以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、以下に説明する実施の形態のうち、2つ以上の実施の形態が組み合わせられて実施されても構わない。あるいは、以下に説明する実施の形態のうち、1つの実施の形態または2つ以上の実施の形態の組み合わせが部分的に実施されても構わない。
実施の形態1.
本実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
***構成の説明***
図1および図2を参照して、本実施の形態に係る空気調和機10の構成を説明する。
図1は、冷房運転時の冷媒回路11を示している。図2は、暖房運転時の冷媒回路11を示している。
空気調和機10は、冷媒が循環する冷媒回路11を備える。空気調和機10は、圧縮機12と、四方弁13と、室外熱交換器である第1熱交換器14と、膨張弁である膨張機構15と、室内熱交換器である第2熱交換器16とをさらに備える。圧縮機12、四方弁13、第1熱交換器14、膨張機構15および第2熱交換器16は、冷媒回路11に接続されている。
圧縮機12は、冷媒を圧縮する。四方弁13は、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れる方向を切り替える。第1熱交換器14は、冷房運転時には凝縮器として動作し、圧縮機12により圧縮された冷媒を放熱させる。すなわち、第1熱交換器14は、圧縮機12により圧縮された冷媒を用いて熱交換を行う。第1熱交換器14は、暖房運転時には蒸発器として動作し、室外空気と膨張機構15で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。膨張機構15は、凝縮器で放熱した冷媒を膨張させる。第2熱交換器16は、暖房運転時には凝縮器として動作し、圧縮機12により圧縮された冷媒を放熱させる。すなわち、第2熱交換器16は、圧縮機12により圧縮された冷媒を用いて熱交換を行う。第2熱交換器16は、冷房運転時には蒸発器として動作し、室内空気と膨張機構15で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。
空気調和機10は、制御装置17をさらに備える。
図1および図2では、制御装置17と圧縮機12との接続しか示していないが、制御装置17は、圧縮機12だけでなく、冷媒回路11に接続された圧縮機12以外の構成要素に接続されてもよい。制御装置17は、制御装置17に接続されている各構成要素の状態を監視したり、制御したりする。
図3および図4を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の構成を説明する。
制御システム20は、前述した制御装置17と、インターネット等のネットワーク70を介して制御装置17と通信可能なサーバ50とを備える。
制御装置17は、コンピュータである。制御装置17は、具体的には、空気調和機10に備えられるマイクロコンピュータである。
図3に示すように、制御装置17は、プロセッサ21を備えるとともに、メモリ22および通信デバイス23といった他のハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
制御装置17は、機能要素として、情報取得部31と、運転制御部32とを備える。情報取得部31および運転制御部32の機能は、ソフトウェアにより実現される。
プロセッサ21は、制御プログラムを実行する装置である。制御プログラムは、情報取得部31および運転制御部32の機能を実現するプログラムである。プロセッサ21は、例えば、CPUである。「CPU」は、Central Processing Unitの略語である。
メモリ22は、制御プログラムを記憶する装置である。メモリ22は、例えば、RAM、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。「RAM」は、Random Access Memoryの略語である。
メモリ22には、運転情報41が記憶される。
制御装置17を備える空気調和機10が第1地域A1にある建物に設置されているとしたとき、運転情報41は、第1地域A1から離れた第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により運転中に得られた情報である。運転情報41は、具体的には、空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報である。運転モードは、例えば、冷房運転、暖房運転、送風運転、空気清浄運転、加湿運転または除湿運転である。運転情報41には、空気調和機80の能力、圧縮機の回転速度およびファンの回転速度等、空気調和機80の運転に関わる様々な値の時系列データが含まれていてもよい。あるいは、運転情報41には、第2地域A2にある1つ以上の建物に設置された2つ以上の空気調和機80の運転に関わる様々な値の統計データが含まれていてもよい。運転情報41は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介してサーバ50から取得される。なお、運転情報41は、ネットワーク70を介して空気調和機80から直接取得されてもよい。
通信デバイス23は、制御プログラムに入力されるデータを受信するレシーバと、制御プログラムから出力されるデータを送信するトランスミッタとを含む。通信デバイス23は、例えば、通信チップまたはNICである。「NIC」は、Network Interface Cardの略語である。
制御プログラムは、メモリ22からプロセッサ21に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。メモリ22には、制御プログラムだけでなく、OSも記憶されている。「OS」は、Operating Systemの略語である。プロセッサ21は、OSを実行しながら、制御プログラムを実行する。なお、制御プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
