JP6869800B2 - エアクーラ、冷凍システム及びエアクーラの除霜方法 - Google Patents

エアクーラ、冷凍システム及びエアクーラの除霜方法 Download PDF

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Description

本開示は、エアクーラ、冷凍システム及びエアクーラの除霜方法に関する。
冷凍庫などに設けられるエアクーラは、例えば、冷媒が流れるチューブと、該チューブの外表面に一定の間隔で固定されたフィンと、を備えるフィンチューブ式熱交換器が使用されている。
エアクーラは、冷却面が零度より低くなる場合には着霜が生じ、伝熱性能が低下するため、デフロスト運転が必要になる。特に、フィンを有する場合、着霜によってフィン間が閉塞され、伝熱性能が低下するため、頻繁にデフロスト運転を行う必要がある。
着霜を融解させて除去するデフロスト運転では、一旦エアクーラの運転を止めなければならず、運転を止めた状態で着霜を融解させ、融解水をドレンパンで受け外部に除去する必要がある。
そこで、最近では、着霜を融解せずに昇華させて除去する昇華デフロスト法が考えられている。このデフロスト法では、昇華した水蒸気を空気流と共に外部に排出できるため、エアクーラの運転を特に停止せずに除霜でき、かつ融解水の処理を必要としない利点がある。
例えば、特許文献1には、エアクーラを構成する伝熱管の着霜を昇華デフロスト法で除霜する手段が開示されている。
また、本発明者等は、伝熱管に付着した霜層の根本部を加熱昇温させ、霜層の根本部と先端部との間で温度勾配を形成させることで、根本部の昇華を優先的に促進させ、これによって、霜層の付着面に対する付着力を低減させることで、霜層全体が昇華する前に霜層を剥離できる省エネ可能な剥離式昇華デフロスト法を提案している(国際出願PCT/JP2016/798589号(未公開))。
特許第5944058号公報
エアクーラにフィンチューブ式熱交換器を用いた場合、フィンに霜層が付きやすく、フィン間に形成された霜層によって空気流が閉塞されるため、頻繁にデフロスト運転が必要となる。また、チューブ表面に環状の霜層ブリッジができると、剥離式昇華デフロスト方法を用いて霜層をチューブ表面から剥離させても、環状の霜層ブリッジはチューブから取り除くことができない。
また、チューブから離れたフィンの領域では伝熱距離が長くなり、かつフィンとチューブとはチューブの拡管加工によって接触固定されている場合が多いので、接触部に熱抵抗がある。そのため、チューブから離れたフィンの領域では霜層の根本部の昇華に時間がかかるという問題がある。
一実施形態に係る第1の目的は、上記課題に鑑み、昇華デフロスト方法を有効に活用できると共に、冷媒と空気流との伝熱性能が良いエアクーラを提案することにある。
一実施形態に係る第2の目的は、上記課題に鑑み、エアクーラの剥離式を含む昇華デフロストが可能な冷凍システムを提案することにある。
(1)一実施形態に係るエアクーラは、
内部に冷媒流路が形成され、空気流が通過するための空気流通過空間を隔てて互いに並列に配置された複数のプレートと、
前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々に冷媒を供給する入口ヘッダと、
前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々から前記冷媒が排出される出口ヘッダと、
を備え、
前記複数のプレートの各々がフィンを介さずに前記空気流通過空間を挟んで直接対向配置されている。
本明細書で、「冷媒」とは、例えばNH、CO等の冷媒のみならず、ブライン、その他熱交換に用いられる冷却媒体をすべて含む。
上記(1)の構成によれば、上記複数のプレートの各々の表面が伝熱面を形成するため、フィンを設けなくても、プレートの数やプレートの面積を調整し、あるいはプレートに形成される冷媒流路の流路や流路径を調整することで、伝熱面積を確保できる。従って、霜層が付着しやすいフィンをなくすことで、従来の融け残りや、フィン間に保持された融水の凍結を考慮した余分なデフロスト運転を低減できるため、冷却運転を長くできる。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレートを並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
また、伝熱管の代わりにプレートを設けるため、伝熱管の全周に形成される環状の霜層ブリッジが形成されない。そのため、省エネ可能な剥離式昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記複数のプレートの各々は、前記冷媒流路を形成する空間を有する少なくとも1枚のプレート層を含む複数のプレート層を備える。
上記(2)の構成によれば、上記プレートが、少なくとも1枚が冷媒流路を形成する複数のプレート層で構成され、これらのプレートを積層させることで、プレートを構成するため、プレートの製造が容易になる。
また、上記冷媒流路を例えばエッチング加工で形成することで、微細流路の形成が可能になる。冷媒流路を微細流路とすることで、冷媒と空気流との伝熱性を向上させ、さらに板厚の薄いプレートで高圧の冷媒に対応することができる。
(3)一実施形態では、前記(2)の構成において、
前記複数のプレート層は、
第1プレート層と、前記第1プレート層の両側に積層された第2プレート層及び第3プレート層と、を含み、
前記第1プレート層に前記第1プレート層の表裏両面に貫通する貫通孔が形成され、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層によって前記貫通孔の両端開口が塞がれて前記冷媒流路を形成する。
上記(3)の構成によれば、貫通孔を有する第1プレート層の両側に第2プレート層及び第3プレート層を積層することで、冷媒流路を有するプレートの製造が容易になる。また、上記冷媒流路を例えばエッチング加工で形成することで、微細流路の形成が可能になる。
