JP6871003B2 - セラミック成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば医療や航空などの分野において、三次元(3D)積層造形の光積層造形による開発や製造に適用できるものである。つまり、セラミックと感光性を有する光感光性樹脂とを含むセラミックスラリーを用いて、各種の造形物を製造する際に適用できるセラミック成形体の製造方法に関するものである。
従来、光造形材料を含むスラリー層に光を照射し、そのスラリー層を積層するようにして造形物を製造するスラリー光硬化型積層造形法が知られている。また、このスラリー光硬化型積層造形法としては、下記の特許文献1〜3の技術が知られている。
例えば、特許文献1には、金属とセラミックの成分配合比を、スラリー層である塗布層毎に変化させることで、機能傾斜材料を形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、酸化チタンのスラリー積層造形において、「酸化チタン粒子は光を強く散乱するために、硬化深度が得がたい」、「酸化チタン粒子はカチオン重合系の光硬化性液状組成物に混合すると、光重合反応を阻害するため、光硬化性液状組成物が硬化しにくい」という問題点に対して、酸化チタン粒子の平均粒径制御及びラジカル重合系の光硬化性液状組成物への混合によって、硬化深度を確保するという技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、「セラミックス分散光造形用硬化性樹脂から得られる光硬化体は、樹脂成分単独のものと比べて、硬化深さは浅くなり、硬化幅が広くなる傾向があること」という問題に対して、シリカ及びシリカを主成分として含有する実質的に光透過性の固体微粒子を、光硬化性樹脂に分散させることで、露光面よりもスラリー内部で光硬化体の形状が幅広く膨らむように制御する技術が開示されている。また、この技術を利用して、斜面形状又は曲面形状を有する立体形状物を造形する際に生じる外面の段差形状を軽減することも開示されている。
特公平7−42482号公報 特許第4916744号公報 特許第3536998号公報
しかしながら、上述した従来技術では、目的とする形状のセラミック成形体を得ることは、必ずしも容易ではない。
具体的には、例えばレーザ光によって硬化する光造形材料(例えば光硬化性樹脂を含むスラリー)を用い、いわゆる光積層造形によって、硬化した層を積層して立体形状物(造形物)を作製する場合に、図5に例示するように、レーザ光をスラリーに照射しても、寸法精度に優れたセラミック成形体が得られないことがあった。つまり、レーザ照射領域の周辺までスラリーが余剰に硬化して、設計寸法を超えて硬化してしまうことがあった。
また、これを回避するために、図6に例示するように、レーザ光により供給される単位面積当たりのエネルギー量を下げて、硬化幅を狭めると、硬化深度が浅くなることがある。その結果、積層する各層間の密着性が低下し、層間に隙間が生じてしまうことがある。
つまり、余剰硬化抑制と硬化深度確保とがトレードオフの関係にあるので、目的とする形状(即ち寸法精度に優れた形状)のセラミック成形体を得ることは容易ではない。
なお、層間の隙間発生を防ぐ方法として、積層ピッチを薄くすることが考えられるが、その場合には、造形に要する時間が増え、生産効率が低下してしまう。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、セラミックと光硬化性樹脂とを含むセラミックスラリーを用いて、目的とする形状のセラミック成形体を容易に製造できるセラミック成形体の製造方法を提供することにある。
(1)本発明の第1局面は、第1セラミック粉末と第1光硬化性樹脂部とを含む第1セラミックスラリーを準備する工程と、第1セラミックスラリーからなり、表面および表面に対向する裏面を有する第1スラリー成形層を形成する工程と、第2セラミック粉末と、第1光硬化性樹脂部の光透過率とは異なる光透過率を有する第2光硬化性樹脂部とを含む第2セラミックスラリーを準備する工程と、第2セラミックスラリーからなり、表面および表面に対向する裏面を有する第2スラリー成形層を形成する工程と、第1スラリー成形層と第2スラリー成形層とを積層してスラリー複合層を形成する工程と、スラリー複合層に光を照射して造形加工する工程と、を含むセラミック成形体の製造方法に関するものである。
このセラミック成形体の製造方法では、スラリー複合層を形成する工程において、第2スラリー成形層の表面がスラリー複合層の1つの面をなし、第1スラリー成形層の裏面がスラリー複合層の1つの面に対向する他の面をなすように配置されており、光を照射して造形加工する工程において、第2スラリー成形層の表面側から光を照射する。
このように、第1局面では、光透過率の異なる第1光硬化性樹脂部と第2光硬化性樹脂部とを用いて、それぞれ第1スラリー成形層と第2スラリー成形層とを作製し、この第1スラリー成形層と第2スラリー成形層とを積層したスラリー複合層に対して、第2スラリー成形層の表面側から光を照射する。これにより、第1スラリー成形層及び第2スラリー成形層においては、照射する光に対する透過率(即ち光透過率)に対応した形状の硬化部分を形成することができる。
