JP6864939B1 - 電解セルおよびオゾン水散布装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾン水を効率良く生成することができる電解セルおよびオゾン水散布装置を提供する。【解決手段】電解セル4は、原料水RWからオゾン水OWを生成する。電解セル4は、陽極31と、陽極31に隣接して配置されたイオン交換膜32と、イオン交換膜32を挟んで陽極31と反対側に配置される第1陰極33と、イオン交換膜32および第1陰極33の間に配置され、イオン交換性能を有する第2陰極34と、これらを収容するハウジング15とを含む。ハウジング15は、原料水RWを取り入れる水取入口15a、および、オゾン水OWを排出する水排出口15bを有する。【選択図】図2

Description

この発明は、オゾン水を生成する電解セル、および、それを用いたオゾン水散布装置に関する。
下記の特許文献1に開示された電解セルは、陽極、陰極、および、イオン交換膜を有する。陽極および陰極の間に電圧が印加された状態で、電解セルの内部に原料水を通過させることによって、オゾン水が生成される。詳しくは、原料水の電気分解によってオゾンが生成され、生成されたオゾンが原料水に溶け込むことによって、オゾン水が得られる。
特許6249200号公報
原料水として、脱イオン水と比較してミネラル成分を多く含有する水道水などを用いた場合、特許文献1の電解セルでは、ミネラル成分が陰極とイオン交換膜との間に塩として析出する。そのため、オゾン水の生成効率が低下するおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、オゾン水を効率良く生成することができる電解セルおよびオゾン水散布装置を提供することを目的とする。
本発明は、原料水からオゾン水を生成する電解セルであって、原料水を取り入れる水取入口、および、オゾン水を排出する水排出口を有するハウジングと、前記ハウジング内に配置された陽極と、前記ハウジング内おいて前記陽極に隣接して配置されたイオン交換膜と、前記ハウジング内おいて前記イオン交換膜を挟んで前記陽極と反対側に配置される第1陰極と、前記イオン交換膜および前記第1陰極の間に配置され、イオン交換性能を有する第2陰極とを含む、電解セルである。
本発明は、前記第2陰極が、カーボン繊維からなるカーボン陰極と、イオン交換性能を有し、前記カーボン繊維を被覆するコーティング部材とを含むことを特徴とする。
本発明は、前記カーボン陰極が、前記第1陰極に隣接する陰極側部分と、前記イオン交換膜に隣接する交換膜側部分とを含み、前記コーティング部材が、前記陰極側部分において前記カーボン繊維を被覆する低親水性コーティング部材と、前記交換膜側部分において前記カーボン繊維を被覆し、前記低親水性コーティング部材よりも親水性が高い高親水性コーティング部材とを含むことを特徴とする。
本発明は、前記カーボン陰極が、複数のシート部材によって構成されることを特徴とする。
本発明は、前記第2陰極に印加される電圧が、前記第1陰極に印加される電圧よりも低いことを特徴とする。
本発明は、前記電解セルと、原料水を貯留する貯留部と、前記電解セルによって生成されたオゾン水を散布する散布部と、前記電解セルを介して、前記貯留部から前記散布部へ向けて送水する送水部とを含む、オゾン水散布装置である。
本発明によれば、この電解セルでは、水取入口からハウジング内に取り入れられた原料水からオゾン水が生成され、生成されたオゾン水が水排出口から排出される。ハウジング内には、イオン交換膜を挟んで陽極とは反対側に第1陰極が配置されるため、原料水がハウジング内で電気分解され、オゾンが発生する。この電解セルでは、イオン交換膜と第1陰極との間に、イオン交換性能を有する第2陰極が配置される。そのため、原料水中のミネラル成分は、イオン交換膜と第1陰極との間に塩として析出せず、イオンの状態で第2陰極の表面を伝って第1陰極側に移動する。そして、ミネラル成分は、最終的に、第1陰極においてイオン交換膜とは反対側の部分に析出する。ミネラル成分がイオン交換膜と第1陰極との間で析出することを抑制できるため、オゾン水を効率良く生成できる。
特に、脱イオン水などと比較してミネラル成分を多く含有する水道水などを原料水として用いた場合であっても、オゾン水を効率良く生成できる。
本発明によれば、第2陰極がカーボン陰極およびコーティング部材を含む。カーボン陰極は、カーボン繊維からなるため、板状の金属と比較してその表面積が大きい。イオン交換性能を有するコーティング部材によってカーボン繊維が被覆されるため、第2陰極のイオン交換性能を高めることができる。そのため、原料水中のミネラル成分の第1陰極側への移動を促進できる。すなわち、イオン交換膜と第1陰極との間におけるミネラル成分の析出を一層抑制できる。
本発明によれば、カーボン陰極においてイオン交換膜に隣接する交換膜側部分の親水性が、カーボン陰極において第1陰極に隣接する第1陰極側部分の親水性よりも高い。そのため、イオン交換膜側でのミネラル成分の析出を一層抑制できる。
本発明によれば、カーボン陰極が、複数のシート部材によって構成される。そのため、シート部材毎にコーティング部材を変更することができる。これにより、イオン交換膜と第1陰極との間でのミネラル成分の析出の抑制に適したコーティングをシート部材毎に選択することができる。
本発明によれば、第2陰極に印加される電圧が第1陰極に印加される電圧よりも低い。そのため、第2陰極の近傍のイオン状態のミネラル成分が第1陰極側に引き寄せられやすい。そのため、原料水中のミネラル成分の第1陰極側への移動を促進できる。すなわち、イオン交換膜と第1陰極との間におけるミネラル成分の析出を一層抑制できる。
本発明によれば、貯留部に貯留される原料水が、送水部によって電解セルに送られる。電解セルに送られた原料水が電解セルによって電気分解されてオゾン水が生成される。そして、電解セルによって生成されたオゾン水が、送水部によって散布部に送られ、散布部からオゾン水散布装置の外部に向けて散布される。
図1は、本発明に係る電解セルが備えられるオゾン水スプレーの縦断面図である。 図2は、電解セルの分解斜視図である。 図3は、電解セルの断面図である。 図4は、電解セルに備えられる第2陰極の構成について説明するための模式図である。 図5Aは、イオン交換性能を有する電解セルを用いた場合の析出量比較実験の結果を説明するための画像であり、塩酸洗浄前のイオン交換膜の表面の拡大画像である。 図5Bは、イオン交換性能を有しない電解セルを用いた場合の析出量比較実験の結果を説明するための画像であり、塩酸洗浄前のイオン交換膜の表面の拡大画像である。 図5Cは、イオン交換性能を有する電解セルを用いた場合の析出量比較実験の結果を説明するための画像であり、塩酸洗浄後のイオン交換膜の表面の拡大画像である。 図5Dは、イオン交換性能を有しない電解セルを用いた場合の析出量比較実験の結果を説明するための画像であり、塩酸洗浄後のイオン交換膜の表面の拡大画像である。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
<オゾン水スプレーの構成>
図1は、本発明に係るオゾン水散布装置としてのオゾン水スプレー1の縦断面図である。図1を参照して、オゾン水スプレー1は、筐体2、貯留部3、電解セル4、送水部5、散布部6および電力供給部7を含む。
筐体2は、貯留部3、電解セル4、送水部5、散布部6、および電力供給部7を収容する。貯留部3は、原料水RWを貯留する。電解セル4は、原料水RWを電気分解してオゾン水を生成する。散布部6は、電解セル4によって生成されたオゾン水OWを外部へ向けて散布する。送水部5は、電解セル4を介して貯留部3から散布部6へ向けて送水する。電力供給部7は、電力をオゾン水スプレー1の各部材に供給する。
オゾン水スプレー1は、スイッチやレバーなどの操作部(図示せず)に対するユーザの操作に基づいて、原料水RWからオゾン水OWを生成し、生成されたオゾン水OWを散布する。
筐体2は、胴体部10、首部11および頭部12によって構成される。胴体部10は、平坦な底部から上方に向かうに従って細くなるテーパ形状を有する。首部11は、上下方向に延びる略円筒形状を有する。頭部12は、首部11に対して交差して延びる略方形筒状を有する。
貯留部3は、筐体2の胴体部10に収容される容器である。貯留部3内に貯留される原料水RWとしては、純水や水道水が挙げられる。
電解セル4は、貯留部3の底部の近傍において貯留部3内に配置される。詳しくは後述するが、電解セル4は、ハウジング15を含み、ハウジング15の内部空間16に取り込んだ原料水RWを電気分解してオゾン水OWを生成する。ハウジング15は、内部空間16に原料水RWを取り入れる水取入口15aと、内部空間16からオゾン水OWを排出する水排出口15bと、オゾン水OWの生成の際に発生する水素(H)を排出する水素排出口15cとを有する。
散布部6は、シャワー状のオゾン水OWを散布するシャワーノズル17と、ミスト状のオゾン水OWを散布するミストノズル18とを含む。シャワーノズル17は、筐体2の頭部12の一端に配置され、ミストノズル18は、筐体2の頭部12の他端に配置される。
送水部5は、貯留部3内の原料水RWを電解セル4の水取入口15aへ送り込む第1送水管19と、電解セル4によって生成されたオゾン水OWを電解セル4の排出口16bから散布部6へ送り込む第2送水管20と、第1送水管19、電解セル4、および第2送水管20を介して、貯留部3から散布部6に向けて水を送り出すポンプ21とを含む。
ポンプ21は、たとえば、ダイヤフラム駆動方式の小型ポンプである。ポンプ21は、第1送水管19に介装される。ポンプ21は、ポンプ本体22と、ポンプ本体22に原料水RWを吸い込ませる吸水口21aと、ポンプ本体22内の原料水RWを吐出する吐水口21bとを有する。第1送水管19は、吸水口21aに一端が接続される吸水管23と、吐水口21bに一端が接続される吐水管24とを含む。吸水管23の他端は、貯留部3内において原料水RWの水面WSよりも底部側に位置する。吐水管24の他端は、電解セル4のハウジング15の水取入口15aに接続される。
ポンプ21は、ユーザによる操作部の操作によって、駆動状態および停止状態のいずれかに切り替えられる。散布部6の散布モードは、ユーザによる操作部の操作によって、シャワーノズル17からオゾン水OWを散布するシャワーモードと、ミストノズル18からオゾン水OWを散布するミストモードとのいずれかに切り替えられる。
電力供給部7は、筐体2の胴体部10において、貯留部3の下方に配置されるバッテリなどの電源25と、電源25から電解セル4に向かって延びる複数の配線26とを含む。図示しないが、電力供給部7は、ポンプ21や操作部に電力を供給する配線を含んでいてもよい。
ポンプ21を駆動させることで、貯留部3内の原料水RWが第1送水管19を介して電解セル4に供給される。原料水RWは、電解セル4を通過する際にオゾン水OWに変化する。電解セル4内で生成されたオゾン水OWが第2送水管20を介して散布部6に供給される。これにより、散布部6からオゾン水OWが吐出される。図1は、シャワーノズル17がオゾン水OWを散布する状態を示す。
図2は、電解セル4の分解斜視図である。電解セル4は、分離式であり、全体が略円柱状である。
図2を参照して、電解セル4は、ハウジング15、陽極通電端子30、陽極31、イオン交換膜32、第1陰極33、第2陰極34、第1陰極通電端子35、第2陰極通電端子36および弾性部材37を含む。
ハウジング15は、第1ホルダ40および第2ホルダ50を有する。第1ホルダ40は、有底の筒形状を有する。第1ホルダ40は、円板状の底部41と、底部41の周縁部から底部41と同軸状に延びる円筒部42と、円筒部42とは反対側に向かって底部41から延びる直方体状部43とを含む。
水取入口15aおよび水排出口15bは、第1ホルダ40の直方体状部43に形成される。水取入口15aは、直方体状部43および底部41を貫通する。水排出口15bは、直方体状部43および底部41を貫通する(後述する図3も参照)。
第2ホルダ50は、有底の筒形状を有する。第2ホルダ50は、第1ホルダ40とは反対側に窪んだ形状を有する。第2ホルダ50は、円板状の底部51と、底部51の周縁部から底部51と同軸状に第1ホルダ40に向かって延びる円筒部52とを含む。水素排出口15cは、第2ホルダ50に形成される。
水素排出口15cは、底部51の中央を貫通する円形孔51aと、円形孔51aを取り囲むように、底部51の周方向に沿って等間隔で配置され、底部51を貫通する複数の円弧状孔51bとを含む。
第1ホルダ40は、円筒部42の外面部に設けられた一対の係合凸部44を有する。第2ホルダ50は、円筒部52に設けられ、対応する係合凸部44にそれぞれ係合する一対の係合凹部53を有する。一対の係合凸部44のそれぞれを対応する係合凹部53に嵌め込むことで、ハウジング15が組み立てられる。図2の例とは異なり、第1ホルダ40が係合凹部を有し第2ホルダ50が係合凸部を有する構成であってもよい。
陽極31、イオン交換膜32、第2陰極34、第1陰極33および弾性部材37は、第1ホルダ40側から第2ホルダ50側に向かってこの順番で配置される。
陽極31は、たとえば、略直方体形状を有する。陽極31は、たとえば、表面がコーティングされた合金である。陽極として用いられる合金には、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、シリコン、タンタル、ニオブなどが含有されてもよい。陽極31は、合金である必要はない。陽極31は、酸化鉛、酸化錫、白金などの貴金属、貴金属の酸化物、カーボン、導電性ダイヤモンドなどであってもよい。
イオン交換膜32は、たとえば、円形状の薄膜である。イオン交換膜32は、たとえば、フッ素樹脂系および炭化水素樹脂系のいずれかであってもよい。イオン交換膜32としては、オゾンや過酸化物に対する耐食性の観点から、フッ素樹脂系であることが好ましい。フッ素系樹脂としてナフィオン(登録商標)を用いることができる。ナフィオンは、スルホ化されたテトラフルオロエチレンを基にしたフッ素樹脂の共重合体であり、イオン電導性を有するポリマーである。ナフィオン内において、陰イオンや電子は移動せず、陽イオンである水素イオンだけが移動する。
イオン交換膜32の厚さは、たとえば、30μm以上で1.5mm以下である。イオン交換膜32の厚さは、30μm以上で1.0mm以下であることが好ましい。イオン交換膜32の厚さは、30μm以上で、200μm以下であることが一層好ましい。イオン交換膜32の厚さは、50μm以上で、120μm以下であることがより一層好ましい。イオン交換膜32の厚さは、51μmであることが特に好ましい。
第1陰極33は、たとえば、円板形状を有する。第1陰極33としては、水素によって脆化しない物質が用いられる。具体的には、第1陰極33として用いられる物質として、白金族金属、ニッケル、ステンレス、チタン、ジルコニウム、金、銀、カーボン、ダイヤモンドなどが挙げられる。第1陰極33は、第1陰極33を貫通する複数の貫通孔33aを有する。
第2陰極34は、イオン交換性能を有する円形状の複数のシートの積層体である。第2陰極34は、イオン交換膜32および第1陰極33の間に配置される。第2陰極34は、カーボン繊維からなるカーボン陰極60と、イオン交換性能を有し、カーボン繊維を被覆するコーティング部材70とを含む。
