JP6874525B2 - 蓄電装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活物質層を有する複数の正極電極と負極電極とがセパレータを介して交互に積層された電極組立体を複数備え、複数の電極組立体は、各電極組立体における正極電極、負極電極、及びセパレータの積層方向が複数の電極組立体同士で一致するように配置された蓄電装置の製造方法に関する。
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug in Hybrid Vehicle)などの車両には、電動機などへの供給電力を蓄える蓄電装置としてリチウムイオン二次電池などが搭載されている。二次電池は、活物質層を有する複数の正極電極と負極電極とがセパレータを介して積層された電極組立体と、該電極組立体及び電解液を収容する金属製のケースとを備える。特許文献1に開示の二次電池は、電極組立体を複数備え、複数の電極組立体は、各電極組立体における正極電極、負極電極、及びセパレータの積層方向が一致するように配置されている。また、二次電池は、積層方向に隣り合う一対の電極組立体の間に介在する絶縁部材を備える。一対の電極組立体はそれぞれ、絶縁部材と対向する対向面を備える。
特開2012−190587号公報
ところで、正極電極及び負極電極から脱落した活物質層の一部が、絶縁部材を介して複数の電極組立体を配置する際に、電極組立体の対向面と絶縁部材との間に混入し、異物となることがある。二次電池の充電時に電極組立体が積層方向に膨張すると、このような異物は絶縁部材に食い込み、絶縁部材を突き破るおそれがある。特許文献1では、対向面となる電極の極性について詳述されていないが、例えば、一方の電極組立体の対向面が正極電極、他方の電極組立体の対向面が負極電極である場合、混入した異物によって絶縁部材が突き破られると、一方の電極組立体の正極電極と他方の電極組立体の負極電極とが短絡してしまう。また、絶縁部材を設けたことによって二次電池の容量が低下することは好ましくない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、容量を低下させることなく、異物による電極組立体同士の短絡を抑制できる蓄電装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する蓄電装置の製造方法は、活物質層を有する複数のシート状の正極電極と負極電極とがセパレータを介して交互に積層された第1の電極組立体及び第2の電極組立体を備え、前記第1の電極組立体と前記第2の電極組立体は、前記第1の電極組立体における前記正極電極、前記負極電極、及び前記セパレータの積層方向と、前記第2の電極組立体における前記正極電極、前記負極電極、及び前記セパレータの積層方向とが一致するように配置された蓄電装置の製造方法であって、前記第1の電極組立体の積層方向の一端面を前記正極電極、前記第2の電極組立体の積層方向の一端面を前記負極電極とし、前記第1の電極組立体の一端面と直交する面と前記第2の電極組立体の一端面と直交する面とを対向させ、両一端面を上面に位置させた状態とし、前記正極電極の活物質層より厚みが厚く、かつ前記負極電極の活物質層より厚みが厚く、イオンが透過可能な空孔構造を有する絶縁シートを、前記第1の電極組立体の一端面、又は前記第2の電極組立体の一端面に重ね、前記第1の電極組立体と前記第2の電極組立体の一端面同士を近付けて、前記第1の電極組立体の一端面と前記第2の電極組立体の一端面との間に前記絶縁シートを介在させることを要旨とする。
このような製造方法では、第1及び第2の電極組立体の一端面同士を近付けて絶縁シートを介在させる際に、異物(正極電極又は負極電極から脱落した活物質層の一部)が、電極組立体の間に混入する可能性がある。第1の電極組立体の一端面と絶縁シートとの間、及び第2の電極組立体の一端面と絶縁シートとの間に異物が混入すると、蓄電装置の充電時の電極組立体の積層方向への膨張によって、異物は絶縁シートに食い込む。しかしながら、第1の電極組立体の一端面と第2の電極組立体の一端面との間に介在する絶縁シートの厚みを、正極電極の活物質層の厚みより厚くし、かつ負極電極の活物質層の厚みより厚くすることで、何れの活物質層から発生した異物であっても絶縁シートが突き破られることが抑制される。よって、第1及び第2の電極組立体を備える蓄電装置であっても、異物による電極組立体同士の短絡を抑制できる。また、イオンが透過可能な絶縁シートを用いることで、積層方向に隣り合う電極組立体間でのイオンの往復が可能となるため、絶縁シートを設けたとしても蓄電装置の容量は低下しない。