(4)一実施形態では、前記(3)の構成において、
前記第1プレート層は前記第2プレート層及び前記第3プレート層と異なる材料で構成され、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は同一の材料で構成されている。
上記(4)の構成によれば、第1プレート層の両側に同一材料で構成される第2プレート層及び第3プレート層が積層されるため、第1プレート層の両側で熱膨張率が異なる材料のプレート層が配置されることによって起こる第1プレート層の反りを抑制できる。また、第1プレート層と第2プレート層及び第3プレート層とは異種材料で構成されるために、第1プレート層と第2プレート層及び第3プレート層との間の界面エネルギの差を大きくすることができ、これによって、これらプレート層の拡散接合時における成分の拡散を促進でき、接合強度を増加できる。
(5)一実施形態では、前記(4)の構成において、
前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分として銅と異なる材料を含む。
上記(5)の構成によれば、第1プレート層が主成分として熱伝導率が高い銅を含むことで、冷媒流路を流れる冷媒と空気流との伝熱性を向上できる。また、銅を主成分とする第1プレート層は塑性変形が起こりやすいが、第2プレート層及び第3プレート層で第1プレート層を両側から挟むように配置することで、製造後のプレートの強度を向上できる。
(6)一実施形態では、前記(5)の構成において、
前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分としてステンレス鋼を含む。
上記(6)の構成によれば、主成分として熱伝導率が大きい銅を含む第1プレート層を主成分として大きい強度をもつステンレス鋼を含む第2プレート層及び第3プレート層で両側から挟むように配置することで、プレートの伝熱性と強度とを両立させることができる。
(7)一実施形態では、前記(1)〜(6)の何れかの構成において、
前記複数のプレート間に介装され、前記複数のプレート間の前記間隔を規定するためのスペーサを備える。
上記(7)の構成によれば、複数のプレート間にスペーサを介装することで、複数のプレート間の間隔を規定通りに保持でき、これによって、プレート間に形成される空気流通過空間を確保できる。
(8)一実施形態では、前記(7)の構成において、
前記複数のプレート間に形成される前記空間に空気流を形成するための送風機を備え、
前記入口ヘッダ及び前記出口ヘッダは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の上流側部位に配置され、
前記スペーサは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の下流側部位に配置される。
上記(8)の構成によれば、水蒸気を多く含み霜層が付着しやすいプレート上流側部位に入口ヘッダ及び出口ヘッダを配置することで、デフロスト時に入口ヘッダ及び出口ヘッダを流れる加熱媒体によって着霜の除霜効果を向上できる。
また、上流側より水蒸気が少なく霜層が上流側ほど付着しないプレート下流側部位にスペーサを配置することで、スペーサ表面の除霜の手間を軽減できる。
(9)一実施形態では、前記(7)又は(8)の構成において、
前記スペーサの内部にヒータを備える。
上記(9)の構成によれば、スペーサの内部にヒータを備えることで、デフロスト時に内部を加熱媒体が流れないスペーサであっても、該ヒータでスペーサ表面を加熱することで、昇華デフロスト法によるスペーサ表面の除霜効果を向上できる。
(10)一実施形態では、前記(1)〜(9)の何れかの構成において、
前記冷媒流路の横断面の直径が2mm以下(好ましくは、0.1〜1.0mm)である。
上記(10)の構成によれば、冷媒流路の横断面の直径を2mm以下の微小径とすることで、冷媒と空気流との伝熱性を向上させ、さらに板厚の薄いプレートで高圧の冷媒に対応することができる。
(11)少なくとも一実施形態に係る冷凍システムは、
非冷却物が保管される冷凍庫と、
前記冷凍庫に設けられた前記(1)〜(10)の何れかの構成を有するエアクーラと、
前記冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環路と、
を備える。
本明細書において、「冷凍庫」とは、冷蔵庫、その他密閉された冷却空間を形成し、該冷却空間に収容された被冷却物を常温以下の温度に冷却・保冷可能なものをすべて含む。上記「密閉された冷却空間」には、コンベアで搬送される食品を連続的に冷却又は凍結するフリーザの内部に形成される冷却空間を含む。従って、上記「エアクーラ」はフリーザに設けられるエアクーラを含む。
上記(11)の構成によれば、上記(1)〜(10)の何れかの構成を有するエアクーラを備えることで、上記複数のプレートの各々の表面が伝熱面を形成するため、フィンを設けなくても、プレートの数やプレートの面積を調整し、あるいはプレートに形成される冷媒流路の流路や流路径を調整することで、伝熱面積を確保できる。従って、霜層が付着しやすいフィンをなくすことで、従来の融け残りや、フィン間に保持された融水の凍結を考慮した余分なデフロスト運転を低減でき、冷却運転を長くできる。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレートを並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
また、伝熱管の代わりにプレートを設けるため、伝熱管の全周に形成される環状の霜層ブリッジが形成されない。そのため、省エネ可能な剥離式昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
(12)一実施形態では、前記(11)の構成において、
デフロスト時に前記冷媒流路に霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を供給する供給路を備える。
上記(12)の構成によれば、デフロスト時に加熱媒体を、上記供給路を介して冷媒流路に供給することで、剥離式を含む昇華デフロスト法が可能になる。
(13)少なくとも一実施形態に係るエアクーラの除霜方法は、
前記(1)〜(10)の何れかの構成を有するエアクーラの除霜方法であって、
前記複数のプレートの表面を該表面に付着する霜層の融点未満の温度で前記霜層に対して該表面側に存在する熱源で加熱昇温させる加熱昇温ステップを備える。
上記(13)の方法によれば、上記加熱昇温ステップにおいて、プレート表面に付着する霜層の融点未満の温度で霜層を加熱昇温することで、霜層を昇華させ、昇華した霜層を空気流に乗せて除去できる。
また、冷媒を流すための伝熱管を設けないため、伝熱管の周囲に霜層の環状のブリッジが形成されない。そのため、剥離式を含む昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
(14)一実施形態では、前記(13)の方法において、
前記加熱昇温ステップにおいて、
前記冷媒流路に前記エアクーラに付着する霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を循環させる。
上記(14)の方法によれば、デフロスト時に冷媒流路に上記加熱媒体を循環させるだけで、霜層の根本部を優先的に加熱昇温できる。従って、新たな設備を付設する必要がなく霜層の付着面の加熱が可能になり、昇華デフロストが可能になると共に、コスト高とならない。
一実施形態によれば、昇華デフロスト方法を有効に活用できると共に、冷媒と空気流との伝熱性能を維持できるエアクーラを実現できる。また、上記エアクーラを備えることで、剥離式を含めたエアクーラの昇華デフロストが可能な冷凍システムを実現できる。
一実施形態に係るエアクーラの正面図である。 一実施形態に係るエアクーラの側面図である。 一実施形態に係るエアクーラに設けられるプレートの断面図である。 一実施形態に係るエアクーラに設けられるプレートの断面図である。 一実施形態に係る冷凍システムの全体系統図である。 一実施形態に係る霜層が付着したプレートの模式的断面図である。 一実施形態に係るエアクーラの側面図である。 一実施形態に係るエアクーラの斜視図である。 一実施形態に係るエアクーラの除霜方法の工程図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1及び図2は、一実施形態に係るエアクーラ10を示し、図3及び図4は図1及び図2中のA―A線に沿う断面図である。
図1及び図2において、エアクーラ10は、互いに間隔を置いて並列に配置された複数のプレート12を備える。プレート12の内部に冷媒流路Frが形成され、各プレート12間に空気流が通過するための空気流通過空間Saが形成されている。
また、図3及び図4に示すように、各プレート12に形成された冷媒流路Frに冷媒を供給する入口ヘッダ14と、各プレート12に形成された冷媒流路Frから冷媒が排出される出口ヘッダ16とを備える。入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16の内部は各冷媒流路Frに連通している。
各プレート12は、フィンを介さずに空気流通過空間Saを挟んで直接対向配置されている。
各プレート12の表面は伝熱面を形成し、空気流通過空間Saを流れる空気流は冷媒流路Frを流れる冷媒によって冷却される。エアクーラ10が冷凍庫内の保冷空間に設けられる場合、該保冷空間を冷却する。
上記構成によれば、各プレート12の表面が伝熱面を形成するため、フィンを設けなくても、プレートの数やプレートの面積を調整し、あるいはプレートに形成される冷媒流路の流路や流路径を調整することで、伝熱面積を確保できる。従って、霜層が付着しやすいフィンをなくすことで、従来の融け残りや、フィン間に保持された融水の凍結を考慮した余分なデフロスト運転を低減でき、冷却運転を長くできる。
フィンを設けると、空気流に対する上流側のフィン端部に空気流が衝突し、衝突時の攪拌効果で空気流と冷媒との伝熱が促進され、これによって、フィンの霜が付きやすくなる。上記構成では、フィンを設けないことで、これを防止できる。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレート12を並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
また、伝熱管の代わりにプレート12を設けるため、伝熱管の全周に形成される環状の霜層ブリッジが形成されない。そのため、省エネ可能な剥離式昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
一実施形態では、図1及び図2に示すように、複数のプレート12は上下方向に沿って配置され、入口ヘッダ14は各プレート12の下部に設けられ、出口ヘッダ16は各プレート12の上部に設けられる。冷却運転時、冷媒液は入口ヘッダ14から供給され、出口ヘッダ16から排出されるため、空気流との熱交換時間を長くすることができる。デフロスト運転時には、冷媒ガスを出口ヘッダ16から供給し、入口ヘッダ14から排出するため、液化した冷媒の液溜りによって冷媒の流通が妨げられるのを抑制できる。
一実施形態では、図1に示すように、複数のプレート12の近くに送風機18が設けられ、送風機18によって空気流通過空間Saに空気流aが形成される。空気流aが形成されることで、プレート周囲の空気と冷媒流路Frを流れる冷媒との伝熱効果を向上できる。
一実施形態では、図3及び図4に示すように、各プレート12は、冷媒流路Frを形成する空間を有する少なくとも1枚のプレート層20を含む複数のプレート層20,22及び24を備える。
上記構成によれば、各プレート12が、少なくとも1枚が冷媒流路Frを形成する複数のプレート層20、22及び24で構成され、これらプレートを積層させることで、プレート12を構成するため、プレート12の製造が容易になる。
