JP6862867B2 - 水溶性導電性高分子の分子量測定方法 - Google Patents

水溶性導電性高分子の分子量測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、サイズ排除クロマトグラフィーによる水溶性導電性高分子の分子量測定方法に関する。
水溶性導電性高分子は、固体電解コンデンサ、帯電防止等の用途向けの材料として重要であり、側鎖にスルホ基又はスルホナート基が置換したポリチオフェン、又はポリアニリン等が広く知られている。特に、ポリチオフェンについては、ポリアニリンより導電率が高く、安定である特徴を有しているため工業的により有用である。
代表的な高導電性水溶性導電性高分子として、4−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル−メトキシ)−1−ブタンスルホン酸塩 ポリマー(PEDOT−S,下式参照)が報告されており、その分子量の測定方法としては、マトリックス支援レーザー脱離イオン化−飛行時間型質量法(以下、MALDI−TOFMS法と略す)、サイズ排除クロマトグラフィー(以下、SEC分析と略す)の報告例がある(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3)。
非特許文献1では、0.1M−硝酸ナトリウム水溶液を溶離液に用いたSEC分析(使用カラム=Shodex OHpak SB−806M)によりPEDOT−SのNa塩の分析を行っている。非特許文献2では、メタノール含有水溶液を用いてPEDOT−SのLi塩のSEC分析を行っている。又、非特許文献3では、MALDI−TOFMS法により分子量の測定を試みているものの分析不可能との記載がある一方、サイズ排除クロマトグラフィーによる分析法の記載はない。
Figure 0006862867
Chemical Communications,40,6086−8(2009) Macromolecular Chemistry and Physics,203,1958−1964(2003) Chemistry Materials,21,1815−1821(2009)
前述の通り、先行技術文献には、SEC分析による水溶性導電性高分子の分子量測定が行われている。ところが、ポリチオフェンのような水溶性導電性高分子を前述の非特許文献に記載されている水系溶媒を溶離液としてSEC分析(検出器=紫外吸収検出器)すると、試料注入量に対する検出強度比(=回収率)が10%以下と非常に小さくことが判明した。これは、ポリチオフェンがカラムに吸着してしまって、正確な分子量測定ができていないことを意味する。
本発明は上記事情に鑑み、SEC分析の際のポリチオフェンの回収率が定量的になるような分離条件及び分子量測定方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、SEC分析条件について鋭意検討したところ、水溶性導電性高分子について、アミン化合物を接触させてアンモニウム塩に変換したものを分析試料とし、且つ有機溶媒を溶離液とするSEC分析を行うことにより、従来に無い高い回収率で分析できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下に示すアニオン性基を有する水溶性導電性高分子、特にアニオン性基を有する水溶性ポリチオフェンのSEC法による分子量測定方法に関するものである。
[1] アニオン性基を有する水溶性導電性高分子の分子量測定方法であって、
(1)アニオン性基を有する水溶性導電性高分子を含む水溶液にアミン化合物を接触させ水溶性導電性高分子のアンモニウム塩を得る工程、
(2)工程(1)で得られる水溶液を濃縮して、乾固した後、有機溶媒に溶解させて処理液を得る工程、
(3)更に、工程(2)で得られた処理液をサイズ排除クロマトグラフィーにより分析する工程、
を含むことを特徴とする分子量測定方法。
[2] アニオン性基を有する水溶性導電性高分子が、スルホン酸基を有するポリチオフェンであることを特徴とする[1]記載の分子量測定方法。
[3] アニオン性基を有する水溶性導電性高分子が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むポリチオフェンであることを特徴とする[1]、又は[2]に記載の分子量測定方法。
Figure 0006862867
(式中、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基である。Lは、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキレン基、又は−(CH)p−O−Y−で表される基である。Yは、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基である。pは、1〜8のいずれかの整数である。)
[4] アミン化合物が、常圧下での沸点が150℃以下であるアミン化合物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の分子量測定方法。
[5] サイズ排除クロマトグラフィーにおける溶離液が、極性有機溶媒であることを特徴とする[1]記載の分子量測定方法
[6] サイズ排除クロマトグラフィーにおける溶離液が、テトラハイドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及び1−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[1]記載の分子量測定方法。
