JP6866578B2 - デュアルクラッチ式変速機の制御装置 - Google Patents

デュアルクラッチ式変速機の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンと変速機構との間に、エンジン側からトルクコンバータと、2つのクラッチを含むクラッチ装置とが設けられ、エンジンから変速機構の出力軸に接続された車両駆動系への駆動力伝達経路を、それぞれのクラッチを介する経路間で切替可能なデュアルクラッチ式変速機の制御装置に関する。
従来、エンジンからの動力伝達を断接可能なクラッチを2つ備え、エンジンから車両駆動系への駆動力伝達経路をいずれかのクラッチを介する系統間で切替可能なデュアルクラッチ式変速機が知られている。
このようなデュアルクラッチ式変速機を搭載した車両において、車両の発進を円滑に行うために、2つのクラッチの容量を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、車両の発進を円滑に行うために、クラッチ装置の入力軸側にトルクコンバータを備えたデュアルクラッチ式変速機も知られている。
特開2007−170640号公報
例えば、デュアルクラッチ式変速機を搭載した車両においては、停車時には、一般的には、2つのクラッチが断状態にされている。このため、運転者がブレーキペダルから足を離してしまうと、ブレーキが利かなくなり、車両が位置する路面の勾配に従って車両が動いてしまう虞がある。
例えば、車両を上り坂に停止させている状態から発進させる時、所謂坂道発進時には、ブレーキペダルから足を離して、アクセルペダルを踏むまでの間に車両が後ろに下がってしまい、後続車と衝突したりする可能性がある。
そこで、本発明は、車両が意図せず動いてしまうことを適切に防止することのできる技術を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明の一観点に係るデュアルクラッチ式変速機の制御装置は、エンジンと変速機構との間に、エンジン側からトルクコンバータと、2つのクラッチを含むクラッチ装置とが設けられ、エンジンから変速機構の出力軸に接続された車両駆動系への駆動力伝達経路を、それぞれのクラッチを介する経路間で切替可能なデュアルクラッチ式変速機の制御装置であって、車両の速度が所定速度以下である場合に、一方のクラッチと出力軸との間が所定の発進段の状態に設定され、他方のクラッチと出力軸との間が発進段と異なる変速段の状態に設定されている状態で、2つのクラッチを接状態に制御する停止制御手段と、車両を発進させる発進操作が行われたか否かを判定する発進操作判定手段と、発進操作判定手段により、発進操作が行われたと判定された場合に、2つのクラッチの内の他方のクラッチを接状態から断状態に制御することにより、車両を発進させる発進制御手段と、を備える。
上記デュアルクラッチ式変速機の制御装置において、車両のフットブレーキがオフになったか否かを判定するブレーキ判定手段を更に備え、停止制御手段は、車両が所定速度以下である場合に、一方のクラッチと出力軸との間を所定の発進段の状態に設定するとともに、他方のクラッチと出力軸との間が発進段と異なる変速段の状態に設定しておき、ブレーキ判定手段により、フットブレーキがオフになったと判定された場合に、2つのクラッチを接状態に制御するようにしてもよい。
また、上記デュアルクラッチ式変速機の制御装置において、停止制御手段は、車両が所定速度以下になった直後に、2つのクラッチを接状態に制御するようにしてもよい。
また、上記デュアルクラッチ式変速機の制御装置において、車両が位置する路面の勾配が所定の勾配よりも急であるか否かを判定する路面勾配判定手段を更に備え、停止制御手段は、路面勾配判定手段により路面の勾配が所定の勾配よりも急であると判定されている場合に、2つのクラッチを接状態に制御するようにしてもよい。
本発明によれば、車両が意図せず動いてしまうことを適切に防止することができる。
本発明の一実施形態に係るデュアルクラッチ装置を備えるデュアルクラッチ式変速機を示す模式的な構成図である。 本発明の一実施形態に係る停止発進制御処理のフローチャートである。
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るデュアルクラッチ式変速機の制御装置を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の一実施形態に係るデュアルクラッチ装置を備えるデュアルクラッチ式変速機を示す模式的な構成図である。
デュアルクラッチ式変速機1は、駆動源であるエンジン10の出力軸11に接続されている。
