JP2018189274A - エアクーラ、冷凍システム及びエアクーラの除霜方法 - Google Patents
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Abstract
Description
エアクーラは、冷却面が零度より低くなる場合には着霜が生じ、伝熱性能が低下するため、デフロスト運転が必要になる。特に、フィンを有する場合、着霜によってフィン間が閉塞され、伝熱性能が低下するため、頻繁にデフロスト運転を行う必要がある。
そこで、最近では、着霜を融解せずに昇華させて除去する昇華デフロスト法が考えられている。このデフロスト法では、昇華した水蒸気を空気流と共に外部に排出できるため、エアクーラの運転を特に停止せずに除霜でき、かつ融解水の処理を必要としない利点がある。
例えば、特許文献1には、エアクーラを構成する伝熱管の着霜を昇華デフロスト法で除霜する手段が開示されている。
また、チューブから離れたフィンの領域では伝熱距離が長くなり、かつフィンとチューブとはチューブの拡管加工によって接触固定されている場合が多いので、接触部に熱抵抗がある。そのため、チューブから離れたフィンの領域では霜層の根本部の昇華に時間がかかるという問題がある。
一実施形態に係る第2の目的は、上記課題に鑑み、エアクーラの剥離式を含む昇華デフロストが可能な冷凍システムを提案することにある。
内部に冷媒流路が形成され、空気流が通過するための空気流通過空間を隔てて互いに並列に配置された複数のプレートと、
前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々に冷媒を供給する入口ヘッダと、
前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々から前記冷媒が排出される出口ヘッダと、
を備え、
前記複数のプレートの各々がフィンを介さずに前記空気流通過空間を挟んで直接対向配置されている。
上記(1)の構成によれば、上記複数のプレートの各々の表面が伝熱面を形成するため、フィンを設けなくても、プレートの数やプレートの面積を調整し、あるいはプレートに形成される冷媒流路の流路や流路径を調整することで、伝熱面積を確保できる。従って、霜層が付着しやすいフィンをなくすことで、従来の融け残りや、フィン間に保持された融水の凍結を考慮した余分なデフロスト運転を低減できるため、冷却運転を長くできる。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレートを並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
前記複数のプレートの各々は、前記冷媒流路を形成する空間を有する少なくとも1枚のプレート層を含む複数のプレート層を備える。
上記(2)の構成によれば、上記プレートが、少なくとも1枚が冷媒流路を形成する複数のプレート層で構成され、これらのプレートを積層させることで、プレートを構成するため、プレートの製造が容易になる。
また、上記冷媒流路を例えばエッチング加工で形成することで、微細流路の形成が可能になる。冷媒流路を微細流路とすることで、冷媒と空気流との伝熱性を向上させ、さらに板厚の薄いプレートで高圧の冷媒に対応することができる。
前記複数のプレート層は、
第1プレート層と、前記第1プレート層の両側に積層された第2プレート層及び第3プレート層と、を含み、
前記第1プレート層に前記第1プレート層の表裏両面に貫通する貫通孔が形成され、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層によって前記貫通孔の両端開口が塞がれて前記冷媒流路を形成する。
前記第1プレート層は前記第2プレート層及び前記第3プレート層と異なる材料で構成され、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は同一の材料で構成されている。
上記(4)の構成によれば、第1プレート層の両側に同一材料で構成される第2プレート層及び第3プレート層が積層されるため、第1プレート層の両側で熱膨張率が異なる材料のプレート層が配置されることによって起こる第1プレート層の反りを抑制できる。また、第1プレート層と第2プレート層及び第3プレート層とは異種材料で構成されるために、第1プレート層と第2プレート層及び第3プレート層との間の界面エネルギの差を大きくすることができ、これによって、これらプレート層の拡散接合時における成分の拡散を促進でき、接合強度を増加できる。
