JP6872198B2 - 細胞培養用溶液の製造方法、細胞培養用溶液、液体培地、および細胞培養用処理液 - Google Patents

細胞培養用溶液の製造方法、細胞培養用溶液、液体培地、および細胞培養用処理液 Download PDF

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Description

本発明は、海洋深層水から得たニガリに含まれるマグネシウム塩およびアルコール不溶性物質等が除去して調製された細胞培養用溶液の製造方法、特定組成の細胞培養用溶液、前記細胞培養用溶液を含む液体培地、および細胞培養用処理液に関する。
再生医療の周辺産業の一つとして細胞培養技術がある。細胞培養では、培養容器内で細胞を増殖させるために細胞の生存に必要な栄養素として動物血清が添加されることが多い。しかしながら、血清その他の動物由来成分は、異種成分培地となり安全上のリスクやロット間の相違などがあり、細胞培養に影響を与える場合がある。また、ヒトiPS細胞の培養等では、上記問題の他に輸入品を使用するため高価になるなどの問題があり、動物血清を含まない日本独自の細胞培養液の開発が希求されている。
細胞が要求する多様な培養条件を満たす細胞培養培地として、海洋深層水を含む培地が知られている(特許文献1)。海洋深層水とは、一般に、深度200メートル以深の深海に分布する海水を意味し、表層海水と同様に、無機栄養塩類が豊富であり、低温安定性が高いなどの特徴を有する。特許文献1の実施例1では、海洋深層水に粉末のRPMI培地を溶解し、抗生物質、グルタミン酸、炭酸水素ナトリウム、終濃度10%のFBSを添加して、海洋深層水含有DMEM培地を作製している。この培地を用いてヒト初代線維芽細胞を培養したところ、海洋深層水濃度が10〜20%に調整された培地条件で細胞増殖が観察されたという。なお、同特許文献の実施例3では、海洋深層水を使用して無血清・海洋深層水含有DMEM培地を作製してヒト初代線維芽細胞を培養したところ、海洋深層水濃度が30%に調整された培地条件では細胞の増殖抑制が観察されたという。
また、海洋深層水の無機塩を90重量%以上分離した後に濃縮して析出物等を荷電モザイク膜により分離し、有機物質の総合量が0.1〜10重量%かつ無機塩の含有量が100ppm以下の、細胞活性物質を高濃度で含有する細胞活性物質の製造方法もある(特許文献2)。前記細胞活性物質は、所定条件のゲル濾過クロマトグラフィー分析による紫外線検出によって、分子量100万以上、分子量3万〜100万、分子量5000〜3万、または分子量5000以下のいずれかの画分にピークを有し、皮膚細胞および/または免疫細胞を活性化するという。実施例では、メンブランフィルターでろ過した駿河湾沖の海洋深層水を減圧蒸留して溶存する無機塩を析出させ、析出物をろ過し、得られたろ液をモザイク荷電膜で脱塩し、次いで、減圧蒸留、析出物のろ過を繰り返して濃縮物を得ている。
更に、電解質と非電解質とを含有する海洋深層水を、荷電モザイク膜を介して該海洋深層水よりも電解質濃度の低い水と接触させて、該海洋深層水中の電解質を、海洋深層水よりも電解質濃度の低い水に選択的に移動させて、電解質と非電解質とを分離することを特徴とする、線維芽細胞活性深層水の製造方法もある(特許文献3)。海水の脱塩方法により線維芽細胞等に対する活性が異なり、荷電モザイク膜によれば、熱、応力、電気などの外部エネルギーを付与せず含まれる電解質を分離できるため、線維芽細胞に対する相対的活性化度が高いという。実施例では、海洋深層水とイオン交換蒸留水との間に荷電モザイク膜を介して脱塩し、元の海洋深層水の容積の5%まで濃縮して細胞活性物質を得て細胞活性化を評価している。荷電モザイク膜に代えて電気透析膜(比較例1)や、限外濾過脱塩装置(比較例3)を使用して得た細胞活性物質と比較して、細胞相対活性が約2倍高いという。
