JP2018022145A - 半導体装置、表示システム及び電子機器 - Google Patents

半導体装置、表示システム及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018022145A
JP2018022145A JP2017139697A JP2017139697A JP2018022145A JP 2018022145 A JP2018022145 A JP 2018022145A JP 2017139697 A JP2017139697 A JP 2017139697A JP 2017139697 A JP2017139697 A JP 2017139697A JP 2018022145 A JP2018022145 A JP 2018022145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
transistor
function
layer
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2017139697A
Other languages
English (en)
Inventor
朗央 山本
Akihisa Yamamoto
朗央 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Publication of JP2018022145A publication Critical patent/JP2018022145A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Control Of El Displays (AREA)
  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Non-Volatile Memory (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Liquid Crystal Display Device Control (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)

Abstract

【課題】新規な半導体装置、消費電力が低い半導体装置、高速な動作が可能な半導体装置、又は面積の縮小が可能な半導体装置の提供。
【解決手段】第1の画素群と、第2の画素群と、を有し、第1の画素群は、複数の第1の画素を有し、第2の画素群は、複数の第2の画素を有し、第1の画素群は、複数の第1の画素を用いて映像を表示する機能を有し、第2の画素群は、複数の第2の画素を用いて映像を表示する機能と、複数の第2の画素を用いてデータを記憶する機能を有し、データの記憶は、第2の画素群に映像が表示されていない期間に行われ、データは、第2の画素群に映像を表示するための映像信号以外のデータである半導体装置。
【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、半導体装置、表示システム及び電子機器に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、発光装置、蓄電装置、記憶装置、表示システム、電子機器、照明装置、入力装置、入出力装置、それらの駆動方法、又はそれらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路、演算装置、記憶装置等は半導体装置の一態様である。また、撮像装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む)、及び電子機器は半導体装置を有している場合がある。
液晶表示装置や発光表示装置に代表されるフラットパネルディスプレイは、映像の表示に広く用いられている。これらの表示装置に用いられているトランジスタとしては主にシリコン半導体などが用いられているが、近年、シリコン半導体に代わって、半導体特性を示す金属酸化物をトランジスタに用いる技術が注目されている。例えば特許文献1、2には、半導体層に、酸化亜鉛、又はIn−Ga−Zn系酸化物を用いたトランジスタを、表示装置の画素に用いる技術が開示されている。
特開2007−96055号公報 特開2007−123861号公報
本発明の一態様は、新規な半導体装置の提供を課題とする。又は、本発明の一態様は、消費電力が低い半導体装置の提供を課題とする。又は、本発明の一態様は、高速な動作が可能な半導体装置の提供を課題とする。又は、本発明の一態様は、面積の縮小が可能な半導体装置の提供を課題とする。
なお、本発明の一態様は、必ずしも上記の課題の全てを解決する必要はなく、少なくとも一の課題を解決できるものであればよい。また、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。これら以外の課題は、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様に係る半導体装置は、第1の画素群と、第2の画素群と、を有し、第1の画素群は、複数の第1の画素を有し、第2の画素群は、複数の第2の画素を有し、第1の画素群は、複数の第1の画素を用いて映像を表示する機能を有し、第2の画素群は、複数の第2の画素を用いて映像を表示する機能と、複数の第2の画素を用いてデータを記憶する機能を有し、データの記憶は、第2の画素群に映像が表示されていない期間に行われ、データは、第2の画素群に映像を表示するための映像信号以外のデータである半導体装置である。
また、本発明の一態様に係る半導体装置において、第2の画素は、トランジスタと、容量素子と、を有し、トランジスタは、容量素子と電気的に接続され、トランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有していてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置において、第2の画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、容量素子と、を有し、第1のトランジスタのゲート及び第3のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第2のトランジスタのゲート、及び容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第2の配線と電気的に接続され、第1の配線は、選択信号を伝える機能を有し、第2の配線は、第2の画素に記憶されたデータに対応する電流を伝える機能を有し、第1のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有していてもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置において、データは、第1の画素群に供給される映像信号であってもよい。
また、本発明の一態様に係る半導体装置において、第1の画素は、反射型の液晶素子を有し、第2の画素は、発光素子を有していてもよい。
また、本発明の一態様にかかる表示システムは、上記の半導体装置を用いた表示部と、制御部と、を有し、制御部は、第1の駆動回路と、第2の駆動回路と、コントローラと、を有し、第1の駆動回路は、第1の画素群に映像を表示するための映像信号を供給する機能を有し、第2の駆動回路は、第2の画素群に映像を表示するための映像信号を供給する機能と、第2の画素群にデータを書き込む機能と、第2の画素群に記憶されたデータを読み出す機能と、を有し、コントローラは、第2の駆動回路によって読み出されたデータを、第1の駆動回路に供給する機能を有する表示システムである。
また、本発明の一態様に係る表示システムは、電源部を有し、電源部は、第2の画素に複数の電位を供給する機能を有し、第2の画素に供給される電位は、コントローラから入力される信号によって制御されるものであってもよい。
また、本発明の一態様にかかる電子機器は、上記の表示システムを有し、外部から入力される画像データに基づいて映像信号を生成し、映像信号を用いて表示部に映像を表示する機能を有する電子機器である。
本発明の一態様により、新規な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、消費電力が低い半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、高速な動作が可能な半導体装置を提供することができる。又は、本発明の一態様により、面積の縮小が可能な半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。また、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。これら以外の効果は、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
表示システムの構成例を示す図。 表示システムの構成例を示す図。 画素の構成例を示す図。 タイミングチャート。 画素の動作例を示す図。 表示システムの動作例を示す図。 電源部及び駆動回路の構成例を示す図。 駆動回路の構成例を示す図。 画素の構成例を示す図。 画素の構成例を示す図。 画素の構成例を示す図。 表示システムの構成例を示す図。 表示装置の構成例を説明する図。 画素の構成例を説明する図。 画素の構成例を説明する図。 表示装置の構成例を示す図。 表示装置の構成例を示す図。 トランジスタの構成例を示す図。 トランジスタの構成例を示す図。 表示モジュールの構成例を示す図。 電子機器の構成例を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態における説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、本発明の一態様には、半導体装置、記憶装置、表示装置、撮像装置、RF(Radio Frequency)タグなど、あらゆる装置がその範疇に含まれる。また、表示装置には、液晶表示装置、有機発光素子に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)などが、その範疇に含まれる。
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタのチャネル形成領域に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。以下、チャネル形成領域に金属酸化物を含むトランジスタを、OSトランジスタとも表記する。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図又は文章に示された接続関係に限定されず、図又は文章に示された接続関係以外のものも、図又は文章に記載されているものとする。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、又は、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。又は、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅又は電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
また、異なる図面間で同じ符号が付されている構成要素は、特に説明がない限り、同じものを表す。
また、図面上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置、制御部、及び表示システムについて説明する。
<表示システムの構成例>
図1(A)に、半導体装置11、制御部12、電源部13を有する表示システム10の構成例を示す。表示システム10は、所定の映像を表示するための信号(以下、映像信号ともいう)を生成し、当該映像信号に基づいて映像を表示する機能を有するシステムである。
半導体装置11は、制御部12から入力された映像信号に従って、映像を表示する機能を有する。よって、半導体装置11は表示システム10の表示部として用いることができる。半導体装置11は、複数の画素群30を有する画素部20、複数の駆動回路40を有する。以下では一例として、半導体装置11が2つの画素群30(30a、30b)、2つの駆動回路40(40a、40b)を有する構成について説明するが、これらの回路の数は3以上であってもよい。
画素部20は、映像を表示する機能を有する。ここで、画素群30aは複数の画素31aによって構成され、画素群30bは複数の画素31bによって構成されている。画素31a、31bはそれぞれ表示素子を有し、所定の階調を表示する機能を有する。画素31aと画素31bが有する表示素子は、同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。複数の画素31a又は複数の画素31bが所定の階調を表示することにより、画素部20に所定の映像が表示される。
表示素子の例としては、液晶素子、発光素子などが挙げられる。液晶素子としては、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、半透過型の液晶素子などを用いることができる。また、表示素子として、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子などを用いることもできる。
また、発光素子の例としては、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの、自発光性の発光素子が挙げられる。
映像の表示には、画素群30aと画素群30bの両方を用いてもよいし、一方のみを用いてもよい。両方を用いる場合、画素群30aと画素群30bを用いて1つの映像を表示してもよいし、画素群30aと画素群30bにそれぞれ異なる映像を表示してもよい。
映像の表示に画素群30aと画素群30bの一方のみを用いる場合は、自動又は手動で、映像を表示する画素群30を切り替えることができる。ここで、画素31aと画素31bに異なる表示素子を設けることにより、画素群30aと画素群30bに表示される映像の特性や品質などを異ならせることができる。この場合、表示を行う画素群30を、周囲の環境や表示内容などに合わせて選択することができる。例えば、画素31aには反射型の液晶素子を設け、画素31bには発光素子を設けることができる。このような構成の詳細は、実施の形態2で説明する。
駆動回路40は、画素31を選択するための信号(以下、選択信号ともいう)を画素群30に供給する機能を有する。具体的には、駆動回路40aは所定の画素31aに選択信号を供給する機能を有し、駆動回路40bは所定の画素31bに選択信号を供給する機能を有する。駆動回路40によって選択された画素31において、映像信号の書き込みが行われる。
制御部12は、映像信号を生成する機能と、画素部20に表示される映像を制御する機能を有する。具体的には、外部から入力される、半導体装置11に表示する画像に対応するデータ(以下、画像データともいう)に各種の処理を施して映像信号を生成し、当該映像信号を画素群30a、30bに出力する機能を有する。画素群30a、30bに入力された映像信号は、駆動回路40a、40bによって選択された画素31a、31bに書き込まれる。
電源部13は、半導体装置11に電源を供給する機能を有する。具体的には、電源部13は、制御部12から入力される制御信号に基づいて、画素31で用いられる電位などを供給する機能を有する。
ここで、本発明の一態様においては、画素部20の一部が記憶回路としての機能を有する。具体的には、画素部20に含まれる画素群30の少なくとも1つ(ここでは画素群30bとする)が、映像を表示する機能に加え、所定のデータを記憶する機能を有する。この場合、画素群30bは、画素31bをメモリセルとして用いる記憶回路として機能する。また、制御部12は、データの読み書きを制御する駆動回路として機能する。画素群30bが映像を表示する場合、データを記憶する場合のそれぞれの動作について、図1(B)を用いて説明する。
図1(B−1)に、画素群30a、30bが共に映像を表示する場合の動作を示す。制御部12から画素群30aには映像信号SDaが入力され、画素群30bには映像信号SDbが入力される。そして、画素31a、31bはそれぞれ、映像信号SDa、SDbに基づいて所定の階調を表示する。これにより、画素群30a、30bに映像が表示される。