デュアルクラッチ式変速機1は、トルクコンバータ15と、第1及び第2クラッチ21,22を有するデュアルクラッチ装置20と、変速機構30と、制御装置80と、作動油調整部85と、エンジン回転数センサ92と、車速センサ93(出力回転数センサともいう)と、ブレーキペダルセンサ94と、アクセル開度センサ95と、シフトポジションセンサ96とを備えている。
トルクコンバータ15は、エンジン10の出力軸11に接続されたポンプ16と、ポンプ16と対向するように配置され、デュアルクラッチ装置20の入力軸19と接続されるタービン17と、出力軸11と入力軸19との間を機械的に断接可能なロックアップクラッチ18とを有する。
第1クラッチ21は、例えば、湿式多板クラッチであって、トルクコンバータ15のタービン17に接続された入力軸19と一体回転するクラッチハブ23と、変速機構30の第1入力軸31と一体回転する第1クラッチドラム24と、複数枚の第1クラッチプレート25と、第1クラッチプレート25を圧接する第1ピストン26と、第1油圧室26Aとを備えている。
第1クラッチ21は、第1油圧室26Aに供給される作動油圧によって第1ピストン26が出力側(図1の右方向)にストローク移動すると、第1クラッチプレート25が圧接されて、トルクを伝達する接続状態となる。一方、第1油圧室26Aの作動油圧が解放されると、第1ピストン26が図示しないスプリングの付勢力によって入力側(図1の左方向)にストローク移動されて、第1クラッチ21は動力伝達を遮断する切断状態(断状態)となる。なお、以下の説明では、クラッチハブ23と第1クラッチドラム24とが異なる回転数で回転しつつ、第1クラッチプレート25を介してトルクが伝達される状態を第1クラッチ21の半クラッチ状態と称する。
第2クラッチ22は、例えば、湿式多板クラッチであって、クラッチハブ23と、変速機構30の第2入力軸32と一体回転する第2クラッチドラム27と、複数枚の第2クラッチプレート28と、第2クラッチプレート28を圧接する第2ピストン29と、第2油圧室29Aとを備えている。
第2クラッチ22は、第2油圧室29Aに供給される作動油圧によって第2ピストン29が出力側(図1の右方向)にストローク移動すると、第2クラッチプレート28が圧接されて、トルクを伝達する接続状態となる。一方、作動油圧が解放されると、第2ピストン29が図示しないスプリングの付勢力によって入力側(図1の左方向)にストローク移動されて、第2クラッチ22はトルク伝達を遮断する切断状態となる。なお、以下の説明では、クラッチハブ23と第2クラッチドラム27とが異なる回転数で回転しつつ、第2クラッチプレート28を介してトルクが伝達される状態を第2クラッチ22の半クラッチ状態と称する。
変速機構30は、入力側に配置された副変速部40と、出力側に配置された主変速部50とを備えて構成されている。また、変速機構30は、副変速部40に設けられた第1入力軸31及び第2入力軸32と、主変速部50に設けられた出力軸33と、これらの軸31〜33と平行に配置された副軸34とを備えている。第1入力軸31は、第2入力軸32を軸方向に貫通する中空軸内に相対回転自在に挿入されている。出力軸33の出力端には、何れも図示しない車両駆動輪に差動装置等を介して連結されたプロペラシャフトが接続されている。
副変速部40には、第1スプリッタギヤ対41と、第2スプリッタギヤ対42とが設けられている。第1スプリッタギヤ対41は、第1入力軸31に固定された第1入力主ギヤ43と、副軸34に固定されて第1入力主ギヤ43と常時歯噛する第1入力副ギヤ44とを備えている。第2スプリッタギヤ対42は、第2入力軸32に固定された第2入力主ギヤ45と、副軸34に固定されて第2入力主ギヤ45と常時歯噛する第2入力副ギヤ46とを備えている。
主変速部50には、複数の出力ギヤ対51と、複数のシンクロ機構55とが設けられている。出力ギヤ対51は、副軸34に固定された出力副ギヤ52と、出力軸33に相対回転自在に設けられると共に出力副ギヤ52と常時歯噛する出力主ギヤ53とを備えている。シンクロ機構55は、公知の構造であって、何れも図示しないドグクラッチ等を備えて構成されている。シンクロ機構55の作動は、後述する制御装置80によって制御されており、シフトポジションセンサ96で検出される現在のシフトポジション、アクセル開度センサ95により検出されるアクセル開度、車速センサ93により検出される速度等に応じて、出力軸33と出力主ギヤ53とを選択的に係合状態(ギヤイン)又は非係合状態(ニュートラル状態)に切り替えるようになっている。なお、出力ギヤ対51やシンクロ機構55の個数、配列パターン等は図示例に限定されものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