制御装置17は、プロセッサ21を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、制御プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、例えば、CPUである。
制御プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ22、または、プロセッサ21内のレジスタまたはキャッシュメモリに記憶される。
制御プログラムは、情報取得部31および運転制御部32により行われる処理をそれぞれ情報取得処理および運転制御処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。制御プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記録されて提供されてもよいし、記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
制御装置17は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。制御装置17が複数台のコンピュータで構成されている場合は、情報取得部31および運転制御部32の機能が、各コンピュータに分散されて実現されてもよい。
サーバ50は、コンピュータである。サーバ50は、具体的には、クラウドシステムに備えられるサーバコンピュータである。
図4に示すように、サーバ50は、プロセッサ51を備えるとともに、メモリ52および通信デバイス53といった他のハードウェアを備える。プロセッサ51は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
サーバ50は、機能要素として、条件予測部61と、情報提供部62とを備える。条件予測部61および情報提供部62の機能は、ソフトウェアにより実現される。
プロセッサ51は、サーバプログラムを実行する装置である。サーバプログラムは、条件予測部61および情報提供部62の機能を実現するプログラムである。
メモリ52は、サーバプログラムを記憶する装置である。メモリ52は、例えば、RAM、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。
メモリ52には、前述した運転情報41およびその他の運転情報と、気象予報情報42と、気象条件情報43とが記憶される。
運転情報41については繰り返しになるが、運転情報41およびその他の運転情報は、複数の地域ASにある建物に設置された空気調和機により運転中に得られた情報である。運転情報41およびその他の運転情報は、具体的には、各空気調和機の運転モードの変更履歴を示す情報である。運転情報41およびその他の運転情報には、各空気調和機の能力、圧縮機の回転速度およびファンの回転速度等、空気調和機の運転に関わる様々な値の時系列データが含まれていてもよい。あるいは、運転情報41およびその他の運転情報には、同じ地域にある1つ以上の建物に設置された2つ以上の空気調和機の運転に関わる様々な値の統計データが含まれていてもよい。運転情報41およびその他の運転情報は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介して各空気調和機から直接取得される。
気象予報情報42は、第1地域A1の気象予報を示す情報である。気象予報情報42は、具体的には、予測された第1地域A1の天気、気温、降水確率、降水量、湿度、風向および風速を時間単位で示すデータである。気象予報情報42は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介して、図示しない気象予報サービスを提供する外部のサーバから取得される。
気象条件情報43は、複数の地域ASの気象条件を観測して得られた情報である。気象条件情報43は、具体的には、観測された複数の地域ASの天気、気温、降水確率、降水量、湿度、風向および風速の時系列データである。気象条件情報43は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介して各空気調和機から取得される。各空気調和機には、サーミスタ等、気象条件を観測するためのセンサが備えられている。なお、気象条件情報43は、ネットワーク70を介して、気象予報サービスを提供する外部のサーバから取得されてもよい。
通信デバイス53は、サーバプログラムに入力されるデータを受信するレシーバと、サーバプログラムから出力されるデータを送信するトランスミッタとを含む。通信デバイス53は、例えば、通信チップまたはNICである。
サーバプログラムは、メモリ52からプロセッサ51に読み込まれ、プロセッサ51によって実行される。メモリ52には、サーバプログラムだけでなく、OSも記憶されている。プロセッサ51は、OSを実行しながら、サーバプログラムを実行する。なお、サーバプログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
サーバプログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置は、例えば、HDD、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。「HDD」は、Hard Disk Driveの略語である。サーバプログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されている場合、メモリ52にロードされ、プロセッサ51によって実行される。
サーバ50は、プロセッサ51を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、サーバプログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、例えば、CPUである。
サーバプログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ52、補助記憶装置、または、プロセッサ51内のレジスタまたはキャッシュメモリに記憶される。
サーバプログラムは、条件予測部61および情報提供部62により行われる処理をそれぞれ条件予測処理および情報提供処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。サーバプログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記録されて提供されてもよいし、記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
サーバ50は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。サーバ50が複数台のコンピュータで構成されている場合は、条件予測部61および情報提供部62の機能が、各コンピュータに分散されて実現されてもよい。
***動作の説明***
図5を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS101において、サーバ50の条件予測部61は、気象予報情報42と、気象条件情報43とを参照して、第1時間帯T1における第1地域A1の気象条件が第1時間帯T1よりも前の第2時間帯T2におけるいずれの地域の気象条件と類似するかを予測する。条件予測部61は、予測の結果に応じて、複数の地域ASの中から、第2地域A2に該当する地域を選択する。第1時間帯T1および第2時間帯T2の長さは、任意の長さでよいが、本実施の形態では1時間である。第1時間帯T1と第2時間帯T2との時間差は、任意の時間差でよいが、本実施の形態では1日以内である。すなわち、本実施の形態では、第1時間帯T1は、第2時間帯T2と同じ日の時間帯である。第1地域A1は、第2地域A2と異なる国の地域でもよいが、本実施の形態では第2地域A2と同じ国の地域である。
具体的には、条件予測部61は、ネットワーク70を介して、気象予報情報42を外部のサーバから取得する。条件予測部61は、取得した気象予報情報42をメモリ52に書き込む。条件予測部61は、ネットワーク70を介して、気象条件情報43を複数の地域ASにある建物に設置された空気調和機から取得する。条件予測部61は、取得した気象条件情報43をメモリ52に書き込む。条件予測部61は、メモリ52にアクセスして、気象予報情報42に示されている、第1時間帯T1における第1地域A1の気温および湿度と、気象条件情報43に示されている、第2時間帯T2における複数の地域ASの気温および湿度とを比較する。条件予測部61は、第1時間帯T1における第1地域A1の気温および湿度と、第2時間帯T2における、ある地域の気温および湿度との差が閾値よりも小さい場合に、その地域を第2地域A2として選択する。なお、条件予測部61は、第1時間帯T1における第1地域A1の気温および湿度と、第2時間帯T2における、ある地域の気温および湿度との差が最も小さい場合に、その地域を第2地域A2として選択してもよい。条件予測部61は、気温および湿度だけでなく、天気等、他の種類の気象条件をさらに比較してもよい。
ステップS101の処理によって、第1時間帯T1における第1地域A1の環境条件が第2時間帯T2における第2地域A2の環境条件と類似すると判定されたことになる。本実施の形態では、第1時間帯T1における第1地域A1の環境条件である気温および湿度と、第2時間帯T2における第2地域A2の環境条件である気温および湿度との差が閾値よりも小さいと判定されたことになる。
ステップS102において、サーバ50の情報提供部62は、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41を空気調和機10の制御装置17に提供する。
具体的には、情報提供部62は、ネットワーク70を介して、運転情報41およびその他の運転情報を複数の地域ASにある建物に設置された空気調和機から取得する。情報提供部62は、取得した運転情報41およびその他の運転情報をメモリ52に書き込む。情報提供部62は、運転情報41およびその他の運転情報のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41をメモリ52から読み取る。情報提供部62は、ネットワーク70を介して、読み取った運転情報41を空気調和機10の制御装置17に送信する。なお、情報提供部62は、条件予測部61により選択された第2地域A2以外の地域の運転情報を取得する処理を省略してもよい。
ステップS103において、制御装置17の情報取得部31は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41を取得する。本実施の形態では、情報取得部31は、運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報を取得する。
具体的には、情報取得部31は、ネットワーク70を介して、サーバ50の情報提供部62から送信された運転情報41を受信する。情報取得部31は、受信した運転情報41をメモリ22に書き込む。
