JP6869767B2 - 金属めっき液の再生方法、金属めっきに用いる水洗水の再生方法、めっき装置及び金属めっき用再生材 - Google Patents

金属めっき液の再生方法、金属めっきに用いる水洗水の再生方法、めっき装置及び金属めっき用再生材 Download PDF

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Description

本発明は、金属めっき液の再生方法、金属めっきに用いる水洗水の再生方法、めっき装置及び金属めっき用再生材に関する。
金属めっきにおいてめっき液、例えば、硫酸銅めっき浴などは、電解や時間の経過により、めっき液中の有機添加剤などの有機成分の分解又は劣化がすすみ、有機不純物がめっき液中に蓄積する傾向にある。この有機不純物が、めっきにより得られるめっき被膜の硬さや延展性等の物性やめっきの析出状態に悪影響を与え、その結果、めっき被膜の破断や異常析出の問題を引き起こしていた。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、不良めっき浴から有機物の全量を芳香族アミンをベースとする樹脂で吸着させて除去し、次いで新鮮な有機添加剤を所定量めっき浴に添加する方法が記載されている。特許文献2には、めっき液に有機溶剤を添加し、めっき液中の有機物を有機溶剤にて抽出除去する方法が記載されている。特許文献1及び2に記載の方法の場合、めっき液を交換するため、生産性の低下、コストの上昇、多量の廃棄物による環境への影響などが懸念されている。
また、めっき液を交換せず、めっき液から劣化、分解した有機不純物を除去して使用を継続する対策も採られてきた。例えば、特許文献3及び4には、めっき浴に酸化剤を添加して有機化合物を分解させることが提案されている。特許文献5には、酸化剤を用いた大掛りな装置での廃めっき液の再生方法が提案されている。特許文献6には、有機添加剤が分解又は変性して生成した分解/変性有機生成物を非電解酸化作用によって酸化分解させる処理を施すことが提案されている。特許文献7には、回転可能なバレル装置及び球状吸着剤を使用した方法が提案されている。特許文献8及び9には、めっき再生装置を用いた方法が提案されている。特許文献3及び4に記載の方法では、酸化剤が完全に無くならない状態でめっき作業に入ってしまう場合や分解途中の成分が残った場合めっきへの影響が懸念される。特許文献5〜9に記載の方法では、めっき液から劣化、分解した有機不純物を除去するために、新たな設備導入が必要となるという問題があった。
その他の対策として、めっき液を交換せず、めっき液から劣化、分解した有機不純物を除去して使用を継続する対策として、活性炭によって有機不純物を吸着除去する活性炭処理法が用いられている。
一方、金属めっきにおいて、めっき前の水洗は、めっき対象品を清浄にするために行われる。また、めっき後の水洗は、付着しためっき液及び有機不純物を取り除いて清浄にするために行われる。洗浄された中間製品は、次工程に送るためにそのたびに乾燥される。通常2〜3槽の水洗槽に順に入れて洗浄される。その際、供給される水量は一般的に5〜10L/minであり、第3槽に供給され、第3槽から第2槽、第2槽から第1槽に順に送られ、余剰水は第1槽から排水される。水洗槽にはめっき液の持ち込みや水洗水の原水に含まれる有機不純物が一定量含まれる。この有機不純物が乾燥後に基板表面に変色(腐食、酸化)の形で現れ、次の処理(画像工程の前処理ソフトエッチング等)の反応遅れによる不均一化が起こりフィルムのラミネート処理の密着不良が発生する場合がある。
めっき液の持ち込みによる水洗水中の有機不純物濃度は供給水量を増やすことで低下させられるが、水洗中の有機不純物の排出量を抑える必要がある。
水洗槽の有機不純物濃度は、純水使用や活性炭を通すことにより低下することができるが、設備費用や交換するフィルター費用などに経費が掛かる。
特開昭52−62136号公報 特開平4−272200号公報 特許第4224552号 特許第4753197号 特表2003−535223号 特許第4957906号 特開2003−24933号 特許第3568460号 特許第3568461号
活性炭処理は、生産ラインを休止して行うため、生産装置の稼働率が低くなり、加工単価が上がるという問題がある。また、活性炭は有機不純物に加えて、めっき処理に必要な有機添加剤も同時に吸着するため、活性炭処理後に、めっき液に多量の有機添加剤を追加する必要があるが、有機添加剤は高価なため、コストが高くなるという問題がある。
本発明は、前記問題を解決するため、めっき処理に悪影響を及ぼすことがなく、めっき処理を行いながら、安価かつ簡便にめっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を再生することができる金属めっき液の再生方法、金属めっきに用いる水洗水の再生方法、めっき装置及び金属めっき用再生材を提供する。
本発明は、一つの実施形態において、金属めっき液をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物と接触させて金属めっき液から有機不純物を除去することを特徴とする金属めっき液の再生方法に関する。
前記金属めっき液の再生方法において、前記ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、金属めっき液を収容するめっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽及びめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つに配置されていてもよい。また、前記オーバーフロー槽及び/又は前記有機不純物除去用容器において、ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物との接触により有機不純物が除去された金属めっき液をめっき槽に戻すことが好ましい。
本発明は、一つの実施形態において、金属めっきに用いる水洗水をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物と接触させて金属めっきに用いる水洗水から有機不純物を除去することを特徴とする金属めっきに用いる水洗水の再生方法に関する。
前記金属めっきに用いる水洗水の再生方法において、ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、水洗水を収容する水洗槽及び/又は水洗水に含まれる異物を除去するために設置された循環経路の少なくとも一部に配置されていてもよい。
本発明は、一つの実施形態において、金属めっきに用いるめっき装置であって、前記めっき装置は、金属めっき液を収容するめっき槽と、めっき液から固形物を除去する異物除去手段と、めっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽及び/又はめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器とを備え、前記オーバーフロー槽及び前記有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つには、ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物が配置されていることを特徴とするめっき装置に関する。
前記めっき装置は、一の実施形態において、前記オーバーフロー槽及び/又は前記有機不純物除去用容器に配置されているポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物との接触により有機不純物が除去された金属めっき液をめっき槽に戻す返送手段を有することが好ましい。
前記金属めっきに用いるめっき装置は、さらに、水洗水を収容する水洗槽と、水洗水に含まれる異物を除去するために設置された循環経路を含んでもよい。
