JP6864484B2 - 眼科装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼科装置に関する。
眼科分野において画像診断は重要な位置を占め、近年では走査型レーザー検眼鏡(SLO)や光干渉断層計の活用が進んでいる。SLOは、共焦点光学系を利用して微弱な光ビームで眼底を高速でスキャンすることにより画像を形成する装置であり、眼疾患のスクリーニングや診断に利用されている。光干渉断層計は、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)と呼ばれる技術を応用した光計測装置であり、眼底の2次元領域や3次元領域をスキャンすることにより断面像や3次元画像や機能画像を形成する。また、光干渉断層計は角膜等の画像化にも用いられる。
一般に、光学的計測装置の分解能(横分解能)δは、δ=0.61λ/NA(ここで、λは光の波長を示し、NAは対物レンズの開口数を示す)で表される。よって、計測に用いられるビームの径(像側の開口数)が大きいほど分解能が高くなる。つまり、ビーム径が大きいほど計測精度や画質が向上する。
特開2016−54854号公報
しかしながら、計測に用いられるビームの径を大きくすると、フォーカス位置ではSNR(Signal−to−Noise Ratio)が向上するのに対し、デフォーカス位置では分解能が低下する。従って、従来の光学的計測装置では、像面の深さ方向の計測レンジ(データ収集レンジ)に合わせて精度等が最良になるようにビーム径を決定せざるを得なかった。それにより、計測レンジが変更された場合、好適な計測結果を取得することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、データ収集レンジが変更された場合でもそれぞれのデータ収集レンジで好適な計測結果を得ることが可能な眼科装置を提供することにある。
実施形態に係る眼科装置は、データ収集部と、収集レンジ変更部と、ビームサイズ変更部と、制御部とを含む。データ収集部は、波長掃引型光源からの光を測定光と参照光とに分割し、測定光を光ビームとして偏向することで被検眼をスキャンし、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光を一定のサンプリングレートでサンプリングしてデータを収集する。収集レンジ変更部は、波長掃引型光源の波長掃引周波数及び波長掃引幅の少なくとも一方を変更することによりスキャンの深さ方向におけるデータ収集レンジを変更する。ビームサイズ変更部は、光ビームのサイズを変更する。制御部は、収集レンジ変更部により変更されたデータ収集レンジに基づいてビームサイズ変更部を制御する。光ビームのサイズを小さくしたとき、波長掃引型光源が発する光の光量を増加させる共に、光ビームのサイズを大きくしたとき、波長掃引型光源が発する光の光量を減少させる。
本発明によれば、データ収集レンジが変更された場合でもそれぞれのデータ収集レンジで好適な計測結果を得ることが可能な眼科装置を提供することが可能になる。
第1実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 第1実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 第1実施形態に係る眼科装置の制御系の構成の一例を示す概略図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作例を示すフロー図である。 第1実施形態に係る眼科装置の動作例を示すフロー図である。 第2実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 第2実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 第2実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 第2実施形態に係る眼科装置の制御系の構成の一例を示す概略図である。
この発明に係る眼科装置の実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、少なくともOCTを実行する機能を備え、被測定物体としての被検眼に対してOCTを実行することにより被検眼に関する情報を取得する光学的計測装置である。実施形態に係る眼科装置は、後述のフーリエドメインOCTを実行するための光学系を備え、当該光学系の光軸方向(深さ方向、Aスキャン方向、測定光の入射方向)のデータ収集レンジ(計測レンジ、測定レンジ)を変更することが可能である。例えば、眼科装置は、当該光軸方向のデータ収集レンジを任意のレンジに変更する。眼科装置は、変更されたデータ収集レンジをスキャンすることにより収集されたデータに基づいて被検眼に関する情報を取得する。被検眼に関する情報には、断層像や、眼軸長などの被検眼の眼内距離などがあるが、実施形態はこれらに限定されるものではない。
実施形態に係る眼科装置は、フーリエドメインOCTと前眼部撮影機能を有する眼底カメラとを組み合わせた眼科装置である。この眼科装置は、スウェプトソースOCTを実行する機能を備えているが、実施形態はこれに限定されない。例えば、OCTの種別はスウェプトソースOCTには限定されず、スペクトラルドメインOCT等であってもよい。スウェプトソースOCTは、波長掃引型(波長走査型)光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被測定物体を経由した測定光の戻り光を参照光と干渉させて干渉光を生成し、この干渉光をバランスドフォトダイオード等で検出する手法である。波長の掃引及び測定光のスキャンに応じて収集された検出データにフーリエ変換等を施すことにより画像を形成することが可能である。スペクトラルドメインOCTは、低コヒーレンス光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被測定物体を経由した測定光の戻り光を参照光と干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル分布を分光器で検出する手法である。検出されたスペクトル分布にフーリエ変換等を施すことにより画像を形成することが可能である。
実施形態に係る眼科装置には、眼底カメラの代わりに、走査型レーザー検眼鏡(SLO)や、スリットランプ顕微鏡や、手術用顕微鏡や、光凝固装置などが設けられてもよい。以下、この明細書では、OCTによって取得される画像をOCT画像と総称し、測定光の光路を測定光路と表記し、フーリエドメインOCTを実行するための光学系の光軸方向のデータ収集レンジを深さレンジと表記することがある。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る眼科装置は、深さレンジが異なる複数の計測モード(動作モード、撮影モード)のうち選択された計測モードに対応した深さレンジで被検眼に対してOCTを実行する。以下、説明の便宜上、第1実施形態に係る眼科装置は、通常計測モード(通常OCTモード)と全眼球計測モード(全眼球OCTモード、ホールアイモード)のいずれかで動作可能であるものとする。通常計測モードは、被検眼の眼底又は前眼部だけを含む第1深さレンジでOCTを実行する動作モードである。例えば、通常計測モードでOCTを実行することにより、被検眼の眼底又は前眼部の断層像を高画質で取得することができる。全眼球計測モードは、被検眼の全眼球を含む第2深さレンジ(第1深さレンジより広い測定レンジ)でOCTを実行する動作モードである。例えば、全眼球計測モードでOCTを実行することにより、被検眼の角膜(前眼部)から眼底までの範囲の断層像を高画質で取得したり、一度の計測で角膜厚や前房深度や眼軸長などの高精度な眼内距離を取得したりすることが可能である。
[構成]