また、上記冷媒流路を例えばエッチング加工で形成することで、微細流路の形成が可能になる。冷媒流路を微細流路とすることで、冷媒と空気流との伝熱性を向上させ、さらに板厚の薄いプレートで高圧の冷媒に対応することができる。
一実施形態では、図3及び図4に示すように、各プレート12は、第1プレート層20と、第1プレート層20の両側に積層された第2プレート層22及び第3プレート層24とで構成される。第1プレート層20に第1プレート層20の表裏両面に貫通する貫通孔20aが形成される。第2プレート層22及び第3プレート層24によって貫通孔20aの両端開口が塞がれて冷媒流路Frを形成する。
上記構成によれば、貫通孔20aを有する第1プレート層20の両側に第2プレート層22及び第3プレート層24を積層することで、冷媒流路Frを有するプレート12の製造が容易になる。また、冷媒流路Frを例えばエッチング加工で形成することで、微細流路の形成が可能になる。
一実施形態では、第1プレート層20、第2プレート層22及び第3プレート層24は、互いに拡散接合によって接合される。接合方法として拡散接合法を用いることで、冷媒流路Frの閉塞を起こすことなく上記プレート層を接合できる。
一実施形態では、第1プレート層20は第2プレート層22及び第3プレート層24と異なる材料で構成される。また、第2プレート層22及び第3プレート層24は同一の材料で構成されている。
上記構成によれば、第1プレート層20の両側に同一材料で構成される第2プレート層22及び第3プレート層24が積層されるため、第1プレート層20の両側で熱膨張率が異なる材料のプレート層が配置されることによって起こる第1プレート層20の反りを抑制できる。また、第1プレート層20と第2プレート層22及び第3プレート層24とは異種材料で構成されるために、第1プレート層20と第2プレート層22及び第3プレート層24との間の界面エネルギの差を大きくすることができ、これによって、これらプレート層の拡散接合時における成分の拡散を促進でき、接合強度を増加できる。
一実施形態では、図3に示すように、第1プレート層20は主成分として銅を含み、第2プレート層22及び第3プレート層24は主成分として銅と異なる材料を含む。
上記構成によれば、第1プレート層20が主成分として熱伝導率が高い銅を含むことで、冷媒流路Frを流れる冷媒と空気流aとの伝熱性を向上できる。また、銅を主成分とする第1プレート層20は塑性変形が起こりやすいが、第2プレート層22と第3プレート層24とで第1プレート層20を両側から挟むように配置することで、製造後のプレート12の強度を向上できる。
一実施形態では、図3に示すように、第1プレート層20は主成分として銅を含み、第2プレート層22及び第3プレート層24は主成分としてステンレス鋼を含む。
上記構成によれば、主成分として熱伝導率が大きい銅を含む第1プレート層20を、主成分として大きい強度をもつステンレス鋼を含む第2プレート層22及び第3プレート層24で両側から挟むように配置することで、プレート12の伝熱性と強度とを両立させることができる。
図4は、第1プレート層20が主成分としてステンレス鋼を含み、第2プレート層22及び第3プレート層24が主成分として銅を含む実施形態を示す。
この実施形態によれば、銅を主成分とすることで熱伝導率が大きい第2プレート層22及び第3プレート層24をプレート12の表面を形成する側に配置することで、プレート12の急速昇温が可能になる。これによって、剥離式昇華デフロスト方法を有効に適用できる。また、第1プレート層20がステンレス鋼を主成分とすることで、製造後のプレート12の強度を保持できる。
一実施形態では、図1に示すように、各プレート12の間にスペーサ26が介装され、スペーサ26によって各プレート間の間隔を規定するようにしている。
上記構成によれば、各プレート間にスペーサ26を介装することで、各プレート間の間隔を規定通りに保持でき、これによって、プレート間に形成される空気流通過空間Saを確保できる。
一実施形態では、図1に示すように、空気流通過空間Saに空気流aを形成するための送風機18を備え、送風機18によって空気流通過空間Saに空気流aが形成される。入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16は、プレート12において、空気流aの上流側部位に配置され、スペーサ26は、空気流aの下流側部位に配置される。
上記構成によれば、水蒸気を多く含み霜層が付着しやすいプレート上流側部位に入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16を配置することで、デフロスト時に入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16を流れる加熱媒体によって着霜の除霜効果を向上できる。
また、霜層が付着しにくいプレート下流側部位にスペーサ26を配置することで、スペーサ表面の除霜の手間を軽減できる。
一実施形態では、図1に示すように、各プレート12は四角形の外形を有し、入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16は夫々プレート上流側の角部に配置され、スペーサ26はプレート下流側の2か所の角部に配置される。各プレート12の冷媒流路Frは入口ヘッダ14と出口ヘッダ16間に配置される。
入口ヘッダ14、出口ヘッダ16及びスペーサ26が各プレート12の4か所の角部に配置されることで、複数のプレート12を安定して支持できる。
一実施形態では、図1に示すように、スペーサ26の内部にヒータ28を備える。
上記構成によれば、スペーサ26の内部にヒータ28を備えることで、デフロスト時に内部を加熱媒体が流れないスペーサであっても、ヒータ28の加熱によって昇華デフロスト法によるスペーサ26の除霜効果を向上できる。
一実施形態では、ヒータ28はスペーサ26の軸方向に沿って配置され、一実施形態では、ヒータ28としてカートリッジヒータが設けられる。
一実施形態では、冷媒流路Frの横断面の直径が2mm以下(好ましくは、0.1〜1.0mm)である。
