JP6873377B2 - バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
近年、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などのバーハンドルタイプの車両(以下、単にバーハンドル車両という)に対して、例えば、坂道発進を補助するヒルホールド機能などの保持制御を搭載することが検討されている。
従来、バーハンドル車両においてヒルホールド機能を備えたブレーキ液圧制御装置として特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1のブレーキ液圧制御装置では、ヒルホールド制御を行うための切替弁および吸入弁を備えた液圧路を液圧回路中に別途追加した構成となっている。
特許文献1のバーハンドル車両では、坂道で停止する場合などに、運転者がブレーキレバー等を離しても、運転者の追加的な操作を必要としないで車両を停止させておくことができる。
特許第5653067号公報
しかしながら、特許文献1のバーハンドル車両では、切替弁および吸入弁を備えた液圧路を液圧回路中に別途追加する必要がありコストが増加するという課題があった。
なお、バーハンドル車両へのヒルホールド機能などの保持制御の搭載を簡単化するために、従来の四輪自動車に搭載される液圧ユニットをバーハンドル車両に用いることも考えられる。しかしながら、四輪用の液圧ユニットは、バーハンドル車両に対して大きすぎるため搭載には不向きである。
本発明は、前記した課題を解決し、コストの低減を図りつつ装置の小型化を図ることが可能なバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、前輪のブレーキ系統と後輪のブレーキ系統とを備え、それぞれの前記ブレーキ系統にマスタシリンダおよび車輪ブレーキが設けられたバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置である。前記ブレーキ系統のうち少なくとも一方のブレーキ系統は、前記マスタシリンダと前記車輪ブレーキとを接続するための液路が内部に形成された基体を備えている。前記基体には、前記車輪ブレーキに通じる液路のブレーキ液圧を増圧、保持および減圧するための常開型の電磁弁からなる入口弁および常閉型の電磁弁からなる出口弁が装着されている。また、前記基体には、前記車輪ブレーキの液圧を保持する常開型の電磁弁からなる保持弁が装着されている。前記入口弁、前記出口弁および前記保持弁は、前記基体の同じ面に装着されている。前記保持弁は、前記マスタシリンダ側の操作が解除された状態でも前記車輪ブレーキのブレーキ液圧を保持することを特徴とする。
本発明では、入口弁、出口弁および保持弁を装着する装着穴を基体の同一面に形成することができる。よって、これらの三つの装着穴を基体の同一方向から加工することができ、加工コストを抑えることができる。
また、保持弁を制御するためのコイルやECU基板等の電子部品を搭載するハウジングを、入口弁および出口弁を制御するためのハウジングに一体化することができる。これにより、装置の小型化を図ることができる。また、ハウジングを共用することができるので、部品点数の増加を防止できる。
前記したバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記入口弁および前記出口弁は、前記基体の装着面の中心を通る基準線で二分される一方の領域に配置されているのがよい。この場合には、前記保持弁が、前記基準線を挟んで前記入口弁または前記出口弁に対向する位置に配置されているのがよい。この構成では、製造時に二系統のブレーキ系統を備える基体の加工を変更することで、保持弁を備える基体の構成とすることができる。これにより、一系統のアンチロックブレーキ機能およびヒルホールド機能などの保持制御を備えたユニットに容易に構成できる。つまり、二系統のブレーキ系統を備えるユニットに装着される部品や製造設備をそのまま利用して、一系統のアンチロックブレーキ機能およびヒルホールド機能などの保持制御を備えたユニットを製造できる。したがって、コストを低減することができる。
前記したバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置において、前記保持弁は、前記基準線を挟んで前記入口弁に対向する位置に配置されているのがよい。また、前記保持弁と前記入口弁とは、外形状が同一形状の電磁弁であるのがよい。この構成では、入口弁に装着される電磁弁と同じ電磁弁を保持弁として使用することができる。また、入口弁に装着されるコイルと同じコイルを保持弁に使用することができる。したがって、部品の種類が少なくなり、部品の共通化を図ることができる。
本発明のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置では、コストの低減を図りつつ装置の小型化を図ることが可能である。