カーボン陰極60は、カーボン繊維からなる円形状のシート部材61によって構成される。図2の例では、シート部材61が11枚設けられるが、シート部材61の枚数はこれに限られない。たとえば、シート部材61は、16枚設けられてもよい。
弾性部材37は、たとえば、環状の皿ばねである。弾性部材37は、第1陰極33を陽極31側に向かって弾性付勢する。これにより、陽極31、イオン交換膜32、第2陰極34および第1陰極33を密着させることができる。
陽極通電端子30、第1陰極通電端子35および第2陰極通電端子36は、それぞれ、たとえば螺旋状に形成される。陽極通電端子30は、陽極31と第1ホルダ40との間に配置され、陽極31に接触する。第1陰極通電端子35は、第1陰極33と弾性部材37との間に配置され、第1陰極33に接触する。第2陰極通電端子36は、シート部材61同士の間に配置され、シート部材61に接触する。
複数の配線26は、陽極通電端子30に接続される陽極側配線80と、第1陰極通電端子35および第2陰極通電端子36に接続される陰極側配線81とを含む。
第1陰極33および第2陰極34は、それぞれ、第1陰極通電端子35および第2陰極通電端子36を介して、共通の配線である陰極側配線81に並列接続される。ただし、第2陰極通電端子36が陰極側配線81の先端に接続され、第1陰極通電端子35が陰極側配線81の先端よりも電源25(後述する図4も参照)側に接続されるため、第2陰極34に印加される電圧は、第1陰極33に印加される電圧よりも低い。
図3は、電解セル4の縦断面図である。
ハウジング15は、第1ホルダ40と第2ホルダ50との間に内部空間16を有する。ハウジング15の内部空間16には、陽極通電端子30、陽極31、イオン交換膜32、第1陰極33、第2陰極34、第1陰極通電端子35、第2陰極通電端子36および弾性部材37が収容される。
内部空間16は、イオン交換膜32によって、陽極室16Aと陰極室16Bとに隔てられる。陽極室16Aには、陽極通電端子30および陽極31が配置される。陰極室16Bには、第1陰極33、第2陰極34、第1陰極通電端子35、第2陰極通電端子36および弾性部材37が収容される。
陽極側配線80は、たとえば、第1ホルダ40に設けられた水取入口15aを介してハウジング15の内部空間16に進入する。陰極側配線81は、たとえば、第2ホルダ50の水素排出口15cを介してハウジング15の内部空間16に進入する。
原料水RWは、第1ホルダ40に設けられた水取入口15aを介して、第1送水管19から陽極室16Aに進入する。原料水RWが陽極室16A内で電気分解されることによってオゾンが発生する。発生したオゾンが原料水RWに溶解してオゾン水OWが生成される。陽極室16A内で生成されたオゾン水OWは、第1ホルダ40に設けられた水排出口15bを介して、陽極室16Aから第2送水管20に排出される。
原料水RWは、第2ホルダ50に設けられた水素排出口15cから陰極室16B内に進入する。水素排出口15cから陰極室16B内に進入した原料水RWは、第1陰極33の貫通孔33aを介して、陰極室16Bにおいて、第1陰極33よりもイオン交換膜32側に進入する。そのため、陰極室16B内は、原料水RWで満たされ、第2陰極34の周囲には原料水RWが存在する。
図4は、第2陰極34の構成について説明するための模式図である。
図4を参照して、第2陰極34のカーボン陰極60は、第1陰極33に隣接する陰極側部分62と、イオン交換膜32に隣接する交換膜側部分63とを含む。陰極側部分62は、第1陰極33側の複数のシート部材61によって構成され、交換膜側部分63は、イオン交換膜32側の複数のシート部材61によって構成される。第2陰極通電端子36は、陰極側部分62のシート部材61の間に配置される。図4では、説明の便宜上、シート部材61の枚数が図2および図3とは異なる。
コーティング部材70は、陰極側部分62においてカーボン繊維を被覆する低親水性コーティング部材71と、交換膜側部分63においてカーボン繊維を被覆する高親水性コーティング部材72とを含む。高親水性コーティング部材72は、低親水性コーティング部材71よりも親水性が高い。
低親水性コーティング部材71は、半疎水性イオン交換樹脂73を含む。半疎水性イオン交換樹脂73としては、たとえば、スルホン酸基73aを有するナフィオンが用いられる。
高親水性コーティング部材72は、半疎水性イオン交換樹脂74、親水性イオン交換樹脂75、イオン交換補助剤76、および給水剤77を含む。半疎水性イオン交換樹脂74としては、たとえば、スルホン酸基74aを有するナフィオンが用いられる。
親水性イオン交換樹脂75は、半疎水性イオン交換樹脂73および74よりも親水性が高い物質である。親水性イオン交換樹脂75は、たとえば、ベラゾール(登録商標)などの有機導電性ポリマー、スルホン化ポリエーテルスルホン、修飾酸化グラフェンのうち少なくとも1つを含んでいてもよい。有機導電性ポリマーとしては、特に、PEDOT(ポリ3,4−エチレンジオキチオフェン)にPSS(ポリスチレンスルホン酸)およびPTS(パラトルエンスルホン酸)がドーピングされた高分子材料を用いることが好ましい。修飾酸化グラフェンは、カルボキシ基修飾またはスルホン酸基修飾を用いたグラフェンの少なくいずれかを含んでいてもよい。
イオン交換補助剤76は、半疎水性イオン交換樹脂74よりも酸強度が高い物質であることが好ましい。酸強度とは、酸としての能力であり、酸強度には、ブレンステッド酸強度とルイス酸強度とが含まれる。イオン交換補助剤76は、たとえば、固体酸触媒である。固体酸触媒としては、ゼオライト、モンモリロナイト、12タングスト6リン酸セシウム塩等が挙げられる。12タングスト6リン酸セシウム塩の酸強度は、半疎水性イオン交換樹脂74の酸強度よりも高いため、イオン交換補助剤76として用いられることが好ましい。
給水剤77は、親水性が高く、微小粒径であり、化学耐性がある物質であることが好ましい。ここで、化学耐性とは、強酸や水素に対して耐性があることをいう。また、給水剤77は、水中への拡散防止の観点から、水に対して不溶な固体であることが好ましい。給水剤77は、適度に水分を保持できることが好ましく、そのような給水剤77としては、たとえば、セルロースナノファイバが挙げられる。
高親水性コーティング部材72の親水性は、親水性イオン交換樹脂、イオン交換補助剤および給水剤の作用によって、低親水性コーティング部材71の親水性よりも高くなる。
コーティング部材70は、カーボン繊維に、液状のコーティング部材を含浸させる含浸処理または、気体状のコーティング部材を蒸着させる蒸着処理によって形成される。
この実施形態によれば、この電解セル4では、水取入口15aからハウジング15内に取り入れられた原料水RWからオゾン水OWが生成され、生成されたオゾン水OWが水排出口15bから排出される。ハウジング15内には、イオン交換膜32を挟んで陽極31とは反対側に第1陰極33が配置されるため、原料水RWがハウジング15内で電気分解され、オゾンが発生する。この電解セル4では、イオン交換膜32と第1陰極33との間に、イオン交換性能を有する第2陰極34が配置される。そのため、原料水RW中のミネラル成分は、イオン交換膜32と第1陰極33との間に塩として析出せず、イオン状態で第2陰極34の表面を伝って第1陰極33側に移動する。そして、ミネラル成分の析出物100は、最終的に、第1陰極33の表面においてイオン交換膜32とは反対側に形成される。ミネラル成分がイオン交換膜32と第1陰極33との間で析出することを抑制できるため、オゾン水OWを効率良く生成できる。
特に、ミネラル成分を多量に含有する水道水などを原料水RWとして用いた場合であっても、オゾン水OWを効率良く生成できる。
より詳しくは、ミネラルイオンは、高親水性コーティング部材72の半疎水性イオン交換樹脂74および親水性イオン交換樹脂75に引き付けられ、カーボン陰極60よりも高電圧に印加されている第1陰極33に運ばれる。
カーボン陰極60には電流が常に充分に供給されるわけではない。そのため、半疎水性イオン交換樹脂74および親水性イオン交換樹脂75の周囲にミネラル成分が集まり第2陰極34のイオン交換性能が低下するおそれがある。その場合であっても、スルホン酸基74aよりも高い酸活性を有するイオン交換補助剤76がミネラルイオンを引き付ける。そのため、半疎水性イオン交換樹脂74および親水性イオン交換樹脂75が酸活性を取り戻す。イオン交換補助剤76に引き付けられたミネラルイオンはカーボン陰極60の周辺では析出せずに、高電圧が印加された第1陰極33に引き寄せられる。
第1陰極33に達したミネラルイオンは、カーボン陰極60と第1陰極33との間において析出することがあるが、カーボン陰極60が陽極として機能してミネラル塩から電子を奪う。これにより、ミネラル塩が再びイオン化するため、第1陰極33の陰極としての機能を維持できる。再びイオン化したミネラル成分は、カーボン陰極60からの影響が充分に低減された位置、具体的には、第1陰極33に対してカーボン陰極60とは反対側の位置に移動して再度析出する。
この実施形態によれば、第2陰極34がカーボン陰極60およびコーティング部材70を含む。カーボン陰極60は、カーボン繊維からなるため、板状の金属と比較してその表面積が大きい。イオン交換性能を有するコーティング部材70によってカーボン繊維が被覆されるため、第2陰極34のイオン交換性能を高めることができる。そのため、原料水RW中のミネラル成分の第1陰極33側への移動を促進できる。すなわち、イオン交換膜32と第1陰極33との間におけるミネラル成分の析出を一層抑制できる。
この実施形態によれば、カーボン陰極60において、イオン交換膜32に隣接する交換膜側部分63の親水性が、第1陰極33に隣接する陰極側部分62の親水性よりも高い。そのため、イオン交換膜32側でのミネラル成分の析出を一層抑制できる。
第2陰極通電端子36が陰極側部分62のシート部材61の間に配置される。そのため、陰極側部分62のシート部材61は、弾性部材37の弾性力によって第2陰極通電端子36に押し付けられるため、カーボン繊維が切断されるおそれがある。また、陰極側部分62は、イオン交換膜32に接しないため、原料水RWの電気分解に直接関与しない。さらに、陰極側部分62は、イオン交換能力を求められるタイミングが交換膜側部分63と比較して遅い。
そのため、陰極側部分62には、高親水性コーティング部材72よりもコーティングに用いられる物質の数が少なく高親水性コーティング部材72よりも製造工数が少ない低親水性コーティング部材71を用いることが好ましい。
ただし、カーボン陰極60に大きな電流が流れる際においてもコーティング部材70が化学的に安定している必要がある。そのため、低親水性コーティング部材71として、科学的安定性に優れたナフィオンを用いることが好ましい。
この実施形態によれば、カーボン陰極60が、複数のシート部材61によって構成される。そのため、シート部材61毎にコーティング部材70を変更することができる。これにより、イオン交換膜32と第1陰極33との間でのミネラル成分の析出の抑制に適したコーティングをシート部材61毎に選択することができる。
この実施形態によれば、第2陰極34に印加される電圧が第1陰極33に印加される電圧よりも低い。そのため、第2陰極34の近傍のイオン状態のミネラル成分が第1陰極33側に引き寄せられやすい。そのため、原料水RW中のミネラル成分の第1陰極33側への移動を促進できる。すなわち、イオン交換膜32と第1陰極33との間におけるミネラル成分の析出を一層抑制できる。
この実施形態によれば、貯留部3に貯留される原料水RWが、送水部5によって電解セル4に送られる。電解セル4に送られた原料水RWが電解セル4によって電気分解されてオゾン水OWが生成される。そして、電解セル4によって生成されたオゾン水OWが散布部6から散布される。
<析出量比較実験>
次に、電解セル4の塩析出抑制効果について実証するために行った析出量比較実験について説明する。
図5A〜図5Dは、析出量比較実験の結果を説明するための画像である。
析出量比較実験では、第2陰極としてイオン交換性能を有するカーボン陰極を用いた第1電解セルと、第2陰極としてイオン交換性能を有しないカーボン陰極を用いた第2電解セルとを用いた。析出量比較実験では、各電解セルを用いて、水道水を原料水として、オゾン水の生成を繰り返し行った後に、各電解セルに付着する塩の量を比較した。
第1電解セルと第2電解セルとは、カーボン陰極のシート部材の枚数が異なる。具体的には、第1電解セルが備えるカーボン陰極のシート部材の枚数が16枚であるのに対して、第2電解セルが備えるカーボン陰極のシート部材の枚数が2枚である。
析出量比較実験では、TDS(総溶解固形物)が300ppmである水を用い、オゾン水の生成を2000サイクル実行した。TDSが300ppmである水は、水道水に相当する。オゾンの生成を5秒間行った後、オゾンの生成を5秒間停止することを1サイクルとする。
オゾン水の生成を2000サイクル実行した後、密着した状態のイオン交換膜および第2陰極を各電解セルから取り出し、イオン交換膜の静止画像を撮影した。図5Aに示すように、第1電解セルから取り出したイオン交換膜には、僅かな塩の析出が観測された。これに対して、図5Bに示すように、第2電解セルから取り出したイオン交換膜の内部に多量の塩の析出が観測された。
各電解セルから取り出したイオン交換膜を5%塩酸に30分間浸漬して洗浄した後、イオン交換膜の静止画像を撮影した。図5Cに示すように、第1電解セルから取り出したイオン交換膜は、塩酸洗浄前後で大きな変化は観測されなかった。一方、図5Dに示すように、第2電解セルから取り出したイオン交換膜は、塩酸洗浄前(図5Bを参照)と比較して、イオン交換膜の透明度が高くなった。すなわち、塩酸洗浄によって、炭酸カルシウム塩などのミネラル塩が除去されたことが推察される。
したがって、第2陰極がイオン交換性能を有する電解セル(第1電解セル)を用いた場合、第2陰極がイオン交換性能を有しない電解セル(第2電解セル)を用いた場合と比較して、イオン交換膜の近傍におけるミネラル塩の析出を抑制できることがわかった。
<電解実験>
次に、コーティング部材の種類によるオゾン生成能力の違いを比較するための第1電解実験と、コーティング部材の有無によるオゾン生成能力の違いを比較するための第2電解実験とについて説明する。
電解試験では、コーティング部材が異なる5種類の電解セルをサンプルとして用いた。各サンプルのコーティング部材は以下の通りである。
サンプルA:ナフィオン、ベラゾール、12タングスト6リン酸セシウム塩、セルロースナノファイバ
サンプルB:ナフィオン、セルロースナノファイバ
サンプルC:ナフィオン、ベラゾール、セルロースナノファイバ
サンプルD:ナフィオン、12タングスト6リン酸セシウム塩、セルロースナノファイバ
サンプルE:イオン交換成分なし
<第1電解実験>
第1電解実験では、サンプルA〜サンプルDの性能を比較した。
第1電解実験では、以下の条件で耐久試験を行った。詳しくは、実験開始から24時間までの間、オゾンの生成を10秒間行った後、オゾンの生成を5秒間停止することを1サイクルとする小サイクルを繰り返した。実験開始から24時間経過した後においては、小サイクルを10回繰り返した後、オゾンの生成を150分間停止させることを1サイクルとする大サイクルを繰り返した。
第1電解実験では、開始から24時間までの間、TDSが300ppmである水を使用した。実験開始から24時間経過した後においては、150分間休止直後の電解セルのオゾン生成能力を観測するために、TDSが450ppmである水を使用した。
第1電解実験では、水温を25℃以上30℃以下で調整し、水の流量を1mL/秒以上1.2mL/秒以下に調整し、電流を1.2A定電流とし、電圧を18.0V以下とした。
オゾン濃度は、紫外線吸収法により、要所毎、および、24時間毎に測定した。電圧値を1秒毎に24時間監視し、オゾン濃度測定時には水温計を用いて水温を測定した。
下記表1は、第1電解実験の結果を示すテーブルである。表1において、「初回」は、1回目の大サイクルを意味し、「再開時」は、2回目以降の大サイクルを意味する。表1の「電圧」は、電解セル中の電圧を意味し、電圧が低いほど、ミネラル成分の析出量が少なくオゾン水を多量に生成できることを意味する。
表1の「安定時間」は、大サイクルの開始後、電圧が安定するまでに要した時間を意味し、安定時間が短いほど、水を安定して電気分解できることを意味する。
Figure 0006864939
サンプルAを用いた場合、初回および再開時のいずれにおいても電圧が安定するまでの時間がほぼ0秒であり非常に短かった。これにより、オゾン水スプレーの使用開始直後から安定して水を電気分解できることが推察される。また、サンプルAを用いた場合、初回における電圧の最大値が8.6Vであり、再開時における電圧の最大値が9.2Vであった。これにより、イオン交換性能を有する第2陰極を有する電解セルを用いることで、ミネラル成分の析出を充分に抑制できることが推察される。
サンプルBを用いた場合、再開時における電圧の最大値が16.5Vであり、サンプルCを用いた場合、再開時における電圧の最大値は16.2Vであった。一方、サンプルAを用いた場合、再開時における電圧の最大値が8.6Vであり、サンプルDを用いた場合、再開時における電圧の最大値は11.3Vであった。すなわち、再開時における電圧の最大値は、サンプルAおよびサンプルDよりもサンプルBおよびサンプルCの方が大きかった。
この結果は、サンプルBおよびサンプルCがイオン交換補助剤としての12タングスト6リン酸セシウム塩を含んでいないことに関連すると考えられる。
詳しくは、サンプルBおよびサンプルCにおいて電気分解の停止時にミネラル成分が析出したために再開時の電圧が高くなったものと推察される。言い換えると、サンプルAおよびサンプルDにおいては、12タングスト6リン酸セシウム塩が、電気分解停止中におけるミネラル成分の析出が抑制する作用を有することが推察される。
サンプルBを用いた場合、初回の安定時間が6分52秒であり、サンプルDを用いた場合、初回の安定時間が9分50秒であった。一方、サンプルAを用いた場合、および、サンプルCを用いた場合のいずれにおいても、初回の安定時間がほぼ0秒であった。すなわち、初回の安定時間は、サンプルBおよびサンプルDよりも、サンプルAおよびサンプルCの方が短かった。
この結果は、親水性イオン交換樹脂としてのベラゾールと、半疎水性イオン交換樹脂としてのナフィオンとの給水性能の差に起因すると考えられる。詳しくは、ベラゾールの方がナフィオンよりも親水性が高いため、カーボン繊維にナフィオンがコーティングされたサンプルBおよびサンプルDでは、カーボン繊維にベラゾールがコーティングされたサンプルAおよびサンプルCよりも水がカーボン陰極の付近に進入しくい。そのため、サンプルBおよびサンプルDの安定時間よりも、サンプルAおよびサンプルCの安定時間が短くなったものと考えられる。
第1電解実験の結果によれば、コーティング部材としては、半疎水性イオン交換樹脂、親水性イオン交換樹脂、イオン交換補助剤および給水剤を全て含むコーティング部材を用いることが好ましいことが分かった。
<第2電解実験>
次に、第2電解実験について説明する。第2電解実験では、サンプルAとサンプルEとを比較した。
サンプルEは、サンプルAと比較して、ミネラル耐性が低いため、第1電解実験と同様の実験条件では、イオン交換膜およびカーボン陰極に多量のミネラル成分が付着し、電圧の測定が困難となる。
そのため、サンプルAについては、第1電解実験の結果を用い、サンプルEについては、第1電解実験とは異なる条件で耐久試験を行った。
サンプルEの耐久試験の条件は、以下の通りである。詳しくは、実験開始から6時間までの間、オゾンの生成を10秒間行った後、オゾンの生成を5秒間停止することを1サイクルとする小サイクルを繰り返した。実験開始から24時間経過した後においては、小サイクルを10回繰り返した後、オゾンの生成を30分間停止させることを1サイクルとする大サイクルを繰り返した。サンプルEの耐久試験では、TDSが300ppmである水を使用した。
サンプルEの耐久試験では、水温を25℃以上30℃以下で調整し、水の流量を1mL/秒以上1.2mL/秒以下に調整し、電流を1.2A定電流とし、電圧を18.0V以下とした。
オゾン濃度は、紫外線吸収法により、要所毎、および、6時間毎に測定した。電圧値を1秒毎に24時間監視し、オゾン濃度測定時には水温計を用いて水温を測定した。