つまり、第1、第2スラリー成形層には、それぞれ光透過率に応じた形状の硬化部分が形成されるので、スラリー複合層においてその硬化部分に対応した形状のセラミック成形体を容易に形成することができる。
このように、本第1局面によれば、光透過率が異なる光硬化性樹脂部を用いることにより、目的とする形状のセラミック成形体を容易に製造することができるという顕著な効果を奏する。
なお、スラリー複合層を形成する工程においては、第1スラリー成形層を形成する工程又は第2スラリー成形層を形成する工程を同時に実施することができる。例えば第1スラリー成形層の上に第2スラリー成形層を積層することにより、第2スラリー成形層の形成とスラリー複合層との形成を同時に行うことができる。同様に、例えば第2スラリー成形層の上に第1スラリー成形層を積層することにより、第1スラリー成形層の形成とスラリー複合層との形成を同時に行うことができる。
(2)本発明の第2局面は、第1局面のセラミック成形体の製造方法であって、第1光硬化性樹脂部の光透過率は、第2光硬化性樹脂部の光透過率よりも大きい。
本第2局面では、第1光硬化性樹脂部の光透過率は第2光硬化性樹脂部の光透過率より大きいので、言い換えれば、第2光硬化性樹脂部の光透過率は第1光硬化性樹脂部の光透過率よりも小さいので、例えば図1に示すように、第2スラリー成形層(TB)の表面側から光を照射した場合には、(光透過率が小さい)第2スラリー成形層では、光を照射した領域の周辺は余剰に硬化しにくい。
一方、第1スラリー成形層(TA)では、光は第2スラリー成形層を通過したものであるので、第2スラリー成形層に比べて、光の受光量が少ない(従って光の強度が小さい)。しかし、第1光硬化性樹脂部の光透過率は第2光硬化性樹脂部の光透過率より大きいので、第1スラリー成形層では、設計値により近い寸法に硬化させることができる。
また、例えばレーザ光は、減衰によって、硬化部分の形状は先細りになる傾向がある。そのため、例えばレーザ光の入射側の方が反対側に比べて硬化幅が広くなる。
それに対して、本第2局面では、上述したように、光透過率の異なる第1、第2スラリー成形層を組み合わせることにより、光の照射方向(即ち各スラリー成形層の厚み方向)における硬化部分の形状を均一化できる。
これにより、第1スラリー成形層及び第2スラリー成形層において、即ち、スラリー複合層において、設計値により近い寸法に硬化させることができる。その結果、目的とする形状のセラミック成形体を容易に製造することができる。つまり、目的とする設計値に近い寸法精度に優れた形状のセラミック成形体を容易に製造することができる。
また、本第2局面では、上述のように光を照射した領域の周辺が余剰に硬化しにくいので、光に供給される単位面積当たりのエネルギー量を過度に下げる必要が無い。そのため、十分な硬化深度を確保できるので、例えばスラリー複合層を順次積層して、目的とするセラミック成形体を得るための積層構造体を作製する際に、スラリー複合層間の密着性を確保し、スラリー複合層間に隙間が生じることを抑制できる。
つまり、本第2局面では、目的とする硬化部分の寸法(例えば硬化幅)を確保するために、過度に光の強度を増加させる必要がないので、余剰硬化抑制と硬化深度確保とを好適に両立できる。
このように、本第2局面では、硬化深度を確保しつつ硬化部分を適切な範囲に狭めることができるので、目的とする形状のセラミック成形体を容易に製造できるとともに、層間(即ちスラリー複合層を積層した場合の各スラリー複合層間)の密着性を確保できるという顕著な効果を奏する。
(3)本発明の第3局面は、第1又は第2局面のセラミック成形体の製造方法であって、第3セラミック粉末と第3光硬化性樹脂部とを含む第3セラミックスラリーを準備する工程と、第3セラミックスラリーからなり、表面および表面に対向する裏面を有する第3スラリー成形層を形成する工程と、をさらに備えている。
しかも、第3スラリー成形層は、スラリー複合層において、第1スラリー成形層と第2スラリー成形層との間に配置されており、第3光硬化性樹脂部の光透過率は、第1光硬化性樹脂部の光透過率よりも小さく、第2光硬化性樹脂部の光透過率よりも大きい。
本第3局面では、スラリー複合層において、第1スラリー成形層、第3スラリー成形層、第2スラリー成形層の順番で積層されており、しかも、その光透過率は、第1光硬化性樹脂部>第3光硬化性樹脂部>第2光硬化性樹脂部の順番である。
従って、第2スラリー成形層の表面から光を照射した場合には、第2局面と同様に、余剰硬化抑制と硬化深度確保とを好適に両立でき、硬化深度を確保しつつ硬化部分を適切な範囲に狭めることができる。
また、例えばレーザ光のように、光の強度が減衰した場合でも、光の照射方向における硬化部分の形状を均一化できるという利点がある。
これによって、目的とする形状のセラミック成形体を容易に製造することができるとともに、層間(即ちスラリー複合層間)の密着性を向上できる。
