JP6871681B2 - 前後二段構成の防護柵 - Google Patents
前後二段構成の防護柵 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6871681B2 JP6871681B2 JP2016071870A JP2016071870A JP6871681B2 JP 6871681 B2 JP6871681 B2 JP 6871681B2 JP 2016071870 A JP2016071870 A JP 2016071870A JP 2016071870 A JP2016071870 A JP 2016071870A JP 6871681 B2 JP6871681 B2 JP 6871681B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fence
- earth
- sand
- protection fence
- protective
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
Description
前記防護柵は、山の斜面に所定の間隔をあけて立設された支柱に防護ネット(衝撃吸収ネット)を張設してなり、必要に応じてアンカーや控えロープを用いて形態保持する構成が一般的であるが、落石が繰り返し発生することにより防護ネットの裾部(下端部)と設置面(地面)との間に隙間が生じ、当該隙間から後続の落石、或いは事後的に発生する落石が通り抜けて捕捉できない問題が指摘されていた。
そこで近年、落石が繰り返し発生しても防護ネットの裾部と設置面との間に隙間が生じない構成の防護柵(衝撃吸収柵)が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
前記特許文献2には、設置面に左右に所定の間隔で複数の支柱を設け、前記支柱に横ロープ材を多段に設け、前記設置面と下段の前記横ロープ材間を塞ぐ遮蔽部材を備える構成の防護柵が提案されている(請求項1等参照)。
すなわち、前記防護柵の下端部に付設した安全ネットや遮蔽部材に前記土砂が流れ込み、これを受け止め(堰き止め)ることにより当該土砂が漸次堆積し、安全ネットや遮蔽部材の変形に止まらず、防護柵本体の防護ネットや横ロープ材の変形、ひいては破損にも繋がり、落石発生時には本来予定(期待)していた落石捕捉機能を発揮できない虞があった。
例えば、特許文献1の防護柵で云えば、多量の土砂の流れ込みにより安全ネットが伸び切り、防護ネットも伸び変形して本来の衝撃吸収力を発揮できない状態のまま落石を受け止めなければならない事態が生じる問題があった。
これに伴い、作業分担を明確化することにより、作業性に優れた前後二段構成の防護柵を提供することにある。
(1)土砂防護柵1と落石防護柵11との2種の防護柵を前後の位置に別異に設置した構成で実施するので、雨水等により山の表層を流れる土砂を捕捉する機能は前記土砂防護柵1が負担し、落石を捕捉する機能は前記落石防護柵11が負担するという役割分担を明確化した防護柵を実現することができる。
つまり、本発明に係る前後二段構成の防護柵は、前記土砂は前記土砂防護柵1が先行して捕捉することにより、土砂の影響を後方の落石防護柵11に与えず、まさに落石捕捉専用の落石防護柵11を実現することができる。
すなわち、前記役割分担を明確化することにより、落石防護柵11に本来求められている落石捕捉機能を確実かつ十分に発揮することができる、機能性に非常に優れた前後二段構成の防護柵を実現することができる。
(2)土砂防護柵1と落石防護柵11との2種の防護柵を前後の位置に別異に設置した構成で実施するので、作業分担も明確化できる上に、前記落石防護柵11を新設する場合は土砂防護柵1の構築作業と落石防護柵11の構築作業を同時期に行うことができ、また同時期に完成できるし、前記落石防護柵11が既設の場合は当該落石防護柵11に左右されない開放された空間に土砂防護柵1を構築できる等、効率的、合理的な作業を行うことができる。例えば、特許文献1、2に係る安全ネットや遮蔽部材の取付作業は、落石防護柵の完成を待って、しかも従属させる構造で実施するほかなく、これらの取付作業と比べれば、工期を短縮できる等、作業性がよいのは明らかである。
(3)雨水等により山の表層を流れる土砂が多量に発生する等して土砂防護柵1が損傷した場合でも、土砂防護柵1のみを取り替え、又は補修することで対応できるので、作業内容が単純明解である。例えば、特許文献1、2に係る安全ネットや遮蔽部材では、防護柵本体との接合部に留意しつつ煩雑な対応を強いられることに比べれば、作業性がよいのは明らかである。
つまり、本発明は、前記土砂は前記土砂防護柵1が先行して捕捉することにより、土砂の影響を後方の落石防護柵11に与えず、まさに落石捕捉専用の落石防護柵11を実現する前後二段構成の防護柵である。
以下、落石防護柵11と土砂防護柵1の具体的構成を順に説明する。
前記落石防護柵11は、図1、図2に示したように、設置面10に対し所定(図示例では5m程度)の間隔をあけて立設された複数(図示例では4本)の支柱12間に防護ネット13が張設された構成で実施されている。
ちなみに図中の符号14は谷側上部控えロープ、符号15は谷側下部控えロープ、符号16は支柱アンカー(ロックボルト)を示している。また、符号17は谷側サイド控えロープ、符号18は控えロープ固定金具、符号19は山側サイド控えロープ、符号20は控えロープ固定金具を示している。さらに、符号21は山側上部控えロープ、符号22は山側下部控えロープ、符号23は支柱アンカー(ロックボルト)を示している。なお、平面方向からみると、前記谷側下部控えロープ15は、前記谷側上部控えロープ14と重合状態にあるため図2には表れない。同様に、前記山側下部控えロープ22は、前記山側上部控えロープ21と重合状態にあるため図2には表れない。
図示例に係る落石防護柵11の柵幅は本実施例では15m程度で実施しているが勿論これに限定されず、設置する山の性状等に応じて適宜増減される。これに応じて支柱12の数量も適宜増減される。また、柵高、すなわち支柱12の高さは落石Sの捕捉を目的とするので設置面10から通常2〜3m程度の高さに設定されている。
