JP6866739B2 - ゴムクローラ - Google Patents

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    • B62D55/08Endless track units; Parts thereof
    • B62D55/18Tracks
    • B62D55/24Tracks of continuously flexible type, e.g. rubber belts

Description

本発明は、コンバイン等の作業機械の走行装置に装着されるゴムクローラに関する。
クローラ式走行車両は、整地されていない地表を走行することが多く、その際に、ゴムで形成された弾性体クローラは、走行する凹凸の激しい地表により、ラグに変形、倒れ等が生じ、ラグが地表を捉える力(牽引力)が低下する。また、ラグの変形、倒れ等を繰り返すと、ラグ又はクローラ本体の亀裂等の原因になる。
これに対し、例えば、特許文献1には、ラグの内部に、他の部分より高硬度のゴム質芯体を埋め込む技術が開示されている。しかしながら、耐外傷性能(耐カット性能)等の更なる改善が要求されている。
特開平9−249163号公報
本発明は、前記課題を解決し、ラグ根元の耐外傷性能(耐カット性能)に優れたゴムクローラを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも1つのラグを備えたゴムクローラであって、前記ラグの、平面視における長手方向の中央部において、該長手方向に垂直な断面は、曲率半径が15〜45mmで円弧状に湾曲した凹部を少なくとも1つ根元に有し、かつ頂面の幅が18mm以上であり、前記ラグを構成するゴム組成物は、破断時伸びが670%以上で、かつ70℃のtanδが0.22以上である加硫ゴム組成物であるゴムクローラに関する。
前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中の分子量分布(Mw/Mn)1.7以上のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上であることが好ましい。
前記ゴム組成物は、イソプレン−スチレン樹脂又はジシクロペンタジエン樹脂を含むことが好ましい。
本発明によれば、少なくとも1つのラグを備えたゴムクローラであって、前記ラグの、平面視における長手方向の中央部において、該長手方向に垂直な断面は、曲率半径が15〜45mmで円弧状に湾曲した凹部を少なくとも1つ根元に有し、かつ頂面の幅が18mm以上であり、前記ラグを構成するゴム組成物は、破断時伸びが670%以上で、かつ70℃のtanδが0.22以上である加硫ゴム組成物であるゴムクローラであるので、ラグ根元の耐外傷性能(耐カット性能)に優れたゴムクローラを提供できる。
ゴムクローラの部分平面図の一例。 第1実施形態に係るラグの長手方向の中央部における垂直断面図の一例(図1のA−A矢示線部分断面図)。 第2実施形態に係るラグの長手方向の中央部における垂直断面図の一例(図1のA−A矢示線部分断面図)。
本発明のゴムクローラは、少なくとも1つのラグを備えている。そして、前記ラグの、平面視における長手方向の中央部において、該長手方向に垂直な断面は、曲率半径が15〜45mmで円弧状に湾曲した凹部を少なくとも1つ根元に有し、かつ頂面の幅が18mm以上である。また、前記ラグを構成するゴム組成物は、破断時伸びが670%以上で、かつ70℃のtanδが0.22以上である加硫ゴム組成物である。
前記ゴムクローラは、ラグ根元の優れた耐外傷性能(耐カット性能)を有している。
このような作用効果が得られるメカニズムは、明らかではないが、以下のように推察される。
ゴムクローラでは、石などによりカットが発生する。特に、トラクション時にはラグが倒れ込んで、ラグ根元に大きな歪みが生じ、この際、石が強く接触することでより変形が生じ、発生した歪みが材料の破断時伸びを超えるとカット傷となる。このように、ラグの根元はカット傷に不利な箇所である。そして、このカット傷は、繰り返しの変形により成長し、クローラのスチールコードに到達すると、水や空気の侵入によりコードが劣化し(サビなど)、コードの切断、ひいてはクローラの損傷につながる。
一方、本発明では、ラグの根元に曲率半径(R)15〜45mmで円弧状に湾曲した凹部を少なくとも1つ設けると共に、ラグの頂面の幅を18mm以上とすることで、ラグが倒れにくく、変形が小さくなる。本発明では、更にラグを構成する加硫ゴム組成物(加硫後ゴム組成物)の破断時伸び(EB)を670%以上にすることで、ゴムが破断しにくいようにすると共に、70℃のtanδを0.22以上にすることで、ゴムに入力されたエネルギーを熱に変換させ、歪を緩和させている。このように、本発明では、ラグの形状を調整する他、EBだけでなく、走行時のエネルギーも考慮して配合設計したことにより、予想を超える顕著なラグ根元のカット傷抑制効果が現れたものと考えられる。
また、前記ゴムクローラでは、ラグに分子量分布が広いSBRを所定量用いることにより、低分子量成分が入力されたエネルギー(歪み)に対して柔軟に動くため、応力が集中しにくく、破断につながりにくくするとともに、高分子量成分が高いゴム強度を発現するため、相乗的にラグ根元のカット傷抑制効果が現れたものと考えられる。