(4)本発明の第4局面は、第1〜第3局面のいずれかのセラミック成形体の製造方法であって、光の光源は、波長400nm以下の紫外線レーザである。
本第4局面は、光の光源として、好適な種類を例示したものである。この波長400nm以下の紫外線レーザを用いることにより、各スラリー成形層の所定部分を好適に硬化させることができる。
なお、紫外線レーザの波長としては、固体レーザの第3高調波355nmが好適である。
(5)本発明の第5局面は、第1〜第4局面のいずれかのセラミック成形体の製造方法であって、第2セラミック粉末は、ハイドロキシアパタイト粉末を含む。
本第5局面は、第2セラミック粉末として、好適な物質を例示したものである。
(6)本発明の第6局面では、第5局面のセラミック成形体の製造方法であって、第1セラミック粉末と第2セラミック粉末とは、ハイドロキシアパタイト粉末を含む。
本第6局面は、第1、第2セラミック粉末として、好適な物質を例示したものである。
(7)本発明の第7局面は、第1〜第6局面のいずれかのセラミック成形体の製造方法であって、第1セラミック粉末と第2セラミック粉末との平均粒径(D50)は、それぞれ0.5μm以上3μm以下である。
本第7局面は、第1、第2セラミック粉末の平均粒径として、好適な平均粒径を例示したものである。
なお、前記平均粒径が0.5μmを下回る場合は、スラリー中で粉末の凝集が起き易く、滑らかなスラリーを作製しにくい。一方、平均粒径が3μmを上回ると、粒径が大きいので、スラリー成形層を形成した場合に表面に凹凸が生じ易い。
(8)本発明の第8局面は、第1〜第7局面のいずれかのセラミック成形体の製造方法であって、第1セラミックスラリーは、第1セラミック粉末を30〜60vol%含み、第2セラミックスラリーは、第2セラミック粉末を30〜60vol%含む。
本第8局面は、第1、第2セラミックスラリーの組成として、好適な組成(体積比:体積%)を例示したものである。
この組成の第1、第2セラミックスラリーを用いることにより、適度な固さを有するセラミック成形体を形成できる。また、そのセラミック成形体を焼成することにより、高い強度を有するセラミック製品を得ることができる。
なお、各粉末が30vol%を下回る場合には、スラリーの粘度が低いので、スラリー成形層を形成しにくい。一方、各粉末が60vol%を上回る場合には、粉末と樹脂とが混ざりにくいので、スラリーを作製しにくい。
(9)本発明の第9局面は、第1〜第8局面のいずれかのセラミック成形体の製造方法であって、スラリー複合層を積層して積層構造体を形成し、この積層構造体から未硬化部分を除去して、セラミック成形体を製造する。
本第9局面は、スラリー複合層を積層して積層構造体を形成し、この積層構造体からセラミック成形体を製造する方法を例示したものである。
<以下に、本発明の各構成について説明する>
・第1、第2、第3セラミック粉末としては、各種のセラミック粉末を採用できる。例えば、ハイドロキシアパタイト、酸化アルミニウム(アルミナ)、ジルコニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素等や、それらの混合物が挙げられる。
・第1、第2、第3光硬化性樹脂部としては、露光によって硬化する各種の樹脂(即ち光硬化性樹脂)からなる部分が挙げられる。
この光硬化性樹脂としては、例えば、アルキルアクリレート等の光重合性モノマーやα―ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の光重合開始剤などを含むアクリル系光硬化性樹脂などが挙げられるが、光によって硬化するものであれば、それに限定されるものではない。
なお、光透過率を違える方法としては、光重合開始剤の種類や添加量を変えることなどが挙げられる。
・第1、第2、第3セラミックスラリーとしては、上述したセラミック粉末と光硬化性樹脂部とを含む各種のスラリーが挙げられる。なお、スラリー(泥漿)とは、液体に固体粒子が混ざり込んだ懸濁体であり、ここでは、露光により硬化する光造形材料である。
・第1、第2、第3スラリー成形層は、上述したセラミックスラリーによって形成された層であり、このスラリー成形層に光を照射することにより、その露光部分が硬化する。
なお、各スラリー成形層は、各光硬化性樹脂部の光透過率が異なることにより、光硬化性樹脂部以外の他の成分が同じであれば、各スラリー成形層自身の光透過率も異なる。
・スラリー複合層は、異なる光透過率を有する各光硬化性樹脂部を有する各スラリー成形層が積層された層である。
・光透過率(%)とは、透過対象の部材を光が透過する場合に、透過前の光の強度と透過後の光の強度との比、即ち、「(透過後の光の強度/透過前の光の強度)×100」であり、紫外可視分光光度計により測定される。
なお、光透過率の大小を比較する場合には、透過対象の部材の条件(例えば厚み)を同じにする。