下記表2は、第2電解実験の結果を示すテーブルである。表2において、「初回」は、1回目の大サイクルを意味し、「再開時」は、2回目以降の大サイクルを意味する。表2の「電圧」は、電解セル中の電圧を意味し、電圧が低いほど、ミネラル成分の析出量が少なくオゾン水を多量に生成できることを意味する。表2の「安定時間」は、大サイクルの開始後、電圧が安定するまでに要した時間を意味し、安定時間が短いほど、水を安定して電気分解できることを意味する。
Figure 0006864939
サンプルEを用いた場合、再開時における電圧の最大値が18.5Vであり、再開時における安定時間が60秒間であった。一方、サンプルAを用いた場合、再開時における電圧の最大値が8.6Vであり、再開時における安定時間がほぼ0秒であった。したがって、サンプルEを用いた場合には、サンプルAを用いた場合と比較して、再開時において多くのミネラル成分が析出したという結果が得られた。
第2電解実験の結果によれば、イオン交換性能を有しないカーボン陰極を備える電解セルは、イオン交換性能を有しないカーボン陰極を備える電解セルと比較して、ミネラル成分の析出を抑制できることが推察される。
<その他の実施形態>
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
たとえば、図1に示すオゾン水スプレー1は、オゾン水OWを、シャワー状およびミスト状のいずれかの状態で散布できる構成である。しかしながら、図1に示すオゾン水スプレー1とは異なり、シャワー状およびミスト状のいずれかの状態のオゾン水OWのみを散布でできるオゾン水スプレーであってもよい。
たとえば、図2および図3に示すカーボン陰極60は、複数のシート部材61によって構成される。しかしながら、カーボン陰極60は、必ずしもシート部材61によって構成される必要はなく、たとえば、単一のカーボン繊維のブロックによって構成されてもよい。
たとえば、図4に示すように、カーボン陰極60において、陰極側部分62と交換膜側部分63とで異なるコーティング部材70が塗布される。しかしながら、陰極側部分62および交換膜側部分63のいずれにも高親水性コーティング部材72が塗布されてもよい。あるいは、陰極側部分62および交換膜側部分63のいずれにも低親水性コーティング部材71が塗布されてもよい。
この明細書において、「〜」または「−」を用いて数値範囲を示した場合、特に限定されて言及されない限り、これらは両方の端点を含み、単位は共通する。
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
1 :オゾン水スプレー(オゾン水散布装置)
3 :貯留部
4 :電解セル
5 :送水部
6 :散布部
15 :ハウジング
15a :水取入口
15b :水排出口
31 :陽極
32 :イオン交換膜
33 :第1陰極
34 :第2陰極
60 :カーボン陰極
61 :シート部材
62 :陰極側部分
63 :交換膜側部分
70 :コーティング部材
71 :低親水性コーティング部材
72 :高親水性コーティング部材
OW :オゾン水
RW :原料水

Claims (7)

  1. 原料水からオゾン水を生成する電解セルであって、
    原料水を取り入れる水取入口、および、オゾン水を排出する水排出口を有するハウジングと、
    前記ハウジング内に配置された陽極と、
    前記ハウジング内おいて前記陽極に隣接して配置されたイオン交換膜と、
    前記ハウジング内おいて前記イオン交換膜を挟んで前記陽極と反対側に配置される第1陰極と、
    前記イオン交換膜および前記第1陰極の間に配置され、イオン交換性能を有する第2陰極とを含み、
    前記第2陰極は、原料水中のミネラル成分を、イオンの状態で前記第2陰極の表面を伝わせて前記第1陰極側に移動させる、電解セル。
  2. 前記第2陰極が、カーボン繊維からなるカーボン陰極と、イオン交換性能を有し、前記カーボン繊維を被覆するコーティング部材とを含む、請求項1に記載の電解セル。
  3. 前記カーボン陰極が、前記第1陰極に隣接する陰極側部分と、前記イオン交換膜に隣接する交換膜側部分とを含み、
    前記コーティング部材が、前記陰極側部分において前記カーボン繊維を被覆する低親水性コーティング部材と、前記交換膜側部分において前記カーボン繊維を被覆し、前記低親水性コーティング部材よりも親水性が高い高親水性コーティング部材とを含む、請求項2に記載の電解セル。
  4. 前記カーボン陰極が、複数のシート部材によって構成される、請求項2または3に記載の電解セル。
  5. 前記カーボン陰極が、単一のカーボン繊維のブロックによって構成される、請求項2または3に記載の電解セル。
  6. 前記第2陰極に印加される電圧が、前記第1陰極に印加される電圧よりも低い、請求項1〜のいずれか一項に記載の電解セル。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電解セルと、
    原料水を貯留する貯留部と、
    前記電解セルによって生成されたオゾン水を散布する散布部と、
    前記電解セルを介して、前記貯留部から前記散布部へ向けて送水する送水部とを含む、オゾン水散布装置。
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