[7] 工程(2)の有機溶媒が、テトラハイドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及び1−メチル−2−ピロリドンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[1]記載の分子量測定方法。
本発明書に記載したSEC分析により、水溶性導電性高分子のカラム充填剤への吸着が極めて少なく、従来に無い精度のよい分析が可能となるという顕著な効果を奏する。高精度の分析によって、分子量制御が可能となり、分子量制御に基づく水溶性導電性高分子の用途開発が可能となるという効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、アニオン性基を有する水溶性導電性高分子の分子量測定方法であって、
(1)アニオン性基を有する水溶性導電性高分子を含む水溶液にアミン化合物を接触させて水溶性導電性高分子のアンモニウム塩を得る工程、
(2)工程(1)で得られる水溶液を濃縮して、乾固した後、有機溶媒に溶解させて処理液を得る工程、
(3)更に、工程(2)で得られた処理液をサイズ排除クロマトグラフィーにより分析する工程、
を含むことを特徴とする分子量測定方法である。
本発明は、例えば、図1に示すようなフローチャートに従って行うことができる。
前記アニオン性基は、陰イオン性基と書き換えることもでき、特に限定するものではないが、例えば、カルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基(スルホン酸基)、又はホスホ基(リン酸基)等が挙げられる。
アニオン性基を有する水溶性導電性高分子としては、特に限定するものではないが、Macromolecule,28,975−984(1995)、特許5284656号公報、特開平06−49183号公報、国際公開第2014/007299号明細書等に記載されているポリチオフェン誘導体、国際公開第2011/118611号明細書等に記載されているポリアニリン誘導体が挙げられる。これらのうち、特に、本願の分子量測定方法は、ポリチオフェン誘導体に対して有効であり、例えば、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むポリチオフェンにたいしてより有効である。
Figure 0006862867
(式中、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基である。Lは、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキレン基、又は−(CH)p−O−Y−で表される基である。Yは、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基である。pは、1〜8のいずれかの整数である。)
Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基である。
前記炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、又は1,2−ブタンジイル基が挙げられる。これらのうち、工業的に有用である点で、エチレン基、又は1,3−プロパンジイル基が好ましい。
Lは、炭素数1〜8の直鎖若しくは分岐のアルキレン基、又は−(CH)p−O−Y−で表される基である。
前記炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,2−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、ネオペンチレン基、1,6−ヘキサンジイル基、4−メチル−2,2−ペンチレン基、3−メチル−1,5−ペンチレン基、1,7−ヘプタンジイル基、又は1,8−オクタンジイル基等が挙げられる。これらのうち、工業的に有用である点で、1,4−ブタンジイル基、又は1,6−ヘキサンジイル基が好ましい。
Yは、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基であり、当該炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチレン基、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,2−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、ネオペンチレン基、1,6−ヘキサンジイル基、4−メチル−2,2−ペンチレン基、又は3−メチル−1,5−ペンチレン基等が挙げられる。これらのうち、工業的に有用である点で、1,3−プロパンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,4−ブタンジイル基、又は1,6−ヘキサンジイル基が好ましい。尚、Yにおける前記炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基については、フッ素原子、トリフルオロメチル基が置換してもよい。
このように、Yについては、工業的に有用である点で、炭素数1〜6の直鎖又は分岐アルキレン基(該基は、フッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されていてもよい)であることが好ましく、メチレン基、エチレン基、1,2−プロパンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,2−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、ネオペンチレン基、1,6−ヘキサンジイル基、4−メチル−2,2−ペンチレン基、又は3−メチル−1,5−ペンチレン基(これらの基は、フッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されていてもよい)であることがより好ましく、1,3−プロパンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,4−ブタンジイル基、又は1,6−ヘキサンジイル基(これらの基は、フッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されていてもよい)であることがより好ましい。