実施形態のスラリー複合層を厚み方向に破断し、レーザ光を照射して硬化させる状態を示す説明図である。 実施形態の積層構造体の一部を示す側面図である。 実施形態のセラミック成形体を示す平面図である。 実施例1〜4及び比較例1〜3のスラリー複合層を厚み方向に破断して示す断面図である。 従来技術のレーザ光の露光による硬化部分を示す説明図である。 従来技術のレーザ光の強度を小さくした場合の説明図である。
次に、本発明のセラミック成形体の製造方法の実施形態について説明する。
[1.実施形態]
ここでは、光硬化性スラリーをレーザ光を用いて硬化させて、所定形状のセラミック成形体を製造する方法を例に挙げて説明する。
[1−2.セラミック成形体の製造方法]
本実施形態では、セラミック粉末と光硬化性樹脂とを混合した光硬化性スラリーを用意した。そして、その光硬化性スラリーに対して紫外線レーザ光を照射し、照射部分(即ち露光部分)を硬化させて造形することにより、3次元積層造形物であるセラミック成形体の製造を行った。
以下、詳細に説明する。
<光硬化性スラリー>
まず、光硬化性スラリーの作製方法について説明する。
ハイドロキシアパタイトからなるセラミック粉末(D50:1.4μm)と、アクリル系光硬化性樹脂Aとを用意し、自転公転ミキサーによって攪拌混合し、ハイドロキシアパタイト部(ハイドロキシアパタイトからなる部分)と樹脂部(アクリル系光硬化性樹脂Aからなる部分)とを含むスラリーSAを作製した。
なお、スラリーSAは、ハイドロキシアパタイト分濃度が例えば36vol%である。
ここでは、セラミック粉末として、全量がハイドロキシアパタイトであるセラミック粉末を用いたが、ハイドロキシアパタイト以外に、リン酸カルシウム等の他のセラミックを含んでいても良い。その場合には、ハイドロキシアパタイトと他のセラミックとの混合比としては、製造する製品に応じて適宜採用できる。以下、セラミック粉末に関しては同様である。
また、前記アクリル系光硬化性樹脂Aとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、光重合開始剤の2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパンとの混合物を用いた。このアクリル系光硬化性樹脂Aの波長355nmの光透過率は60%である。
これとは別に、アクリル系光硬化性樹脂Aの代わりに、アクリル系光硬化性樹脂Aよりも光透過率の小さなアクリル系光硬化性樹脂Bを用いて、前記と同様にして、ハイドロキシアパタイトからなるセラミック粉末とアクリル系光硬化性樹脂Bとから、スラリーSB(ハイドロキシアパタイト分濃度36vol%)を作製した。
なお、アクリル系光硬化性樹脂Bとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、光重合開始剤のα−ヒドロキシシクロヘキサンフェニルケトンとの混合物を用いた。
このアクリル系光硬化性樹脂Bの波長355nmの光透過率は40%である。
さらに、アクリル系光硬化性樹脂Aの代わりに、アクリル系光硬化性樹脂Bよりも光透過率の小さなアクリル系光硬化性樹脂Cを用いて、前記と同様にして、ハイドロキシアパタイトからなるセラミック粉末とアクリル系光硬化性樹脂Cとから、スラリーSC(ハイドロキシアパタイト分濃度36vol%)を作製した。
なお、アクリル系光硬化性樹脂Cとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと、光重合開始剤のベンソインイソプロピルエーテルとの混合物を用いた。
このアクリル系光硬化性樹脂Cの波長355nmの光透過率は20%である。
従って、各アクリル系光硬化性樹脂(以下単に樹脂と記すこともある)A、B、Cの各光透過率の大小は、樹脂Aの光透過率>樹脂Bの光透過率>樹脂Cの光透過率である。
なお、樹脂以外の他の条件が同じであれば、スラリーSAの光透過率>スラリーSBの光透過率>スラリーSCの光透過率の関係となり、同様に、スラリー成形層TAの光透過率>スラリー成形層TBの光透過率>スラリー成形層TCの光透過率の関係となる。
<セラミック成形体の作製>
次に、セラミック成形体の作製手順の概要について説明する。
ここでは、2層構造のスラリー複合層からセラミック成形体を作製する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば3層以上であってもよい。
まず、図1に示すように、例えば造形テーブル(図示せず)上に、例えば樹脂A及び前記セラミックを含むスラリーSAを、スキージを用いて塗工し、スラリー成形層TAを形成した。
次に、このスラリー成形層TAの上に、前記と同様にして、例えば樹脂B及び前記セラミック粉末を含むスラリーSBを塗工して、スラリー成形層TBを形成した。これにより、スラリー成形層TAの上にスラリー成形層TBが積層されたスラリー複合層1を作製した。
次に、スラリー複合層1のスラリー成形層TBの表面(上面)から、目標とする所定の硬化範囲(硬化幅:設計値)となるように、レーザ光(L)を所定の硬化範囲に照射し、スラリー複合層1中の照射部分を硬化させた。