図1に示すように、実施形態に係る眼科装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含む。眼底カメラユニット2は、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有する。OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系が設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算処理や制御処理等を実行するプロセッサを具備している。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等を含む処理回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
〔眼底カメラユニット〕
眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efの表面形態を表す2次元画像(眼底像)を取得するための光学系が設けられている。眼底像には、観察画像や撮影画像などが含まれる。観察画像は、例えば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、例えば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像、又は近赤外光若しくは可視光を照明光として用いたモノクロの静止画像であってもよい。眼底カメラユニット2は、これら以外の画像、例えばフルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能に構成されていてもよい。
眼底カメラユニット2には、被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが設けられている。更に、眼底カメラユニット2には、照明光学系10と撮影光学系30とが設けられている。照明光学系10は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系30は、この照明光の眼底反射光を撮像装置(CCDイメージセンサ(単にCCDと呼ぶことがある)35、38)に導く。また、撮影光学系30は、OCTユニット100からの測定光を被検眼Eに導くとともに、被検眼Eを経由した測定光をOCTユニット100に導く。
照明光学系10の観察光源11は、例えばハロゲンランプ又はLED(Light Emitting Diode)により構成される。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efを照明する。
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この眼底反射光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、例えば所定のフレームレートで眼底反射光を検出する。表示装置3には、CCDイメージセンサ35により検出された眼底反射光に基づく画像(観察画像)が表示される。なお、撮影光学系30のピントが前眼部に合わせられている場合、被検眼Eの前眼部の観察画像が表示される。以下、撮影光学系30は、主として被検眼Eの眼底像を取得する場合について説明するが、眼底像と同様に被検眼Eの前眼部像を取得することが可能である。
撮影光源15は、例えばキセノンランプ又はLEDにより構成される。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光のそれと同様の経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。表示装置3には、CCDイメージセンサ38により検出された眼底反射光に基づく画像(撮影画像)が表示される。なお、観察画像を表示する表示装置3と撮影画像を表示する表示装置3は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、被検眼Eを赤外光で照明して同様の撮影を行う場合には、赤外の撮影画像が表示される。また、撮影光源としてLEDを用いることも可能である。
LCD(Liquid Crystal Display)39は、固視標や視力測定用視標を表示する。固視標は被検眼Eを固視させるための視標であり、眼底撮影時やOCT計測時などに使用される。
LCD39から出力された光は、その一部がハーフミラー33Aにて反射され、ミラー32に反射され、撮影合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに照射される。LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。
更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様にアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための視標(アライメント視標)を生成する。フォーカス光学系60は、被検眼Eに対してフォーカス(ピント)を合わせるための視標(スプリット視標)を生成する。
アライメント光学系50のLED51から出力された光(アライメント光)は、絞り52、53及びリレーレンズ54を経由してダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により被検眼Eの角膜に照射される。
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22、ダイクロイックミラー46及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を通過する。撮影合焦レンズ31を通過した角膜反射光は、ミラー32により反射され、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント視標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様の操作を行ってアライメントを実施する。また、演算制御ユニット200がアライメント視標の位置を解析して光学系を移動させることによりアライメントを行ってもよい(オートアライメント機能)。
フォーカス光学系60は、撮影光学系30の光路に沿った撮影合焦レンズ31の移動に連動して、照明光学系10の光路に沿って移動可能である。フォーカス光学系60の反射棒67は、照明光路に対して挿脱可能である。
フォーカス調整を行う際には、照明光路上に反射棒67の反射面が斜設される。フォーカス光学系60のLED61から出力された光(フォーカス光)は、リレーレンズ62を通過し、スプリット視標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過する。二孔絞り64を通過した光は、ミラー65により反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21により反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに照射される。
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同様の経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット視標像)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。演算制御ユニット200は、従来と同様に、スプリット視標像の位置を解析して撮影合焦レンズ31及びフォーカス光学系60を移動させてピント合わせを行う(オートフォーカス機能)。また、スプリット視標像を視認しつつ手動でピント合わせを行ってもよい。
