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線G2及び配線S2に与える信号により駆動し、発光素子360を発光させて表示することができる。また、両方のモードで表示を行う場合には、配線G1、配線G2、配線S1及び配線S2のそれぞれに与える信号により駆動することができる。
なお図8では、1つの画素410に、1つの液晶素子340と1つの発光素子360とを有する例を示したが、これに限られない。図9(A)は、1つの画素410に1つの液晶素子340と4つの発光素子360(発光素子360r、発光素子360g、発光素子360b、発光素子360w)を有する例を示している。図9(A)に示す画素410は、図8とは異なり、1つの画素でフルカラーの表示が可能な画素である。
図9(A)では、図8の例に加えて、画素410に配線G3及び配線S3が接続されている。
図9(A)に示す例では、例えば、4つの発光素子360(発光素子360r、発光素子360g、発光素子360b、発光素子360w)として、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また、液晶素子340として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また、透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図9(B)には、画素410の構成例を示している。画素410は、電極311が有する開口部と重なる発光素子360wと、電極311の周囲に配置された発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bとを有する。発光素子360r、発光素子360g、及び発光素子360bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
<表示パネルの構成例>
図10は、本発明の一態様の表示パネル100の斜視概略図である。表示パネル100は、基板51と基板61とが貼り合わされた構成を有する。図10では、基板61を破線で明示している。
表示パネル100は、表示部62、回路64、配線65等を有する。基板51には、例えば、回路64、配線65、及び画素電極として機能する導電層111b等が設けられる。また、図10では、基板51上にIC73とFPC72が実装されている例を示している。そのため、図10に示す構成は、表示パネル100とFPC72及びIC73を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路64は、例えば、走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線65は、表示部62や回路64に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC72を介して外部から、又はIC73から配線65に入力される。
また、図10では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板51にIC73が設けられている例を示している。IC73としては、例えば、走査線駆動回路、又は信号線駆動回路などとしての機能を有するICを適用できる。なお、表示パネル100が走査線駆動回路及び信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC72を介して表示パネル100を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC73を設けない構成としてもよい。また、IC73を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC72に実装してもよい。
図10には、表示部62の一部の拡大図を示している。表示部62には、複数の表示素子が有する導電層111bがマトリクス状に配置されている。導電層111bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子40の反射電極として機能する。
また、図10に示すように、導電層111bは開口を有する。さらに導電層111bよりも基板51側に、発光素子60を有する。発光素子60からの光は、導電層111bの開口を介して基板61側に射出される。
<断面構成例>
図11に、図10で例示した表示パネル100の、FPC72を含む領域の一部、回路64を含む領域の一部、及び表示部62を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示パネル100は、基板51と基板61の間に、絶縁層220を有する。また、基板51と絶縁層220との間に、発光素子60、トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206、着色層134等を有する。また、絶縁層220と基板61との間に、液晶素子40、着色層131等を有する。また、基板61と絶縁層220は接着層141を介して接着され、基板51と絶縁層220は接着層142を介して接着されている。
トランジスタ206は、液晶素子40と電気的に接続し、トランジスタ205は、発光素子60と電気的に接続する。トランジスタ205とトランジスタ206は、いずれも絶縁層220の基板51側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板61には、着色層131、遮光層132、絶縁層121、及び液晶素子40の共通電極として機能する導電層113、配向膜133b、絶縁層117等が設けられている。絶縁層117は、液晶素子40のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁層220の基板51側には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層215等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタ(トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206)のゲート絶縁層として機能する。絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層214は、各トランジスタ(トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206)を覆って設けられている。また、絶縁層214を覆って絶縁層215が設けられている。絶縁層214及び絶縁層215は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214の3層を有する場合について示しているが、これに限られず、4層以上であってもよいし、単層、又は2層であってもよい。また、平坦化層として機能する絶縁層214は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ201、トランジスタ205、及びトランジスタ206は、一部がゲートとして機能する導電層221、一部がソース又はドレインとして機能する導電層222、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子40は、反射型の液晶素子である。液晶素子40は、導電層111a、液晶112、導電層113が積層された構造を有する。また、導電層111aの基板51側に接して、可視光を反射する導電層111bが設けられている。導電層111bは、開口251を有する。また、導電層111a及び導電層113は、可視光を透過する材料を含む。また、液晶112と導電層111aの間に配向膜133aが設けられ、液晶112と導電層113の間に配向膜133bが設けられている。また、基板61の外側の面には、偏光板130を有する。
液晶素子40において、導電層111bは可視光を反射する機能を有し、導電層113は可視光を透過する機能を有する。基板61側から入射した光は、偏光板130により偏光され、導電層113、液晶112を透過し、導電層111bで反射する。そして、液晶112及び導電層113を再度透過して、偏光板130に達する。このとき、導電層111bと導電層113の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板130を介して射出される光の強度を制御することができる。また、着色層131によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば、赤色を呈する光となる。
発光素子60は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子60は、絶縁層220側から導電層191、EL層192、及び導電層193bの順に積層された構造を有する。また、導電層193bを覆って導電層193aが設けられている。導電層193bは可視光を反射する材料を含み、導電層191及び導電層193aは可視光を透過する材料を含む。発光素子60が発する光は、着色層134、絶縁層220、開口251、導電層113等を介して、基板61側に射出される。