なお、図1の破線の間の範囲が、レーザ光の照射範囲である。つまり、硬化させる設計値の範囲(例えば硬化幅)である。
これにより、スラリー複合層1中に、レーザ光の照射範囲とほぼ同様な範囲が硬化して硬化部分3が形成される。
なお、実際には、レーザ光は、スラリー成形層TA内とスラリー成形層TB内にて、各透過率に対応して分散して周囲に広がるので、図1に示すように、スラリー成形層TA内とスラリー成形層TB内にて、レーザ光の入射側の硬化範囲が広がる(即ち図1の上方が広がる硬化部分3となる)。
そして、このスラリー複合層1上に、上述した工程と同様に、更に別のスラリー複合層1を積層する処理を、必要回数繰り返した。これにより、図2に示すように、複数のスラリー複合層1が積層された積層構造体5が得られた。
その後、積層構造体5のうち、未硬化のスラリーを、周知の方法(例えばエタノールによる洗浄)で除去することにより、レーザ光で硬化した部分からなるセラミック成形体7(例えば図3参照)を作製した。
なお、その後、このセラミック成形体7を焼成することにより、セラミック焼結体であるセラミック製品(図示せず)が得られる。
[1ー2.硬度深度調査]
次に、上述した各スラリーSA、SB、SCに、紫外線レーザを照射した場合に、どの程度の深さまで硬化するかを調べた硬度深度調査について説明する。
まず、スラリーSAを、造形テーブル上にスキージを用いて塗工し、スラリー成形層TAを形成した。
そして、このスラリー成形層TAに対して、紫外線レーザ(波長355nm)にて、スポット径10μm、パワー20mW、スキャン速度1200mm/s、スキャン間隔10μmで、1cm角の領域を露光した。
その結果、硬化厚み(硬化深度)は、60μmであった。
同様にして、スラリーSBによって形成したスラリー成形層TBに対して、紫外線レーザを照射して露光した。その結果、スラリー成形層TBの硬化厚み(硬化深度)は、40μmであった。
また、同様に、スラリーSCによって形成したスラリー成形層TCに対して、紫外線レーザを照射して露光した。その結果、スラリー成形層TCの硬化厚み(硬化深度)は、20μmであった。
これにより、3種のスラリーSA、SB、SC(従ってスラリー成形層TA、TB、TC)について、含有される樹脂A、B、Cの光硬化率の順番に従って硬化深度が変化すること、即ち、光透過率が大きいほど硬化深度が大きくなることが分かる。
[1ー3.実施例及び比較例]
次に、上述した各樹脂A、B、Cを用いてセラミック成形体7を製造する実施例及び比較例について説明する。
ここでは、図3に示すような形状のセラミック成形体7を作製する場合を例に挙げる。具体的には、このセラミック成形体7は、例えば1cm角×厚み0.4mmの直方体形状(板状)の立体構造物であり、その中心部分に、目標とする設計値(φ500μm)の円柱形状の貫通孔9を形成したものである。
なお、貫通孔9は、セラミック成形体7の厚み方向に貫通し、その表面(即ちレーザ光を照射する側)の開口部11にて開口するものである。
(実施例1)
まず、図4(a)に示すように、例えば造形テーブル上に、樹脂A及びセラミック粉末を含むスラリーSAをスキージを用いて塗工し、厚さ20μmのスラリー成形層TAを形成した。
次に、スラリー成形層TA上に、樹脂B及びセラミック粉末を含むスラリーSBを塗工し、厚さ10μmのスラリー成形層TBを形成した。
次に、スラリー成形層TB上に、樹脂C及びセラミック粉末を含むスラリーSCを塗工し、厚さ10μmのスラリー成形層TCを形成した。
これにより、下層より、スラリー成形層TA、スラリー成形層TB、スラリー成形層TCの順番で積層されたスラリー複合層21を作製した。
次に、このスラリー複合層21に対して、スラリー成形層TC側の表面から、前記貫通孔9を有するセラミック成形体7の形状となるように、上述した紫外線レーザを用いて、同様なレーザ条件にて露光を行って、スラリー複合層21の一部(露光した部分)を硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー複合層21を順次積み重ねて、目的とするセラミック成形体7の形状に対応した厚みの積層構造体5(図2参照)を作製した。
つまり、下層のスラリー複合層21上に、上述した各スラリー成形層TA、TB、TCからなる上層のスラリー複合層21を形成する工程を繰り返すことにより、例えば10層のスラリー複合層21を積層して、積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、形成されたセラミック成形体7の貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の85%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー複合層21の部分(詳しくは未硬化部分の除去後の硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られなかった。
(実施例2)