更に、皮膚の水分量やキメ及び/又は角層細胞状態を改善する方法であって、海洋深層水をナノフィルター膜の透過液を濃縮して海洋深層水濃縮物を得て、これを皮膚細胞に適用する方法もある(特許文献4)。海洋深層水の濃縮方法及びその濃縮の程度によって、濃縮物中の成分比及び成分量に大きな差が生じるが、上記した特定の方法で濃縮した海洋深層水は、サイトカインの産生及び線維芽細胞の増殖を伴う細胞賦活作用を有するという。実施例2では、鹿児島県与論島太平洋側沖の海洋深層水を、ナノフィルター膜を使用して脱塩し、減圧蒸留により析出物を得た後これをろ過してろ液を回収し、前記減圧蒸留およびろ過を繰り返して濃縮し、海洋深層水濃縮物を得ている。実施例13では、10%牛胎児血清含有D−MEMで正常ヒト新生児由来の線維芽細胞を24時間培養し、実施例2で得た海洋深層水濃縮物(14倍〜50倍)を添加し、2日間培養し、賦活活性を評価している。その結果、海洋深層水濃縮物が14、25、41倍の濃度範囲で、MTT試験により濃度依存的に賦活作用が向上するという。なお、実施例14において、ニガリによる比較試験を行っているが、ニガリよりも、上記海洋深層水濃縮物(30〜45倍)を培地に添加した方が線維芽細胞の賦活効果が高いという結果を得ている。
海水の塩類濃度は約3.5質量%である。海水に含まれる無機塩を除去するために前記特許文献2、特許文献3は荷電モザイク膜を使用し、特許文献4ではナノフィルター膜を使用して脱塩した脱塩水を使用している。一方、海水の濃縮塩溶液を更に濃縮すると塩の結晶と、塩化マグネシウムを主成分とするニガリ(液)とに分離する。ニガリの製造装置として、一次分離部で淡水と濃縮深層水とに分離し、二次分離部で濃縮深層水を濃塩水とミネラル濃縮液とに分離する多段式電気透析装置がある(特許文献5)。得られた濃縮深層水を更に濃縮すると、塩が結晶析出した上澄み液をニガリとして回収することができる。
特開2003−334066号公報 特許第4601891号公報 特許第4679773号公報 特許第5500757号公報 特開2005−287311号公報
海洋深層水には未知の微量有機物が存在している可能性がある。上記特許文献2〜4は海洋深層水を使用し、または所定の方法で脱塩・濃縮した海洋深層水濃縮液を使用している。上記したように、海洋深層水を原料とするものとしてニガリがあり、製塩工程で生成する副産物である。ニガリから有効成分が抽出できれば、ニガリの有効利用となる。したがって、ニガリ由来の細胞培養用溶液の開発が望まれる。
更に、特許文献4が記載するように、海洋深層水の濃縮方法や濃縮の程度によって濃縮物中の成分比や成分含有量が相違する。特許文献4ではニガリによる比較試験を行い、ナノフィルター膜透過液の濃縮液の方がニガリよりも線維芽細胞の賦活効果が高いと記載している。特許文献4は使用したニガリの調製方法を記載していないが、ニガリから特定処理を経た溶液を細胞培養用溶液として使用できれば、製塩工程で得られる大量のニガリを原料とできるため安定供給が可能となる。更に、得られた細胞培養用溶液の浸透圧は低いため、細胞培養用処理液としても使用することができる。したがって、ニガリを原料とする細胞培養用溶液を含む細胞培養用処理液の開発が望まれる。
上記現状に鑑みて、本発明は、海洋深層水から得たニガリを原料とする細胞培養用溶液の製造方法、および細胞培養用溶液を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記細胞培養用溶液を含む液体培地を提供することを目的とする。
更に、本発明は、上記細胞培養用溶液を含む細胞培養用処理液を提供することを目的とする。
本発明者等は、海洋深層水から得たニガリについて詳細に検討した結果、含まれるマグネシウムとアルコール不溶成分を除去し、およびろ過滅菌して得られた溶液は、細胞培養用溶液として使用できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、海洋深層水から得たニガリにアルカリ金属の炭酸塩を添加した後沈殿物を除去してニガリ由来Mg除去液を調製する工程と、前記ニガリ由来Mg除去液に炭素数1〜5のアルコールを添加して析出物を除去してニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を調製する工程と、前記ニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を除菌する工程とを含むことを特徴とする、細胞培養用溶液の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記ニガリは、海洋深層水の天然製塩時に得る天然系ニガリ、海洋深層水をイオン交換膜電気透析法により分離した濃塩水から得るイオン交換膜電気透析法系ニガリ、海洋深層水を逆浸透膜装置により分離した濃縮海水から得る逆浸透膜系ニガリのいずれかである、前記細胞培養用溶液の製造方法を提供するものである。
