JP6865931B2 - 立体模様を有するシート状物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状物を加熱、エンボス加工により立体模様を形成する製造方法に関する。さらには、熱可塑性樹脂シートを熱ラミネートし、熱可塑性樹脂シートに立体模様を形成する製造方法に関する。
従来より、積層シートに凹凸模様を付与する方法が知られている。例えば、特許文献1にはエンボスロールとヒートロールからなるロータリーエンボス加工装置において、エンボスロールとヒートロールを加熱し、両ロール間を通過押圧させることにより加圧し、積層シートに凹凸模様を付与する方法が記載されている。また、複数の熱可塑性樹脂シートを熱ラミネートする方法が知られている。例えば、特許文献2には、予備熱処理ロールと1対の熱ラミネートロールを組合せ、シートをあらかじめ熱処理し、同種の合成樹脂シートとフィルムを熱処理しながらラミネートする方法が記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載の方法は、シートがあらかじめロールに直接接触して均一加熱が行われるため、シートのコブやフレヤーといった好ましくない不良部分が修正されると記載されているものの、補強用基材層、赤外線ヒータや立体模様を形成することで、変形などを抑制する寸法安定性の向上や効果的な加熱法、さらには意匠性の向上については記載もなく、これらのことを考慮されているとは言い難かった。
また、特許文献3には、2層の結晶性熱可塑性樹脂シートを熱溶着により積層、接着する熱ラミネート方法として、仮ラミネートと本ラミネートとの2段階に分けて行い、仮ラミネートでは両シートの接着表面近傍のみ結晶融解温度以上に加熱し、他の部分は結晶融解温度未満に保ち、本ラミネートでは両シートとも結晶融解温度以上に加熱した状態で接着させた後、室温まで冷却する熱ラミネート方法が記載されている。
しかしながら、特許文献3に記載の方法は、結晶性熱可塑性樹脂シートを、熱融着性接着剤を樹脂シートに施すことなく、充分な接着力で効率良く、高速でシートの歪み、変形、破断、ガイドローラとの粘着を防ぎつつラミネート(またエンボス)することができると記載されているものの、補強用基材層や赤外線ヒータを用いることで、変形などを抑制する寸法安定性の向上や効果的な加熱法については記載もなく、これらのことを考慮されているとは言い難かった。
また、特許文献4には、ポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂等のポリ塩化ビニル代替熱可塑性樹脂を使用した積層シートであっても、熱ラミネートすると同時にエンボスを施すいわゆるダブリングエンボス法の熱ラミネート法により、十分な層間密着性を得るための方法が記載されている。
しかしながら、特許文献4に記載の方法は、加熱しつつ押圧ロールによる連続方式のロールラミネート法が生産性に優れていることや、温度120℃でダブリングエンボス法がエネルギーの無駄も少なくしかも生産性良く効率的であると記載されているものの、補強用基材層や赤外線ヒータを用いることで、変形などを抑制する寸法安定性の向上や効果的な加熱法については記載もなく、これらのことを考慮されているとは言い難かった。
特開2007−276285号公報 特開昭59−12815号公報 特開平9−169055号公報 特開2002−127345号公報
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、効果的な加熱によって立体模様の賦形性に優れるとともに、熱ラミネートの際にはシートの歪が抑えられ、しかも高い生産効率を発揮する立体模様を有するシートの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]樹脂シートを含むシート状物からなるシートを製造する方法において、前記樹脂シートは熱可塑性樹脂を含み、
前記樹脂シート表面から距離10mm〜100mm離間して設置された少なくとも2種以上の赤外線ヒータによって加熱する加熱工程と、
前記赤外線ヒータによって加熱されたシート状物をエンボスロールとバックアップロールにより挟圧することで立体模様を形成するエンボス工程とを含み、
前記加熱工程は、エネルギー波長が1.5μm〜10.0μmの範囲内である中波赤外線ヒータによって加熱した後、エネルギー波長が0.8μm〜2.0μmの範囲内である短波赤外線ヒータによって加熱する工程であり、
前記加熱工程および前記エンボス工程をこの順に連続で行うことを特徴とする立体模様を有するシートの製造方法。
[2]前記熱可塑性樹脂は、エネルギー吸収波長が5.0μm〜10.0μmの範囲であるCH結合、CO結合、COC結合、C=O結合のいずれかを少なくとも有し、
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性樹脂である前項1に記載の立体模様を有するシートの製造方法。
[3]前記加熱工程の後に前記シート状物を2層以上積層する積層工程を含む前項1または2に記載の立体模様を有するシートの製造方法。
[4]前記シート状物の内1つは補強用基材である前項3に記載の立体模様を有するシートの製造方法。
[1]の発明では、熱可塑性樹脂シート表面から距離10mm〜100mm離間して設置された少なくとも2種以上の赤外線ヒータとしてエネルギー波長が1.5μm〜10.0μmの範囲内である中波赤外線ヒータによって加熱されることで、低温時に効率的に加熱することができ、エネルギー波長が0.8μm〜2.0μmの範囲内である短波赤外線ヒータは強力なエネルギーを持つことから高温時での昇温に優れる。すなわち、シート状物の表面から赤外線ヒータによって加熱することができるのでシート状物を十分均一に加熱することができるとともに、シート状物の内部を効果的に熱することができる。こうして、効果的な加熱によって立体模様の賦形性に優れ、熱ラミネートの際にはシートの歪が抑えられ、次工程のエンボス工程におけるエンボス柄等の立体模様の賦形性が向上する。しかも高い生産効率を発揮する。エンボス工程では、エンボスロールとバックアップロールにより熱可塑性樹脂シートを挟圧することで立体模様を形成することができる。
[2]の発明では、前記熱可塑性樹脂シートで吸収波長が5.0μm〜10.0μmにあるものとして効果的に吸収波長があるものはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性樹脂であるので、熱接着性及びエンボス柄等の立体模様の賦形性に優れる。
[3]の発明では、前記熱可塑性樹脂シートを含むシート状物が2層以上積層されたシートを製造する方法においてもシート状物の表面から赤外線ヒータによって加熱することができるのでシート状物を十分均一に加熱することができるとともにシート状物の内部を効果的に熱することができる。前記加熱工程の後に前記シート状物を2層以上積層する積層工程を経て、次工程のエンボス工程におけるエンボス柄等の立体模様の賦形性向上に貢献する。
[4]の発明では、前記シート状物の内1つを補強用基材とすることで、積層後のシートの歪の発生を一段と抑制することができるとともに、シート強度が向上し、より寸法安定性を高めることができる。
本発明の立体模様を有するシートの製造方法の一例を示す概略側面図である。 本発明の立体模様を有するシートの製造方法により製造された1層のシートの概略断面図である。 本発明の立体模様を有するシートの製造方法により製造された3層からなるシートの概略断面図である。 本発明の立体模様を有するシートの製造方法により製造された5層からなるシートの概略断面図である。
本発明に係る立体模様を有するシートの製造方法の一実施形態を図1に示す。図1ではシート状物S1〜S5の5層の例であるが、本発明はこの実施形態のものに特に限定されるものではない。シート状物S1〜S5は吸収波長が5.0μm〜10.0μmの範囲の熱可塑性樹脂を含む樹脂シートである。なお、シート状物S1〜S5である樹脂シートは、予熱ロール2a〜2eによってあらかじめ熱せられる予熱工程を経るのが好ましく、予熱後に積層工程へと搬送される。また、1層、すなわちシート状物S1のみからなるシートの場合は、積層工程を経ることなく加熱工程へと搬送される。
次に、加熱ロール4の表面からの距離10mm〜100mm離間して設置された赤外線ヒータ5a〜5dによって加熱する加熱工程において、赤外線ヒータ5a、5bは、エネルギー波長が1.5μm〜10.0μmの範囲内である中波赤外線ヒータであり、赤外線ヒータ5c、5dは、エネルギー波長が0.8μm〜2.0μmの範囲内である短波赤外線ヒータである。これらの赤外線ヒータ5a〜5dによって、十分に加熱することができる。
加熱工程を通して、積層されたシート状物S1〜S5は、シートの表面から赤外線ヒータ5a〜5dによって加熱され積層一体化されたシート状物、すなわち熱接着シートS’となる。かくして、熱接着シートS’は十分均一に加熱されるので効果的に内部が加熱され内部応力による歪が抑えられる。さらに、加熱ロール4によってシートの裏面から加熱してもよく、表面と裏面の両面から加熱することでより一層効果が高まる。また、十分に加熱されることで、次工程のエンボス工程におけるエンボス柄等の立体模様の効率的な賦形性が向上する。なお、シート状物S1からなるシートの場合も同様である。
続いて、熱接着シートS’を、エンボスロール6とバックアップロール7により挟圧することで立体模様を形成するエンボス工程を経て、立体模様を有するシートSを得ることができる。