前記土砂防護柵1は、図1〜図3に示したように、前記落石防護柵11の山側に、前記落石防護柵11の支柱12よりも高さが低い支柱部材2間に防護ネット3が張設された構成で実施されている。具体的には、設置面10に対し所定(図示例では2.3m程度)の間隔をあけて立設された複数(図示例では8本)の支柱部材2間に防護ネット3が張設された構成で実施されている。
なお、前記支柱部材2(ベースプレート)は、設置面に載置する構成で実施しているがアンカー等の固定部材で設置面に定着させた構成で実施してもよい。
また、柵高、すなわち支柱部材2の高さは前記100cm程度で実施しているが勿論これに限定されず、土砂を捕捉するのに好適な30〜100cm程度の範囲内で適宜増減可能である。支柱部材2の本数も勿論8本に限定されず、構造設計に応じて適宜増減可能である。
さらに、本実施例では、前記控えロープ4の一端部を落石防護柵11用の支柱アンカー23に連結して実施(共有)しているが、当該支柱アンカー23が好適な部位に存在しない場合等は新たに土砂防護柵1用の支柱アンカーを山側の好適な部位に設けることにより控えロープ4の連結、ひいては支柱部材2の定着を図る。
また、前記土砂防護柵1は、当該土砂防護柵1の支柱部材2の高さ(100cm程度)よりも長い間隔(150cm程度)をあけて前記落石防護柵11の山側に設置されている。これは、万一、土砂防護柵1に落石が直撃して当該土砂防護柵1が後方に転倒した場合であっても落石防護柵11を損傷させることのない、いわば安全距離を確保するためである。
1a 土砂防護柵
2 支柱部材(H形鋼、パイプ材等の縦材)
2a 支柱部材(鋼製枠体)
3 防護ネット
3a 防護ネット
4 控えロープ(土砂防護柵用)
5 アンカーピン
10 設置面(地面)
11 落石防護柵
12 支柱
13 防護ネット
14 谷側上部控えロープ
15 谷側下部控えロープ
16 支柱アンカー(ロックボルト)
17 谷側サイド控えロープ
18 控えロープ固定金具
19 山側サイド控えロープ
20 控えロープ固定金具
21 山側上部控えロープ
22 山側下部控えロープ
23 支柱アンカー(ロックボルト)
S 落石
Claims (6)
- 支柱に防護ネットが張設された、新設又は既設の落石を捕捉するための落石防護柵と、支柱部材に防護ネットが張設され、土砂を捕捉するための土砂防護柵と、を有し、
前記土砂防護柵は、前記落石防護柵の柵高よりも低い柵高であり、前記落石防護柵の山側に前記土砂防護柵の柵高よりも長い間隔をあけて設けられてなることを特徴とする、前後二段構成の防護柵。 - 前記土砂防護柵の支柱部材は、H形鋼、鋼製パイプ、又は鋼製枠体であることを特徴とする、請求項1に記載した前後二段構成の防護柵。
- 前記土砂防護柵の防護ネットは、その裾部が設置面に沿って山側に延設された側面視略L字形に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した前後二段構成の防護柵。
- 前記落石防護柵の柵高は設置面から200〜300cm程度であり、前記土砂防護柵の柵高は設置面から30〜100cm程度であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した前後二段構成の防護柵。
- 前記土砂防護柵の柵幅は、前記落石防護柵の柵幅と略同等以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した前後二段構成の防護柵。
- 前記落石防護柵の支柱は、その山側に設けた支柱アンカーを利用して設置され、前記土砂防護柵の支柱部材は、前記落石防護柵用の支柱アンカーを利用して設置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した前後二段構成の防護柵。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016071870A JP6871681B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 前後二段構成の防護柵 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016071870A JP6871681B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 前後二段構成の防護柵 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017179999A JP2017179999A (ja) | 2017-10-05 |
JP6871681B2 true JP6871681B2 (ja) | 2021-05-12 |
Family
ID=60004009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016071870A Active JP6871681B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 前後二段構成の防護柵 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6871681B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6994235B2 (ja) * | 2017-10-19 | 2022-01-14 | 北海道ガソン株式会社 | 雪崩予防柵及びその設置方法 |
KR102375804B1 (ko) * | 2020-06-25 | 2022-03-16 | 서경대학교 산학협력단 | 토석류에 의한 재해방지구조물 |
KR102375803B1 (ko) * | 2020-06-25 | 2022-03-16 | 서경대학교 산학협력단 | 낙석에 의한 재해방지구조물 |