反射棒67は、被検眼Eの眼底Efと光学的に略共役な照明光路上の位置に挿入される。照明光学系10の光路に挿入されている反射棒67の反射面の位置は、スプリット視標板63と光学的に略共役な位置である。スプリット視標光束は、前述のように、二孔絞り64などの作用により2つに分離される。被検眼Eの眼底Efと反射棒67の反射面とが共役ではない場合、CCDイメージセンサ35により取得されたスプリット視標像は、例えば、左右方向に2つに分離して表示装置3に表示される。被検眼Eの眼底Efと反射棒67の反射面とが略共役である場合、CCDイメージセンサ35により取得されたスプリット視標像は、例えば、上下方向に一致して表示装置3に表示される。眼底Efとスプリット視標板63とが常に光学的に共役になるように撮影合焦レンズ31と連動してフォーカス光学系60が照明光学系10の光路に沿って移動される。眼底Efとスプリット視標板63とが共役になっていない場合にはスプリット視標像が2つに分離するため、2つのスプリット視標像が上下方向に一致するようにフォーカス光学系60を移動することにより、撮影合焦レンズ31の位置が求められる。なお、この実施形態では、2つのスプリット視標像が取得される場合について説明したが、3以上のスプリット視標像であってよい。
ダイクロイックミラー46は、眼底計測用の光路からOCT用の光路を分岐させている。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、計測用の光を透過させる。このOCT用の光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40と、光路長変更部41と、光スキャナ42と、OCT合焦レンズ43と、ミラー44と、リレーレンズ45とが設けられている。
コリメータレンズユニット40は、コリメータレンズを含む。コリメータレンズユニット40は、光ファイバによりOCTユニット100と光学的に接続されている。この光ファイバの出射端を臨む位置に、コリメータレンズユニット40のコリメータレンズが配置されている。コリメータレンズユニット40は、光ファイバの出射端から出射された測定光LS(後述)を平行光束にするとともに、被検眼Eからの測定光の戻り光を当該出射端に集光する。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT用の光路の光路長を変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含んで構成される。
光スキャナ42は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置されている。光スキャナ42は、OCT用の光路を通過する光(測定光LS)の進行方向を変更する。それにより、被検眼Eを測定光LSでスキャンすることができる。光スキャナ42は、例えば、測定光LSをx方向にスキャンするガルバノミラーと、y方向にスキャンするガルバノミラーと、これらを独立に駆動する機構とを含んで構成される。それにより、測定光LSをxy平面上の任意の方向にスキャンすることができる。
コリメータレンズユニット40と光スキャナ42との間の平行光の光路である測定光路に対して絞り80が挿脱される。絞り80は、測定光LSの光束を制限することにより測定光LSのビーム径(ビームサイズ、光束径、測定光LSの進行方向に直交する方向の径)を変更するビーム径変更部材である。このような絞り80は、例えば、光束通過領域と、光束通過領域の周囲に設けられた光束遮断領域とが設けられた平面部材を含んで構成される。通常計測モードでは絞り80が測定光路から退避され、全眼球計測モードでは絞り80が測定光路に配置される。それにより、通常計測モードに対応した第1データ収集レンジのとき測定光LSのビーム径が第1サイズとなり、全眼球計測モードに対応した第2データ収集レンジのとき測定光LSのビーム径が第1サイズより小さい第2サイズとなる。すなわち、深さレンジが長くなるほど測定光LSのビーム径を小さくすることができる。この実施形態では、眼科装置1の深さレンジに対応した計測モード(動作モード)に応じて上記の測定光路に対して絞り80が挿脱される。
〔OCTユニット〕
OCTユニット100の構成の一例を図2に示す。OCTユニット100には、被検眼EのOCT画像を取得するための光学系が設けられている。この光学系は、波長掃引型(波長走査型)光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光を検出する干渉光学系である。干渉光学系による干渉光の検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す干渉信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、一般的なスウェプトソースタイプのOCT装置と同様に、出射光の波長を掃引(走査)可能な波長掃引型(波長走査型)光源を含んで構成される。波長掃引型光源は、共振器を含むレーザー光源を含んで構成される。光源ユニット101は、人眼では視認できない近赤外の波長帯において、出力波長を時間的に変化させる。後述の制御部からの制御を受け、波長掃引型光源の波長掃引周波数(波長掃引速度)及び波長掃引幅の少なくとも一方は変更可能である。
光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。偏波コントローラ103は、例えばループ状にされた光ファイバ102に対して外部から応力を与えることで、光ファイバ102内を導かれる光L0の偏光状態を調整する。
偏波コントローラ103により偏光状態が調整された光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束となる。平行光束となった参照光LRは、光路長補正部材112および分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長(光学距離)と測定光LSの光路長とを合わせるための遅延手段として作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるための分散補償手段として作用する。
コーナーキューブ114は、コリメータ111により平行光束となった参照光LRの進行方向を逆方向に折り返す。コーナーキューブ114に入射する参照光LRの光路と、コーナーキューブ114から出射する参照光LRの光路とは平行である。また、コーナーキューブ114は、参照光LRの入射光路および出射光路に沿う方向に移動可能とされている。この移動により参照光LRの光路の長さが変更される。
なお、図1及び図2に示す構成においては、測定光LSの光路(測定光路、測定アーム)の長さを変更するための光路長変更部41と、参照光LRの光路(参照光路、参照アーム)の長さを変更するためのコーナーキューブ114の双方が設けられている。しかしながら、コーナーキューブ114だけが設けられていてもよい。また、これら以外の光学部材を用いて、測定光路長と参照光路長との差を変更することも可能である。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113および光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換されて光ファイバ117に入射し、偏波コントローラ118に導かれて参照光LRの偏光状態が調整される。