ステップS104において、制御装置17の運転制御部32は、第1時間帯T1よりも前における、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて制御する。すなわち、運転制御部32は、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1よりも前から先回りして制御する。空気調和機10の運転開始時に外気温と室温との差が大きい場合、快適性を高めるには、空気調和機の高能力運転が必要である。しかし、高能力運転時は省エネルギー性が低下してしまう。そこで、快適性が必要な時間帯よりも前から先回りして低能力運転を開始しておくことで、省エネルギー性を高めることができる。
具体的には、運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、空気調和機80の運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を先回りして停止する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。
第1運転モードM1と第2運転モードM2とのうち、いずれか一方が加湿運転および除湿運転のいずれかであり、他方が冷房運転および暖房運転のいずれかである例を説明する。
1つ目の例において、運転情報41は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2の前半30分は加湿運転、後半30分は暖房運転であることを示す情報であるとする。情報取得部31は、第1時間帯T1における第1地域A1の気温と、第2時間帯T2における第2地域A2の気温との差、および、第1時間帯T1における第1地域A1の湿度と、第2時間帯T2における第2地域A2の湿度との差がそれぞれ閾値よりも小さいことが予測される場合に、この運転情報41を取得する。運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて、第1時間帯T1の1時間前から、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の加湿運転を開始する。運転制御部32は、加湿運転の開始から30分後に、空気調和機10の運転モードを加湿運転から暖房運転に切り替える。そして、運転制御部32は、空気調和機10の暖房運転を少なくとも30分間継続する。
なお、空気調和機10の加湿運転の開始時刻は、第1時間帯T1の前であれば、第1時間帯T1の1時間前に限らず、適宜調整されてよい。空気調和機10の加湿運転の継続時間は、第2時間帯T2における空気調和機80の加湿運転と同じ30分間に限らず、適宜調整されてよい。空気調和機10の暖房運転の継続時間も、第2時間帯T2における空気調和機80の暖房運転と同じ30分間に限らず、適宜調整されてよい。
2つ目の例において、運転情報41は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2の前半15分は除湿運転、後半45分は冷房運転であることを示す情報であるとする。情報取得部31は、第1時間帯T1における第1地域A1の気温と、第2時間帯T2における第2地域A2の気温との差、および、第1時間帯T1における第1地域A1の湿度と、第2時間帯T2における第2地域A2の湿度との差がそれぞれ閾値よりも小さいことが予測される場合に、この運転情報41を取得する。運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて、第1時間帯T1の1時間前から、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の除湿運転を開始する。運転制御部32は、除湿運転の開始から15分後に、空気調和機10の運転モードを除湿運転から冷房運転に切り替える。そして、運転制御部32は、空気調和機10の冷房運転を少なくとも45分間継続する。
なお、空気調和機10の除湿運転の開始時刻は、第1時間帯T1の前であれば、第1時間帯T1の1時間前に限らず、適宜調整されてよい。空気調和機10の除湿運転の継続時間は、第2時間帯T2における空気調和機80の除湿運転と同じ15分間に限らず、適宜調整されてよい。空気調和機10の冷房運転の継続時間も、第2時間帯T2における空気調和機80の冷房運転と同じ45分間に限らず、適宜調整されてよい。
運転情報41に、空気調和機80の能力、圧縮機の回転速度またはファンの回転速度等、空気調和機80の運転に関わる値の時系列データが含まれている場合、運転制御部32は、運転情報41に含まれる時系列データと同一または近似の値を空気調和機10の運転に適用してもよい。あるいは、運転情報41に含まれる時系列データから、第2時間帯T2において空気調和機80の高能力運転が行われていると認識される場合、運転制御部32は、第1時間帯T1の数時間前から先回りして空気調和機10の低能力運転を開始してもよい。運転情報41に、前述したような統計データが含まれている場合についても、運転情報41に時系列データが含まれている場合と同様である。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、第1地域A1の未来の環境条件が第1地域A1から離れた第2地域A2の過去の環境条件と類似することを前提として、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の過去の運転情報41に基づき、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の先回り運転が行われる。そのため、環境条件に適した空気調和機10の運転を、その空気調和機10の過去データを必要とすることなく行うことができる。
単に室内の温度を設定温度に合わせて調節するだけでは、人間の感覚によるところの大きい快適性を十分に高めることができないおそれがある。本実施の形態では、空気調和機10が設置された場所の1時間後または数時間後の気温および湿度が、空気調和機80が設置された場所の現在、1時間前または数時間前の気温および湿度とほぼ同じになることが予測される場合に、空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の先回り運転が行われる。よって、快適性を高めやすい。特に、本実施の形態では、実際の運転のしかたを参考にして、加湿運転および加湿運転から暖房運転への切り替えを先回りして行うことができるため、低湿低温の冬でも快適性を十分に高めることができる。同様に、本実施の形態では、実際の運転のしかたを参考にして、除湿運転および除湿運転から冷房運転への切り替えを先回りして行うことができるため、高湿高温の夏でも快適性を十分に高めることができる。
***他の構成***
本実施の形態では、制御装置17の情報取得部31および運転制御部32の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、情報取得部31および運転制御部32の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、情報取得部31および運転制御部32の機能の一部が専用のハードウェアにより実現され、残りがソフトウェアにより実現されてもよい。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、FPGA、ASIC、または、これらのうちいくつか、もしくは、すべての組み合わせである。「IC」は、Integrated Circuitの略語である。「GA」は、Gate Arrayの略語である。「FPGA」は、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。「ASIC」は、Application Specific Integrated Circuitの略語である。
プロセッサ21および専用のハードウェアは、いずれも処理回路である。すなわち、情報取得部31および運転制御部32の機能がソフトウェアにより実現されるか、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されるかに関わらず、情報取得部31および運転制御部32の動作は、処理回路により行われる。
本実施の形態では、サーバ50の条件予測部61および情報提供部62の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、条件予測部61および情報提供部62の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、条件予測部61および情報提供部62の機能の一部が専用のハードウェアにより実現され、残りがソフトウェアにより実現されてもよい。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、FPGA、ASIC、または、これらのうちいくつか、もしくは、すべての組み合わせである。
プロセッサ51および専用のハードウェアは、いずれも処理回路である。すなわち、条件予測部61および情報提供部62の機能がソフトウェアにより実現されるか、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されるかに関わらず、条件予測部61および情報提供部62の動作は、処理回路により行われる。
本実施の形態では、情報取得部31および運転制御部32が空気調和機10の制御装置17に備えられるが、変形例として、情報取得部31および運転制御部32がサーバ50に備えられてもよい。すなわち、サーバ50と空気調和機10とが全体で制御システム20として機能する代わりに、サーバ50が単独で制御システムとして機能し、ネットワーク70を介して空気調和機10の運転を制御してもよい。
本実施の形態では、条件予測部61および情報提供部62がサーバ50に備えられるが、変形例として、条件予測部61が空気調和機10の制御装置17に備えられ、情報提供部62が省略されてもよい。すなわち、サーバ50と空気調和機10とが全体で制御システム20として機能する代わりに、制御装置17が単独で制御システムとして機能してもよい。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図6および図7を用いて説明する。
***構成の説明***
図6を参照して、本実施の形態に係るサーバ50の構成を説明する。
実施の形態1と同様に、サーバ50は、機能要素として、条件予測部61と、情報提供部62とを備える。条件予測部61および情報提供部62の機能は、ソフトウェアにより実現される。
メモリ52には、実施の形態1のものと同様の運転情報41およびその他の運転情報と、風情報44と、大気情報45とが記憶される。
風情報44は、複数の地域ASの風向および風速を示す情報である。風情報44は、具体的には、観測された複数の地域ASの風向および風速の時系列データと、予測された複数の地域ASの風向および風速を時間単位で示すデータとの組み合わせである。風情報44は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介して、気象予報サービスを提供する外部のサーバから取得される。なお、風情報44は、ネットワーク70を介して各空気調和機から取得されてもよい。
大気情報45は、複数の地域ASの大気を観測して得られた情報である。大気情報45は、具体的には、観測された複数の地域ASの大気中に含まれる花粉、PM2.5および黄砂といった粒子の濃度または総量の時系列データである。大気情報45は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介して、気象予報サービスを提供する外部のサーバから取得される。なお、大気情報45は、ネットワーク70を介して各空気調和機から取得されてもよい。
