JP6874490B2 - タイヤ用ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、タイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
低燃費性能を向上させたタイヤでは、ケースやブレーカー等のタイヤ内部のゴム組成物にも低発熱化が求められており、例えば、天然ゴムを主成分とする原料ゴムに対して、BET比表面積160m/g以上のシリカを80質量部以下配合したゴム組成物が汎用されている(特許文献1参照)。
このようなゴム組成物を200リットル以上の密閉式混合機で混練する場合、シリカの凝集を防ぎながらゴムの発火温度以下で混練し、かつ混練直後にシート状に加工可能とするためには、低回転数で長時間混練する必要がある。更に、原材料の分割投入等、多数の混練工程を必要としているのが実情である。
特開2007−231190号公報
本発明は、前記課題を解決し、混練中の粘度の過度な上昇を抑制すると共に、混練工程数の削減も可能なタイヤ用ゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対する、シリカ含有量が45質量部以上、カーボンブラック含有量が5質量部以下であるタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、下記(1)〜(2)の条件を満たすタイヤ用ゴム組成物の製造方法に関する。
(1)シリカを混練機に多段階に投入する。
(2)第一段階でのシリカ投入量は、ゴム成分100質量部に対して、28質量部以下である。
前記製造方法は、下記(3)の条件を満たすことが好ましい。
(3)第一段階でのシリカ投入量は、タイヤ用ゴム組成物中の全シリカ100質量%に対して、30〜50質量%である。
前記製造方法は、下記(4)の条件を満たすことが好ましい。
(4)第二段階でのシリカ投入量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以下である。
前記製造方法は、下記(5)の条件を満たすことが好ましい。
(5)第二段階でのシリカ投入量は、第一段階でのシリカ投入量100質量%に対して、50質量%以上である。
前記製造方法は、下記(6)〜(7)の条件を満たすことが好ましい。
(6)第一段階では、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、及びカーボンブラックを用いる場合は該カーボンブラック、のみを混合する。
(7)第二段階では、第一段階で得られた混合物、シリカ及びシランカップリング剤のみを混合する。
前記タイヤ用ゴム組成物がカーボンを含まないものであることが好ましい。
前記製造方法は、リミル工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、イソプレン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対する、シリカ含有量が45質量部以上、カーボンブラック含有量が5質量部以下であるタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、上記(1)〜(2)の条件を満たすタイヤ用ゴム組成物の製造方法であるので、混練中の粘度の過度な上昇を抑制すると共に、混練工程数の削減も可能となる。
本発明は、イソプレン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対する、シリカ含有量が45質量部以上、カーボンブラック含有量が5質量部以下であるタイヤ用ゴム組成物の製造方法で、該製造方法は、上記(1)〜(2)の条件を満たす。
例えば、イソプレン系ゴム(原料ゴム)に高窒素吸着比表面積シリカを所定量含むゴム組成物では、シリカの凝集に起因して混練の各段階でムーニー粘度ML(1+4)が上昇し、次工程での加工に耐え得るようにML(1+4)値を低下させるためには、混練工程数を増加させる必要がある。そのため、生産性が悪化し、特に、多量のシリカを含む場合、その傾向が顕著である。
これに対し、本発明は、シリカを多段階に分割して混練機に投入し、かつシリカ分割投入の第一段階での投入量(混練機への最初のシリカ投入量)を所定量以下に調整した製法である。これにより、シリカの凝集を極力防ぎ、混練の各段階でML(1+4)の上昇を抑制できる。従って、混練中のML(1+4)の上昇を抑制し、混練直後にシート状に加工可能とできる。また、ゴム組成物の製造における混練工程数を削減でき、優れた生産性も付与できる。
前記のとおり、本発明では、イソプレン系ゴムを含むゴム成分に対し、シリカ量、カーボンブラック量を所定量に調整したゴム組成物が製造される。先ず、本発明で製造されるゴム組成物の成分について説明する。
イソプレン系ゴムとしては、合成イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、NR、IRが好ましく、NRがより好ましい。
低燃費性能等の性能を阻害しない範囲内で他のゴム成分を配合してもよく、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチル系ゴムなどが挙げられる。
上記製造方法で作製されるゴム組成物では、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、低燃費性等の観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは100質量%である。
シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
