JP6867869B2 - 発泡性内容物用の吐出部材 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡性内容物が充填されたエアゾール容器に取り付けられる吐出部材に関し、特に洗顔に適した吐出部材に関する。
特許文献1には、スポンジ状の塗布部材を備えたエアゾール製品が開示されている。このエアゾール製品は、エアゾール容器から吐出された薬液が、比較的肉厚な発泡体からなる塗布部材に含浸されるように構成されており、薬液の飛散を抑制しつつ、患部に薬液を確実に塗布できるようになっている。
特許第5091429号
ところで特許文献1では、塗布部材を患部に押し当てて使用するが、その際、患部には塗布部材の硬さが直接肌に伝わるため、特に肌の薄い部分では必ずしも使い心地が良いとはいえなかった。なお、特許文献1の図1a等には、肌に直接触れる表面側に軟質材を用いることも開示されてはいるが、特許文献1はあくまで薬液の塗布を第一の目的とするものであるため、素材選定における使用感は二の次であり、心地良さを覚えるような使用感を得るには改良の余地がある。
本発明は、心地良さを覚えるような使用感に優れた吐出部材およびエアゾール製品の提供を目的とする。
本発明の発泡性内容物用の吐出部材10、10A、10Bは、エアゾールバルブ21に装着される本体部11、11Aと、本体部11、11Aに張られ、エアゾールバルブ21から供給される発泡性内容物の圧力を受けて膨出する膜状部12とを備えており、膜状部12は、伸長率が200〜500%であり、外部と連通する微細な通路を有している。なお、本願において『張る』には、弛み無く取り付けた状態の他、ある程度弛みを持たせて取り付けた状態が含まれる。すなわち、膜状部の内面方向に引張力が作用している状態の他、引張力が作用していない状態も含まれる。また、膜状部12の伸長率はJIS−K6251に基づき、膜状部12でダンベル状試験片(3号)を作製し、引張り試験装置を用いて試験片の両端を規定速度(500mm/分)で破断するまで引っ張り、破断時の伸び率を測定することにより求められる。
上記吐出部材10、10A、10Bでは、膜状部12が多孔質材であって、気孔径が30〜600μmであることが好ましい。
所定量の発泡性内容物を吐出する定量吐出機構15を備えていても良い。さらに、膜状部12の内面又は内部の一部に発泡性内容物の通過を阻害する阻害手段16を有していても良い。
本発明のエアゾール製品1、1A、1Bは、上記いずれかに記載の吐出部材10、10A、10Bと、吐出部材10、10A、10Bを装着したエアゾール容器20と、そのエアゾール容器20に充填された、吐出後に泡を形成する発泡性内容物とからなる。
本発明の吐出部材では、膜状部が特定の伸長率を有するため、エアゾール容器から吐出された発泡性内容物の圧力を受けて膨出する。そして膨出した膜状部の内側には、発泡性内容物が発泡してなる泡が充満するため、膜状部を肌に押し当てると泡の弾力を感じることができる。すなわち、膜状部を泡によって下支えしたような状態となっているため、泡からの適度な弾力を受けることとなり、心地良い使用感を得られるのである。また、膜状部が膨出して泡で満たされると、外部と連通する微細な通路が広がって(大きくなって)泡を通過させやすくなり、泡を膜状部の外側に吐出させることができ、泡を直接肌に触れさせることもできる。
膜状部が多孔質材であって、気孔径が30〜600μmであれば、膜状部内で発泡性内容物を発泡させて保持しやすく、膜状部内の泡の弾力が得られやすい。また、膨出限界(伸長限界)を超える前に泡を外部に吐出することができ、発泡性内容物を吐出しすぎても膜状部の破れを防止できる。
所定量の発泡性内容物を吐出する定量吐出機構を備えていれば、膜状部の膨らみ具合が一定となり、使い心地が安定する。また、膜状部の破れを抑制することができる。
膜状部の内面又は内部の一部に発泡性内容物の通過を阻害する阻害手段を有していれば、阻害手段を設けた部分での泡の吐出が制限されるため、膜状部から吐出された泡に模様を描いたり、泡の形を制御することができる。また、阻害手段を膜状部の表面に設けていないため、阻害手段に肌が直接触れることは無く、使用に際して違和感を覚え難い。
図1aは本発明の吐出部材の一実施形態をエアゾール容器に取り付けた状態を示す断面図、図1bは膜状部が泡により膨出している状態を示す断面図であり、図1cは膜状部から泡を吐出させた状態を示す断面図である。 図2aは定量吐出機構を備えた吐出部材をエアゾール容器に取り付けた状態を示す断面図、図2bは定量吐出機構を機能させた状態を示す断面図である。 図3aは膜状部に阻害手段を設けた吐出部材をエアゾール容器に取り付けた状態を示す断面図、図3bは内容物を膜状部の外部に吐出させた状態を示す断面図である。
本発明の吐出部材10は、発泡性内容物を充填したエアゾール容器20に装着して使用するものであって、図1aに示すように、エアゾール容器20のエアゾールバルブ21に装着される本体部11と、本体部11に張られる膜状部12と、膜状部12を本体部11に固定する固定部材13とを備えている。以下、各構成部材について詳細に説明する。
本体部11は、エアゾールバルブ21のステム21aに外嵌・装着するための円筒状の装着部11aと、装着部11aの上端から径外方向に延びる円板部11bと、円板部11bの外縁から下方に延びるスカート部11cとを備えている。装着部11a内の内部通路11dは円板部11bの上面で開口している。円板部11bの上面は内部通路11dが開口している他は、平滑な面である。スカート部11cには、本体部11に外嵌する固定部材13の下方への過度の入り込みを規制する段部11eが設けられている。
膜状部12は、連続気泡を有するスポンジ又は布(織布、不織布)など、柔軟性のある多孔質材からなり、微細な通路が全体に亘って多数設けられている。膜状部12の形状は、本体部11の円板部11bに合わせて円板状とされている。そして図1aに示すように、本体部11の円板部11bの上面に被さっている。膜状部12は外周のみが本体部11に対して固定されており、それよりも内周側は単に本体部11と重なり合っているだけである。すなわち、本体部11の円板部11bの上面に張られた状態である。また、膜状部12は伸縮性に富み、且つ通気性や通液性を有するものの、膨出が不充分な状態では微細な通路の流路抵抗が大きく、発泡済みの発泡性内容物(泡)はほとんど通過できない。そのため、エアゾール容器20から発泡性内容物を吐出させると、その圧力によって風船が膨らむようにして膨出し、本体部11の円板部11bとの間に、未発泡や発泡済みの発泡性内容物を一時的に貯留する貯留室Pが形成される(図1b参照)。この際、膜状部12は主に面内方向に伸びることになるが、これにより、微細な通路が広がって流路抵抗が小さくなる。具体的には、微細な通路を構成する内部の微細な気泡が互いに連通したり、気孔径が大きくなったり、繊維間の隙間同士が連通したり、隙間が拡がったりし、発泡済みの発泡性内容物(泡)を通過させやすくなるのである。なお、伸長率が所定の値を超えたとき、はじめて泡の通過を許容するように、微細な通路の大きさを定めていても良い。
膜状部12の材質としては、例えばポリウレタン、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの合成樹脂やゴム(ニトリルゴムなどの合成ゴム、天然ゴム)が想定される。但し、スポンジ状または布に加工した際に以下の(1)〜(5)のうち、少なくとも(1)を満たすものであれば、特に限定されない。
(1)伸長率が200〜500%、好ましくは300〜500%。
(2)気孔径が30〜600μm、好ましくは30〜300μm(非伸長時)。
(3)厚みが0.5〜5mm、好ましくは1〜3mm。なお複数枚を重ねて所定の厚みにしても良い。
(4)撥水性を有する。
(5)貯留室Pの圧力が一定以上(例えば貯留室P内の圧力が0.3MPa以上)となった段階で発泡性内容物(泡)を外部へと通過させるというもの、いわゆる加圧下通液性を備えるもの。
固定部材13は、円筒部13aと、円筒部13aの上端から内向きに延びる内向きフランジ部13bとを有している。この固定部材13は、本体部11の円板部11bの上面に膜状部12を載置した状態において、固定部材13の円筒部13aを、本体部11のスカート部11cに外嵌させることで、本体部11の円板部11bの上面と、固定部材13の内向きフランジ部13bの下面とで膜状部12の外周を挟み込み、膜状部12を本体部11に固定している。内向きフランジ部13bの内周側は円形に開口しており、膜状部12はこの開口から外部に面している。なお、本体部11への膜状部12の固定に際しては、接着剤等を用いても良い。この場合、固定部材13を省略しても良い。
エアゾール容器20は、アルミなどの金属や合成樹脂からなる有底筒状の容器本体にエアゾールバルブ21を取り付けたものであり、内部に、原液と液化ガスとからなる発泡性内容物が充填されている。なお、図1aにおいて14は、肩カバーである。エアゾールバルブ21の詳細については図示していないが、例えばステム21aと、ステム21aのステム孔を塞ぐステムラバーと、ステム21aを上方へ付勢する弾性体、これらを内包するハウジングとからなる一般的なエアゾールバルブを用いることができる。但し、これに限られるものではなく、公知の種々のエアゾールバルブを使用可能である。
発泡性内容物としては、界面活性剤を含有した原液と液化ガスとからなるものが挙げられる。前記界面活性剤は、発泡性内容物が吐出されたときに液化ガスの気化により泡を形成する、化粧を洗い流す洗浄成分などの目的で用いられる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アミノ酸系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステルなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどが挙げられ、シリコーン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などが挙げられ、アミノ酸型界面活性剤としては、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどが挙げられる。
溶媒は、界面活性剤や有効成分などを含有し、界面活性剤と液化ガスにより発泡して泡の液膜を形成する。前記溶媒としては、水やアルコールなどの水性溶媒、エステル油や油脂などの油性溶媒が挙げられる。水としては、精製水、イオン交換水などが挙げられ、アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。エステル油としては、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなどが挙げられ、油脂としては、オリーブ油、ホホバ油などが挙げられる。
前記有効成分は泡から蒸散して効果を発揮するもの、皮膚や頭髪など、人体に泡を塗布して効果を発揮するものなどが挙げられる。
有効成分としては、香料などの芳香成分、消臭成分、殺菌成分、洗浄成分、保湿成分、紫外線吸収剤などの日焼け防止成分などが挙げられる。
原液には、泡の弾力などを調整し、泡の保形性を良くするなどの目的で、ミリスチン酸などの高級脂肪酸、セタノールなどの高級アルコール、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸などの水溶性高分子などを添加してもよい。
前記液化ガスはエアゾール容器20内では蒸気圧を有する液体であり、エアゾールバルブ21が開放されて本体部11から供給される内容物中に含まれ、貯留室P内で膨張し泡を形成する。
液化ガスとしては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、ジメチルエーテル、ハイドロフルオロオレフィン、およびこれらの混合物などが挙げられる。なお、液化ガスは25℃での圧力が0.3〜0.6MPa(ゲージ圧)であるものを用いることが好ましく、0.35〜0.55MPa(ゲージ圧)であるものを用いることがさらに好ましい。液化ガスの圧力が0.3MPaよりも低い場合は膜状部12の膨出が小さく、泡の弾力が感じられにくくなり、また、膜状部12から泡を吐出しにくくなる。一方0.6MPaを超えると膜状部12が破れやすくなる。
発泡性内容物は、原液が70〜98質量%であり、液化ガスが2〜30質量%、さらには、原液が80〜97質量%であり、液化ガスが3〜20質量%であるものが好ましい。液化ガスが2質量%より少ないと、膜状部12の膨出が不充分になり、膜状部12を通過しにくくなり、液化ガスが30質量%より大きいと、泡の密度が小さくなり泡からの弾力が感じられにくく、膜状部12を通過するときに泡が崩れやすくなる。なお、吐出時に膜状部12の膨出の程度を調整する、膜状部12を通過する速さを調整して泡の高さ(立体性)や強度を調整する、などの目的で炭酸ガス、亜酸化窒素、窒素等の圧縮ガスを配合してもよい。