偏波コントローラ118は、例えば、偏波コントローラ103と同様の構成を有する。偏波コントローラ118により偏光状態が調整された参照光LRは、光ファイバ119によりアッテネータ120に導かれて、演算制御ユニット200の制御の下で光量が調整される。アッテネータ120により光量が調整された参照光LRは、光ファイバ121によりファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127により導かれ、コリメータレンズユニット40により平行光束とされる。測定光路から絞り80が退避されている場合、平行光束とされた測定光LSは、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44及びリレーレンズ45を経由してダイクロイックミラー46に導かれる。測定光路に絞り80が配置されている場合、平行光束とされた測定光LSは、絞り80、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44及びリレーレンズ45を経由してダイクロイックミラー46に導かれる。ダイクロイックミラー46に導かれてきた測定光LSは、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて被検眼Eに照射される。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱(反射を含む)される。このような後方散乱光を含む測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、所定の分岐比(例えば1:1)で、測定光LSと参照光LRとの干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。ファイバカプラ122から出射した一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123、124により検出器125に導かれる。
検出器125は、例えば一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらによる検出結果の差分を出力するバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode)である。検出器125は、その検出結果(干渉信号)をDAQ(Data Acquisition System)130に送る。DAQ130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、設定された波長範囲(波長掃引幅)内で波長掃引型光源により掃引(走査)される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。DAQ130は、クロックKCに基づき、検出器125の検出結果をサンプリングする。DAQ130は、サンプリングされた検出器125の検出結果を演算制御ユニット200に送る。演算制御ユニット200は、例えば一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、検出器125により得られた検出結果に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、演算制御ユニット200は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。
以上のようなOCTユニット100に設けられた光学系は、被検眼Eの眼底Ef、前眼部又は前眼部から眼底Efまでの範囲のOCT画像を取得するために用いられる。
この実施形態では、DAQ130によるサンプリングレートは一定で、波長掃引型光源の波長掃引周波数(波長掃引速度)及び波長掃引幅の少なくとも一方を変更することにより深さレンジ(データ収集レンジ)を変更する。DAQ130によるサンプリングレートを変更したり、DAQ130によるサンプリングレート、波長掃引型光源の波長掃引周波数(波長掃引速度)及び波長掃引幅の少なくとも1つを変更したりすることにより、深さレンジを変更するようにしてもよい。
〔演算制御ユニット〕
演算制御ユニット200の構成について説明する。演算制御ユニット200は、検出器125から入力される干渉信号を解析して被検眼EのOCT画像を形成したり、被検眼Eの眼内距離を算出したりする。OCT画像を形成するための演算処理や眼内距離を算出するための処理は、従来のスウェプトソースタイプの眼科装置と同様である。
また、演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。例えば演算制御ユニット200は、被検眼EのOCT画像を表示装置3に表示させる。
演算制御ユニット200は、例えば、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼科装置1を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。演算制御ユニット200は、各種の回路基板、例えばOCT画像を形成するための回路基板を備えていてもよい。また、演算制御ユニット200は、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。
〔制御系〕
眼科装置1の制御系(処理系)の構成について図3を参照しつつ説明する。なお、図3においては、眼科装置1のいくつかの構成要素が省略されており、この実施形態を説明するために特に必要な構成要素が選択的に示されている。
(制御部)
演算制御ユニット200は、制御部210と、画像形成部220と、データ処理部230とを含む。制御部210は、例えば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。制御部210には、主制御部211と記憶部212とが設けられている。
(主制御部)
主制御部211は前述の各種制御を行う。特に、図3に示すように、主制御部211は、眼底カメラユニット2の移動機構31A、挿脱機構80A、CCDイメージセンサ35及び38、LCD39、光路長変更部41、及び光スキャナ42を制御する。また、主制御部211は、OCTユニット100の光源ユニット101、移動機構114A、検出器125及びDAQ130などを制御する。
実施形態に係る眼科装置1は、深さレンジが異なる2以上の計測モードに応じて被検眼Eに入射する測定光LSのビーム径を変更する。計測モードの選択(指定)は、主制御部211により行われてもよいし、ユーザが後述の操作部242を操作することにより行われてもよい。主制御部211により計測モードが選択される場合、前回と同じ計測モードが選択されたり、被検者や被検眼の計測部位や診断目的に応じて選択されたりしてよい。
移動機構31Aは、撮影光学系30の光軸に沿って撮影合焦レンズ31を移動する。移動機構31Aには、撮影合焦レンズ31を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。それにより、制御部210からの制御を受けた移動機構31Aが撮影合焦レンズ31を移動することにより、撮影光学系30の合焦位置が変更される。なお、手動又はユーザの操作部242に対する操作により移動機構31Aが撮影光学系30の光軸に沿って撮影合焦レンズ31を移動するようにしてもよい。
挿脱機構80Aは、コリメータレンズユニット40と光スキャナ42との間の測定光路に対して絞り80を挿脱する。挿脱機構80Aには、絞り80を保持する保持部材と、この保持部材を測定光路に対して挿脱するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。それにより、制御部210からの制御を受けた挿脱機構80Aが測定光路に対して絞り80を挿脱することにより、測定光LSのビーム径が変更される。なお、手動又はユーザの操作部242に対する操作により挿脱機構80Aが測定光路に対して絞り80を挿脱するようにしてもよい。
なお、主制御部211は、図示しない光学系駆動部を制御して、眼科装置1に設けられた光学系を3次元的に移動させることができる。この制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングを行う場合には、事前にアライメントとピント合わせが実行される。トラッキングは、被検眼Eを動画撮影して得られる画像に基づき被検眼Eの位置や向きに合わせて装置光学系をリアルタイムで移動させることにより、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持する機能である。
移動機構114Aは、参照光路に設けられたコーナーキューブ114を移動する。移動機構114Aには、コーナーキューブ114を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。それにより、参照光路の長さが変更される。なお、手動又はユーザの操作部242に対する操作により移動機構114Aが参照光路に沿ってコーナーキューブ114を移動するようにしてもよい。
