JP6869992B2 - 光安定性ホップ抽出物 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、光安定性ホップ抽出物、およびこうしたホップ抽出物のビールでの利用に関する。本発明は、こうした光安定性ホップ抽出物を調製する方法をさらに提供し、前記方法は、プレ異性化ホップ抽出物に照光することを含む。
発明の背景
ホップは、ホップ植物フムルスルプルス(Humulus lupulus)の雌花である。ホップはビール中での成分として使用され、ホップによってビールに苦くピリッとする風味が付与される。ホップは、醸造プロセスで使用する前に乾燥窯で通常乾燥される。醸造プロセスでは、麦汁(麦芽から生成された糖質に富む液体)をホップとともに煮沸し、次に冷却し、酵母を添加して、発酵を開始する。
ホップとともに麦汁を煮沸すると、甘い麦汁へ、アルファ酸(フムロン類、例えば、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロンおよびプレフムロン)が抽出され、アルファ酸は、温度の影響下(熱的な異性化)で、対応するイソ−アルファ酸(イソフムロン)に部分的に異性化される。これらのイソ−アルファ酸は、ホップを加えたビールの特徴的な苦味の原因である。麦汁煮沸開始時の麦汁中の典型的なアルファ酸レベルは、0.01重量%未満(100ppm未満)である。苦味を付与するこの従来のホップを加えるアプローチの欠点は、典型的には40%未満のイソ−アルファ酸収率という結果になる、非効率的なアルファ酸抽出および異性化である。
醸造プロセスの外でアルファ酸の異性化を実施することによって、ホップの利用を著しく改善することができる。この目的のために、プレ異性化ホップ生成物が開発されてきた。これらのプレ異性化ホップ生成物は、ホップ抽出物から開始して生成される。
ホップ抽出物は、通常は液体または超臨界的な二酸化炭素抽出を介して得られる。二酸化炭素ホップ抽出物は、主にアルファ酸(フムロン)、その次にベータ酸(ルプロン)を提供し、アルファ酸に富むホップ抽出物を得るためにさらに分別することができる。これらのアルファ酸含有抽出物から開始し、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属系化合物を使用し、2つのアプローチを介して、醸造(麦汁煮沸)プロセスの外でのアルファ酸の「オフライン」プレ異性化を達成することができる。第1のアプローチは溶媒不含の反応媒体を適用し、一方、他のアプローチでは、純水あるいは有機溶媒と混合した水のいずれかの溶媒を添加後に変換を実施する。
光分解によって、アルファ酸をイソ−アルファ酸に異性化することは公知である。例えば、オーストラリア公開特許7540281号は、ホップからの苦味物質、より具体的には、特に液体二酸化炭素での処理によって高度に精製されたホップ抽出物から得た、事実上純粋なアルファおよびベータ酸の品質改良方法について記載しており、該方法は、最適な収率(quantic yield)を生成するのに適応させた条件下、好ましくは60℃に近い適切な温度条件下で、所定の時間、アルファおよび/またはベータ酸を日光による光分解に供し、各々イソ−アルファ酸およびデオキシ−アルファ酸を得る点を特徴とする。
米国特許第4,767,640号は、還元イソフムロンならびに0.5%未満の未還元イソフムロンおよび非イソフムロン不安定生成物から本質的になる光安定性ホップ生成物を調製する方法について記載している。例1は、異性化したホップ抽出物を還元し、続いて酸性化し、水性層および油性層を分離するプロセスについて記載している。そのように得た油性抽出物は、70%の還元イソフムロン、6.5%のバックグラウンド材料および0.5%未満の未還元イソフムロンを含有する。例3は、油性抽出物をどのようにさらに精製して、「精製後水性相」および「精製後油性相」をもたらしたかについて記載している。例4は、例1の油性抽出物の、3つの留分へのクロマトグラフ分離について記載している。例5は、前述の精製抽出物(「精製後水性相」および「精製後油性相」)ならびに3つのクロマトグラフ留分の光安定性を評価した実験について記載している。これは、ビールにこれらの材料を添加し、600フートキャンドルの蛍光灯で2時間照光して行った。
国際公開第93/02177号は、麦芽飲料用の気泡安定剤および苦味剤を生成する方法について記載しており、該方法は、アドプレフムロン(adprehumulone)に富む留分の分離および回収を促進する条件下でホップを抽出すること、ならびにアドプレフムロン留分を光異性化に供してイソ−アドプレフムロンを生成することを特徴とする。
ビールの風味品質が光への曝露によって損なわれることは周知であり、一般に「感光された(lightstruck)」または「日射された(sunstruck)」風味と呼ばれ、イソ−アルファ酸の光誘発分解が引き起こす現象である。