また本発明は、海洋深層水の天然系ニガリであって、マグネシウムおよびアルコール不溶性物質除去された、セリン/プロリンのモル比が5〜50であり、プロリン含有量が150〜500nMである細胞培養用溶液を提供するものである。
更に、本発明は、培養培地基剤と、前記細胞培養用溶液とを含む、液体培地を提供するものである。
また本発明は、前記培養培地基剤が、D−MEM、E−MEM、G−MEM、RPMI−1640のいずれかである、前記液体培地を提供するものである。
加えて本発明は、前記細胞培養用溶液と海洋深層水とを含む、浸透圧200〜400mOsm/Lの、細胞培養用処理液を提供するものである。
本発明によれば、海洋深層水から得たニガリを原料として、細胞培養用溶液を製造することができる。この細胞培養用溶液に海洋深層水を添加して浸透圧200〜400mOsm/Lに調整した溶液は、細胞培養用処理液として使用することができる。
本発明の細胞培養用溶液の製造工程を示す図である。 実施例3の結果を示す図である。対照培地の吸光度を100%とした場合の細胞培養用溶液添加培地による吸光度の割合をMTT減少率(%)として算出したものである。 実施例4の結果を示す図である。本発明の細胞培養用溶液を添加して培養すると、過酸化水素添加環境でカスパーゼ−3の活性化が抑制された。
本発明の第一は、海洋深層水から得たニガリにアルカリ金属の炭酸塩を添加した後沈殿物を除去してニガリ由来Mg除去液を調製する工程と、前記ニガリ由来Mg除去液に炭素数1〜5のアルコールを添加して析出物を除去してニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を調製する工程と、前記ニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を除菌する工程とを含むことを特徴とする、細胞培養用溶液の製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
(1)ニガリ
本発明で使用するニガリは、海洋深層水から得たニガリである。ニガリは、一般に、海水から塩を作る際にできる塩化マグネシウムを主成分とする液体である。海水には、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カリウムなどが溶解しているが、例えば、海洋深層水を加熱して濃縮すると、まず硫酸カルシウムや塩化ナトリウムが析出する。これらを除去した残り液、すなわち、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウムその他のミネラルを含んだ飽和溶液がニガリとなる。
一方、海水の濃縮方法として、上記した加熱濃縮とは別に逆浸透膜を使用する方法もある。逆浸透膜の内外で、脱塩水と濃縮塩溶液とが別個に形成される。濃縮塩溶液を更に濃縮すると塩が結晶化するが、結晶が沈殿する際に生じる上澄み液をニガリとして回収することができる。
また、イオン交換膜電気透析法により濃縮する方法もある。陽イオン交換膜(カチオン膜)と陰イオン交換膜(アニオン膜)とを交互に並べた多室電気透析槽に海水を供給しながら直流電圧を通じると、電位差により陽イオンは陰極側に、陰イオンは陽極側に移動し、イオンの濃縮室と脱塩室が形成される。脱塩室には脱塩水が集積し、濃縮室には濃縮塩溶液が集積する。この濃縮塩溶液を更に濃縮して塩を結晶化させると、結晶が沈殿する際に生じる上澄み液をニガリとして回収することができる。
本発明で使用するニガリは、海洋深層水から得られるものであれば、海洋深層水の天然製塩時に得る天然系ニガリ、海洋深層水をイオン交換膜電気透析法により分離した濃塩水から得るイオン交換膜電気透析系ニガリ、海洋深層水を逆浸透膜装置により分離した濃縮海水から得る逆浸透膜系ニガリ、その他のニガリのいずれかでもよい。より好ましくは、海洋深層水の天然製塩時に得る天然系ニガリや、海洋深層水をイオン交換膜電気透析法により分離した濃塩水から得るイオン交換膜電気透析系ニガリである。なお、本願において、海洋深層水とは、深度200メートル以深の深海に分布する海水を意味するものとする。
(2)細胞培養用溶液の製造方法