ここで、図11に示すように、開口251には可視光を透過する導電層111aが設けられていることが好ましい。これにより、開口251と重なる領域においても、それ以外の領域と同様に液晶112が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光漏れが生じてしまうことを抑制できる。
ここで、基板61の外側の面に配置する偏光板130として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば、直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子40に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
また、導電層191の端部を覆う絶縁層216上には、絶縁層217が設けられている。絶縁層217は、絶縁層220と基板51が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。また、EL層192や導電層193aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制するためのマスクギャッパとしての機能を有していてもよい。なお、絶縁層217は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ205のソース又はドレインの一方は、導電層224を介して発光素子60の導電層191と電気的に接続されている。
トランジスタ206のソース又はドレインの一方は、接続部207を介して導電層111bと電気的に接続されている。導電層111bと導電層111aは接して設けられ、これらは電気的に接続されている。ここで、接続部207は、絶縁層220に設けられた開口を介して、絶縁層220の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板51の基板61と重ならない領域には、接続部204が設けられている。接続部204は、接続層242を介してFPC72と電気的に接続されている。接続部204は、接続部207と同様の構成を有している。接続部204の上面は、導電層111aと同一の導電膜を加工して得られる導電層で形成されている。これにより、接続部204とFPC72とを、接続層242を介して電気的に接続することができる。
接着層141が設けられる一部の領域には、接続部252が設けられている。接続部252において、導電層111aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層113の一部が、接続体243により電気的に接続されている。したがって、基板61側に形成された導電層113に、基板51側に接続されたFPC72から入力される信号又は電位を、接続部252を介して供給することができる。
接続体243としては、例えば、導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂又はシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると、接触抵抗を低減できるため好ましい。また、ニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また、接続体243として、弾性変形、又は塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき、導電性の粒子である接続体243は、図11に示すように、上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体243と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できる他、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体243は、接着層141に覆われるように配置することが好ましい。例えば、硬化前の接着層141に接続体243を散布させておけばよい。
図11では、回路64の例として、トランジスタ201が設けられている例を示している。
図11では、トランジスタ201及びトランジスタ205の例として、チャネル領域が形成される半導体層231を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層221により、他方のゲートは絶縁層212を介して半導体層231と重なる導電層223により構成されている。このような構成とすることで、ゲートが1つしかない場合に比べて、トランジスタの閾値電圧をより確実に制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは、他のトランジスタと比較してオン電流を増大させることが可能であり、電界効果移動度を高めることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネル100を大型化、又は高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
なお、回路64が有するトランジスタ(トランジスタ201など)と、表示部62が有するトランジスタ(トランジスタ205、トランジスタ206など)は、同じ構造であってもよい。また、回路64が有する複数のトランジスタ(トランジスタ201など)は、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示部62が有する複数のトランジスタ(トランジスタ205、トランジスタ206など)は、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタ(トランジスタ201、トランジスタ205、トランジスタ206など)を覆う絶縁層212、絶縁層213のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、絶縁層212又は絶縁層213を、バリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が混入することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示パネル100を実現できる。
基板61側において、着色層131、遮光層132を覆って絶縁層121が設けられている。絶縁層121は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層121により、導電層113の表面を略平坦にできるため、液晶112の配向状態を均一にできる。
表示パネル100を作製する方法の一例について説明する。例えば、剥離層を有する支持基板上に、導電層111a、導電層111b、絶縁層220を順に形成し、その後トランジスタ205、トランジスタ206、発光素子60等を形成した後、接着層142を用いて基板51と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁層220、及び剥離層と導電層111aのそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層131、遮光層132、導電層113等をあらかじめ形成した基板61を準備する。そして、基板51又は基板61に液晶112を滴下し、接着層141により基板51と基板61を貼り合せることで、表示パネル100を作製することができる。
剥離層としては、絶縁層220及び導電層111aとの界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層220として、窒化シリコンや酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示パネル100を実現できる。
導電層111aとしては、金属酸化物、金属窒化物、又は低抵抗化された酸化物半導体等の酸化物又は窒化物を用いることが好ましい。酸化物半導体を用いる場合には、水素、ボロン、リン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電層111aに用いればよい。
ここで、図11では、白色を呈する発光素子60と、着色層134とにより、カラー表示を行う場合の構成を示している。図11では、EL層192が隣接画素間で分断されずに形成されている。
図12では、所定の色を呈する発光素子60aを適用した場合の例を示している。発光素子60aは、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子60aは、絶縁層220側から導電層191、EL層192a、及び導電層193の順に積層された構造を有する。導電層193は可視光を反射する材料を含み、導電層191は可視光を透過する材料を含む。発光素子60aが発する光は、絶縁層220、開口251、導電層113等を介して、基板61側に射出される。図12では、図11で示した表示パネル100と異なり、着色層134が設けられていない。また、EL層192aは島状に形成され、隣接画素間で分断されている。EL層192aは、少なくとも発光材料が異なる色の画素間で異なるように、作り分けられている。例えば、EL層192aの形成には、メタルマスク等のシャドーマスクを用いた蒸着法等の成膜方法、又はインクジェット法やインプリント法などの液体材料を用いた成膜方法などを用いることができる。