本発明の一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置を示した斜視図である。 同じくバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置を示した分解斜視図である。 同じく基体を示す図であり、(a)は上面図、(b)は前面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。 同じく基体を示す図であり、(a)は後面図、(b)は下面図である。 本発明の一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部の透視図であって、(a)は前面からみた透視図、(b)は右側面からみた透視図である。 本発明の一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部の透視図であって、(a)は後面からみた透視図、(b)は左側面からみた透視図である。 本発明の一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部に形成された各装着穴および流路の内面を可視化した図であり、前面側からみた斜視図である。 本発明の一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の流路構成部に形成された各装着穴および流路の内面を可視化した図であり、後面側からみた斜視図である。 本発明の一実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の液圧回路図である。 二系統のブレーキ系統が備わるブレーキ液圧制御装置の基体を示す図であり、(a)は上面図、(b)は前面図、(c)は左側面図、(d)は右側面図である。 同じく二系統のブレーキ系統が備わるブレーキ液圧制御装置の基体を示す図であり、(a)は後面図、(b)は下面図である。 同じく二系統のブレーキ系統が備わるブレーキ液圧制御装置の流路構成部の透視図であって、(a)は前面からみた透視図、(b)は右側面からみた透視図である。 同じく二系統のブレーキ系統が備わるブレーキ液圧制御装置の流路構成部の、後面からみた透視図である。
以下では、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、バーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置の前後上下左右を言うときは、図1に示す方向を基準とする。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
本実施形態のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置(以下、単に「ブレーキ液圧制御装置」という)Uは、自動二輪車、自動三輪車、オールテレーンビークル(ATV)などバーハンドルタイプの車両に用いられるものである。
ブレーキ液圧制御装置Uは、車輪ブレーキに作用するブレーキ液圧を制御するものであり、マスタシリンダと車輪ブレーキとの間に接続される。
(ブレーキ液圧制御装置の構成)
ブレーキ液圧制御装置Uは、図1、図2に示すように、基体100と、モータ(電動モータ)200と、コントロールハウジング300と、制御装置400(図2参照)と、を備えている。モータ(電動モータ)200は、基体100の後面11bに取り付けられる。コントロールハウジング300は、基体100の前面11a(図2参照)に取り付けられる。制御装置400は、コントロールハウジング300内に収容される。
ブレーキ液圧制御装置Uは、図8に示す後輪側のブレーキ系統K1の液圧回路を具現化したものである。ブレーキ液圧制御装置Uは、後輪に設けられた車輪ブレーキRのアンチロックブレーキ制御を実行可能であり、さらに、後輪の車輪ブレーキRのヒルホールド機能などの保持制御を実行可能である。本実施形態では、ブレーキ液圧制御装置Uの保持制御として、ヒルホールド機能を実行するためのヒルホールド制御について説明する。
なお、図8に示す前輪側のブレーキ系統K2は、前輪に設けられた車輪ブレーキFのアンチロックブレーキ制御を実行可能である。前輪側のブレーキ系統K2は、ブレーキ液圧制御装置Uとは別個に設けられた図示しないブレーキ液圧制御装置U1に備わる。
なお、以下では、マスタシリンダMから入口弁2に至る液路を「出力液圧路A1」と称し、入口弁2から車輪ブレーキRに至る流路を「車輪液圧路B1」と称する。また、プランジャポンプ5から出力液圧路Aに至る流路を「吐出液圧路C1」と称し、さらに、出口弁3からプランジャポンプ5に至る流路を「開放路D1」と称する。また、リザーバ4からプランジャポンプ5に至る流路を「吸入路E1」と称する。
図8において、ブレーキ系統K1は、後輪を制動するためのものであり、入口ポート21から出口ポート22に至る系統である。入口ポート21には、液圧源である後輪側のマスタシリンダM1の出力ポートM11に至る配管H1が接続されている。出口ポート22には、後輪の車輪ブレーキRに至る配管H11が接続されている。
入口ポート21は、図2、図3(b)に示すように、基体100の上面11cの左側領域に形成されている。また、出口ポート22は、これとは反対側となる基体100の上面11cの右側領域に形成されている。
図8に戻り、マスタシリンダM1には、ブレーキ操作子であるブレーキペダルBPが接続されている。ブレーキ系統K1には、入口弁2、出口弁3、リザーバ4、プランジャポンプ5、保持弁6を主に備えている。
マスタシリンダM1は、運転者がブレーキペダルBPに加えた力に応じたブレーキ液圧を発生する。マスタシリンダM1は、配管H1、基体100内に形成された出力液圧路A1および車輪液圧路B1、配管H11を介して後輪の車輪ブレーキR(ホイールシリンダ)に接続されている。
マスタシリンダM1に接続された液路(出力液圧路A1および車輪液圧路B1)は、通常時、マスタシリンダM1から後輪の車輪ブレーキRまで連通している。これにより、ブレーキペダルBPに加えた操作で発生したブレーキ液圧が後輪の車輪ブレーキRに伝達されるようになっている。
マスタシリンダM1と後輪の車輪ブレーキRとをつなぐ液路上には、入口弁2、出口弁3、および保持弁6が設けられている。
入口弁2は、常開型の電磁弁からなり、マスタシリンダM1と後輪の車輪ブレーキRに通じる保持弁6との間(出力液圧路A1と車輪液圧路B1との間)に設けられている。入口弁2は、通常時に開いていることで、マスタシリンダM1から後輪の車輪ブレーキRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁2は、後輪がロックしそうになったときに制御装置400により閉塞されることで、ブレーキペダルBPから後輪の車輪ブレーキRへ加わるブレーキ液圧を遮断する。