本発明は、一つの実施形態において、金属めっきに用いる金属めっき用再生材であって、前記金属めっき用再生材は、ポリオレフィン繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物で構成されており、金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を前記ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物と接触させて有機不純物を除去することにより金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を再生することを特徴とする金属めっき用再生材に関する。
前記ポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上含むことが好ましい。前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物の見かけ比重は、0.03g/cm3以上0.3g/cm3未満であることが好ましい。前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、油剤の付着量が0.1質量%以下であることが好ましい。
本発明は、めっき処理に悪影響を及ぼすことがなく、めっき処理を行いながら、安価かつ簡便にめっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を再生することができる金属めっき液の再生方法、金属めっきに用いる水洗水の再生方法、めっき装置及び金属めっき用再生材を提供する。本発明の金属めっき用再生材又は金属めっき液の再生方法を活性炭処理法と併用することにより、めっき液の活性炭処理や廃棄の頻度を下げることができ、ひいては生産装置の稼働率を向上させ、コストを低減できる。また、活性炭は有機不純物に加えて有機添加剤も吸着するが、本発明の金属めっき用再生材又は金属めっき液の再生方法を併用することによりめっき液の活性炭処理の頻度を少なくし、有機添加剤濃度の急激な変化を防止することができる。
図1は本発明の一実施形態のめっき装置の概略説明図である。 図2は本発明の一実施形態のめっき装置の概略説明図である。 図3はめっき液中の有機不純物濃度の経時変化を示すグラフである。
本発明の発明者らは、金属めっき液や金属めっきに用いる水洗水を再生することについて鋭意検討したところ、金属めっき用再生材としてポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物を用い、金属めっき液や金属めっきに用いる水洗水をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物と接触させることで金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を再生し得ることを見出し、本発明に至った。具体的には、ポリオレフィン系繊維が金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水中の有機不純物を吸着しやすい性質を有することを見出し、金属めっき液や金属めっきに用いる水洗水をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物と接触させて、金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水から有機不純物を除去し、金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を再生するのに至った。なお、ポリオレフィン系繊維は、有機添加剤に対する吸着性が活性炭処理によるものより程度としては低いが、有機添加剤濃度の急激な変化を起こさない。
本発明において、金属めっきにおける金属としては、銅、ニッケル、金、銀等の金属を含む。
本発明において、金属めっき再生材はポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物で構成される。ポリオレフィン系繊維を構成するポリオレフィンは、特に限定されず、例えば、炭素数2〜20程度のα−オレフィンの単独重合体、2つ以上の炭素数2〜20程度のα−オレフィンからなる共重合体、炭素数2〜20程度のα−オレフィンと酢酸ビニルの共重合体、炭素数2〜20程度のα−オレフィンと(メタ)アクリル酸の共重合体、炭素数2〜20程度のα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体などを用いることができる。前記炭素数2〜20程度のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどが挙げられる。中でも、ポリオレフィンは、ポリプロピレンであることが好ましい。ポリプロピレンを用いると、安価に有機不純物除去効果の大きいポリオレフィン系繊維を得ることができる。前記ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンと他の炭素数2〜20程度のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸及びアクリル酸を意味する。
前記ポリオレフィン系繊維は、単一成分の繊維であってもよく、二種以上の成分を含む複合繊維であってもよい。前記ポリオレフィン系繊維は、低融点成分と高融点成分を含み、低融点成分が繊維表面の少なくとも一部を占める複合繊維であってもよい。前記ポリオレフィン系繊維は、芯成分が高融点成分であり、鞘成分が低融点成分である芯鞘型複合繊維であってもよく、芯成分がポリプロピレンであり、鞘成分がポリエチレンである芯鞘型複合繊維であってもよい。前記ポリオレフィン系繊維が芯鞘型複合繊維である場合、芯/鞘複合比(容積比)は、9/1〜4/6であることが好ましく、より好ましくは8/2〜5/5であり、さらに好ましくは7/3〜6/4である。
前記ポリオレフィン系繊維の繊度は、特に限定されないが、例えば、単糸繊度が0.1dtex以上50dtex以下であることが好ましい。0.1dtex以下の繊維はめっき液の通りが悪くなる恐れがあり、50dtex以上であると重量に対する表面積が小さくなり、有機不純物を除去する性能が低下する恐れがある。より好ましくは、0.5dtex以上24dtex以下であり、0.9dtex以上10dtex以下であることがさらに好ましい。
前記ポリオレフィン系繊維の繊維長は、特に限定されないが、例えば、取扱い性の観点から、繊維長が5mm以上102mm以下であることが好ましい。より好ましくは、繊維長が、38mm以上76mm以下であり、38mm以上64mm以下であることがさらに好ましい。
前記ポリオレフィン系繊維としては、公知の製造方法で製造したものを用いてもよく、市販のものを用いてもよい。前記ポリオレフィン系繊維は、洗浄処理されていることが好ましい。洗浄処理により油剤(繊維処理剤とも称される)を落とすことで、ポリオレフィン系繊維の有機不純物の除去性能が高まる。洗浄処理の方法は、特に限定されないが、例えば、陰イオン界面活性剤を用いて行うことができる。具体的には、以下のように行うことができる。まず、ポリオレフィン系繊維を5分間水洗した後、陰イオン界面活性剤(一方社油脂工業製、品名「トライポンBX−11」)1g/Lの溶液中に浸漬し、70℃で10分間処理する。その後、70℃以上の熱水で湯洗、水洗を経て、乾燥するとよい。ポリオレフィン系繊維における油剤の付着量は1.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。本発明において、「繊維における油剤の付着量」は、後述するとおりに測定算出したものである。
前記ポリオレフィン系繊維は、原綿のままで用いてもよく、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上含む繊維構造物(以下において、単に「繊維構造物」とも記す。)として用いてもよい。前記繊維構造物は、ポリオレフィン系繊維100質量%からなる繊維構造物であってもよく、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上と他の繊維を50質量%以下含む繊維構造物であってもよい。前記繊維構造物は、好ましくはポリオレフィン系繊維を60質量%以上、他の繊維を40質量%以下含み、より好ましくはポリオレフィン系繊維を70質量%以上、他の繊維を30質量%以下含む。他の繊維としては、例えば、耐薬品性の観点からアクリル系繊維やポリエステル繊維などを用いることができる。他の繊維は、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記繊維構造物としては、糸、織物、編物、不織布を用いることができる。また、前記繊維構造物としては、糸又は不織布を用いたカートリッジフィルターなどを用いてもよい。