<各構成要素について>
以下では、上で示した表示パネル100の各構成要素について、詳細を説明する。
〔基板〕
表示パネル100が有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子からの光を取り出す側の基板には、当該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂などの材料を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、表示パネル100の軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示パネル100を実現できる。
また、発光を取り出さない側の基板は、透光性を有していなくてもよいため、上で挙げた基板の他に、金属基板等を用いることもできる。金属基板は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示パネル100の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。可撓性や曲げ性を得るためには、金属基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属、又はアルミニウム合金、若しくはステンレス等の合金などを好適に用いることができる。
また、金属基板の表面を酸化する、又は表面に絶縁膜を形成するなどにより、絶縁処理が施された基板を用いてもよい。例えば、酸素雰囲気で放置する又は加熱する他、陽極酸化法などによって、金属基板の表面に酸化膜を形成してもよいし、スピンコート法やディップ法などの塗布法、電着法、蒸着法、又はスパッタリング法などを用いて、金属基板上に絶縁膜を形成してもよい。
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10−6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、ガラス繊維に有機樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。このような材料を用いた基板は、重量が軽いため、当該基板を用いた表示パネル100も軽量にすることができる。
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物又は無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には、引張弾性率又はヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、又は炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布又は不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を、可撓性を有する基板として用いてもよい。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好ましい。
又は、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基板に用いることもできる。又は、ガラスと樹脂材料とが接着層により貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
可撓性を有する基板に、表示パネル100の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウムなど)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂など)等が積層されていてもよい。また、水分等による表示素子の寿命の低下等を抑制するために、可撓性を有する基板に透水性の低い絶縁膜が積層されていてもよい。例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機絶縁性材料を用いることができる。
基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性が向上し、信頼性の高い表示パネル100とすることができる。
〔トランジスタ〕
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、チャネル領域を形成する半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。なお上記では、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示している。
なお、本発明の一態様の表示装置10が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。又は、チャネル領域の上下にゲート電極が設けられていてもよい。
〔半導体層〕
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性については特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、LTPS(Low Temperature Poly−Silicon)で形成されたポリシリコンなどの多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタの電気特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えば、第14族の元素(シリコン、ゲルマニウム等)、化合物半導体又は酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む酸化物半導体などを適用できる。
特に、シリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが大きく、かつキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面、又は半導体層の上面に対し略垂直に配向し、かつ隣接する結晶部間(a−b面方向)で粒界を確認することが難しい酸化物半導体を用いることが好ましい。なお、本明細書等においては、このような酸化物半導体をCAAC−OS(C−Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor、又は、C−Axis Aligned and A−B−plane Anchored Crystalline Oxide Semiconductor)と呼ぶ。
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために、表示パネルを湾曲させたときの応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことを抑制できる。したがって、可撓性を有し、湾曲させて用いる表示パネルなどに、このような酸化物半導体を好適に用いることができる。
また、半導体層としてこのような結晶性を有する酸化物半導体を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
また、シリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間にわたって保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層は、例えば、少なくともインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジム又はハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、当該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、例えば、上記Mで記載の金属に含まれるガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、又はジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドであるランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