まず、図4(b)に示すように、造形テーブル上に、スラリーSAをスキージを用いて塗工し、厚さ20μmのスラリー成形層TAを形成した。
次に、スラリー成形層TA上に、スラリーSBを塗工し、厚さ20μmのスラリー成形層TBを形成した。
これにより、下層より、スラリー成形層TA、スラリー成形層TBの順番で積層されたスラリー複合層23を作製した。
次に、このスラリー複合層23に対して、スラリー成形層TB側の表面から、前記実施例1と同様に、紫外線レーザを用いて露光を行って硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー複合層23を順次積み重ねて積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の70%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー複合層23の部分(詳しくは硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られなかった。
(実施例3)
まず、図4(c)に示すように、造形テーブル上に、スラリーSAをスキージを用いて塗工し、厚さ30μmのスラリー成形層TAを形成した。
次に、スラリー成形層TA上に、スラリーSCを塗工し、厚さ10μmのスラリー成形層TCを形成した。
これにより、下層より、スラリー成形層TA、スラリー成形層TCの順番で積層されたスラリー複合層25を作製した。
次に、このスラリー複合層25に対して、スラリー成形層TC側の表面から、前記実施例1と同様に、紫外線レーザを用いて露光を行って硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー複合層25を順次積み重ねて積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の85%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー複合層25の部分(詳しくは硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られなかった。
(実施例4)
まず、図4(d)に示すように、造形テーブル上に、スラリーSBをスキージを用いて塗工し、厚さ30μmのスラリー成形層TBを形成した。
次に、スラリー成形層TB上に、スラリーSCを塗工し、厚さ10μmのスラリー成形層TCを形成した。
これにより、下層より、スラリー成形層TB、スラリー成形層TCの順番で積層されたスラリー複合層27を作製した。
次に、このスラリー複合層27に対して、スラリー成形層TC側の表面から、前記実施例1と同様に、紫外線レーザを用いて露光を行って硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー複合層27を順次積み重ねて積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の85%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー複合層27の部分(詳しくは硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られなかった。
(比較例1)
まず、図4(e)に示すように、造形テーブル上に、スラリーSAをスキージを用いて塗工し、厚さ40μmのスラリー成形層TAを形成した。
次に、このスラリー成形層TAに対して、前記実施例1と同様に、紫外線レーザを用いて露光を行って硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー成形層TAを順次積み重ねて積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の50%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー成形層TAの部分(詳しくは硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られなかった。
(比較例2)
まず、図4(f)に示すように、造形テーブル上に、スラリーSBをスキージを用いて塗工し、厚さ40μmのスラリー成形層TBを形成した。
次に、このスラリー成形層TBに対して、前記実施例1と同様に、紫外線レーザを用いて露光を行って硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー成形層TBを順次積み重ねて積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の70%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー成形層TBの部分(詳しくは硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られた。