前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分として銅と異なる材料を含む。
上記(5)の構成によれば、第1プレート層が主成分として熱伝導率が高い銅を含むことで、冷媒流路を流れる冷媒と空気流との伝熱性を向上できる。また、銅を主成分とする第1プレート層は塑性変形が起こりやすいが、第2プレート層及び第3プレート層で第1プレート層を両側から挟むように配置することで、製造後のプレートの強度を向上できる。
前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分としてステンレス鋼を含む。
上記(6)の構成によれば、主成分として熱伝導率が大きい銅を含む第1プレート層を主成分として大きい強度をもつステンレス鋼を含む第2プレート層及び第3プレート層で両側から挟むように配置することで、プレートの伝熱性と強度とを両立させることができる。
前記複数のプレート間に介装され、前記複数のプレート間の前記間隔を規定するためのスペーサを備える。
上記(7)の構成によれば、複数のプレート間にスペーサを介装することで、複数のプレート間の間隔を規定通りに保持でき、これによって、プレート間に形成される空気流通過空間を確保できる。
前記複数のプレート間に形成される前記空間に空気流を形成するための送風機を備え、
前記入口ヘッダ及び前記出口ヘッダは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の上流側部位に配置され、
前記スペーサは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の下流側部位に配置される。
上記(8)の構成によれば、水蒸気を多く含み霜層が付着しやすいプレート上流側部位に入口ヘッダ及び出口ヘッダを配置することで、デフロスト時に入口ヘッダ及び出口ヘッダを流れる加熱媒体によって着霜の除霜効果を向上できる。
また、上流側より水蒸気が少なく霜層が上流側ほど付着しないプレート下流側部位にスペーサを配置することで、スペーサ表面の除霜の手間を軽減できる。
前記スペーサの内部にヒータを備える。
上記(9)の構成によれば、スペーサの内部にヒータを備えることで、デフロスト時に内部を加熱媒体が流れないスペーサであっても、該ヒータでスペーサ表面を加熱することで、昇華デフロスト法によるスペーサ表面の除霜効果を向上できる。
前記冷媒流路の横断面の直径が2mm以下(好ましくは、0.1〜1.0mm)である。
上記(10)の構成によれば、冷媒流路の横断面の直径を2mm以下の微小径とすることで、冷媒と空気流との伝熱性を向上させ、さらに板厚の薄いプレートで高圧の冷媒に対応することができる。
非冷却物が保管される冷凍庫と、
前記冷凍庫に設けられた前記(1)〜(10)の何れかの構成を有するエアクーラと、
前記冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環路と、
を備える。
本明細書において、「冷凍庫」とは、冷蔵庫、その他密閉された冷却空間を形成し、該冷却空間に収容された被冷却物を常温以下の温度に冷却・保冷可能なものをすべて含む。上記「密閉された冷却空間」には、コンベアで搬送される食品を連続的に冷却又は凍結するフリーザの内部に形成される冷却空間を含む。従って、上記「エアクーラ」はフリーザに設けられるエアクーラを含む。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレートを並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
デフロスト時に前記冷媒流路に霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を供給する供給路を備える。
上記(12)の構成によれば、デフロスト時に加熱媒体を、上記供給路を介して冷媒流路に供給することで、剥離式を含む昇華デフロスト法が可能になる。
前記(1)〜(10)の何れかの構成を有するエアクーラの除霜方法であって、
前記複数のプレートの表面を該表面に付着する霜層の融点未満の温度で前記霜層に対して該表面側に存在する熱源で加熱昇温させる加熱昇温ステップを備える。