上記構成によれば、冷媒流路Frの横断面の直径を2mm以下の微小径とすることで、プレート12に形成する冷媒流路Frの長さを増加できると共に、プレート12における冷媒流路Frの配置の自由度を広げることができ、これによって、冷媒流路Frの伝熱面積を増加でき、冷媒と空気流aとの伝熱性を向上できる。
なお、好ましくは、冷媒流路Frの伝熱面積を増加させるために、冷媒流路Frの横断面の径を1.0mm以下とする。また、冷媒流路Frの加工の容易さの観点から、好ましくは、冷媒流路Frの横断面の径を0.1mm以上とする。
一実施形態では、図1に示すように、冷媒流路Frをプレート12の表面又は裏面の方向に沿って蛇行するように配置する。
この実施形態では、冷媒流路Frを蛇行させることで、冷媒流路Frの長さを増加でき、これによって、冷媒と空気流aとの伝熱性を向上できる。
少なくとも一実施形態に係る冷凍システム30は、図5に示すように、非冷却物が保管される冷凍庫32を備え、冷凍庫32にエアクーラ10が設けられている。また、エアクーラ10の複数のプレート12の各々に形成された冷媒流路Frに連通し、これら冷媒流路Frに冷媒を循環させる二次冷媒回路34(冷媒循環路)を備える。
一実施形態では、エアクーラ10は、冷凍庫32の内部に形成される密閉可能な保冷空間に配置される。
上記構成によれば、幾つかの上記実施形態に係るエアクーラ10を備えることで、複数のプレート12の各々の表面が伝熱面を形成するため、フィンを設ける必要がなく、プレートの数やプレートの面積を調整し、あるいはプレートに形成される冷媒流路Frの流路や流路径を調整することで、伝熱面積を確保できる。従って、霜層が付着しやすいフィンをなくすことで、従来の融け残りや、フィン間に保持された融水の凍結を考慮した余分なデフロスト運転を低減でき、冷却運転を長くできる。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレートを並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
また、伝熱管の代わりにプレート12を設けるため、伝熱管の全周に形成される環状の霜層ブリッジが形成されない。そのため、省エネ可能な剥離式昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
また、冷媒流路Frに加熱媒体を流すことで、プレート表面の急速加熱が可能になる。そのため、プレート表面に付着した霜層の根本側領域の急速加熱が可能になり、かつ伝熱管を設けないため、伝熱管の全周に形成される環状の霜層ブリッジが形成されない。そのため、剥離式を含む昇華デフロスト法を有効に活用できる。
一実施形態では、デフロスト時に冷媒流路Frにエアクーラ10に付着する霜層の融解温度未満の温度をもつ加熱媒体を供給可能な二次冷媒回路34を備える。
上記構成によれば、デフロスト時に二次冷媒回路34を介して冷媒流路Frに加熱媒体を流すことで、剥離式を含む昇華デフロスト法が可能になる。
一実施形態では、エアクーラ10は、図5に示すように、被冷却物が収容される密閉可能な冷凍庫32の保冷空間sに配置される。
一実施形態では、エアクーラ10は空気流aが出入り可能な入口開口及び出口開口を有するケーシング36を有し、複数のプレート12はケーシング36の内部に配置される。
一実施形態では、送風機18は該入口開口又は該出口開口のどちらか一方に設けられる。
一実施形態では、図5に示すように、冷凍庫32の保冷空間を冷却する定常運転時に二次冷媒回路34を介して冷媒流路Frに冷媒を循環させるための冷凍機40を備える。
冷凍機40は、一次冷媒が循環し、冷凍サイクル構成機器が設けられた一次冷媒回路42と、二次冷媒が循環し、エアクーラ10まで延設される二次冷媒回路34とを有している。二次冷媒回路34は一次冷媒回路42と液化器44を介して接続される。
一次冷媒回路42に、冷凍サイクル構成機器として、圧縮機46、凝縮器48、受液器50、膨張弁52及び液化器44が設けられる。二次冷媒回路34には、液化器44で液化された二次冷媒液が一時貯留される受液器54と、受液器54に貯留された二次冷媒液を二次冷媒回路34を介して冷媒流路Frに循環させる液ポンプ56とが設けられている。
液化器44と受液器54との間に二次冷媒循環路58が設けられ、受液器54から二次冷媒循環路58を介して液化器44に導入された二次冷媒ガスは、液化器44で一次冷媒によって冷却され液化して受液器54に戻る。受液器54に貯留される二次冷媒液は二次冷媒回路34を介してエアクーラ10のプレート12に形成された冷媒流路Frに送られる。エアクーラ10では、冷媒流路Frを循環する二次冷媒によって庫内空気が冷却される。
凝縮器48と冷却塔60との間に冷却水回路62が設けられ、凝縮器48で一次冷媒は冷却水回路62を循環する冷却水で冷却される。凝縮器48で一次冷媒を冷却した冷却水は冷却塔60で冷却される。
一実施形態では、一次冷媒はNHであり、二次冷媒はCOである。冷凍システム30の冷却運転時、庫内温度は例えば−25〜−35℃に冷却され、二次冷媒は庫内温度以下の温度でエアクーラ10に供給される。
冷却水回路62から分岐する分岐回路64が設けられ、分岐回路64は熱交換器66を介して冷凍庫32に導設されたブライン回路67と接続される。ブライン回路67を循環するブラインは凝縮器48で一次冷媒を冷却した冷却水の保有熱を吸収する。ブライン回路67の往路にブラインを一時貯留するレシーバ68及びブラインを循環させるブラインポンプ69が設けられる。
一方、エアクーラ10の入口及び出口において二次冷媒回路34に電磁開閉弁70a及び70bが設けられ、電磁開閉弁70a及び70bよりエアクーラ10側の二次冷媒回路34にデフロスト回路72が接続される。
冷却運転時に電磁開閉弁70a及び70bは開放され、デフロスト回路72に設けられた電磁開閉弁71が閉じられる。デフロスト時に電磁開閉弁70a及び70bが閉じ、電磁開閉弁71が開放されることで、デフロスト回路72は各プレート12に形成された冷媒流路Frと共に閉回路を形成する。