可視光線へ曝露の際の、イソフムロン、リボフラビンおよびシステインから構成されるモデル系でのビールの感光された風味形成の正式な仕組みは、すでに1963年にKuroiwa他によって示唆されている。光励起リボフラビンは、イソフムロンの4−メチルペント−3−エノイルラジカルへの開裂を誘発し、これは3−メチルブト−2−エニルラジカルへの脱カルボニルを起こす。システインから誘導されたチオールラジカルによるこの安定化アリルラジカルの捕捉は、感光された風味の原因物質である3−メチルブト−2−エン−1−チオール(3−MBT)の形成につながる。3−MBTは、およそ1pptまたはそれ未満の非常に低い風味しきい値を有する。
イソ−アルファ酸のほかに3−MBT形成がビールで生じるためには、反応は、300〜550nm範囲のスペクトルの光エネルギー、光増感剤(例えば、リボフラビン、すなわちビタミンB2)、および硫黄供給源(例えば、硫黄含有アミノ酸)を必要とする。
イソ−アルファ酸分子でのイソ−3−ヘキセノイル側鎖の存在の結果として、イソ−アルファ酸の光分解が生じる。イソ−アルファ酸の分子構造を修飾することによって、とりわけイソ−3−ヘキセノイル側鎖でのC=Cおよび/またはC=O結合を還元することによって、ビール中の実質的な3−MBTの形成を防ぐことができる。
市販されている還元イソ−アルファ酸誘導体は、ジヒドロ−、テトラヒドロ−および/またはヘキサヒドロ−イソ−アルファ酸を含有し、醸造プロセスの第1発酵段階の後に通常添加される。ジヒドロ−イソ−アルファ酸(ロー−イソ−アルファ酸とも呼ばれる)は、一般に還元剤としてアルカリ金属ボロヒドリドを使用して、前述のイソ−3−ヘキセノイル鎖でのカルボニル基の水酸基への還元によって得られる。前述のイソ−3−ヘキセノイル側鎖およびイソペンテニル側鎖でのC=C結合の水素化を介して、テトラヒドロ−イソ−アルファ酸は得られる。前述の還元および水素化プロセスを組み合わせることによって、ヘキサヒドロ−イソ−アルファ酸が生成される。
光安定性である、すなわち、光に曝露されたビールで実質的に3−MBT形成に寄与しないが、化学的に還元/水素化されていない、プレ異性化ホップ抽出物への要求がある。
本発明者らは、プレ異性化ホップ抽出物に日光を照光することによって、こうしたホップ抽出物の光安定性を実質的に改善しうることを、予想外にも発見した。本発明者らは理論によって拘束されることを望まないが、この照光の結果、イソ−アルファ酸はビール中での3−MBT形成の原因と同じタイプの光分解を起こすと考えられる。しかしながら、重要な反応物(チオール含有物質など)の非存在下で、さもなければ3−MBT形成に関与するであろう照光中に形成される反応中間体分解生成物が、ビールの風味または風味安定性に悪影響を及ぼさない他の反応生成物に転化される。
本発明によるプレ異性化ホップ抽出物への照光は、ホップ抽出物の光安定性を非常に改善するが、驚くべきことに、ホップ抽出物の苦みおよび望ましい風味の特性上に、限定された以上の影響を有さない。
本発明者らは、プレ異性化ホップ抽出物への照光中に、相当な量の以下のホップ誘導物質(すべての異性体を含む)が形成されることをさらに発見した:
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3または−CH2CH(CH32である]。
これらの物質は、通常のプレ異性化ホップ抽出物中では微量を超えない量で生じる。しかしながら、本発明の照光したプレ異性化ホップ抽出物では、それらは著しい濃度レベルで存在する。
本発明の1つの側面は、乾燥物1kg当たり少なくとも1gの、以下の式(I)によって表される1つ以上のホップ誘導物質を含む、光安定性ホップ抽出物に関する:
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3または−CH2CH(CH32である]。
本発明の別の側面は、光安定性ホップ抽出物を調製する方法に関し、前記方法は:
・乾燥物の重量で少なくとも10%のイソ−アルファ酸を含むプレ異性化ホップ抽出物を用意すること、および
・任意にプレ異性化ホップ抽出物の希釈の後に、プレ異性化ホップ抽出物に照光すること、を含む。
本発明は光安定性ホップ抽出物を含むビールにも関し、前記ビールは、少なくとも40μg/lのリボフラビン、および少なくとも0.1mg/lの以下の式(I)によって表される1つ以上のホップ誘導物質を含有する:
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3または−CH2CH(CH32である]。
発明の詳細な説明
したがって、本発明の第1の側面は、乾燥物1kg当たり少なくとも1gの、以下の式(I)によって表される1つ以上のホップ誘導物質を含む、光安定性ホップ抽出物に関する:
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3または−CH2CH(CH32である]。
本明細書で使用する「ホップ誘導物質」という用語は、他に指示がない限り、前述の式(I)によって表される置換されたオキシシクロヘキシル物質を意味する。前述のホップ誘導物質は、異なる異性体形態で生じることができる。互変異性体および立体異性体を含むすべてのこれら異性体形態は、上で述べた定義「ホップ誘導物質」によって包含される。