加えて、前記ゴムクローラでは、分子量分布が広いSBRとの相溶性が高いイソプレン−スチレン樹脂又はジシクロペンタジエン樹脂を更に含むことにより、外部から変形エネルギーが入力された際にレジンがゴム分子間に存在することで、ゴム分子間で応力の伝達がし難くなり、エネルギーはゴム分子の変形ではなく発熱に変換されるため、よりゴムの破断は生じにくくなり、相乗的にラグ根元のカット傷抑制効果が現れたものと考えられる。
以下、本発明のゴムクローラの一例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、ゴムクローラの一部を示す部分平面図(部分上面図)である。図2は、ラグの長手方向(平面視での長手方向)の中央部において、該長手方向に垂直に切断した断面図である(図1のA−A矢示線部分断面図)。
図1、図2の第1実施形態において、ゴムクローラ1は、例えば、コンバイン等の農業機械の走行装置に装着して使用される。この走行装置は、例えば、トラックフレームにスプロケット、アイドラ、複数の転輪等を回転自在に設けたものであり、ゴムクローラ1は、該走行装置に巻き掛けられ、スプロケットによって駆動させる。
図1に示すように、ゴムクローラ1は、ゴム製で無端帯状のクローラ本体2を有している。以下、クローラ本体2の帯長手方向を「周方向」(図中に符号Yで示す)といい、周方向に直交する帯幅方向を単に「幅方向」(図中に符号Xで示す)という。
クローラ本体2の内部には、スチールコード等からなる無端状の抗張体が埋設され、また、補強のために複数の芯金がクローラ本体2の周方向Yに間隔をおいて埋設されている(図示せず)。クローラ本体2には、スプロケット係合用の複数の孔3が設けられている(以下、係合孔3という)。係合孔3は、クローラ本体2の肉厚方向に貫通して形成されており、スプロケットの歯が順次嵌るようにクローラ本体2の周方向Yに一定の間隔をおいて形成されている。係合孔3は、周方向Yに長い四角形状に形成されている。
クローラ本体2の外周面2aには、複数のラグ6a、6b、7a、8aが外方に突出して形成されている。各ラグ(6a、6b、7a、8a)は、クローラ本体2の周方向Yに一定の間隔をおいて形成されている。図1に示すように、各ラグは、周方向Yで隣り合う係合孔3の間の領域で幅方向Xに沿って形成されている。
図1に示すように、第1実施形態に係るクローラ本体2には、ラグの幅方向Xの長さが長い長ラグ部6と、これよりも幅方向Xの長さが短い短ラグ部7と、同様に幅方向Xの長さが短い短ラグ部8とが周方向Yの交互に形成されている。長ラグ部6には、2つのラグ6a、6bが形成され、短ラグ部7、8には、1つのラグ7a、8aが形成されている。2つのラグ6a、6bが形成された長ラグ部6は、周方向Yで隣合う係合孔3の間の部分を除いてゴムクローラ1の幅方向Xのほぼ全幅にわたってラグ部分が形成されている。
各ラグ(6a、6b、7a、8a)の頂部には、平坦面状で長方形状の頂面9が形成されている。図2の断面図における各ラグの頂面9の周方向Yの幅a(平面視における長手方向の中央部の幅a:図1の例では、各ラグの頂面9の周方向Yの長さa)は、耐外傷性能(耐カット性能)に優れるという点から、18mm以上であり、好ましくは20mm以上、より好ましくは22mm以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは30mm以下、より好ましくは26mm以下である。
各ラグ(6a、6b、7a、8a)は、図2に示すように、側面視(断面視)において、台形状に形成されている。各ラグは、周方向Yの一方側と他方側に、クローラ本体2の外周面2aに対して所定の角度θで傾斜する立面11(周方向Yの一方側及び他方側の一対の立面11)が形成されている(以下、立面11とクローラ本体2の外周面2aに沿って引いた直線Mとがなす角度を傾斜角度θという)。この例では、各ラグの周方向Yの一方側の立面11の傾斜角度θは、このラグの周方向Yの他方側の立面11の傾斜角度(θ)と等しいが、異なる傾斜角度でもよい。
前記傾斜角度(θ)は、耐外傷性能(耐カット性能)に優れるという点から、16〜19度が好ましく、17〜19度がより好ましく、18〜19度が更に好ましい。
図2の断面図に示すように、各ラグ(6a、6b、7a、8a)は、側面視(断面視)において、各ラグの周方向Yの一方側と他方側に、円弧状に湾曲した凹部12R(周方向Yの一方側及び他方側の一対の凹部12R)を有する根元12(基部12)が形成されている。
凹部12Rは、曲率半径(R)が15〜45mmの円弧状に湾曲した曲面形状を有している。該曲率半径は、耐外傷性能(耐カット性能)に優れるという点から、15〜40mmが好ましく、15〜35mmがより好ましく、20〜30mmが更に好ましい。
各ラグ(6a、6b、7a、8a)は、根元12によって、ラグの周方向Yにおける立面11とクローラ本体2の外周面2aとが連続状につながっている。つまり、各ラグにおいて、立面11とは、ラグ先端側(ラグ頂面側)の傾斜角度(θ)で傾斜する平面部である。根元12とは、立面11とクローラ本体2の外周面2aとを連続状につなげる部位であり、本発明では、所定の曲率半径を持つ円弧状に湾曲した凹部を少なくとも1つ有する部位(基部)である。
各ラグは、クローラ本体2の外周面2aからその頂面9までの高さ(ラグ高さ)がほぼ等しく形成されているが、異なるラグ高さを有するものでもよい。該ラグ高さ(図2では、H11+H12)は、20〜40mmが好ましく、30〜40mmがより好ましい。
図2に示すように、各ラグの立面11の高さH11、根元12の高さH12の比(H11/H12)は、0.10〜2.00が好ましく、0.20〜1.80がより好ましい。