(比較例3)
まず、図4(g)に示すように、造形テーブル上に、スラリーSCをスキージを用いて塗工し、厚さ40μmのスラリー成形層TCを形成した。
次に、このスラリー成形層TCに対して、前記実施例1と同様に、紫外線レーザを用いて露光を行って硬化させた。
そして、上述した露光までの工程を繰り返して、即ち、スラリー成形層TCを順次積み重ねて積層構造体5を作製した。
その後、積層構造体5の未硬化部分を除去することで、上述した形状のセラミック成形体7を得た。
そして、貫通孔9の開口部11を調べたところ、その直径は設計値の85%であった。
また、セラミック成形体7において、隣接するスラリー成形層TCの部分(詳しくは硬化部分)の積層部分を調べたところ、積層間に隙間が見られた。
上述した実施例1〜4、比較例1〜3における、開口部11の寸法精度(設計値からのずれ:開口の程度)と、積層間の隙間の有無(層間密着性)について、下記表1にまとめて記す。
なお、表1では、開口部の設計値からのずれが小さいもの(即ち開口部が設計値の70%以上)を「○」で示し、ずれが大きいもの(即ち開口部が設計値の70%未満)を「×」で示す。また、前記積層間に隙間が無いものを「○」で示し、隙間があるものを「×」で示す。
Figure 0006871003
この表1から明らかなように、本発明例である実施例1〜4では、開口部11の設計値からのずれが小さく、且つ、前記積層間に隙間が無いので、好適である。
それに対して、比較例1〜3では、開口部11の設計値からのずれが大きいか、又は、前記積層間に隙間が有るので、好ましくない。
[1−4.効果]
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、例えば樹脂Aの光透過率は樹脂Bの光透過率よりも大きいので、例えば前記図1に示すように、スラリー成形層TBの表面側からレーザ光を照射した場合には、(光透過率が小さい樹脂を含む)スラリー成形層TBでは、レーザ光を照射した領域の周辺は余剰に硬化しにくい。
一方、スラリー成形層TAでは、スラリー成形層TBより光透過率の大きな樹脂を含んでいるので、スラリー成形層TBに比べて、光の受光量が少ない(従って光の強度が小さい)ものの、光透過率が大きいので、設計値により近い寸法に硬化させることができる。
また、レーザ光は、減衰によって硬化部分3の形状は先細りになる傾向がある。そのため、レーザ光の入射側の方が反対側に比べて硬化幅が広くなり易い。しかし、上述したように、光透過率の異なる各スラリー成形層TA、TBを組み合わせることにより、光の照射方向(即ち各スラリー成形層TA、TBの厚み方向)における硬化部分3の形状(即ち硬化幅)を均一化できるという利点がある。
これにより、スラリー成形層TA及びスラリー成形層TBにおいて、即ち、スラリー複合層1において、設計値により近い寸法に硬化させることができる。
また、本実施形態では、上述のようにレーザ光を照射した領域の周辺が余剰に硬化しにくいので、レーザ光により供給される単位面積当たりのエネルギー量を過度に下げる必要が無い。そのため、十分な硬化深度を確保できるので、スラリー複合層1を順次積層して、目的とするセラミック成形体7を得るための積層構造体5を作製する際に、スラリー複合層1間の密着性を確保し、スラリー複合層1間に隙間が生じることを抑制できる。
つまり、本実施形態では、目的とする硬化部分3の寸法(例えば硬化幅)を確保するために、過度にレーザ光の強度を増加させる必要がないので、余剰硬化抑制と硬化深度確保とを好適に両立できる。つまり、硬化深度を確保しつつ硬化部分を適切な範囲に狭めることができる。
なお、上述した実施例1〜4のように、各種のスラリー成形層TA、TB、TCを組み合わせて積層した場合でも、同様な効果が得られることは明らかである。
このように、本実施形態では、目的とする形状のセラミック成形体7を容易に製造することができるとともに、スラリー複合層1間の密着性を確保して隙間の発生を抑制できるという顕著な効果を奏する。
[1−5.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、実施形態と特許請求の範囲との文言の対応関係について説明する。
本実施形態の、アクリル系光硬化性樹脂A、スラリーSA、スラリー成形層TA、アクリル系光硬化性樹脂B、スラリーSB、スラリー成形層TB、スラリー複合層1、セラミック成形体7、アクリル系光硬化性樹脂C、スラリーSC、スラリー成形層TC、積層構造体5は、それぞれ、本発明の、第1光硬化性樹脂部、第1セラミックスラリー、第1スラリー成形層、第2光硬化性樹脂部、第2セラミックスラリー、第2スラリー成形層、スラリー複合層、セラミック成形体、第3光硬化性樹脂部、第3セラミックスラリー、第3スラリー成形層、積層構造体の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、光硬化性樹脂としては、周知の各種の材料を使用できる。