エンジン回転数センサ92は、エンジン10の回転数(エンジン回転数)を検出し、制御装置80に出力する。車速センサ93は、出力軸33の回転数(出力軸回転数)を検出し、制御装置80に出力する。出力軸回転数からは、車速を特定することができる。ブレーキペダルセンサ94は、ブレーキペダルが踏み込まれているか否か、すなわち、ブレーキペダルがオンかオフかを検出する。アクセル開度センサ95は、アクセル開度を検出し、制御装置80に出力する。シフトポジションセンサ96は、操作レバーにより指定(選択)された位置(シフトポジション)を検出し、制御装置80に出力する。操作レバーでは、例えば、車両の停車中に使用するP(パーキング)レンジ、車両の変速機をニュートラルにする際に選択するN(ニュートラル)レンジ、自動変速を行う際に選択するD(ドライブ)レンジ、変速を運転者の操作で行う際に選択するM(マニュアル)レンジ、Mレンジでのシフトアップを指定するためのプラス(+)、Mレンジでのシフトダウンを指定するためのマイナス(−)等を選択することができる。
制御装置80は、エンジン10、トルクコンバータ15、デュアルクラッチ装置20、変速機構30等の各種制御を行うもので、公知のCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。これら各種制御を行うために、制御装置80には、各種センサ類(92〜96)のセンサ値が入力される。
制御装置80は、停止制御手段の一例としての停止制御部81と、ブレーキ判定手段の一例としてのブレーキ判定部82と、発進操作判定手段の一例としての発進操作判定部83と、発進制御手段の一例としての発進制御部84とを一部の機能要素として有する。これらの機能要素は、本実施形態では一体のハードウェアである制御装置80に含まれるものとして説明するが、これらの何れか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
停止制御部81は、車速センサ93からのセンサ値に基づいて、車速が所定の速度以下であるか否かを判定する。ここで、所定の速度としては、例えば、停止状態である0km/hとしてもよく、停止状態と極低速状態を含む3km/hとしてもよい。
また、停止制御部81は、車速が所定の速度以下である場合には、デュアルクラッチ式変速機1の状態を停止時の状態、すなわち、トルクコンバータ15のロックアップクラッチ18を断状態とし、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を断状態とし、シンクロ機構55により出力軸33と出力主ギヤ53とを係合状態とすることにより、第1クラッチ21から出力軸33の間又は第2クラッチ22から出力軸33の間の一方を発進段の状態にするとともに、他方を発進段とは別の変速段の状態に設定する。
また、停止制御部81は、ブレーキ判定部82によりフットブレーキがオフとなったと判定された場合には、第1クラッチ21及び第2クラッチ22の両クラッチが接状態となるように、油圧室26A,29Aへ供給する作動油の圧力を調整させる制御信号を作動油調整部85に供給する。これにより、第1クラッチ21及び第2クラッチ22が接状態となり、出力軸33が回転できない状態、すなわち、車両が動くことができない状態となる。
ブレーキ判定部82は、ブレーキペダルセンサ94によるセンサ値に基づいて、フットブレーキがオフとなったか否かを判定する。
発進操作判定部83は、運転者による発進操作があったか否かを判定する。本実施形態では、発進操作としては、例えば、アクセルペダルがオンされたこととしており、発進操作判定部83は、アクセル開度センサ95によるセンサ値に基づいて、アクセルペダルがオンされたか否かを判定する。
発進制御部84は、発進操作判定部83により発進操作があったと判定された場合には、第1クラッチ21と第2クラッチ22との内の発進段の状態となっている側のクラッチ(発進段側クラッチ)ではないクラッチ(非発進段側クラッチ)を接状態から断状態となるように、油圧室26A,29Aへ供給する作動油の圧力を調整させるための制御信号を作動油調整部85に供給する、。これにより、非発進段側クラッチの状態が接状態から断状態に変わっていき、発進段側クラッチが回転可能となるので、エンジン10からトルクコンバータ15を介してデュアルクラッチ装置20の入力軸19に伝達された駆動力は、発進段側クラッチを介して出力軸33に伝達され、車両が発進することとなる。
作動油調整部85は、例えば、リニアソレノイドバルブを有し、停止制御部81又は発進制御部84から供給される制御信号(制御用電流)に従って、図示しない油圧供給源から第1油圧室26Aに供給する作動油の量及び圧力及び第2油圧室29Aに供給する作動油の量及び圧力を調整する。