上記製造方法で作製されるゴム組成物では、シリカの含有量は、低燃費性能等の観点から、ゴム成分100質量部に対して、45質量部以上、より好ましくは50質量部以上、更に好ましくは55質量部以上である。加工性、シリカ分散性等の観点から、該含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、破壊強度等の観点から、160m/g以上が好ましく、170m/g以上がより好ましい。また、該シリカのNSAの上限は特に限定されないが、低燃費性能、加工性の観点から、500m/g以下が好ましく、300m/g以下がより好ましい。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカを含む場合、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
上記製造方法で作製されるゴム組成物では、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは3〜10質量部である。
カーボンブラックとしては特に限定されず、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
上記製造方法で作製されるゴム組成物では、カーボンブラックの含有量は、低燃費性能等の観点から、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以下、好ましくは0質量部である。
前記ゴム組成物には、通常、加硫薬品(加硫剤、加硫促進剤)が配合される。加硫薬品としては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。加硫剤としては、硫黄が好ましい。上記製造方法で作製されるゴム組成物では、加硫剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部以上である。
加硫促進剤としては、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類、キサントゲン酸塩類が好ましい。上記製造方法で作製されるゴム組成物では、加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜7質量部がより好ましい。
前記ゴム組成物には、上記の材料以外にも、オイル、老化防止剤、界面活性剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ワックス等、タイヤ工業において一般的に用いられている各種材料を適宜配合してもよい。
続いて、製法について説明する。
本発明の製造方法は、下記(1)〜(2)の条件を満たす。
(1)シリカを混練機に多段階に投入する。
(2)第一段階でのシリカ投入量は、ゴム成分100質量部に対して、28質量部以下である。
すなわち、本発明では、混練機を用いた材料の混練工程において、シリカを多段階で分割投入する方法が採用される。シリカの多段階の分割投入は、ML(1+4)の上昇抑制の観点から、好ましくは2段階以上、より好ましくは3段階以上である。上限は特に限定されないが、生産性の観点から、該分割投入は、7段階以下が好ましく、5段階以下がより好ましい。
(第一段階)
前記のとおり、第一段階でのシリカ投入量(分割投入の最初のシリカ投入量)は、ML(1+4)の上昇抑制の観点から、ゴム成分100質量部(本発明の製造方法で作製されるゴム組成物に含まれる全ゴム量)に対して、28質量部以下、好ましくは25質量部以下である。
前記製造方法は、下記(3)の条件を満たすことが好ましい。
(3)第一段階でのシリカ投入量は、タイヤ用ゴム組成物中の全シリカ100質量%に対して、30〜50質量%である。
すなわち、ML(1+4)の上昇抑制の観点から、シリカ分割投入の第一段階で、本発明の製造方法で作製されるゴム組成物に含まれる全シリカ量(混練機に投入する全シリカ量)100質量%中、30〜50質量%のシリカ量を投入することが好ましい。
前記製造方法の第一段階では、ゴム成分(上記製造方法で作製されるゴム組成物に含まれる全ゴム成分)100質量%中、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは全量が投入される。
前記製造方法は、下記(6)の条件を満たすことが好ましい。
(6)第一段階では、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、及びカーボンブラックを用いる場合は該カーボンブラック、のみを混合する。
すなわち、シリカ分割投入の第一段階では、ML(1+4)の上昇抑制効果、フィラーの分散性の観点から、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、カーボンブラックを用いる場合は該カーボンブラック、のみを混合することが好ましい。
カーボンブラックを用いる場合、第一段階で80質量%以上(好ましくは90質量%以上、より好ましくは全量)を混練することが望ましい。なお、シランカップリング剤の各段階での投入量に関しては、各段階のシリカ投入量に応じて適宜選択すればよい(各段階で記載のシリカ投入量、投入割合と、同一割合に分割して投入する、等)。
(第二段階)
前記製造方法は、下記(4)の条件を満たすことが好ましい。
(4)第二段階でのシリカ投入量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以下である。
すなわち、第二段階でのシリカ投入量(分割投入の2番目のシリカ投入量)は、ML(1+4)の上昇抑制の観点から、ゴム成分100質量部(本発明の製造方法で作製されるゴム組成物に含まれる全ゴム量)に対して、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
前記製造方法は、下記(5)の条件を満たすことが好ましい。
(5)第二段階でのシリカ投入量は、第一段階でのシリカ投入量100質量%に対して、50質量%以上である。