このような入口弁2は、図2、図3(b)に示すように、基体100の前面11aの左上部に設けられた入口弁装着穴12に装着される。入口弁装着穴12は、図3(b)に示すように、基体100の前面11aの中心を通る基準線S1で左右に二分される左側の領域において、ポンプ穴15(図3(c)参照)の中心線S2よりも上方となる位置に形成されている。また、入口弁装着穴12は、基体100の上面11cの入口ポート21に対応する位置に形成されている。
図8に戻り、入口弁2にはチェック弁2aが並列に接続されている。チェック弁2aは、後輪の車輪ブレーキRからマスタシリンダM1側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁である。チェック弁2aは、ブレーキペダルBPの入力が解除された場合に、入口弁2を閉じた状態にしたときにおいても、後輪の車輪ブレーキR側からマスタシリンダM1側へのブレーキ液の流入を許容する。チェック弁2aは入口弁2を構成する常開型の電磁弁に一体的に備わる。
出口弁3は、常閉型の電磁弁であり、後輪の車輪ブレーキRとリザーバ4との間(開放路D1上)、に設けられている。出口弁3は、通常時に閉塞されているが、後輪がロックしそうになったときに制御装置400により開放されることで、後輪の車輪ブレーキRへ加わるブレーキ液圧をリザーバ4に逃がす。
このような出口弁3は、図2、図3(b)に示すように、基体100の前面11aの左下部に設けられた出口弁装着穴13に装着される。出口弁装着穴13は、図3(b)に示すように、基体100の前面11aの中心を通る基準線S1で左右に二分される左側の領域において、ポンプ穴15(図3(c)参照)の中心線S2よりも下方となる位置に形成されている。また、出口弁装着穴13は、基体100の上下方向において、入口弁装着穴12に対応する位置に形成されている。
図8に戻り、リザーバ4は、出口弁3が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯溜する機能を有している。
リザーバ4は、図4(b)に示すように、基体100の下面11dの左側領域に開口するリザーバ穴14に装着され、基体100の下部に設けられている。
プランジャポンプ5は、電動モータ200により駆動される。プランジャポンプ5は、リザーバ4に貯溜されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をマスタシリンダM1側へ戻す機能を有している。プランジャポンプ5は、一体的に組み込まれている図示しない吸入弁および吐出弁を備えている。吸入弁は、リザーバ4とプランジャポンプ5の上流側との間に設けられており、リザーバ4側からプランジャポンプ5の上流側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁である。吐出弁は、プランジャポンプ5の下流側とマスタシリンダM1との間に設けられており、プランジャポンプ5の下流側からマスタシリンダM1側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁である。
このようなプランジャポンプ5は、図2、図3(c)等に示すように、基体100の左側面11eから穿設されたポンプ穴15に装着されている。
以上説明した入口弁2、出口弁3、リザーバ4およびプランジャポンプ5によって、後に説明するアンチロックブレーキ制御を実行可能なアンチロックブレーキ制御部が構成されている。
保持弁6は、常開型の電磁弁であり、入口弁2と後輪の車輪ブレーキRとの間(車輪液圧路B1、つまり、アンチロックブレーキ制御部と車輪ブレーキRとの間)に設けられている。保持弁6は、通常時に開いていることで、マスタシリンダM1から後輪の車輪ブレーキRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、保持弁6は、坂道で停止する場合等に、制御装置400により閉弁されることで、ブレーキペダルBPから後輪の車輪ブレーキRへ加わるブレーキ液圧を保持する。
このような保持弁6は、図2、図3(b)に示すように、基体100の前面11aの右上部に設けられた保持弁装着穴16に装着される。保持弁装着穴16は、図3(b)に示すように、基準線S1で左右に二分される右側の領域において、ポンプ穴15(図3(c)参照)の中心線S2よりも上方となる位置に形成されている。また、基体100の左右方向において、保持弁装着穴16は、基準線S1を挟んで入口弁装着穴12に対向する位置に形成されている。また、基体100の上下方向において、保持弁装着穴16は、上面11cの出口ポート22に対応する位置に形成されている。
なお、保持弁6は、入口弁2と外形状が同一形状の電磁弁である。
保持弁6にはチェック弁6aが並列に接続されている。このチェック弁6aは、マスタシリンダM1から後輪の車輪ブレーキR側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁である。チェック弁6aは、保持弁6を閉じた状態にしたときにおいても、マスタシリンダM1から後輪の車輪ブレーキR側へのブレーキ液の流入を許容する。チェック弁6aは保持弁6を構成する常開型の電磁弁に一体的に備わる。
なお、図8に示す前輪側のブレーキ系統K2は、前輪を制動するためのものであり、入口ポート23から出口ポート24に至る系統である。入口ポート23には、液圧源である前輪側のマスタシリンダM2の出力ポートM12に至る配管H2が接続されている。出口ポート24には、前輪の車輪ブレーキFに至る配管H12が接続されている。
