JP6865827B2 - 安定化されたスルホン化ポリスチレン溶液 - Google Patents

安定化されたスルホン化ポリスチレン溶液 Download PDF

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Description

本発明は、スルホン化ポリスチレンのポリマーまたはコポリマーと、フェノール誘導体とを含む水性組成物に関する。さらに本発明は、スルホン化ポリスチレンの水溶液を、特に酸性形態で安定化させる方法を提供する。
スルホン化ポリスチレン、すなわちSPS、またはスルホン化ポリスチレン単位を有するコポリマーは、多くの用途で使用される。それは、セメント中の超可塑剤として、綿用の染料を改善する薬剤として、および燃料電池用途におけるプロトン交換膜として使用される。酸性形態、すなわちポリスチレンスルホン酸(PSSA)では、その樹脂は、有機合成において固体酸触媒として使用され、電子産業にとっては、導電性フィルムの成分として特に重要である。
これらの全ての用途に関して、その分子量が、使用される用途における(コ)ポリマーの性質に関係する。分子量の良好な制御が、今日の近代的な重合技術を用いて可能であり、結果として、スルホン化ポリスチレンは、その用途の正確な要件を満たすように身近に調製できる。
しかしながら、PSSA、およびスチレンスルホン酸基を有するコポリマーは、水溶液中で特に不安定であり、生成時の分子量を維持するために低温での保存を必要とする。したがって、製造業者から配合者までの運送の主要な方法は、塩形態として、すなわちポリスチレンスルホン酸塩(PSS)として運ばれる。これは、PSSが、水溶液中においてより安定しているからである。
PSSAは、中和剤を添加することにより、PSSへと変換できる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物によって、水性媒体中で、この変換が実行されるであろう(これらの塩基を用いる酸の中和によって、無機塩および水が生成される)。しかしながら、電子産業においては、無機塩の存在は腐食につながり得るもので、濃度により変動するシステムの導電率に大きな影響を及ぼすと見込まれるので、一般的には望ましくないと考えられる。
PSSを、運送後にPSSAに変換して戻すためには、強酸をポリマー溶液に添加して、ポリマー酸の方へと平衡を動かさなければならない。これは、通常は、PSSに硫酸を添加することによって達成されるが、これによって、付加的な無機塩である、アルカリまたはアルカリ土類の金属硫酸塩が生成される。ポリマー溶液からこれらの塩を取り除くための方法(イオン交換など)を使用しなければならず、その後、第2のステップがあらゆる過剰な酸を取り除くために必要である。これらのステップは両方とも、操作、特定の設備、および工程所要時間を必要とし、かつ配合者が行うには高価である。
溶液中のポリマーがポリマー分解を受けないことを保証しながら、低温冷却の必要性、または全ての後処理ステップの実施を配合者に要求することのない、水性のPSSA(コ)ポリマー溶液を提供する必要がある。
本発明の目的は、ポリマーの分子量を維持しながら、本技術分野における前述の必要性を少なくとも部分的に満たし、かつ低温冷却を必要とせずに輸送および保存できる溶液中のPSSA(コ)ポリマーの安定化形態を提供することである。本開示は、PSSAポリマーに関連するあらゆる副反応を効果的に防止すると見込まれる量のフェノール化合物を添加することにより、PSSA溶液を安定化させる方法に関する。
この目的の一環として、本開示は、優れた機械的および電気的性質をもたらす、高分子量のPSSA(コ)ポリマーを生産することを可能とする。さらに、副反応の減少または排除によって、より純粋なポリマー溶液が得られ、それを下流部門の配合者が利用することが可能となる。
電子デバイスの生産に非常に有益であると思われる、PSSAの「無機塩フリー」で「無機酸フリー」の溶液を提供することも、本発明の目的である。
本発明は、酸性形態のスルホン化ポリスチレン(SPS)ポリマーおよびコポリマーの水溶液に安定性を付与すると思われる組成物に関する。本開示の目的のために、スルホン化ポリスチレン(SPS)という用語は、スチレン環に直接結合しているスルホン酸基またはスルホン酸の対応する塩のいずれかを生成するように処理されたスチレン残基を含有する、あらゆるポリマーを意味すると意図される。ポリスチレンスルホン酸(PSSA)という用語は、以下、スチレン環に直接結合しているスルホン酸のみを含有するポリマーおよびコポリマーを意味する一方で、ポリスチレンスルホン酸塩(PSS)は、スルホン酸塩がスチレン環に結合している(コ)ポリマーを概して表わすために使用される。スルホン酸塩は、スルホン酸と、アルカリ金属(第1族金属)塩基、アルカリ土類金属(第2族金属)塩基、またはアンモニウム塩のいずれかとの産物であり得る。好ましいスルホン酸塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、およびアンモニウムである。