本明細書で使用する「イソ−アルファ酸」という用語は、イソフムロン、イソアドフムロン(isoadhumulone)、イソコフムロン(isocohumulone)、プレイソフムロン、ポストイソフムロンおよびこれらの組み合わせの群から選択される物質を意味する。「イソ−アルファ酸」という用語は、異なる立体異性体(シス−イソ−アルファ酸およびトランス−イソ−アルファ酸)を包含する。
本明細書で使用する「アルファ酸」という用語は、フムロン、アドフムロン、コフムロン、プレフムロン、ポストフムロンおよびこれらの組み合わせの群から選択される物質を意味する。
本明細書で使用する「ベータ酸」という用語は、ルプロン、アドルプロン、コルプロン、プレルプロン、およびポストルプロンならびにこれらの組み合わせの群から選択される物質を意味する。
本明細書で使用する「イソフムロン誘導物質」という用語は、上で規定するホップ誘導物質で、式中、R=−CH2CH(CH32であるものを意味する。
本明細書で使用する「イソコフムロン誘導物質」という用語は、上で規定するホップ誘導物質で、式中、R=−CH(CH32であるものを意味する。
本明細書で使用する「ビール」という用語は、アルコール含有およびノンアルコールビールの両方を包含する。
ホップ抽出物またはビール中のホップ誘導物質の濃度は、LC−MSによって、本文書に記載する方法を使用して、適切に決定することができる。
本発明の光安定性ホップ抽出物は典型的には、乾燥物1kg当たり少なくとも3gの濃度で、より好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも6g、最も好ましく乾燥物1kg当たり少なくとも10gの濃度で、ホップ誘導物質を含有する。典型的にはホップ抽出物は、乾燥物1kg当たり350g以下、好ましくは250g以下のホップ誘導物質を含有する。
本発明の好ましい態様によれば、光安定性ホップ抽出物は、著しい量の、式(I)[式中、R=−CH(CH32である]による1つ以上のホップ誘導物質を含有する。このホップ誘導物質はイソコフムロンから生じると考えられ、本明細書ではイソコフムロン誘導物質と呼ぶ。典型的には、光安定性ホップ抽出物は、乾燥物1kg当たり少なくとも0.3gの濃度で、より好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも1g、最も好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも3gの濃度で、イソコフムロン誘導物質を含有する。
以下に説明するように、本発明者らは本発明の光安定性ホップ抽出物中に、2つのイソコフムロン誘導物質を特定した。Co1およびCo2と呼ぶこれらの2つのイソコフムロン誘導物質について、以下により詳細に説明する。典型的には、光安定性ホップ抽出物は、乾燥物1kg当たり少なくとも0.2gの濃度で、より好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも0.7g、最も好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも2gの濃度で、イソコフムロン誘導物質Co2を含有する。
本発明のさらなる好ましい態様によれば、光安定性ホップ抽出物は著しい量の式(I)[式中、R=−CH2CH(CH32である]による1つ以上のホップ誘導物質を含有する。このホップ誘導物質はイソフムロンから生じると考えられ、本明細書ではイソフムロン誘導物質と呼ぶ。典型的には、光安定性ホップ抽出物は、乾燥物1kg当たり少なくとも0.5gの濃度で、より好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも2g、最も好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも5gの濃度で、イソフムロン誘導物質を含有する。
本発明の光安定性ホップ抽出物は、典型的には乾燥物の重量で少なくとも1%、より好ましくは少なくとも2%、最も好ましくは少なくとも3%のイソ−アルファ酸を含有する。
本発明の特に好ましい態様によれば、光安定性ホップ抽出物は、抽出物に含有されるイソ−アルファ酸の重量で、少なくとも1%、より好ましくは少なくとも3%、さらに好ましくは少なくとも5%、より一層好ましくは少なくとも10%、最も好ましくは少なくとも20%の濃度で、ホップ誘導物質を含有する。
典型的には、光安定性ホップ抽出物は、抽出物に含有されるイソ−アルファ酸の、少なくとも0.3重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくとも6重量%のイソコフムロン誘導物質を含有する。
光安定性ホップ抽出物は、抽出物に含有されるイソ−アルファ酸の、好ましくは少なくとも0.5重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも10重量%のイソフムロン誘導物質を含有する。