マスタシリンダM2には、ブレーキ操作子であるブレーキレバーL1が接続されている。ブレーキ系統K2は、入口弁2、出口弁3、リザーバ4、プランジャポンプ5を主に備えている。つまり、ブレーキ系統K2は、保持弁6を備えていないだけで、その他の液圧回路の構成はブレーキ系統K1と同様である。このためブレーキ系統K2の詳細な説明は省略する。
電動モータ200は、ブレーキ系統K1にあるプランジャポンプ5の動力源であり、制御装置400からの指令に基づいて作動する。
電動モータ200は、図1、図2に示すように、基体100の後面11bの凹状の取付面11gに取り付けられる。取付面11gの内側には、モータ軸挿入穴11hが形成されている。また、基体100の後面11bには、電動モータ200のバスバー(不図示)が挿入される孔部11jが開口している。
制御装置400は、図示しない車輪速度センサからの出力に基づいて、入口弁2、出口弁3および保持弁6の開閉、並びに、電動モータ200の作動を制御するものである。
次に、図8の後輪側のブレーキ系統K1を参照して、本実施形態のブレーキ液圧制御装置Uによって実現される後輪側のアンチロックブレーキ非制御(アンチロックブレーキ非作動時)、アンチロックブレーキ制御およびヒルホールド制御について説明する。なお、前輪側のブレーキ系統K2が備わる前輪側のブレーキ液圧制御装置U1では、後輪側のブレーキ系統K1と同様に、アンチロックブレーキ非制御およびアンチロックブレーキ制御が可能である。このため、以下では前輪側のブレーキ液圧制御装置U1の制御の詳細な説明は省略する。
(アンチロックブレーキ非制御)
後輪がロックする可能性のないアンチロックブレーキ非制御時においては、入口弁2、出口弁3および保持弁6を駆動する電磁コイルが、いずれも制御装置400によって消磁させられる。つまり、アンチロックブレーキ非制御時においては、入口弁2と保持弁6とが開弁状態になっており、出口弁3が閉弁状態になっている。
この状態で運転者がブレーキペダルBPを踏み込むと、その踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、そのまま後輪の車輪ブレーキRに伝達され、後輪が制動される。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御は、後輪がロック状態に陥りそうになったときに実行されるものである。ブレーキペダルBPが操作され、後輪の車輪ブレーキRにブレーキ液圧が作用している状態において、後輪にスリップ状態が発生してロックしそうになると、制御装置400によってアンチロックブレーキ制御が行われる。なお、アンチロックブレーキ制御中の保持弁6は、アンチロックブレーキ非制御時と同様に開弁状態となっている。
制御装置400において、車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧を減圧すべきと判断された場合には、入口弁2が閉弁し、出口弁3が開弁する。このようにすると、入口弁2よりも車輪ブレーキR側にあるブレーキ液が、出口弁3から開放路D1側に流出して、リザーバ4にブレーキ液が貯留される。これにより、車輪ブレーキRに作用していたブレーキ液圧が減圧する。
制御装置400において、車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧を保持すべきと判断された場合には、入口弁2および出口弁3が閉弁する。このようにすると、入口弁2および出口弁3で閉じられた流路内(車輪液圧路B1内)にブレーキ液が閉じ込められるため、車輪ブレーキRに作用していたブレーキ液圧が保持される。
制御装置400において、車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧を増圧すべきと判断された場合には、入口弁2が開弁し、出口弁3が閉弁する。そして、プランジャポンプ5を駆動させ、リザーバ4からブレーキ液を吸入して吐出液圧路C1側に吐出する。このようにすると、ブレーキペダルBPの操作に起因してマスタシリンダM1で発生したブレーキ液圧に加えてプランジャポンプ5から吐出されたブレーキ液が入口弁2を通じて車輪ブレーキR側に作用する。これにより、車輪ブレーキRのブレーキ液圧が増圧する。
(ヒルホールド制御)
ヒルホールド制御は、坂道等における車両の停車時に実行されるものであり、車両の停車状態を維持し、坂道発進を支援するものである。ブレーキペダルBPが操作され車両が坂道で停止すると、制御装置400によってヒルホールド制御が行われる。車両が停止しているか否かの判断は、例えば、車輪速度センサ、加速度センサ等を用いて制御装置400によって行うことができる。また、車両が坂道にあるか否かの判断は、同じく加速度センサ等を用いて制御装置400によって行うことができる。なお、ヒルホールド制御は、車両が坂道にあるか否かにかかわらず、車両の停車時に一律に制御装置400によって行われるものであってもよい。
制御装置400において、車両が停止して坂道にあると判断された場合には、保持弁6が閉弁する。このようにすると、保持弁6から車輪ブレーキRに通じる流路内にブレーキ液が閉じ込められるため、車輪ブレーキRに作用していたブレーキ液圧が保持される。これにより、坂道においてブレーキペダルBPを解除した場合でも車両の停車状態が維持される。
なお、保持弁6が閉弁されることで、車輪ブレーキRには、停車時のブレーキペダルBPの踏力に対応するブレーキ液圧が作用する。このため、停車直前にブレーキペダルBPの踏力を弱めた場合には、停車後にブレーキペダルBPを踏み増す操作を行うのがよい。このようにすることで、その踏力に起因して発生したブレーキ液圧は、出力液圧路A1から入口弁2を通じて車輪液圧路B1に作用し、保持弁6のチェック弁6aを通じて車輪ブレーキR側へ作用する。これにより、車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧が増圧し、坂道においてブレーキペダルBPを解除した場合でも車両の停車状態が好適に維持される。