一方、画素群30aのみに映像が表示され、画素群30bには映像が表示されない期間においては、画素群30bを記憶回路として用いることができる。具体的には、図1(B−2)に示すように、制御部12から入力されたデータDpixを画素群30bに書き込み、又は、画素群30bに記憶されたデータDpixを制御部12に読み出すことができる。画素群30bが記憶回路として用いられる場合、画素31bはメモリセルとして機能し、制御部12は画素群30bへのデータの書き込み、及び画素群30bからのデータの読み出しを制御する駆動回路として機能する。
このように、画素群30bが映像を表示しない期間中は、画素群30bを記憶回路として用い、制御部12によってデータDpixの読み書きを行うことができる。これにより、別途記憶装置を設けることなく、半導体装置11にデータを記憶する機能を搭載することができる。
画素群30bに記憶されるデータDpixの内容は特に限られない。例えば、後に画素群30bに表示される映像に対応する映像信号であってもよいし、画素群30aに供給される映像信号、半導体装置11の駆動に用いられるデータなど、画素群30bに映像を表示するための映像信号以外のデータであってもよい。データDpixとして画素群30aに供給される映像信号SDaを記憶する場合は、画素群30bに記憶された映像信号SDaを制御部12によって読み出して、制御部12から画素群30aに出力することができる。よって、画素群30bをフレームメモリとして機能させることができる。これにより、フレームメモリ用に独立した記憶装置を設ける必要がなくなる。又は、記憶装置を新たに設けることなくフレームメモリを増設することができる。従って、表示システム10の面積を縮小することができる。
また、画素31bにはOSトランジスタを用いることが好ましい。金属酸化物は、シリコンなどの半導体よりもエネルギーギャップが大きく、少数キャリア密度を低くすることができるため、金属酸化物を用いたOSトランジスタのオフ電流は極めて小さい。そのため、画素31bにOSトランジスタを用いた場合、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)などを用いる場合と比較して、画素群30bに保持されたデータを長期間にわたって保持することができる。これにより、所定の周期でデータの書き直しを行う動作(リフレッシュ動作)が不要となるか、又は、リフレッシュ動作の頻度を極めて少なくすることができる。従って、半導体装置11における消費電力を低減することができる。なお、OSトランジスタを用いた画素31の詳細については後述する。
以上のように、画素群30bは映像を表示する機能とデータを記憶する機能を備えることができる。なお、ここでは画素群30bを記憶回路として用いる場合について説明したが、画素群30aを記憶回路として用いることもできる。
次に、半導体装置11、制御部12の具体的な構成例について説明する。図2に、表示システム10の具体例を示す。
画素部20は、画素31a及び画素31bを有する。ここでは、画素31aと画素31bは行方向(紙面上下方向)に交互に設けられており、画素31aと画素31bによって画素ユニット21が構成されている。このように、画素31aと画素31bは画素部20の同一領域内に混在させることができる。なお、画素31aと画素31bはそれぞれ、複数の副画素を有していてもよい。
画素31aには、駆動回路40aから配線GLaを介して選択信号が供給され、画素31bには、駆動回路40bから配線GLbを介して選択信号が供給される。配線GLaは、駆動回路40aから出力された選択信号を伝える機能を有し、配線GLbは、駆動回路40bから出力された選択信号を伝える機能を有する。
制御部12は、複数の駆動回路50(50a、50b)、コントローラ60を有する。駆動回路50aは、配線SLaを介して画素31aに映像信号を供給する機能を有し、駆動回路50bは、配線SLbを介して画素31bに映像信号を供給する機能を有する。選択信号が供給された画素31に映像信号が供給されることにより、映像の表示が行われる。なお、駆動回路50a、50bは半導体装置11に設けることもできる。
また、画素31がメモリセルとして機能する場合、駆動回路50は、データDpixを画素31に書き込む機能と、画素31に記憶されたデータDpixを読み出す機能を有する。
コントローラ60は、制御部12に含まれる各種回路(駆動回路50a、50bなど)の動作を制御する機能を有する。コントローラ60による制御に従って、駆動回路50a、50bは映像信号SDの供給やデータDpixの読み書きを行う。
また、コントローラ60は、電源部13に制御信号を供給する機能を有する。コントローラ60から入力される制御信号に基づき、電源部13は画素部20に供給する電力を制御する。電源部13は、例えばDCDCコンバータなどによって構成することができる。
画素群30a、30bの両方が映像の表示に用いられる場合は、駆動回路50aから配線SLaを介して画素31aに映像信号SDaが供給され、駆動回路50bから配線SLbを介して画素31bに映像信号SDbが供給される。一方、画素群30bが記憶回路として用いられる場合は、駆動回路50bから配線SLbを介して画素31bにデータDpixが供給され、記憶される。また、画素31bに記憶されたデータDpixは、配線SLb又はその他の配線を介して、駆動回路50bに読み出される。
なお、画素群30bをフレームメモリとして用いる場合は、画素31bに映像信号SDaが記憶される。そして、画素31bに記憶された映像信号SDaは、駆動回路50bによって読み出され、コントローラ60(又はコントローラ60と接続された記憶回路など)に送信される。そして、コントローラ60から駆動回路50a、配線SLaを介して画素31aに、映像信号SDaが供給される。
なお、上記では、画素群30aを映像の表示に用い、画素群30bを記憶回路として用いる場合について説明したが、画素群30bを映像の表示に用いる期間においては、画素群30aを記憶回路として用いることができる。
<画素の構成例>
次に、画素31の構成例について説明する。以下に説明する画素31の構成例はそれぞれ、画素31a、31bのいずれにも用いることができる。
[構成例1]
図3(A)に、発光素子を用いた画素の構成例を示す。図3(A)に示す画素31は、トランジスタTr11乃至Tr13、発光素子110、容量素子C1を有する。なお、ここでは、トランジスタTr11乃至Tr13をnチャネル型としているが、Tr11乃至Tr13はそれぞれpチャネル型であってもよい。
トランジスタTr11のゲートは配線GLと接続され、ソース又はドレインの一方はトランジスタTr12のゲート、及び容量素子C1の一方の電極と接続され、ソース又はドレインの他方は配線SLと接続されている。トランジスタTr12のソース又はドレインの一方は容量素子C1の他方の電極、発光素子110の一方の電極、及びトランジスタTr13のソース又はドレインの一方と接続され、ソース又はドレインの他方は電位Vaが供給される配線ALと接続されている。発光素子110の他方の電極は、電位Vcが供給される配線CLと接続されている。トランジスタTr13のゲートは配線GLと接続され、ソース又はドレインの他方は配線MLと接続されている。トランジスタTr11のソース又はドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、及び容量素子C1の一方の電極と接続されたノードを、ノードN1とする。また、トランジスタTr12のソース又はドレインの一方、トランジスタTr13のソース又はドレインの一方、及び容量素子C1の他方の電極と接続されたノードを、ノードN2とする。
ここでは、配線ALに供給される電位Vaを高電源電位とし、配線CLに供給される電位Vcを低電源電位とした場合について説明する。また、容量素子C1は、ノードN2の電位を保持するための保持容量としての機能を有する。
トランジスタTr11は、配線SLの電位のノードN1への供給を制御する機能を有する。また、トランジスタTr13は、配線MLの電位のノードN2への供給を制御する機能を有する。具体的には、配線GLの電位を制御してトランジスタTr11、Tr13をオン状態とすることにより、配線SLの電位がノードN1に、配線MLの電位がノードN2にそれぞれ供給され、画素31の書き込みが行われる。ここで、配線SLの電位は映像信号SDに対応する電位である。その後、配線GLの電位を制御してトランジスタTr11、Tr13をオフ状態とすることにより、ノードN1、N2の電位が保持される。
そして、ノードN1、N2の間の電位に応じてトランジスタTr12のソース−ドレインの間に流れる電流量が制御され、発光素子110が当該電流量に応じた輝度で発光する。これにより、画素31の階調を制御することができる。
上記の動作を配線GLごとに順次行うことにより、画素群30において1フレーム分の映像を表示することができる。
なお、配線GLの選択には、プログレッシブ方式を用いてもよいし、インターレース方式を用いてもよい。また、駆動回路50から配線SLへの映像信号の供給は、配線SLに順次映像信号を供給する点順次駆動を用いて行ってもよいし、全ての配線SLに一斉に映像信号を供給する線順次駆動を用いて行ってもよい。また、複数の配線SLごとに順に、映像信号を供給してもよい。
そして、次のフレーム期間において、上記と同様の動作により、映像の表示が行われる。これにより、画素群30に表示される映像が書き換えられる。なお、映像の書き換えの頻度は、画素群30の観察者が書き換えによる映像の変化を識別することが難しい頻度で行う。画素群30に動画を表示する場合は、映像の書き換えの頻度を、例えば、1秒間に60回以上とすることが好ましい。これにより、なめらかな動画を表示することができる。
一方、画素群30に静止画を表示する場合や、一定期間映像が変化しない、又は変化が一定以下である動画を表示する場合などは、書き換えを行わず、直前のフレームの映像を維持することが好ましい。これにより、映像の書き換えに伴う消費電力を削減することができる。
映像の書き換えの頻度を減らす場合、ノードN1、N2の電位が長時間保持されることが好ましい。そのため、トランジスタTr11、Tr13にはOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、ノードN1、N2の電位を極めて長期間にわたって保持することができ、映像の書き換えの頻度を減らしても、表示状態を維持することができる。映像の書き換えの頻度は、例えば、1日に1回以上且つ1秒間に0.1回未満、好ましくは1時間に1回以上且つ1秒間に1回未満、より好ましくは30秒間に1回以上且つ1秒間に1回未満とすることができる。
なお、表示状態を維持するとは、映像の変化が一定の範囲より大きくならないように保持することをいう。上記一定の範囲は適宜設定することができ、例えば使用者が映像を閲覧する場合に、同じ映像であると認識できる範囲に設定することが好ましい。
また、映像の書き換えの頻度を減らすことにより、映像を表示する際のちらつき(フリッカーともいう)を低減することができる。これにより、画素群30の観察者の目の疲労を低減することができる。
また、映像の書き換えを行わない期間においては、駆動回路40及び駆動回路50に供給される電源電位や信号を停止することができる。これにより、駆動回路40及び駆動回路50における消費電力を低減することができる。
なお、トランジスタTr11、Tr13には、OSトランジスタ以外のトランジスタを用いてもよい。例えば、金属酸化物以外の単結晶半導体を有する基板の一部にチャネル形成領域が形成されるトランジスタを用いてもよい。このような基板としては、単結晶シリコン基板や単結晶ゲルマニウム基板などが挙げられる。また、トランジスタTr11、Tr13として、金属酸化物以外の材料を含む膜にチャネル形成領域が形成されるトランジスタを用いることもできる。金属酸化物以外の材料としては、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体などがあげられる。これらの材料は、単結晶半導体であってもよいし、非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体などの非単結晶半導体であってもよい。
また、トランジスタTr12、及び以下で説明するトランジスタのチャネル形成領域に用いることができる材料の例は、トランジスタTr11、Tr13と同様である。
[構成例2]
図3(B)に、液晶素子を用いた画素の構成例を示す。図3(B)に示す画素31は、トランジスタTr21、液晶素子120、容量素子C2を有する。なお、ここでは、トランジスタTr21をnチャネル型としているが、pチャネル型であってもよい。
トランジスタTr21のゲートは配線GLと接続され、ソース又はドレインの一方は液晶素子120の一方の電極、及び容量素子C2の一方の電極と接続され、ソース又はドレインの他方は配線SLと接続されている。液晶素子120の他方の電極、及び容量素子C2の他方の電極は、それぞれ所定の電位が供給される配線と接続されている。トランジスタTr21のソース又はドレインの一方、液晶素子120の一方の電極、及び容量素子C2の一方の電極と接続されたノードを、ノードN3とする。
液晶素子120の他方の電極の電位は、複数の画素31で共通の電位(コモン電位)としてもよいし、容量素子C2の他方の電極と同電位としてもよい。また、液晶素子120の他方の電極の電位は、画素31ごとに異なっていてもよい。また、容量素子C2は、ノードN3の電位を保持するための保持容量としての機能を有する。
トランジスタTr21は、配線SLの電位のノードN3への供給を制御する機能を有する。具体的には、配線GLの電位を制御してトランジスタTr21をオン状態とすることにより、配線SL電位がノードN3に供給され、画素31の書き込みが行われる。その後、配線GLの電位を制御してトランジスタTr21をオフ状態とすることにより、ノードN3の電位が保持される。
液晶素子120は、一対の電極と、一対の電極間の電圧が印加される液晶材料を含んだ液晶層と、を有する。液晶素子120に含まれる液晶分子の配向は、一対の電極間に印加される電圧の値に応じて変化し、これにより液晶層の透過率が変化する。そのため、配線SLからノードN3に供給する電位を制御することにより、画素31の階調を制御することができる。
トランジスタTr21には、OSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、ノードN3の電位を極めて長期間にわたって保持することができる。なお、上記以外の動作については、図3(A)の説明を援用することができる。
なお、図1、2に示す画素部20は、液晶素子と発光素子の両方を有していてもよい。具体的には、画素31aと画素31bの一方を図3(A)に示す画素31によって構成し、他方を図3(B)に示す画素31によって構成してもよい。これにより、液晶素子及び発光素子を用いて映像の表示を行うことができる。このような構成の詳細については、実施の形態2で説明する。
また、ここでは画素31を用いて映像を表示する場合の動作について説明したが、画素31をメモリセルとして用いる際は、上記と同様の動作により、画素31にデータを書き込むことができる。この場合、配線SLには画素31に書き込むデータに対応する電位(以下、書き込み電位ともいう)が供給される。
<画素の動作例>
次に、画素31をメモリセルとして用いる際の動作について説明する。ここでは一例として、図3(A)に示す画素31をメモリセルとして用い、データの書き込み及び読み出し行う際の動作例について説明する。
図4は、画素31の動作例を示すタイミングチャートである。ここで、期間T12、T13、T14はそれぞれ、データの書き込み期間、保持期間、読み出し期間に対応する。また、図5(A)、(B)、(C)にそれぞれ、期間T12、T13、T14における画素31の動作を示す。
まず、期間T11において、配線SLの電位をVdata、配線MLの電位をV0とする。なお、Vdataは書き込み電位である。また、配線CLの電位をVcからVc_Mに上昇させ、配線ALと配線CLの間の電圧(Va−Vc_M)が発光素子110の閾値Vth110よりも低くなるようにする。これにより、画素31をメモリセルとして用いる期間において、発光素子110を非発光の状態に維持することができる。
次に、期間T12において、配線GLの電位をローレベル(VGL_L)からハイレベル(VGL_H)にする。これにより、トランジスタTr11、Tr13がオン状態となり、配線SLの電位VdataがノードN1に、配線MLの電位V0がノードN2に、それぞれ供給される(図5(A))。これにより、画素31へのデータの書き込みが行われる。
次に、期間T13において、配線GLの電位をVGL_R(VGL_L<VGL_R<VGL_H)とし、配線SLの電位をローレベルとする。ここで、VGL_Rは配線SLの電位よりも低い電位であるとする。これにより、トランジスタTr11はオフ状態となり、ノードN1はフローティング状態となる。よって、ノードN1に書き込み電位が保持される。また、ここではVGL_Rを配線MLの電位V0よりも低く設定しているため、トランジスタTr13もオフ状態となる。
ここで、トランジスタTr12のゲート−ソース間の電圧(Vdata−V0)は、トランジスタTr12の閾値電圧VthTr12よりも大きく、トランジスタTr12はオン状態となっている。そのため、配線ALからトランジスタTr12を介してノードN2に電流が流れ、ノードN2の電位は上昇する(図5(B))。また、容量素子C1のブートストラップにより、ノードN1の電位も上昇する。そして、ノードN2の電位が配線ALの電位(Va)に達すると、ノードN1、N2の電位の上昇は止まる。
次に、期間T14において、配線MLの電位をV0_Rとする。ここでV0_Rは、V0_R<VGL_R−VthTr13(VthTr13はトランジスタTr13の閾値電圧)を満たす電位である。これにより、トランジスタTr13がオン状態となり、配線ALからトランジスタTr12、Tr13を介して配線MLに電流が流れる(図5(C))。
ここで、トランジスタTr13のオン電流がトランジスタTr12のオン電流よりも大きいとすると、ノードN2の電位は下降する。また、トランジスタTr11はオフ状態であり、ノードN1はフローティング状態に維持されているため、ノードN2の電位が下降しても、トランジスタTr12のゲート−ソース間の電圧は維持される。そして、ノードN2の電位が配線MLの電位(V0_R)に達すると、ノードN1、N2の電位の下降は止まる。
このとき、配線MLには、トランジスタTr12のゲート−ソース間の電圧に応じた電流が流れる。すなわち、期間T11においてノードN1に供給した書き込み電位Vdataに対応する電流が、配線MLに流れる。よって、配線MLを流れる電流の値から、画素31に記憶されたデータを読み出すことができる。
次に、期間T15において、配線MLの電位を配線GLの電位(VGL_R)よりも高い電位(V0)とする。これにより、トランジスタTr13がオフ状態となり、画素31は保持状態となる。
以上のような動作により、画素31においてデータの読み書きを行うことができる。なお、ここでは配線MLが画素31に記憶されたデータに対応する電流を伝える機能を有する場合について説明したが、上記の動作を適宜変更し、画素31に記憶されたデータを配線MLの電位から読み取ることもできる。また、画素31をトランジスタTr11と容量素子C1によって構成されるDRAMとして用い、画素31に記憶されたデータを配線SLの電位から読み取ることもできる。
<表示システムの動作例>
次に、上記のように画素31をメモリセルとして用いた場合の、表示システム10の動作について説明する。図6に、表示システム10の動作例を示す。
図6(A)は、表示システム10の動作の概要を示す図である。また、図6(B)は表示システム10の動作例のシーケンスであり、特に、駆動回路50b、コントローラ60、駆動回路50a、駆動回路40aの動作を示している。ここでは一例として、画素群30bをフレームメモリとして用い、画素群30bに記憶されている映像信号が画素群30aに供給される場合について説明する。
なお、図6において、GLa、GLai+1はそれぞれ、i本目、i+1本目の配線GLaを表し(iは自然数)、GLb、GLbj+1はそれぞれ、j本目、j+1本目の配線GLbを表している(jは自然数)。また、データDは、配線GLbと接続された画素31bから読み出された映像信号に対応し、データDj+1は、配線GLbj+1と接続された画素31bから読み出された映像信号に対応する。
まず、駆動回路40bによって配線GLbが選択され、駆動回路50bによって画素群30bからデータDが読み出される。そして、駆動回路50bはデータDをコントローラ60(又はコントローラ60と接続された記憶回路など)に送信する。
コントローラ60は、駆動回路50bから受信したデータDを駆動回路50aに送信する。このとき、コントローラ60は必要に応じて、データDに対して所定の処理を施してもよい。そして駆動回路50aは、コントローラ60から受信したデータDに対してデジタル−アナログ変換(DA変換)を施す。
その後、駆動回路40aによって配線GLaが選択され、駆動回路50aから配線GLaと接続された画素31aに、データDが供給される。そして、データDに対応する階調が画素31aに表示される。
また、配線GLaの選択期間中に、駆動回路40bによって配線GLbj+1が選択され、駆動回路50bによってデータDj+1が読み出される。そして、上記と同様の動作により、駆動回路50aはデータDj+1を受信し、データDj+1に対してDA変換を施す。そして、配線GLaの選択期間が終了した後、続けて駆動回路40aによって配線GLai+1が選択され、駆動回路50aから配線GLai+1と接続された画素31aにデータDj+1が供給される。このように、特定の行の配線GLaが選択されている期間中に、画素群30bから次の映像信号を読み出してDA変換を行うことにより、画素群30aへの映像信号の供給を連続して行うことができる。これにより、表示システム10の動作速度を向上させることができる。
なお、図2に示すように、画素部20が1つの画素31aと1つの画素31bを有する画素ユニット21によって構成されている場合、画素部20に含まれる画素31aと画素31bの数は等しい。そのため、画素群30bには、画素群30aに含まれる画素31aの数と同数の映像信号を記憶することができる。この場合、画素群30bには、画素群30aに表示される映像の1フレーム分に相当する映像信号を記憶することができ、画素群30bのフレームメモリとしての利用に好適である。ただし、画素31aと画素31bの数は異なっていてもよい。
<電源部・駆動回路の構成例>
次に、電源部13、駆動回路40、駆動回路50の具体的な構成例について説明する。図7に、電源部13、駆動回路40の構成例を示す。
[電源部]
図7に示すように、電源部13は回路71を有する。回路71は、配線CL(図3(A)参照)を介して画素31と接続されている。
回路71は、電位Vcと電位Vc_Mのいずれかを選択して配線CLに供給する機能を有する。画素31が映像の表示に用いられる場合は、配線CLには電位Vcが供給される。一方、画素31がメモリセルとして用いられる場合は、配線CLには電位Vc_Mが供給され、図3(A)における発光素子110が非発光状態に維持される(図4の期間T11参照)。なお、回路71における電位の選択は、コントローラ60から入力される制御信号(信号Spc)によって制御される。
なお、回路71は複数の電位を供給する機能を有していればよく、そのための具体的な構成は特に限定されない。例えば、回路71はDCDCコンバータなどを用いて構成することができる。また、回路71は、配線AL(図3(A)参照)に所定の電位Vaを供給する機能を有していてもよい。また、回路71は、配線CLに電位Vc及び電位Vc_Mを供給する機能の代わりに、配線ALに電位Va及び電位Va_Mを供給する機能を有していてもよい。この場合、配線ALの電位を制御することによって、配線ALと配線CLの間の電圧を制御することができる。
[駆動回路40]
図7に示すように、駆動回路40は複数の回路41を有する。回路41はそれぞれ、配線GLを介して画素31と接続されている。
回路41は、電位VGL_H、電位VGL_L、電位VGL_Rのいずれかを選択して、配線GLに供給する機能を有する。画素31が映像の表示に用いられる場合は、配線GLに電位VGL_Hが供給されることにより配線GLが選択状態となり、配線GLに電位VGL_Lが供給されることにより配線GLが非選択状態となる。一方、画素31がメモリセルとして用いられる場合は、配線GLにはさらに電位VGL_Rが供給される。電位VGL_Rは、画素31からデータを読み出す際に配線GLに供給される電位として用いられる(図4の期間T14参照)。なお、回路71における電位の選択は、コントローラ60から入力される制御信号(信号Sgv)によって制御される。
回路41は3種類以上の電位を供給する機能を有していればよく、そのための具体的な構成は特に限定されない。
[駆動回路50]
図8(A)に、駆動回路50の構成例を示す。駆動回路50は、複数の回路51、複数の回路52を有する。回路51はそれぞれ、配線SLを介して画素31と接続されている。また、画素31には図3(A)に示す構成が用いられており、回路52はそれぞれ配線MLを介して画素31と接続されている。
画素31が映像の表示に用いられる場合、回路51は、映像信号SDに対応する電位を配線SLに供給する機能を有する。一方、画素31がメモリセルとして用いられる場合、回路51は、画素31に書き込むデータDpixに対応する電位を配線SLに供給する機能を有する。映像信号SD及びデータDpixは、コントローラ60から入力される。
回路51の構成例を、図8(B)に示す。回路51は、DA変換回路130、オペアンプ131を有する。DA変換回路130の出力端子はオペアンプ131の非反転入力端子と接続され、オペアンプ131の出力端子は配線SLと接続されている。なお、オペアンプ131の出力端子は反転入力端子と接続されており、オペアンプ131はボルテージフォロアを構成している。回路51に入力された映像信号SD又はデータDpixは、DA変換回路130によってアナログ電位に変換され、オペアンプ131に入力される。そして、オペアンプ131は、非反転入力端子に入力されたアナログ電位を配線SLに供給する。このように、映像信号SD又はデータDpixに応じて配線SLの電位を制御することができる。
なお、ここでは回路51が、映像信号SDに対応する電位を配線SLに供給する機能と、データDpixに対応する電位を配線SLに供給する機能を有する場合について説明したが、駆動回路50には、前者の機能を有する回路と後者の機能を有する回路とを個別に設けてもよい。
また、画素31がメモリセルとして用いられる場合、回路52は、配線MLに電位V0を供給する機能と、画素31に記憶されたデータDpixをコントローラ60に出力する機能を有する。具体的には、回路52は、画素31に記憶されたデータに対応する電流(アナログ値)をデジタル値に変換し、データDpixとしてコントローラ60に出力する機能を有する。
回路52の構成例を、図8(C)に示す。回路52は、AD変換回路132、電流積分回路133、トランジスタ134を有する。また、電流積分回路133は、オペアンプ135、容量素子136、スイッチ137によって構成されている。
配線MLの電位をV0とする際は(図4の期間T11乃至T13、T15参照)、トランジスタ134のゲートに供給される電位V0_SWを制御して、トランジスタ134をオン状態にする。これにより、配線MLに電位V0が供給される。
画素31に記憶されたデータを読み出す際は、トランジスタ134をオフ状態とし、スイッチ137をオン状態にする。これにより、配線MLの電位がV0_Rとなり、配線MLには画素31に記憶されたデータに対応する電流IMLが流れる(図4の期間T14参照)。その後、スイッチ137をオフ状態とすると、オペアンプ135の出力端子から、電流IMLに対応するアナログ電位が出力される。このように、電流積分回路133は電流値を電圧値に変換する機能を有する。
そして、オペアンプ135から出力されたアナログ電位は、AD変換回路132によってデジタル値に変換され、データDpixとしてコントローラ60に出力される。このようにして、画素31に記憶されたデータを読み出すことができる。
なお、トランジスタ134、スイッチ137として、OSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、配線MLへの電荷のリークを極めて少なくすることができ、データの読み出しをより正確に行うことができる。
なお、ここでは電流IMLを用いて画素31に記憶されたデータの読み出しを行っているが、画素31の動作及び回路52の構成を適宜変更し、電圧を用いた読み出しを行ってもよい。その場合、電流積分回路133による電流電圧変換は不要となる。
<画素の変形例>
次に、図3に示した画素31の変形例について説明する。図9、10に発光素子を用いた画素31の変形例、図11に液晶素子を用いた画素31の変形例を示す。
図9に示す画素31は、トランジスタTr11乃至Tr13が一対のゲートを有している点において、図3(A)と異なる。なお、トランジスタが一対のゲートを有する場合、一方のゲートを第1のゲート、フロントゲート、又は単にゲートと呼ぶことがあり、他方のゲートを第2のゲート、又はバックゲートと呼ぶことがある。
図9(A)に示すトランジスタTr11乃至Tr13はバックゲートを有し、バックゲートはフロントゲートと接続されている。この場合、バックゲートにはフロントゲートと同じ電位が印加され、トランジスタのオン電流を増加させることができる。特に、トランジスタTr11は映像信号又はデータの書き込み、トランジスタTr13はデータの読み出しに用いられるため、図9(A)に示す構造を採用することにより、高速な読み書きが可能な画素31を実現することができる。
図9(B)に示すトランジスタTr11乃至Tr13は、バックゲートが配線BGLと接続されている。配線BGLは、バックゲートに所定の電位を供給する機能を有する配線である。配線BGLの電位を制御することにより、トランジスタTr11乃至Tr13の閾値電圧を制御することができる。特に、トランジスタTr11、Tr13はそれぞれノードN1、N2の電位の保持に用いられるため、配線BGLの電位を制御してトランジスタTr11、Tr13の閾値電圧をプラス側にシフトさせることにより、トランジスタTr11、Tr13のオフ電流を低減してもよい。なお、配線BGLに供給される電位は、固定電位であってもよいし、変動する電位であってもよい。
配線BGLは、トランジスタTr11乃至Tr13ごとに個別に設けることもできる。また、配線BGLは、半導体装置11が有する全て又は一部の画素31で共有されていてもよい。
また、トランジスタTr11乃至Tr13には、要求される性能に応じて異なる構造を採用してもよい。図10(A)に、トランジスタTr12とトランジスタTr13の構造が異なる画素31の構成例を示す。
トランジスタTr12のバックゲートはノードN2と接続され、トランジスタTr13のバックゲートはフロントゲートと接続されている。画素31からデータを読み出す際、トランジスタTr13を流れる電流は、トランジスタTr12を流れる電流よりも大きいことが好ましい(図4の期間T14参照)。そのため、トランジスタTr13には、バックゲートがフロントゲートと接続され、オン電流を増加させることが可能な構造を用いている。これにより、トランジスタTr13のオン電流をトランジスタTr12のオン電流よりも大きくすることができる。
なお、トランジスタのオン電流の大小関係は、バックゲート以外の構成によって調整することもできる。例えば、トランジスタTr13のW/L(Wはチャネル幅、Lはチャネル長)を、トランジスタTr12のW/Lよりも大きくすることにより、トランジスタTr13のオン電流をトランジスタTr12のオン電流より大きくすることもできる。
また、画素31は、図10(B)に示す構成とすることもできる。図10(B)では、配線GLからトランジスタTr11、Tr13のバックゲートに選択信号が供給されることによって、トランジスタTr11、Tr13がオン状態となり、ノードN1、N2に所定の電位が供給される。なお、トランジスタTr11、Tr13のフロントゲートは、配線MLと接続されている。
また、上記では特に発光素子を用いた画素31について説明したが、液晶素子を用いた画素31においても、同様にバックゲートを設けることができる。例えば、トランジスタTr21にフロントゲートと接続されたバックゲートを設けてもよいし(図11(A))、トランジスタTr21に配線BGLと接続されたバックゲートを設けてもよい(図11(B))。
なお、図3(B)、図11(A)、(B)に示す画素31は、トランジスタTr21と容量素子C2によって構成されるDRAMとして用いることができる。この場合、画素31におけるデータの読み書きは、配線SLを用いて行われる。しかしながら、図11(C)に示すように、データの読み出しに用いるトランジスタTr22及び配線MLを別途設けてもよい。この場合、ノードN3に保持された電位に対応する電位又は電流が、配線MLに出力される。
