JP6866911B2 - 綴じ処理装置、シート処理装置および画像形成システム - Google Patents
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このための装置として、画像形成装置の用紙排出部に連設された用紙処理装置が用いられる。
上述した装置の一つとして、纏めて積層されている用紙群を挟持押圧可能な歯型部材を用いて用紙群に歯型等の凹凸状の深絞りを行うことで用紙同士の綴じ処理を行う綴じ装置が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
以下、図面に示した実施例により本発明の実施の形態について説明する。
まず、本実施形態での特徴を説明する前に、本実施形態が対象とする用紙処理システムの構成および作用について以下に説明する。
用紙処理装置201は、綴じ装置が画像形成装置101からの用紙搬送路内に設けられた所謂搬送路綴じ装置である。
図1(A)は、画像形成装置101の搬送路内に設置された態様を、図1(B)は搬送路外に設置された態様をそれぞれ示す。
この用紙処理装置201は、搬送路内で用紙を重ね合わせ整合する整合機能と、整合された用紙束を搬送路内で綴じる綴じ機能とを備えている。
図1(A)の態様は画像形成装置101の胴内で後処理することから胴内処理装置とも呼ばれている。
図1(A)に示す構成では、画像形成後の用紙が画像形成装置101の胴内に排紙され、図1(B)に示す構成では、画像形成後の用紙が画像形成装置101の外部に排紙されるようにそれぞれ排紙部が設けられる。
同図において、用紙処理装置201は、用紙搬送路240に沿って入口側から入口センサ202、入口ローラ203、分岐爪204、深絞り機構に相当する綴じ具210及び排紙ローラ205を備えている。
入口センサ202は、画像形成装置101の排紙ローラ102から排紙され、用紙処理装置201に搬入された用紙の先端、後端及び用紙の有無を検知する。
入口センサ202としては、例えば反射型の光センサが使用される。なお、反射型の光センサに代えて透過型の光センサを使用することもできる。
入口ローラ203は、用紙処理装置201の入口に位置し、画像形成装置101の排紙ローラ102によって排紙される用紙を受け取り、深絞りを行う綴じ位置内に搬入する機能を有する。また、図示しない制御部を用いて、停止、回転、搬送量を制御可能な駆動源(駆動モータ)も備えている。
入口ローラ203は対となるローラとのニップに画像形成装置101側から搬送されてきた用紙の先端部を突き当て、スキュー補正も行う。
図3において、分岐爪204は用紙後端を分岐路241に導くために設けられている。
この場合には、用紙後端が分岐爪204を越えた後、分岐爪204は、図示時計回り方向に回転し、用紙を搬入方向と逆の方向に搬送する。これにより、用紙後端側は分岐路241側に導かれる。分岐爪204は後述するが、ソレノイドによって駆動され、揺動動作を行う。
なお、ソレノイドに代えてモータとすることもできる。分岐爪204は図示反時計回り方向に駆動され、回転したとき、分岐路241の搬送面に用紙あるいは用紙束を押圧することが可能である。これにより分岐爪204は用紙あるいは用紙束を集積可能な分岐路241で固定することができる。
排紙ローラ205のシフトは、図2に示すシフト機構205Mによって行われる。
シフト機構205Mは、シフトリンク206、シフトカム207、シフトカムスタッド208及びシフトホームポジションセンサ209からなる。
シフトカム207はシフトカムスタッド208を有し、回転をする円盤状の部品である。
この部品の回転によってシフトカムスタッド208を介しシフトリンク長穴部207aに移動可能に挿入された排紙ローラ205を用紙搬送方向と直交する方向(以下、「用紙の幅方向」とも称する。)に移動させる。
この移動が所謂シフトである。シフトカムスタッド208はシフトリンク長穴部207aと連動し、シフトカム207の回転運動を排紙ローラ205の軸方向の直動運動に変換する機能を有する。シフトホームポジションセンサ209はシフトリンク206の位置を検出し、シフトホームポジションセンサ209で検出した位置をホームポジションとし、このホームポジションを基準にシフトカム207の回転制御を実行する。この制御は、前記制御部によって実行される。
綴じ具210は、集積された用紙束PBを綴じる綴じ手段であり、所謂ステープラと称されるものである。
本実施形態では、綴じ位置を挟んで対向する一対の歯型部(以下、歯型とも称する)261で挟み込み、押圧することによって用紙を変形させ、用紙の繊維を絡めて綴じる機能を備えたもので、この種の綴じは圧着綴じとも称される。
いずれにしてもサプライ消費を抑制し、あるいはリサイクルし易くし、そのままシュレッダーにかけられるなどのことから省資源に大きく貢献する。そのため、用紙処理装置、所謂フィニッシヤにおいても、金属針を使わず、圧着綴じのように用紙単体で綴じ処理が可能なステープラの搭載が望まれている。
圧着綴じを行うハンドステープラとしては、次の公報に開示がある。
例えば実公昭36−13206号公報(参考文献1)に開示された綴じ具が公知であり、切り曲げてさらに穴に通して綴じるハンドステープラとしては、例えば実公昭37−7208号公報(参考文献2)に開示された綴じ具が公知である。
ガイドレール230は、綴じ具210がホームポジションから用紙処理装置201の搬送路240の用紙搬送方向に直交する全幅を移動可能なように設置されている。
なお、綴じ具210は図示しない駆動モータを含む移動機構によってガイドレール230に沿って移動する。その移動の際、綴じ具210と用紙Pあるいは用紙束PBが干渉しないように、綴じ具210の綴じ具ホームポジションセンサ221側には用紙の通過スペースが形成されている。
分岐路241は用紙のスイッチバックにより後端側から搬入される搬送路であり、搬送240から分岐している。分岐路241は搬送された用紙を重ね合わせて整合するために設けられ、集積手段として機能する。突き当て面242は、分岐路241の末端に設けられ、用紙後端を突き当て整合する基準面である。
歯型261は、本実施形態では一対の凹凸が噛み合うような形状の加圧扶持部材であり、用紙束を挟み込んで加圧することにより、前記圧着綴じ機能を有する。
図4は、分岐爪204が用紙搬送にあるときの、図5は用紙をスイッチバックさせるときの関連機構の詳細をそれぞれ示す。
図4において分岐爪204は、用紙の搬送経路を搬送路240と分岐路241のいずれかに切り換えるために支軸204bに関して予め設定された角度範囲で揺動可能に設けられている。分岐爪204は、図中の右側より受け入れた用紙が抵抗なく下流側に搬送できる位置、すなわち図4の位置がホームポジションとなっており、スプリング251により常時図示反時計回り方向に弾性的に加圧されている。
搬送経路の切り換えは、分岐ソレノイド250をONすると、分岐爪204は図5において矢印R1方向に回転し、搬送路240を閉鎖し分岐路241を開放することにより、分岐路241に用紙を導くことができる。
綴じ具210は、用紙束の一部に凹凸状の加圧変形部を形成可能な固定歯型および該固定歯型に対して接離可能な可動歯型を備えた歯型261を主要部として備えている。また、綴じ具210には歯型261以外にも、加圧レバー262、リンク群263、駆動モータ265、偏心力ム266及びカムホームポジションセンサ267が構成要素として含まれている。
歯型261は上下対となり噛み合う形状の加圧部材である。この歯型261は複数に組み合わせたリンク群263の作動端に位置し、動作端である加圧レバー262の加圧及び加圧解除動作によって接離する。
回転位置は偏心力ム266の回転軸266aとカム表面との距離を規定し、この距離に基づいて加圧レバー262の押圧量が決まる。
カムホームポジションセンサ267が偏心力ム266の被検知対象であるフィラー266bを検知した位置がホームポジションである。図6に示すように、偏心力ム266の回転位置がホームポジションにあるとき、歯型261は開いた状態となっている。この状態では、綴じ処理は不能であり、用紙束の受け入れが可能な状態である。