また、上記蓄電装置の製造方法について、前記第1の電極組立体の一端面と直交する面を、前記第1の電極組立体において積層された前記正極電極及び前記負極電極の一辺の一部から突出したタブを同じ極性同士で寄せ集めた第1のタブ群が存在するタブ側端面とし、前記第2の電極組立体の一端面と直交する面を、前記第2の電極組立体において積層された前記正極電極及び前記負極電極の一辺の一部から突出したタブを同じ極性同士で寄せ集めた第2のタブ群が存在するタブ側端面とし、前記第1の電極組立体の一端面と前記第2の電極組立体の一端面との間に前記絶縁シートを介在させる前に、前記第1のタブ群及び前記第2のタブ群を導電部材に溶接するのが好ましい。
これによれば、第1の電極組立体のタブ側端面と第2の電極組立体のタブ側端面とを対向させた状態でタブ群と導電部材とを溶接することで、第1及び第2の電極組立体の一端面同士を近付けて絶縁シートを介在させた際に、第1のタブ群は、先端が積層方向において第2の電極組立体側に向けて折り曲げられ、第2のタブ群は、先端が積層方向において第1の電極組立体側に向けて折り曲げられる。よって、タブ群と、第1及び第2の電極組立体を収容するケースとの短絡を抑制できる。また、タブ群を導電部材に溶接する際、第1のタブ群と第2のタブ群とで分けて行うことで、第1及び第2のタブ群の両方を一纏めに溶接する場合と比べて、一度に溶接するタブの枚数が少なくなる。よって、一度の溶接に必要なエネルギーを低減できる。その結果、例えば溶接装置の大型化を抑制される。
本発明によれば、容量を低下させることなく、異物による電極組立体同士の短絡を抑制できる。
実施形態の二次電池の分解斜視図。 (a)は実施形態の二次電池の断面図、(b)は(a)の拡大図。 (a),(b)は二次電池の製造方法を模式的に示す斜視図。 (a)は別例の二次電池の断面図、(b)は(a)の拡大図。
以下、蓄電装置を二次電池に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1及び図2(a)に示すように、蓄電装置としての二次電池10は、ケース11を備える。二次電池10は、ケース11に収容された電極組立体としての第1の電極組立体12aと、電極組立体としての第2の電極組立体12bと、電解液(図示せず)とを備える。ケース11は、直方体状のケース本体13と、ケース本体13の開口部13aを閉塞する矩形平板状の蓋14とを有する。ケース11を構成するケース本体13と蓋14は、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。また、本実施形態の二次電池10は、その外観が角型をなす角型電池である。また、本実施形態の二次電池10は、リチウムイオン電池である。
ケース本体13は、矩形板状の底壁13bと、底壁13bの周縁から立設された第1〜第4壁部13c〜13fとを備える。ケース本体13は、底壁13bの一対の長縁部に繋がる壁部のうちの一方の壁部に第1壁部13cを備え、第1壁部13cと対面する他方の壁部に第2壁部13dを備える。また、ケース本体13は、第1壁部13cと第2壁部13dとを繋ぎ、底壁13bの一対の短縁部に繋がる壁部のうちの一方の壁部に第3壁部13eを備え、第3壁部13eと対面する他方の壁部に第4壁部13fを備える。
二次電池10は、第1及び第2の電極組立体12a,12bから電気を取り出すための正極端子15及び負極端子16を備える。正極端子15及び負極端子16は、蓋14の貫通孔14aを貫通してケース11外に突出する。正極端子15及び負極端子16には、蓋14と絶縁するためのリング状の絶縁リング17がそれぞれ取り付けられている。二次電池10は、ケース11内に矩形板状の導電部材としての正極導電部材15aを備える。二次電池10は、ケース11内に矩形板状の導電部材としての負極導電部材16aを備える。正極端子15は、正極導電部材15aと電気的に接続され、負極端子16は、負極導電部材16aと電気的に接続されている。