以上の通り、本発明の一態様は、画素群30を記憶回路として用いることにより、画素部20に映像を表示する機能及びデータを記憶する機能を備えることができる。これにより、表示システム10の面積の縮小を図ることができる。また、ある画素群30に供給される映像信号を、他の画素群30に記憶することにより、画素部20の一部をフレームメモリとして用いることができる。さらに、画素31にOSトランジスタを用いることにより、表示システム10の消費電力を低減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示システムの、より具体的な構成例について説明する。ここでは特に、半導体装置11が、反射型の液晶素子を用いて表示を行う表示ユニット311aと、発光素子を用いて表示を行う表示ユニット311bを有する構成について説明する。
図12に示す表示システム10は、表示部として機能する半導体装置11、制御部12、電源部13を有する。半導体装置11は、表示ユニット311a、311b、タッチセンサユニット312を有する。表示ユニット311aは、図1における画素群30a及び駆動回路40aを有するユニットであり、表示ユニット311bは、図1における画素群30b及び駆動回路40bを有するユニットである。また、タッチセンサユニット312は、タッチの有無、タッチ位置などの、タッチに関する情報(以下、タッチ情報ともいう)を検出する機能を有する。なお、タッチセンサユニット312は設けられていなくてもよい。
なお、表示ユニット311aは反射型の液晶素子を備えた画素31a(図示せず)を有し、表示ユニット311bは発光素子を備えた画素31b(図示せず)を有する。よって、表示ユニット311aは反射型の液晶素子を用いて映像を表示する機能を有し、表示ユニット311bは発光素子を用いて映像を表示する機能を有する。
制御部12は、図1に示す駆動回路50a、50b、コントローラ60の他、インターフェース321、記憶装置322、デコーダ323、センサコントローラ324、クロック生成回路325、タイミングコントローラ326、レジスタ327、タッチセンサコントローラ328、画像処理部330を有する。
なお、半導体装置11がタッチセンサユニット312を有しない場合、タッチセンサコントローラ328は省略することができる。また、駆動回路50a、50bは半導体装置11に設けられていてもよい。
制御部12とホスト340との通信は、インターフェース321を介して行われる。ホスト340から制御部12には、画像データ、各種制御信号などが送られる。また、制御部12からホスト340には、タッチセンサコントローラ328が取得したタッチ情報が送られる。なお、制御部12が有するそれぞれの回路は、ホスト340の規格、半導体装置11の仕様等によって、適宜取捨される。
記憶装置322は、制御部12に入力された画像データを記憶する機能を有する。ホスト340から制御部12に圧縮された画像データが送られる場合、記憶装置322は、圧縮された画像データを格納することができる。デコーダ323は、圧縮された画像データを伸長するための回路である。画像データを伸長する必要がない場合、デコーダ323は処理を行わない。なお、デコーダ323は、記憶装置322とインターフェース321との間に配置することもできる。
画像処理部330は、記憶装置322又はデコーダ323から入力された画像データに対して、各種の画像処理を行い、映像信号を生成する機能を有する。例えば、画像処理部330は、ガンマ補正回路331、調光回路332、調色回路333を有する。
また、駆動回路50bが、表示ユニット311bが有する発光素子に流れる電流を検出する機能を有する回路(電流検出回路)を有する場合、画像処理部330にはEL補正回路334を設けてもよい。EL補正回路334は、電流検出回路から送信される信号に基づいて、発光素子の輝度を調節する機能を有する。
画像処理部330で生成された映像信号は駆動回路50a、50bに出力される。駆動回路50a、50bはそれぞれ、入力された映像信号に対して必要に応じて各種の処理を行い、表示ユニット311a、311bに出力する機能を有する。
タイミングコントローラ326は、駆動回路50a、50b、タッチセンサコントローラ328、表示ユニット311aが有する駆動回路40a(図1参照)、表示ユニット311bが有する駆動回路40b(図1参照)で用いられるタイミング信号などを生成する機能を有する。
タッチセンサコントローラ328は、タッチセンサユニット312の動作を制御する機能を有する。タッチセンサユニット312で検出されたタッチ情報を含む信号は、タッチセンサコントローラ328で処理された後、インターフェース321を介してホスト340に送信される。ホスト340は、タッチ情報を反映した画像データを生成し、制御部12に送信することができる。なお、制御部12が画像データにタッチ情報を反映させる機能を有していてもよい。また、タッチセンサコントローラ328は、タッチセンサユニット312に設けられていてもよい。
クロック生成回路325は、制御部12で使用されるクロック信号を生成する機能を有する。コントローラ60は、インターフェース321を介してホスト340から送られる各種制御信号を処理し、制御部12内の各種回路を制御する機能を有する。また、コントローラ60は、制御部12内の各種回路への電源供給を制御する機能を有していてもよい。この場合、コントローラ60は、停止状態の回路への電源供給を一時的に遮断することができる。
また、コントローラ60は、電源部13に制御信号を送信し、電源部13から表示ユニット311a、311bへの電源の供給を制御する機能を有する。
レジスタ327は、制御部12の動作に用いられるデータを格納する機能を有する。レジスタ327が格納するデータとしては、画像処理部330が補正処理を行うために使用するパラメータ、タイミングコントローラ326が各種タイミング信号の波形生成に用いるパラメータなどが挙げられる。レジスタ327は、複数のレジスタで構成されるスキャンチェーンレジスタによって構成することができる。
また、レジスタ327は、駆動回路50a、50bが表示ユニット311a、312aから読み出したデータDpix(図1(B−2)参照)を記憶する機能を有する。また、レジスタ327に記憶されたデータDpixは、駆動回路50a又は駆動回路50bに送信される。駆動回路50a、50bとレジスタ327の間のデータDpixの送受信は、コントローラ60からレジスタ327に供給される制御信号によって制御される。
また、制御部12には、光センサ350と接続されたセンサコントローラ324を設けることができる。光センサ350は、外光351を検知して、検知信号を生成する機能を有する。センサコントローラ324は、検知信号に基づいて制御信号を生成する機能を有する。センサコントローラ324で生成された制御信号は、例えば、コントローラ60に出力される。
画像処理部330は、表示ユニット311aに送信する映像信号と表示ユニット311bに送信する映像信号とを分けて生成する機能を有する。この場合、光センサ350およびセンサコントローラ324を用いて測定した外光351の明るさに応じて、表示ユニット311aが有する反射型の液晶素子の反射強度と、表示ユニット311bが有する発光素子の発光強度を調整することができる。ここでは、当該調整を調光、あるいは調光処理と呼ぶ。また、当該処理を実行する回路を調光回路と呼ぶ。
例えば、晴れの日の日中に外で半導体装置11に映像を表示する場合は、発光素子を光らせずに反射型の液晶素子のみで表示を行い、夜間や暗所で半導体装置11に映像を表示する場合は、発光素子を光らせて表示を行うことができる。
また、画像処理部330は、外光の明るさに応じて、表示ユニット311aのみで表示を行うための映像信号、表示ユニット311bのみで表示を行うための映像信号、表示ユニット311aと表示ユニット311bを組み合わせて表示を行うための映像信号のいずれかを選択して生成することができる。これにより、外光の明るい環境においても、外光の暗い環境においても、良好な表示を行うことができる。さらに、外光の明るい環境においては、発光素子を光らせない、もしくは発光素子の輝度を低くすることで、消費電力を低減することができる。
また、反射型の液晶素子の表示に、発光素子の表示を組み合わせることで、色調を補正することができる。このような色調補正のためには、光センサ350およびセンサコントローラ324に、外光351の色調を測定する機能を追加すればよい。例えば、夕暮れ時の赤みがかった環境において半導体装置11に映像を表示する場合、反射型の液晶素子による表示のみではB(青)成分が足りないため、発光素子を発光させることで、色調を補正することができる。ここでは、当該補正を調色、あるいは調色処理と呼ぶ。また、当該処理を実行する回路を調色回路と呼ぶ。
画像処理部330は、半導体装置11の仕様によって、RGB−RGBW変換回路など、他の処理回路を有していてもよい。RGB−RGBW変換回路とは、RGB(赤、緑、青)画像データを、RGBW(赤、緑、青、白)画像信号に変換する機能をもつ回路である。すなわち、半導体装置11がRGBW4色の画素を有する場合、画像データ内のW(白)成分を、W(白)画素を用いて表示することで、消費電力を低減することができる。なお、半導体装置11がRGBYの4色の画素を有する場合、例えば、RGB−RGBY(赤、緑、青、黄)変換回路を用いることができる。
また、表示ユニット311aと表示ユニット311bには、互いに異なる映像を表示することもできる。反射型の液晶素子は、発光素子と比較して動作速度が遅く、映像を表示するまでに時間を要する場合がある。そのため、例えば反射型の液晶素子に背景となる静止画を表示し、発光素子に動画を表示することができる。また、このとき、反射型の液晶素子に表示する映像の書き換え頻度を減らし、映像の書き換えが行われない期間において、駆動回路50aや、表示ユニット311aが有するゲートドライバの動作を停止することができる。これにより、なめらかな動画表示と低消費電力を両立することができる。この場合、記憶装置322には、反射型の液晶素子に供給する映像信号を記憶する領域と、発光素子に供給する映像信号を記憶する領域が設けられる。
なお、表示ユニット311aと表示ユニット311bが同時に映像を表示する機能を有する場合は、制御部12に別途フレームメモリを設けてもよい。これにより、図1における画素群30a、30bの両方が映像の表示を行う期間において、当該フレームメモリに映像信号を保持することができる。なお、画素群30a又は画素群30bを記憶回路として用いる期間においては、制御部12に設けられたフレームメモリへの電力の供給を停止し、当該フレームメモリを停止状態とすることができる。これにより、制御部12の消費電力を削減することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示システムに用いることができる表示装置の構成例について説明する。
以下に説明する表示装置は、上記実施の形態で説明した半導体装置11に設けることができる。また、ここでは特に、反射型の液晶素子と発光素子を用いて表示を行うことが可能な表示装置について説明する。
図13(A)は、表示部に用いることができる表示装置500の構成の一例を示すブロック図である。表示装置500は、画素部501にマトリクス状に配列した複数の画素ユニット502を有する。また、表示装置500は、駆動回路503a、503bと、駆動回路504a、504bを有する。また、表示装置500は、方向Rに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路503aと接続された複数の配線GLaと、方向Rに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路503bと接続された複数の配線GLbを有する。また、表示装置500は、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504aと接続された複数の配線SLaと、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504bと接続された複数の配線SLbと、方向Cに配列した複数の画素ユニット502、及び駆動回路504bと接続された複数の配線MLと、を有する。
なお、画素ユニット502は、図2における画素ユニット21に対応する。また、駆動回路503a、503bは、図1等における駆動回路40a、40bに対応し、駆動回路504a、504bは、図2等における駆動回路50a、50bに対応する。なお、図13(A)においては駆動回路504a、504bが表示装置500に設けられているが、図2等に示すように、駆動回路504a、504bは表示装置500の外部(例えば、制御部12)に設けられていてもよい。
画素ユニット502は、反射型の液晶素子と、発光素子を有する。画素ユニット502において、液晶素子と発光素子とは、互いに重なる部分を有する。
図13(B1)は、画素ユニット502が有する導電層530bの構成例を示す。導電層530bは、画素ユニット502における液晶素子の反射電極として機能する。また導電層530bには、開口540が設けられている。
図13(B1)には、導電層530bと重なる領域に位置する発光素子520を破線で示している。発光素子520は、導電層530bが有する開口540と重ねて配置されている。これにより、発光素子520が発する光は、開口540を介して表示面側に射出される。
図13(B1)では、方向Rに隣接する画素ユニット502が異なる色に対応する画素である。このとき、図13(B1)に示すように、方向Rに隣接する2つの画素において、開口540が一列に配列されないように、導電層530bの異なる位置に設けられていることが好ましい。これにより、2つの発光素子520を離すことが可能で、発光素子520が発する光が隣接する画素ユニット502が有する着色層に入射してしまう現象(クロストークともいう)を抑制することができる。また、隣接する2つの発光素子520を離して配置することができるため、発光素子520のEL層をシャドウマスク等により作り分ける場合であっても、高い精細度の表示装置を実現できる。
また、図13(B2)に示すような配列としてもよい。
非開口部の総面積に対する開口540の総面積の比の値が大きすぎると、液晶素子を用いた表示が暗くなってしまう。また、非開口部の総面積に対する開口540の総面積の比の値が小さすぎると、発光素子520を用いた表示が暗くなってしまう。
また、反射電極として機能する導電層530bに設ける開口540の面積が小さすぎると、発光素子520が射出する光から取り出せる光の効率が低下してしまう。
開口540の形状は、例えば多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状とすることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状としてもよい。また、開口540を隣接する画素に寄せて配置してもよい。好ましくは、開口540を同じ色を表示する他の画素に寄せて配置する。これにより、クロストークを抑制できる。
<回路構成の例>
図14は、画素ユニット502の構成例を示す回路図である。図14では、隣接する2つの画素ユニット502を示している。画素ユニット502はそれぞれ、画素505aと画素505bを有する。
画素505aは、スイッチSW1、容量素子C10、液晶素子510を有し、画素505bは、スイッチSW2、トランジスタM1、トランジスタM2、容量素子C20、及び発光素子520を有する。また、画素505aは、配線SLa、配線GLa、配線CSCOMと接続されており、画素505bは、配線GLb、配線SLb、配線ML、配線ANOと接続されている。なお、図14では、液晶素子510と接続された配線VCOM1、及び発光素子520と接続された配線VCOM2を示している。また、図14では、スイッチSW1及びスイッチSW2に、トランジスタを用いた場合の例を示している。
画素505a、505bの接続関係はそれぞれ、図3(B)、図3(A)と同様であるため、詳細な説明は省略する。