前記ポリオレフィン系繊維と他の繊維を併用する場合は、例えば下記の方法を採用できる。
(1)混紡:混紡は、綿段階において2種以上の繊維を混合する場合である。例えば混打綿、カード、練条、スライバーなどでの混合である。紡績糸、不織布の主に均一混合の場合に使用される。
(2)合糸:合糸は2種以上の糸を撚り合わせる。例えば双糸の場合、ポリオレフィン系繊維糸と他の繊維糸とを撚り合せる。紡績糸同士、紡績糸とフィラメント糸、フィラメント糸同士の撚り合わせに使用される。
(3)混繊:混繊は、フィラメント糸同士の単繊維を混合する。
(4)交織:交織は、織物を構成する糸を複数種類使用して織物にする。例えば、経糸と緯糸を別な種類の糸にするとか、経糸、緯糸をそれぞれ複数種使用することもできる。
(5)交編:交編は編物を製造する際に複数種類の糸を使用する。
(6)不織布製造において、ニードルパンチ又は水流交絡によって、積層した複数種類の繊維層を混合する。
前記繊維構造物が紡績糸の場合は、リング法、オープンエンド法、結束法、交互撚糸法、ラッピング法、渦流法又は無撚法等いずれの方法でも製造できる。この場合の好ましい番手は英式綿番手で5〜100Sの範囲である。単糸使いでも複数本撚り合わせて使用してもよい。前記紡績糸は、ポリオレフィン系繊維を60質量%以上含むことが好ましく、より好ましくはポリオレフィン系繊維を70質量%以上含む。ポリオレフィン系繊維100質量%からなることが特に好ましい。紡績糸において、他の繊維としては、前記のとおり耐薬品性の観点から選択でき、好ましくは40質量%以下の範囲で含み、より好ましく30質量%以下の範囲で含んでもよい。紡績糸は、紡毛糸であってもよく、梳毛糸であってもよい。
前記繊維構造物が編物の場合、組織や目付等は特に限定されるものではなく、平編、ゴム編又は両面編等いずれであってもよい。また、前記繊維構造物が織物の場合も、組織や目付等は特に限定されるものではない。
前記ポリオレフィン系繊維又は繊維構造物は、特に限定されないが、例えば、見かけ比重が0.03g/cm3以上0.3g/cm3未満であることが好ましい。0.03g/cm3未満の場合は必要量に対して容積が大きくなり経済性が劣る恐れがある。0.3g/cm3以上であると通液性が悪くなり処理量が不足する恐れがある。より好ましくは0.04g/cm3以上0.2g/cm3以下であり、0.04g/cm3以上0.12g/cm3以下であることがさらに好ましい。本発明において、見かけ比重は、20±5℃、相対湿度60%の条件下、内径16cm、高さ16cmの円筒容器に対象物を入れて質量を測定した後、下記式で算出したものである。
見かけ比重(g/cm3)=対象物の質量(g)/円筒容器の体積(cm3
前記ポリオレフィン系繊維又は繊維構造物は、均一ではなく見かけ比重が異なる部分を有することが望ましい。例えば見かけ比重が0.06g/cm3以上0.6g/cm3以下の高密度な部分と見かけ比重が0.05g/cm3以下の低密度な部分を有することが好ましい。
前記ポリオレフィン系繊維としては、ステープルファイバーを使用することが好ましい。通常、ステープルファイバーには油剤が付与されているが、付与している油剤を上述したとおりに洗浄して、繊維における油剤の付着量を1.0質量%以下に低減させることが好ましく、0.3質量%以下に低減させることがより好ましく、0.1質量%以下に低減させることがさらに好ましい。紡毛糸等の繊維構造物も、油剤の付着量が1.0質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。理由は不明であるもののめっき液に溶出しない範囲で繊維表面に少量の油剤が存在すると有機不純物吸着性能が良くなる。
本発明において、ポリオレフィン系繊維又は繊維構造物における油剤の付着量は、東海計器(株)製R−II型迅速残脂抽出装置を用い、迅速抽出法により測定する。まず、対象物が繊維の場合は、繊維4gをカード機にかけてウェブとし、得られたウェブの質量を測定し、質量を測定したウェブを試料とする。また、対象物が紡毛糸等の繊維構造物の場合は、繊維構造物4gを計り試料とする。試料の質量をWfとする。試料を金属製の筒(内径16mm、長さ130mm、底部はすり鉢状で最底部には1mmの孔があるもの)に充填した後、上部よりメタノール10mlを投入する。底部の孔より滴下する、試料に付着していた油剤が溶解したメタノールを、アルミニウム皿(質量:Wtray)を加熱しながら受け、メタノールを蒸発させる。アルミニウム皿の質量(Wtray)は、乾燥機でアルミニウム皿を充分に乾燥させてから、メタノールを受ける前に測定する。メタノールが完全に蒸発した後、油剤が残留しているアルミニウム皿の質量(Wfat)を測定する。上記の測定の後、繊維又は繊維構造物における油剤の付着量を、次の式から算出する。
油剤の付着量(質量%)=[(Wfat−Wtray)/Wf]×100
例えば、硫酸銅めっきで使用される有機添加剤(有機系の添加剤とも称される。)は大きく分けて3種類あり、一般的にP成分、S成分、J成分と呼ばれている。P成分としてはPEG(ポリエチレングリコール、分子量2,000程度)、PEGNPE(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、重量平均分子量Mw3,300程度)などが用いられる。S成分としては2−メチルカプトベンゾチアゾールSプロパンスルホン酸(分子量288)、SPS(3,3'-ジチオビス(1-プロパンスルホン酸)2ナトリウム)などが用いられる。J成分としてはJGB(ヤーナスグリーンB、分子量511)などが用いられる。
その他の金属めっきにおいても有機添加剤が使われ、例えば、ニッケルめっきではサッカリン、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチンジオール、プロパルギルアルコール及びクマリンなどが用いられ、ピロリン酸銅めっきではジーメルカプトチアジアゾールモノマー及びダイマーなどが用いられる。また、酸性錫めっきではクレゾールスルホン酸、β―ナフトール、ジヒドロキシジフェニルスルホン、エトキシル化α―ナフトールスルホン酸及びメトキシベンズアルデヒドなどが用いられる。
前記P成分及びJ成分は凸部の表面に被膜を形成しめっきの抑制剤として働き、S成分は凹部に入り込み、濃度が凹部以外の部分に比べ高くなり穴埋めを進める促進剤として働く。また、凹部が小さい場合にはP成分は分子量が大きいため凹部に入り込めず抑制効果が低くなり、その結果S成分との相乗効果で他の部分に比べめっき析出が進む。
前記P成分であるPEGの劣化による低分子化が報告されている(「銅めっき被膜に及ぼすポリエチレングリコールの予備電解時間の影響」、京都市産業技術研究所、研究報告 No.4(2014)、57〜63頁)。前記S成分についてもSPSが条件によってはS―S結合が切断される場合があると報告されている(「めっき添加剤の作用機構と表面形状制御」、大阪府立産業技術総合研究所報告 No.5,2011,13〜21頁)。
有機添加剤は添加剤メーカーがあらかじめ調合した製品を使用する事がほとんどである。
金属めっきにおいて、有機添加剤由来以外の有機不純物としてはプリント配線板からの溶け出しが考えられ、当該溶け出しはパターンめっきのフォトレジストがある。
金属めっき液(以下において、単に「めっき液」とも記す。)をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物に接触させ、ポリオレフィン系繊維がめっき液中の有機不純物を吸着して除去することで、めっき液の再生を図ることができる。金属めっき液をポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触させる方法は、特に限定されない。例えば、金属めっき液を収容するめっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽及びめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つにポリオレフィン系繊維又は繊維構造物を配置し、めっき液をポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触させてもよい。ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物と接触させて有機不純物が除去しためっき液は、めっき液中に戻される。