アルファ酸は、典型的には乾燥物の重量で0〜10%、より好ましくは0〜3%、最も好ましくは0.01〜2%の濃度で、光安定性ホップ抽出物に含有される。
本発明の光安定性ホップ抽出物は、典型的には乾燥物の重量で0〜10%のベータ酸、より好ましくは乾燥物の重量で0〜5%のベータ酸を含有する。
光安定性ホップ抽出物中の還元イソ−アルファ酸(ジヒドロ−イソ−アルファ酸、テトラヒドロ−イソ−アルファ酸およびヘキサヒドロ−イソ−アルファ酸)の量は、好ましくはイソ−アルファ酸の10重量%を越えない。より一層好ましくは、還元イソ−アルファ酸の量は、イソ−アルファ酸の3重量%を越えない。
本発明の光安定性ホップ抽出物は、典型的には少なくとも20mg/lのホップ誘導物質を含む。より好ましくは、光安定性ホップ抽出物は少なくとも80mg/lのホップ誘導物質、最も好ましくは、少なくとも150mg/lの前記ホップ誘導物質を含有する。
光安定性ホップ抽出物は、好ましくは、液体または超臨界的二酸化炭素による抽出によってホップから単離されたホップ抽出物である。
本発明の光安定性ホップ抽出物は、好ましくはプレ異性化ホップ抽出物、より好ましくはイソ−アルファ酸およびアルファ酸を10:1を越える重量比で、最も好ましくは20:1を越える重量比で含有するプレ異性化ホップ抽出物である。
光安定性ホップ抽出物は、好ましくは少なくとも30重量%の水分含量、より好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも70重量%の水分含量を有する。
本発明の別の側面は、光安定性ホップ抽出物を含むビールに関し、前記ビールは、少なくとも40μg/lのリボフラビン、および少なくとも0.1mg/lの以下の式(I)によって表される1つ以上のホップ誘導物質を含有する:
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH32、−CH(CH3)CH2CH3または−CH2CH(CH32である]。
本明細書において先に説明したように、ビール中の3−MBTの光誘発形成に、リボフラビンは重要な役割を果たす。リボフラビンはビール中に生来存在し、非常に急速な光分解を起こす。実際のところ、通常のビールではリボフラビンはイソ−アルファ酸よりはるかに早く光分解する。したがって、感光されたビールでは、イソ−アルファ酸の著しい割合が光分解する前でさえ、リボフラビン含量は、通常せいぜい元来の含量の割合まで低減される。
本発明の光安定性ビールは、少なくとも0.1mg/lの前述の1つ以上のホップ誘導物質を含有しているという点で、普通のビールと異なる。この光安定性ビールは、少なくとも0.1mg/lのこれらホップ誘導物質および少なくとも40μg/lのリボフラビンを同時に含有しているという点で、感光されたビールと異なる。
本発明のビールは、典型的には少なくとも0.2mg/l、より好ましくは少なくとも0.4mg/l、より一層好ましくは少なくとも1mg/lの1つ以上のホップ誘導物質を含有している。典型的には、1つ以上の光分解したホップ物質のビール中での濃度は、50mg/lを越えない。より好ましくは、前記濃度は40mg/lを越えず、より一層好ましくは30mg/lを越えず、最も好ましくは20mg/lを越えない。
光安定性ビールは、好ましくは少なくとも0.03mg/l、より好ましくは少なくとも0.1mg/l、最も好ましくは少なくとも0.3mg/lのイソコフムロン誘導物質を含有する。
イソコフムロン誘導物質Co2は、好ましくは少なくとも0.02mg/l、より好ましくは少なくとも0.07mg/l、最も好ましくは少なくとも0.2mg/lの濃度で、光安定性ビール中に含有される。
光安定性ビールは、好ましくは少なくとも0.05mg/l、より好ましくは少なくとも0.2mg/l、最も好ましくは少なくとも0.5mg/lのイソフムロン誘導物質を含有する。
光安定性ビールのリボフラビン含量は、好ましくは少なくとも60μg/lである。最も好ましくは、リボフラビン含量は80〜2,000μg/lの範囲にある。
特に好ましい態様によれば、1つ以上のホップ誘導物質およびリボフラビンは、光安定性ビール中に200:1を越えない重量比で、より好ましくは1:1〜100:1の範囲、最も好ましくは2:1〜50:1の範囲にある重量比で存在する。
光安定性ビールは、典型的にはイソコフムロン誘導物質およびリボフラビンを、100:1を越えない重量比で、より好ましくは1:2〜50:1、最も好ましくは1:1〜40:1の重量比で含有する。
光安定性ビールは、典型的にはイソフムロン誘導物質およびリボフラビンを、160:1を越えない重量比で、より好ましくは1:1〜80:1、最も好ましくは2:1〜60:1の重量比で含有する。
本発明の光安定性ビールは、典型的には少なくとも0.1mg/l、より好ましくは少なくとも0.3mg/l、より一層好ましくは少なくとも0.6mg/l、最も好ましくは少なくとも1mg/lのイソ−アルファ酸を含有する。典型的には、ビール中のイソ−アルファ酸のレベルは30mg/lを越えない。