pは、1〜8のいずれかの整数である。このうち、工業的に有用である点で、pは、1〜6のいずれかの整数であることが好ましく、1〜4のいずれかの整数であることがより好ましい。
ここで記載したポリチオフェンについては、一般式(1)で表される構造単位を少なくとも2つ以上含むものを示し、工業的に有用である点で、少なくとも5つ以上含むものが好ましく、10以上含むものがより好ましい。
本発明におけるアニオン性基を有する水溶性導電性高分子としては、鉄塩又は/及び過硫酸塩存在下での酸化重合により合成したものを用いることができる。その構造は、特に限定するものではないが、例えば、側鎖にスルホ基(スルホン酸基)、又はスルホナート基等のアニオン性基を有するポリチオフェン(例えば、上記の一般式(1)で表される繰り返し単位を含むポリチオフェン)、又はポリアニリン等を挙げることができる。
本発明においては、その工程(1)の規定の通り、まず、アニオン性基を有する水溶性導電性高分子を含む水溶液をアミン化合物と接触させアンモニウム塩を生成させる必要がある。
尚、アニオン性基を有する水溶性導電性高分子を含む溶液からアンモニウム塩を合成するにあたって、側鎖のスルホ基(スルホン酸基)がスルホン酸アルカリ金属塩となっている際には、事前に陽イオン交換処理等によりスルホン酸(Mが水素イオン)とすることが好ましい。
アミン化合物としては、アニオン性基(例えば、スルホン酸基)と反応してアンモニウム塩が生成すれば特に制限はないが、具体的には、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、tetr−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、tert−アミルアミン、ヘキシルアミン等の一級アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−iso−プロピルアミン、ジ−iso−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン等の二級アミン、トリメチルアミン、トチエチルアミン、トリプロピルアミン等の三級アミンが挙げられる。
前記アミン化合物については、工程(2)の操作性に優れる点で、常圧下の沸点が150℃以下のアミン化合物が好ましく、常圧下での沸点が40℃以上且つ100℃以下のアミン化合物がより好ましく、特に限定するものではないが、例えば、n−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、又はジ−iso−プロピルアミン等がより好ましい。
本発明の工程(1)に用いるアミン化合物の量は、特に限定するものではないが、例えば、アニオン性基を有する水溶性導電性高分子のモル数に対して、1.0〜1000倍量が好ましい。
アミン化合物は、そのまま或いは溶媒に溶解させたものをアニオン性基を有する水溶性導電性高分子水溶液に添加し、撹拌することによって、目的とするアンモニウム塩を合成することができる。前記溶媒としては、水に溶解可能な溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール溶媒が好ましい。撹拌時間、温度については、アンモニウム塩が生成する条件であれば特に制限はないが、例えば、20℃〜80℃、1時間〜50時間の範囲で適宜選択することができる。
次に、本発明の工程(2)に記載の通り、工程(1)で得られたアンモニウム塩水溶液を濃縮し、乾固することにより、フィルム状又は粉末状のアンモニウム塩を合成する。
濃縮する方法としては、特に限定するものではないが、加熱による溶媒留去や、エバポレーターを用いた溶媒留去等の方法を例示することができる。
本発明の工程(2)に記載の通り、上記の操作で得られたフィルム状又は粉末状のアンモニウム塩については、有機溶媒に溶解させて処理液を得る。前記有機溶媒としては、アンモニウム塩を溶かすことができるのであれば特に制限はないが、例えば、1,2−ジメトキシエタン、クロロホルム、ピリジン、炭酸ジエチル、テトラハイドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又は1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは極性有機溶媒であり、更に工業的に利用しやすい点で、テトラハイドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又は1−メチル−2−ピロリドンが好ましい。なお、これらの溶媒については、単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。これらの中でも、ジメチルスルホキシドが水溶性導電性高分子をよく溶かすことからより好ましい。
本発明の工程(3)に記載の通り、前記工程(2)で得られた処理液については、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分析する。
当該SEC分析については、特に限定するものではないが、一般公知の機器、装置、備品、条件等を用いて行うことができる。 SEC分析における前記処理液中のアニオン性基を有する水溶性導電性高分子の濃度としては、SEC分析でピークが検出できる量であれば特に制限はないが、好ましくは、0.05重量%〜1.00重量%である。
SEC分析の充填剤としては、特に限定するものではないが、極性有機溶媒による頻繁な溶媒置換に対して膨潤等のカラム劣化を引き起こす恐れのないものが好ましく、具体的には、東ソー製 αシリーズ、SuperAWシリーズ、昭和電工製 OHpak SB−800シリーズ、KD−800シリーズ等が好ましい。
SEC分析の溶離液としては、特に限定するものではないが、上述の有機溶媒と同じものを挙げることができる。また、当該溶離液については、分析精度を向上させる点で、工程(2)で用いた有機溶媒と同じ組成のものを用いることが好ましい。尚、溶離液は、分離条件の改善のため、必要に応じ臭化リチウム等の塩を添加してもよい。又、ピークの検出器としは特に制限はなく、状況に応じて光散乱検出器、示差屈折率検出器、紫外可視吸収検出器、フォトダイオードアレイ検出器等を使いわけることができる。
以上のような工程を経ることにより、アニオン性基を有する水溶性導電性高分子がカラムに吸着することなく、再現性よくSEC分析が可能となる。
本実施形態の水溶性導電性高分子の分子量測定方法のフローチャートである。 実施例2で得られたSECクロマトグラムを示す。 実施例2で得られたSECクロマトグラムを微分分子量分布曲線で示したものである。 合成例1〜4の水溶性導電性高分子の第一ピークトップ分子量(Mp1)と導電率の関係を示したものである。 合成例1〜4の水溶性導電性高分子の重量平均分子量(Mw)と導電率の関係を示したものである。
以下、本発明のアニオン性基を有する水溶性導電性高分子の分子量測定方法に関する実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。
[SEC測定条件]
装置 :東ソー社製GPC8020
カラム :TSKGel α−M+guardcolumn α
検出器 :UV−8020、又はRI−8020
流 速 :0.6mL/min
注入量 :20μL(約1000ppm)
標準試料 :プルラン
その他条件は、以下の実施例、比較例中に記載した。
[導電率測定]
水溶性導電性高分子を含む水溶液0.5mLを30mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で200℃にて30分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
合成例1 導電率=408S/cmを示す下記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子の合成例
Figure 0006862867
(一般式(2)は、高分子に含まれる繰り返し単位を表す。)
全仕込み量に対するモノマー濃度=3.6重量%、塩化鉄/過硫酸ナトリウム/モノマーモル比=0.6/12.0/1.0モル比の条件下、以下に示す操作により水溶性導電性高分子を得た。
4枚傾斜パドル翼を装着した500mLセパラブルフラスコに、モノマーとして3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10.8g(32.7mmol)及び水 162gを室温下加えた。均一に溶解していることを確認後、液温度を20℃±2℃を保持しながら、撹拌下、塩化鉄(III)3.18gを分割して添加した。20分後、同温度を保持しながら過硫酸ナトリウム 15.5g(mmol)と水 108gからなる水溶液を3時間かけて滴下し、更に6hr強撹拌した。尚、その後、反応溶液を固形物濃度が1重量%になるよう水を加えて希釈し、ろ過及びイオン交換を行うことによって、ナトリウム塩を酸型に変換するとともに精製を行った、その後、限外ろ過により濃縮し、0.92重量%のポリマー水溶液を得た。この水溶液をガラス基板に成膜して得た塗膜の導電率は408S/cmであった。
合成例2 導電率=310S/cmを示す上記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子の合成例
塩化鉄/過硫酸ナトリウム/モノマーモル比=0.6/12.0/1.0モル比の条件下、全仕込量に対するモノマー濃度=1.5重量%とし、実施例1と同じ操作を行って、上記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子を得た。この水溶液をガラス基板に成膜して得た塗膜の導電率は、310S/cmであった。
合成例3 導電率=250S/cmを示す上記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子の合成例
塩化鉄/過硫酸ナトリウム/モノマーモル比=0.6/12.0/1.0モル比の条件下、全仕込量に対するモノマー濃度=0.8重量%とし、実施例1と同じ操作を行って、上記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子を得た。この水溶液をガラス基板に成膜して得た塗膜の導電率は、250S/cmであった。
合成例4 導電率=840S/cmを示す上記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子の合成例
塩化鉄/過硫酸ナトリウム/モノマーモル比=0.6/12.0/1.0モル比の条件下、全仕込量に対するモノマー濃度=8.0重量%とし、実施例1と同じ操作を行って、上記一般式(2)で表される水溶性導電性高分子を得た。この水溶液をガラス基板に成膜して得た塗膜の導電率は、840S/cmであった。