有機不純物除去用容器としては、金属めっきラインに用いることができる容器であれば特に限定されない。例えば、カラム、ハウジングなどを用いることができる。カラムとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの材質のものを用いることができる。ハウジングとしては、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの材質のものを用いることができる。
金属めっきに用いる水洗水(以下において、単に「水洗水」とも記す。)をポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触させ、ポリオレフィン系繊維が水洗水中の有機不純物を吸着して除去することで、水洗水の再生を図ることができる。水洗水の再生により、水洗水に含まれる有機不純物を低下させてめっき後の基板等の製品における変色(腐食、酸化)などの発生を低減させることができる。水洗水をポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触させる方法は、特に限定されない。例えば、水洗水を収容する水洗槽及び/又は水洗水に含まれる異物を除去するために設置された循環経路の少なくとも一部にポリオレフィン系繊維又は繊維構造物を配置し、水洗水をポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触させてもよい。ポリオレフィン系繊維又は繊維構造物を配置する水洗水に含まれる異物を除去するために設置された循環経路としては、例えば、貯留タンク(循環経路の水洗槽)が挙げられる。貯留タンク中の水洗水は再生された後、水洗水を収容する水洗槽に戻される。
多層基板を製造するためにはZ軸の接続(導通)が不可欠である。Z軸の接続にはスルービア、ブラインドビア、フィルドビア及びスタックビアなどの接続が用いられる。絶縁物に穴を開けた表面にめっきを行う必要があるが、電気めっきでは絶縁物表面での析出は不可能なので無電解めっきにより薄いめっき層を作り、電気めっきによりめっき厚を厚くする方法が用いられる。
無電解めっきは、通常、クリーナーコンディショナー、水洗、酸洗、水洗、マイクロエッチ、水洗、酸洗、水洗、プレディップ、カタリスト、水洗、アクセラレーター、水洗、無電解めっき、水洗、乾燥の順で行われる。
電気めっきは、通常、脱脂、水洗、酸洗、電気めっき、ドラッグアウト、水洗、防錆、乾燥の順で行われる。
回路パターンを作成するためにめっきの前後どちらかにレジストによるパターン形成の工程が必要である。パターン形成の工程は、通常、感光剤を貼りつけ又は塗工、フォトツールの貼りつけ、露光、現像の順で行われる。めっき後にパターン形成を行うプリントエッチ法では、その後エッチング、エッチングレジストの剥離、水洗、乾燥が行われる。めっき前に、パターン形成を行うメタルレジスト法では、その後、水洗、乾燥、レジスト金属をめっき、水洗、めっきレジスト剥離、エッチング、エッチングレジスト金属の剥離、水洗、乾燥が行われる。
回路パターン形成後にHASL(溶融はんだ浸漬)を行うために実施されるソルダーレジスト(はんだが不要な部分にレジストで表面を覆う)工程は、通常、感光剤を貼りつけ又は塗工、フォトツールの貼りつけ、露光、現像、水洗、エッチング、水洗、エッチングレジストの剥離、水洗、乾燥の順で行われる。
露出した銅の表面を保護するプリフラックス(露出した銅の表面を保護する)工程は、通常、ソフトエッチング、水洗、酸洗、水洗、キレート剤浸漬、水洗、乾燥の順で行われる。
前記ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物は網目状の収納袋に充填されていることが好ましい。収納袋の材質は、例えば、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いることができる。網目の大きさは、めっき液の通過を妨げることなく、繊維の流出しない大きさが好ましい。
金属めっき液と接触させるポリオレフィン系繊維の使用量は、金属めっき液中の有機不純物を除去できればよく、特に限定されない。例えば、金属めっき液を収容するめっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽及びめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つにポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を配置する場合、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物の使用量は、金属めっき液の容量に対して0.05g/L〜1.0g/Lであることが好ましく、0.15g/L〜0.6g/Lであることがより好ましい。金属めっき液の容量に対するオレフィン系繊維又は繊維構造物の質量が前記の範囲内であると、めっき液中の有機不純物の除去効果が高いうえ、コストをより低減することができる。
水洗水と接触させるポリオレフィン系繊維の使用量は、水洗水中の有機不純物を除去できればよく、特に限定されない。例えば、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物の使用量は、水洗水の容量に対して0.05g/L〜4.0g/Lであることが好ましく、0.2g/L〜2.0g/Lであることがより好ましい。水洗水の容量に対するオレフィン系繊維又は繊維構造物の質量が前記の範囲内であると、水洗水中の有機不純物の除去効果が高いうえ、コストをより低減することができる。
金属めっきに用いるめっき装置において、上述したポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を用いた金属めっき液の再生方法を用いることで、めっき液を再生することができる。
例えば、金属めっき液を収容するめっき槽と、めっき液から固形物を除去する異物除去手段と、めっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽及び/又はめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器を備えるめっき装置において、前記オーバーフロー槽及び前記有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つに、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を配置する。前記オーバーフロー槽及び前記有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つにおいて、めっき液がポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触することによりめっき液中の有機不純物が除去される。また、オーバーフロー槽及び/又は有機不純物除去用容器にて有機不純物が除去されためっき液は、めっき液中に戻され、めっき液の再生が図られる。
金属めっきに用いるめっき装置において、上述したポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を用いた水洗水の再生方法を用いることで、水洗水を再生することができる。
例えば、水洗水を収容する水洗槽と、水洗水に含まれる固形異物を除去するために設置された循環経路を備えるめっき装置において、水洗水を収容する水洗槽及び/又は水洗水に含まれる固形異物を除去するために設置された循環経路の少なくとも一部にポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を配置する。前記水洗水を収容する水洗槽と水洗水に含まれる固形異物を除去するために設置された循環経路の少なくとも一部において、水洗水がポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触することにより水洗水中の有機不純物が除去される。また、水洗水に含まれる固形異物を除去するために設置された循環経路の少なくとも一部、例えば貯留タンクにて有機不純物が除去された水洗水は、水洗水を収容する水洗槽中に戻され、水洗水の再生が図られる。