第1の電極組立体12a及び第2の電極組立体12bは、複数のシート状の正極電極30と、複数のシート状の負極電極31と、複数のシート状のセパレータ32とを備える。第1の電極組立体12a及び第2の電極組立体12bは、正極電極30と負極電極31との間にセパレータ32を介在させ、かつ相互に絶縁させた状態で積層した構造を備える。
第1の電極組立体12aにおいて、正極電極30、負極電極31、及びセパレータ32が積層された方向を第1の積層方向とし、第2の電極組立体12bにおいて、正極電極30、負極電極31、及びセパレータ32が積層された方向を第2の積層方向とする。第1の電極組立体12aと第2の電極組立体12bは、第1の積層方向と第2の積層方向とが一致するように配置される。以下、第1の積層方向と第2の積層方向を単に積層方向という。また、積層方向における寸法を厚みとする。
正極電極30は、矩形シート状の正極金属箔(例えばアルミニウム箔)33と、正極金属箔33の両面に存在する活物質層としての正極活物質層34とを有する。正極電極30は、一対の長辺に沿う縁部のうちの一方の縁部に第1縁部30aを備える。正極電極30は、第1縁部30aの一部から突出したタブとしての正極タブ35を有する。正極タブ35は、正極活物質層34が存在せず、正極金属箔33そのもので構成されている。正極電極30の第1縁部30aから正極タブ35が突出する方向を正極タブ35の突出方向とする。
図2(a)及び図2(b)に示すように、負極電極31は、矩形シート状の負極金属箔(例えば銅箔)36と、負極金属箔36の両面に存在する活物質層としての負極活物質層37とを有する。負極活物質層37の厚みH37は、正極活物質層34の厚みH34よりも薄い。換言すると、正極活物質層34の厚みH34は、負極活物質層37の厚みH37よりも厚い。負極電極31は、一対の長辺に沿う縁部のうちの一方の縁部に第1縁部31aを備える。負極電極31は、第1縁部31aの一部から突出したタブとしての負極タブ38を有する。負極タブ38は、負極活物質層37が存在せず、負極金属箔36そのもので構成されている。負極電極31の第1縁部31aから負極タブ38が突出する方向を負極タブ38の突出方向とする。負極タブ38の突出方向は、正極タブ35の突出方向と一致する。また、本実施形態において、積層方向から見た負極電極31の外形は、同様に積層方向から見た正極電極30の外形よりも一回り大きい。
セパレータ32は、ポリプロピレン(PP)製である。セパレータ32は、二次電池10の充放電に伴って正極活物質のリチウムイオン(イオン)が通過可能となるように微細な空孔構造を有する。セパレータ32の厚みH32は、正極活物質層34の厚みH34より厚く、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚い。本実施形態において、積層方向から見たセパレータ32の外形は、同様に積層方向から見た負極電極31の外形と同じ大きさであり、正極電極30の外形よりも一回り大きい。
図1に示すように、第1及び第2の電極組立体12a,12bにおいて、複数の正極電極30は、それぞれの正極タブ35が積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。同様に、第1及び第2の電極組立体12a,12bにおいて、複数の負極電極31は、それぞれの負極タブ38が、正極タブ35と重ならない位置で積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。