半導体層を構成する酸化物半導体として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、トランジスタにおける半導体層と導電層には、上記酸化物半導体を用いることができる。そして、トランジスタにおける半導体層と導電層に用いる上記酸化物のうち酸化物半導体は、同一の金属元素を有していてもよい。トランジスタの半導体層と導電層に同一の金属元素を有する酸化物半導体を用いることで、トランジスタの製造コストを低減させることができる。例えば、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで、トランジスタの製造コストを低減させることができる。また、トランジスタの半導体層と導電層を加工する際のエッチングガス又はエッチング液を共通して用いることができる。ただし、トランジスタの半導体層と導電層は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、トランジスタ及び容量素子の作製工程中に酸化物半導体膜中の金属元素が脱離し、作製工程前とは異なる金属組成となる場合がある。
半導体層を構成する酸化物半導体は、バンドギャップが2eV以上であり、2.5eV以上が好ましく、3eV以上であることがより好ましい。このように、バンドギャップの大きい酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
半導体層を構成する酸化物半導体がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体膜を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm3以下、好ましくは1×1015/cm3以下、さらに好ましくは1×1013/cm3以下、より好ましくは1×1011/cm3以下、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上のキャリア密度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。このような酸化物半導体は不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定なトランジスタの電気特性を提供する酸化物半導体であるといえる。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの電気特性(電界効果移動度、閾値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの電気特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の1つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、半導体層における二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば、非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、CAAC−OS、多結晶構造、微結晶構造、又は非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。又は、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、又は積層構造を有する場合がある。
<CAC−OSの構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
CAC−OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、1つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、当該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、又はインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、及びZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、又はガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、及びZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、又はInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、及びOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、又はIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、又はCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、及びOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とは、明確な境界を観察することが難しい場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウムなどから選ばれた一種、又は複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に当該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば、基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか1つ又は複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば、酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とする。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法の1つであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、及びc軸方向の配向は見られないことがわかる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、当該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、及び断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、高い電界効果移動度を実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、当該酸化物半導体を用いたトランジスタは、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC−OSをトランジスタなどの半導体素子に用いた場合、InX2ZnY2OZ2、又はInOX1に起因する導電性と、GaOX3などに起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流と低いオフ電流の双方を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC−OSは、ディスプレイをはじめとする様々な半導体装置に用いることが最適である。
又は、トランジスタのチャネル領域が形成される半導体層に、シリコンを用いてもよい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、かつ、アモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このような多結晶半導体を画素に適用することで、画素の開口率を向上させることができる。また、極めて高精細な表示部とする場合であっても、ゲート駆動回路とソース駆動回路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのとき、半導体層にアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線は電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能となり、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを用いることができる。一方、トップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすく、電気特性のばらつきなどを低減することができるため好ましい。特に、半導体層に多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している。
〔導電層〕