(2)また、スラリーに添加するセラミックとしては、上述したハイドロキシアパタイトに限らず、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素等を、単独で用いても良いし、それらを組み合わせても良い。
(3)前記実施形態では、紫外線レーザ光を使用したが、光硬化性樹脂を硬化させることができれば、レーザ光以外に他の光(例えばLEDやDLP)を採用してもよい。
)セラミック成形体から製造される造形物としては、スラリーの材料(例えばセラミック材料)に応じて、人工骨、切削工具、ベアリング部材、絶縁部材、耐摩耗部材等が挙げられる。
)なお、本実施形態の構成を適宜組み合わせることができる。
1、21、23、25、27、29、31、33…スラリー複合層
3…硬化部分
5…積層構造体
7…セラミック成形体
A、B、C…アクリル系光硬化性樹脂
SA、SB、SC…スラリー
TA、TB、TC…スラリー成形層

Claims (8)

  1. 第1セラミック粉末と第1光硬化性樹脂部とを含む第1セラミックスラリーを準備する工程と、
    前記第1セラミックスラリーからなり、表面および該表面に対向する裏面を有する第1スラリー成形層を形成する工程と、
    第2セラミック粉末と、前記第1光硬化性樹脂部の光透過率とは異なる光透過率を有する第2光硬化性樹脂部とを含む第2セラミックスラリーを準備する工程と、
    前記第2セラミックスラリーからなり、表面および該表面に対向する裏面を有する第2スラリー成形層を形成する工程と、
    前記第1スラリー成形層と前記第2スラリー成形層とを積層してスラリー複合層を形成する工程と、
    前記スラリー複合層に光を照射して造形加工する工程と、
    を含むセラミック成形体の製造方法であって、
    前記第1光硬化性樹脂部の光透過率は、前記第2光硬化性樹脂部の光透過率よりも大きく、
    前記スラリー複合層を形成する工程において、
    前記第2スラリー成形層の表面が前記スラリー複合層の1つの面をなし、前記第1スラリー成形層の裏面が前記スラリー複合層の前記1つの面に対向する他の面をなすように配置され、
    前記光を照射して造形加工する工程において、
    前記第2スラリー成形層の表面側から光を照射する、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    第3セラミック粉末と第3光硬化性樹脂部とを含む第3セラミックスラリーを準備する工程と、
    前記第3セラミックスラリーからなり、表面および該表面に対向する裏面を有する第3スラリー成形層を形成する工程と、
    をさらに備え、
    前記第3スラリー成形層は、前記スラリー複合層において、前記第1スラリー成形層と前記第2スラリー成形層との間に配置されており、
    前記第3光硬化性樹脂部の光透過率は、前記第1光硬化性樹脂部の光透過率よりも小さく、前記第2光硬化性樹脂部の光透過率よりも大きい、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  3. 請求項1または請求項に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    前記光の光源は、波長400nm以下の紫外線レーザである、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    前記第2セラミック粉末は、ハイドロキシアパタイト粉末を含む、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  5. 請求項に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    前記第1セラミック粉末と前記第2セラミック粉末とは、ハイドロキシアパタイト粉末を含む、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    前記第1セラミック粉末と前記第2セラミック粉末との平均粒径(D50)は、それぞれ0.5μm以上3μm以下である、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    前記第1セラミックスラリーは、前記第1セラミック粉末を30〜60vol%含み、
    前記第2セラミックスラリーは、前記第2セラミック粉末を30〜60vol%含む、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
  8. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のセラミック成形体の製造方法であって、
    前記スラリー複合層を積層して積層構造体を形成し、該積層構造体から未硬化部分を除去して、前記セラミック成形体を製造する、
    ことを特徴とするセラミック成形体の製造方法。
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