1つ以上のホップ誘導物質は、ビール中に同様に含有されるイソ−アルファ酸の重量で、好ましくは少なくとも1%、より好ましくは少なくとも3%、より一層好ましくは少なくとも5%、最も好ましくは少なくとも10%の濃度で、光安定性ビール中に含有される。
本発明の光安定性ビールは、典型的には100ng/l未満の3−メチル−2−ブテン−1−チオール(3−MBT)を含有する。より一層好ましくは、3−MBT含量は50ng/l未満、最も好ましくは30ng/l未満である。3−MBTの濃度は、Hughes他が記載した方法によって適切に決定することができる(Hughes P.S.,Burke S.and Meacham A.E.(1997)「Aspects of the lightstruck character of beer」.Institute of Brewing,Proceedings of the 6th Central and South Africa Section,pp.123〜128)。
本発明のさらなる側面は、本明細書において先に規定したビールを調製する方法に関し、前記方法は、本明細書において先に規定した光安定性ホップ抽出物を導入することを含む。
光安定性ホップ抽出物は、好ましくは清澄の前、すなわち同伴(entrained)固形物および酵母を発酵ビールから除去する前に、麦汁またはビールに添加される。典型的には、発酵したビールの清澄はろ過によって達成される。
前述の方法で光安定性ホップ抽出物は、好ましくは少なくとも2mg/lの濃度で、より好ましくは5〜200mg/lの濃度で、最も好ましくは10〜150mg/lの濃度で、麦汁またはビールへ導入される。
光安定性ホップ抽出物の麦汁への添加に続いて、麦汁は:
・ビール酵母の助けを借りて麦汁を発酵させること;
・発酵したビールを清澄すること;および
・パッケージすること
を含むさらなる処理工程に供される。
最後に、本発明は光安定性ホップ抽出物を調製する方法を提供し、前記方法は:
・乾燥物の重量で少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、最も好ましくは少なくとも40%のイソ−アルファ酸を含むプレ異性化ホップ抽出物を用意すること、
・任意にプレ異性化ホップ抽出物の希釈の後に、プレ異性化ホップ抽出物に照光して、本明細書において先に規定した光安定性ホップ抽出物を得ること、
を含む。
特に好ましい態様によれば、プレ異性化ホップ抽出物に、200〜800nmの範囲、より好ましくは250〜600nm、最も好ましくは300〜500nmの範囲の波長に最大強度を有する光を照光する。
本方法で用いる照光強度は、好ましくは50W/m2を越える。より好ましくは、前記照光強度は100W/m2を越え、最も好ましくは200W/m2を越える。
プレ異性化ホップ抽出物に、典型的には少なくとも30分、より好ましくは少なくとも1時間、最も好ましくは2〜48時間、前述の照光強度で照光する。
照光中に、ホップ抽出物の温度は典型的には0〜100℃、より好ましくは15〜80℃の範囲内にとどまる。
水で希釈した後にプレ異性化ホップ抽出物を照光に曝露すると、特に良好な結果を得ることができることを、本発明者らは見出した。したがって特に好ましい態様によれば、本方法は、次の工程を含む:
・水でプレ異性化抽出物を希釈して水溶液を生成すること;および
・プレ異性化ホップ抽出物の水溶液に照光すること。
プレ異性化ホップ抽出物の水性希釈溶液は、典型的には照光開始時に0.2〜200g/l、より好ましくは0.5〜70g/l、最も好ましくは1〜25g/lの範囲で、イソ−アルファ酸含量を有する。
プレ異性化ホップ抽出物の水性希釈溶液は、典型的には少なくとも80重量%の水を含有する。より一層好ましくは、前記希釈液は少なくとも90重量%の水を含有する。最も好ましくは、少なくとも95重量%の水を含有する。
以下の非限定的実施例によって本発明をさらに説明する。
[実施例]
ホップ誘導物質の濃度を決定する方法
式(I)によって表される4つの異なるホップ誘導物質の濃度は、以下に記載する手順を使用してUPLC−MSによって決定することができる。これら4つのホップ誘導物質は、2つのイソコフムロン誘導物質(Co1およびCo2と呼ぶ)ならびに2つのイソフムロン誘導物質(N1およびN2と呼ぶ)を含む。以下に記載するUPLC−MS法でのこれらの物質の典型的な保持時間を、以下に列挙する。
Figure 0006869992
これらのホップ誘導物質の質量スペクトルを図1〜4に示す。
各ホップ誘導物質の濃度は、ホップ誘導物質の各々に対する検量線に基づいて決定する。これらホップ誘導物質は、照光されたプレ異性化ホップ抽出物から非常に純粋な形態で、分取UPLCによって単離することができる。
ホップ誘導物質の検量線は、以下に記載する検出器条件を使用して決定する。
前述のホップ誘導物質の濃度を決定するために、以下に記載する機器、材料および条件を使用することができる。
機器:
UPLCシステム:BEH C18カラム(1.7μm、2.1mmx150mm;Waters製品番号:186002353)を装備したAcquity UPLC(Waters)