図1に本発明の細胞培養用溶液の製造方法の一例を示す。海洋深層水から得たニガリにアルカリ金属炭酸塩を添加すると、ニガリに含まれるミネラルとアルカリ金属炭酸塩を構成する炭酸イオンとが結合して炭酸塩として沈殿する。添加するアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム(溶解度:1.54g/100cm水(0℃))、炭酸ナトリウム(溶解度:29.4g/100cm水(25℃))、炭酸カリウム(溶解度:112.1g/100cm水(25℃))、炭酸ルビジウム(溶解度:450g/100cm水(20℃))、炭酸セシウム(溶解度:260.5g/100cm水(15℃))、炭酸フランシウムなどがある。沈殿形成性に優れ、かつ安価である点で炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを使用することが好ましい。
アルカリ金属炭酸塩の添加量は、予めニガリに含まれるマグネシウムイオン濃度その他のミネラル濃度を測定し、炭酸マグネシウムとして沈殿させるに適当な量を算出して使用することができる。この場合、アルカリ金属炭酸塩をそのままニガリに添加してもよいが、アルカリ金属炭酸塩を水に溶解してアルカリ金属炭酸塩水溶液とし、ニガリに添加してもよい。また、ニガリに水を加えてニガリ希釈液を調製し、これにアルカリ金属炭酸塩を添加し、またはニガリ希釈液にアルカリ金属炭酸塩水溶液を添加してもよい。予めニガリに含まれるマグネシウム等の濃度を測定することで、炭酸塩の生成に好適な条件を設定することができる。好ましくは、原料である海洋深層水に、炭酸塩を形成せず、アルコールにより沈殿しない成分Aが含まれ、成分Aの全量がニガリに移行したと仮定した場合に、成分Aの濃度が、海洋深層水に含まれる成分Aの濃度の10〜100倍に濃縮され、より好ましくは20〜80倍に濃縮された条件でアルカリ金属炭酸塩による沈殿形成を行う。この範囲であれば、効率的にニガリの主成分であるマグネシウムイオンから炭酸マグネシウムの沈殿を形成することができる。
生成する炭酸塩は、主として炭酸マグネシウムである。これをろ過、吸引ろ過、遠心分離等により分離し、ろ液または沈殿の上清を回収する。この回収液を、ニガリ由来Mg除去液とする。アルカリ金属炭酸塩の添加によってニガリ由来Mg除去液がアルカリ性となっている場合は、塩酸その他を添加してpHを中性に調整することが好ましい。
次いで、ニガリ由来Mg除去液に炭素数1〜5のアルコールを添加する。これにより微量に含まれる塩化ナトリウムなどの塩類やその他のアルコール不溶物質を析出させる。なお、ニガリ由来Mg除去液に含まれる塩化ナトリウムなどの塩類や有機物の含有量にもよるが、アルコールを添加する前に、ニガリ由来Mg除去液を濃縮しておくことが好ましい。濃縮の程度は、海洋深層水に含まれる成分Aが全量ニガリ由来Mg除去液に移行したと仮定した場合に、成分Aの濃度が、海洋深層水の成分Aの濃度の50〜300倍に濃縮され、より好ましくは80〜200倍に濃縮された条件でアルコール添加による不溶物の析出形成を行う。ニガリ由来Mg除去液の濃縮としては、例えばエバポレーターその他による減圧濃縮法、凍結乾燥法がある。
炭素数1〜5のアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール(1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール)、ペンチルアルコール(1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール)があり、いずれでもよい。好ましくは、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールであり、特に好ましくはエチルアルコールである。アルコールにより蛋白質が変性して沈殿し、および残存する塩化ナトリウム、その他の塩類が沈殿する。
添加するアルコール量は、重量換算で、ニガリ由来Mg除去液の上記濃縮液の1〜20倍量、より好ましくは2〜10倍量である。この範囲であれば、効率的にタンパク変性や塩析を行い沈殿物を得ることができる。
析出した沈殿をろ過、遠心分離等により分離し、ろ液または沈殿の上清を回収する。回収液は、ニガリ由来アルコール不溶性物質除去液となる。ニガリ由来アルコール不溶性物質除去液は、pHを確認しpH5.5〜8の中性近傍に調整することが好ましい。