図14に示す画素ユニット502は、例えば反射モードの表示を行う場合には、配線GLa及び配線SLaに供給される信号により画素505aを駆動することにより、液晶素子510による光学変調を利用して映像を表示することができる。また、透過モードで表示を行う場合には、配線GLb及び配線SLbに供給される信号により画素505bを駆動することにより、発光素子520を発光させて映像を表示することができる。また両方のモードで駆動する場合には、配線GLa、配線GLb、配線SLa及び配線SLbのそれぞれに供給される信号により、画素505a及び画素505bを駆動することができる。
なお、図14では一つの画素ユニット502に、一つの液晶素子510と一つの発光素子520とを有する例を示したが、これに限られない。例えば、図15(A)に示すように、画素505bが複数の副画素506b(506br、506bg、506bb、506bw)を有していてもよい。副画素506br、506bg、506bb、506bwはそれぞれ、発光素子520r、520g、520b、520wを有する。図15(A)に示す画素ユニット502は、図14とは異なり、1つの画素ユニットでフルカラーの表示が可能な画素である。
図15(A)では、画素505bに配線GLba、GLbb、SLba、SLbb、MLa、MLbが接続されている。なお、ここでは副画素506bb、506brと接続された配線MLaと、副画素506bg、506bwと接続された配線MLbを示しているが、配線MLaと配線MLbの一方は省略することもできる。また、副画素506br、506bg、506bb、506bwごとに個別に配線MLを設けてもよい。
図15(A)に示す例では、例えば4つの発光素子520として、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)を呈する発光素子を用いることができる。また液晶素子510として、白色を呈する反射型の液晶素子を用いることができる。これにより、反射モードの表示を行う場合には、反射率の高い白色の表示を行うことができる。また透過モードで表示を行う場合には、演色性の高い表示を低い電力で行うことができる。
また、図15(B)には、画素ユニット502の構成例を示している。画素ユニット502は、導電層530が有する開口部と重なる発光素子520wと、導電層530の周囲に配置された発光素子520r、発光素子520g、及び発光素子520bとを有する。発光素子520r、発光素子520g、及び発光素子520bは、発光面積がほぼ同等であることが好ましい。
なお、スイッチSW1及びスイッチSW2としては、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタを用いることにより、容量素子C10、C20に保持された電荷を極めて長期間保持することができる。そのため、半導体装置100、101によって映像信号が生成されない期間においても、画素ユニットに表示された映像を長期間維持することができる。これにより、上記実施の形態で説明した半導体装置100、101において長期間のパワーゲーティングを行うことができる。
<表示装置の構成例>
図16は、本発明の一態様の表示装置500の斜視概略図である。表示装置500は、基板551と基板561とが貼り合わされた構成を有する。図16では、基板561を破線で示している。
表示装置500は、表示領域562、回路564、配線565等を有する。基板551には、例えば回路564、配線565、及び画素電極として機能する導電層530b等が設けられる。また、図16では基板551上にIC573とFPC572が実装されている例を示している。そのため、図16に示す構成は、表示装置500とFPC572及びIC573を有する表示モジュールと言うこともできる。
回路564は、例えば駆動回路504として機能する回路を用いることができる。
配線565は、表示領域562や回路564に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC572を介して外部、またはIC573から配線565に入力される。
また、図16では、COG(Chip On Glass)方式等により、基板551にIC573が設けられている例を示している。IC573は、例えば駆動回路503、または駆動回路504などとしての機能を有するICを適用できる。なお表示装置500が駆動回路503及び駆動回路504として機能する回路を備える場合や、駆動回路503や駆動回路504として機能する回路を外部に設け、FPC572を介して表示装置500を駆動するための信号を入力する場合などでは、IC573を設けない構成としてもよい。また、IC573を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC572に実装してもよい。
図16には、表示領域562の一部の拡大図を示している。表示領域562には、複数の表示素子が有する導電層530bがマトリクス状に配置されている。導電層530bは、可視光を反射する機能を有し、後述する液晶素子510の反射電極として機能する。
また、図16に示すように、導電層530bは開口を有する。さらに導電層530bよりも基板551側に、発光素子520を有する。発光素子520からの光は、導電層530bの開口を介して基板561側に射出される。
図17に、図16で例示した表示装置の、FPC572を含む領域の一部、回路564を含む領域の一部、及び表示領域562を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を示す。
表示装置500は、基板551と基板561の間に、絶縁層720を有する。また基板551と絶縁層720の間に、発光素子520、トランジスタ701、トランジスタ705、トランジスタ706、着色層634等を有する。また絶縁層720と基板561の間に、液晶素子510、着色層631等を有する。また基板561と絶縁層720は接着層641を介して接着され、基板551と絶縁層720は接着層642を介して接着されている。
トランジスタ706は、液晶素子510と接続され、トランジスタ705は、発光素子520と接続されている。トランジスタ705とトランジスタ706は、いずれも絶縁層720の基板551側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
基板561には、着色層631、遮光層632、絶縁層621、及び液晶素子510の共通電極として機能する導電層613、配向膜633b、絶縁層617等が設けられている。絶縁層617は、液晶素子510のセルギャップを保持するためのスペーサとして機能する。
絶縁層720の基板551側には、絶縁層711、絶縁層712、絶縁層713、絶縁層714、絶縁層715、絶縁層716等の絶縁層が設けられている。絶縁層711は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層712、絶縁層713、及び絶縁層714は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁層714を覆って絶縁層716が設けられている。絶縁層714及び絶縁層716は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層712、絶縁層713、絶縁層714の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層714は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ701、トランジスタ705、及びトランジスタ706は、一部がゲートとして機能する導電層721、一部がソース又はドレインとして機能する導電層722、半導体層731を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
液晶素子510は反射型の液晶素子である。液晶素子510は、導電層530a、液晶612、導電層613が積層された積層構造を有する。また導電層530aの基板551側に接して、可視光を反射する導電層530bが設けられている。導電層530bは開口540を有する。また導電層530a及び導電層613は可視光を透過する材料を含む。また液晶612と導電層530aの間に配向膜633aが設けられ、液晶612と導電層613の間に配向膜633bが設けられている。また、基板561の外側の面には、偏光板630を有する。
液晶素子510において、導電層530bは可視光を反射する機能を有し、導電層613は可視光を透過する機能を有する。基板561側から入射した光は、偏光板630により偏光され、導電層613、液晶612を透過し、導電層530bで反射する。そして液晶612及び導電層613を再度透過して、偏光板630に達する。このとき、導電層530bと導電層613の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板630を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層631によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
発光素子520は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子520は、絶縁層720側から導電層691、EL層692、及び導電層693bの順に積層された積層構造を有する。また導電層693bを覆って導電層693aが設けられている。導電層693bは可視光を反射する材料を含み、導電層691及び導電層693aは可視光を透過する材料を含む。発光素子520が発する光は、着色層634、絶縁層720、開口540、導電層613等を介して、基板561側に射出される。
ここで、図17に示すように、開口540には可視光を透過する導電層530aが設けられていることが好ましい。これにより、開口540と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶612が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
ここで、基板561の外側の面に配置する偏光板630として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、液晶素子510に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
また、導電層691の端部を覆う絶縁層716上には、絶縁層717が設けられている。絶縁層717は、絶縁層720と基板551が必要以上に接近することを抑制するスペーサとしての機能を有する。またEL層692や導電層693aを遮蔽マスク(メタルマスク)を用いて形成する場合には、当該遮蔽マスクが被形成面に接触することを抑制する機能を有していてもよい。なお、絶縁層717は不要であれば設けなくてもよい。
トランジスタ705のソース又はドレインの一方は、導電層724を介して発光素子520の導電層691と接続されている。
トランジスタ706のソース又はドレインの一方は、接続部707を介して導電層530bと接続されている。導電層530bと導電層530aは互いに接して設けられ、これらは接続されている。ここで、接続部707は、絶縁層720に設けられた開口を介して、絶縁層720の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
基板551と基板561が重ならない領域には、接続部704が設けられている。接続部704は、接続層742を介してFPC572と接続されている。接続部704は接続部707と同様の構成を有している。接続部704の上面は、導電層530aと同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部704とFPC572とを接続層742を介して接続することができる。
接着層641が設けられる一部の領域には、接続部752が設けられている。接続部752において、導電層530aと同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層613の一部が、接続体743により接続されている。したがって、基板561側に形成された導電層613に、基板551側に接続されたFPC572から入力される信号または電位を、接続部752を介して供給することができる。
接続体743としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体743として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体743は、図17に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体743と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
接続体743は、接着層641に覆われるように配置することが好ましい。例えば、硬化前の接着層641に接続体743を分散させておけばよい。
図17では、回路564の例としてトランジスタ701が設けられている例を示している。
図17では、トランジスタ701及びトランジスタ705の例として、チャネルが形成される半導体層731を一対のゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層721により、他方のゲートは絶縁層712を介して半導体層731と重なる導電層723により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。
なお、回路564が有するトランジスタと、表示領域562が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路564が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示領域562が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層712、絶縁層713のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層712または絶縁層713はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示装置を実現できる。
基板561側において、着色層631、遮光層632を覆って絶縁層621が設けられている。絶縁層621は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層621により、導電層613の表面を概略平坦にできるため、液晶612の配向状態を均一にできる。
表示装置500を作製する方法の一例について説明する。例えば剥離層を有する支持基板上に、導電層530a、導電層530b、絶縁層720を順に形成し、その後、トランジスタ705、トランジスタ706、発光素子520等を形成した後、接着層642を用いて基板551と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁層720、及び剥離層と導電層530aのそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層631、遮光層632、導電層613等をあらかじめ形成した基板561を準備する。そして基板551または基板561に液晶612を滴下し、接着層641により基板551と基板561を貼り合せることで、表示装置500を作製することができる。
剥離層としては、絶縁層720及び導電層530aとの界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層720として、窒化シリコンや酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示装置を実現できる。
導電層530aとしては、金属酸化物や金属窒化物などを用いることが好ましい。金属酸化物を用いる場合には、水素、ボロン、リン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電層530aに用いればよい。
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
[基板]