本発明のために定義されるように、スルホン化スチレンは、置換スチレンから作られたスルホン化ポリマーも包含し得る。そのような置換スチレンモノマーの非限定的な例は、2−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−ビニルビフェニル、2−ビニルナフタレン、1−ビニルナフタレン、または4−ベンズヒドリルスチレンである。
ポリマー鎖中にスルホン化スチレン残基を含有していることに加え、スルホン化スチレンのコポリマーは、本発明の範囲および幅内にもある。コポリマー中の他のモノマー残基は、スチレンと共重合できる、あらゆるアクリルまたはビニルモノマーとのスチレンの共重合から生じ得る。これらは、限定されるものではないが、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびにそれらの単純エステルと、酢酸ビニルおよび他のビニルエステルと、クロトン酸、マレイン酸、およびコハク酸、ならびにそれらの無水物と、アクリルアミド、オクチルアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、および第三級または第四級アミン基を含有しているモノマーとを包含する。ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート(DEGDA)、N,N−ジアリルアクリルアミド、2,2−ビス−[4−(2−アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、1−(アクリロイルオキシ)−3−(メタクリロイルオキシ)−2−プロパノール、トリエチレングリコールジアクリレート(TriEGDA)、およびトリシクロデカンジメタノールジアクリレートなどの、架橋ポリマーをもたらすと思われるモノマーも包含し得る。本開示には、コポリマーに組み入れることができ、そのポリマーを後のある時点でさらに修飾する(誘導体化または架橋など)ことを可能にすると思われるモノマーも包含される。これらのモノマー残基は、アリルグリシジルエーテル、アリルシラン、ビニルシラン、アリルシロキサン、ビニルシロキサン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、および潜在的な官能基を含有している他のモノマーなどのモノマーの使用によって、ポリマーに組み入れられる。
スチレンを含有するポリマーからSPSを調製し、その後、硫酸または三酸化硫黄により処理することが一般的に受け入れられている一方で、SPSを生成するための他の方法が報告されてきた。スルホン化スチレン残基をポリマーに組み入れるそのような1つの方法は、保護されたスチレンスルホン酸の原子移動ラジカル重合(ATRP)である(例えば、「Polymerization of Styrene Sulfonate Ethyl Ester by ATRP: Synthesis and Characterization of Macromonomers for Suzuki Polycondensation, Macromolecular Chemistry and Physics 207 (22): 2006」を参照されたい)。スルホン化スチレン残基がポリマーまたはコポリマーにどのように組み入れられるかにかかわらず、それらは全て、本開示の範囲内である。
特定のフェノール化合物を使用して、PSSAの水溶液へと導入される場合には、周囲条件または高温条件においてかなりの期間維持される、ポリマーまたはコポリマーの分子量を安定化させる効果がもたらされることが、今や見出された。試料は、最大1年間、分子量が顕著に変化することが全くなく、約25℃で保存された。周囲条件は、約5〜約50℃、およびおおよそ大気圧(1baraまたは約100,000Pa)として定義される。一実施形態では、温度は、約10〜40℃、または約20〜30℃の間となるであろう。
PSSAの水溶液は、典型的には、水中に(乾量基準で)約1〜約50パーセントのポリマーを含有する。本発明の一実施形態では、PSSAの溶液は、水溶液中に約5〜約40、約7〜約30、または約10〜約20重量パーセントのポリマーを含有する。
そのフェノール安定化化合物は、一連の置換フェノール化合物のうちの1つになり得る。フェノール安定化化合物の非限定的な例は、オイゲノール、没食子酸、シリンガ酸、カルバクロール、チモール、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、およびp−ニトロソフェノール、ならびにジニトロオルソクレゾール、2,4−ジニトロ−6−secブチルフェノール、2,4−ジニトロフェノール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、および2,4−ジニトロ−p−クレゾールである。2つの要素を、PSSA溶液安定剤を選択する際に考慮する必要がある。第1の要素は、水相における安定剤の溶解性である。ポリマー溶液中の安定剤が高濃度であることは、安定したポリマー分子量を与えるのには要求されないが、安定剤が、ある時間後に溶液から相分離または結晶化しないことが重要である。
第2の要素は、フェノール誘導体の電子的特性(electronics)である。本発明の一実施形態では、電子供与基を有するフェノール誘導体が使用される。好ましくは、PSSA溶液安定剤は、4−メトキシフェノールである。
PSSA溶液安定剤の選択は、周囲温度、ポリマー濃度、および保存の長さ、ならびに他の可能な変数に応じて異なるであろう。このため、有効量の安定剤を溶液に添加して分解を防ぐことが必要である一方で、最低レベルで使用して、ポリマー性能の障害となる可能性を減少させるのが好ましい(より高いレベルでは、これらの安定剤は、可塑剤および剥離剤として作用し得る)。
安定剤の有効なレベルは、溶液の総重量に対して、50〜5000ppmの間であろう。本発明の一実施形態では、安定剤は、約100〜約2500ppmで、溶液中に存在するであろう。さらに別の実施形態では、安定剤は、溶液の総重量に対して、約75〜4000ppm、85〜3000ppm、100〜約1000ppm、または500〜1000ppmの濃度で存在するであろう。
有効量の安定剤をPSSA溶液に添加すると、ポリマーの分子量の経時的な変化はわずかである。分子量は、重量平均分子量、すなわちMwとして本明細書で議論される。分子量の変化率は、本来の分子量で割られた、本来の分子量と新しい分子量との間の差として定義され、例えば、(初期Mw−新しいMw)/初期Mw*100によって算出できる。分子量は、GPCによって測定されるように算出される。安定剤を添加しないと、溶液中のPSSAは、初期の分子量のうちのかなりの量を経時的に失う可能性がある。有効量の安定剤の添加に伴って、分子量の変化は、25℃で90日保存した後に、初期の分子量の約25%未満であることが好ましい。本発明の一実施形態では、分子量は、25℃で12カ月後に、約10%未満降下するであろう。本発明の一実施形態では、分子量は、25℃で12カ月後に、約25%未満降下するであろう。別の実施形態では、分子量の変化は、25℃で12カ月後に、約10%未満となるであろう。本発明のさらに別の実施形態では、分子量は、25℃で12カ月後に、初期の分子量の約5%未満降下するであろう。本発明のさらに別の実施形態では、溶液中のPSSAの初期Mwは、25℃で90日、2カ月、または12カ月保存した後にも減少しない。
比率または量が与えられる場合、別に言及されなければ、それは重量に基づく。
パラメーターの減少は、関連する性質の数値が減少していない、または10%未満しか減少していない場合は、存在しないものとみなされる。
ここで本発明は、以下の非限定的な例によって例示されることとなる。本明細書の全体にわたって、別様に示されないのであれば、組成物の重量パーセントは、組成物の総重量に基づき、よって組成物の総重量は100wt%である。水溶性という用語は、25℃で、1リットルの脱塩水当たり少なくとも1gの量溶ける材料に使用される。使用される場合には、「成る」という用語は、「本質的に成る」ことも包含するが、随意に「全体的に成る」のその厳密な意味に制限されることもある。
本明細書の記載および特許請求の範囲の全体にわたって、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という言葉、ならびに例えば「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」等のそれらの言葉の変化形態は、「限定されないが包含する(including but not limited to)」を意味し、かつ他の部分、添加物、成分、整数、またはステップを除外しない。その上、文脈上他に要求されない限り、単数は複数を包含し:特に、不定冠詞が使用される場合、文脈上他に要求されない限り、本明細書は、単数ならびに複数を意図するものとして理解されるべきである。
上下限が、性質のために、例えば成分の濃度のために示される場合は、上限のいずれかと、下限のいずれかとの組み合わせにより定義される様々な値も示唆される。
本発明の様々な態様および実施形態の特徴は、本発明の他のあらゆる態様および実施形態の特徴と組み合わせてよいとも理解されるであろう。
実験
ポリスチレンスルホン酸の試料の全てを、液体三酸化硫黄を用いるポリスチレンの直接スルホン化によって、実験室で新たに調製した。
2年間にわたって、約1,000,000ダルトンのMwのPSSAの5つの個別バッチと、約200KダルトンのMwを有するPSSAを含む2つの個別バッチとを、様々な時間で試験した。