次いで、得られたニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を除菌する。除菌は、例えば目開き0.2〜0.5μmのメンブランフィルターによるろ過などで行うことができる。なお、除菌に先立ち、ニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を濃縮すると、除菌作業が容易となる。このような濃縮方法としては特に制限はないが、例えば濃縮乾固、凍結乾燥等により乾燥物を得た後に水に再溶解し、濃縮液を調製する方法がある。濃縮の程度は、海洋深層水に含まれる成分Aの全量がニガリ由来アルコール不溶性物質除去液に移行したと仮定した場合に、濃縮液に含まれる成分Aの濃度が、海洋深層水の成分Aの濃度の200〜10,000倍に濃縮され、より好ましくは300〜7,000倍、より好ましくは400〜5,000倍に濃縮される程度である。上記除菌によって回収された溶液は、細胞培養用溶液として使用することができる。
(3)細胞培養用溶液
本発明の細胞培養用溶液は、上記によって製造されたものである。
また、海洋深層水の天然製塩時に得る天然系ニガリに含まれるマグネシウムが炭酸マグネシウムとして沈殿除去され、かつアルコール不溶性物質が析出除去された、セリン/プロリンのモル比が5〜50、より好ましくは10〜30であり、プロリン含有量が150〜500nM、より好ましくは200〜500nMである溶液でもよい。後記する実施例に示すように、上記製造方法で調製した細胞培養溶液のアミノ酸成分を測定したところ、同量の海洋深層水を濃縮した場合のプロリン含有量などに相違があることが判明した。プロリンに対するセリンのモル比(セリン/プロリン)を評価したところ、海洋深層水では55であり、表層海水では102であった。これに対し、本発明の細胞培養用溶液では、10.4〜19.9であり、プロリン含有量が著しく高いことが判明した。この細胞培養用溶液を細胞培養培地に添加して培養すると、アポトーシスに関連する活性化カスパーゼ−3の活性化が抑制されることが判明した。
(4)液体培地
前記細胞培養用溶液を用いて培養培地基質を溶解して液体培地を調製することができる。培養培地基質としては、D−MEM、E−MEM、G−MEM、RPMI−1640などの動物細胞用培地がある。例えば、粉末状の細胞培養基質を溶解用溶液で溶解して液体培地を調製する場合には、溶解用溶液の一部を前記細胞培養用溶液に代えて液体培地を調製することができる。また、細胞培養基質が液体培地として予め調製されている場合には、これらに前記細胞培養用溶液を添加して、液体培地を調製することができる。前記細胞培養用溶液は脱塩されているため、液体培地に添加しても浸透圧の変動に与える影響が少ない。
(5)細胞培養用処理液
本発明の細胞培養用溶液に海洋深層水を添加して浸透圧200〜400mOsm/Lに調整し、細胞培養用処理液として使用することができる。細胞培養用処理液としては、例えば、細胞内外の浸透圧を維持しながらの細胞の洗浄や希釈を行う際に使用する平衡塩溶液や、接着細胞の剥離や各種組織の細胞分散などに使用する細胞剥離液や細胞分散用溶液として使用することができる。なお、添加する海洋深層水は、目開き0.2〜0.5μmのメンブランフィルターによるろ過、高圧蒸気滅菌などで除菌したものである。海洋深層水には、3.5重量%の塩化ナトリウムその他のミネラルが含まれており、本発明の細胞培養用溶液に添加することでその浸透圧を200〜400mOsm/Lに調整し、細胞培養用処理液を調製することができる。
更に、上記細胞培養用溶液や細胞培養用処理液を用いて培養培地基質を溶解して液体培地を調製することができる。培養培地基質としては、D−MEM、E−MEM、G−MEM、RPMI−1640などの動物細胞用培地がある。例えば、粉末状の細胞培養基質を溶解用溶液で溶解して液体培地を調製する場合には、溶解用溶液として上記細胞培養用処理液を使用し、液体培地を調製することができる。本発明の細胞培養用処理液は浸透圧が等張液と略均等であるため、細胞培養の際の浸透圧に好適である。
本発明の細胞培養用溶液は、後記する実施例に示すように、本発明の細胞培養用溶液を培地溶解液の一部として使用してもHaCaTやMCF7細胞の増殖率に与える影響は少なく、むしろ細胞を増加させる傾向がある。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1:細胞培養用溶液の製造)
富山湾で採取した海面下200メートル以深の海洋深層水を熱蒸留により塩化ナトリウムが結晶化して沈殿する際に生じる上澄み液をニガリとして使用した。海洋深層水120Lから500mlのニガリを得た。