(記憶部)
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば、眼科装置1の動作モード、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼の眼内距離データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。また、記憶部212には、眼科装置1を動作させるための各種プログラムやデータが記憶されている。
(画像形成部)
画像形成部220は、検出器125(DAQ130)からの干渉信号に基づいて眼底Efの断層像の画像データを形成する。すなわち、画像形成部220は、干渉光学系による干渉光LCの検出結果に基づいて被検眼Eの画像データを形成する。この処理には、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。このようにして取得される画像データは、複数のAライン(被検眼E内における各測定光LSの経路)における反射強度プロファイルを画像化することにより形成された一群の画像データを含むデータセットである。
画質を向上させるために、同じパターンでのスキャンを複数回繰り返して収集された複数のデータセットを重ね合わせる(加算平均する)ことができる。
また、画像形成部220は、撮影合焦レンズ31を通過した被検眼Eからの2以上のスプリット視標の戻り光に基づいてCCD35により検出された画像信号から、2以上のスプリット視標像が描出された画像を形成する。なお、当該2以上のスプリット視標像が描出された画像の形成は、主制御部211により行われてもよい。
画像形成部220は、例えば、前述の回路基板を含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。また、被検眼Eの部位とその画像とを同一視することもある。
(データ処理部)
データ処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種のデータ処理(画像処理)や解析処理を施す。例えば、データ処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の補正処理を実行する。また、データ処理部230は、眼底カメラユニット2により得られた画像(眼底像、前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。
データ処理部230は、断層像の間の画素を補間する補間処理などの公知の画像処理を実行することにより、被検眼Eのボリュームデータ(ボクセルデータ)を形成することができる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部230は、このボリュームデータに対してレンダリング処理を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像を形成する。
データ処理部230は、眼内距離算出部231を含む。眼内距離算出部231は、干渉光学系による2以上の干渉光LCの検出データに基づいて被検眼Eの1以上の眼内距離を算出する。眼内距離算出部231は、検出データに含まれる当該2つの干渉光に基づく2つの干渉信号の位置の間隔に基づいて被検眼Eの眼内距離を算出する。このような眼内距離算出部231は、角膜厚、前房深度、水晶体厚、眼軸長などを算出することが可能である。
データ処理部230は、眼底像とOCT画像との位置合わせを行うことができる。眼底像とOCT画像とが並行して取得される場合には、双方の光学系が同軸であることから、(ほぼ)同時に取得された眼底像とOCT画像とを、撮影光学系30の光軸を基準として位置合わせすることができる。また、眼底像とOCT画像との取得タイミングに関わらず、OCT画像のうち眼底Efの相当する画像領域の少なくとも一部をxy平面に投影して得られる正面画像と、眼底像との位置合わせをすることにより、そのOCT画像とその眼底像とを位置合わせすることも可能である。この位置合わせ手法は、眼底像取得用の光学系とOCT用の光学系とが同軸でない場合においても適用可能である。また、双方の光学系が同軸でない場合であっても、双方の光学系の相対的な位置関係が既知であれば、この相対位置関係を参照して同軸の場合と同様の位置合わせを実行することが可能である。
以上のように機能するデータ処理部230は、例えば、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、上記機能をマイクロプロセッサに実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ格納されている。
(ユーザインターフェイス)
ユーザインターフェイス240には、表示部241と操作部242とが含まれる。表示部241は、前述した演算制御ユニット200の表示デバイスや表示装置3を含んで構成される。操作部242は、前述した演算制御ユニット200の操作デバイスを含んで構成される。操作部242には、眼科装置1の筐体や外部に設けられた各種のボタンやキーが含まれていてもよい。また、表示部241は、眼底カメラユニット2の筺体に設けられたタッチパネルなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
なお、表示部241と操作部242は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。例えばタッチパネルのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。その場合、操作部242は、このタッチパネルとコンピュータプログラムとを含んで構成される。操作部242に対する操作内容は、電気信号として制御部210に入力される。また、表示部241に表示されたグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)と、操作部242とを用いて、操作や情報入力を行うようにしてもよい。
OCTユニット100から光スキャナ42を経由して対物レンズ22に至るまでの光学系は、実施形態に係る「データ収集部」の一例である。光源ユニット101の波長掃引型光源(波長掃引型光源の制御を行う制御部を含む)は、実施形態に係る「収集レンジ変更部」の一例である。絞り80及び挿脱機構80Aは、実施形態に係る「ビームサイズ変更部」の一例である。OCTユニット100に含まれる光学系は、実施形態に係る「干渉光学系」の一例である。操作部242は、実施形態に係る「指定部」の一例である。通常計測モードは、実施形態に係る「第1動作モード」の一例である。全眼球計測モードは、実施形態に係る「第2動作モード」の一例である。
[動作例]
第1実施形態に係る眼科装置1の動作について説明する。
図4A及び図4Bに、第1実施形態に係る眼科装置1の動作の一例を示す。
(S1)
まず、主制御部211は、眼科装置1の計測モードが全眼球計測モードであるか否かを判定する。例えば、記憶部212には眼科装置1の計測モードの設定内容を表す計測モード情報が記憶されている。主制御部211は、記憶部212に記憶された計測モード情報を参照することにより眼科装置1の計測モードが全眼球計測モードであるか否かを判定することができる。
計測モードが全眼球計測モードではないと判定されたとき(S1:N)、眼科装置1の動作はS2に移行する。計測モードが全眼球計測モードであると判定されたとき(S1:Y)、眼科装置1の動作はS4に移行する。
(S2)
S1において計測モードが全眼球計測モードではないと判定されたとき(S1:N)、主制御部211は、計測モードが通常計測モードであると判断し、測定光LSのビーム径が通常計測用ビーム径に設定されているか否かを判定する。主制御部211は、挿脱機構80Aに対する制御内容を参照することにより測定光LSのビーム径が通常計測用ビーム径に設定されているか否かを判定することができる。また、測定光路に対する絞り80の挿脱状態を検出するセンサーを設け、主制御部211は、センサーからの検出信号に基づいて測定光LSのビーム径が通常計測用ビーム径であるか否かを判定してもよい。
測定光LSのビーム径が通常計測用ビーム径に設定されていると判定されたとき(S2:Y)、眼科装置1の動作はS6に移行する。測定光LSのビーム径が通常計測用ビーム径に設定されてないと判定されたとき(S2:N)、眼科装置1の動作はS3に移行する。
(S3)
S2において測定光LSのビーム径が通常計測用ビーム径に設定されてないと判定されたとき(S2:N)、主制御部211は、挿脱機構80Aを制御して測定光路から絞り80を退避させる。それにより、測定光LSのビーム径は、通常計測用ビーム径に変更される。眼科装置1の動作はS6に移行する。
(S4)
S1において計測モードが全眼球計測モードであると判定されたとき(S1:Y)、主制御部211は、測定光LSのビーム径が全眼球計測用ビーム径に設定されているか否かを判定する。主制御部211は、S2と同様に、挿脱機構80Aに対する制御内容を参照することにより測定光LSのビーム径が全眼球計測用ビーム径に設定されているか否かを判定することができる。また、上記のように、測定光路に対する絞り80の挿脱状態を検出するセンサーを設け、主制御部211は、センサーからの検出信号に基づいて測定光LSのビーム径が全眼球計測用ビーム径であるか否かを判定してもよい。
測定光LSのビーム径が全眼球計測用ビーム径に設定されていると判定されたとき(S4:Y)、眼科装置1の動作はS6に移行する。測定光LSのビーム径が全眼球計測用ビーム径に設定されていないと判定されたとき(S4:N)、眼科装置1の動作はS5に移行する。
(S5)
S4において測定光LSのビーム径が全眼球計測用ビーム径に設定されていないと判定されたとき(S4:N)、主制御部211は、挿脱機構80Aを制御して測定光路に絞り80を配置させる。それにより、測定光LSのビーム径は、全眼球計測用ビーム径に変更される。眼科装置1の動作はS6に移行する。
(S6)
主制御部211は、撮影光学系30により被検眼Eの前眼部を撮影することにより前眼部像を取得する。
(S7)
主制御部211は、S6において取得された前眼部像に基づいて、上記の光学系駆動部を制御することにより光学系を3次元的に移動して、被検眼Eに対する光学系の位置合わせを行う(x方向、y方向、及びx方向とy方向の双方に直交するz方向)。
(S8)
主制御部211は、光スキャナ42をあらかじめ決められた初期位置に移動させる。
(S9)
主制御部211は、光源ユニット101をオンにし、波長掃引型光源に対し計測モードに対応した波長掃引周波数及び波長掃引幅のうち少なくとも1つを設定する。続いて、主制御部211は、光スキャナ42を制御することにより光源ユニット101からの光L0に基づく測定光LSで被検眼Eのスキャンを開始させる。画像形成部220は、上記のように、計測モードに応じて検出器155による干渉光の検出結果に基づいて眼底Ef、前眼部、又は前眼部から眼底Efまでの範囲のOCT画像を形成する。
(S10)
主制御部211は、撮影光学系30により得られた前眼部像から網膜のフォーカス方向のアライメントを行う。それにより、OCTユニット100が備える光学系の光軸方向の位置の微調整が可能になる。更に、主制御部211は、OCT光学系140により得られた干渉光の検出信号に基づいて、OCTユニット100が備える光学系の焦点位置を変更してもよい。主制御部211は、例えば、所定の干渉光の検出信号の振幅が最大となるようにOCT合焦レンズ43を光軸方向に移動することにより光学系の焦点位置を変更する。
(S11)
主制御部211は、再び、光スキャナ42を制御することにより光源ユニット101からの光L0に基づく測定光LSで被検眼Eのスキャンを開始させることによりOCT計測を実行する。例えば、通常計測モードでは、主制御部211は、検出器125による干渉光の検出結果に基づいて眼底Ef又は前眼部のOCT画像を画像形成部220に形成させる。通常計測モードにおいて、主制御部211は、眼底Ef又は前眼部における所定の眼内距離を眼内距離算出部231に算出させるようにしてもよい。例えば、全眼球計測モードでは、主制御部211は、検出器125による干渉光の検出結果に基づいて、角膜厚、前房深度、水晶体厚及び眼軸長の少なくとも1つを眼内距離算出部231に算出させる。全眼球計測モードにおいて、主制御部211は、前眼部から眼底Efまでの範囲のOCT画像を画像形成部220に形成させるようにしてもよい。
(S12)
主制御部211は、次の撮影を通常計測モードで行うか否かを判定する。例えば、主制御部211は、操作部242に対するユーザの操作内容に基づいて、次の撮影を通常計測モードで行うか否かを判定することができる。
次の撮影を通常計測モードで行うと判定されたとき(S12:Y)、眼科装置1の動作はS2に移行する。次の撮影を通常計測モードで行わないと判定されたとき(S12:N)、眼科装置1の動作はS13に移行する。
(S13)
S12において次の撮影を通常計測モードで行わないと判定されたとき(S12:N)、主制御部211は、次の撮影を全眼球計測モードで行うか否かを判定する。例えば、主制御部211は、操作部242に対するユーザの操作内容に基づいて、次の撮影を全眼球計測モードで行うか否かを判定することができる。
次の撮影を全眼球計測モードで行うと判定されたとき(S13:Y)、眼科装置1の動作はS4に移行する。次の撮影を全眼球計測モードで行わないと判定されたとき(S13:N)、眼科装置1の動作は終了する(エンド)。
以上説明したように、第1実施形態によれば、深さレンジに応じて測定光LSの入射光束径を変更するようにしたので、深さレンジを変更した場合でも高画質のOCT画像や高精度なOCT計測結果を取得することが可能になる。特に、測定光路に対して絞り80を挿脱することにより測定光LSの入射光束径を変更するようにしたので、深さレンジを変更した場合でも簡素な構成で高画質のOCT画像や高精度なOCT計測結果を取得することが可能になる。
なお、第1実施形態において、測定光路に対する絞り80の挿脱制御に連係して波長掃引型光源が発する光の光量を制御するようにしてもよい。例えば、測定光路に絞り80が挿入されたときに光量を増加させ、測定光路から絞り80が退避されたとき光量を減少させることで、被検眼に対する安全性を確保しつつSNRを向上させることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、測定光路に対して絞り80を挿脱することにより測定光LSのビーム径を変更する場合について説明したが、実施形態に係る眼科装置の構成はこれに限定されるものではない。例えば、測定光LSの光束を制限することなく測定光LSのビーム径を変更することが可能である。以下では、第2実施形態に係る眼科装置について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図5に、第2実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す。図5において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第2実施形態に係る眼科装置1aの光学系の構成が第1実施形態に係る眼科装置1の光学系の構成と異なる点は、絞り80が取り除かれた点と、コリメータレンズユニット40に代えてバリフォーカルレンズ90が設けられた点である。バリフォーカルレンズ90は、焦点距離(すなわち画角)を変更する可変焦点レンズである。
図6A及び図6Bに、図5のバリフォーカルレンズ90の構成例を示す。図6Aは、計測モードが全眼球計測モードに設定された状態のバリフォーカルレンズ90の光学系の構成例を表したものである。図6Bは、計測モードが通常計測モードに設定された状態のバリフォーカルレンズ90の光学系の構成例を表したものである。図6A及び図6Bにおいて、図5と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