検出器:XEVO TQ−S質量分析計(Waters)
化学薬品:
Milli−Q(登録商標)Ultrapure Water(超純水)
アセトニトリル≧99.9%(JT−Baker:9853−02)
ギ酸≧98%(Sigma−Aldrich製品番号:33015)
UPLC機器条件:
カラム温度:60℃
注入体積:1μL
試料温度:10℃
ランタイム:25分
溶離液A=1000mL超純水+1mLギ酸
溶離液B=1000mLアセトニトリル+1mLギ酸
Figure 0006869992
検出器条件:
分析方法は、ネガティブ走査モード(ES−)および多重反応モニタリング(MRM)モードで設定する。
Figure 0006869992
試料は分析前に脱気する。
リボフラビンの濃度を決定する方法
ビール中のリボフラビンの濃度は、以下に記載する機器、材料および条件を使用して、UPLC−FLRによって決定することができる。
機器:
UPLCシステム:BEH C18カラム(1.7μm、2.1mmx150mm;Waters製品番号:186002353)を装備したAcquity UPLC(Waters)
検出器:Acquity Fluorescence(FLR)検出器(Waters)
化学薬品:
Milli−Q(登録商標)Ultrapure Water
アセトニトリル≧99.9%(Sigma Aldrich製品番号:34998)
リン酸≧85.0%(Sigma Aldrich製品番号:30417)
リボフラビン(Sigma Aldrich製品番号:R−7649)
リン酸二水素ナトリウム一水塩(Merck製品番号:106346)
pH緩衝液2.7(200mL超純水中、7.5gのリン酸二水素ナトリウム一水塩+1000mL超純水中、1mLリン酸)
UPLC機器条件:
カラム温度:40℃
注入体積:10μL
試料温度:10℃
ランタイム:15分
溶離液A=pH緩衝液2.7
溶離液B=アセトニトリル
Figure 0006869992
検出器条件:
λex=444nm
λem=525nm
試料は分析前に脱気する。
例1
プレ異性化ホップ抽出物(Barth−Haas Groupから得たいわゆる「Isohop」)を出発物質として使用した。このホップ抽出物は以下の特性を有した(Barth−Haas Groupからの製品説明シートによる):
・30±0.5重量%のイソ−アルファ酸を含有
・<0.7%のアルファ酸を含有
・<0.3%のベータ酸を含有。
プレ異性化ホップ抽出物を「Milli−Q(登録商標)Ultrapure Water」(1:50w/w)で希釈した。16mLの希釈ホップ抽出物を、ねじ蓋を伴うガラス管へ導入した(Duranガラス、管の径は16mm、管長さは160mm)。これらのガラス管30本に、キセノンランプを使用して、Suntest XLS+装置(ATLAS)の内部で、32時間の間、同時に照光した。照光中に、以下の条件が適用可能であった:
・キセノンランプの電力は1700W
・管は、水平にSuntest XLS+装置の内部に配置
・ガラス管とランプの間の距離は25cm
・試料レベルでの放射照度の量を765W/m2にセット
・希釈ホップ抽出物の温度は、周囲温度からおよそ50℃に増加(照光中、冷却も加熱も意図的には適用しなかった)。
照光の前後に、ホップ抽出物中のイソ−アルファ酸およびホップ誘導物質の濃度を決定した。ホップ抽出物中のイソ−アルファ酸の決定は、the European Brewery Convention (EBC) in 2005:「Method 7.8:Iso−alpha−,alpha−and beta−acids in hops,hop powder products and hop extracts(HPLC method)」に記載された方法によって実施した。抽出物中のホップ誘導物質の濃度の決定は、上に記載した方法によって実施した。これらの分析の結果を、表2に示す:
Figure 0006869992
例2
例1の照光した抽出物および照光しなかったホップ抽出物を、ホップのないビール(緑色瓶中300mLのホップのないビール)に添加した。第1のビール(参照ビール)は、20mg/Lの光を照光しなかったホップ抽出物を添加することによって調製した。第2のビール(光安定性ビール)は、60mg/Lの光を照光したホップ抽出物を添加することによって調製した。照光したホップ抽出物は、照光の結果生じた苦味強度の損失を補うために、より高い濃度で適用した。照光したホップ抽出物を含有するビールの風味プロファイルは、照光しなかったホップ抽出物を含有するビールに非常に類似した風味プロファイルを有した。
Suntest XLS+装置に瓶を水平に置き、24時間の間それらに照光することによって、両方のビールを人工太陽光に曝露した。照光中、例1と同じ条件を適用した。
人工太陽光への曝露の前および途中で、以下の物質の濃度を両方のビールで決定した:
・式(I)のホップ誘導物質、
・イソ−アルファ酸、
・リボフラビン、および
・3−MBT。
