JP6869807B2 - グリース吐出装置 - Google Patents
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Description
タンク内のグリースがホルダ内に移動することで、吐出路におけるプランジャの復動側死点よりも往動側にグリースが供給され、
プランジャの往復動によりグリースの吐出動作がなされ、
ホルダ内におけるグリースの供給箇所と逆止弁との間に、吐出路内の圧力上昇に応じて吐出路内のグリースを直接ホルダ内へ逃がす逃がし弁が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、逃がし弁は、ホルダ内へ連通する逃がし流路と、吐出路内の圧力の上下に応じて逃がし流路を自動的に開閉動作する弁体と、を含んでなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1の構成において、逃がし弁は、ホルダに設けられて吐出路とホルダ内とを連通させる連通流路の開度を任意に調整可能な手動操作弁であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、モータと、モータの回転を減速する減速機構と、減速機構を収容するギヤハウジングと、ギヤハウジングに接続されるホルダと、減速機構の出力側に設けられ、ホルダに対して上下方向に往復動可能なプランジャと、ホルダに保持され、ホルダの後方側に配置されるタンクと、ホルダ内のグリースの吐出路でプランジャの往動側死点よりも下方側に設けられた逆止弁と、を含むグリース吐出装置であって、
タンク内のグリースがホルダ内に移動することで、吐出路におけるプランジャの復動側死点よりも往動側にグリースが供給され、
プランジャの往復動によりグリースの吐出動作がなされ、
ホルダ内におけるグリースの供給箇所と逆止弁との上下方向の間に、吐出路内の圧力上昇に応じて吐出路内のグリースを直接ホルダ内へ逃がす逃がし弁が、左右方向へ延びるように設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は4の構成において、逃がし弁は、ホルダ内へ連通する逃がし流路を有する本体と、本体内に収容されて吐出路内の圧力の上下に応じて逃がし流路を自動的に開閉動作する弁体と、を含み、
ホルダ内には、吐出路を形成する筒部が形成され、筒部に、吐出路をホルダ内と連通させる連通流路が設けられて、
本体は、ホルダに螺合されて、筒部に対してネジ送り移動させることで、筒部に当接して連通流路を逃がし流路のみと連通させる自動切替位置と、筒部から離間して連通流路をホルダ内と連通させて連通流路の開度を任意に調整可能な手動開放位置と、を選択可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、逃がし弁が自動的に開閉動作することで、吐出量の高低二段階の変更が自動的に行える。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、逃がし弁を手動操作弁としたことで、吐出量の変更が簡単に行えると共に、逃がし量の調整の自由度が高まる。
図1は、グリース吐出装置の一例であるグリースガンを示す斜視図、図2は平面図、図3は縦断面図、図4は図3のA−A線断面図である。
グリースガン1は、左右の半割ハウジング2a,2bを組み付けてなる本体ハウジング2を有し、本体ハウジング2の下部には、筒状のモータハウジング部3が、上部には、グリップ部4がそれぞれ前後方向に形成されて、グリップ部4の前後端がモータハウジング部3と接続されてループ状となっている。モータハウジング部3内には、DCモータ5が、出力軸6を前向きにした姿勢で収容され、DCモータ5の前方には、減速機構8を収容したギヤハウジング7が組み付けられている。ギヤハウジング7の前部には、下方へ突出して後方へ開口する円筒状の前ホルダ9が形成され、モータハウジング部3の後部には、下方へ突出して透孔11を有する後ホルダ10が形成されて、前ホルダ9と後ホルダ10とにより、グリース供給手段としてのタンク12が前後方向に支持されている。