かくして、加熱工程およびエンボス工程を連続で行うことで、歪が抑えられ、賦形性に優れるとともに、高い生産効率を発揮する立体模様を有するシートSの製造方法を提供できる。
なお、加熱工程の前に予熱工程を設けるのが好ましく、前記シート状物が2層以上の場合は、予熱工程の後に積層工程を設ける。この場合予熱工程、積層工程、加熱工程およびエンボス工程を連続で行うのが好ましい。さらに、エンボス工程の後に冷却ロール8a〜8dによって冷却するのが好ましい。
また、図2〜図4に本発明の製造方法により製造されたシートSの概略断面図を示す。いずれも表面側にはエンボス加工によって賦型された立体模様を有する(図示せず)。図2には1層(シート状物S1)のシートSの概略断面図を示す。図3には3層であって、シート状物S1〜S3が積層されたシートSの概略断面図を示す。また、図4には5層であってシート状物S1〜S5が積層されたシートSの概略断面図を示す。
本発明の製造方法によれば、十分に均一に加熱することができるとともに、シート状物S1〜S5を効果的に内部から熱することができるので、エンボス柄等の立体模様の賦形性にも優れるうえに、内部応力による歪を抑えることができ、高い生産性を発揮する。
本発明において、シート状物S1〜S5としては、吸収波長が5.0μm〜10.0μmにある熱可塑性樹脂を含む樹脂シートや、補強用基材等を挙げることができる。補強用基材は、前記樹脂シートと熱接着できるものであれば特に限定されない。前記吸収波長は、赤外分光法により求められる物質に吸収された赤外光の波長である。
前記補強用基材としては、例えばガラス基布、炭素繊維基布、アラミド繊維基布を挙げることができる。補強用基材を積層することで、より強度が向上するとともに、より寸法安定性が高まる。
また、シート状物に顔料等で印刷を施したシート状物を積層してもよい。例えば、グラビア印刷などの常法の印刷により多用な色柄や絵、案内情報、注意喚起、広告宣伝等を付与することができ、エンボス工程で形成する立体模様と相俟って優れた意匠性を発揮することも、情報表示としても利用できる。
本発明において、吸収波長が5.0μm〜10.0μmの範囲の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ポリスチレン系樹脂である。したがって、これらからなる群より選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性樹脂が好ましい。
本発明において、樹脂シートは、少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に、着色顔料や、例えば炭酸カルシウム、タルクなどの充填剤、酸化防止剤、滑剤等を配合した組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダー成形機を用いて所定の厚さのシートを成形することで得られる。
樹脂シートを含むシート状物S1〜S5は、ロールの形態で巻出し1a〜1eから巻き出されて予熱工程へ搬送される。
また、予熱工程の前後に張力調整機構を設けるのが好ましい。巻出し1a〜1eから斜行や湾曲することなく予熱工程、積層工程へとシート状物S1〜S5を搬送することで、徒に歪みに起因するしわの発生を抑制することができる。
(予熱工程)
本発明の製造方法には、予熱工程を追加し、それぞれのシート状物S1〜S5をあらかじめ加熱してもよい。前記予熱工程では、樹脂シートを含むシート状物S1〜S5を積層する前に、あらかじめ樹脂シートを加熱する。加熱する方法は特に限定されず、例えば、予熱ロール2a〜2e、赤外線ヒータ等を用いて加熱することができる。
予熱ロール2a〜2eの加熱方式としては、電気、蒸気及び加熱された油等による方法を挙げることができる。予熱ロール2a〜2eには、あらかじめ樹脂シートを含むシート状物S1〜S5それぞれの表面側及び/又は裏面側から加熱することで、温度斑の発生を抑えることができる(図1では、表側からの加熱の例を示す)。こうして次工程の積層工程におけるシート状物S1〜S5同士の馴染みをよくすることができる。
この予熱工程では、樹脂シートを予熱するが、樹脂シートを除くシート状物、例えばガラス基布、炭素繊維基布、アラミド繊維基布等の補強用基材には必須ではないが予熱するほうが好ましい。なお、予熱工程の温度を80℃〜170℃に設定するのが好ましい。さらに好ましくは100℃〜130℃の範囲である。
(積層工程)
本発明の製造方法には、複数のシート状物からシートを製造するに際には積層工程を追加する必要がある。前記積層工程では、予熱後の樹脂シートと、を含むシート状物S1〜S5を積層する。2層以上のシート状物S1〜S5を重ね合わせることで積層できるが、1対のロールで挟みながら積層していくのが好ましい。
(加熱工程)