上記(13)の方法によれば、上記加熱昇温ステップにおいて、プレート表面に付着する霜層の融点未満の温度で霜層を加熱昇温することで、霜層を昇華させ、昇華した霜層を空気流に乗せて除去できる。
また、冷媒を流すための伝熱管を設けないため、伝熱管の周囲に霜層の環状のブリッジが形成されない。そのため、剥離式を含む昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
前記加熱昇温ステップにおいて、
前記冷媒流路に前記エアクーラに付着する霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を循環させる。
上記(14)の方法によれば、デフロスト時に冷媒流路に上記加熱媒体を循環させるだけで、霜層の根本部を優先的に加熱昇温できる。従って、新たな設備を付設する必要がなく霜層の付着面の加熱が可能になり、昇華デフロストが可能になると共に、コスト高とならない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1及び図2において、エアクーラ10は、互いに間隔を置いて並列に配置された複数のプレート12を備える。プレート12の内部に冷媒流路Frが形成され、各プレート12間に空気流が通過するための空気流通過空間Saが形成されている。
また、図3及び図4に示すように、各プレート12に形成された冷媒流路Frに冷媒を供給する入口ヘッダ14と、各プレート12に形成された冷媒流路Frから冷媒が排出される出口ヘッダ16とを備える。入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16の内部は各冷媒流路Frに連通している。
各プレート12は、フィンを介さずに空気流通過空間Saを挟んで直接対向配置されている。
フィンを設けると、空気流に対する上流側のフィン端部に空気流が衝突し、衝突時の攪拌効果で空気流と冷媒との伝熱が促進され、これによって、フィンの霜が付きやすくなる。上記構成では、フィンを設けないことで、これを防止できる。
また、伝熱管の代わりにプレート12を設けるため、伝熱管の全周に形成される環状の霜層ブリッジが形成されない。そのため、省エネ可能な剥離式昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
上記構成によれば、各プレート12が、少なくとも1枚が冷媒流路Frを形成する複数のプレート層20、22及び24で構成され、これらプレートを積層させることで、プレート12を構成するため、プレート12の製造が容易になる。
また、上記冷媒流路を例えばエッチング加工で形成することで、微細流路の形成が可能になる。冷媒流路を微細流路とすることで、冷媒と空気流との伝熱性を向上させ、さらに板厚の薄いプレートで高圧の冷媒に対応することができる。
上記構成によれば、第1プレート層20の両側に同一材料で構成される第2プレート層22及び第3プレート層24が積層されるため、第1プレート層20の両側で熱膨張率が異なる材料のプレート層が配置されることによって起こる第1プレート層20の反りを抑制できる。また、第1プレート層20と第2プレート層22及び第3プレート層24とは異種材料で構成されるために、第1プレート層20と第2プレート層22及び第3プレート層24との間の界面エネルギの差を大きくすることができ、これによって、これらプレート層の拡散接合時における成分の拡散を促進でき、接合強度を増加できる。
上記構成によれば、第1プレート層20が主成分として熱伝導率が高い銅を含むことで、冷媒流路Frを流れる冷媒と空気流aとの伝熱性を向上できる。また、銅を主成分とする第1プレート層20は塑性変形が起こりやすいが、第2プレート層22と第3プレート層24とで第1プレート層20を両側から挟むように配置することで、製造後のプレート12の強度を向上できる。
上記構成によれば、主成分として熱伝導率が大きい銅を含む第1プレート層20を、主成分として大きい強度をもつステンレス鋼を含む第2プレート層22及び第3プレート層24で両側から挟むように配置することで、プレート12の伝熱性と強度とを両立させることができる。
この実施形態によれば、銅を主成分とすることで熱伝導率が大きい第2プレート層22及び第3プレート層24をプレート12の表面を形成する側に配置することで、プレート12の急速昇温が可能になる。これによって、剥離式昇華デフロスト方法を有効に適用できる。また、第1プレート層20がステンレス鋼を主成分とすることで、製造後のプレート12の強度を保持できる。