特に膜状部12を通過しても崩れ難く、もっちりとした泡質になるものが好ましい。このような泡質になる発泡性内容物としては、たとえば、アニオン性界面活性剤、カチオン性成分、多価アルコールおよび水を含有する水性原液、液化ガス、ならびに圧縮ガスとからなるものが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、ラウリルリン酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウムなどのアルキルリン酸塩、POEラウリルエーテルリン酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウムなどのアルキル硫酸塩、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、POEラウリルエーテル酢酸カリウムなどのアルキルエーテルカルボン酸塩、ラウリルスルホン酢酸ナトリウムなどのスルホン酸塩などが挙げられ、その含有量は、水性原液中0.1〜20質量%であることが好ましく、さらには0.5〜15質量%であることが好ましい。
前記カチオン性成分としては、例えばヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム4)、塩化ジメチルジアクリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリオクタニウム7)、塩化−O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリクオタニウム10)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム22)、塩化−O−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース(ポリオクタニウム24)、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム39)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(ポリクオタニウム51)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N−ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(ポリクオタニウム52)、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリル共重合体(ポリクオタニウム61)、メタクリロイルオキシエチレンホスホリルコリン、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸ナトリウム(ポリクオタニウム65)などが挙げられ、その含有量は、水性原液中0.1〜15質量%であることが好ましく、さらには0.5〜10質量%であることが好ましい。
多価アルコールとして、2〜4価アルコールおよび/または単糖類が挙げられる。
2〜4価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ジグリセリンなどが挙げられ、その含有量は、水性原液中1〜30質量%であることが好ましく、さらには3〜25質量%であることが好ましい。
単糖類としては、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられ、その含有量は、水性原液中1〜30質量%であることが好ましく、さらには3〜25質量%であることが好ましい。
上記の発泡性内容物を充填したエアゾール容器20に、吐出部材10を装着することでエアゾール製品1となる。エアゾール製品1の使用にあたっては、本体部11を押し下げ、エアゾールバルブ21を開放し、ステム21aから発泡性内容物を吐出させる。吐出された発泡性内容物は本体部11の内部通路11dを経て、円板部11bと膜状部12との間に流れ込む。膜状部12は発泡性内容物中に含まれる液化ガスの気化に伴う発泡圧を受けて上方に膨出する(図1b)。この際、泡は外部に全く吐出されないか、僅かに吐出される程度である。膨出がある程度進むと、伸長に伴って広がった微細な通路を通じて泡が外部へと吐出される(図1c)。この状態で、膜状部12を肌に押し当てるようにして使用する。この際、膜状部12の表面にある泡B1は、押し付けによってほとんど抵抗無く外側へ流れていくため、泡自体の弾力を感じることができない。しかし、膜状部12内の泡B2は移動が制限されているため、適度な弾力を肌に与えることとなる。ただ、膜状部12内の泡B2もある程度、外からの圧力によって移動する(膜状部12の内側内を移動する、膜状部12から吐出される)ため、肌に過度な力を与えることもない。そのため、膜状部12のみでは発揮できない独特の感触、例えば赤ちゃんの頬のような非常にやわらかい感触となり、心地良い使用感が得られる。そのため、皮膚の薄い部分への使用に適しており、例えば洗顔用の吐出部材(エアゾール製品)として使用すれば、手やブラシよりもやさしく洗うことができる。