JP7266218B2 (ja) * | 2020-09-08 | 2023-04-28 | 株式会社ライテク | 防護構造 |
JP7297263B2 (ja) * | 2020-10-13 | 2023-06-26 | 株式会社ライテク | 防護構造とその施工方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5295843A (en) * | 1976-02-09 | 1977-08-11 | Kobe Steel Ltd | Construction method for controlling avalanche of earth and rocks |
JPS5453806U (ja) * | 1977-09-21 | 1979-04-13 | ||
JPS5726899Y2 (ja) * | 1979-11-20 | 1982-06-11 | ||
FR2576047B1 (fr) * | 1985-01-14 | 1987-02-13 | Mecanroc | Barriere de protection contre les chutes de pierres avec des cables d'amarrage susceptibles de glisser dans des organes amortisseurs |
JP2001164521A (ja) * | 1999-12-10 | 2001-06-19 | Nisshoku Corp | 落下物防護柵 |
JP2005351047A (ja) * | 2004-06-14 | 2005-12-22 | Purotekku Engineering:Kk | 防護柵の補強構造 |
JP3811180B1 (ja) * | 2005-10-07 | 2006-08-16 | 有限会社奥宮工業 | 落石誘導ユニットを有する落石防護網とその落石誘導ユニット |
JP5670927B2 (ja) * | 2012-01-27 | 2015-02-18 | 株式会社ライテク | 防護柵 |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016071870A patent/JP6871681B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017179999A (ja) | 2017-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6871681B2 (ja) | 前後二段構成の防護柵 | |
KR102081865B1 (ko) | 충격 흡수용 가변 지주부를 구비하는 터널형 낙석 방호시설 | |
JP5779734B1 (ja) | 衝撃吸収体 | |
JP5670927B2 (ja) | 防護柵 | |
JP4549428B1 (ja) | 防護柵とその捕捉物除去方法 | |
JP5557166B2 (ja) | 防護柵 | |
JP5818213B2 (ja) | 防護柵とその施工方法 | |
JP3143816U (ja) | 落石防護ネット構造 | |
KR102104814B1 (ko) | 보행자 안전난간 및 주행차량 추락방지 기능을 겸비한 투명 경량형 캔틸레버 방풍벽 | |
JP6070034B2 (ja) | 防護ネットの施工方法 | |
JP2003261910A (ja) | 網を用いた防護体及び防護構造 | |
JP2017020202A (ja) | 落石防止柵 | |
KR101364422B1 (ko) | 도로사면을 이용한 경사각이 구비된 로드킬 방지 펜스 | |
JP5490670B2 (ja) | 落石防護ネット構造 | |
WO2015092829A1 (ja) | 防護柵 | |
KR101572504B1 (ko) | 개폐형 낙석방지책 | |
KR200488170Y1 (ko) | 철망 펜스용 고정 프레임 | |
JP2018199934A (ja) | 落石防護柵 | |
KR102625646B1 (ko) | 와이어링을 이용한 낙석방지책 시공방법 | |
JP6986750B2 (ja) | 崩落物の捕捉施設 | |
KR101620592B1 (ko) | 가드레일과 동물유도울타리 겸용 파워방형망구조 및 그 시공방법 | |
KR200405982Y1 (ko) | 이중 능형망 구조의 낙석방지책 | |
JP3874769B2 (ja) | 落石防護ネット構造及びその工法 | |
JP3233151U (ja) | 防護柵 | |
JP2014093951A (ja) | 耐雪型獣害防止柵 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191028 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191112 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20191212 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200811 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20200924 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210413 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210416 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6871681 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |