JP6865549B2 - ホッパ躯体の施工方法およびサイロホッパ部 - Google Patents
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Description
サイロホッパ部は、払出空間を挟むように形成されたホッパ躯体により形成されている。ホッパ躯体は、サイロホッパ部の傾斜面を形成する上部躯体と、上部躯体を支持するとともに払出空間の側壁を形成する下部躯体とを備えているのが一般的である。
そのため、特許文献1や特許文献2には、コンクリートとライニング板とが一体化されたホッパ躯体を形成するホッパ躯体の構築方法が開示されている。このホッパ躯体の構築方法では、傾斜面を形成するライニング板を裏側型枠板から間隔をあけて配設するとともに裏側型枠板とライニング板とを緊結具で緊結した後、ライニング板と裏側型枠板との間にコンクリートを打設する。
このような観点から、本発明は、施工時の省力化および工期短縮化を図るとともに、施工費の低減化を図ることを可能としたホッパ躯体の施工方法およびサイロホッパ部を提案することを課題とする。
また、前記プレキャストコンクリート板にトラス筋が植設されており、かつ、前記第一ライニング板の裏面および前記第二ライニング板の裏面にそれぞれ補強鋼材が固定されている場合には、前記第一ライニング板配置作業および前記第二ライニング板配置作業において、一端が前記トラス筋に固定され、他端が前記補強鋼材に固定されたセパレータを配設する。こうすることで、プレキャストコンクリート板とライニング板との間隔を保持することができるので高品質に施工することができる。また、セパレータの設置が容易なため、施工性に優れている。
かかるサイロホッパ部は、ライニング板の下端が下部躯体の固定部に溶接されているため、下部躯体と傾斜面との一体性が確保されている。
サイロ本体12は、円筒状に形成されている。なお、サイロ本体12の形状は限定されるものではなく、例えば、角筒状であってもよい。サイロ本体12の内部には、サイロホッパ部2が形成されている。また、サイロ本体12の下部には内周面に沿って内壁14が形成されている。内壁14は、下側に向うに従って縮径する円錐台状を呈している。
屋根部13は、図1に示すように、上端に向うに従って縮径する円錐台状を呈している。なお、屋根部13の形状は限定されるものではない。
サイロホッパ部2は、ホッパ躯体4と梁5とハウジング6とを備えている。
ハウジング本体61は、断面視門型のコンクリート部材であって、下端が開口している。ハウジング本体61の内部は、払出装置を収納可能である。支持部62は、梁5と交差するように形成された鉄骨鉄筋コンクリート製の梁部材である。
コンクリート部64には、芯材66としてI形鋼が埋め込まれている。なお、芯材66を構成する材料はI形鋼に限定されるものではなく、例えば、H形鋼であってもよい。本実施形態の支持部62は、断面視台形状を呈している。なお、支持部62の断面形状は限定されるものではなく、例えば、矩形状であってもよい。
頂部63は、図4(a)に示すように、支持部62の上端に固定された頂部用プレキャスト部材9により形成されている。なお、頂部用プレキャスト部材9(コンクリート部91)の下面と、支持部62の上面との間には、充填材93が充填されている(図3(a)参照)。
仕切壁形成工程は、図6(a)に示すように、仕切壁43を形成する工程である。仕切壁43は、複数のプレキャスト製の壁部材44,44を組み合わせることにより形成する。仕切壁43は、ホッパ躯体4の軸方向に対して間隔をあけて形成する。なお、仕切壁43は、必ずしもプレキャスト部材により形成する必要はない。また、仕切壁43同士の間隔や仕切壁の壁厚等は限定されるものではなく、適宜決定する。
上部躯体用PCa板架設作業では、図8(a)に示すように、下部躯体8の上に上部躯体7用のプレキャストコンクリート板74を架設する。このとき、プレキャストコンクリート板74は、仮設支保工Sにより下面から支持する。また、本実施形態では、プレキャストコンクリート板74の端部を仕切壁43に上載させておく。
第二ライニング板設置作業では、図7(b)に示すように、プレキャストコンクリート板74と平行になるように、プレキャストコンクリート板74から隙間をあけて第二ライニング板77を設置する。第二ライニング板77の下端部は、第一ライニング板76の上端部に重ねた状態で、第一ライニング板76に溶接する。なお、第一ライニング板76と第二ライニング板77との重ね代の大きさは限定されるものではないが、例えば2cm程度とすればよい。
図9(b)に示すように、プレキャストコンクリート板74と第二ライニング材77との間には、セパレータ79を介設する。
頂部73,63,51は、断面視三角形状の頂部用プレキャスト部材9(図3(a)参照)を上斜め壁部72の上端、支持部62の上端および梁5の上端に固定することにより形成する。頂部用プレキャスト部材9は、図3(a)に示すように、逆V字状の頂部用ライニング板92と、頂部用ライニング板92の内側空間に打設されたコンクリートの硬化体(コンクリート部91)とを備えている。頂部用プレキャスト部材9は、現場内に設けられた製作ヤードにおいて製作してもよいし、現場外の工場等で製作されたものを搬入してもよい。