各ラグの根元12の周方向Yの長さbは、耐外傷性能(耐カット性能)に優れるという点から、35〜55mmが好ましく、35〜50mmがより好ましく、35〜45mmが更に好ましい。なお、図2に示すように、該長さbは、各ラグの立面11に沿ってタイヤ本体2の外周面2aに向かって引いた直線(2点鎖線Mで示す)とタイヤ本体2の外周面2aに沿って引いた直線(2点鎖線Mで示す)との交点P同士の周方向の距離である。
図3の第2実施形態では、第1実施形態と同様に、クローラ本体2に係合孔3が形成され、長ラグ部6と短ラグ部7、8が周方向Yに交互に形成されている。第2実施形態では、図3の断面図に示すように、各ラグ(6a、6b、7a、8a)の形状が第1実施形態と異なる。
図3に示すように、各ラグは、周方向Yの一方側と他方側に、クローラ本体2の外周面2aに対して所定の角度θで傾斜する立面11(周方向Yの一方側及び他方側の一対の立面11)が形成されている。図3の第2実施形態では、図2の第1実施形態と傾斜角度θが同一の例を示しているが、異なるものでもよい。傾斜角度θの好ましい範囲は、前記と同様である。
図3の断面図に示すように、各ラグ(6a、6b、7a、8a)は、側面視(断面視)において、各ラグの周方向Yの一方側と他方側に、円弧状に湾曲した凹部12R1及び凹部12R2(周方向Yの一方側及び他方側の一対の凹部12R1及び一対の凹部12R2)を有する根元12(基部12)が形成されている。凹部12R1、凹部12R2は、互いに異なる曲率半径R15〜45mmの円弧状に湾曲した曲面をそれぞれ有している。図2の実施形態は、凹部12R1が20mm、凹部12R2が30mmの曲率半径の形態であり、凹部12R1と凹部12R2とが連続状につながった形状を有している。該曲率半径の好ましい範囲は、前記と同様である。
前記ラグを構成するゴム組成物は、破断時伸び(EB)が670%以上の加硫ゴム組成物である。すなわち、前記ラグは、破断時伸びが670%以上の加硫ゴム組成物(加硫後ゴム組成物)からなる。該破断時伸び(25℃)は、675%以上が好ましい。下限以上にすることで、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られる傾向がある。上限は特に限定されないが、摩耗時の外観の観点からは、900%以下が好ましく、850%以下がより好ましい。
前記ラグを構成するゴム組成物は、70℃のtanδが0.22以上の加硫ゴム組成物である。すなわち、前記ラグは、70℃のtanδが0.22以上の加硫ゴム組成物(加硫後ゴム組成物)からなる。該tanδ(70℃)は、0.24以上が好ましく、0.26以上がより好ましい。下限以上にすることで、石と接触した際に入力されるエネルギーを熱に変換し、カットが発生しにくくなる傾向がある。上限は特に限定されないが、耐熱性の点から、0.30以下が好ましく、0.28以下がより好ましい。
前記ラグを構成するゴム組成物は、100%伸張時の応力(M100)が1.5以上の加硫ゴム組成物であることが好ましい。すなわち、前記ラグは、好ましくはM100が1.5以上の加硫ゴム組成物(加硫後ゴム組成物)からなる。該M100は、1.7以上が好ましく、2.0以上がより好ましい。下限以上にすることで、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られる傾向がある。上限は特に限定されないが、トラクションの点から、4.0以下がより好ましく、3.5以下が更に好ましい。
なお、本明細書において、EB(25℃)、tanδ(70℃)、M100は、実施例に記載の方法により測定される値である。
次に、ラグ用ゴム組成物(ラグを構成する(未加硫)ゴム組成物)について説明する。
ラグ用ゴム組成物は、ゴム成分としては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチル系ゴムなどが挙げられる。なかでも、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られるという点から、SBR、イソプレン系ゴムが好ましい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。非変性SBR、変性SBRのいずれでもよい。SBR比率をアップさせることで、tanδを向上できる。なかでも、相乗的にラグ根元のカット傷抑制効果が得られるという点から、分子量分布(Mw/Mn)1.7以上のSBRが好ましい。
SBRの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.7以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.3以上である。1.7以上にすることで、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られる傾向がある。Mw/Mnの上限は特に限定されないが、好ましくは2.7以下、より好ましくは2.5以下である。なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