本発明の加熱工程では、前記樹脂シート表面から距離10mm〜100mm離間して設置された赤外線ヒータ5a〜5dによって、積層されたシート状物S1〜S5を十分に加熱することができる。しかも赤外線ヒータ、すなわちエネルギー波長が1.5μm〜10.0μmの範囲内である中遠赤外線ヒータ5a、5bによって加熱された後、エネルギー波長が0.8μm〜2.0μmの範囲内である短波赤外線ヒータ5c、5dによって加熱することができる。このように2種類の赤外線ヒータを組合せることで、シート状物S1〜S5の内部を効果的に熱することができる。
前記中波赤外線ヒータのエレメント温度は800℃〜950℃にも達し、もう一方の短波赤外線ヒータのエレメント温度は1400℃〜2100℃にも達する。いずれの赤外線の輻射エネルギーも、その一部はシート状物の表面で反射、一部は透過、また一部は内部に吸収される。この赤外線の輻射エネルギーの吸収によって、シート状物の内部まで加熱することができる。
また、赤外線ヒータと他のヒータとを併用してもよく、例えば発熱線としてニクロム線を用いたシーズヒータ等を挙げることができる。なお、これらのヒータを組み合わせるとともに、それぞれのヒータを複数構成することでヒータ群として、前記樹脂シート表面から距離10mm〜100mm離間して順に中波赤外線ヒータ群、短波赤外線ヒータ群を配置するのが好ましい。また、例えば各ヒータ群をシート状物の幅方向を3分割して、異なる温度を設定できるようにしてもよい。
かくして、シート状物S1〜S5の表面から赤外線ヒータ5a〜5dによって加熱することができるのでシート状物S1〜S5を十分均一に加熱することができるとともに、シート状物S1〜S5の内部を効果的に熱することができる。こうして、加熱工程によって、次工程のエンボス工程におけるエンボス柄等の立体模様の賦形性が向上するとともに、複数のシート状物S1〜S5を積層したシート間の熱接着性が高めることができる。また、各ヒータ群の配置順序や、例えばシート状物S1〜S5の幅方向を3分割し、設定温度を管理することで、より均一に加熱することができる。
(エンボス工程)
本発明のエンボス工程では、赤外線ヒータ5a〜5dによって加熱され積層一体化されたシート状物S1〜S5、すなわち熱接着シートS’をエンボスロール6とバックアップロール7により挟圧することで立体模様を形成することができる。
エンボスロール6の模様は特に限定されず適宜設計すればよいが、凹凸模様をはじめとする立体模様や、無地調のシボ模様など多種多様な意匠のエンボスロール6を用いることができる。なお、エンボスロール8の温度を30℃〜60℃に設定するのが好ましい。さらに好ましくは35℃〜50℃の範囲である。
本発明の製造方法は、加熱工程およびエンボス工程を連続で行うが、前後の工程は問題のない範囲で重なって実施してもよい。なお、加熱工程の前に予熱工程を設けあらかじめ加熱してもよい。前記シート状物が複数のシート状物からシートを製造するに際には積層工程が必要である。この場合予熱工程、積層工程、加熱工程およびエンボス工程を連続で行う。さらに、エンボス工程の後に冷却工程を設けるのが好ましい。しかして、熱接着シートS’の歪が抑えられ、賦形性に優れるとともに、生産効率の高い立体模様を有するシートSの製造方法を提供することができる。
また、エンボス工程の後に立体模様を有するシートSを徐々に効果的に冷却するには、冷却工程を設けるのが好ましく、冷却ロールは複数設けるのが好ましい。冷却ロール8a〜8dの直径は300mm〜1000mmが好ましい。
また、冷却ロール8a〜8dの温度を20℃〜40℃に設定するのが好ましい。冷却ロール8a〜8dを複数設ける場合は、順に設定温度を低くなるよう設定することができる。例えば4本設けるとすると、順に温度を20℃〜30℃、温度を22℃〜32℃、温度を24℃〜34℃、温度を26℃〜36℃と設定できる。低温設定の冷却ロール8a〜8dでは水を用いればよく、水温より高い温度設定では予熱ロール2a〜2eと同様の加熱方式で温度設定すればよい。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。
<シート状物>
シート状物S1:上層シート ポリウレタン(融点177℃)、厚さ150μm
<装置及び設定温度>
予熱ロール2a〜2e:直径30cmの金属ロール、温度(熱媒:蒸気)
加熱ロール4:直径150cmの金属ロール
ヒータ5a、5b:中波赤外線ヒータ
ヒータ5c、5d:短波赤外線ヒータ
ヒータ群のシート状物S1との離間距離:100mm
シート状物S1の幅:1000mm
エンボスロール6:直径30cmの金属ロール、温度(熱媒:温水)40℃、シボ柄(深さ:1.0mm〜2.0mm)
エンボスロールプレス圧:0.55MPa
バックアップロール7:直径35cmの金属ロール(表面耐熱耐圧ゴム巻)、温度(媒体:温水)40℃
冷却ロール8a〜8d:直径57.2cmの金属ロール、温度(媒体:水)20℃