同様に、ハウジング6の上端への頂部用プレキャスト部材9を固定する際には、支持部62の支持部用ライニング板65の上端に頂部用ライニング板92の下端を重ねた状態で溶接するとともに、支持部62の上面と頂部用プレキャスト部材9の下面との間に充填材93を充填する。
なお、ホッパ躯体4と梁5との交差部分では、頂部用プレキャスト部材9として、図3(b)に示す、平面視十字状に形成された交差部用プレキャスト部材90を使用する。
また、ライニング板は、セパレータを介して配置するため、プレキャストコンクリート板とライニング板との間隔が保持されて、高品質に施工することができる。また、セパレータの設置は容易なため、施工性に優れている。
壁部材44やプレキャストハウジング部材60等のプレキャスト部材を現場内に設けられた製作ヤードにて製作するため、部材の搬入に要する手間や費用を削減することができる。多量に必要な壁部材44を現場外から搬入する場合には、壁部材44を保管するために広いストック場所が必要となるが、プレキャスト部材を現場内で製作することで、ストック場所は必要最小限に抑えることができる。また、現場外からプレキャスト部材を搬入するためには、運搬車両や製品の積み下ろし等に必要な揚重機等の建設機械が増加することによって建設コストが増加するとともに、車両通行の安全管理にも手間がかかる。一方、現場(製作ヤード)内でプレキャスト部材を製作すれば、必要最小限の台数の建設機械(運搬車両を含む)で施工を行うことができる。また、運搬時の制約により、工場製作では、部材の大きさや重量に制限があるが、現場内の製作ヤードで製作したプレキャスト部材を使用すれば、搬入することができない形状(重量)のプレキャスト部材を製作・使用することができる。
また、複雑な形状や収まり部分に使用するプレキャスト部材の検証については、モックアップによる検証が有効である。現場内の製作ヤードを利用すれば、本格的なプレキャスト部材の製作の前に、製作ヤードにおいて製造した試作品による検証を行うことができる。また、製作ヤードにおいてプレキャスト部材を製作すれば、試作品を利用した施工性等の確認も可能である。
前記実施形態では、石炭貯蔵用のサイロについて説明したが、サイロに収容される内容物の種類は石炭に限定されるものではない。例えば、コンクリートやアスファルト等に使用する骨材、セメント等の粉体、穀物等であってもよい。
前記実施形態では、ライニング板同士の接合部において、ライニング板の端部同士を重ねた状態で溶接したが、ライニング板は、端部同士を付き合わせた状態で溶接してもよく、その固定方法は限定されるものではない。
また、前記実施形態では、上部躯体を二段に分けて形成する場合について説明したが、上部躯体の施工は、三段以上に分けて行ってもよい。
2 サイロホッパ部
3 払出空間
4 ホッパ躯体
5 梁
51 頂部
6 ハウジング
61 ハウジング本体(下部躯体)
62 支持部(上部躯体)
63 頂部
64 コンクリート部
65 支持部用ライニング板
67 固定用鋼板(固定部)
7 上部躯体
71 下斜め壁部
72 上斜め壁部
73 頂部
74 プレキャストコンクリート板
75 トラス筋
76 第一ライニング板
77 第二ライニング板
78 補強鋼材
79 セパレータ
8 下部躯体
9 頂部用プレキャスト部材
91 コンクリート部
92 頂部用ライニング板(第三ライニング板)
93 充填材
94 連結用鉄筋
95 スリーブ
Claims (2)
- 仕切壁を形成する仕切壁形成工程と、
下部躯体を形成する下部躯体形成工程と、
下斜め壁部を形成する第一斜め壁部形成工程と、
前記下斜め壁部の上に上斜め壁部を形成する第二斜め壁部形成工程と、を備えるホッパ躯体の施工方法であって、
前記仕切壁形成工程では、複数のプレキャスト製の壁部材を組み合わせることにより、前記仕切壁を形成し、
前記下部躯体形成工程では、前記仕切壁に前記下部躯体を接続し、
前記第一斜め壁部形成工程は、
前記下部躯体の上にプレキャストコンクリート板を配設するPCa板配設作業と、
前記プレキャストコンクリート板から隙間をあけて第一ライニング板を配置する第一ライニング板配置作業と、
前記プレキャストコンクリート板と前記第一ライニング板との間にコンクリートを打設する第一打設作業とを有し、
前記第二斜め壁部形成工程は、
前記プレキャストコンクリート板から隙間をあけて第二ライニング板を配置するとともに、前記第一ライニング板の上端に第二ライニング板の下端を固定する第二ライニング板配置作業と、
前記プレキャストコンクリート板と前記第二ライニング板との間にコンクリートを打設する第二打設作業とを有していることを特徴とする、ホッパ躯体の施工方法。 - 傾斜面を有する上部躯体と、前記上部躯体を支持する下部躯体と、前記上部躯体および前記下部躯体を背面から支持する仕切壁と、を備えるサイロホッパ部であって、
前記仕切壁は複数のプレキャスト製の壁部材を組み合わせることにより形成されており、
前記上部躯体は、コンクリート部と、前記コンクリート部の表面に固定されたライニング板と、を備えており、
前記ライニング板の下端は、前記下部躯体の上端部に形成された固定部に溶接されていることを特徴とする、サイロホッパ部。
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