デフロスト回路72は熱交換器74を介してブライン回路67と接続され、デフロスト時に、デフロスト回路72を循環する二次冷媒は、熱交換器74においてブライン回路67を循環するブラインによって加熱される。
こうして、デフロスト時に、ブラインによって加熱され、プレート12に付着する霜層の融解温度未満の温度を有する二次冷媒を加熱媒体として冷媒流路Frに循環させることで、霜層を加熱昇温させ昇華させて除去する昇華デフロストが可能になる。
図6は、プレート12に形成された冷媒流路Frに二次冷媒rが流れ、プレート12の表面12a(伝熱面)に霜層Iが付着した状態を模式的に示している。
一実施形態では、霜層Iの融解温度未満の温度を有する二次冷媒を冷媒流路Frに流すことで、以下説明する剥離式昇華デフロストが可能になる。剥離式昇華デフロストは、霜層Iの根本側領域Irと先端側領域Itとの間に温度勾配を形成し、根本側領域Irを優先して加熱昇温させて昇華を促進させ、根本側領域Irの付着面積を減少させる。付着面積が減少してプレート表面12aに対する付着力が低減した霜層Iに対して物理的な力、例えば空気流aの力を加えて霜層Iを剥離させる。
これによって、霜層Iを根本側領域Irから根こそぎ除去できると共に、除霜時間を短縮できる。また、全部の霜層Iを昇華させる必要がないので、必要熱量を削減できる。
また、ドレインが発生しないので、ドレインを外部に排出する手間を省くことができる。さらに、昇華した水蒸気は空気流aと共に飛散するので、冷却運転中にデフロスト処理が可能になる。従って、冷却運転を止めずに継続できる。
一実施形態では、図5に示すように、冷凍システム30は圧力調整部76を備える。圧力調整部76は、冷却運転時に、圧力センサ78で検出された冷媒流路Frを循環する二次冷媒の圧力が制御部82に入力され、制御部82は圧力調整弁80の開度を制御して冷媒流路Frを循環する冷媒の圧力及び温度を制御する。
また、圧力調整部76は、デフロスト運転時に、冷媒流路Fr及びデフロスト回路72を含む閉回路を循環する二次冷媒の圧力を調整可能であり、該閉回路を循環する二次冷媒は霜層の融点(氷点)未満の凝縮温度を有するように圧力調整される。即ち、圧力センサ78によって検出された上記閉回路を循環する二次冷媒の圧力が制御部82に入力され、制御部82は、上記閉回路を循環する二次冷媒の凝縮温度が霜層Iの氷点未満の温度になるように、デフロスト回路72に設けられた圧力調整弁73の開度を制御する。
一実施形態では、二次冷媒がCOであり、CO冷媒を3.0MPa(凝縮温度−5℃)まで昇圧する。これによって、プレート12に付着した霜層をCO冷媒の凝縮潜熱(−5℃/3.0MPaで249kJ/kg)で昇華除去できる。
一実施形態では、図5に示すように、ブライン回路67を循環するブラインの温度を調整する温度調整部84を備える。温度調整部84は、ブライン回路67の往路及び復路に設けられた温度センサ86及び88と、レシーバ68とブラインポンプ69との間の往路と復路とに接続されたバイパス路90と、バイパス路90と復路との接続部に設けられた三方弁92と、温度センサ86の検出値が入力され、この検出値が設定温度になるように三方弁92を制御する制御部94と、を備える。
温度調整部84によって、デフロスト時に熱交換器74に流入するブラインの温度が設定温度に制御されることで、閉回路を循環する二次冷媒の温度を霜層Iの氷点未満の温度に制御できる。
なお、圧力調整部76及び温度調整部84は、夫々単独に用いてもよく、あるいは両者を併用してもよい。
一実施形態では、熱交換器74を冷媒流路Frより下方に配置し、冷媒流路Frと熱交換器74との間で高低差をもうける。
上記構成によれば、熱交換器74で気化した冷媒ガスはデフロスト時にデフロスト回路72をサーモサイフォン作用によって自然上昇する。上昇した冷媒ガスは冷媒流路Frで霜層に昇華潜熱を与えて液化する。液化した冷媒ガスは重力で閉回路を自然下降する。
このように、デフロスト時に冷媒が閉回路を自然循環するので、冷媒を強制循環させる手段を必要とせず、強制循環させるための装備及び動力(ポンプ動力)が不要となり低コスト化できる。
一実施形態では、図7に示すように、エアクーラ10の入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16は、仕切り部96によって複数の領域14a、14b、14c、16a、16b及び16cに分割される。そして、分割された入口ヘッダ14の各領域14a〜14cに夫々に冷媒供給管98a、98b及び98cが接続され、分割された出口ヘッダ16の各領域に夫々冷媒排出管100a、100b及び100cが接続される。冷媒供給管98a、98b、98c及び冷媒排出管100a、100b、100cには夫々開閉弁102a、102b、102c及び104a、104b、104cが設けられる。
冷却時は、冷媒が冷媒供給管98a、98b及び98cより入口ヘッダ14を経由して伝熱部のプレート12に供給され、空気流通過空間Saの空気流aを熱交換して冷却する。冷媒蒸気は出口ヘッダ16より冷媒排出管100a、100b及び100cを経由して、冷凍機40の受液器54に循環される。
デフロスト時はデフロスト回路72が作動して、冷媒の供給・排出が逆サイクルとなる。即ち、熱交換器74で加熱蒸発された冷媒蒸気が、冷媒排出管100a、100b及び100cを経由してプレート上部の出口ヘッダ16から供給され、昇華デフロストに必要な熱源を供給する。凝縮した冷媒液はプレート下部の入口ヘッダ14を経由して冷媒供給管98a、98b及び98cより熱交換器74に循環し、加熱蒸発が行われる。
図5に示すように圧力調整弁73、圧力センサ78及び制御部82を備え、デフロスト冷媒ラインの凝縮温度を霜層の氷点未満の温度になるよう圧力調整を行う。冷媒蒸気はプレート12の温度の低い部分に凝縮して昇温させるので、クーラ10内の加熱ムラを少なくできる。
なお、エアクーラ10の冷媒の出入口の位置は、図7の冷媒供給管98a、98b及び98cと冷媒排出管100a、100b及び100cとに示すように、対角に設けてもよい。あるいは、冷媒供給管98a、98b及び98cと冷媒排出管100a’、100b’及び100c’とに示すように、同一面から取り出しても良い。