その後、駆動モータ265が逆回転し、カムホームポジションセンサ267の検知情報で停止する。これにより、上下の歯型261は図6の状態に戻り、用紙束を移動させることが可能な状態となる。また、レバー262はバネ性を有しており、過負荷が加わったときは撓むことで過負荷を逃がすようになっている。
これに対して後述のマニュアル綴じとは、画像形成装置101若しくは別途印字出力された用紙を用紙処理装置201の綴じ具210で綴じるものである。マニュアル綴じは画像形成装置101の排紙から−連の動作で綴じるものでないので、オフライン綴じも含まれる。
画像形成装置101から用紙Plが用紙処理装置201に搬入される前に、用紙処理装置201の制御部(図示されず)は、画像形成装置101の制御部(図示されず)から用紙処理の制御モードに関するモード情報と用紙情報を受け取る。そして、その情報に基づき、受け入れ待機状態になる。用紙情報は例えば用紙サイズ、紙種、紙厚及び冊子(綴じる用紙の)枚数などである。
この場合、入口ローラ203はレジストローラとしても機能する。すなわち、1枚目の用紙Plが用紙処理装置201に搬入され、用紙先端を入口センサ202が検知すると、用紙先端が入口ローラ203のニップに突き当たる。
そして、一定量の撓みを生じさせる距離だけ画像形成装置101の排紙ローラ102によって用紙Plは搬送される。前記距離搬送された後、入口ローラ203の回転が開始される。これにより用紙Plのスキュー補正が行われる。図9(A)及び(B)はこのときの状態を示す。
用紙Plは、用紙後端の入口センサ202による検知情報から搬送量がカウントされ、用紙搬送位置の位置情報はCPU201aによって把握されている。用紙後端が入口ローラ203のニップを通過したら、入口ローラ203は次の用紙P2の受け入れのために回転を停止する。それと同じタイミングでシフトカム207が図10の矢印R4方向(図示時計回り方向)に回転し、用紙Plをニップした状態で排紙ローラ205は軸方向に移動を開始する。これにより用紙Plは図10において矢印Dl方向に斜行しながら搬送される。その後、綴じ具210に併設又は組み込まれた用紙端検知センサ220が用紙Pを検知すると、シフトカム207は停止し、次いで逆転し、用紙端検知センサ220が用紙Pの非検知状態でシフトカム207は停止する。そして、前記動作が完了し、用紙後端が分岐爪204先端を通過した所定の位置で排紙ローラ205は停止する。
図10の状態から分岐爪204を図示矢印R5方向に回転させ、搬送経路を分岐路241に切り換えた後、排紙ローラ205を逆回転させる。これにより用紙Plは矢印D2方向にスイッチバックされ、用紙後端が分岐路241に搬入され、さらに、突き当て面242に突き当てられる。
この用紙後端の突き当てにより用紙後端は突き当て面242を基準に揃えられる。用紙Plが揃えられると、排紙ローラ205は停止する。このとき、排紙ローラ205は用紙Plが突き当て面242に突き当たるとスリップし、搬送力が付与されないようになっている。すなわち、用紙Plがスイッチバックして突き当て面242に突き当たり、用紙後端が突き当て面242を基準に揃えられると、それ以上、搬送されて用紙が座屈しないように設定されている。
先行の1枚目の用紙Plが突き当て面242を基準に揃えられた後、分岐爪204を図示矢印R6方向に回転させる。これにより分岐路241に位置している用紙後端を分岐爪204の下面である接触面204cが分岐路241の表面に強力に押さえ付け、動かない状態にして待機する。後行の2枚目の用紙P2が画像形成装置101から搬入されてくると、先行の用紙Plと同様に入口ローラ203でスキュー補正を行う。次いで、入口ローラ203の回転が開始するのと同時に排紙ローラ205も搬送方向に回転を開始する。
図12の状態から2枚目の用紙P2、さらに3枚目以降の用紙P3,・・・,Pnが搬送されてきたときも、図10及び図11に示した動作を実行する。そして、順次、画像形成装置101から搬送されてくる用紙を予め設定した位置に移動させて重ね合わせ、整合状態の用紙束PBを搬送路240内にスタック(集積)する。