表示装置が有する基板には、平坦面を有する基板を用いることができる。表示素子からの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイア、有機樹脂などの材料を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、表示装置の軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有する表示装置を実現できる。
また、発光を取り出さない側の基板は、透光性を有していなくてもよいため、上記に挙げた基板の他に、金属基板等を用いることもできる。金属基板は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、表示装置の局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。可撓性や曲げ性を得るためには、金属基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属、もしくはアルミニウム合金またはステンレス等の合金などを好適に用いることができる。
また、金属基板の表面を酸化する、又は表面に絶縁膜を形成するなどにより、絶縁処理が施された基板を用いてもよい。例えば、スピンコート法やディップ法などの塗布法、電着法、蒸着法、又はスパッタリング法などを用いて絶縁膜を形成してもよいし、酸素雰囲気で放置する又は加熱するほか、陽極酸化法などによって、基板の表面に酸化膜を形成してもよい。
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10−6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、ガラス繊維に有機樹脂を含浸した基板や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。このような材料を用いた基板は、重量が軽いため、該基板を用いた表示装置も軽量にすることができる。
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を、可撓性を有する基板として用いてもよい。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好ましい。
または、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基板に用いることもできる。または、ガラスと樹脂材料とが接着層により貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
可撓性を有する基板に、表示装置の表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウムなど)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂など)等が積層されていてもよい。また、水分等による表示素子の寿命の低下等を抑制するために、可撓性を有する基板に透水性の低い絶縁膜が積層されていてもよい。例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機絶縁材料を用いることができる。
基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高い表示装置とすることができる。
[トランジスタ]
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。上記では、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示している。
なお、本発明の一態様の表示装置が有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えば、第14族の元素(シリコン、ゲルマニウム等)、又は金属酸化物を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む金属酸化物などを適用できる。
特にシリコンよりもバンドギャップの大きな金属酸化物を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
シリコンよりもバンドギャップの大きな金属酸化物を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各表示領域に表示した画像の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層は、例えば少なくともインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、該半導体層を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、またはジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
半導体層を構成する金属酸化物として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、半導体層と導電層は、上記酸化物のうち同一の金属元素を有していてもよい。半導体層と導電層を同一の金属元素とすることで、製造コストを低減させることができる。例えば、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで、製造コストを低減させることができる。また半導体層と導電層を加工する際のエッチングガスまたはエッチング液を共通して用いることができる。ただし、半導体層と導電層は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、トランジスタ及び容量素子の作製工程中に、膜中の金属元素が脱離し、異なる金属組成となる場合がある。
半導体層を構成する金属酸化物は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上であることが好ましい。このように、エネルギーギャップの広い金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
半導体層を構成する金属酸化物がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、4:2:4.1等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層には、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下、さらに好ましくは1×1013/cm以下、より好ましくは1×1011/cm以下、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上のキャリア密度の金属酸化物を用いることができる。このような半導体層は、不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特性を有する。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう場合がある。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とすることが好ましい。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、金属酸化物と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体層における二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高い。
非晶質構造の金属酸化物は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、シリコンを用いることが好ましい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このような多結晶半導体を画素に適用することで画素の開口率を向上させることができる。また極めて高精細な表示部とする場合であっても、駆動回路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、トップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを低減することができるため好ましい。このとき特に、多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している。
[導電層]
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、表示装置を構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛等の酸化物を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、またはチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線および電極などの導電層や、表示素子が有する導電層(画素電極や共通電極として機能する導電層)にも用いることができる。
[絶縁層]
各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、装置の信頼性の低下を抑制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m・day)]以下とする。
[液晶素子]
液晶素子としては、例えば垂直配向(VA:Vertical Alignment)モードが適用された液晶素子を用いることができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
また、液晶の配向を制御するため、配向膜を設けることができる。なお、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
また、液晶素子として、透過型の液晶素子、反射型の液晶素子、または半透過型の液晶素子などを用いることができる。本発明の一態様では、特に反射型の液晶素子を用いることが好ましい。
透過型または半透過型の液晶素子を用いる場合、一対の基板を挟むように、2つの偏光板を設ける。また偏光板よりも外側に、バックライトを設ける。バックライトとしては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LED(Light Emitting Diode)を備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
反射型の液晶素子を用いる場合には、表示面側に偏光板を設ける。またこれとは別に、表示面側に光拡散板を配置すると、視認性を向上させられるため好ましい。
また、反射型、または半透過型の液晶素子を用いる場合、偏光板よりも外側に、フロントライトを設けてもよい。フロントライトとしては、エッジライト型のフロントライトを用いることが好ましい。LED(Light Emitting Diode)を備えるフロントライトを用いると、消費電力を低減できるため好ましい。
[発光素子]
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型などがある。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。本発明の一態様では、特にボトムエミッション型の発光素子を用いることが好ましい。
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
陰極と陽極の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
発光素子として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質、またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子からの発光のスペクトルが、可視光領域の波長(例えば350nm以上750nm以下)の範囲内に2以上のピークを有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であることが好ましい。
EL層は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、EL層における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、いずれの発光材料も含まない領域を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に、当該蛍光発光層または燐光発光層と同一の材料(例えばホスト材料、アシスト材料)を含み、且ついずれの発光材料も含まない領域を設ける構成としてもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、チタン、ニッケル、またはネオジムと、アルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)を用いてもよい。また銅、パラジウム、マグネシウムと、銀を含む合金を用いてもよい。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム膜またはアルミニウム合金膜に接して金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、酸化を抑制することができる。このような金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタンや酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とインジウム錫酸化物の積層膜、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
なお、上述した、発光層、ならびに正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、及び電子注入性の高い物質、バイポーラ性の物質等を含む層は、それぞれ量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
なお、量子ドット材料としては、コロイド状量子ドット材料、合金型量子ドット材料、コア・シェル型量子ドット材料、コア型量子ドット材料などを用いることができる。また、12族と16族、13族と15族、または14族と16族の元素グループを含む材料を用いてもよい。または、カドミウム、セレン、亜鉛、硫黄、リン、インジウム、テルル、鉛、ガリウム、ヒ素、アルミニウム等の元素を含む量子ドット材料を用いてもよい。
[接着層]
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示装置の信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
[接続層]
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
[着色層]
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
[遮光層]
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上が各構成要素についての説明である。
[作製方法例]
次に、可撓性を有する基板を用いた表示装置の作製方法の例について説明する。
ここでは、表示素子、回路、配線、電極、着色層や遮光層などの光学部材、及び絶縁層等が含まれる層をまとめて素子層と呼ぶこととする。例えば、素子層は表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
また、ここでは、表示素子が完成した(作製工程が終了した)段階において、素子層を支持し、可撓性を有する部材のことを、基板と呼ぶこととする。例えば、基板には、厚さが10nm以上300μm以下の、極めて薄いフィルム等も含まれる。