バリフォーカルレンズ90は、レンズ91、92、93を含む。レンズ92は、光軸方向に移動可能である。レンズ92は、図示しない移動機構により光軸方向に移動される。レンズ91はメニスカスレンズであってよい。レンズ92は平凹レンズであってよい。レンズ93は、凸レンズであってよい。光ファイバ127の出射端を臨む位置に、バリフォーカルレンズ90が配置されている。具体的には、バリフォーカルレンズ90は、その焦点位置が光ファイバ127の出射端に一致するように配置されている。バリフォーカルレンズ90は、光ファイバ127の出射端から出射された測定光LSを平行光束にするとともに、被検眼Eからの測定光の戻り光を当該出射端に集光する。
計測モードが全眼球計測モードに設定されているとき、レンズ92をレンズ91側に移動することにより測定光LSのビーム径D1が設定される(図6A)。計測モードが通常計測モードに設定されているとき、レンズ92をレンズ93側に移動することにより測定光LSのビーム径D2(D2>D1)が設定される(図6B)。
図7に、第2実施形態に係る眼科装置1aの制御系の構成例のブロック図を示す。図7において、図3と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
第2実施形態に係る眼科装置1aの制御系が第1実施形態に係る眼科装置1の制御系と異なる点は、演算制御ユニット200に代えて演算制御ユニット200aが設けられた点と、挿脱機構80Aに対する制御に代えて移動機構92Aに対する制御を行う点である。演算制御ユニット200aは、制御部210aと、画像形成部220と、データ処理部230とを含む。制御部210aが制御部210と異なる点は、挿脱機構80Aに対する制御に代えて移動機構92Aに対する制御を行うようにした点である。制御部210aは、主制御部211aと、記憶部212aとを含む。
移動機構92Aには、レンズ92を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。それにより、レンズ91、92の間の光学的距離と、レンズ92、93の間の光学的距離とが変更される。なお、手動又はユーザの操作部242に対する操作により移動機構92Aが光軸方向にレンズ92を移動するようにしてもよい。
第2実施形態に係る眼科装置1aの動作は、図4A及び図4Bに示す第1実施形態に係る眼科装置1の動作と略同様である。第2実施形態に係る眼科装置1aは、S3において図6Aに示すようにレンズ92を移動することにより測定光LSのビーム径を通常計測用ビーム径に変更する。また、眼科装置1aは、S5において図6Bに示すようにレンズ92を移動することにより測定光LSのビーム径を全眼球計測用ビーム径に変更する。
なお、第2実施形態において、バリフォーカルレンズに代えてズームレンズが設けられてもよい。ズームレンズの構成は公知であるため、詳細な説明を省略する。この場合、制御部210aは、ズームレンズを制御することにより測定光LSのビーム径を変更することが可能である。
以上説明したように、第2実施形態によれば、バリフォーカルレンズを制御することにより深さレンジに応じて測定光LSの入射光束径を変更するようにしたので、深さレンジを変更した場合でも光量を低下させることなく高画質のOCT画像や高精度なOCT計測結果を取得することが可能になる。
[効果]
実施形態に係る眼科装置の効果について説明する。
実施形態に係る眼科装置(1、1a)は、データ収集部(OCTユニット100から光スキャナ42を経由して対物レンズ22に至るまでの光学系)と、収集レンジ変更部(波長掃引型光源)と、ビームサイズ変更部(絞り80、挿脱機構80A)と、制御部(200、200a)とを含む。データ収集部は、光ビーム(測定光LS)を用いて被検眼(E)をスキャンしてデータを収集する。収集レンジ変更部は、スキャンの深さ方向におけるデータ収集レンジ(深さレンジ)を変更する。ビームサイズ変更部は、光ビームのサイズ(ビーム径、光束径、光学系の光軸に直交する方向の径)を変更する。制御部は、収集レンジ変更部により変更されたデータ収集レンジに基づいてビームサイズ変更部を制御する。
このような構成によれば、スキャンの深さ方向のデータ収集レンジに応じて光ビームのサイズを変更するようにしたので、データ収集レンジを変更した場合でもそれぞれのデータ収集レンジにおいて被検眼について高画質の画像や高精度な計測結果を得ることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、ビームサイズ変更部は、絞り(80)と、光ビームの光路(測定光路)に対して絞りを挿脱する挿脱機構(80A)と、を含んでもよい。
このような構成によれば、光ビームの光路に対して絞りを挿脱することにより光ビームのサイズを変更するようにしたので、簡素な構成でデータ収集レンジに応じて光ビームのサイズを変更することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、データ収集部は、光源(波長掃引型光源)からの光(L0)を測定光(LS)と参照光(LR)とに分割し、測定光を光ビームとして被検眼に入射させ、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光(LC)を検出する干渉光学系(OCTユニット100に含まれる光学系)と、測定光を平行光束にするコリメータレンズ(コリメータレンズユニット40)と、コリメータレンズにより平行光束とされた測定光を偏向する光スキャナ(42)と、を含み、挿脱機構は、コリメータレンズと光スキャナとの間の測定光の光路に対して絞りを挿脱してもよい。
このような構成によれば、平行光束とされた測定光の光路に対して絞りを挿脱するようにしたので、簡素な構成、かつ、簡素な制御で測定光のビームサイズを変更することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、ビームサイズ変更部は、光ビームの光路に配置されたバリフォーカルレンズ(90)又はズームレンズを含み、制御部は、バリフォーカルレンズ又はズームレンズを制御してもよい。
このような構成によれば、バリフォーカルレンズ又はズームレンズを用いて光ビームのサイズを変更するようにしたので、光源からの光の光量の低下を招くことなく、データ収集レンジに応じて光ビームのサイズを変更することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、データ収集部は、光源(波長掃引型光源)からの光(L0)を測定光(LS)と参照光(LR)とに分割し、測定光を光ビームとして被検眼に入射させ、被検眼からの測定光の戻り光と参照光との干渉光(LC)を検出する干渉光学系(OCTユニット100に含まれる光学系)と、測定光を偏向する光スキャナ(42)と、を含み、バリフォーカルレンズ又はズームレンズは、光源と光スキャナとの間に配置されていてもよい。
このような構成によれば、バリフォーカルレンズ又はズームレンズを用いて平行光束とされた測定光のビームサイズを変更するようにしたので、簡素な構成、かつ、簡素な制御で測定光のビームサイズを変更することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、光源は、波長掃引型光源であり、収集レンジ変更部は、波長掃引型光源の波長掃引周波数及び波長掃引幅の少なくとも一方を変更することによりデータ収集レンジを変更してもよい。
このような構成によれば、波長掃引型光源の動作モードを変更することによりデータ収集レンジを変更するようにしたので、簡素な構成で、データ収集レンジを変更し、変更されたデータ収集レンジに応じて光ビームのサイズを変更する眼科装置を提供することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置では、制御部は、データ収集レンジが第1データ収集レンジのとき光ビームのサイズが第1サイズとなるようにビームサイズ変更部を制御し、データ収集レンジが第1データ収集レンジより長い第2データ収集レンジのとき光ビームのサイズが第1サイズより小さい第2サイズとなるようにビームサイズ変更部を制御してもよい。