そして、各正極タブ35は、積層方向の一端に寄せ集められてタブ群としての正極タブ群18とされる。同様に、各負極タブ38は、積層方向の一端に寄せ集められてタブ群としての負極タブ群19とされる。正極タブ群18及び負極タブ群19は、正極タブ35及び負極タブ38の突出方向の基端側に、積層方向の一端から他端に向けて屈曲された基端側屈曲部41を備える。また、正極タブ群18及び負極タブ群19は、基端側屈曲部41から積層方向に延出する延出部42を備える。第1の電極組立体12aの正極タブ群18を第1の正極タブ群18aとし、第2の電極組立体12bの正極タブ群18を第2の正極タブ群18bとする。同様に、第1の電極組立体12aの負極タブ群19を第1の負極タブ群19aとし、第2の電極組立体12bの負極タブ群19を第2の負極タブ群19bとする。
図3(a)及び図3(b)に示すように、二次電池10は、第1の正極タブ群18aの延出部42と正極導電部材15aとが溶接されて接合された溶接部としての第1溶接部61と、第2の正極タブ群18bの延出部42と正極導電部材15aとが溶接されて接合された溶接部としての第2溶接部62とを備える。また、二次電池10は、第1の負極タブ群19aの延出部42と負極導電部材16aとが溶接されて接合された溶接部としての第3溶接部63と、第2の負極タブ群19bの延出部42と負極導電部材16aとが溶接されて接合された溶接部としての第4溶接部64とを備える。
図1に示すように、第1の電極組立体12aは、第1の正極タブ群18a及び第1の負極タブ群19aが存在する端面にタブ側端面20aを備え、ケース本体13の底壁13bの内面に対向した端面に底側端面21aを備える。第1の電極組立体12aは、ケース本体13の第1壁部13cの内面と対向した端面に第1端面22aを備え、積層方向において第1端面22aと対となる端面に一端面としての第2端面23aを備える。第1端面22aは、積層方向の一端に位置する負極電極31によって構成されている。第2端面23aは、積層方向の他端に位置する負極電極31によって構成されている。第2端面23aは、第1の電極組立体12aにおいて、後述の絶縁シート50と対向する対向面である。第1の電極組立体12aは、ケース本体13の第3壁部13e及び第4壁部13fの内面と対向した端面に第3端面24aを備える。タブ側端面20a、底側端面21a、及び第3端面24aは、第2端面23aと直交する面である。
第2の電極組立体12bは、第2の正極タブ群18b及び第2の負極タブ群19bが存在する端面にタブ側端面20bを備え、ケース本体13の底壁13bの内面に対向した端面に底側端面21bを備える。第2の電極組立体12bは、ケース本体13の第2壁部13dの内面と対向した端面に第1端面22bを備え、積層方向において第1端面22bと対となる端面に一端面としての第2端面23bを備える。第1端面22bは、積層方向の一端に位置する負極電極31によって構成されている。第2端面23bは、積層方向の他端に位置する正極電極30によって構成されている。第2端面23bは、第2の電極組立体12bにおいて、後述の絶縁シート50と対向する対向面である。第2の電極組立体12bは、ケース本体13の第3壁部13e及び第4壁部13fの内面と対向した端面に第3端面24bを備える。タブ側端面20b、底側端面21b、及び第3端面24bは、第2端面23bと直交する端面である。
二次電池10は、第1の電極組立体12aの第2端面23aを構成する正極電極30と、第2の電極組立体12bの第2端面23bを構成する負極電極31との間に介在する絶縁シート50を備える。絶縁シート50は、第1の電極組立体12aの第2端面23aと、第2の電極組立体12bの第2端面23bとを絶縁する。本実施形態の絶縁シート50の材料及び形状は、上述のセパレータ32の材料及び形状と同じである。すなわち、絶縁シート50は、ポリプロピレン(PP)製であり、充放電に伴って正極活物質のリチウムイオン(イオン)が通過可能となるように微細な空孔構造を有する。また、絶縁シート50の厚みH50は、正極活物質層34の厚みH34より厚く、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚い(図2(b)参照)。