可撓性を有し、絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、代表的には以下に挙げる2つの方法がある。一つは、基板上に直接、素子層を形成する方法である。もう一つは、基板とは異なる支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支持基材を剥離し、素子層を基板に転置する方法である。なお、ここでは詳細に説明しないが、上記2つの方法に加え、可撓性を有さない基板上に素子層を形成し、当該基板を研磨等により薄くすることで可撓性を持たせる方法もある。
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接、素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基材と素子層の間で剥離し、素子層を基板に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。この方法では、支持基材や剥離層に耐熱性の高い材料を用いることで、素子層を形成する際にかかる温度の上限を高めることができ、より信頼性の高い素子を有する素子層を形成できるため、好ましい。
例えば剥離層として、タングステンなどの高融点金属材料を含む層と、当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコンなどを複数積層した層を用いることが好ましい。なお、本明細書中において、酸化窒化物は、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化物は、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。
素子層と支持基材とを剥離する方法としては、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面に液体を浸透させることなどが、一例として挙げられる。または、剥離界面を形成する2層の熱膨張係数の違いを利用し、加熱または冷却することにより剥離を行ってもよい。
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。
例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱する、または鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、または貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと有機樹脂の界面で剥離を行ってもよい。
または、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に発熱層を設け、当該発熱層を加熱することにより、当該発熱層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。発熱層としては、電流を流すことにより発熱する材料、光を吸収することにより発熱する材料、磁場を印加することにより発熱する材料など、様々な材料を用いることができる。例えば発熱層としては、半導体、金属、絶縁体から選択して用いることができる。
なお、上述した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は、剥離後に基板として用いることができる。
以上が可撓性を有する表示装置を作製する方法についての説明である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明したOSトランジスタの構成例について説明する。
<構成例1>
図18(A)は、トランジスタ900の上面図であり、図18(C)は、図18(A)に示す切断線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図18(D)は、図18(A)に示す切断線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。なお、図18(A)において、煩雑になることを避けるため、トランジスタ900の構成要素の一部(ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜等)を省略して図示している。また、切断線X1−X2方向をチャネル長方向、切断線Y1−Y2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。なお、トランジスタの上面図においては、以降の図面においても図18(A)と同様に、構成要素の一部を省略して図示する場合がある。
トランジスタ900は、基板902上のゲート電極として機能する導電膜904と、基板902及び導電膜904上の絶縁膜906と、絶縁膜906上の絶縁膜907と、絶縁膜907上の金属酸化膜908と、金属酸化膜908に接続されるソース電極として機能する導電膜912aと、金属酸化膜908に接続されるドレイン電極として機能する導電膜912bと、を有する。また、トランジスタ900上、より詳しくは、導電膜912a、912b及び金属酸化膜908上には絶縁膜914、916、918が設けられる。絶縁膜914、916、918は、トランジスタ900の保護絶縁膜としての機能を有する。
また、金属酸化膜908は、ゲート電極として機能する導電膜904側の第1の金属酸化膜908aと、第1の金属酸化膜908a上の第2の金属酸化膜908bと、を有する。また、絶縁膜906及び絶縁膜907は、トランジスタ900のゲート絶縁膜としての機能を有する。
金属酸化膜908としては、In−M(Mは、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、Nd、またはHfを表す)酸化物、In−M−Zn酸化物を用いることができる。とくに、金属酸化膜908としては、In−M−Zn酸化物を用いると好ましい。
また、第1の金属酸化膜908aは、Inの原子数比がMの原子数比より多い第1の領域を有する。また、第2の金属酸化膜908bは、第1の金属酸化膜908aよりもInの原子数比が少ない第2の領域を有する。また、第2の領域は、第1の領域よりも薄い部分を有する。
第1の金属酸化膜908aにInの原子数比がMの原子数比より多い第1の領域を有することで、トランジスタ900の電界効果移動度(単に移動度、またはμFEという場合がある)を高くすることができる。具体的には、トランジスタ900の電界効果移動度が10cm/Vsを超えることが可能となる。
例えば、上記の電界効果移動度が高いトランジスタを、選択信号を生成する駆動回路(とくに、当該駆動回路が有するシフトレジスタの出力端子に接続されるデマルチプレクサ)に用いることで、額縁幅の狭い(狭額縁ともいう)半導体装置または表示装置を提供することができる。
一方で、Inの原子数比がMの原子数比より多い第1の領域を有する第1の金属酸化膜908aとすることで、光照射時にトランジスタ900の電気特性が変動しやすくなる場合がある。しかしながら、本発明の一態様の半導体装置においては、第1の金属酸化膜908a上に第2の金属酸化膜908bが形成されている。また、第2の金属酸化膜908bのチャネル形成領域の膜厚が第1の金属酸化膜908aの膜厚よりも小さい。
また、第2の金属酸化膜908bは、第1の金属酸化膜908aよりもInの原子数比が少ない第2の領域を有するため、第1の金属酸化膜908aよりもEgが大きくなる。したがって、第1の金属酸化膜908aと、第2の金属酸化膜908bとの積層構造である金属酸化膜908は、光負バイアスストレス試験による耐性が高くなる。
上記構成の金属酸化膜とすることで、光照射時における金属酸化膜908の光吸収量を低減させることができる。したがって、光照射時におけるトランジスタ900の電気特性の変動を抑制することができる。また、本発明の一態様の半導体装置においては、絶縁膜914または絶縁膜916中に過剰の酸素を含有する構成のため、光照射におけるトランジスタ900の電気特性の変動をさらに、抑制することができる。
ここで、金属酸化膜908について、図18(B)を用いて詳細に説明する。
図18(B)は、図18(C)を用いて示すトランジスタ900の断面の、金属酸化膜908の近傍を拡大した断面図である。
図18(B)において、第1の金属酸化膜908aの膜厚をt1として、第2の金属酸化膜908bの膜厚をt2−1、及びt2−2として、それぞれ示している。第1の金属酸化膜908a上には、第2の金属酸化膜908bが設けられているため、導電膜912a、912bの形成時において、第1の金属酸化膜908aがエッチングガスまたはエッチング溶液等に曝されることがない。したがって、第1の金属酸化膜908aにおいては、膜減りがない、または極めて少ない。一方で、第2の金属酸化膜908bにおいては、導電膜912a、912bの形成時において、第2の金属酸化膜908bの導電膜912a、912bと重ならない部分がエッチングされ、凹部が形成される。すなわち、第2の金属酸化膜908bの導電膜912a、912bと重なる領域の膜厚がt2−1となり、第2の金属酸化膜908bの導電膜912a、912bと重ならない領域の膜厚がt2−2となる。
第1の金属酸化膜908aと第2の金属酸化膜908bの膜厚の関係は、t2−1>t1>t2−2となると好ましい。このような膜厚の関係とすることによって、高い電界効果移動度を有し、且つ光照射時における、しきい値電圧の変動量が少ないトランジスタとすることが可能となる。
また、トランジスタ900が有する金属酸化膜908は、酸素欠損が形成されるとキャリアである電子が生じ、ノーマリーオン特性になりやすい。したがって、金属酸化膜908中の酸素欠損、とくに第1の金属酸化膜908a中の酸素欠損を減らすことが、安定したトランジスタ特性を得る上でも重要となる。そこで、本発明の一態様のトランジスタの構成においては、金属酸化膜908上の絶縁膜、ここでは、金属酸化膜908上の絶縁膜914及び/又は絶縁膜916に過剰な酸素を導入することで、絶縁膜914及び/又は絶縁膜916から金属酸化膜908中に酸素を移動させ、金属酸化膜908中、とくに第1の金属酸化膜908a中の酸素欠損を補填することを特徴とする。
なお、絶縁膜914、916としては、化学量論的組成よりも過剰に酸素を含有する領域(酸素過剰領域)を有することがより好ましい。別言すると、絶縁膜914、916は、酸素を放出することが可能な絶縁膜である。なお、絶縁膜914、916に酸素過剰領域を設けるには、例えば、成膜後の絶縁膜914、916に酸素を導入して、酸素過剰領域を形成する。酸素の導入方法としては、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオン注入法、プラズマ処理等を用いることができる。
また、第1の金属酸化膜908a中の酸素欠損を補填するためには、第2の金属酸化膜908bのチャネル形成領域近傍の膜厚を薄くした方が好適である。したがって、t2−2<t1の関係を満たせばよい。例えば、第2の金属酸化膜908bのチャネル形成領域近傍の膜厚としては、好ましくは1nm以上20nm以下、さらに好ましくは、3nm以上10nm以下である。
<構成例2>
図19に、トランジスタ900の他の構成例を示す。図19(A)は、トランジスタ900の上面図であり、図19(B)は、図19(A)に示す切断線X1−X2間における切断面の断面図に相当し、図19(C)は、図19(A)に示す切断線Y1−Y2間における切断面の断面図に相当する。
トランジスタ900は、基板902上の第1のゲート電極として機能する導電膜904と、基板902及び導電膜904上の絶縁膜906と、絶縁膜906上の絶縁膜907と、絶縁膜907上の金属酸化膜908と、金属酸化膜908に電気的に接続されるソース電極として機能する導電膜912aと、金属酸化膜908に電気的に接続されるドレイン電極として機能する導電膜912bと、金属酸化膜908、導電膜912a、及び912b上の絶縁膜914、916と、絶縁膜916上に設けられ、且つ導電膜912bと電気的に接続される導電膜920aと、絶縁膜916上の導電膜920bと、絶縁膜916及び導電膜920a、920b上の絶縁膜918と、を有する。
導電膜920bは、トランジスタ900の第2のゲート電極に用いることができる。また、トランジスタ900を入出力装置の表示部に用いる場合は、導電膜920aを表示素子の電極等に用いることができる。
導電膜として機能する導電膜920a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜920bは、金属酸化膜908に含まれる金属元素を有する。例えば、第2のゲート電極として機能する導電膜920bと、金属酸化膜908と、が同一の金属元素を有する構成とすることで、製造コストを抑制することが可能となる。
例えば、導電膜として機能する導電膜920a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜920bとしては、In−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=2:1:3、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等が挙げられる。
また、導電膜として機能する導電膜920a、及び第2のゲート電極として機能する導電膜920bの構造としては、単層構造または2層以上の積層構造とすることができる。なお、導電膜920a、920bが積層構造の場合においては、上記のスパッタリングターゲットの組成に限定されない。
導電膜920a、920bを形成する工程において、導電膜920a、920bは、絶縁膜914、916から酸素の放出を抑制する保護膜として機能する。また、導電膜920a、920bは、絶縁膜918を形成する工程の前においては、半導体としての機能を有し、絶縁膜918を形成する工程の後においては、導電膜920a、920bは、導電体としての機能を有する。
導電膜920a、920bに酸素欠損を形成し、該酸素欠損に絶縁膜918から水素を添加すると、伝導帯近傍にドナー準位が形成される。この結果、導電膜920a、920bは、導電性が高くなり導電体化する。導電体化された導電膜920a、920bを、それぞれ酸化物導電体ということができる。一般に、酸化物半導体は、エネルギーギャップが大きいため、可視光に対して透光性を有する。一方、酸化物導電体は、伝導帯近傍にドナー準位を有する酸化物半導体である。したがって、酸化物導電体は、ドナー準位による吸収の影響は小さく、可視光に対して酸化物半導体と同程度の透光性を有する。
<金属酸化物>
次に、上記のOSトランジスタに用いることができる、金属酸化物について説明する。以下では特に、金属酸化物とCAC(Cloud−Aligned Composite)の詳細について説明する。
CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、及び絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、及び高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
CAC−OSは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、金属酸化物は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(c−axis aligned crystal)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、金属酸化物の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
またCAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
従って、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−OSは、さまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示装置を用いた表示モジュールの構成例について説明する。
図20示す表示モジュール1000は、上部カバー1001と下部カバー1002との間に、FPC1003に接続されたタッチパネル1004、FPC1005に接続された表示装置1006、フレーム1009、プリント基板1010、及びバッテリ1011を有する。
上記実施の形態で説明した表示装置は、表示装置1006として用いることができる。