トランジスタのゲート、ソース及びドレインの他、本発明の一態様の表示装置10を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、又はタングステンなどの金属、又はこれを主成分とする合金などが挙げられる。また、これらの材料を含む膜を単層で、又は積層で用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜又は窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜又は窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜又は窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜又は銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜又は窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫又は酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物又はグラフェンを用いることができる。又は、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタンなどの金属材料や、当該金属材料を含む合金材料を用いることができる。又は、当該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(又はそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
〔絶縁層〕
各絶縁層に用いることのできる絶縁性材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁性材料を用いることもできる。
また発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、装置の信頼性の低下を抑制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素とシリコンを含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m2・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m2・day)]以下とする。
〔液晶素子〕
液晶素子としては、例えば、垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えば、VAモードの他に、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、IPS−VAモード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過又は非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む。)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、又はネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の1つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性を有する。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また、配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
また、液晶素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、又は半透過型の液晶素子などを用いることができる。
本発明の一態様では、特に、反射型の液晶素子を用いることができる。
透過型又は半透過型の液晶素子を用いる場合、一対の基板を挟むように、2つの偏光板を設ける。また偏光板よりも外側に、バックライトを設ける。バックライトとしては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LED(Light Emitting Diode)を備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
め好ましい。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板を設ける。またこれとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
また、反射型、又は半透過型の液晶素子を用いる場合、偏光板よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LED(Light Emitting Diode)を備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
〔発光素子〕
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、LED、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型などがある。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
EL層は、少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層には、低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む。)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
陰極と陽極の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
発光素子として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば、2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質、又はR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子からの発光のスペクトルが、可視光領域の波長(例えば、350nm以上750nm以下)の範囲内に2以上のピークを有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であることが好ましい。
EL層は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、EL層における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、いずれの発光材料も含まない領域を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に、当該蛍光発光層又は燐光発光層と同一の材料(例えばホスト材料、アシスト材料)を含み、かつ、いずれの発光材料も含まない領域を設ける構成としてもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、又はチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、若しくはこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、又はパラジウム等の金属材料、若しくはこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、チタン、ニッケル、又はネオジムと、アルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)を用いてもよい。また、銅、パラジウム、マグネシウムと、銀を含む合金を用いてもよい。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム膜又はアルミニウム合金膜に接して金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、酸化を抑制することができる。このような金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタンや酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とインジウム錫酸化物の積層膜、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。その他、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
なお、上述した発光層、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、及びバイポーラ性の物質等を含む層は、それぞれ量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料などを用いることができる。また、12族と16族、13族と15族、又は14族と16族の元素グループを含む材料を用いてもよい。又は、カドミウム、セレン、亜鉛、硫黄、リン、インジウム、テルル、鉛、ガリウム、ヒ素、アルミニウム等の元素を含む量子ドット材料を用いてもよい。
〔接着層〕
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。又は、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
〔接続層〕