同図において最終紙Pnを整合状態の用紙束PBとして動作完了したら、排紙ローラ205を一定量搬送方向に回転させ停止する。この動作で用紙後端を突き当て面242に突き当てたときに発生した撓みを解消させる。その後、分岐爪204を図示矢印R5方向に回転させ、接触面204cを分岐路241から離間させることにより用紙束PBへの加圧力を開放する。これにより用紙束PBは分岐爪204による拘束力が解除され、排紙ローラ205による搬送が可能となる。
図14の状態から排紙ローラ205を搬送方向に回転させ、綴じ具210の歯型261の位置と用紙束PBの綴じ位置が一致する距離分用紙束PBを搬送し、その位置で停止させる。これにより用紙束PBの搬送方向の加工位置が歯型261の搬送方向の位置と合致する。そして、綴じ具210を綴じ具210の歯型261の位置と用紙の加工位置が一致する距離分だけ図示矢印D3方向に移動させ、停止する。これにより用紙束PBの幅方向の加工位置が歯型261の位置と搬送方向及び幅方向で合致することになる。このとき、分岐爪204は図示矢印R6方向に回転し、用紙受け入れ状態に復帰する。その後、綴じ具駆動モータ265をONし、歯型261によって用紙束PBを加圧し、絞ることによって圧着綴じを行う。なお、本実施形態では、圧着綴じを行う綴じ具210を使用した例を例示しているが、半抜き加工、切曲げ、切り曲げてさらに穴に通すなどの綴じ方の綴じ具を使用しても良いことは言うまでもない。
図15に示したようにして綴じられた用紙束PBは、排紙ローラ205の回転により排出される。用紙束PBが排出され後、シフトカム207を矢印R7方向に回転させ、ホームポジション(図8の位置)に復帰させる。これと並行して綴じ具210を図示矢印D4方向に移動させ、ホームポジション(図8の位置)に復帰させる。これにより、一部(一冊)の用紙束PBの整合動作を綴じ動作が完了する。次の部がある場合には、図8から図16の動作を繰り返し、同様にして圧着綴じされた一部の用紙束PBを作成する。
図17は、図6および図7に示した歯型261を、図6および図7に示した状態からひっくり返して示す図である。
同図において歯型261には、揺動支点となる支軸の軸方向と直角な方向に延長された歯部261Aが支軸の軸方向に沿って複数形成されている。
歯型261は、上下で互いに噛み合うことができるように、図18に示すように、固定側及び可動側での歯部の頂面位相がずらされて形成されている。
図19は、端部綴じ部を対象とする圧着綴じ方法を説明するための図である。
同図において綴じ具210に用いられる歯型261は、凹凸がある圧着歯(下凹凸歯261A、上凹凸歯261B)を用紙束PB(図14参照)に対し対向する位置に配置している(図19(A))。
どちらか一方の圧着歯(もしくは両方)を動かし、力を掛ける。(図19(B)〜(C))
加圧力を大きくしていくと、用紙が凹凸状に加圧変形されてその形状が転写され綴じが完了する。(図19(D))
この圧着綴じでは、凹凸の嵌合や用紙間の繊維の絡まりや固着により用紙を綴じることが可能となる。圧着歯261A、261Bの凹凸形状には任意の角度の斜面部を持っている。
また、凹凸形状の頂点部、谷部の形状は異なっており、圧着歯101、102が噛み合ったときに、図示しないが、例えば上圧着歯261Aの頂部面と下圧着歯261Bの谷部が接触しないようになっている。これにより、斜面部のみで用紙束6を圧着することになり、効率よく綴じを行うことが可能となる。
同図において固定側および可動側の歯型(図20では固定側の歯型の歯部261Aが示されている)は、図20(B)に示すように、少なくとも一部の端部が丸み形状(ラウンドフォーム)に形成されている。
図20(B)に示す構成では、頂面が水平方向の面261A1とこれに連続する曲面261A2とで形成され、その連続する端部、つまり稜線261A3がエッジではなく丸み形状になっている。
さらに、図20(B)に示す構成では、曲面261A2に連続する頂面261A1も丸みを帯びた形状とされ、頂面261A1の四辺と曲面261A2に連続する稜線も丸み形状になっている。
同図に示すように、頂面261A1は、これに連続する曲面261A2と連続する端部である稜線261A3から中央部に向けて膨らむように丸み形状とされている。
さらに、曲面261A2と歯型の底部、換言すれば、頂部と底部を結ぶ端部に位置する稜線も丸み形状とされている。
また、用紙を歯型により押圧して綴じ操作が完了した後、用紙の頂部と底部を結ぶ端部に圧力が集中しても、丸み形状により圧力の集中が緩和されることによっても用紙の皺や破れが防止されることになる。
用紙束における綴じ処理位置の一つ(図22において符号(22)で示す)を拡大した図が図23である。
図23において(A)は、従来の歯型の稜線がエッジ状となっている場合を示し、(B)は、本実施形態による歯型を用いた場合を示している。
これにより、本実施形態による歯型を用いた場合には、用紙の破れを生じないことにより、綴じ処理時の押圧操作によって繊維が結束されることによって綴じ部が強固な状態となる。
しかも、水平方向の面である頂面261A1を利用して広い範囲を押し動かすので、頂面の端部が鋭角な場合と違って、集中荷重による繊維の破断を起こしにくくできる。
従って、本実施形態による歯型を用いた場合には、繊維が残ることで綴じ処理時の押圧力に対する応力が生じやすくなり、これが折り曲げによる形状復元性を低下させて綴じ状態を維持させることになる。
以下に挙げる変形例では、上述したように歯型部の端部の一部を丸み形状とすることに加えて、面取りすることにより用紙の皺あるいは破れを防止できるダメージ軽減部として用いられることを前置きしておく。
図中、符号301は歯面、符号302は側面、符号303は符号306で示す土台から歯10a、11a先端を結ぶ辺、符号4は歯310a、311aの歯先の端部、符号305は歯先の歯面の底部に相当する歯元部である。土台306は、歯元部305が一体化されている部分である。
図26は、圧着歯の第1変形例を示す図である。
この例の下凹凸歯311は、土台306から歯311aの歯先の端部304を結ぶ辺3と歯先の端部304にダメージ軽減部として図示のように丸みがつけてある。これにより、歯先の端部304に当接する用紙束PBに傷や破れが生じるのを防止し、また、上凹凸歯310と下凹凸歯311に挟んだ用紙束PBに撓みシワが発生することも防止できる。
すなわち用紙束PBの綴じ力を安定させることができることがわかる。
これは下凹凸歯311の土台306から歯先の端部304を結ぶ辺303に用紙へのダメージを軽減するために丸みをつけることが理由である。
つまり、用紙束PBが上凹凸歯310や下凹凸歯311の歯310a、311aに接触している力が大きな箇所から、用紙が接していない箇所への急激な圧力変化が緩和される。
そして、歯310a、311aの歯先の端部304が当接する用紙に傷や破れ、シワの発生を防止し、また圧着歯10、11で挟んだ用紙束PBが撓んでシワが発生するのを防止することができる。
なお、所定の部位に丸み付けをすることに代えて、ダメージ軽減部として面取りを施した部位を設けてもよい。またダメージ軽減部は、辺303の少なくとも1箇所に、綴じる対象となる用紙または用紙束PBへのダメージを軽減させるために設ければよく、本実施形態並びに以下に説明する実施形態の配置態様、設置態様には限定されない。
図27は本発明に係る用紙処理装置に用いる凹凸形状の圧着歯の第2の変形例を示す図である。この例の下凹凸歯311は四角錐形状を有するが、辺303や歯先の端部304への丸み付け、歯元部305の形態等の基本的な構成は第1の変形例と同じである。
図28は本発明に係る用紙処理装置に用いる凹凸形状の圧着歯の第3の変形例を示す図である。この例の下凹凸歯311は側面302が円錐を縦に半割りにしたような形状を有するが、歯先の端部304への丸み付け、歯元部305の形態等の基本的な構成は第1の変形例と同じである。
図29は図26に示した構成の歯を有する上凹凸歯310と下凹凸歯311を噛み合わせた状態を示す図である。土台306から歯310a、311aの歯先の端部304を結ぶ辺303が用紙束PBを押す力は歯先の端部304側で大きく、土台306に近い側では小さい。