次に、制御装置80による停止発進制御処理について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る停止発進制御処理のフローチャートである。
停止発進制御処理は、例えば、シフトポジションがDレンジ、又はMレンジに設定されている場合のように、車両を直ちに発進可能な状態で停止させることのできる場合に実行される。
停止制御部81は、車速センサ93からのセンサ値に基づいて、車速が所定の速度以下であるか否かを判定する(ステップS11)。この結果、車速が所定の速度以下でない場合(ステップS11:NO)には、停止制御部81は、再びステップS11を実行する。
一方、車速が所定の速度以下である場合(ステップS11:YES)には、停止制御部81は、デュアルクラッチ式変速機1の状態を停止時の状態に設定する(ステップS12)。具体的には、停止制御部81は、トルクコンバータ15のロックアップクラッチを断状態とし、第1クラッチ21及び第2クラッチ22を断状態とし、シンクロ機構55により出力軸33と出力主ギヤ53とを係合状態とすることにより、第1クラッチ21から出力軸33の間又は第2クラッチ22から出力軸33の間の一方を発進段の状態にするとともに、他方を発進段とは別の変速段の状態に設定する。
次いで、ブレーキ判定部82は、ブレーキペダルセンサ94によるセンサ値に基づいて、フットブレーキがオフとなったか否かを判定する(ステップS13)。この結果、フットブレーキがオフとなっていない場合(ステップS13:NO)には、ブレーキ判定部82は、再びステップS13を実行する。
一方、フットブレーキがオフとなった場合(ステップS13:YES)には、停止制御部81は、第1クラッチ21及び第2クラッチ22の両クラッチが接状態となるように、作動油調整部85により油圧室26A,29Aへ供給する作動油の圧力を調整させる(ステップS14)。これにより、第1クラッチ21及び第2クラッチ22が接状態となる。このように、第1クラッチ21及び第2クラッチ22が接状態になると、デュアルクラッチ装置20の入力軸19と変速機構30の出力軸33との間が異なるギヤ比の2つの駆動力伝達経路で接続されるので、出力軸33が回転できない状態、すなわち、車両が動くことができない状態となる。したがって、車両が急な勾配の路面に位置していたとしても、動かない状態が維持される。
次いで、発進操作判定部83は、アクセル開度センサ95によるセンサ値に基づいて、発進操作があったか否かを判定する(ステップS15)。この結果、発進操作があったと判定されなかった場合(ステップS15:NO)には、発進操作判定部83は、再びステップS15を実行する。
一方、発進操作があったと判定された場合(ステップS15:YES)には、発進制御部84は、第1クラッチ21と第2クラッチ22との内の発進段の状態となっている側のクラッチ(発進段側クラッチ)ではないクラッチ(非発進段側クラッチ)を接状態から断状態となるように、作動油調整部85により油圧室26A,29Aへ供給する作動油の圧力を調整させ(ステップS16)、処理をステップS11に進める。これにより、非発進段側クラッチの状態が接状態から断状態に変わっていき、発進段側クラッチが回転可能となるので、エンジン10からトルクコンバータ15を介してデュアルクラッチ装置20の入力軸19に伝達された駆動力は、発進段側クラッチを介して出力軸33に伝達され、車両が円滑に発進することとなる。
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置80によると、車両の速度が所定速度以下である場合に、一方のクラッチと出力軸33との間が発進段の状態に設定され、他方のクラッチと出力軸33との間が発進段と異なる変速段の状態に設定されている状態で、2つのクラッチを接状態に制御するようにしたので、車両が意図せず動いてしまうことを適切に防止できる。また、本実施形態に係る制御装置80によると、車両を発進させる発進操作が行われたことが判定された場合に、2つのクラッチの内の非発進段側クラッチを接状態から断状態に制御するようにしたので、車両を適切に発進させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置80によると、車両が所定速度以下である場合に、一方のクラッチと出力軸33との間を発進段の状態に設定するとともに、他方のクラッチと出力軸33との間を発進段と異なる変速段の状態に設定しておき、フットブレーキがオフになったと判定された場合に、2つのクラッチを接状態に制御するようにしたので、車両が動いてしまう可能性が高い場合に、迅速に車両が動かないようにすることができる。