ニガリ500mlに水500mlを加えて撹拌し、次いで1mol/mの炭酸ナトリウム水溶液2Lを加えて撹拌した。生成した沈殿をろ紙(No.2)を使用して吸引ろ過し、ろ液を回収した。1NのHCl溶液を添加してpHを7に調整した後、エバポレーターで液量が1/3量になるまで減圧濃縮した。次いで、エタノール200mlを加えて析出した沈殿をろ紙(No.2)を使用して吸引ろ過し、ろ液を回収した。再度pHを7に調整し、エバポレーターで濃縮乾固した。水40mlを加えて乾固物を溶解し、目開き0.2μmのメンブランフィルターでろ過除菌を行い、ろ液を回収した。得られたろ液を細胞培養用溶液とする。この細胞培養用溶液の海洋深層水からの濃縮率は3,000倍となる。
(実施例2:含有アミノ酸の分析)
実施例1で得た細胞培養用溶液(サンプル1、サンプル2)を下記に示すFmoc−LC−MS法でアミノ酸を分析した。また、富山湾の表層水を3,000倍に濃縮した溶液、および富山湾で採取した海面下200メートル以深の海洋深層水を3,000倍に濃縮した溶液も同様に処理してアミノ酸を分析した。結果を表1に示す。
Figure 0006872198
(Fmoc−LC−MS法)
試料溶液に、0.1Mの四ホウ酸ナトリウム水溶液5mlを添加してpH10.5に調整し、100ppmFmoc−Cl((9H−Fluoren−9−ylmethoxy)carbonyl Chloride)のアセトニトリル溶液2mlを添加し、室温で15分間静置し、Fmoc誘導体を含む反応液を形成した。反応液を、C18カラム(GL Sciences社製;容量1g/6ml)にアプライし、アセトニトリル5ml、1%ギ酸水溶液5mlを移動相として無機塩類を除去した。次いで、1%ギ酸含有アセトニトリル溶液5mlでFmoc誘導体を溶出し、流出液を蒸発乾固した。
蒸発乾固した試料を、LC/MS用溶媒(0.1%ギ酸水溶液:0.1%ギ酸アセトニトリル=8:2)1mlに溶解し、LC/MS用試料を調製した。LC/MS解析は以下の条件で行った。
LC条件
カラム:ACQUITY UPLC BEHC18(2.1×100mm、1.7μm、Waters社製)
移動相:A:0.1%ギ酸水溶液、B:0.1%ギ酸アセトニトリル溶液
グラジエント:A/B:80/20→40/60(8分)→10/90(10分)→2/98(11分)→2/98(12分)→80/20(12.10分)
カラム温度:40℃、
流速:0.4ml/分
注入量:5μl
MS条件
イオンモード:Electrospray Positive
キャピラリー電圧:2.0kV
エクストラクター電圧:3V
RFレンズ 電圧:2.5V
ソース温度:150℃
デソルベーション温度:400℃
コーン/デソルベーション ガス流量:50/800 L/Hr
MS/ドータースキャンレンジ:m/z150〜1200
コーン電圧:15〜20V
コリジョンエネジー:15〜25eV
(実施例3:動物細胞:HaCaT−SV40、およびMCF−7に対する効果)
RPMI1640培地(100U/mlペニシリン(シグマ)、100μg/mlストレプトマイシン(シグマ)/DMEM培地(シグマ))を対照培地とし、対照培地を調製する際に使用した溶解液の一部を実施例1で製造した細胞培養用溶液に代え、細胞培養用溶液を0.2重量%含有する細胞培養用溶液添加培地を調製した。
上記対照培地で培養したHaCaT−SV40、およびMCF−7細胞を、10,000細胞/cm濃度で24ウェルプレートに播種し、37℃、0.5%二酸化炭素の条件で一晩培養し、次いでPBSで3回洗浄した。
各ウェルに対照培地、または細胞培養用溶液添加培地を0.5ml加え、48時間培養した。培養後に、0.5mg/mlのMTT試薬(シグマ、5mg/ml/PBS)を50μl/ウェルとなるよう加え、1時間培養した。次いで、培地を除去し、DMSO(Wako)を400μl/ウェル添加し、Abs570nm、ref650nm(Infinite M200マイクロプレートリーダー、テカンジャパン)で吸光度を測定した。対照培地を使用した場合のMTT還元率(%)を100%として細胞培養用溶液添加培地を使用した場合のMTT還元率(%)を算出した。結果を図2に示す。0.2重量%の添加によりHaCaTおよびMCF7の双方でMTT還元率(%)が100%を越え、生細胞数の増加が観察された。
(実施例4:カスパーゼ−3の活性化抑制)