ラグ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中のMw/Mn1.7以上のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上である。50質量%以上であると、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られる傾向がある。上記含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)製、JSR(株)製、旭化成(株)製、日本ゼオン(株)製の溶液重合SBRを使用できる。
イソプレン系ゴムとしては、合成イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。なかでも、NR、IRが好ましく、NRがより好ましい。
ラグ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量が5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。該含有量の上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
ラグ用ゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。これにより、耐外傷性能(耐カット性能)が得られる。
使用できるカーボンブラックとしては、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、90m/g以上が更に好ましい。下限以上にすることで、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、125m/g以下が更に好ましい。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
ラグ用ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは50質量部以上である。下限以上にすることで、良好な耐外傷性能(耐カット性能)が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは65質量部以下である。上限以下にすることで、カーボンブラックの良好な分散が得られる傾向がある。
ラグ用ゴム組成物は、イソプレン−スチレン樹脂又はジシクロペンタジエン樹脂を含むことが好ましい。イソプレン−スチレン樹脂は、少なくとも構成モノマーとしてイソプレン及びスチレンを含む樹脂であり、例えば、C5C9共重合樹脂等が挙げられる。ジシクロペンタジエン樹脂は、少なくとも構成モノマーとしてジシクロペンタジエンを含む樹脂であり、例えば、ジシクロペンタジエン留分を熱重合したジシクロペンタジエン系石油樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソプレン−スチレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂としては、東ソー社製等の製品を使用できる。
ラグ用ゴム組成物において、イソプレン−スチレン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。下限以上にすることで、EBが増加する傾向がある。また、上記含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
ラグ用ゴム組成物において、ジシクロペンタジエン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。下限以上にすることで、EBが増加する傾向がある。また、上記含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
ラグ用ゴム組成物において、イソプレン−スチレン樹脂及びジシクロペンタジエン樹脂の合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。下限以上にすることで、EBが増加する傾向がある。また、上記含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
ラグ用ゴム組成物は、オイルを含んでもよい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、プロセスオイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品が挙げられる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは7質量部以下である。上限以下にすることで、EBが増加する傾向がある。また、上記含有量の下限は特に限定されないが、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.0質量部以上である。
ラグ用ゴム組成物には、前記成分の他、ゴム工業において一般的に用いられている添加剤を配合することができ、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどの充填剤、ワックス、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛等を例示できる。
例えば、シリカを用いることで(例えば、ゴム成分100質量部に対して、7〜10質量部程度)、EBを向上できる。フィラーを充てんすることで破断強度(TB)は向上する一方で、EBは低下するが、シリカはカーボンブラックほどポリマーとの結合が強くないため、EBの低下は小さい。従って、カーボンブラックを一部シリカに置換することにより、硬さを維持しつつEBを確保でき、耐カット性能に有利となる。