図30に示すように、綴じたられた用紙束PBは上凹凸歯310と下凹凸歯311の噛み合いによって凹凸形状が施され、その付近は用紙束PBに用いられる用紙S’の撓みに起因するシワが発生する。
用紙S’の端面付近で綴じを行った際には、用紙S’の端面側では紙が無いのでシワは発生せず、用紙S’中央側はシワが発生する。
図30に示すような使用形態においては、土台306から歯先の端部304を結ぶ辺303においてシワが発生する側に丸み又は面取りを付けることで、綴じ加工時の丸み又は面取り付け加工工程を減らし、コストを下げることができる。
綴じられた用紙束PBは綴じ具によって凹凸形状が施され、歯311aを並べて配置した綴じ具において、歯311aが並んでいる方向に用紙束Sは縮む。並んだ歯311aの並びにおいて外側の歯の付近ほど変形量が多く、シワが発生しやすい。また、用紙の凹凸部が変形したのに伴って、周りの用紙も変形しようとして歯311aの歯スジ(歯先の端部304の伸びる方向)に沿ってシワが伸びる。図中Xは歯スジに沿ってできたシワを、図中Yは歯が無いところに発生したシワをそれぞれ示す。
図32に示した例においては、土台306から歯先の端部304を結ぶ辺303の中でシワが発生する外側の歯(図中「R有り」と記載した歯)に丸み又は面取りを付け、それらの内側の歯には丸み又は面取りを付けないようにする。
これにより、端部304に用紙への圧力集中を起こすエッジ部が存在しないことと同じ構成が得られ、綴じ具を加工する時の丸み又は面取り付け加工工程を減らし、コストを下げることができるようにしている。
同図に示す例では、土台306から圧歯先の端部304を結ぶ辺303に複数の形状(例えば曲率半径が異なる等)の丸み又は面取りをダメージ軽減部として付けてある。
これにより、押圧時の圧力集中をより効果的に防止して、当接する用紙束S1に傷や破れが発生するのをさらに効率よく防止し、用紙束Sの綴じ力を安定させることができる。
同図に示す構成では、ダメージ軽減部として辺303に設ける丸み(又は面取り形状)が複数(図示の例では3種類)の面取り形状となっている。
同図に示す構成では、歯面301と側面302の交わる辺303の丸みが一定の場合には、当接する用紙束PBへ掛かる力は歯311aの歯先の端部304付近で大きく、土台306付近では小さい状態である。そのため用紙の破れ、キズ、シワは端部304付近で発生しやすい。
そこで辺303においては歯先の端部304付近に土台306付近よりも大きな丸みをつけている(図ではR大と記載してある。丸みが小さい部分はR小と記載してある。)。
これにより、大きな力が掛かる歯先の端部304付近の力を分散させ、用紙に傷や破れがいっそう発生しにくくなり、挟んだ用紙束Sに撓みシワが発生するのをよりよく防止し、用紙束PBの綴じ力をいっそう安定させ得る。
つまり、綴じられる用紙束Sの歯面301に接する箇所では加わる力が大きい。そのため、歯面301に接していないところでは直接的に力が加わっておらず、土台6から歯先の端部304を結ぶ辺303を境にして急激な圧力差が発生する。この結果、用紙に傷や破れおよびシワが発生することがある。
図36は、この点に鑑み、辺303への丸み付け処理を歯面301に近いほうで曲率半径を大きくし(図ではR大と記載してある)、側面に近いほうで曲率半径を小さくしている(図ではR小と記載してある)。
図37は、図36の側面図である。このような構成を用いることにより、歯面301から側面に向けて徐々に力が下がるようにすることができ、辺303付近での急激な圧力差の変化を低減することができる。このような構成により、用紙の傷や破れを防止し、また圧着歯310、311で挟んだ用紙束Sに撓みシワが発生するのを防止でき、用紙束PBの綴じ力を安定させ得る。
また、並んだ歯311aのうちの外側の歯311aが用紙束PBに当接する箇所では用紙束PBに力が加わっているが、その外側には歯が無いので用紙束Sに直接的に力は加わらない。その力の差によって用紙、用紙束Sにシワが発生し、シワによる変形は歯スジ(歯先の端部4の伸びる方向)に沿って伸びる。