上部カバー1001及び下部カバー1002は、タッチパネル1004及び表示装置1006のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル1004としては、抵抗膜方式又は静電容量方式のタッチパネルを表示装置1006に重畳して用いることができる。また、タッチパネル1004を設けず、表示装置1006に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。
フレーム1009は、表示装置1006の保護機能の他、プリント基板1010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム1009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板1010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ1011による電源であってもよい。バッテリ1011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、表示モジュール1000は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る表示システムを適用可能な電子機器について説明する。
本発明の一態様の表示システムは、外光の強さによらず、高い視認性を実現することができる。そのため、携帯型の電子機器、装着型の電子機器(ウェアラブル機器)、及び電子書籍端末などに好適に用いることができる。
図21(A)、(B)に、携帯情報端末2000の一例を示す。携帯情報端末2000は、筐体2001、筐体2002、表示部2003、表示部2004、及びヒンジ部2005等を有する。
筐体2001と筐体2002は、ヒンジ部2005で連結されている。携帯情報端末2000は、図21(A)に示すように折り畳んだ状態から、図21(B)に示すように筐体2001と筐体2002を開くことができる。
例えば表示部2003及び表示部2004に文書情報を表示することが可能であり、電子書籍端末としても用いることができる。また、表示部2003及び表示部2004に静止画像や動画像を表示することもできる。また、表示部2003は、タッチパネルを有していてもよい。
このように、携帯情報端末2000は、持ち運ぶ際には折り畳んだ状態にできるため、汎用性に優れる。
なお、筐体2001及び筐体2002には、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
なお、携帯情報端末2000は、表示部2003に設けられたタッチセンサを用いて、文字、図形、イメージを識別する機能を有していてもよい。この場合、例えば、数学又は言語などを学ぶための問題集などを表示する情報端末に対して、指、又はスタイラスペンなどで解答を書き込んで、携帯情報端末2000で正誤の判定を行うといった学習を行うことができる。また、携帯情報端末2000は、音声解読を行う機能を有していてもよい。この場合、例えば、携帯情報端末2000を用いて外国語の学習などを行うことができる。このような携帯情報端末は、教科書などの教材、又はノートなどとして利用する場合に適している。
図21(C)に携帯情報端末の一例を示す。図21(C)に示す携帯情報端末810は、筐体2011、表示部2012、操作ボタン2013、外部接続ポート2014、スピーカ2015、マイク2016、カメラ2017等を有する。
携帯情報端末2010は、表示部2012にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部2012に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン2013の操作により、電源のオン、オフ動作や、表示部2012に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末2010の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末810の向き(縦か横か)を判断して、表示部2012の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部2012を触れること、操作ボタン2013の操作、またはマイク2016を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末2010は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。例えば、携帯情報端末2010はスマートフォンとして用いることができる。また、携帯情報端末2010は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図21(D)に、カメラの一例を示す。カメラ2020は、筐体2021、表示部2022、操作ボタン2023、シャッターボタン2024等を有する。またカメラ2020には、着脱可能なレンズ2026が取り付けられている。
ここではカメラ2020として、レンズ2026を筐体2021から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ2026と筐体が一体となっていてもよい。
カメラ2020は、シャッターボタン2024を押すことにより、静止画、または動画を撮像することができる。また、表示部2022はタッチパネルとしての機能を有し、表示部2022をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ2020は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体2021に組み込まれていてもよい。
上記の電子機器には、本発明の一態様に係る表示システムを搭載することができる。この場合、上記の電子機器は、外部から入力される画像データに基づいて映像信号を生成し、当該映像信号を用いて表示部に映像を表示する機能を有する。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
10 表示システム
11 半導体装置
12 制御部
13 電源部
20 画素部
21 画素ユニット
30 画素群
31 画素
40 駆動回路
41 回路
50 駆動回路
51 回路
52 回路
60 コントローラ
71 回路
100 半導体装置
101 半導体装置
110 発光素子
120 液晶素子
130 DA変換回路
131 オペアンプ
132 AD変換回路
133 電流積分回路
134 トランジスタ
135 オペアンプ
136 容量素子
137 スイッチ
311 表示ユニット
312 タッチセンサユニット
312a 表示ユニット
321 インターフェース
322 記憶装置
323 デコーダ
324 センサコントローラ
325 クロック生成回路
326 タイミングコントローラ
327 レジスタ
328 タッチセンサコントローラ
330 画像処理部
331 ガンマ補正回路
332 調光回路
333 調色回路
334 EL補正回路
340 ホスト
350 光センサ
351 外光
500 表示装置
501 画素部
502 画素ユニット
503 駆動回路
504 駆動回路
505 画素
506b 副画素
510 液晶素子
520 発光素子
530 導電層
540 開口
551 基板
561 基板
562 表示領域
564 回路
565 配線
572 FPC
573 IC
612 液晶
613 導電層
617 絶縁層
621 絶縁層
630 偏光板
631 着色層
632 遮光層
633 配向膜
634 着色層
641 接着層
642 接着層
691 導電層
692 EL層
693 導電層
701 トランジスタ
704 接続部
705 トランジスタ
706 トランジスタ
707 接続部
711 絶縁層
712 絶縁層
713 絶縁層
714 絶縁層
715 絶縁層
716 絶縁層
717 絶縁層
720 絶縁層
721 導電層
722 導電層
723 導電層
724 導電層
731 半導体層
742 接続層
743 接続体
752 接続部
810 携帯情報端末
900 トランジスタ
902 基板
904 導電膜
906 絶縁膜
907 絶縁膜
908 金属酸化膜
912 導電膜
914 絶縁膜
916 絶縁膜
918 絶縁膜
920 導電膜
1000 表示モジュール
1001 上部カバー
1002 下部カバー
1003 FPC
1004 タッチパネル
1005 FPC
1006 表示装置
1009 フレーム
1010 プリント基板
1011 バッテリ
2000 携帯情報端末
2001 筐体
2002 筐体
2003 表示部
2004 表示部
2005 ヒンジ部
2010 携帯情報端末
2011 筐体
2012 表示部
2013 操作ボタン
2014 外部接続ポート
2015 スピーカ
2016 マイク
2017 カメラ
2020 カメラ
2021 筐体
2022 表示部
2023 操作ボタン
2024 シャッターボタン
2026 レンズ

Claims (8)

  1. 第1の画素群と、第2の画素群と、を有し、
    前記第1の画素群は、複数の第1の画素を有し、
    前記第2の画素群は、複数の第2の画素を有し、
    前記第1の画素群は、前記複数の第1の画素を用いて映像を表示する機能を有し、
    前記第2の画素群は、前記複数の第2の画素を用いて映像を表示する機能と、前記複数の第2の画素を用いてデータを記憶する機能を有し、
    前記データの記憶は、前記第2の画素群に映像が表示されていない期間に行われ、
    前記データは、前記第2の画素群に映像を表示するための映像信号以外のデータである半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2の画素は、トランジスタと、容量素子と、を有し、
    前記トランジスタは、前記容量素子と電気的に接続され、
    前記トランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有する半導体装置。
  3. 請求項1において、
    前記第2の画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、容量素子と、を有し、
    前記第1のトランジスタのゲート及び前記第3のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第2のトランジスタのゲート、及び前記容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方は、前記第3のトランジスタのソース又はドレインの一方、及び前記容量素子の他方の電極と電気的に接続され、
    前記第3のトランジスタのソース又はドレインの他方は、第2の配線と電気的に接続され、
    前記第1の配線は、選択信号を伝える機能を有し、
    前記第2の配線は、前記第2の画素に記憶されたデータに対応する電流を伝える機能を有し、
    前記第1のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有する半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記データは、前記第1の画素群に供給される映像信号である半導体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記第1の画素は、反射型の液晶素子を有し、
    前記第2の画素は、発光素子を有する半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置を用いた表示部と、制御部と、を有し、
    前記制御部は、第1の駆動回路と、第2の駆動回路と、コントローラと、を有し、
    前記第1の駆動回路は、前記第1の画素群に映像を表示するための映像信号を供給する機能を有し、
    前記第2の駆動回路は、前記第2の画素群に映像を表示するための映像信号を供給する機能と、前記第2の画素群にデータを書き込む機能と、前記第2の画素群に記憶されたデータを読み出す機能と、を有し、
    前記コントローラは、前記第2の駆動回路によって読み出されたデータを、前記第1の駆動回路に供給する機能を有する表示システム。
  7. 請求項6において、
    電源部を有し、
    前記電源部は、前記第2の画素に複数の電位を供給する機能を有し、
    前記第2の画素に供給される電位は、前記コントローラから入力される信号によって制御される表示システム。
  8. 請求項6又は7に記載の表示システムを有し、
    外部から入力される画像データに基づいて前記映像信号を生成し、前記映像信号を用いて前記表示部に映像を表示する機能を有する電子機器。
JP2017139697A 2016-07-21 2017-07-19 半導体装置、表示システム及び電子機器 Withdrawn JP2018022145A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016143097 2016-07-21
JP2016143097 2016-07-21

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018022145A true JP2018022145A (ja) 2018-02-08

Family

ID=61165659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017139697A Withdrawn JP2018022145A (ja) 2016-07-21 2017-07-19 半導体装置、表示システム及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018022145A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112567446A (zh) * 2018-08-21 2021-03-26 株式会社半导体能源研究所 显示装置及电子设备

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112567446A (zh) * 2018-08-21 2021-03-26 株式会社半导体能源研究所 显示装置及电子设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11881177B2 (en) Display device and electronic device
JP6968602B2 (ja) 半導体装置、表示システム及び電子機器
KR20240060780A (ko) 표시 장치 및 그 동작 방법
TWI721185B (zh) 半導體裝置、記憶體裝置及顯示系統
TW201810242A (zh) 顯示裝置,及顯示裝置的驅動方法
TW201801513A (zh) 顯示裝置及其動作方法,以及電子機器
US11335746B2 (en) Display device and electronic device
JP2017211644A (ja) 回路、表示システム及び電子機器
JP6744190B2 (ja) 半導体装置、及び表示システム
JP2018031944A (ja) 表示システムおよび電子機器
JP2018049042A (ja) 表示装置
JP2018022145A (ja) 半導体装置、表示システム及び電子機器
JP2018060179A (ja) 表示装置および電子機器
KR102446134B1 (ko) 반도체 장치, 표시 시스템, 및 전자 기기
JP2018066953A (ja) 表示装置の作製方法
JP2018054901A (ja) 表示システムおよび電子機器
JP2018040867A (ja) 表示装置、電子機器、及び情報提供方法
JP2018049267A (ja) 表示システム、電子機器および表示方法
JP6833443B2 (ja) 端末システム
JP2020202005A (ja) 半導体装置
JP2018036584A (ja) 表示装置
JP2018036583A (ja) 表示装置
JP2018066954A (ja) 表示装置の作製方法
JP2018028589A (ja) 表示装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20200720