このように、本実施形態に係る制御装置80によると、車両が意図せず動いてしまうことを適切に防止できるので、例えば、クラッチを繋ぐ前までブレーキが利いた状態を維持するような既存の坂道発進補助装置(HSA:Hill Start Assist)を車両に備える必要がない。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、図2のステップS13,S14に示すように、フットブレーキオフを検出した場合に、両クラッチを接状態にするように制御していたが、本発明はこれに限られず、停止制御部81が、ステップS13のフットブレーキオフを検出する処理を実行することなく、両クラッチを接状態にするようにしてもよい。このようにすると、フットブレーキの状態に関わらず、車両を適切に停止させておくことができる。なお、両クラッチを接状態に維持するために、油圧を供給しておく必要がある構成である場合には、車両におけるエネルギ消費を抑える観点では、上記実施形態のようにフットブレーキオフ時に両クラッチを接状態に制御するようにした方が好ましい。
また、上記実施形態において、車両に、車両が位置する路面の勾配を計測可能な勾配センサ(例えば、加速度センサ)を備えるようにし、停止制御部81(路面勾配判定手段)が勾配センサにより検出された路面の勾配が所定の勾配よりも急であるか否かを判定し、路面勾配が所定の勾配よりも急であることを検出した場合に限って、図2のステップS13〜S16の制御を実行するようにし、それ以外の場合には、通常の発進制御を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、副変速部40を有するデュアルクラッチ式変速機1としていたが、本発明はこれに限られず、2つの入力軸と、1つの出力軸とを有し、一方のクラッチと出力軸33との間を駆動力伝達可能な状態にできる同時に、他方のクラッチと出力軸33との間を駆動力伝達可能な状態にできる構成であれば、副変速部40を有さないデュアルクラッチ式変速機であっても本発明を適用することができる。
1 デュアルクラッチ式変速機
10 エンジン
11 出力軸
15 トルクコンバータ
20 デュアルクラッチ装置
21 第1クラッチ
22 第2クラッチ
30 変速機構
40 副変速部
50 主変速部
80 制御装置
81 停止制御部
82 ブレーキ判定部
83 発進操作判定部
84 発進制御部
85 作動油調整部
92 エンジン回転数センサ
93 車速センサ
94 ブレーキペダルセンサ
95 アクセル開度センサ
96 シフトポジションセンサ

Claims (4)

  1. エンジンと変速機構との間に、前記エンジン側からトルクコンバータと、2つのクラッチを含むクラッチ装置とが設けられ、前記エンジンから前記変速機構の出力軸に接続された車両駆動系への駆動力伝達経路を、それぞれのクラッチを介する経路間で切替可能なデュアルクラッチ式変速機の制御装置であって、
    前記車両の速度が所定速度以下である場合に、一方のクラッチと前記出力軸との間が所定の発進段の状態に設定され、他方のクラッチと前記出力軸との間が前記発進段と異なる変速段の状態に設定されている状態で、2つの前記クラッチを接状態に制御する停止制御手段と、
    前記車両を発進させる発進操作が行われたか否かを判定する発進操作判定手段と、
    前記発進操作判定手段により、前記発進操作が行われたことが判定された場合に、2つの前記クラッチの内の前記他方のクラッチを接状態から断状態に制御することにより、前記車両を発進させる発進制御手段と、
    を備えるデュアルクラッチ式変速機の制御装置。
  2. 前記車両のフットブレーキがオフになったか否かを判定するブレーキ判定手段を更に備え、
    前記停止制御手段は、前記車両が前記所定速度以下である場合に、一方のクラッチと前記出力軸との間を所定の発進段の状態に設定するとともに、他方のクラッチと前記出力軸との間を前記発進段と異なる変速段の状態に設定しておき、前記ブレーキ判定手段により、前記フットブレーキがオフになったと判定された場合に、2つの前記クラッチを接状態に制御する
    請求項1に記載のデュアルクラッチ式変速機の制御装置。
  3. 前記停止制御手段は、前記車両が前記所定速度以下になった直後に、2つの前記クラッチを接状態に制御する
    請求項1に記載のデュアルクラッチ式変速機の制御装置。
  4. 前記車両が位置する路面の勾配が所定の勾配よりも急であるか否かを判定する路面勾配判定手段を更に備え、
    前記停止制御手段は、前記車両が前記所定速度以下であり、かつ、前記路面勾配判定手段により前記路面の勾配が前記所定の勾配よりも急であると判定されている場合に、2つの前記クラッチを接状態に制御する
    請求項1に記載のデュアルクラッチ式変速機の制御装置。
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