上記構成によれば、各プレート間にスペーサ26を介装することで、各プレート間の間隔を規定通りに保持でき、これによって、プレート間に形成される空気流通過空間Saを確保できる。
上記構成によれば、水蒸気を多く含み霜層が付着しやすいプレート上流側部位に入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16を配置することで、デフロスト時に入口ヘッダ14及び出口ヘッダ16を流れる加熱媒体によって着霜の除霜効果を向上できる。
また、霜層が付着しにくいプレート下流側部位にスペーサ26を配置することで、スペーサ表面の除霜の手間を軽減できる。
入口ヘッダ14、出口ヘッダ16及びスペーサ26が各プレート12の4か所の角部に配置されることで、複数のプレート12を安定して支持できる。
上記構成によれば、スペーサ26の内部にヒータ28を備えることで、デフロスト時に内部を加熱媒体が流れないスペーサであっても、ヒータ28の加熱によって昇華デフロスト法によるスペーサ26の除霜効果を向上できる。
一実施形態では、ヒータ28はスペーサ26の軸方向に沿って配置され、一実施形態では、ヒータ28としてカートリッジヒータが設けられる。
上記構成によれば、冷媒流路Frの横断面の直径を2mm以下の微小径とすることで、プレート12に形成する冷媒流路Frの長さを増加できると共に、プレート12における冷媒流路Frの配置の自由度を広げることができ、これによって、冷媒流路Frの伝熱面積を増加でき、冷媒と空気流aとの伝熱性を向上できる。
なお、好ましくは、冷媒流路Frの伝熱面積を増加させるために、冷媒流路Frの横断面の径を1.0mm以下とする。また、冷媒流路Frの加工の容易さの観点から、好ましくは、冷媒流路Frの横断面の径を0.1mm以上とする。
この実施形態では、冷媒流路Frを蛇行させることで、冷媒流路Frの長さを増加でき、これによって、冷媒と空気流aとの伝熱性を向上できる。
一実施形態では、エアクーラ10は、冷凍庫32の内部に形成される密閉可能な保冷空間に配置される。
さらに、フィンを設けないために、複数のプレートを並べた簡単な構成となり、これによって、製造コストを低減できると共に、保守点検時の洗浄効果を向上できる。
上記構成によれば、デフロスト時に二次冷媒回路34を介して冷媒流路Frに加熱媒体を流すことで、剥離式を含む昇華デフロスト法が可能になる。
一実施形態では、エアクーラ10は空気流aが出入り可能な入口開口及び出口開口を有するケーシング36を有し、複数のプレート12はケーシング36の内部に配置される。
一実施形態では、送風機18は該入口開口又は該出口開口のどちらか一方に設けられる。
冷凍機40は、一次冷媒が循環し、冷凍サイクル構成機器が設けられた一次冷媒回路42と、二次冷媒が循環し、エアクーラ10まで延設される二次冷媒回路34とを有している。二次冷媒回路34は一次冷媒回路42と液化器44を介して接続される。
一次冷媒回路42に、冷凍サイクル構成機器として、圧縮機46、凝縮器48、受液器50、膨張弁52及び液化器44が設けられる。二次冷媒回路34には、液化器44で液化された二次冷媒液が一時貯留される受液器54と、受液器54に貯留された二次冷媒液を二次冷媒回路34を介して冷媒流路Frに循環させる液ポンプ56とが設けられている。
冷却運転時に電磁開閉弁70a及び70bは開放され、デフロスト回路72に設けられた電磁開閉弁71が閉じられる。デフロスト時に電磁開閉弁70a及び70bが閉じ、電磁開閉弁71が開放されることで、デフロスト回路72は各プレート12に形成された冷媒流路Frと共に閉回路を形成する。
こうして、デフロスト時に、ブラインによって加熱され、プレート12に付着する霜層の融解温度未満の温度を有する二次冷媒を加熱媒体として冷媒流路Frに循環させることで、霜層を加熱昇温させ昇華させて除去する昇華デフロストが可能になる。
一実施形態では、霜層Iの融解温度未満の温度を有する二次冷媒を冷媒流路Frに流すことで、以下説明する剥離式昇華デフロストが可能になる。剥離式昇華デフロストは、霜層Iの根本側領域Irと先端側領域Itとの間に温度勾配を形成し、根本側領域Irを優先して加熱昇温させて昇華を促進させ、根本側領域Irの付着面積を減少させる。付着面積が減少してプレート表面12aに対する付着力が低減した霜層Iに対して物理的な力、例えば空気流aの力を加えて霜層Iを剥離させる。