重量平均分子量(M)の測定を、UV検出器を備えるAgilent LC 1260システムを使用して達成した。そのカラムは、ZORBAX PSM 300およびZORBAX PSM 1000であった(6.2mm*250mm、5umの粒子径、両方ともAgilent Technologies、5301 Stevens Creek Blvd、Santa Claraから入手可能である)。その溶媒は、水80%およびアセトニトリル20%の混合物に、25mmolのギ酸アンモニウムを添加することにより調製した。カラムを通る流量は0.75mL/minであり、UV検出器は254nmで設定した。各運転で注入した試料体積は、10μLであった。
3種のポリスチレンスルホン酸塩標準液(注文番号STD20100、Jordi Labs LLC、Bellingham、Massachusetts)を、約2.0mg/mlで調製した:M 679k PSS+65.4k PSS+6.43k PSS;305k PSS+33.5k PSS +3.42k PSS;1020k PPS+0.891k PPS。第3回帰を較正に使用した。
[実施例1]
安定剤が関与しない、高Mwの比較用試料の分解
非安定化PSSA溶液の試料を、蒸留水中およそ5〜10重量%のポリマーで、新たに調製し(乾燥粉末として試験された無水と分類された試料以外)、その後、指定条件下で保存した。高Mの試料Aは、約1,065(kDa)の初期Mを有し、高Mの試料Bは、約1,097(kDa)の初期Mを有していた。約1116(kDa)の初期Mを有する固体の無水試料Cも調製した。これらの試料A、BおよびCを、以下の表1中に記載するように、経時的に分析した。
新たに調製された溶液は、約1のpHを有していた。室温と分類された試料を、周囲光条件下(直射日光から離すが、入射光からは保護しない)で、記された量の時間、ベンチ上で保存した。40℃の条件の試料を、光源を持たないオーブン内で維持した。4℃および−12℃の冷却した試料は、エージング試験の期間、暗所にも保存した。決められた時間で、試料を、それらの保存位置から取り除き、10μLの試料を抽出し、GPCによって分析した。その結果を、以下の表1に示す。
Figure 0006865827
Figure 0006865827
無水粉末を用いる試験は、PSSAの固有の不安定性を示す。
表1のデータから、比較用試料は、暗所に−12℃で冷凍保存されたものを除いて、初めの6カ月の間に著しくMを失ったことがわかる。
[実施例2]
高MwのPSSA試料に対するフェノール安定剤の有効性
高分子量のPSSAの溶液を、実験1(上記)に記載されるものと同じ様式にて調製し、安定化剤を、所定濃度で初期溶液に添加した。単純な機械的撹拌を使用して、PSSA溶液および安定化剤を混合した。その試料を、周囲光条件下(直射日光を避けるが、入射光からは保護しない)で、実験室のベンチトップ上で保存した。バイアルから少分量の材料を取り出して、以下の表2に報告するように、そのMのGPC測定で使用した。
Figure 0006865827
表2の結果は、安定剤によって、溶液中のPSSAポリマーに対するMの損失を減少可能であることを示す。発明者らが2500ppmのBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)を用いて処理したPSSAの試料は、2カ月の間に初期ポリマーのMの概ね20%が失われた一方で、4−メトキシフェノールを用いて処理した試料は、同じ時間枠で初期Mの概ね10%を失った。両方の安定剤は、安定剤を欠く試料を超える著しい改善を示した。表2に示されるように、4−メトキシフェノールは、2500〜500ppmの間の広い濃度範囲にわたり有効である。
[実施例3]
安定剤が関与しない、中間的Mwの比較用試料の分解
試料を、中分子量を有するPSSAを使用することを除いて、実施例1に記載されるように調製し、分析した。中Mwの試料Dは、約219(Kda)の初期Mwを有していた。約227(kDa)の初期Mwを有する固体の無水試料Eも調製した。
Figure 0006865827
Figure 0006865827
PSSAの固有の不安定性を示すために、無水粉末として試験した。
上記の結果は、室温以上では、PSSAポリマーの初期の分子量のおおよそ30%が42日で失われたが、冷蔵または冷凍条件下では、その分子量は6カ月を超えて維持されたことを示す。
[実施例4]
中間的MwのPSSA試料に対するフェノール安定剤の有効性
中分子量のPSSAポリマー溶液の試料を、実施例1および2に記載されるように調製し、分析した。4−メトキシフェノールを溶液に添加して、全濃度を500ppmとし、その後、試料を室温および周囲の照明条件下でエージングした。PSSAポリマー溶液および4−メトキシフェノールを混合するために単純な機械的撹拌を使用した。
Figure 0006865827
表4のデータから、500ppmの4−メトキシフェノールを含有するPSSAポリマー溶液の安定性は、6カ月超の間冷蔵保存された、または冷凍保存されたものと、概ね同等であったことを実証した。
[実施例5]
ポリマーの安定性に対する安定化濃度の影響
高MwのPSSAの試料を、上記実験1および2のように調製し、分析した。
Figure 0006865827
表5の結果は、高分子量のPSSA溶液の優れた安定性が、100ppm以上のレベルの4−メトキシフェノールで、少なくとも90日間得ることができることを示す。
本願発明には以下の態様が含まれる。
[1]
初期の重量平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸の水溶液と、
溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量を、25℃で90日保存した後に、前記初期の重量平均分子量の約25%、好ましくは約10%以内に維持するための、ある量のフェノール安定化化合物と
を含む組成物。
[2]
前記水溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の濃度が、前記ポリスチレンスルホン酸の乾燥重量に対して約1〜約50パーセントであり、前記水溶液が、少なくとも50パーセントの水を含有する、上記[1]に記載の組成物。
[3]
前記ポリスチレンスルホン酸の初期の重量平均分子量が、少なくとも200,000ダルトンである、上記[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記フェノール安定化化合物が、50ppm〜5000ppm、好ましくは100ppm〜2500ppm、より好ましくは500ppm〜1000ppmの濃度で存在する、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の組成物。
[5]
前記フェノール安定化化合物が、電子供与基を含む、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の組成物。
[6]
前記フェノール安定化化合物が、前記組成物の前記水溶液に可溶である、上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の組成物。
[7]
前記フェノール安定化化合物が、4−メトキシフェノールである、上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の組成物。
[8]
溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が、25℃で12カ月保存した後に、初期の重量平均分子量の約25%以内に維持される、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の組成物。
[9]
前記水溶液が、約0.1wt%未満の硫酸成分を含む、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の組成物。
[10]
少なくとも200,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸の水溶液を含み、前記水溶液が、約0.1wt%未満の硫酸成分を有し、前記溶液が、約100ppm〜約1000ppmの濃度範囲でフェノール安定化化合物を含む、上記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の組成物。
[11]
前記フェノール安定化化合物が、4−メトキシフェノールである、上記[10]に記載の組成物。
[12]
前記水溶液が、約0.1wt%未満の無機塩成分を含む、上記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の組成物。
[13]
ポリスチレンスルホン酸の水溶液を安定化させる方法であって、前記水溶液に有効量のフェノール安定化化合物を添加することを含み、溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が、25℃の温度で90日間保存された後に、その初期値の少なくとも75%、好ましくは90%を保持する、方法。
[14]
前記フェノール安定化化合物が、4−メトキシフェノールである、上記[13]に記載の方法。
[15]
前記4−メトキシフェノールが、溶液の総重量に対して、100〜5000ppm、好ましくは100〜2500ppm、より好ましくは500〜約1000ppmの濃度で存在する、上記[14]に記載の方法。

Claims (18)

  1. 初期の重量平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸の水溶液と、
    50ppm〜5000ppmの濃度のフェノール安定化化合物と、を含み、
    溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量は、25℃で90日間保存した後、25%未満の減少であることを意味する安定した、組成物であって、
    前記フェノール安定化化合物が、オイゲノール、没食子酸、シリンガ酸、カルバクロール、チモール、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、p−ニトロソフェノール、ジニトロオルソクレゾール、2,4−ジニトロ−6−secブチルフェノール、および2,4−ジニトロフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、
    組成物。
  2. 前記水溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の濃度が、1〜50パーセントであり、前記水溶液が、少なくとも50パーセントの水を含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポリスチレンスルホン酸の初期の重量平均分子量が、少なくとも200,000ダルトンである、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記フェノール安定化化合物が、100ppm〜2500ppmの濃度で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記フェノール安定化化合物が、500ppm〜1000ppmの濃度で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記フェノール安定化化合物が、電子供与基を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記フェノール安定化化合物が、前記組成物の前記水溶液に可溶である、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記フェノール安定化化合物が、4−メトキシフェノールである、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 溶液中の前記ポリスチレンスルホン酸の重量平均分子量が、25℃で12カ月保存した後に、初期の重量平均分子量の25%以内に維持される、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記水溶液が、0.1wt%未満の硫酸成分を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 少なくとも200,000ダルトンの重量平均分子量を有するポリスチレンスルホン酸の水溶液を含み、前記水溶液が、0.1wt%未満の硫酸成分を有し、前記溶液が、100ppm〜1000ppmの濃度範囲でフェノール安定化化合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記フェノール安定化化合物が、4−メトキシフェノールである、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記水溶液が、0.1wt%未満の無機塩成分を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. ポリスチレンスルホン酸の水溶液を安定化させる方法であって、
    前記水溶液に、50〜5000ppmの濃度のフェノール安定化化合物を混合して、請求項1で定義された安定した溶液とする、方法であり、
    前記フェノール安定化化合物が、オイゲノール、没食子酸、シリンガ酸、カルバクロール、チモール、2−メトキシフェノール、4−メトキシフェノール、p−ニトロソフェノール、ジニトロオルソクレゾール、2,4−ジニトロ−6−secブチルフェノール、および2,4−ジニトロフェノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、方法。
  15. 前記フェノール安定化化合物が、4−メトキシフェノールである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記4−メトキシフェノールが、溶液の総重量に対して、100〜5000ppmの濃度で存在する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記4−メトキシフェノールが、溶液の総重量に対して、100〜2500ppmの濃度で存在する、請求項15に記載の方法。
  18. 前記4−メトキシフェノールが、溶液の総重量に対して、500〜1000ppmの濃度で存在する、請求項15に記載の方法。
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