二次電池10は、第1の電極組立体12a及び第2の電極組立体12bを覆う絶縁フィルム51(図1では図示略)を備える。絶縁フィルム51は、例えばポリプロピレン(PP)製である。絶縁フィルム51は、1枚の絶縁フィルムを折り畳み、かつ溶着して袋状に形成されている。絶縁フィルム51は、第1及び第2の電極組立体12a,12bの底側端面21a,21b、第1端面22a,22b、第3端面24a,24bを覆っている。絶縁フィルム51は、第1及び第2の電極組立体12a,12bの底側端面21a,21bとケース本体13の底壁13bとを絶縁する。絶縁フィルム51は、第1の電極組立体12aの第1端面22aとケース本体13の第1壁部13cとを絶縁し、第2の電極組立体12bの第1端面22bとケース本体13の第2壁部13dとを絶縁する。また、絶縁フィルム51は、第1及び第2の電極組立体12a,12bの第3端面24a,24bとケース本体13の第3及び第4壁部13e,13fとを絶縁する。
次に、二次電池10の製造工程の一部である第1の電極組立体12aと第2の電極組立体12bの配置工程について説明する。
まず、図3(a)に示すように、第1の電極組立体12a、第2の電極組立体12b、正極導電部材15a、及び負極導電部材16aを作業台(図示せず)上に配置する。このとき、第1の電極組立体12aのタブ側端面20aと第2の電極組立体12bのタブ側端面20bとを対向させ、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとを並設する。第2端面23a,23bは鉛直方向上側に位置し、第1及び第2の電極組立体12a,12bの上面を構成する。第1端面22a,22bは作業台と当接する。また、第1の正極タブ群18aを正極導電部材15aの長手方向の一方に位置する部位に重ねて配置し、第1の負極タブ群19aを負極導電部材16aの長手方向に一方に位置する部位に重ねて配置する。同様に、第2の正極タブ群18bを正極導電部材15aの長手方向の一方に位置する部位に重ねて配置し、第2の負極タブ群19bを負極導電部材16aの長手方向の一方に位置する部位に重ねて配置する。第1の正極タブ群18aの先端と、第2の正極タブ群18bの先端とは、正極導電部材15aの短手方向に間隔を空けて対向する。同様に、第1の負極タブ群19aの先端と、第2の負極タブ群19bの先端とは、負極導電部材16aの短手方向に間隔を空けて対向する。
次に、第1の正極タブ群18aを正極導電部材15aに溶接して接合し、第1の負極タブ群19aを負極導電部材16aに溶接して接合する。これにより、第1溶接部61及び第3溶接部63が形成される。同様に、第2の正極タブ群18bを正極導電部材15aに溶接して接合し、第2の負極タブ群19bを負極導電部材16aに溶接して接合する。これにより、第2溶接部62及び第4溶接部64が形成される。そして、第2の電極組立体12bの第2端面23b上に絶縁シート50を重ねて配置する。
その後、図3(b)に示すように、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとが互いに近付くように、第1及び第2の正極タブ群18a,18bと第1及び第2の負極タブ群19a,19bを屈曲させ、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとが絶縁シート50を介して対向させる。これにより、第1及び第2の正極タブ群18a,18bと第1及び第2の負極タブ群19a,19bに基端側屈曲部41及び延出部42が形成される。
次に、本実施形態の効果を作用とともに記載する。
(1)異物(正極電極30又は負極電極31から脱落した正極活物質層34又は負極活物質層37の一部)は、第1及び第2の電極組立体12a,12bの第2端面23a,23b同士を近付けて絶縁シート50を介在させる際に、第1及び第2の電極組立体12a,12bの間に混入することがある。異物が第1の電極組立体12aの第2端面23aと絶縁シート50との間や第2の電極組立体12bの第2端面23bと絶縁シート50との間に混入した場合、二次電池10の充電時の第1及び第2の電極組立体12a,12bの積層方向への膨張によって、異物は絶縁シート50に食い込む。しかしながら、絶縁シート50の厚みH50は、正極活物質層34の厚みH34より厚く、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚いため、何れの活物質層から発生した異物であっても絶縁シート50が突き破られることが抑制される。よって、第1及び第2の電極組立体12a,12bを備える二次電池10であっても、異物による第1の電極組立体12aと第2の電極組立体12bとの短絡を抑制できる。また、リチウムイオンが透過可能な絶縁シート50を用いることで、第1の電極組立体12aと第2の電極組立体12bとの間でのリチウムイオンの往復が可能となるため、絶縁シート50を設けたとしても二次電池10の容量は低下しない。