ラグを構成する加硫ゴム組成物(加硫後ゴム組成物)は、例えば、前記各成分を含むラグ用ゴム組成物をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。また、ゴムクローラは、ラグ用ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:TSR20
SBR1:スチレンブタジエンゴム1(Mn/Mw=1.8)
SBR2:スチレンブタジエンゴム2(Mn/Mw=1.4)
カーボンブラック1:NSA111m/g
カーボンブラック2:NSA75m/g
C5C9共重合樹脂:イソプレン−スチレン共重合樹脂(東ソー(株)製「ペトロタック70」)
ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂):日本ゼオン(株)製「クイントン1325」
老化防止剤6C:N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン
老化防止剤RD:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
オイル:プロセスオイル
硫黄:粉末硫黄
加硫促進剤NS:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
<実施例及び比較例>
表1、表2に示す配合内容のラグ用ゴム組成物、スチールコードからなる無端状の抗張体、複数の芯金等を用いて、図1、3の形態のゴムクローラを製造した。
なお、ラグ用ゴム組成物は、150℃で35分間加硫する加硫条件により、加硫ゴム組成物(加硫後ゴム組成物)を有するラグを作製した(ラグ形状:表1、表2に記載)。
(破断時伸び(25℃))
150℃で35分間加硫する前記加硫条件により作製した加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K 6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、25℃にて引張試験を実施し、破断時伸びEB(%)を測定した。
(tanδ(70℃))
粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%及び動歪2%の条件下で、150℃で35分間加硫する前記加硫条件により作製した加硫ゴム組成物の損失正接(tanδ)を測定した。
(100%伸張時の応力(M100))
150℃で35分間加硫する前記加硫条件により作製した加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準拠し、25℃にて引張試験を実施し、M100(MPa)を測定した。
(外傷に対する耐久性(耐カット性))
150℃で35分間加硫する前記加硫条件により作製した加硫ゴム組成物から巾10cm、長さ30cm、厚さ1cmのゴムサンプルを作製した。作製したゴムサンプルの上に砂利をしきつめ、10kgの荷重をかけたローラを5cm/秒の速さで連続12時間走らせた。そのゴムサンプルに生じた損傷の大きさを計測した。実施例1のゴムサンプルの損傷を100とし、各配合の耐久性を指数表示した。この指数が大きいほど傷が小さく、耐久性(耐カット性)に優れていることを示す。90以上であれば、実用的に問題ない。
Figure 0006866739
Figure 0006866739
表1から、所定の曲率半径を有する凹部を根元に有し、かつ頂面の幅が18mm以上のラグを持ち、更に所定のEB、tanδも有する実施例のゴムクローラは、所定のEB、tanδも有さない比較例、所定の形状を有さない比較例のゴムクローラに比べ、ラグの根元部の耐カット性に優れていた。
表2から、ラグ配合において、Mw/Mnが1.7以上のSBRの使用や、該SBRとイソプレン−スチレン樹脂又はジシクロペンタジエン樹脂の併用により、耐カット性が相乗的に改善されることが明らかとなった。
1 ゴムクローラ
2 クローラ本体
2a クローラ本体の外周面
3 スプロケット係合用の孔
6、7、8(6a、6b、7a、8a) ラグ
9 ラグの頂面
a ラグの頂面の周方向の幅
b ラグの根元の周方向の長さ
11 立面
12 根元(基部)
12R、12R1、12R2 凹部
X 幅方向
Y 周方向

Claims (3)

  1. 少なくとも1つのラグを備えたゴムクローラであって、
    前記ラグの、平面視における長手方向の中央部において、該長手方向に垂直な断面は、曲率半径が15〜45mmで円弧状に湾曲した凹部を少なくとも1つ根元に有し、かつ頂面の幅が18mm以上であり、
    前記ラグを構成するゴム組成物は、破断時伸びが670%以上で、かつ70℃のtanδが0.22以上である加硫ゴム組成物であるゴムクローラ。
  2. 前記ゴム組成物は、ゴム成分100質量%中の分子量分布(Mw/Mn)1.7以上のスチレンブタジエンゴムの含有量が50質量%以上である請求項1記載のゴムクローラ。
  3. 前記ゴム組成物は、イソプレン−スチレン樹脂又はジシクロペンタジエン樹脂を含む請求項1又は2記載のゴムクローラ。
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