また、グリップ部4の後方で本体ハウジング2には、バッテリー装着部18が形成されて、コントローラ19と端子台20とを前後に並べて上下方向の向きで収容している。端子台20には、電源となるバッテリーパック21が上方からスライド装着可能となっている。
さらに、バッテリー装着部18の左右の側面と、モータハウジング部3の後部及び中間部の左右の側面とには、DCモータ5に設けた図示しないファンの回転により外部の空気を吸い込む吸気口22,22・・が形成され、モータハウジング部3における前後の吸気口22,22の間で左右の側面には、DCモータ5の冷却後の空気を排出する排気口23,23・・が形成されている。
よって、スピンドル28と共にクランク盤30が回転すると、偏心ピン31の偏心運動により、スライダ32が、偏心ピン31の上下方向の移動分だけ上下に往復動し、プランジャ36を上下動させることになる。
また、下筒部42には、逆止弁45の弁座46より下方位置で縦吐出路44と連通する横吐出路50が、前向きに形成されて、縦吐出路44と横吐出路50とでグリースの吐出路を形成している。横吐出路50の出口となる前ホルダ9の前面には、ホース51が前向きに連結されている。
よって、プランジャ36が上死点へ復動すると、前ホルダ9内のグリースが、隙間43を介して下筒部42の縦吐出路44内に流入し、プランジャ36が下死点へ往動すると、縦吐出路44内のグリースが押圧されてスチールボール47をコイルバネ48の付勢に抗して押し下げて弁座46を開弁させ、グリースを横吐出路50に押し出してホース51から吐出させることになる。
まず、逃がし弁55は、図5(A)にも示すように、下筒部42の位置で前ホルダ9の右側面から螺合されて前ホルダ9内に突出し、先端が下筒部42の側面に設けた逃がし凹部52よりやや小径の筒状体である本体60と、本体60内で軸方向へ前後移動可能に収容される弁体61と、本体60内で弁体61を先端側へ付勢するコイルバネ62とを備えている。
本体60は、弁体61を収容する内部流路63と、内部流路63を先端軸心に開放させる前流路64と、側面に開放させる横流路65とを有し、これらの流路により、グリースをタンク12側へ逃がす逃がし流路を形成している。
弁体61は、前流路64側に大径部68を有し、大径部68の先端にスチールボール69を突出状態で保持している。常態ではコイルバネ62により、弁体61は、スチールボール69を前流路64の開口に着座させて前流路64を閉塞する閉弁位置に付勢されている。内部流路63と大径部68との間には、グリースが通過可能な隙間が形成されている。
自動切替位置を選択した場合、縦吐出路44と連通路53を介して連通する前流路64内の圧力が、コイルバネ62による付勢力を下回っていると、前流路64は弁体61のスチールボール69によって閉塞される。そして、前流路64内の圧力がコイルバネ62による付勢力を上回ると、弁体61がコイルバネ62の付勢に抗してスチールボール69と共に後退し、前流路64を開放する。よって、連通路53から前流路64を介して流入するグリースは、本体60の内部流路63を通って横流路65から前ホルダ9内に戻り、縦吐出路44内の圧力を逃がすことになる。
この自動切替位置と手動開放位置との何れにおいても、逃がし弁55によれば、プランジャ36の単位時間当たりの往復動の回数は一定のまま、グリースの吐出量が変更できる(自動切替位置では自動的に、手動開放位置では手動調整により)ことになる。すなわち、逃がし弁55が本発明の吐出量変更手段となっている。
弁体71aは、常態では開口73より前ホルダ9側にあって抜き流路72と開口73との間を閉塞している。そして、前ホルダ9から空気を抜く場合には、ネジ軸部71の回転操作で保持筒70に対してネジ送り移動させて、弁体71aを、開口73が抜き流路72と連通するまで移動させる。これにより、内部の空気を開口73から外部へ逃がすことができ、いわゆるエア噛みによる吐出不良が解消されて良好なグリース吐出が可能となる。