そこで図38,39に示すように、土台306から歯先の端部304を結ぶ辺303の中でシワが発生する最も外側の歯(図中「R大」と記載した歯)に丸み又は面取りを内側の歯よりも大きく、すなわち最も大きくする。こうすることで、用紙に掛かる圧力を内側の歯から外側の歯に向かって小さくし、シワの発生を効果的に防止し、用紙束の綴じ力を安定させる。
図41において、カム416はカム駆動モータ420を駆動源にして、モータギア419、駆動伝達ギア418、カム駆動軸417を介して駆動が伝達されて回動される。
3及び移動アーム412が回動し、下凹凸部材401を有する下支持台409に対して、上凹凸部材402を有する上支持台410がガイドピン411に沿ってシート束の厚さ方向に移動する。すなわち、カム416を図41に示す状態から図43に示す状態まで回動させると、圧縮バネ421の力に抗して移動アーム412が回動され、上凹凸部材402と下凹凸部材201が噛み合う綴じ位置まで、上支持台210が移動される。
この時、凹凸部材401、402間にかかる押圧力は一定の押圧力(ここでは約100kg)である。更に、カム416を図43に示す状態から図41に示す状態まで継続して回動させると、上凹凸部材402を有する上支持台410が、圧縮バネ421の付勢力によりガイドピン411のストッパ部411aに突き当たる退避位置まで移動される。このようにカム416の1回転駆動により、一対の凹凸部材401、402による綴じ処理が行われる。
101 画像形成装置
201 用紙処理装置
261 歯型
261A 歯部
261A1 水平方向の面
261A2 曲面
R大 丸みの曲率半径が大きい部分
R小 丸みの曲率半径が小さい部分
S 用紙束
S’ 用紙
X 歯スジに沿ってできたシワ
Y 歯が無いところに発生したシワ
Claims (7)
- 複数の凸部を有する一対の圧着歯の間でシート束を圧着して綴じる綴じ処理装置において、
前記一対の圧着歯の各々は、前記凸部の並び方向と直交する方向に沿って形成されるとともに、前記凸部の並び方向に傾斜する歯面と、前記凸部の並び方向に沿って形成された側面と、前記歯面と前記側面とが交わる稜と、を有し、
前記稜が丸み形状を有するとともに、
前記一対の圧着歯を噛み合わせた状態で前記凸部の並び方向から見たときに、前記一対の圧着歯の一方の前記稜と、前記一対の圧着歯の他方の前記稜とが交差し、
前記稜において、前記凸部の頂部側に前記凸部の底部側よりも大きな曲率半径を有することを特徴とする綴じ処理装置。 - 前記一対の圧着歯の前記凸部の並び方向から見たときの形状は、互いに同一であることを特徴とする請求項1に記載の綴じ処理装置。
- 前記一対の圧着歯の少なくとも一方の圧着歯の前記側面は、前記凸部の並び方向から見たとき左右対称に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の綴じ処理装置。
- 前記一対の圧着歯の前記歯面同士が接触している状態で前記凸部の並び方向から前記一対の圧着歯を見たとき、前記一対の圧着歯の一方と他方とが重なる範囲の形状は、六角形であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の綴じ処理装置。
- 前記一対の圧着歯のどちらか一方または両方をシート束の厚み方向に移動させる移動手段を備え、
前記移動手段によって前記一対の圧着歯のどちらか一方または両方をシート束の厚み方向に移動させてシート束を圧着して綴じることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の綴じ処理装置。 - 請求項1乃至5の何れか1つに記載の綴じ処理装置と、
シートを搬送する搬送手段と、
前記搬送されたシートを集積する集積手段と、を備え、
前記綴じ処理装置によって前記集積手段に集積されたシート束を綴じることを特徴とするシート処理装置。 - 請求項6に記載のシート処理装置を備えたことを特徴とする画像形成システム。
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