(2)第1及び第2の正極タブ群18a,18bを正極導電部材15aに溶接する際、第1の正極タブ群18aと第2の正極タブ群18bとで2回に分けて行われる。このため、第1の正極タブ群18a及び第2の正極タブ群18bを一纏めに溶接する場合と比べて、一度に溶接する正極タブ35の枚数が少なくなる。同様に、第1及び第2の負極タブ群19a,19bを負極導電部材16aに溶接する際、第1の負極タブ群19aと第2の負極タブ群19bとで2回に分けて行われる。このため、第1の負極タブ群19a及び第2の負極タブ群19bを一纏めに溶接する場合と比べて、一度に溶接する負極タブ38の枚数が少なくなる。よって、一度の溶接に必要なエネルギーを低減できる。その結果、例えば溶接装置の大型化が抑制される。
(3)絶縁シート50の材料は、セパレータ32の材料と同じであるため、絶縁シート50用に別材料を用意せずに済む。
(4)第1の電極組立体12aのタブ側端面20aと第2の電極組立体12bのタブ側端面20bとを対向させた状態で、第1及び第2の正極タブ群18a,18bを正極導電部材15aに溶接することで、第1の正極タブ群18aは、先端が積層方向において第2の電極組立体12b側に向けて折り曲げられ、第2の正極タブ群18bは、先端が積層方向において第1の電極組立体12a側に向けて折り曲げられる。よって、第1及び第2の正極タブ群18a,18bと、第1及び第2の電極組立体12a,12bを収容するケース本体13の内面との短絡を抑制できる。同様に、第1及び第2の負極タブ群19a,19bと、ケース本体13の内面との短絡を抑制できる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
○ 二次電池10は、2つの電極組立体を備えていたが、3つ以上の電極組立体を備えていてもよい。この場合、積層方向に隣り合う一対の電極組立体について、一方の電極組立体の積層方向の端面と他方の電極組立体の積層方向の端面との間に、絶縁シート50を介在させる。
○ 正極電極30は、正極金属箔33の片面に正極活物質層34が存在する構造でもよい。同様に、負極電極31は、負極金属箔36の片面に負極活物質層37が存在する構造でもよい。
○ 負極活物質層37の厚みH37は、正極活物質層34の厚みH34と同じでもよいし、正極活物質層34の厚みH34より厚くてもよい。
○ 第1の電極組立体12aの第2端面23aは正極電極30によって構成され、第2の電極組立体12bの第2端面23bは負極電極31によって構成されてもよい。つまり、第1の電極組立体12aの第2端面23aを構成する電極と、第2の電極組立体12bの第2端面23bを構成する電極の極性が異なっていればよい。
○ 第1及び第2の電極組立体12a,12bは、複数の正極電極30と複数の負極電極31とをセパレータ32を介して交互に積層した構造であったが、電極組立体の構造はこれに限定されない。
例えば、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1及び第2の電極組立体12c,12dは、正極電極30を収納した袋状の電極収納セパレータ72と負極電極31とを交互に積層した構造であってもよい。電極収納セパレータ72は、矩形シート状のセパレータ部材としての第1セパレータ部材73及び第2セパレータ部材74を備える。第1及び第2セパレータ部材73,74は、例えばポリプロピレン(PP)製である。第1セパレータ部材73の厚みH73及び形状は、第2セパレータ部材74の厚みH74及び形状と同じである。積層方向から見た第1及び第2セパレータ部材73,74の外形は、同様に積層方向から見た正極電極30の外形よりも一回り大きい。第1及び第2セパレータ部材73,74は、第1セパレータ部材73と第2セパレータ部材74との間に正極電極30を挟んだ状態において、正極電極30の縁部からはみ出したはみ出し部73a,74aを備える。電極収納セパレータ72は、第1セパレータ部材73のはみ出し部73aと第2セパレータ部材74のはみ出し部74aとを接合することで袋状に形成される。なお、図示しないが、正極電極30の正極タブ35は、電極収納セパレータ72に収納されず、電極収納セパレータ72から突出した状態にある。