この安全弁57は、常態では、コイルバネ78の付勢によってスチールボール79が逃がし路75を閉塞する閉弁状態にある。そして、横吐出路50の圧力が高まってコイルバネ78の付勢力を越えると、スチールボール79がコイルバネ78の付勢に抗して逃がし路75から離間して逃がし路75を支持筒76内に開放させ、開放部80を介して前ホルダ9の内部と連通させることで、横吐出路50の圧力を逃がすことになる。
この状態でトリガ14を押し込み操作してDCモータ5を駆動させると、出力軸6の回転が減速機構8で減速されてスピンドル28に伝わり、スピンドル28と共にクランク盤30を減速回転させる。すると、偏心ピン31の偏心運動によってスライダ32が上下動し、これと共にプランジャ36を上下に往復動させる。よって、ポンプ40では、プランジャ36が上死点に達した際に、上筒部41と下筒部42との隙間43からグリースが下筒部42の縦吐出路44に流れ込む。その後プランジャ36が下死点に移動することで、縦吐出路44内を下方に押し込まれたグリースが逆止弁45のスチールボール47を押し下げて弁座46を開弁させ、横吐出路50に流入し、そのままホース51を介して吐出される。この吐出動作はプランジャ36の往復動に伴って繰り返される。
そして、負荷圧力が高まって前流路64内の圧力がコイルバネ62による付勢力を上回ると、図6(A)に示すように、弁体61がコイルバネ62の付勢に抗してスチールボール69と共に後退し、前流路64を開放させる。よって、前流路64から流入するグリースは、同図(B)に矢印で示すように、本体60の内部流路63を通って横流路65から前ホルダ9内に戻り、縦吐出路44内の圧力を逃がすことになる。この逃がし弁55の動作により、プランジャ36のストロークは実質的に半減することになるため、ポンプ40から吐出されるグリースは低吐出量(高圧)となる。
一方、横吐出路50の圧力が過度に高まった場合には、図9(A)に示すように、安全弁57において、スチールボール79がコイルバネ78の付勢に抗して後退して逃がし路75が開放部80を介して前ホルダ9内と連通するため、同図(B)に矢印で示すように、横吐出路50内のグリースが逃がし路75を介して前ホルダ9内に戻り、横吐出路50内の圧力を逃がすことになる。
特にここでは、逃がし弁55は、タンク12側へ連通する逃がし流路(内部流路63、前流路64、横流路65)と、吐出路内の圧力の上下に応じて逃がし流路を自動的に開閉動作する弁体61と、を含んでなることで、吐出量の高低二段階の変更が自動的に行える。
また、逃がし弁55を自動切替位置と手動開放位置とに切り替えられるようにして、必要に応じて自動切替と手動開放との選択を可能としているので、使い勝手が向上する。
また、各弁の構造も上記形態に限らず、例えば逃がし弁では、弁体をスチールボールのみとしたり、スチールボール以外の弁体を採用したり、手動開放をなくして本体を自動切替位置で固定して、常に自動で圧力の逃がし動作が行われるようにしたりしてもよい。
図10,11はその一例を示すもので、ここでの逃がし弁90は、前ホルダ9の右側面からねじ込まれるボルト91の先端に、逃がし凹部52内で連通路53を開閉可能なスチールボール92を先端に有してなる。このスチールボール92の径は、逃がし凹部52の直径よりも小さくなっている。
よって、図12(A)に示すように、スチールボール92が逃がし凹部52の底面から離間して連通路53が前ホルダ9内に連通する開度を調整することができ、この開度(逃がし量)により、同図(B)に矢印で示すように、常に縦吐出路44内の圧力は連通路53から逃がし凹部52を介して前ホルダ9内へ逃がされることになる。この逃がし量も、スチールボール92と逃がし凹部52の底面との隙間の設定により調整可能である。