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料又は染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できる他、工程を簡略化できるため好ましい。
以上が、表示パネル100の各構成要素についての説明である。
<作製方法例>
ここでは、可撓性を有する基板を用いた表示パネル100の作製方法の例について説明する。
ここでは、表示素子、回路、配線、電極、着色層や遮光層などの光学部材、及び絶縁層等が含まれる層をまとめて素子層と呼ぶこととする。例えば、素子層は表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
また、ここでは、表示素子が完成した(作製工程が終了した)段階において、素子層を支持し、可撓性を有する部材のことを、基板と呼ぶこととする。例えば、基板には、厚さが10nm以上300μm以下の、極めて薄いフィルム等も含まれる。
可撓性を有し、絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、代表的には以下に挙げる2つの方法がある。1つは、基板上に直接、素子層を形成する方法である。もう1つは、基板とは異なる支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支持基材を剥離し、素子層を基板に転置する方法である。なお、ここでは詳細に説明しないが、上記2つの方法に加え、可撓性を有さない基板上に素子層を形成し、当該基板を研磨等により薄くすることで可撓性を持たせる方法もある。
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接、素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基材と素子層の間で剥離し、素子層を基板に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、又は剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。この方法では、支持基材や剥離層に耐熱性の高い材料を用いることで、素子層を形成する際にかかる温度の上限を高めることができ、より信頼性の高い素子を有する素子層を形成できるため、好ましい。
例えば、剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを複数積層した層を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
素子層と支持基材とを剥離する方法としては、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、又は剥離界面に液体を浸透させることなどが、一例として挙げられる。又は、剥離界面を形成する2層の熱膨張の違いを利用し、加熱又は冷却することにより剥離を行ってもよい。
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱する、又は鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、又は貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。
又は、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に発熱層を設け、当該発熱層を加熱することにより、当該発熱層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。発熱層としては、電流を流すことにより発熱する材料、光を吸収することにより発熱する材料、磁場を印加することにより発熱する材料など、様々な材料を用いることができる。例えば、発熱層としては、半導体、金属、絶縁体から選択して用いることができる。
なお、上述した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は、剥離後に基板として用いることができる。
以上が、可撓性を有する表示パネル100を作製する方法についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る電子機器及び照明装置について、図面を用いて説明する。
本発明の一態様の表示装置10を用いて、電子機器や照明装置を作製できる。本発明の一態様の表示装置10を用いて、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また、本発明の一態様の表示装置10を用いて、消費電力が低減された電子機器や照明装置を作製できる。
本発明の一態様の表示装置10を適用することで、例えば、晴れた野外などの外光の照度が十分高い場所では、反射光を利用して画像を表示するモード(第1のモード)を用いることにより、明瞭な画像を表示する電子機器を提供することができる。また、例えば、夜間や暗い室内などの外光の照度が極めて低い場所では、発光を利用して画像を表示するモード(第2のモード)を用いることにより、鮮やかな画像や滑らかな動画を表示する電子機器を提供することができる。また、例えば、室内照明下や、朝方や夕方の時間帯などの外光の照度が比較的低い場合や、外光の色度が白色ではない場合などには、反射光と発光の双方を利用して画像を表示するモード(第3のモード)を用いることにより、まるで絵画を見ているかのように感じさせる画像を表示する電子機器を提供することができる。また、本発明の一態様の表示装置10は、例えば、第2のモードによる表示が長時間続く場合、自動的に第1のモードによる表示に切り替えることが可能である。そのため、第2のモードによる表示を行う発光素子(有機ELなど)の劣化を抑制し、表示画面の焼き付きの問題を回避又は低減する電子機器を提供することができる。
本発明の一態様に係る電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
本発明の一態様に係る電子機器又は照明装置は、家屋若しくはビルの内壁若しくは外壁、又は、自動車の内装若しくは外装の曲面に沿って組み込むことができる。
本発明の一態様に係る電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様に係る電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナ及び二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
本発明の一態様に係る電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、匂い(又は臭い)、又は赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本発明の一態様に係る電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出す機能等を有することができる。
さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、1つの表示部を主として画像情報を表示し、別の1つの表示部を主として文字情報を表示する機能、又は複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで、立体的な画像を表示する機能等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画又は動画を撮影する機能、撮影した画像を自動又は手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又は電子機器に内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能等を有することができる。なお、本発明の一態様に係る電子機器が有する機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
図13(A)乃至図13(E)に、湾曲した表示部7000を有する電子機器の一例を示す。表示部7000はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。なお、表示部7000は可撓性を有していてもよい。
表示部7000は、本発明の一態様の表示装置10等を用いて作製される。本発明の一態様により、消費電力が低減され、湾曲した表示部を備え、かつ信頼性の高い電子機器を提供できる。
図13(A)、図13(B)に携帯電話機の一例を示す。図13(A)に示す携帯電話機7100及び図13(B)に示す携帯電話機7110は、それぞれ、筐体7101、表示部7000、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク7106等を有する。図13(B)に示す携帯電話機7110は、さらに、カメラ7107を有する。