この場合、第1の電極組立体12cの第2端面23cは負極電極31によって構成され、第2の電極組立体12dの第2端面23dは正極電極30を収納した電極収納セパレータ72によって構成されている。第1の電極組立体12cの第2端面23cと第2の電極組立体12dの第2端面23dとの間には、絶縁シート52が介在する。
電極収納セパレータ72及び絶縁シート52は、ポリプロピレン(PP)製であり、二次電池10の充放電に伴って正極活物質のリチウムイオン(イオン)が通過可能となるように微細な空孔構造を有する。第1セパレータ部材73の厚みH73と絶縁シート52の厚みH52とを足し合わせた厚みHは、正極活物質層34の厚みH34より厚く、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚い。
これにより、異物(正極電極30又は負極電極31から脱落した正極活物質層34又は負極活物質層37の一部)が、第1の電極組立体12cの第2端面23cと絶縁シート52との間や第2の電極組立体12dの第2端面23dと第1セパレータ部材73との間に混入した場合、二次電池10の充電時の第1及び第2の電極組立体12a,12bの積層方向への膨張によって、異物は絶縁シート52や第1セパレータ部材73に食い込む。しかしながら、第1セパレータ部材73の厚みH73と絶縁シート52の厚みH52とを足し合わせた厚みHは、正極活物質層34の厚みH34より厚く、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚いため、何れの活物質層から発生した異物であっても絶縁シート50及び第1セパレータ部材73が突き破られることが抑制される。よって、異物による第1の電極組立体12cと第2の電極組立体12dとの短絡を抑制できる。
また、リチウムイオンが透過可能な絶縁シート52を用いることで、第1の電極組立体12cと第2の電極組立体12dとの間でのリチウムイオンの往復が可能となり、絶縁シート52を設けたとしても二次電池10の容量は低下しない。
また、第1セパレータ部材73の厚みH33と絶縁シート52の厚みH52とを足し合わせて厚みHを構成することで、1枚の絶縁シート52のみで厚みHを構成する場合と比べて、絶縁シート52の厚みH52を薄くできる。
○ セパレータ32及び絶縁シート50の材料は、適宜変更してよい。また、上記実施形態では、絶縁シート50の材料は、セパレータ32の材料と異なっていてもよい。ただし、絶縁シート50の厚みH50を、正極活物質層34の厚みH34より厚くし、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚くするとともに、リチウムイオンが透過可能な空孔構造を有するシートとする。また、複数枚の絶縁シート50を重ねることで、絶縁シート50の合計の厚みを、正極活物質層34の厚みH34より厚くし、かつ負極活物質層37の厚みH37より厚くしてもよい。
○ 上記実施形態の配置工程では、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとを並設する際に、第1の電極組立体12aのタブ側端面20a,20b同士を対向させていたが、第2端面23bと直交する他の端面(底側端面21a,21bや第3端面24a,24b)同士を対向させてもよい。この場合、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとを互いに近付けて、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとの間に絶縁シート50を介在させた後で、第1及び第2の正極タブ群18a,18bを正極導電部材15aに溶接して接合し、第1及び第2の負極タブ群19a,19bを負極導電部材16aに溶接して接合する。