図2は、1回の吐出操作での発泡性内容物の吐出量を一定に保つための定量吐出機構15を備えた吐出部材10Aを示している。この吐出部材10Aでは、定量吐出機構15を形成するために、本体部11Aが装着部11a側と円板部11b側とに二分されている。装着部11a側には、内部通路11dを拡径してなる拡径部15aが設けられている。拡径部15a内には、円板部11bを上方に付勢するための弾性体15b(コイルバネ)が設けられている。円板部11b側には、拡径部15aに摺動可能に嵌合する摺動筒部15cが設けられている。また、拡径部15aの上面と対向する位置に上下方向に貫通する泡通路15dが形成されている。
上記構成の定量吐出機構15は以下のようにして機能する。まず、図2bに示すように、円板部11bを下に押し下げると、泡通路15dが拡径部15aの上面によって塞がれ、拡径部15aの内面と円板部11bの下面との間に定量室Qが形成される。さらに円板部11bを押し下げると、エアゾールバルブ21が開放し、ステム21aから発泡性内容物が吐出され、定量室Q内に流れ込む。定量室Q内が発泡性内容物によって満たされ、定量室Q内の圧力とエアゾール容器20内の圧力が等しくなると、ステム21aからの発泡性内容物の供給が止まる。この状態で、円板部11bの押し付けを止めると、弾性体15bや発泡性内容物の圧力によって円板部11bが上方へ摺動し、泡通路15dが開放する。発泡性内容物は泡通路15dを通じて、円板部11bの上面側へと流れ込み、図2aの一点鎖線で示すように、膜状部12を膨出させるが、流れ込む発泡性内容物の量がほぼ一定であるため、膜状部12の張り具合(膨らみ具合)がほぼ一定となり、肌に押し付けたときの心地良い感覚を安定して得られるようになる。また、発泡性内容物を吐出させ過ぎて、膜状部12を破ってしまうといった失敗を抑制できる。他の構成については、上記の吐出部材10と同様であることから、同符号を付し、具体的な説明は省略する。
図3a、bは、膜状部12の内部の一部に発泡性内容物の通過を阻害する阻害手段(阻害層)16を設けた吐出部材10Bを示している。具体的には、2枚の膜状部12を設け、膜状部12、12同士を一部接着剤で接着することで膜状部12、12間に接着層を形成し、この接着層で発泡性内容物(泡)の通過を阻害しているのである。このようにすれば、接着層を設けた部分は泡が吐出されないため、膜状部12の表面に泡のない部分B3を作り出すことができ、膜状部12の表面に模様を描くことができる。なお、接着剤は、膜状部12の内側に塗布しても良い。この場合、膜状部12の内面に阻害層16が形成されることとなるが、同様の作用効果を奏する。また、接着層を形成する程度に厚塗りをする必要はない。例えば接着剤を塗布した後にふき取ることで、泡を吐出させるための通路のみを接着剤で塞ぐようにしても良い。また、粒状物で通路を塞いでも良い。また、定量吐出機構15と組み合わせれば、膜状部12の表面に吐出される泡B1の量を適量にすることができ、模様を安定して形成することができる。すなわち、膜状部12の表面に吐出される泡B1が少なければ、阻害層16以外の部分でも泡が吐出されず、吐出される泡B1が多ければ、模様が埋もれてしまいはっきりしなくなるといった不具合を生じるが、そのような不具合の発生を抑制することができる。他の構成については、上記の吐出部材10と同様であることから、同符号を付し、具体的な説明は省略する。
以上に、この発明の代表的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。
[実施例1]
膜状部として、直径30mm、厚さ2mm、伸長率400%、気孔径30〜200μmであるポリウレタンを用い、図1に示す本体部に、固定部材で膜状部の外周部を固定した吐出部材を製造した。
発泡性内容物として、下記の原液96gと液化石油ガス(25℃における圧力が0.4MPa)4gを充填し、さらに炭酸ガスを充填して0.5MPaに調整したエアゾール容器に吐出部材1を取り付け、エアゾール製品を製造した。

[原液]
ラウリルリン酸水溶液(*1) 25.0
ポリクオタニウム52(*2) 1.0
ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート(*3) 0.5