各携帯電話機は、表示部7000にタッチセンサを備える。電話をかける、あるいは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン7103の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7000に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯電話機内部に、ジャイロセンサ又は加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯電話機の向き(縦か横か)を判断して、表示部7000の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部7000を触れること、操作ボタン7103の操作、又はマイク7106を用いた音声入力等により行うこともできる。
図13(C)、図13(D)に携帯情報端末の一例を示す。図13(C)に示す携帯情報端末7200及び図13(D)に示す携帯情報端末7210は、それぞれ、筐体7201及び表示部7000を有する。さらに、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク、アンテナ、カメラ、又はバッテリ等を有していてもよい。表示部7000にはタッチセンサを備える。携帯情報端末の操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた1つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用いることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
携帯情報端末7200及び携帯情報端末7210は、文字及び画像情報等をその複数の面に表示することができる。例えば、図13(C)、図13(D)に示すように、3つの操作ボタン7202を一の面に表示し、矩形で示す情報7203を他の面に表示することができる。図13(C)では、携帯情報端末の上側に情報が表示される例を示し、図13(D)では、携帯情報端末の横側に情報が表示される例を示す。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよい。
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名又は送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。又は、情報が表示されている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
例えば、携帯情報端末7200の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7200を収納した状態で、その表示(ここでは、情報7203)を確認することができる。
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7200の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7200をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図13(E)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7300は、筐体7301に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7303により筐体7301を支持した構成を示している。
図13(E)に示すテレビジョン装置7300の操作は、筐体7301が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7311により行うことができる。又は、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7311は、当該リモコン操作機7311から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7311が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネル及び音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7300は、受信機及びモデムなどを備えた構成とする。受信機により、一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図13(F)に、湾曲した発光部を有する照明装置の一例を示す。
図13(F)に示す照明装置が有する発光部は、本発明の一態様の表示装置10等を用いて作製される。本発明の一態様により、消費電力が低減され、湾曲した発光部を備え、かつ信頼性の高い照明装置を提供できる。
図13(F)に示す照明装置7400の備える発光部7411は、凸状に湾曲した2つの発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって、照明装置7400を中心に全方位を照らすことができる。
また、照明装置7400が備える発光部は、可撓性を有していてもよい。発光部7411を可塑性の部材又は可動なフレームなどの部材で固定し、用途に合わせて発光部7411の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
照明装置7400は、操作スイッチ7403を備える台部7401と、台部7401に支持される発光部7411を有する。
なお、ここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部を備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発光面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明るく照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
図14(A)乃至図14(I)に、可撓性を有し、曲げることのできる表示部7001を有する携帯情報端末の一例を示す。
表示部7001は、本発明の一態様の表示装置10等を用いて作製される。例えば、曲率半径0.01mm以上150mm以下で曲げることができる表示装置等を適用できる。また、表示部7001はタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作することができる。本発明の一態様により、可撓性を有する表示部を備え、かつ信頼性の高い電子機器を提供できる。
図14(A)、図14(B)は、携帯情報端末の一例を示す斜視図である。携帯情報端末7500は、筐体7501、表示部7001、引き出し部材7502、操作ボタン7503等を有する。
携帯情報端末7500は、筐体7501内にロール状に巻かれた可撓性を有する表示部7001を有する。引き出し部材7502を用いて表示部7001を引き出すことができる。
また、携帯情報端末7500は、内蔵された制御部によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7001に表示することができる。また、携帯情報端末7500には、バッテリが内蔵されている。また、筐体7501にコネクターを接続する端子部を備え、映像信号及び電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
また、操作ボタン7503によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え等を行うことができる。なお、図14(A)、図14(B)では、携帯情報端末7500の側面に操作ボタン7503を配置する例を示すが、これに限られず、携帯情報端末7500の表示面と同じ面(おもて面)や、裏面に配置してもよい。
図14(B)には、表示部7001を引き出した状態の携帯情報端末7500を示す。この状態で表示部7001に映像を表示することができる。また、表示部7001の一部がロール状に巻かれた図14(A)の状態と、表示部7001を引き出した図14(B)の状態とで、携帯情報端末7500が異なる表示を行う構成としてもよい。例えば、図14(A)の状態のときに、表示部7001のロール状に巻かれた部分を非表示とすることで、携帯情報端末7500の消費電力を下げることができる。
なお、表示部7001を引き出した際に、表示部7001の表示面が平面状となるように固定するため、表示部7001の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体7501にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によって音声を出力する構成としてもよい。
図14(C)乃至図14(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図14(C)では、展開した状態、図14(D)では、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態、図14(E)では、折りたたんだ状態の携帯情報端末7600を示す。携帯情報端末7600は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により一覧性に優れる。