ビール中のイソ−アルファ酸の決定は、the American Society of Brewing Chemists (ASBC) in 2009(Methods of Analysis,14th Edition):「Method Beer 23(section E:Iso−alpha acids in beer by HPLC)」に記載された方法によって実施した。3−MBT含量は、Hughes et al.(「Aspects of the lightstruck character of beer」.Institute of Brewing,Proceedings of the 6th Central and South Africa Section (1997),pp.123〜128)に記載された方法を使用して決定した。ビール中のホップ誘導物質およびリボフラビンの濃度の決定は、上に記載した方法によって実施した。
これらの分析の結果を表3に要約する:
Figure 0006869992
以下に、本願の出願時の特許請求の範囲を実施の態様として付記する。
[1] 光安定性ホップ抽出物を含むビールであって、前記ビールが、少なくとも40μg/lのリボフラビン、および少なくとも0.1mg/lの式(I)によって表される1つ以上のホップ誘導物質:
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH 、−CH(CH )CH CH または−CH CH(CH である]
を含有する、ビール。
[2] 前記ビールが、少なくとも0.2mg/l、好ましくは少なくとも0.4mg/l、より好ましくは少なくとも1mg/lの前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、[1]に記載のビール。
[3] 前記ビールが、50mg/l以下、好ましくは40mg/l以下、より好ましくは30mg/l以下の前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、[1]または[2]に記載のビール。
[4] 前記ビールが、少なくとも60μg/l、好ましくは80〜2,000μg/lのリボフラビンを含有する、先行するいずれか一項に記載のビール。
[5] 前記1つ以上のホップ誘導物質およびリボフラビンが、200:1を越えない重量比で、好ましくは1:1〜100:1の範囲にある重量比で存在する、先行するいずれか一項に記載のビール。
[6] 前記ビールが、少なくとも0.1mg/l、好ましくは少なくとも0.3mg/l、より好ましくは少なくとも0.6mg/lのイソ−アルファ酸を含有する、先行するいずれか一項に記載のビール。
[7] 前記ビールが、少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の、前記ホップ誘導物質の前記イソ−アルファ酸を含有する、[6]に記載のビール。
[8] 乾燥物1kg当たり少なくとも1gの、以下の式(I):
Figure 0006869992
[式中、R=−CH(CH 、−CH(CH )CH CH または−CH CH(CH である]
によって表される1つ以上のホップ誘導物質を含む、光安定性ホップ抽出物。
[9] 前記ホップ抽出物が、乾燥物1kg当たり少なくとも3gの濃度で、好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも6g、より好ましくは乾燥物1kg当たり少なくとも10gの濃度で、前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、[8]に記載のホップ抽出物。
[10] 前記ホップ抽出物が、少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の、前記1つ以上のホップ誘導物質のイソ−アルファ酸を含有する、[8]または[9]に記載のホップ抽出物。
[11] 前記ホップ抽出物が、乾燥物の重量で少なくとも1%のイソ−アルファ酸を含有する、[8]から[10]のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
[12] 前記ホップ抽出物が、乾燥物の重量で0〜10%、好ましくは乾燥物の重量で0〜3%、より好ましくは乾燥物の重量で0.01〜2%の濃度でアルファ酸を含有する、[8]から[11]のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
[13] 前記ホップ抽出物が、乾燥物の重量で0〜10%、好ましくは乾燥物の重量で0〜5%の濃度でベータ酸を含有する、[8]から[12]のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
[14] 前記ホップ抽出物は、イソ−アルファ酸の10重量%を越えない、好ましくはイソ−アルファ酸の3重量%を越えない濃度で、還元イソ−アルファ酸を含有し;前記還元イソ−アルファ酸が、ジヒドロ−イソ−アルファ酸、テトラヒドロ−イソ−アルファ酸、ヘキサヒドロ−イソ−アルファ酸およびこれらの組み合わせから選択される、[8]から[13]のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