また、ドレインが発生しないので、ドレインを外部に排出する手間を省くことができる。さらに、昇華した水蒸気は空気流aと共に飛散するので、冷却運転中にデフロスト処理が可能になる。従って、冷却運転を止めずに継続できる。
また、圧力調整部76は、デフロスト運転時に、冷媒流路Fr及びデフロスト回路72を含む閉回路を循環する二次冷媒の圧力を調整可能であり、該閉回路を循環する二次冷媒は霜層の融点(氷点)未満の凝縮温度を有するように圧力調整される。即ち、圧力センサ78によって検出された上記閉回路を循環する二次冷媒の圧力が制御部82に入力され、制御部82は、上記閉回路を循環する二次冷媒の凝縮温度が霜層Iの氷点未満の温度になるように、デフロスト回路72に設けられた圧力調整弁73の開度を制御する。
温度調整部84によって、デフロスト時に熱交換器74に流入するブラインの温度が設定温度に制御されることで、閉回路を循環する二次冷媒の温度を霜層Iの氷点未満の温度に制御できる。
なお、圧力調整部76及び温度調整部84は、夫々単独に用いてもよく、あるいは両者を併用してもよい。
上記構成によれば、熱交換器74で気化した冷媒ガスはデフロスト時にデフロスト回路72をサーモサイフォン作用によって自然上昇する。上昇した冷媒ガスは冷媒流路Frで霜層に昇華潜熱を与えて液化する。液化した冷媒ガスは重力で閉回路を自然下降する。
このように、デフロスト時に冷媒が閉回路を自然循環するので、冷媒を強制循環させる手段を必要とせず、強制循環させるための装備及び動力(ポンプ動力)が不要となり低コスト化できる。
デフロスト時はデフロスト回路72が作動して、冷媒の供給・排出が逆サイクルとなる。即ち、熱交換器74で加熱蒸発された冷媒蒸気が、冷媒排出管100a、100b及び100cを経由してプレート上部の出口ヘッダ16から供給され、昇華デフロストに必要な熱源を供給する。凝縮した冷媒液はプレート下部の入口ヘッダ14を経由して冷媒供給管98a、98b及び98cより熱交換器74に循環し、加熱蒸発が行われる。
なお、エアクーラ10の冷媒の出入口の位置は、図7の冷媒供給管98a、98b及び98cと冷媒排出管100a、100b及び100cとに示すように、対角に設けてもよい。あるいは、冷媒供給管98a、98b及び98cと冷媒排出管100a’、100b’及び100c’とに示すように、同一面から取り出しても良い。
上記方法によれば、加熱昇温ステップS10を行うことで霜層を昇華させ、昇華した霜層を空気流aに乗せて除去できる。また、エアクーラ10は冷媒を流すための伝熱管を設けないため、伝熱管の周囲に霜層の環状のブリッジが形成されない。そのため、剥離式を含む昇華デフロスト方法を有効に活用できる。
この方法によれば、デフロスト時に冷媒流路Frに加熱媒体を循環させるだけで、霜層の根本部を優先的に加熱昇温できる。従って、新たな設備を付設する必要がなく霜層の付着面の加熱が可能になり、剥離式を含む昇華デフロストが可能になると共に、コスト高とならない。
これによって、根本側領域Irから先端側領域Itにかけて形成される温度勾配を容易に形成できるため、根本側領域Irを優先して剥離でき、剥離式昇華デフロストが可能になる。
この実施形態によれば、プレート12に対する霜層の付着面積をゼロとする前に、即ち、霜層全体の昇華を待つことなく、例えば、掻き取り、振動、重力、電磁気力、何らかの物理的力を霜層に与えることで、霜層を剥離できる。これによって、昇華に要する熱量を節減できると共に、デフロスト時間を短縮でき、除霜効率を向上できる。
12 プレート
14 入口ヘッダ
16 出口ヘッダ
18 送風機
20 第1プレート層
22 第2プレート層
24 第3プレート層
26 スペーサ
28 ヒータ
30 冷凍システム
32 冷凍庫
34 二次冷媒回路(冷媒循環路)
36 ケーシング
40 冷凍機
42 一次冷媒回路
44 液化器
46 圧縮機
48 凝縮器
50、54 受液器
56 液ポンプ
58 二次冷媒循環路
60 冷却塔
62 冷却水回路
66、74 熱交換器
67 ブライン回路
68 レシーバ
69 ブラインポンプ
70a、70b、71 電磁開閉弁
72 デフロスト回路
73、80 圧力調整弁
76 圧力調整部
78 圧力センサ
82、94 制御部
84 温度調整部
86、88 温度センサ
90 バイパス路
92 三方弁
96 仕切り部
98a、98b、98c 冷媒供給管
100a、100b、100c 冷媒排出管