上記構成において、分割された各領域において、別個に冷却運転又はデフロスト運転を選択的に行うことができるため、複数の領域のうち1つの領域でデフロスト運転を行い、他の領域で冷却運転を行うことができる。従って、複数の領域でデフロスト運転を順々に行うことで、全体として冷凍システム30の冷却運転を継続することができる。
一実施形態では、図8に示すように、分割された冷媒流路A、B及びC毎にプレート12を分割配置するようにしてもよい。分割された各プレートは、A、B及びCごとにケーシング36に収納され、隣接配置されている。空気流aがプレート12に沿って空気流通過空間Saを流れ、冷却される。デフロストは分割された冷媒流路A、B又はC毎に実施でき、例えば、A→B→Cの順で実施し、デフロスト時間をタイムテーブルでスケジュール管理する。
図5に示す実施形態では、デフロスト時に二次冷媒を昇華させる熱源として、冷却水回路62を循環する冷却水の保有熱を利用するようにしているが、代わりに、受液器50に貯留された一次冷媒の保有熱を利用するようにしてもよい。この実施形態では、熱交換器66の代わりに、受液器50に貯留された一次冷媒とブライン回路67を循環するブラインとを熱交換する熱交換器を設けるようにする。
一実施形態に係るエアクーラ10の除霜方法は、図9に示すように、複数のプレート12の表面をこの表面に付着する霜層の融点未満の温度で霜層に対してプレート表面側に存在する熱源で加熱昇温させる(加熱昇温ステップS10)。
上記方法によれば、加熱昇温ステップS10を行うことで霜層を昇華させ、昇華した霜層を空気流aに乗せて除去できる。また、エアクーラ10は冷媒を流すための伝熱管を設けないため、伝熱管の周囲に霜層の環状のブリッジが形成されない。そのため、剥離式を含む昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
一実施形態では、加熱昇温ステップS10において、冷媒流路Frにエアクーラ10に付着する霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を循環させる。
この方法によれば、デフロスト時に冷媒流路Frに加熱媒体を循環させるだけで、霜層の根本部を優先的に加熱昇温できる。従って、新たな設備を付設する必要がなく霜層の付着面の加熱が可能になり、剥離式を含む昇華デフロストが可能になると共に、コスト高とならない。
一実施形態では、上述のように、凝縮温度が霜層Iの氷点未満の温度なるように温度制御された二次冷媒を冷媒流路Frに循環させる。これによって、新たに加熱媒体を用意する必要がなくなる。
剥離式昇華デフロストを行うために、霜層Iの根本側領域Irから先端側領域Itに亘って温度勾配を形成する手段として、冷媒流路Frに加熱媒体を流す方法以外の方法を用いることができる。例えば、特許文献2に記載されているように、プレート12の表面に導線を介して高周波電流誘電部を接続し、該高周波電流誘電部からプレートの表面に高周波電流を流すことで、表皮効果によってプレートの表面に高周波電流を集中させる。これによって、プレート表面に付着した霜層を加温し、上記温度勾配を形成できる。また、高周波電流をプレート表面に集中させることで、省エネが可能になる。
一実施形態では、必要に応じて、プレート12の周囲に形成された冷却空間の冷気によって霜層Iの先端側領域Itを冷却する(冷却ステップS12)。
これによって、根本側領域Irから先端側領域Itにかけて形成される温度勾配を容易に形成できるため、根本側領域Irを優先して剥離でき、剥離式昇華デフロストが可能になる。
一実施形態では、加熱昇温ステップS10及び冷却ステップS12によってプレート12に対する付着面積が低減した霜層に対して、何等かの物理的な力を加えて霜層をプレート12から剥離させる(剥離ステップS14)。
この実施形態によれば、プレート12に対する霜層の付着面積をゼロとする前に、即ち、霜層全体の昇華を待つことなく、例えば、掻き取り、振動、重力、電磁気力、何らかの物理的力を霜層に与えることで、霜層を剥離できる。これによって、昇華に要する熱量を節減できると共に、デフロスト時間を短縮でき、除霜効率を向上できる。
一実施形態では、プレート12の表面に沿って空気流aを形成させ、霜層を空気流aの風圧によってプレート12から剥離する。これによって、剥離ステップS14のための設備や操作を必要としない。
一実施形態によれば、昇華デフロスト方法を有効に活用できると共に、冷媒と空気流との伝熱性能を維持できるエアクーラ及びこのエアクーラを備える冷凍システムを実現できる。
10 エアクーラ
12 プレート
14 入口ヘッダ
16 出口ヘッダ
18 送風機
20 第1プレート層
22 第2プレート層
24 第3プレート層
26 スペーサ
28 ヒータ
30 冷凍システム
32 冷凍庫
34 二次冷媒回路(冷媒循環路)
36 ケーシング
40 冷凍機
42 一次冷媒回路
44 液化器
46 圧縮機
48 凝縮器
50、54 受液器
56 液ポンプ
58 二次冷媒循環路
60 冷却塔
62 冷却水回路
66、74 熱交換器
67 ブライン回路
68 レシーバ
69 ブラインポンプ
70a、70b、71 電磁開閉弁
72 デフロスト回路
73、80 圧力調整弁
76 圧力調整部
78 圧力センサ
82、94 制御部
84 温度調整部
86、88 温度センサ
90 バイパス路
92 三方弁
96 仕切り部
98a、98b、98c 冷媒供給管
100a、100b、100c 冷媒排出管
102a、102b、102c、104a、104b、104c 開閉弁
Fr 冷媒流路
I 霜層
Ir 根本側領域
It 先端側領域
Sa 空気流通過空間
a 空気流
r 二次冷媒

Claims (14)

  1. 内部に冷媒流路が形成され、空気流が通過するための空気流通過空間を隔てて互いに並列に配置された複数のプレートと、
    前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々に冷媒を供給する入口ヘッダと、