このようなヒルホールド制御を解除する場合には、例えば車両の図示しないアクセルを開く操作を行う。制御装置400は、エンジンの回転速度の上昇や車輪速度等によって、運転者による車両発進の操作がなされたと判断し、保持弁6を開弁する(保持弁6の電磁コイルを消磁する)。これにより車輪ブレーキRに作用していたブレーキ液圧が開放され、車両が発進可能となる。これにより、坂道等における発進が補助される。
次に、ブレーキ液圧制御装置Uの具体的な構造を、図1から図7を参照して詳細に説明する。
ブレーキ液圧制御装置Uは、前記したように、基体100と、電動モータ200と、コントロールハウジング300と、制御装置400とを備えて構成されている。
基体100は、略直方体を呈するアルミニウム合金製の押出材または鋳造品からなる。基体100の前面11aは、実質的に凹凸のない平面に成形されている。基体100には、一つのブレーキ系統K1(図8参照)に対応する一つの流路構成部100Aが形成されている。
図3(a)〜(d)、図4(a)(b)を適宜参照して説明すると、流路構成部100Aは、前面11aに開口する複数の装着穴、後面11bに開口するモータ軸挿入穴11hを備えている。さらに、流路構成部100Aは、上面11cに開口する入口ポート21および出口ポート22のほか、左側面11eに開口するポンプ穴15を有している。
基体100の前面11aには、装着穴として入口弁装着穴12、出口弁装着穴13および保持弁装着穴16が形成されている。入口弁装着穴12は、基準線S1の左側の領域において、ポンプ穴15の中心線S2よりも基体100の上部側に設けられている。出口弁装着穴13は、基準線S1の左側の領域において、ポンプ穴15の中心線S2よりも基体100の下部側に設けられている。保持弁装着穴16は、基準線S1の右側の領域において、ポンプ穴15の中心線S2よりも基体100の上部側に設けられている。入口弁装着穴12と保持弁装着穴16とは、基準線S1を挟んだ線対称位置に設けられている。
なお、これらの入口弁装着穴12、出口弁装着穴13および保持弁装着穴16は、口径が総て同一である。
入口弁装着穴12には入口弁2が装着され、出口弁装着穴13には出口弁3が装着される。また、保持弁装着穴16には保持弁6が装着される。
基体100の前面11aには、図3(b)に示すように、基準線S1の右側の領域において、ポンプ穴15の中心線S2よりも下方となる位置に装着穴等の形成されない空きスペース11a1が形成されている。空きスペース11a1は、基準線S1を挟んで出口弁装着穴13と対向している。つまり、基準線S1を挟んで出口弁装着穴13と対称の位置に装着穴を形成可能な空きスペース11a1が存在している。
基体100の後面11bの中央部には、モータ軸挿入穴11hが形成されている。そして、モータ軸挿入穴11hの周りには、モータ軸挿入穴11hの軸心を中心として後面11bよりも一段深くされた凹状の取付面11gが形成されている。この取付面11gには、電動モータ200(図1参照、以下同じ)のハウジングの前面カバーが装着される。電動モータ200は、後面11bに設けられた取付穴11b1(図4(a)参照)に取付ねじ(不図示)で取り付けられる。電動モータ200と後面11bとの間には、シール材が介設される。
取付面11gには、モータ軸挿入穴11hの上方に、電動モータ200のバスバー(不図示)が挿入される孔部11jが開口している。孔部11jは、基体100の前後に貫通し、前面11aにおいて基準線S1に交差するように開口している。
基体100の上面11cには、入口ポート21および出口ポート22が凹設されている。入口ポート21は、図3(a)(b)に示すように、入口弁装着穴12および出口弁装着穴13に対応する位置関係で設けられている。出口ポート22は、保持弁装着穴16に対応する位置関係で設けられている。入口ポート21には、マスタシリンダMからの配管H1(図8参照)が接続される。また出口ポート22には、車輪ブレーキRに至る配管H11(図8参照)が接続される。
また、基体100の上面11cの前部側の左右領域には、図3(a)に示すように、入口ポート21等の形成されない空きスペース11c1,11c1が形成されている。つまり、基体100の上面11cには、入口ポート21等を形成可能な空きスペース11c1,11c1が存在している。
基体100の下面11dには、図4(b)に示すように、リザーバ4を装着するリザーバ穴14が凹設されている。基体100の下面11dの右側領域には、リザーバ穴14の形成されない空きスペース11d1が形成されている。つまり、基体100の下面11dには、リザーバ穴14を形成可能な空きスペース11d1が存在している。
基体100の左側面11eには、図3(c)に示すように、プランジャポンプ5を装着するポンプ穴15が凹設されている。ポンプ穴15内において、プランジャポンプ5は電動モータ200の出力軸に備わるカム部材に係合している。
なお、基体100の右側面11fは、図3(d)に示すように、装着穴等を備えておらず、略平らな面に形成されている。つまり、基体100の右側面11fには、ポンプ穴15等を形成可能な空きスペース11f1が形成されている。
コントロールハウジング300は、図2に示すように、電磁コイル301と、制御装置(ECU、制御基板)400と、樹脂製のハウジング302および蓋体303と、を備えている。電磁コイル301は、ハウジング302に対して圧入により固定されている。ハウジング302は、電磁コイル301および制御装置400を収容するとともに、基体100から突出した入口弁2、出口弁3、保持弁6および電動モータ200のバスバー(不図示)を収容している。ハウジング302は、これらの弁やバスバーを覆った状態で、基体100の前面11aに一体的に固着される。