表示部7001は、ヒンジ7602によって連結された3つの筐体7601に支持されている。ヒンジ7602を介して2つの筐体7601間を屈曲させることにより、携帯情報端末7600を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。
図14(F)、図14(G)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図14(F)では、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、図14(G)では、表示部7001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報端末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を使用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001の汚れ及び傷つきを抑制できる。
図14(H)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は、筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a、ボタン7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、スピーカ7704b、外部接続ポート7705、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性を有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は、例えば、表示部7001と重ねて配置してもよい。
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させること、及び携帯情報端末7700に捻りを加えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は外側になるように折り曲げて使用することができる。又は、携帯情報端末7700をロール状に巻いた状態で使用することもできる。このように、筐体7701及び表示部7001を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把持してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど、様々な状況において利便性良く使用することができる。
図14(I)に、腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バンド7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バンド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を有するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は、例えば、表示部7001又はバンド7801等と重ねて配置してもよい。
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。
操作ボタン7803は、時刻設定の他、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7800に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7803の機能を自由に設定することもできる。
また、表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケーションを起動することができる。
また、携帯情報端末7800は、通信規格に準拠した近距離無線通信を実行することが可能である。例えば、無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7800は、入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子7802を有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また、入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の形態で例示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により行ってもよい。
図15(A)に、自動車7900の外観を示す。図15(B)に、自動車7900の運転席を示す。自動車7900は、車体7901、車輪7902、フロントガラス7903、ライト7904、フォグランプ7905等を有する。
本発明の一態様の表示装置10は、自動車7900の表示部などに用いることができる。例えば、図15(B)に示す表示部7910乃至表示部7917に、本発明の一態様の表示装置10を設けることができる。
表示部7910と表示部7911は、自動車7900のフロントガラス7903に設けられている。本発明の一態様では、表示装置が有する電極を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置とすることができる。シースルー状態の表示装置であれば、自動車7900の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様の表示装置10を、自動車7900のフロントガラス7903に設置することができる。なお、表示装置に、トランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタ、又は酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
表示部7912は、ピラー部分に設けられている。表示部7913は、ダッシュボード部分に設けられている。表示部7914は、ドア部分に設けられている。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部7912に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。同様に、表示部7913では、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができ、表示部7914では、ドアで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
また、表示部7917は、ハンドルに設けられている。表示部7915、表示部7916、又は表示部7917は、ナビゲーション情報、スピードメーター、タコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目及びレイアウトなどは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部7910乃至表示部7914にも表示することができる。
なお、表示部7910乃至表示部7917は、照明装置として用いることも可能である。
本発明の一態様の表示装置10が適用される表示部は、平面であってもよい。この場合、本発明の一態様の表示装置10は、曲面及び可撓性を有さない構成であってもよい。
図15(C)、図15(D)に、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)の一例を示す。デジタルサイネージは、筐体8000、表示部8001、及びスピーカ8003等を有する。さらに、LEDランプ、操作キー(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む。)、接続端子、各種センサ、マイクロフォン等を有することができる。
図15(D)は、円柱状の柱に取り付けられたデジタルサイネージである。
図15(C)、図15(D)に示す表示部8001に、本発明の一態様の表示装置10を設けることができる。
表示部8001が広いほど、一度に提供できる情報量を増やすことができる。また、表示部8001が広いほど、人の目につきやすく、例えば、広告の宣伝効果を高めることができる。
表示部8001にタッチパネルを適用することで、表示部8001に画像又は動画を表示するだけでなく、使用者が直感的に操作することができ、好ましい。また、路線情報又は交通情報などの情報を提供するための用途に用いる場合には、直感的な操作により、ユーザビリティを高めることができる。
図15(E)は、ノート型パーソナルコンピュータであり、筐体8111、表示部8112、キーボード8113、ポインティングデバイス8114等を有する。
表示部8112に、本発明の一態様の表示装置10を適用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。