[15] ビールを調製する方法であって、[8]から[14]のいずれか1項に記載のホップ抽出物を導入することを含む、方法。

Claims (19)

  1. 光安定性ホップ抽出物を含むビールであって、前記ビールが、少なくとも40μg/lのリボフラビン、および少なくとも0.1mg/lの式(I)によって表される1つ以上のホップ誘導物質:
    Figure 0006869992
    [式中、R=−CH(CH、−CH(CH)CHCHまたは−CHCH(CHである]
    を含有する、ビール。
  2. 前記ビールが、少なくとも0.2mg/lの前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項1に記載のビール。
  3. 前記ビールが、少なくとも0.4mg/lの前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項2に記載のビール。
  4. 前記ビールが、少なくとも1mg/lの前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項3に記載のビール。
  5. 前記ビールが、50mg/l以下の前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のビール。
  6. 前記ビールが、少なくとも60μg/lのリボフラビンを含有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のビール。
  7. 前記1つ以上のホップ誘導物質およびリボフラビンが、200:1を越えない重量比で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載のビール。
  8. 前記ビールが、少なくとも0.1mg/lの前記イソ−アルファ酸を含有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のビール。
  9. 前記ビールが、前記イソ−アルファ酸の重量で少なくとも1重量%の前記ホップ誘導物質を含有する、請求項に記載のビール。
  10. 乾燥物1kg当たり少なくとも1gの、以下の式(I):
    Figure 0006869992
    [式中、R=−CH(CH、−CH(CH)CHCHまたは−CHCH(CHである]
    によって表される1つ以上のホップ誘導物質を含む、光安定性ホップ抽出物。
  11. 前記ホップ抽出物が、乾燥物1kg当たり少なくとも3gの濃度で前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項10に記載のホップ抽出物。
  12. 前記ホップ抽出物が、乾燥物1kg当たり少なくとも6gの濃度で前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項11に記載のホップ抽出物。
  13. 前記ホップ抽出物が、乾燥物1kg当たり少なくとも10gの濃度で前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項12に記載のホップ抽出物。
  14. 前記ホップ抽出物が、イソ−アルファ酸の重量で少なくとも1重量%の前記1つ以上のホップ誘導物質を含有する、請求項10〜13のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
  15. 前記ホップ抽出物が、乾燥物の重量で少なくとも1%のイソ−アルファ酸を含有する、請求項10から14のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
  16. 前記ホップ抽出物が、乾燥物の重量で0〜10%の濃度でアルファ酸を含有する、請求項10から15のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
  17. 前記ホップ抽出物が、乾燥物の重量で0〜10%の濃度でベータ酸を含有する、請求項10から16のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
  18. 前記ホップ抽出物は、イソ−アルファ酸の10重量%を越えない濃で還元イソ−アルファ酸を含有し;前記還元イソ−アルファ酸が、ジヒドロ−イソ−アルファ酸、テトラヒドロ−イソ−アルファ酸、ヘキサヒドロ−イソ−アルファ酸およびこれらの組み合わせから選択される、請求項10から17のいずれか一項に記載のホップ抽出物。
  19. ビールを調製する方法であって、請求項10から18のいずれか1項に記載のホップ抽出物を導入することを含む、方法。
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