ハウジング302には、電磁コイル301を収容する保持壁305が形成されている。保持壁305の内側には、電磁コイル301を装着可能な装着スペース306が計四つ形成されている。各装着スペース306における保持壁305の内面形状は、同様であり、電磁コイル301の外面形状に沿う形状に形成されている。本実施形態では、基体100に装着された入口弁2、出口弁3および保持弁6に対応して、計三つの電磁コイル301が取り付けられる。
これにより、ハウジング302には、電磁コイル301の装着されない空きスペース306aが形成されている。つまり、ハウジング302は、電磁コイル301を装着可能な空きスペース306aを備えている。
蓋体303は、ハウジング302の前部開口部を密閉する蓋体である。蓋体303は、溶着や接着、ねじ締結などの手段によりハウジング302の前端面に固着される。
次に、基体100に備わる流路構成部100Aの流路を詳細に説明する。なお、説明において、流路構成部100A(基体100)における前面11a、後面11b、上面11c、下面11d、左側面11eおよび右側面11fをいうときには、図3各図、図4各図を参照する。また、図7A、図7Bにおいて、バスバー(不図示)が挿入される孔部11jは省略している。
図6(a)(b)、図7A、図7Bに示すように、入口ポート21は、有底円筒状の穴であり、第一流路51を介して入口弁装着穴12と連通している。第一流路51は、入口ポート21の底面から基体100の下面11dに向かって穿設された縦孔51aと、入口弁装着穴12の底面から基体100の後面11bに向かって穿設された横孔51bとからなる。縦孔51aは、その下部が横孔51bと交差している。
ここで、入口ポート21の底部から第一流路51の縦孔51a、横孔51bを通じて、入口弁装着穴12の底部に至る流路が図8に示す出力液圧路A1に相当する。
第一流路51の横孔51bの後部には、第二流路52が交差している(図6(a)(b)参照)。第二流路52は、基体100の左側面11eから右側面に向かって穿設された横孔からなる。第二流路52の左側部分には、第三流路53が交差している。第三流路53は、基体100の上面11cから基体100の下面11dに向かって穿設された縦孔からなる(図6(a)参照)。第三流路53の下端部は、ポンプ穴15の側部(上部側壁)に連通している。
ここで、第三流路53から第二流路52を通じて第一流路51の横孔51bに至る流路が図8に示す吐出液圧路C1に相当する。
入口弁装着穴12の側部(側壁)には、第四流路54が交差している(図5(a)、図7(A)参照)。第四流路54は、基体100の左側面11eから右側面に向かって穿設された横孔からなる。第四流路54は、入口弁装着穴12の側部(側壁)を貫通し、その右端部は、入口弁装着穴12の右側方に位置する保持弁装着穴16の側部(側壁)に達している。
出口ポート22は、図6(a)、図7A、図7Bに示すように、有底円筒状の穴であり、第五流路55を介して保持弁装着穴16と連通している。第五流路55は、出口ポート22の底面から基体100の下面11dに向かって穿設された縦孔55aと、保持弁装着穴16の底面から基体100の後面11bに向かって穿設された横孔55bとからなる。縦孔55aは、その下部が横孔55bと交差している。
ここで、入口弁装着穴12の側部から第四流路54、保持弁装着穴16および保持弁装着穴16の底部から第五流路55の横孔55b、縦孔55aを通じて、出口ポート22の底部に至る流路が図8に示す車輪液圧路B1に相当する。
入口弁装着穴12の側部(側壁)には、第六流路56が交差している(図5(a)参照)。第六流路56は、基体100の上面11cから下面11dに向かって穿設された縦孔からなる。第六流路56は、入口弁装着穴12を上下方向に貫通し、その下端部は、入口弁装着穴12の下方に位置する出口弁装着穴13の上部(側壁)に達している。
出口弁装着穴13は、第七流路57を介してリザーバ穴14と連通している(図5(b)、図7A参照)。第七流路57は、出口弁装着穴13の底面から基体100の後面11bに向かって穿設された横孔57aと、リザーバ穴14の底面から基体100の上面11cに向かって穿設された縦孔57bとからなる。横孔57aは、その後部が縦孔57bと交差している。
ここで、入口弁装着穴12から第六流路56を通じて出口弁装着穴13に至り、出口弁装着穴13の底面から第七流路57の横孔57a、縦孔57bを通じてリザーバ穴14の底面に至る流路が図8に示す開放路D1に相当する。
リザーバ穴14は、第八流路58を介してポンプ穴15と連通している(図6(a)(b)、7(B)参照)。第八流路58は、リザーバ穴14の底面から基体100の上面11cに向かって穿設された縦孔からなる。第八流路58の上端部はリザーバ穴14の側部(側壁)に連通している。
ここで、リザーバ穴14から第八流路58を通じてポンプ穴15に至る流路が図8に示す吸入路E1に相当する。
ポンプ穴15は、第三流路53、第二流路52および第一流路51の横孔51bを通じて入口弁装着穴12に連通している。また、ポンプ穴15は、第八流路58を通じてリザーバ穴14に連通している。
なお、ポンプ穴15に装着されたプランジャポンプ5は、電動モータ200の図示しない出力軸に取り付けられた偏心カムによって駆動される。
モータ軸挿入穴11hは、有底の段付き円筒状を呈しており、図4(a)、図6(a)、図7Bに示すように、基体100の後面11bの略中央部分に開口している。モータ軸挿入穴11hには、電動モータ200の図示しない出力軸が挿入される。モータ軸挿入穴11hの側壁には、ポンプ穴15が開口しており、このポンプ穴15の開口近傍には、プランジャを押圧するための図示しないボールベアリングが収容されている。