簡便なめっき装置として、金属めっき液を収容するめっき槽と、めっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽と、めっき液から固形物を除去する異物除去手段を備えた装置が挙げられる。前記オーバーフロー槽にポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を配置し、めっき液をポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に接触させることにより、めっき液中の有機不純物がポリオレフィン系繊維に吸着されて除去される。また、オーバーフロー槽にて有機不純物が除去されためっき液は、異物除去手段にて固形物が除去された後、ポンプなどの返送手段によりめっき液中に戻され、めっき液の再生が図られる。オーバーフロー槽に配置されるポリオレフィン系繊維は、当該繊維の形態のままでもよいし、前述の繊維構造物の形態であってもよい。ハンドリング性及びコストの観点から、繊維構造物としては、紡毛糸を用いることが好ましい。ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物は、網目状の収納袋に充填したうえで配置することが好ましい。収納袋を用いると交換が容易となり、メンテナンスの手間が省力化できるからである。
異物除去手段としては、通常、ろ過機が用いられる。一般的には、カートリッジフィルターを用いた濾過機が用いられている。カートリッジフィルターとしては、例えば、糸巻式、メルトブロー式、メンブラン濾紙などが挙げられる。
前記めっき装置は、金属めっき液を収容するめっき槽と、めっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器と、めっき液から固形物を除去する異物除去手段を備えた装置であってもよい。有機不純物除去用容器は、カラムであってもよく、ハウジングであってもよい。ハウジングは、バックフィルターやカートリッジフィルタータイプのものを使用することができる。ハウジングがバックフィルタータイプの場合、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物をフィルターに充填する。ハウジングがカートリッジフィルタータイプの場合、カートリッジフィルターの代わりにポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を充填する。ハウジングは1段であってもよく、2段以上であってもよい。例えば、ハウジングが2段の場合、一方のハウジングには、めっき液中の固形物を除去する異物除去用カートリッジフィルターを配置して異物除去用として用い、他方のハウジングには、めっき液中の有機不純物を除去するポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を充填して有機不純物除去用として用いることができる。当該装置は、めっき槽から金属めっき液をポンプなどの引出手段で強制的に引き出して、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物が充填された有機不純物除去用容器中に送りこみ、めっき液とポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物と接触させることにより、めっき液中の有機不純物がポリオレフィン系繊維に吸着されて除去される。この場合、めっき槽と2段以上のポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物が充填されたハウジングを並列に連結することにより、有機不純物除去効率をより向上させることができる。その後、有機不純物が除去されためっき液は、異物除去手段にて固形物が除去された後、ポンプなどの返送手段によりめっき液中に戻され、めっき液の再生が図られる。
前記有機不純物除去用容器は、異物除去手段用のラインに組み込んでもよい。この場合、ポンプや配管を共有することができ経済的である。また、異物除去手段の手前にポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物が配置された有機不純物除去用容器を組み込めば、脱落した繊維を異物除去手段が捕捉するため、めっき液への異物混入も防ぐことができる。
前記めっき装置は、さらに、水洗水を収容する水洗槽と水洗水に含まれる固形異物を除去するために設置された循環経路を備えてもよい。金属めっきにおいて、めっき前の水洗は、めっき対象品を清浄にするために行われる。また、めっき後の水洗は、付着しためっき液を取り除いて清浄にするために行われる。コストと水洗効率の観点から、水洗槽は、2〜3槽であることが好ましい。水洗水に含まれる固形異物を除去するために設置された循環経路は、例えば、貯留タンク(循環回路の水洗槽)、水洗槽から水洗水を貯留タンクへ流出させる流出手段、貯留タンクから水洗槽へ再生された水洗水を返送する返送手段等を含んでもよい。
以下、図面等を用いて本発明を詳細に説明する。しかし、本発明は、下記の図面で示したものに限定されない。
図1は、本発明の一実施形態のめっき装置の概略説明図である。該実施形態のめっき装置1は、めっき槽2、オーバーフロー槽3、異物除去手段6を備える。めっき槽2には、めっき液が収容される。オーバーフロー槽3にはめっき槽からオーバーフローしためっき液が収容される。オーバーフロー槽3には、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物4が配置されている。ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物4は、網目の収納袋5に充填されている。異物除去手段6は、カートリッジフィルター8を備えている。めっき槽2からオーバーフロー槽3にオーバーフローしためっき液は、オーバーフロー槽3に配置されているポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物4と接触することで、めっき液中の有機不純物がポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物に吸着されて除去される。オーバーフロー槽3における有機不純物が除去されためっき液は、異物除去手段6にて固形物が除去された後、返送手段7によりめっき槽2に戻される。返送手段7としては、ポンプなどが用いられる。ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物で有機不純物が除去されためっき液が異物除去手段6を通過することから、脱落したポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物がめっき槽に流出することが防止される。
図2は、本発明の他の一実施形態のめっき装置の概略説明図である。該実施形態のめっき装置10は、めっき槽11、有機不純物除去用容器12、異物除去手段15を備える。めっき槽11には、めっき液が収容される。有機不純物除去用容器12にはめっき槽から強制的に引き出されためっき液が収容される。有機不純物除去用容器12には、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物13が配置されている。ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物は収納袋に充填されていることが好ましい。有機不純物除去用容器12として、カラムやハウジングなどを用いる。ハウジングがバックフィルタータイプの場合、ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物がフィルターに充填される。ハウジングがカートリッジフィルタータイプの場合、カートリッジフィルターの代わりにポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物を充填する。異物除去手段15は、カートリッジフィルター16を備えている。また、めっき装置10は、めっき槽からめっき液を強制的に引き出す引出手段14を備える。引出手段14としては、ポンプなどが用いられる。めっき槽11から強制的に引き出されためっき液は、有機不純物除去用容器12に配置されているポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物13と接触することで、めっき液中の有機不純物がポリオレフィン系繊維に吸着されて除去される。有機不純物除去用容器12にて有機不純物が除去されためっき液は、異物除去手段15にて固形物が除去された後、めっき槽11に戻される。ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物によって有機不純物が除去されためっき液が異物除去手段15を通過することから、脱落したポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物がめっき槽に流出することが防止される。引出手段14は、有機不純物が除去された金属めっき液をめっき槽に戻す返送手段としても機能する。該実施形態では、有機不純物除去用容器であるハウジングが1段であるが、2段以上であってもよい。
金属めっき液は、一般に、めっきされるべき金属の金属イオンと、硫酸又はリン酸等の酸と、塩化物イオンとを含む。また、1種以上の有機添加剤を含有する。本発明の再生方法及び装置を用いると、めっき液中の有機添加剤の濃度に大きな変化を起こすことなく、有機添加剤が分解及び劣化して生成された有機不純物を除去することができる。また、めっき液中に持ち込まれた有機不純物、めっき液中に溶出した有機不純物を除去することが出来る。
なお、水洗水及びめっき液中の有機不純物には、原水に含まれる有機不純物と有機添加剤の分解によるものがあり、微生物、細菌、藻類由来の有機不純物が含まれる可能性がある。電気めっき以外にも、無電解めっき、プリフラックス工程やレジスト工程などでの水洗においても生物由来の有機不純物が発生する事が知られており、前記水洗水の再生方法を用いることで、水洗水の再生を図ることが可能である。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例では、硫酸銅めっき液の有機不純物の度合いを200〜500nmの吸光度の増減で確認し、有機不純物濃度としている。有機不純物の度合いで示す有機不純物濃度と、めっき物性、めっき抗張力及びめっき延性伸びは下記の表1の記載の通りの相関があった。目安としては有機不純物濃度が80を超えるとめっき物性などに悪影響が出ることが分かった。めっき物性、めっき抗張力及びめっき延性伸びは下記のとおりに測定評価した。同様に、水洗水中の有機不純物の度合いを200〜500nmの吸光度の増減で確認し、有機不純物濃度としている。有機不純物の度合いで示す有機不純物濃度と、変色発生頻度は下記の表2の記載の通りの相関があった。目安としては有機不純物濃度が7を超えると変色が発生し悪影響が出ることが分かった。変色は目視で検査した。発生頻度は製造した製品数と変色が発生した製品数から計算した。
Figure 0006869767
Figure 0006869767
(めっき物性)
めっき抗張力とめっき伸びの試験結果より「悪い」「やや悪い」「やや良い」「良い」の4段階にて判断した。
(めっき抗張力)
引張試験後の引張強さを断面積で除してめっき抗張力(N/mm2)とした。
(めっき伸び)
めっき膜の長さ方向の引張試験前後の長さから下記式により計算した。
めっき伸び(%)=(引張試験後の長さ−引張試験前の長さ)/引張試験前の長さ×100
(実施例1)
図2に示すめっき装置を用い、めっき液の再生を行った。硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸190g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々11mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行い、銅めっきを行った後の有機不純物濃度が65のめっき液の再生を行った。有機不純物除去用容器12としてハウジングを用いた。有機不純物除去用ハウジング12には、ポリプロピレン紡毛糸(ダイワボウプログレス社製の品名「35006−S」、油剤の付着量0.01質量%以下、使用量0.16g/L)を充填した。ポリプロピレン紡毛糸はポリプロピレンモノフィラメントを使用した60メッシュポリプロピレンメッシュ袋に収納された状態であった。異物除去用手段15として、カートリッジフィルター16(PP紡毛糸巻タイプ、ゼット工業社製、品名「ZW-PP(洗)」)を備えたハウジングに用いた。ハウジングとしては、日本フィルター社製の品名「EAGLE」(材質強化ポリプロピレン)を用いた。硫酸銅めっき液を19,000L/時間の流量で、有機不純物除去用ハウジング12には8時間/日、異物除去用手段15には24時間/日通して循環を行った。1週間ごとに硫酸銅めっき液の200〜500nmの吸光度の増減を確認し、有機不純物濃度が80を超えるまで28週間循環を実施した。この間は活性炭による有機不純物除去の必要はなく、異物除去目的のカートリッジフィルター16の交換も無かった。有機不純物除去用ハウジングに配置したポリプロピレン紡毛糸にて有機不純物を除去しなかった場合は、途中に活性炭による有機不純物処理が必要であり、活性炭による有機不純物処理した後のめっき液に追加する必要がある有機添加剤量を100とした場合に比べ、本実施例で有機不純物を除去した後のめっき液は追加した有機添加剤量は11mL/L添加分が0で、1mL/L添加分18であった。
(実施例2)
図2に示すめっき装置を用い、めっき液の再生を行った。硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸190g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々14mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行い、銅めっきを行った後の有機不純物濃度が30のめっき液の再生を行った。有機不純物除去用ハウジング12に、ポリプロピレンモノフィラメントを使用した60メッシュポリプロピレンメッシュ袋にポリプロピレン繊維(使用量0.14g/L)を充填した袋を詰めた以外は、実施例1と同様にしてめっき液の循環を行った。ポリプロピレン繊維として、ダイワボウプログレス社製の品名「PN1.7×45mm」のポリプロピレン繊維を洗浄処理して得られた、油剤の付着量が0.02質量%である洗浄品を用いた。洗浄処理は、繊維を5分間水洗した後、陰イオン界面活性剤(一方社油脂工業製、品名「トライポンBX−11」)1g/Lの溶液中にて、70℃で10分間処理し、70℃以上の熱水で湯洗、水洗を経て、乾燥することで行った。1週間ごとに硫酸銅めっき液の200〜500nmの吸光度の増減を確認し、有機不純物濃度が80を超える27週目まで循環を実施した。この間は活性炭による有機不純物除去の必要はなく、異物除去目的のカートリッジフィルター16の交換も無かった。有機不純物除去用ハウジングに配置したポリプロピレン繊維にて有機不純物を除去しなかった場合は、途中に活性炭による有機不純物処理が必要であり、活性炭による有機不純物処理した後のめっき液に追加する必要がある有機添加剤量を100とした場合に比べ、本実施例で有機不純物を除去した後のめっき液は追加した有機添加剤量は14mL/L添加分が0、1mL/L添加分が18であった。
(実施例3)
硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸200g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々12mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行い、銅めっきを行った後の有機不純物濃度が35のめっき液の再生を行った。図2に示す装置において、有機不純物除去用ハウジング12中にポリプロピレン紡毛糸(ダイワボウプログレス社製の品名「35006−S」、油剤の付着量0.01質量%以下、使用量0.35g/L)を充填した以外は、実施例1と同様にしてめっき液の循環を行った。1週間ごとに硫酸銅めっき液の200〜500nmの吸光度の増減を確認し、有機不純物濃度が80を超えるまで27週までに循環を実施した。この間は活性炭による有機不純物除去の必要はなく、異物除去目的のカートリッジフィルター交換も無かった。
(比較例1)
比較例1では、図2に示すめっき装置において、ポリプロピレン紡毛糸が配置されている有機不純物除去用容器を省いた。硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸190g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々11mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行った。銅めっきを行った後の硫酸銅めっき液において、有機不純物濃度は67であった。次に、銅めっきを行った後の硫酸銅めっき液を、カートリッジフィルター(PP紡毛糸巻タイプ、ゼット工業社製、品名「ZW-PP(洗)」)を配置したハウジングに、120,000L/時間の流量で、24時間/日通して循環を行った。1週間ごとに硫酸銅めっき液の200〜500nmの吸光度の増減を確認し、有機不純物濃度が80を超える12週目まで循環を実施した。
(比較例2)
比較例2では、図2に示すめっき装置において、ポリプロピレン紡毛糸が配置されている有機不純物除去用容器を省いた。硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸200g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々12mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行った。銅めっきを行った後の硫酸銅めっき液において、有機不純物濃度は59であった。次に、銅めっきを行った後の硫酸銅めっき液を、カートリッジフィルター(PP紡毛糸巻タイプ、ゼット工業社製、品名「ZW-PP(洗)」)を配置したハウジングに、42,000L/時間の流量で、24時間/日通して循環を行った。1週間ごとに硫酸銅めっき液の200〜500nmの吸光度の増減を確認し、有機不純物濃度が80を超える21週目まで循環を実施した。
(比較例3)
硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸200g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々13mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行い、銅めっきを行った後の硫酸銅めっき液において、有機不純物濃度は23であった。該銅めっきを行った後の硫酸銅めっき液を用いた以外は、比較例1と同様にしてめっき液の再生を行った。1週間ごとに硫酸銅めっき液の200〜500nmの吸光度の増減を確認し、有機不純物濃度が80を超えるまで25週までに循環を実施した。
(実施例4)
硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸200g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々14mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行い、銅めっきを行った後の有機不純物濃度が58のめっき液の再生を行った。有機不純物除去用ハウジング12にポリプロピレンモノフィラメントを使用した60メッシュポリプロピレンメッシュ袋にポリプロピレン繊維(使用量0.18g/L)を充填した袋を詰めた以外は、実施例2と同様にしてめっき液の循環を行った。充填した袋は8週間ごとに交換を行った。
(比較例4)
硫酸銅めっき液(銅20g/L、硫酸200g/L、有機添加剤は2種類使用し、各々14mL/L、1mL/L)にて銅めっきを行い、銅めっきを行った後の有機不純物濃度が58のめっき液の再生を行った。有機不純物除去用ハウジング12に活性炭(使用量1.80g/L)を充填した袋を詰めた以外は、実施例4と同様にしてめっき液の循環を行った。
(実施例5)
実施例4の硫酸銅めっき工程において、めっき前後の水洗水の循環回路にある貯留タンク(循環回路の水洗槽)内に、ポリプロピレンモノフィラメントを使用した60メッシュポリプロピレンメッシュ袋(20cm×30cm)にポリプロピレン繊維(使用量0.85g/L)を充填した袋を1個入れた。ポリプロピレン繊維として、ダイワボウプログレス社製の品名「PN1.7×45mm」のポリプロピレン繊維を洗浄して得られた、油剤の付着量が0.02質量%である洗浄品を用いた。給水は1分間に5リットル、循環は1分間に10リットル行った。めっきラインの水洗槽の水洗水の有機不純物濃度は2であった。
(比較例5)
実施例5の硫酸銅めっき工程において、めっき前後の水洗水の循環ラインにある貯留タンク内(循環ラインの水洗槽)に、ポリプロピレン繊維を使わない以外は実施例5と同様の条件で水洗を行った。
実施例1〜4及び比較例1〜3において、異物除去ハウジングに配置したカートリッジフィルターの素材、素材の使用量(めっき液の容積に対する質量)及び見かけ比重、有機不純物除去用ハウジングに配置したポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物の種類、使用量(めっき液の容積に対する質量)及び見かけ比重、並びに活性炭処理頻度を下記表2に示した。なお、見かけ比重は、上述した通りに測定算出した。
Figure 0006869767
実施例1〜4及び比較例1〜3において、再生を行う前のめっき液の有機不純物濃度の初期値、循環処理1週間あたりの有機不純物濃度の上昇率、及び有機不純物濃度が80を超えた週を下記表3に示した。また、循環期間中にカートリッジフィルターを交換した回数も下記表3に示した。
Figure 0006869767
上記表3及び表4の実施例1〜4及び比較例1〜3の結果から、ポリプロピレン繊維を用いた実施例では、有機不純物の濃度上昇が抑制されていることが分かった。実施例では、異物除去用フィルターとは別にめっき液をポリプロピレン繊維又は繊維構造物に接触させることで、めっき処理に悪影響を及ぼすことがなく、安価かつ簡便にめっき液から有機不純物を除去することができた。
実施例4及び比較例4において、めっき液中の有機添加剤の消費量を下記のように測定した。また、実施例4及び比較例4において、下記のようにポリプロピレン繊維又は活性炭による添加剤の消費量を下記のように算出した。その結果を下記表5に示した。
(有機添加剤濃度)
CVS分析装置(サイクリックボルタンメトリーストリッピング分析装置)を用い、めっき液中の有機添加剤濃度を測定した。
(ポリプロピレン繊維又は活性炭による添加剤の消費量)
補充した有機添加剤量からめっき処理で消費される有機添加剤の計算量を除してポリプロピレン又は活性炭による有機添加剤の消費量(mL/L)とした。
Figure 0006869767
上記表5の結果から分かるように、生産を止めて実施する活性炭による有機不純物除去処理を行った比較例4では、有機添加剤が処理前と処理後で有機添加剤14mL/L添加分では4.0ml/L消費され、1mL/L添加分では0.7mL/L消費された。一方、実施例4では、有機添加剤14mL/L添加分ではほとんど消費されなかった。1mL/L添加分では、1週間後に0.12mL/L、2週間後に0.06mL/L有機添加剤が消費されたが、比較例4に比べると格段に少なく、3週目以降は減少が見られなかった。
実施例4において、20週目まではポリプロピレン繊維による再生は行わず必要に応じて活性炭による有機不純物の除去を行った。20週目からポリプロピレン繊維による再生を実施した場合のめっき液中の有機不純物濃度の推移を図3に示した。図3から分かるように、ポリプロピレン繊維による再生を実施することにより、有機不純物濃度の上昇を抑える程度に除去できた。