すなわち、ML(1+4)の上昇抑制効果、フィラーの分散性の観点から、シリカ分割投入の第二段階(2番目のシリカ投入)において、第一段階でのシリカ投入量の全量100質量%に対し、50質量%以上の量のシリカを投入することが好ましい。より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。同様の観点から、上限は、100質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましい。
前記製造方法は、下記(7)の条件を満たすことが好ましい。
(7)第二段階では、第一段階で得られた混合物、シリカ及びシランカップリング剤のみを混合する。
すなわち、シリカ分割投入の第二段階では、ML(1+4)の上昇抑制効果、フィラーの分散性の観点から、第一段階により得られた混合物、シリカ及びシランカップリング剤のみを混合することが好ましい。
(第三段階以降)
第三段階以降でのシリカ投入量(分割投入の3番目以降のシリカ投入量)は、ML(1+4)の上昇抑制の観点から、タイヤ用ゴム組成物中の全シリカ(本発明の製造方法で作製されるゴム組成物に含まれる全シリカ量)100質量%に対して、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
本発明では、全材料をすべて混練機に投入し、混練した後、得られた混合物を更に混練するリミル工程(再混練工程)を行うことが好ましい。これにより、ML(1+4)の上昇抑制効果、良好なフィラーの分散性が得られる。リミル工程の回数は特に限定されないが、生産性という点からは、少ないほど良い。本発明では、リミル工程数の削減が可能であり、3回以下にすることが可能である。
前述の本発明の製造方法の具体的な例としては、例えば、イソプレン系ゴムを含むゴム成分、シリカの一部、シランカップリング剤の一部、及び製造するゴム組成物がカーボンブラックを含む場合は該カーボンブラックを混練するベース練り工程1(前記第一段階)と、前記工程1で得られた混合物1、シリカの一部、及びシランカップリング剤の一部を混練するベース練り工程2(前記第二段階)と、前記工程2で得られた混合物2、シリカの残部、及びシランカップリング剤の残部を混練するベース練り工程3(前記第三段階)とを含む製法が挙げられる。
前記製法では、先ず、イソプレン系ゴムを含むゴム成分と、シリカの一部と、シランカップリング剤の一部と、製造するゴム組成物がカーボンブラックを含む場合は該カーボンブラックとを混練するベース練り工程1が実施される。
ベース練り工程1の条件(シリカ投入量等)は、前記第一段階の条件を採用できる。
ベース練り工程1で使用する混練機としては、密閉型のバンバリーミキサーが好ましい。バンバリーミキサーのローターの形状は、接線式、噛合式のいずれであってもよい。密閉型のバンバリーミキサーの容量は、特に限定されず、200リットル以上の装置でも使用可能である(上限は特に限定されないが、500リットル以下が好ましい)。
ベース練り工程1(前記第一段階)では、ゴム温度が140〜170℃となった時点で排出することが好ましい。また、ベース練り工程1の混練時間は特に限定されないが、1〜3分程度が好ましい。
前記ベース練り工程1の後、それにより得られた混合物1、シリカの一部、及びシランカップリング剤の一部を混練するベース練り工程2を実施する。ベース練り工程2の条件(シリカ投入量等)は、前記第二段階の条件を採用できる。
ベース練り工程2では、ベース練り工程1と同様の混練機で混練を行い、ゴム温度が140〜170℃となった時点で排出することが好ましい。また、ベース練り工程2の混練時間は特に限定されないが、1〜3分程度が好ましい。
前記ベース練り工程2の後、ベース練り工程2で得られた混合物2、シリカの残部、及びシランカップリング剤の残部を混練するベース練り工程3を実施する。ベース練り工程3の条件(シリカ投入量等)は、前記第三段階の条件を採用できる。
ベース練り工程3では、混合物2、シリカ及びシランカップリング剤の残部の他、加硫薬品以外の残りの全成分(老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、ワックス、オイルなど)も投入することが望ましい。
ベース練り工程3では、ベース練り工程1と同様の混練機で混練を行い、ゴム温度が140〜170℃となった時点で排出することが好ましい。また、ベース練り工程3の混練時間は特に限定されないが、1〜3分程度が好ましい。
ベース練り工程3で加硫薬品以外の全成分を混練した後、ベース練り工程3で得られた混合物3を更に混練するリミル工程(再練工程)を1回以上実施することが好ましい。これにより、混練中のML(1+4)の上昇を抑制し、混練直後にシート状に加工可能とすることが容易になる。リミル工程の回数は、適宜選択すればよいが、本発明は、混練回数を削減できる製法であり、例えば、前記のとおり、3回以下にできる。
リミル工程では、ベース練り工程1と同様の混練機で混練を行い、ゴム温度が140〜170℃となった時点で排出することが好ましい。また、リミル工程の混練時間は特に限定されないが、1〜3分程度が好ましい。
なお、ここでは、ベース練り工程1〜3の3段階でシリカ等の加硫薬品以外の全成分を分割投入する製法を記載しているが、分割投入の回数は特に限定されず、更に多段階に分けて該全成分を分割投入してもよい。但し、混練工程の増加は生産性の悪化につながるため、生産性、フィラー分散性、粘度上昇抑制性のバランスの観点から、該全成分の分割投入は、7段階以下が好ましく、5段階以下が更に好ましい。
通常、ベース練り工程1〜3、リミル工程で混合物を得た後、該混合物及び加硫薬品を投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得る仕上げ練り工程を実施する。
仕上げ練り工程では、混練中のゴム温度の上昇によってスコーチが発生することを防止するため、ゴム温度が所定の温度(好ましくは120℃以下)に達した時点で混練を終了し、未加硫ゴム組成物を混練機から排出することが好ましい。また、仕上げ練り工程の混練時間は特に限定されないが、1〜3分程度が好ましい。