続いて、図5〜図7を適宜参照しつつ、アンチロックブレーキ非制御、アンチロックブレーキ制御およびヒルホールド制御を行った場合のブレーキ液の流れを詳細に説明する。
(アンチロックブレーキ非制御)
アンチロックブレーキ非制御時においては、前記したように、入口弁2となる常開型の電磁弁が開弁状態にあり、保持弁6となる常開型の電磁弁が開弁状態にある。これにより、入口ポート21から流入したブレーキ液は、第一流路51を通って入口弁装着穴12に流入し、開弁状態にある電磁弁の内部を通って第四流路54に流入する。そして、第四流路54に流入したブレーキ液は、第四流路54から保持弁装着穴16に流入し、開弁状態にある電磁弁の内部を通って第五流路55に流入し、出口ポート22を通って車輪ブレーキRに至る。
(アンチロックブレーキ制御)
アンチロックブレーキ制御によって、例えば、車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧を減圧する場合には、前記したように、制御装置400(図1参照)によって車輪ブレーキRに対応する入口弁2が閉弁状態にされる。そして、出口弁3が開弁状態にされる。そうすると、車輪ブレーキRに作用していたブレーキ液は、出口ポート22および第五流路55を通って保持弁装着穴16に流入し、開弁状態にある電磁弁の内部を通って第四流路54に流入する。そして、第四流路54に流入したブレーキ液は、入口弁装着穴12の側部に流入する。
ここで、入口弁装着穴12の入口弁2は、閉弁状態にある。これにより、ブレーキ液は、第一流路51に流入することなく、入口弁装着穴12の側壁と電磁弁の外周面との間にある間隙を通って第三流路53側へ流出する。第三流路53側へ流出したブレーキ液は、第三流路53を通じて出口弁装着穴13に流入する。
そして、出口弁装着穴13に流入したブレーキ液は、出口弁3となる常閉型の電磁弁が開弁状態にあるので、その内部を通って第七流路57に流入する。第七流路57に流入したブレーキ液は、リザーバ穴14に流入し、リザーバ4に一時的に貯留される。
なお、アンチロックブレーキ制御を実行する場合には、制御装置400によって電動モータ200が駆動されてプランジャポンプ5が作動される。その結果、リザーバ穴14に貯留されたブレーキ液が第八流路58を介してポンプ穴15に吸入され、第三流路53へ吐出される。
次に、アンチロックブレーキ制御によって車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧を一定に保持する場合には、前記したように、制御装置400によって入口弁2および出口弁3が閉弁状態にされる。これにより、第七流路57へのブレーキ液の流入も第七流路57からのブレーキ液の流出も起こらない。
また、アンチロックブレーキ制御によって車輪ブレーキRに作用するブレーキ液圧を増圧する場合には、前記したように、制御装置400によって入口弁2が開弁状態にされ、出口弁3が閉弁状態にされる。したがって、ブレーキ液の流れは、アンチロックブレーキ非制御時の場合と同じになる。
(ヒルホールド制御)
ヒルホールド制御時には、前記したように、制御装置400によって保持弁6が閉弁状態にされる。これにより、車輪ブレーキRに作用しているブレーキ液圧が保持され、車両の停止状態が維持される。
なお、停車後にブレーキペダルBPを踏み増す操作を行った場合、車輪ブレーキRに作用しているブレーキ液圧を増圧できる。この場合、ブレーキペダルBPを踏み増す操作で発生したブレーキ液圧は、入口ポート21から第一流路51を通じて入口弁装着穴12に流入する。入口弁装着穴12に流入したブレーキ液は、第四流路54を通じて保持弁装着穴16に流入する。保持弁装着穴16に流入したブレーキ液は、保持弁装着穴16のチェック弁6aを通じて第七流路57に流入し、出口ポート22を介して車輪ブレーキRに流入する。これにより、車輪ブレーキRに作用しているブレーキ液圧が増圧する。
なお、坂道においてブレーキペダルBPを解除した場合でも車輪ブレーキRのブレーキ液圧が保持されているので、車両の停車状態が好適に維持される。
以上説明した本実施形態では、図3(b)に示すように、入口弁2、出口弁3および保持弁6を装着する各装着穴12、13、16を基体100の同一面に形成することができる。よって、これらの三つの装着穴12、13、16を基体100の同一方向から加工することができ、加工コストを抑えることができる。
また、保持弁6を制御するための電磁コイル301や制御装置を搭載するハウジングを、入口弁2および出口弁3を制御するためのハウジング302に一体化することができる。これにより、装置の小型化を図ることができる。また、ハウジング302を共用することができるので、部品点数の増加を防止できる。
また、入口弁2および出口弁3は、基体100の前面11aの中心を通る基準線S1で二分される一方の領域に配置されている。そして、保持弁6が、基準線S1を挟んで入口弁2に対向する位置に配置されている。この構成では、製造時に二系統のブレーキ系統を備える基体の加工を変更することで、本実施形態の保持弁6を備える基体の構成とすることができる。これにより、一系統のアンチロックブレーキ機能およびヒルホールド機能を備えたユニットに容易に構成できる。
具体的に、図9〜図12に示すように、二系統のブレーキ系統を構成可能な基体10Aを本実施形態の基体100として供用することができる。
基体10Aは、二系統のブレーキ系統に対応した流路構成部100B、100Cを備えている。基体10Aには、各流路構成部100B、100C毎に、入口弁2、出口弁3、リザーバ4、プランジャポンプ5がそれぞれ取り付けられる。電動モータ200は、各流路構成部100B、100Cの共通の駆動源となっている。