実施例5及び比較例5において、めっき後の水洗水中の有機不純物濃度を上述したとおりに確認し、その結果を下記表6に示した。
Figure 0006869767
上記表6の結果から分かるように、比較例5では変動が大きく有機不純物の濃度が高いのに対し、実施例5では水洗中の有機不純物を除去して有機不純物濃度を下げていた。
1、10 めっき装置
2、11 めっき槽
3 オーバーフロー槽
4、13 ポリオレフィン系繊維及び/又は繊維構造物
5 収納袋
6、15 異物除去手段
7 返送手段
8、16 カートリッジフィルター
12 有機不純物除去用容器(ハウジング)
14 引出手段

Claims (20)

  1. 金属めっき液を異物除去手段と接触させて固形物を除去する工程、及び金属めっき液をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物(但し、繊維状活性炭を主成分とするシート状物を除く。)と接触させて金属めっき液から有機不純物を除去する工程を含み、
    前記繊維構造物は、糸、織物、編物、及び不織布からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする金属めっき液の再生方法。
  2. 前記ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、金属めっき液を収容するめっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽、及びめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つに配置されている請求項1に記載の金属めっき液の再生方法。
  3. 前記オーバーフロー槽及び/又は前記有機不純物除去用容器において、ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物との接触により有機不純物が除去された金属めっき液をめっき槽に戻す請求項2に記載の金属めっき液の再生方法。
  4. 前記ポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属めっき液の再生方法。
  5. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物の見かけ比重は、0.03g/cm3以上0.3g/cm3未満である請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属めっき液の再生方法。
  6. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、油剤の付着量が0.1質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属めっき液の再生方法。
  7. 金属めっきに用いる水洗水を異物除去手段と接触させて固形物を除去する工程、及び金属めっきに用いる水洗水をポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物(但し、繊維状活性炭を主成分とするシート状物を除く。)と接触させて金属めっきに用いる水洗水から有機不純物を除去する工程を含み、
    前記繊維構造物は、糸、織物、編物、及び不織布からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする水洗水の再生方法。
  8. 前記ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、水洗水を収容する水洗槽、及び/又は、水洗水に含まれる異物を除去するために設置された循環経路の少なくとも一部に配置されている請求項7に記載の水洗水の再生方法。
  9. 前記ポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上含む請求項7又は8に記載の水洗水の再生方法。
  10. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物の見かけ比重は、0.03g/cm3以上0.3g/cm3未満である請求項7〜9のいずれか1項に記載の水洗水の再生方法。
  11. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、油剤の付着量が0.1質量%以下である請求項7〜10のいずれか1項に記載の水洗水の再生方法。
  12. 金属めっきに用いるめっき装置であって、
    前記めっき装置は、金属めっき液を収容するめっき槽と、金属めっき液から固形物を除去する異物除去手段と、めっき槽からオーバーフローした金属めっき液を収容するオーバーフロー槽及び/又はめっき槽から強制的に引き出された金属めっき液を収容する有機不純物除去用容器とを備え、
    前記オーバーフロー槽及び前記有機不純物除去用容器からなる群から選ばれる少なくとも一つには、有機不純物を除去するポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物(但し、繊維状活性炭を主成分とするシート状物を除く。)が配置されており、
    前記繊維構造物は、糸、織物、編物、及び不織布からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とするめっき装置。
  13. 前記めっき装置は、前記オーバーフロー槽及び/又は前記有機不純物除去用容器に配置されているポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物との接触により有機不純物が除去された金属めっき液をめっき槽に戻す返送手段を有する請求項12に記載のめっき装置。
  14. 前記めっき装置は、さらに、水洗水を収容する水洗槽と、水洗水に含まれる異物を除去するために設置された循環経路を備えている請求項12又は13に記載のめっき装置。
  15. 前記ポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上含む請求項12〜14のいずれか1項に記載のめっき装置。
  16. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物の見かけ比重は、0.03g/cm3以上0.3g/cm3未満である請求項12〜15のいずれか1項に記載のめっき装置。
  17. 金属めっきに用いる金属めっき用再生材であって、
    前記金属めっき用再生材は、ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物で構成されており、
    金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を前記ポリオレフィン系繊維及び/又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物(但し、繊維状活性炭を主成分とするシート状物を除く。)と接触させて金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水から有機不純物を除去することで金属めっき液及び/又は金属めっきに用いる水洗水を再生しており、
    前記繊維構造物は、糸、織物、編物、及び不織布からなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする金属めっき用再生材。
  18. 前記ポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、ポリオレフィン系繊維を50質量%以上含む請求項17に記載の金属めっき用再生材。
  19. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物の見かけ比重は、0.03g/cm3以上0.3g/cm3未満である請求項17又は18に記載の金属めっき用再生材。
  20. 前記ポリオレフィン系繊維又はポリオレフィン系繊維を含む繊維構造物は、油剤の付着量が0.1質量%以下である請求項17〜19のいずれか1項に記載の金属めっき用再生材。
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