○ 第1の電極組立体12aの第2端面23a上に絶縁シート50を重ねて配置した後、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとを互いに近付けて、第1の電極組立体12aの第2端面23aと第2の電極組立体12bの第2端面23bとの間に絶縁シート50を介在させてもよい。
○ 第1及び第2の正極タブ群18a,18bの両方を一纏めに正極導電部材15aに溶接してもよい。同様に、第1及び第2の負極タブ群19a,19bの両方を一纏めに負極導電部材16aに溶接してもよい。
○ 二次電池10は、リチウムイオン二次電池でもよいし、他の二次電池であってもよい。要は、正極用の活物質と負極用の活物質との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであればよい。
○ 蓄電装置は、例えばキャパシタなど、二次電池以外の蓄電装置にも適用可能である。
10…蓄電装置としての二次電池、12a…電極組立体としての第1の電極組立体、12b…電極組立体としての第2の電極組立体、15a…導電部材としての正極導電部材、16a…導電部材としての負極導電部材、18a…タブ群としての第1の正極タブ群、18b…タブ群としての第2の正極タブ群、19a…タブ群としての第1の負極タブ群、19b…タブ群としての第2の負極タブ群、23a,23b…一端面としての第2端面、30…正極電極、31…負極電極、32…セパレータ、34…活物質層としての正極活物質層、35…タブとしての正極タブ、37…活物質層としての負極活物質層、38…タブとしての負極タブ、72…電極収納セパレータ、73…セパレータ部材としての第1セパレータ、74…セパレータ部材としての第2セパレータ、50,52…絶縁シート、61〜64…溶接部としての第1〜第4溶接部。

Claims (2)

  1. 活物質層を有する複数のシート状の正極電極と負極電極とがセパレータを介して交互に積層された第1の電極組立体及び第2の電極組立体を備え、
    前記第1の電極組立体と前記第2の電極組立体は、前記第1の電極組立体における前記正極電極、前記負極電極、及び前記セパレータの積層方向と、前記第2の電極組立体における前記正極電極、前記負極電極、及び前記セパレータの積層方向とが一致するように配置された蓄電装置の製造方法であって、
    前記第1の電極組立体の積層方向の一端面を前記正極電極、前記第2の電極組立体の積層方向の一端面を前記負極電極とし、前記第1の電極組立体の一端面と直交する面と前記第2の電極組立体の一端面と直交する面とを対向させ、両一端面を上面に位置させた状態とし、
    前記正極電極の活物質層より厚みが厚く、かつ前記負極電極の活物質層より厚みが厚く、イオンが透過可能な空孔構造を有する絶縁シートを、前記第1の電極組立体の一端面、又は前記第2の電極組立体の一端面に重ね、
    前記第1の電極組立体と前記第2の電極組立体の一端面同士を近付けて、前記第1の電極組立体の一端面と前記第2の電極組立体の一端面との間に前記絶縁シートを介在させることを特徴とする蓄電装置の製造方法。
  2. 前記第1の電極組立体の一端面と直交する面を、前記第1の電極組立体において積層された前記正極電極及び前記負極電極の一辺の一部から突出したタブを同じ極性同士で寄せ集めた第1のタブ群が存在するタブ側端面とし、
    前記第2の電極組立体の一端面と直交する面を、前記第2の電極組立体において積層された前記正極電極及び前記負極電極の一辺の一部から突出したタブを同じ極性同士で寄せ集めた第2のタブ群が存在するタブ側端面とし、
    前記第1の電極組立体の一端面と前記第2の電極組立体の一端面との間に前記絶縁シートを介在させる前に、前記第1のタブ群及び前記第2のタブ群を導電部材に溶接する請求項に記載の蓄電装置の製造方法。
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