この基体10Aでは、図9(b)、図11(a)に示すように、左半分に流路構成部100Bが形成され、右半分に流路構成部100Cが形成されている。流路構成部100B、100Cは、実質的に左右対称に形成されており、その内部構成等も同一である。
各図において、本実施形態の基体100と同様の部分には、同様の符号を付してある。なお、基体10Aが本実施形態の基体100と異なるところは、保持弁6を備えていないので、第四流路54(図7A参照)を備えていない点である。また、保持弁6を備えていないので、入口弁装着穴12の底面に出口ポート22に通じる第五流路55が直接連通している点が異なっている。
左半分の流路構成部100Bは、本実施形態の流路構成部100A(図5(a)参照)における左半分の流路構成に相当している。つまり、本実施形態の流路構成部100Aは、二系統のブレーキ系統の基体10Aに流路構成部100Bを加工するときと略同様の工程で加工することができる。
また、右半分の流路構成部100Cの入口弁装着穴12は、本実施形態の流路構成部100Aの保持弁装着穴16に相当している。つまり、本実施形態の保持弁装着穴16は、流路構成部100Cの入口弁装着穴12を加工するときと略同様の工程で加工することができる。また、流路構成部100Cの出口弁装着穴13を形成しなけれえば、本実施形態の基体100の前面11aの空きスペース11a1に相当する非加工スペースを形成できる。
同様にして、本実施形態の基体100の上面11cの空きスペース11c1,11c1、下面11dの空きスペース11d1、および右側面11fの空きスペース11f1を好適に形成できる。つまり、二系統のブレーキ系統の基体10Aに流路構成部100B,100Cを加工するときと略同様の工程で、本実施形態の基体100を加工することができる。
また、基体10Aに取り付けられるハウジングでは、計四つの電磁コイル301が必要であるが、本実施形態では、計三つの電磁コイル301で足りる。したがって、ハウジング302に電磁コイル301の装着されない空きスペース306aを形成することで、本実施形態の基体100用のハウジング302として容易に設定できる。
また、本実施形態では、保持弁6が基準線S1を挟んで入口弁2に対向する位置に配置されている。また、保持弁6と入口弁2とは、外形状が同一形状の電磁弁である。したがって、入口弁2に装着される常開型の電磁弁と同じ電磁弁を保持弁6として使用することができる。また、入口弁2に装着される電磁コイル301と同じ電磁コイル301を保持弁6に使用することができる。
例えば、上記した二系統のブレーキ系統の基体10Aに用いられる電磁コイルやハウジングを、本実施形態の電磁コイル301およびハウジング302として供用することができる。したがって、コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
前記実施形態では、後輪の車輪ブレーキRに係るブレーキ液圧制御装置Uに保持弁6を設けてヒルホールド制御が備わる構成を説明したが、これに限られない。例えば前輪の車輪ブレーキFに係るブレーキ液圧制御装置U1に保持弁6を設けてヒルホールド制御を行ってもよい。この場合には、前輪をヒルホールド制御できるので、下りの坂道等における坂道発進を好適に支援することができる。
また、保持弁6およびチェック弁6aは、基体100とは別体のユニットとして基体100に接続するように構成してもよい。
また、保持弁6は、基準線S1を挟んで入口弁2と対向するように設けたが、これに限られることはなく、出口弁3と対向するように設けてもよい。
また、図9に示した、一つの基体10Aに流路構成部100Bおよび流路構成部100Cが備わる二系統のブレーキ系統を有するものを用い、これに保持弁6を適宜設けてヒルホールド制御を行うように構成してもよい。この場合、保持弁6およびチェック弁6aは、別体のユニットとして基体10Aに接続するように構成してもよい。
2 入口弁
3 出口弁
6 保持弁
100 基体
K1 後輪のブレーキ系統
K2 前輪のブレーキ系統
M1,M2 マスタシリンダ
R 後輪の車輪ブレーキ
F 前輪の車輪ブレーキ
S1 基準線

Claims (3)

  1. 前輪のブレーキ系統と後輪のブレーキ系統とを備え、それぞれの前記ブレーキ系統にマスタシリンダおよび車輪ブレーキが設けられたバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記ブレーキ系統のうち少なくとも一方のブレーキ系統は、前記マスタシリンダと前記車輪ブレーキとを接続するための液路が内部に形成された基体を備えており、
    前記基体には、
    前記車輪ブレーキに通じる液路のブレーキ液圧を増圧、保持および減圧するための常開型の電磁弁からなる入口弁および常閉型の電磁弁からなる出口弁と、
    前記車輪ブレーキの液圧を保持する常開型の電磁弁からなる保持弁と、が装着されており、
    前記入口弁、前記出口弁および前記保持弁は、前記基体の同じ面に装着されており、
    前記保持弁は、前記マスタシリンダ側の操作が解除された状態でも前記車輪ブレーキのブレーキ液圧を保持することを特徴とするバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記入口弁および前記出口弁は、前記基体の装着面の中心を通る基準線で二分される一方の領域に配置されており、
    前記保持弁は、前記基準線を挟んで前記入口弁または前記出口弁に対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記保持弁は、前記基準線を挟んで前記入口弁に対向する位置に配置されており、
    前記保持弁と前記入口弁とは、外形状が同一形状の電磁弁であることを特徴とする請求項2に記載のバーハンドル車両用ブレーキ液圧制御装置。
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