102a、102b、102c、104a、104b、104c 開閉弁
Fr 冷媒流路
I 霜層
Ir 根本側領域
It 先端側領域
Sa 空気流通過空間
a 空気流
r 二次冷媒
Claims (14)
- 内部に冷媒流路が形成され、空気流が通過するための空気流通過空間を隔てて互いに並列に配置された複数のプレートと、
前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々に冷媒を供給する入口ヘッダと、
前記複数のプレートに形成された前記冷媒流路の各々に連通し、前記冷媒流路の各々から前記冷媒が排出される出口ヘッダと、
を備え、
前記複数のプレートの各々がフィンを介さずに前記空気流通過空間を挟んで直接対向配置されていることを特徴とするエアクーラ。 - 前記複数のプレートの各々は、前記冷媒流路を形成する空間を有する少なくとも1枚のプレート層を含む複数のプレート層を備えることを特徴とする請求項1に記載のエアクーラ。
- 前記複数のプレート層は、
第1プレート層と、前記第1プレート層の両側に積層された第2プレート層及び第3プレート層と、を含み、
前記第1プレート層に前記第1プレート層の表裏両面に貫通する貫通孔が形成され、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層によって前記貫通孔の両端開口が塞がれて前記冷媒流路を形成することを特徴とする請求項2に記載のエアクーラ。 - 前記第1プレート層は前記第2プレート層及び前記第3プレート層と異なる材料で構成され、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は同一の材料で構成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアクーラ。 - 前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分として銅と異なる材料を含むことを特徴とする請求項4に記載のエアクーラ。 - 前記第1プレート層は主成分として銅を含み、
前記第2プレート層及び前記第3プレート層は主成分としてステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項5に記載のエアクーラ。 - 前記複数のプレート間に介装され、前記複数のプレート間の前記間隔を規定するためのスペーサを備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のエアクーラ。
- 前記複数のプレート間に形成される前記空間に空気流を形成するための送風機を備え、
前記入口ヘッダ及び前記出口ヘッダは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の上流側部位に配置され、
前記スペーサは、前記複数のプレートにおいて前記空気流の下流側部位に配置されることを特徴とする請求項7に記載のエアクーラ。 - 前記スペーサの内部にヒータを備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のエアクーラ。
- 前記冷媒流路の横断面の直径が2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のエアクーラ。
- 非冷却物が保管される冷凍庫と、
前記冷凍庫に設けられた請求項1乃至10の何れか一項に記載のエアクーラと、
前記冷媒流路に冷媒を循環させる冷媒循環路と、
を備えることを特徴とする冷凍システム。 - デフロスト時に前記冷媒流路に霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を供給する供給路を備えることを特徴とする請求項11に記載の冷凍システム。
- 請求項1乃至10の何れか一項に記載のエアクーラの除霜方法であって、
前記複数のプレートの表面を該表面に付着する霜層の融点未満の温度で前記霜層に対して該表面側に存在する熱源で加熱昇温させる加熱昇温ステップを備えることを特徴とするエアクーラの除霜方法。 - 前記加熱昇温ステップにおいて、
前記冷媒流路に前記エアクーラに付着する霜層の融解温度未満の温度を有する加熱媒体を循環させることを特徴とする請求項13に記載のエアクーラの除霜方法。
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