また、ポンプを形成する下筒部の位置を上下に変更可能として、下筒部の位置の調整により吐出量を変更することも可能である。すなわち、下筒部を上側に設ければ、プランジャの挿入部分が多くなって吐出量は多くなり、下筒部を下側に設ければ、プランジャの挿入部分が少なくなって吐出量は少なくなる。下筒部の位置の変更は、前ホルダ内で上下にスライド可能且つ任意の位置で固定可能としたり、別体の下筒部を前ホルダ内の複数の取付位置を選択して固定したりすることが考えられる。
さらに、プランジャの長さを変更可能として吐出量を変更することも可能である。すなわち、プランジャを長くすれば吐出量は多くなり、プランジャを短くすれば吐出量は少なくなる。プランジャの長さの変更は、長さが異なるプランジャを複数用意して交換可能としたり、プランジャ自体を伸縮可能な構造としたりすることが考えられる。
Claims (5)
- モータと、
前記モータの回転を減速する減速機構と、
前記減速機構を収容するギヤハウジングと、
前記ギヤハウジングに接続されるホルダと、
前記減速機構の出力側に設けられ、前記ホルダに対して往復動可能なプランジャと、
前記ホルダによって保持されるタンクと、
前記ホルダ内のグリースの吐出路で前記プランジャの往動側死点よりも下流側に設けられた逆止弁と、を含むグリース吐出装置であって、
前記タンク内のグリースが前記ホルダ内に移動することで、前記吐出路における前記プランジャの復動側死点よりも往動側にグリースが供給され、
前記プランジャの往復動によりグリースの吐出動作がなされ、
前記ホルダ内におけるグリースの供給箇所と前記逆止弁との間に、前記吐出路内の圧力上昇に応じて前記吐出路内のグリースを直接前記ホルダ内へ逃がす逃がし弁が設けられていることを特徴とするグリース吐出装置。 - 前記逃がし弁は、前記ホルダ内へ連通する逃がし流路と、前記吐出路内の圧力の上下に応じて前記逃がし流路を自動的に開閉動作する弁体と、を含んでなることを特徴とする請求項1に記載のグリース吐出装置。
- 前記逃がし弁は、前記ホルダに設けられて前記吐出路と前記ホルダ内とを連通させる連通流路の開度を任意に調整可能な手動操作弁であることを特徴とする請求項1に記載のグリース吐出装置。
- モータと、
前記モータの回転を減速する減速機構と、
前記減速機構を収容するギヤハウジングと、
前記ギヤハウジングに接続されるホルダと、
前記減速機構の出力側に設けられ、前記ホルダに対して上下方向に往復動可能なプランジャと、
前記ホルダに保持され、前記ホルダの後方側に配置されるタンクと、
前記ホルダ内のグリースの吐出路で前記プランジャの往動側死点よりも下方側に設けられた逆止弁と、を含むグリース吐出装置であって、
前記タンク内のグリースが前記ホルダ内に移動することで、前記吐出路における前記プランジャの復動側死点よりも往動側にグリースが供給され、
前記プランジャの往復動によりグリースの吐出動作がなされ、
前記ホルダ内におけるグリースの供給箇所と前記逆止弁との上下方向の間に、前記吐出路内の圧力上昇に応じて前記吐出路内のグリースを直接前記ホルダ内へ逃がす逃がし弁が、左右方向へ延びるように設けられていることを特徴とするグリース吐出装置。 - 前記逃がし弁は、前記ホルダ内へ連通する逃がし流路を有する本体と、前記本体内に収容されて前記吐出路内の圧力の上下に応じて前記逃がし流路を自動的に開閉動作する弁体と、を含み、
前記ホルダ内には、前記吐出路を形成する筒部が形成され、前記筒部に、前記吐出路を前記ホルダ内と連通させる連通流路が設けられて、
前記本体は、前記ホルダに螺合されて、前記筒部に対してネジ送り移動させることで、前記筒部に当接して前記連通流路を前記逃がし流路のみと連通させる自動切替位置と、前記筒部から離間して前記連通流路を前記ホルダ内と連通させて前記連通流路の開度を任意に調整可能な手動開放位置と、を選択可能であることを特徴とする請求項1又は4に記載のグリース吐出装置。
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