RPMI1640培地(100U/mlペニシリン(シグマ)、100μg/mlストレプトマイシン(シグマ)/DMEM培地(シグマ))を対照培地とし、対照培地を調製する際に使用した溶解液の一部を実施例1で製造した細胞培養用溶液に代え、細胞培養用溶液を0.2重量%含有する細胞培養用溶液含有培地を調製した。また、陽性対照として実施例1の細胞培養用溶液に代えてLPSを含む深層海洋水を添加してLPS含有培地を調製した。なお、LPSを含む深層海洋水は、深層海洋水から、含まれる成分の50kDa超を限外ろ過膜により回収した抽出物である。
MCF−7細胞を10,000細胞/cm濃度で12ウェルプレートで播種し、内2ウェルに対照培地を、1ウェルに細胞培養用溶液含有培地を、1ウェルにLPS含有培地を0.5ml添加して37℃、0.5%二酸化炭素の条件で一晩培養した。
各ウェルをPBSで2回洗浄し、対照培地を加えた1ウェルと細胞培養用溶液含有培地を加えた1ウェルに440μMの過酸化水素(Wako)/FBS不含DMEM培地1mlを添加して2時間培養した。次いで、PBSで3回洗浄した後、培地1ml/ウェル中で一晩培養した。
各ウェルの細胞をPBSで2回洗浄し、10%トリクロロ酢酸(Wako)/PBSを1ml/ウェル加え、4℃で30分間インキュベートした。その後、セルスクレイパーで細胞をかきとり、1.5mlエッペンチューブに移し、15,000rpm、20分間、4℃で遠心し上清を除去し、沈殿した細胞に0.1Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液にSDSを4%、グリセリンを10%、β−メルカプトエタノールを12%、ブロモエチルブルー適量含有するサンプルバッファーを30μl加え、更に1Mトリスヒドロキシメチルアミノメタンを5μl、蒸留水を25μl添加した。これを密閉式超音波ホモジナイザー(マイクロテック・ニチオンNR−220)で1分間超音波処理した後、95℃で5分間加熱し、細胞溶解液を得た。
細胞溶解液を5〜20%のグラジェントゲルにて電気泳動し、常法に従い、1次抗体として抗β−アクチン抗体を使用し、2次抗体としてHRP標識を室温1時間処理してウェスタンブロットを行い、化学発光試薬ImmunoStar LD(Wako)を用い、Amersham Imager 600(GEヘルスケア)でイメージ画像を取得した。結果を図3に示す。図3において、対照は、対照培地、Hは対照に過酸化水素を添加した培地、RSはLPS含有培地(陽性対照)、Sは、細胞培養用溶液含有培地に過酸化水素を添加した培地の結果を示す。
図3に示すように、過酸化水素水の添加により、アポトーシスの指標である活性化カスパーゼ−3(Cleaved caspase−3)が出現するが(H参照)、実施例1の細胞培養用溶液を添加すると活性化カスパーゼ−3量が少なく(S参照)、実施例1の細胞培養用溶液の添加によりアポトーシスが抑制されていることが確認された。

Claims (6)

  1. 海洋深層水から得たニガリにアルカリ金属の炭酸塩を添加した後沈殿物を除去してニガリ由来Mg除去液を調製する工程と、前記ニガリ由来Mg除去液に炭素数1〜5のアルコールを添加して析出物を除去してニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を調製する工程と、前記ニガリ由来アルコール不溶性物質除去液を除菌する工程とを含むことを特徴とする、細胞培養用溶液の製造方法。
  2. 前記ニガリは、海洋深層水の天然製塩時に得る天然系ニガリ、海洋深層水をイオン交換膜電気透析法により分離した濃塩水から得るイオン交換膜電気透析法系ニガリ、海洋深層水を逆浸透膜装置により分離した濃縮海水から得る逆浸透膜系ニガリのいずれかである、請求項1記載の細胞培養用溶液の製造方法。
  3. 海洋深層水の天然系ニガリであって、マグネシウムおよびアルコール不溶性物質除去された、セリン/プロリンのモル比が5〜50であり、プロリン含有量が150〜500nMである細胞培養用溶液。
  4. 培養培地基剤と、請求項3記載の細胞培養用溶液とを含む、液体培地。
  5. 前記培養培地基剤が、D−MEM、E−MEM、G−MEM、RPMI−1640のいずれかである、請求項4記載の液体培地。
  6. 求項3記載の細胞培養用溶液と、海洋深層水とを含む、浸透圧200〜400mOsm/Lの、細胞培養用処理液。
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