ライン速度:5m/分
<実施例1>
図1に示すような装置で、上記のシート状物S1を上記装置及び条件、ただし予熱ロール2a〜2e、加熱ロール4は室温のままとし、加熱工程ではヒータ5a、5bの中波赤外線ヒータの総電力が20.0kW、そしてヒータ5c、5dの短波赤外線ヒータの総電力が11.4kWとし、エンボス工程を実施して、立体模様を有するシートSを得た。得られたシートSは、エンボス付与率は80%で合格であった。シボ柄が十分に付与されたシートであった。
<実施例2>
実施例1のシート状物S1に、中層シートとしてシート状物S2(ポリウレタン(融点177℃、厚さ150μm)、下層シートとしてシート状物S3(ポリウレタン(融点177℃、厚さ150μm)の2層を積層して3層とし、加熱ロールを温度145℃に設定し、加熱工程の前に予熱工程(温度100℃)、積層工程を実施した以外は、実施例1と同様にして立体模様を有するシートSを得た。得られたシートSは、エンボス付与率は78%で合格であった。シボ柄が十分に付与されたシートであった。
<実施例3>
実施例1において、シート状物S1ポリウレタンに替えてポリプロピレン系樹脂(融点160℃、厚さ150μm)からなる樹脂シートを用い、加熱工程ではヒータ5a、5bの中波赤外線ヒータの総電力が17.5kWとした以外は実施例1と同様にして立体模様を有するシートSを得た。得られたシートSは、エンボス付与率は83%で合格であった。シボ柄が十分に付与されたシートであった。
<比較例1>
実施例1において、ヒータ5c、5dを用いず、ヒータ5a、5bのみを用いた以外は実施例1と同様にしてシートを得た。エンボス付与率は50%で不合格であった。
<比較例2>
実施例1において、ヒータ5a、5bを用いず、ヒータ5c、5dのみを用いた以外は実施例1と同様にしてシートを得た。エンボス付与率は45%で不合格であった。
<比較例3>
実施例1において、ヒータ5a〜5dのいずれも用いなかった以外は実施例1と同様にしてシートを得た。エンボス付与率は0%で不合格であった。
<比較例4>
実施例1において、シート状物S1とヒータ群との離間距離を200mmとした以外は実施例1と同様にしてシートを得た。エンボス付与率は30%で不合格であった。
<賦形性評価>
エンボス柄の賦形性を、エンボス付与率(%)として下記の式を用いて算出し、60%以上を合格とした。なお、表面柄の深さは、シートの断面を実体顕微鏡で観察した。
エンボス付与率(%)=100 × ( エンボス後の表面柄深さ / エンボスロール柄深さ )
本発明の製造方法で得られた立体模様を有するシートは、歪が抑えられ、立体模様を有するので、例えば屋内用床材、壁材等として用いられる。
S1〜S5…シート状物
S’…熱接着シート
S…シート
1a〜1e…巻出し
2a〜2e…予熱ロール
3…ニップロール
4…加熱ロール
5a〜5d…赤外線ヒータ
6…エンボスロール
7…バックアップロール
8a〜8d…冷却ロール
9…巻取り

Claims (4)

  1. 樹脂シートを含むシート状物からなるシートを製造する方法において、前記樹脂シートは熱可塑性樹脂を含み、
    前記樹脂シート表面から距離10mm〜100mm離間して設置された少なくとも2種以上の赤外線ヒータによって加熱する加熱工程と、
    前記赤外線ヒータによって加熱されたシート状物をエンボスロールとバックアップロールにより挟圧することで立体模様を形成するエンボス工程とを含み、
    前記加熱工程は、エネルギー波長が1.5μm〜10.0μmの範囲内である中波赤外線ヒータによって加熱した後、エネルギー波長が0.8μm〜2.0μmの範囲内である短波赤外線ヒータによって加熱する工程であり、
    前記加熱工程、前記エンボス工程の順に連続で行うことを特徴とする立体模様を有するシートの製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂は、エネルギー吸収波長が5.0μm〜10.0μmの範囲であるCH結合、CO結合、COC結合、C=O結合のいずれかを少なくとも有し、
    ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ポリスチレン系樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上の熱可塑性樹脂である請求項1に記載の立体模様を有するシートの製造方法。
  3. 前記加熱工程の後に前記シート状物を2層以上積層する積層工程を含む請求項1または2に記載の立体模様を有するシートの製造方法。
  4. 前記シート状物の内1つは補強用基材である請求項3に記載の立体模様を有するシートの製造方法。
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