比較例1 水系溶媒を溶離液とする水溶性導電高分子のSEC分析
非特許文献1〜3に報告されている水溶性導電性高分子の分子量測定条件(即ち、水系溶離液)を用いて合成例2で得られた水溶性導電性高分子のSEC分析を行い、サンプルの回収率評価を行った。操作及び結果について、以下の通り示す。
合成例2で得た水溶性導電性高分子水溶液(固形分濃度=0.7重量%) 7.0gに、28重量%の水酸化ナトリウム水溶液 7.0gを加え、60℃で1時間撹拌した。冷却後、本反応液をメタノール 200mLに滴下することにより沈殿物を得、当該沈殿物をろ過分離した。次いで、前記沈殿物を60℃で1時間、真空乾燥することにより対応するスルホン酸ナトリウム型の水溶性導電性高分子を得た。得られた水溶性導電性高分子をSEC分析の溶離液である50mM−硝酸ナトリウム水溶液/ジメチルホルムアミド混合溶液(ジメチルホルムアミドの濃度が5、20、及び40体積%の3水準)で0.1重量%になるよう調製したのち、下記条件でSEC分析をおこなった。
[SEC測定]
検出器 :UV−8020
溶離液 :50mM−硝酸ナトリウム水溶液((100−X)体積%)/ジメチルホルムアミド(X体積%),X=5,10,20
検出器 :UV(580nm)
温 度 :40℃
流 速 :0.6mL/分
表1に、カラム未装着条件で検出したサンプルピーク面積をベースにして算出した、各X条件下におけるサンプル回収率を示す。すなわち、本回収率は、カラム装着時のピーク面積/カラム未装着時のピーク面積×100で表される数値である。尚、カラム未装着時の検討に当たっては、装着したカラムをはずし、代わりに空の1/16インチ−PEEKチューブを接続して分析した。結果を下表に示した。
Figure 0006862867
表1から、従来の水系溶離液を用いた分析法は、水溶性導電性高分子がカラム吸着することから精度のよい分子量測定方法ではないことがわかった。
実施例1 極性有機溶媒を溶離液とする水溶性導電性高分子のSEC分析
図1に示すフローチャートに従い、比較例1と同様の手法によってサンプル回収率を評価し、本発明による水溶性導電性高分子の分子量測定法の妥当性を検討した。操作及び結果について、以下の通り示す。
まず、合成例2で得た水溶性導電性高分子水溶液(固形分濃度=0.7重量%) 2gに、50重量%のジイソプロピルアミン/メタノール溶液 1.2gを添加し、室温下、一晩撹拌した。得られた溶液を濃縮乾固して濃紫色の固形物を得た。前記固形物の 25mgに、極性有機溶媒であるジメチルスルホキシド 25mLを添加し一晩静置した。次いで、0.45μm−シリンジフィルターで濾過し分析試料とした。溶離液をジメチルスルホキシド/10mM−LiBrに変更した以外は比較例1と同様の条件の下で、前記分析試料のSEC分析を行った。
得られたクロマトグラムは、水系溶媒を溶離液とする比較例1の結果と比較して、ピーク面積が大きくなり、サンプル回収率は約100%であった。
実施例2 合成例1〜4で得られた水溶性導電性高分子の分子量測定結果
実施例1と同様な分析試料作製操作を行い、合成例1〜4の水溶性導電性高分子のそれぞれについて、ジイソプロピルアミンを用いたアンモニウム塩を調製した後、下記条件下でSEC分析を行った。SECクロマトグラムを図2に、その微分分子量分布曲線を図3に示した。
[SEC測定]
検出器 :UV−8020
溶離液 :ジメチルスルホキシド/10mM−LiBr
検出器 :UV(335nm)
温 度 :50℃
流 速 :0.6mL/分
図2及び図3に示すように何れのサンプルもピークが2つ検出された。保持時間の小さい順にRT1、RT2とし、その保持時間から算出されるピークトップ分子量をMp1、Mp2とする。又、2つのピークを1つとして計算した重量平均分子量をMwとし、Mp1及びMp2と合わせた結果を表2に纏める。その結果、Mp1とMw、其々が水溶性導電性高分子の重量な物性値である導電率と相関があることが認められた(図4及び図5参照)。
Figure 0006862867

Claims (2)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0006862867
    (式中、Aは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基である。Lは、−(CH )p−O−Y−で表される基である。Yは、置換基を有してもよい炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキレン基である。pは、1〜8のいずれかの整数である。)
    で表される繰り返し単位を含むポリチオフェンからなるアニオン性基を有する水溶性導電性高分子の分子量測定方法であって、
    (1)前記のアニオン性基を有する水溶性導電性高分子を含む水溶液に一級アミン化合物、二級アミン化合物、又は三級アミン化合物を接触させ水溶性導電性高分子のアンモニウム塩を得る工程、
    (2)工程(1)で得られる水溶液を濃縮して、乾固した後、ジメチルスルホキシドに溶解させて処理液を得る工程、
    (3)更に、工程(2)で得られた処理液を、ジメチルスルホキシドを溶離液としたサイズ排除クロマトグラフィーにより分析する工程、
    を含むことを特徴とする分子量測定方法。
  2. 一級アミン化合物、二級アミン化合物、又は三級アミン化合物が、常圧下での沸点が150℃以下である一級アミン化合物、二級アミン化合物、又は三級アミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の分子量測定方法。
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