コカミドプロピルベタイン水溶液(*4) 3.0
ソルビトール 10.0
ジプロピレングリコール 10.0
ジグリセリン 2.5
メチルパラベン 0.1
精製水 47.9
合計 100.0質量%

*1:プライオリーB−300D(商品名)、花王株式会社製
*2:ソフケアKG−301W(商品名)、花王株式会社製
*3:レオドールTW−IS399C(商品名)、花王株式会社製
*4:レボン2000HG(商品名)、三洋化成工業株式会社製
25℃の恒温水槽に1時間浸漬したエアゾール製品から発泡性内容物1gを吐出すると、図1bのように膜状部が大きく膨出し、さらに、図1cのように膜状部から泡が吐出された。頬に泡(吐出部材)を押し当て、円を描くように動かすと、頬に泡を塗り拡げると共に膜状部からプニプニとした感触が得られた。
[実施例2]
膜状部として、直径30mm、厚さ1.2mm、伸長率400%、気孔径30〜200μmであるポリウレタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエアゾール製品を製造した。
25℃の恒温水槽に1時間浸漬したエアゾール製品から発泡性内容物1gを吐出すると、実施例1と同様に、図1bのように膜状部が大きく膨出し、さらに、図1cのように膜状部から泡が吐出された。頬に泡(吐出部材)を押し当て、円を描くように動かすと、頬に泡を塗り拡げると共に膜状部からプニプニとした感触が得られた。
[実施例3]
膜状部として、直径30mm、厚さ1.5mm、伸長率250%、気孔径50〜200μmであるポリウレタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエアゾール製品を製造した。
25℃の恒温水槽に1時間浸漬したエアゾール製品から発泡性内容物1gを吐出すると、実施例1と同様に、図1bのように膜状部が大きく膨出し、さらに、図1cのように膜状部から泡が吐出された。頬に泡(吐出部材)を押し当て、円を描くように動かすと、頬に泡を塗り拡げると共に膜状部からプニプニとした感触が得られた。
[比較例1]
膜状部として、直径30mm、厚さ2mm、伸長率180%、気孔径50〜400μmであるポリウレタンを用いたこと以外は実施例1と同様にして吐出部材を製造した。吐出部材を実施例1と同じエアゾール容器に取り付け、エアゾール製品を製造した。
25℃の恒温水槽に1時間浸漬したエアゾール製品から発泡性内容物1gを吐出すると、膜状部が大きく膨出することなく膜状部から泡が吐出された。頬に泡(吐出部材)を押し当て、円を描くように動かすと、頬に泡を塗り拡げたが膜状部からプニプニとした感触が得られず、硬く感じた。
1、1A、1B エアゾール製品
10、10A、10B 吐出部材
11、11A 本体部
11a 装着部
11b 円板部
11c スカート部
11d 内部通路
11e 段部
12 膜状部
13 固定部材
13a 円筒部
13b 内向きフランジ部
14 肩カバー
15 定量吐出機構
15a 拡径部
15b 弾性体
15c 摺動筒部
15d 泡通路
16 阻害手段(阻害層)
20 エアゾール容器
21 エアゾールバルブ
21a ステム
P 貯留室
Q 定量室
B1 膜状部の表面の泡
B2 膜状部の内側の泡
B3 泡のない部分

Claims (5)

  1. エアゾールバルブに装着される本体部と、
    本体部に張られ、エアゾールバルブから供給される発泡性内容物の圧力を受けて膨出する膜状部とを備えており、
    膜状部は、伸長率が200〜500%であり、外部と連通する微細な通路を有している、
    発泡性内容物用の吐出部材。
  2. 膜状部が多孔質材であって、気孔径が30〜600μmである、
    請求項1記載の発泡性内容物用の吐出部材。
  3. 所定量の発泡性内容物を吐出する定量吐出機構を備える、
    請求項1または2記載の発泡性内容物用の吐出部材。
  4. 膜状部の内面又は内部の一部に発泡性内容物の通過を阻害する阻害手段を有する、
    請求項1〜3のいずれかに記載の発泡性内容物用の吐出部材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の吐出部材と、吐出部材を装着したエアゾール容器と、そのエアゾール容器に充填された、吐出後に泡を形成する発泡性内容物とからなるエアゾール製品。
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