仕上げ練り工程で使用する混練機は、ベース練り工程1と同様、密閉型のバンバリーミキサーであってもよいし、オープンロール等も使用可能である。これにより、全原材料を混練した未加硫ゴム組成物が得られる。
そして、仕上げ練り工程で得られた未加硫ゴム組成物を、タイヤ部材(好ましくはケース、ブレーカー等のタイヤ内部部材)の形状に合わせて圧延加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧することで、タイヤを製造できる。
タイヤ(空気入りタイヤ)としては、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等が挙げられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技用タイヤ(レース用タイヤ)等を含む。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
IR:日本ゼオン(株)製のNipol IR2200
シリカ:ローディア社製Zeosil 195GR、窒素吸着比表面積が180m/g
シランカップリング剤:エボニックデグッサ社製のSi266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックHAF(N330、NSA:79m/g)
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:フレキシス(株)製のクリステックスHSOT20
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーDZ(N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)
(実施例及び比較例)
(ベース練り工程(第1段階〜第10段階))
表1に示す配合内容に従い、材料をバンバリーミキサーに投入して混練し、ゴム温度が165℃になった時点で排出した。混練時間は3分であった。
なお、「リミル」と記載されている箇所は、前工程で得られた混合物(シートゴム)のみをバンバリーミキサーに投入して更に混練した(排出温度165℃、混練時間2分)。
(仕上げ練り工程)
得られた混合物、硫黄及び加硫促進剤をバンバリーミキサーに投入して混練し、未加硫ゴム組成物を得た。混練は、ゴム温度が100℃になった時点で終了した。混練時間は2分であった。
上記で得られた未加硫ゴム組成物について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(ムーニー粘度)
JIS K6300に従い、130℃で、混練直後における上記未加硫ゴム組成物のムーニー粘度ML(1+4)130℃を測定した。ムーニー粘度が低い場合、次工程での加工性を確保できることを示す。60以下であれば、良好な加工性を確保できる。
(生産性)
混練工程(ベース練り工程、仕上げ練り工程)の回数を評価した。回数が少ないほど、生産性に優れることを示す。
Figure 0006874490
配合A(シリカ50質量部)の実施例・比較例(水準1、2)の対比から、第一段階のシリカ投入量を30〜35質量部を25質量部に減量することで、ベース練り工程の工程数7工程から6工程に削減できた。また、ML(1+4)も低下しており、混練工程数が少ないにもかかわらず、加工性が改善されることも明らかとなった。配合B(シリカ45質量部、カーボンブラック5質量部)の実施例・比較例でも同様の効果が得られた。
配合C〜D(シリカ80質量部)では、シリカが多量である分、配合A〜Bに比べ、混練工程数の増加傾向が見られるものの、同様に、第一段階のシリカ投入量の減量により、混練工程数の削減効果が得られた(10工程→8工程)。同様に、加工性も改善された。

Claims (6)

  1. イソプレン系ゴムを含むゴム成分100質量部に対する、シリカ含有量が45質量部以上、カーボンブラック含有量が5質量部以下であるタイヤ用ゴム組成物の製造方法であって、
    下記(1)〜(2)、(6)〜(7)の条件を満たすタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    (1)シリカを混練機に多段階に投入する。
    (2)第一段階でのシリカ投入量は、ゴム成分100質量部に対して、28質量部以下である。
    (6)第一段階では、ゴム成分、シリカ、シランカップリング剤、及びカーボンブラックを用いる場合は該カーボンブラック、のみを混合する。
    (7)第二段階では、第一段階で得られた混合物、シリカ及びシランカップリング剤のみを混合する。
  2. 下記(3)の条件を満たす請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    (3)第一段階でのシリカ投入量は、タイヤ用ゴム組成物中の全シリカ100質量%に対して、30〜50質量%である。
  3. 下記(4)の条件を満たす請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    (4)第二段階でのシリカ投入量は、ゴム成分100質量部に対して、25質量部以下である。
  4. 下記(5)の条件を満たす請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
    (5)第二段階でのシリカ投入量は、第一段階でのシリカ投入量100質量%に対して、50質量%以上である。
  5. タイヤ用ゴム組成物がカーボンを含まないものである請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
  6. リミル工程を含む請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物の製造方法。
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