このような構成によれば、深さ方向のデータ収集レンジが長いほど、データを収集するための光ビームのビームサイズが小さくなるように制御するようにしたので、長いデータ収集レンジに変更された場合でも、被検眼について高画質の画像や高精度な計測結果を得ることが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、互いに異なるデータ収集レンジに対応する2以上の動作モード(通常計測モード、全眼球計測モード)のいずれかを指定するための指定部(操作部242)を含み、制御部は、指定部により指定された動作モードに基づいてビームサイズ変更部を制御してもよい。
このような構成によれば、データ収集レンジに応じた動作モードを指定部により指定することにより光ビームのビームサイズを変更するようにしたので、被検眼の計測部位や診断目的等に対応した動作モードに対してデータ収集レンジをあらかじめ設定しておくことにより、それぞれの動作モードにおいて高画質の画像や高精度な計測結果を得ることが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
また、実施形態に係る眼科装置では、2以上の動作モードは、被検眼の眼底(Ef)又は前眼部をスキャンする第1動作モード(通常計測モード)と、被検眼の前眼部から眼底までの範囲をスキャンする第2動作モード(全眼球計測モード)とを含んでもよい。
このような構成によれば、被検眼の眼底又は前眼部をスキャンするための動作モードと、被検眼の前眼部から眼底までの範囲をスキャンするための動作モードとを設けるようにしたので、眼底又は前眼部をスキャンする場合や前眼部から眼底までの範囲をスキャンする場合でも高画質の画像や高精度な計測結果を得ることが可能な眼科装置を提供することができるようになる。
また、実施形態に係る眼科装置は、第1動作モードにおいて、データ収集部により収集されたデータに基づいて眼底又は前眼部の画像を形成する画像形成部を含んでもよい。
このような構成によれば、第1動作モードにおいて眼底又は前眼部の画像を形成するようにしたので、高画質な画像を取得することが可能になる。
また、実施形態に係る眼科装置は、第2動作モードにおいて、データ収集部により収集されたデータに基づいて少なくとも被検眼の眼軸長を求める眼内距離算出部(231)を含んでもよい。
このような構成によれば、第2動作モードにおいて、少なくとも被検眼の眼軸長を求めるようにしたので、高精度な眼軸長を取得することが可能になる。
<変形例>
以上に示された実施形態は、この発明を実施するための一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内において任意の変形、省略、追加等を施すことが可能である。
前述の実施形態又はその変形例において、実施形態に係る眼科装置における光学系の構成が図1及び図2に示す構成である場合について説明したが、光学系の構成はこれに限定されない。実施形態に係る光学系は、レーザー光を眼底における治療部位に照射するための光学系や、被検眼に固視させた状態で視標を移動させるための光学系などを備えていてもよい。
1、1a 眼科装置
40 コリメータレンズユニット
42 光スキャナ
80 絞り
80A 挿脱機構
90 バリフォーカルレンズ
92A 移動機構
100 OCTユニット
200、200a 演算制御ユニット
210、210a 制御部
211、211a 主制御部
220 画像形成部
242 操作部
E 被検眼
LC 干渉光
LR 参照光
LS 測定光

Claims (10)

  1. 波長掃引型光源からの光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を光ビームとして偏向することで被検眼をスキャンし、前記被検眼からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を一定のサンプリングレートでサンプリングしてデータを収集するデータ収集部と、
    前記波長掃引型光源の波長掃引周波数及び波長掃引幅の少なくとも一方を変更することにより前記スキャンの深さ方向におけるデータ収集レンジを変更する収集レンジ変更部と、
    前記光ビームのサイズを変更するビームサイズ変更部と、
    前記収集レンジ変更部により変更されたデータ収集レンジに基づいて前記ビームサイズ変更部を制御する制御部と、
    を含み、
    前記光ビームのサイズを小さくしたとき、前記波長掃引型光源が発する光の光量を増加させる共に、前記光ビームのサイズを大きくしたとき、前記波長掃引型光源が発する光の光量を減少させる、眼科装置。
  2. 前記ビームサイズ変更部は、
    絞りと、
    前記光ビームの光路に対して前記絞りを挿脱する挿脱機構と、
    を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記データ収集部は、
    前記測定光を平行光束にするコリメータレンズと、
    前記コリメータレンズにより平行光束とされた前記測定光を偏向する光スキャナと、
    を含み、
    前記挿脱機構は、前記コリメータレンズと前記光スキャナとの間の前記測定光の光路に対して前記絞りを挿脱する
    ことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
  4. 前記ビームサイズ変更部は、前記光ビームの光路に配置されたバリフォーカルレンズ又はズームレンズを含み、
    前記制御部は、前記バリフォーカルレンズ又は前記ズームレンズを制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  5. 前記データ収集部は、前記測定光を偏向する光スキャナを含み、
    前記バリフォーカルレンズ又は前記ズームレンズは、前記波長掃引型光源と前記光スキャナとの間に配置されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の眼科装置。
  6. 前記制御部は、前記データ収集レンジが第1データ収集レンジのとき前記光ビームのサイズが第1サイズとなるように前記ビームサイズ変更部を制御し、前記データ収集レンジが前記第1データ収集レンジより長い第2データ収集レンジのとき前記光ビームのサイズが前記第1サイズより小さい第2サイズとなるように前記ビームサイズ変更部を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の眼科装置。
  7. 互いに異なるデータ収集レンジに対応する2以上の動作モードのいずれかを指定するための指定部を含み、
    前記制御部は、前記指定部により指定された動作モードに基づいて前記ビームサイズ変更部を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の眼科装置。
  8. 前記2以上の動作モードは、前記被検眼の眼底又は前眼部をスキャンする第1動作モードと、前記被検眼の前記前眼部から前記眼底までの範囲をスキャンする第2動作モードとを含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の眼科装置。
  9. 前記第1動作モードにおいて、前記データ収集部により収集された前記データに基づいて前記眼底又は前記前眼部の画像を形成する画像形成部を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の眼科装置。
  10. 前記第2動作モードにおいて、前記データ収集部により収集された前記データに基づいて少なくとも前記被検眼の眼軸長を求める眼内距離算出部を含む
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の眼科装置。
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