    前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々から前記冷媒が排出される出口ヘッダと、
    を備えるエアクーラであって
    前記複数のプレートの各々がフィンを介さずに前記空気流通過空間を挟んで直接対向配置され
    各々の前記プレートの前記冷媒流路は、
    前記空気流の流れ方向における前記プレートの上流側端部と下流側端部との間で前記流れ方向に沿って延在するように互いに並列に設けられた複数本の直線流路部と、
    前記プレートの前記上流側端部または前記下流側端部の何れかに位置し、隣り合う一対の前記直線流路部を連通させる複数の折返し部と、
    を含む蛇行流路であり、
    前記冷媒流路は、前記エアクーラの通常運転時、前記入口ヘッダから前記出口ヘッダに前記冷媒が流れ、前記エアクーラの昇華デフロスト運転時、前記出口ヘッダから導入された冷媒ガスが前記入口ヘッダに向かって流れるように構成された
    ことを特徴とするエアクーラ。
  2. 前記複数のプレートの各々は、前記冷媒流路を形成する空間を有する少なくとも1枚のプレート層を含む複数のプレート層を備えることを特徴とする請求項1に記載のエアクーラ。
  3. 前記複数のプレート層は、
    第1プレート層と、前記第1プレート層の両側に積層された第2プレート層及び第3プレート層と、を含み、
    前記第1プレート層に前記第1プレート層の表裏両面に貫通する貫通孔が形成され、
    前記第2プレート層及び前記第3プレート層によって前記貫通孔の両端開口が塞がれて前記冷媒流路を形成することを特徴とする請求項2に記載のエアクーラ。
  4. 前記第1プレート層は前記第2プレート層及び前記第3プレート層と異なる材料で構成され、
    前記第2プレート層及び前記第3プレート層は同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアクーラ。
  5. 前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
    前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分として銅と異なる材料を含むことを特徴とする請求項4に記載のエアクーラ。
  6. 前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
    前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分としてステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項5に記載のエアクーラ。
  7. 前記複数のプレート間に介装され、前記複数のプレート間の間隔を規定するためのスペーサを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のエアクーラ。
  8. 内部に冷媒流路が形成され、空気流が通過するための空気流通過空間を隔てて互いに並列に配置された複数のプレートと、
    前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々に冷媒を供給する入口ヘッダと、
    前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々から前記冷媒が排出される出口ヘッダと、
    を備え、
    前記複数のプレートの各々がフィンを介さずに前記空気流通過空間を挟んで直接対向配置され、
    前記複数のプレート間に介装され、前記複数のプレート間の間隔を規定するためのスペーサと、
    前記複数のプレート間に形成される前記空気流通過空間に空気流を形成するための送風機と、を備え、
    前記入口ヘッダ及び前記出口ヘッダは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の上流側部位に配置され、
    前記スペーサは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の下流側部位に配置されることを特徴とするエアクーラ。
  9. 前記スペーサの内部にヒータを備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のエアクーラ。
  10. 前記冷媒流路の横断面の直径が2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のエアクーラ。
  11. 冷却物が保管される冷凍庫と、
    前記冷凍庫に設けられた請求項1乃至10の何れか一項に記載のエアクーラと、
    前記冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環路と、
    を備えることを特徴とする冷凍システム。
  12. デフロスト時に前記冷媒流路に霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を供給する供給路を備えることを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
  13. 請求項1乃至10の何れか一項に記載のエアクーラの除霜方法であって、
    前記複数のプレートの表面を該表面に付着する霜層の融点未満の温度で前記霜層に対して該表面側に存在する熱源で加熱昇温させる加熱昇温ステップを備えることを特徴とするエアクーラの除霜方法。
  14. 前記加熱昇温ステップにおいて、
    前記冷媒流路に前記エアクーラに付着する霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を循環させることを特徴とする請求項13に記載のエアクーラの除霜方法。
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