***動作の説明***
図7を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS201において、サーバ50の条件予測部61は、風情報44を参照して、第2時間帯T2におけるいずれの地域の大気中の粒子が第1時間帯T1において第1地域A1の大気中に飛来するかを予測する。条件予測部61は、予測の結果に応じて、複数の地域ASの中から、第2地域A2に該当する地域を選択する。
なお、条件予測部61は、大気情報45を参照して、第2時間帯T2におけるいずれかの地域の大気中に含まれる粒子の濃度または総量が基準値を下回る場合、その地域の大気中の粒子が第1時間帯T1において第1地域A1の大気中に飛来することはないとみなしてもよい。
ステップS201の処理によって、第1時間帯T1における第1地域A1の環境条件が第2時間帯T2における第2地域A2の環境条件と類似すると判定されたことになる。本実施の形態では、第2地域A2の大気中の花粉等の粒子が第1地域A1の大気中に飛来することで、第1時間帯T1における第1地域A1の環境条件である、花粉等の粒子の多さと、第2時間帯T2における第2地域A2の環境条件である、花粉等の粒子の多さとが同じになると判定されたことになる。
ステップS202およびステップS203の処理については、実施の形態1におけるステップS102およびステップS103の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS204において、制御装置17の運転制御部32は、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1よりも前から先回りして制御する。
具体的には、運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、空気調和機80の運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を先回りして停止する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。
第1運転モードM1と第2運転モードM2とのうち、いずれか一方が空気清浄運転であり、他方が空気清浄運転以外の運転モードである例を説明する。
この例において、運転情報41は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2の前半30分は空気清浄運転、後半30分は暖房運転であることを示す情報であるとする。情報取得部31は、第2時間帯T2における第2地域A2の大気中の花粉等の粒子が第1時間帯T1において第1地域A1の大気中に飛来することが予測される場合に、この運転情報41を取得する。運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて、第1時間帯T1の1時間前から、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の空気清浄運転を開始する。運転制御部32は、空気清浄運転の開始から30分後に、空気調和機10の運転モードを空気清浄運転から暖房運転に切り替える。そして、運転制御部32は、空気調和機10の暖房運転を少なくとも30分間継続する。
なお、空気調和機10の空気清浄運転の開始時刻は、第1時間帯T1の前であれば、第1時間帯T1の1時間前に限らず、適宜調整されてよい。空気調和機10の空気清浄運転の継続時間は、第2時間帯T2における空気調和機80の空気清浄運転と同じ30分間に限らず、適宜調整されてよい。空気調和機10の暖房運転の継続時間も、第2時間帯T2における空気調和機80の暖房運転と同じ30分間に限らず、適宜調整されてよい。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、空気調和機80が設置された場所の大気中に現在あるか、1時間前または数時間前にあった花粉が、空気調和機10が設置された場所の大気中に1時間後または数時間後に飛来することが予測される場合に、空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の先回り運転が行われる。よって、快適性を高めやすい。特に、本実施の形態では、実際の運転のしかたを参考にして、空気清浄運転および空気清浄運転から暖房運転への切り替えを先回りして行うことができるため、スギまたはヒノキ等の花粉が飛散し始める季節でも快適性を十分に高めることができる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図8および図9を用いて説明する。
***構成の説明***
図8を参照して、本実施の形態に係るサーバ50の構成を説明する。
本実施の形態では、サーバ50は、機能要素として、条件予測部61と、情報提供部62とのほかに、属性認識部63を備える。条件予測部61、情報提供部62および属性認識部63の機能は、ソフトウェアにより実現される。
本実施の形態では、サーバプログラムは、条件予測部61、情報提供部62および属性認識部63の機能を実現するプログラムである。サーバプログラムは、条件予測部61、情報提供部62および属性認識部63により行われる処理をそれぞれ条件予測処理、情報提供処理および属性認識処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。
メモリ52には、運転情報41およびその他の運転情報と、気象予報情報42と、気象条件情報43とのほかに、属性情報46およびその他の属性情報が記憶される。
属性情報46およびその他の属性情報は、複数の地域ASにある住宅の住人の属性を示す情報である。属性情報46およびその他の属性情報は、具体的には、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像から特定された住人の性別、年齢および家族構成といった属性を示すデータである。属性情報46およびその他の属性情報は、本実施の形態では、サーバ50内で生成されるが、ネットワーク70を介して各空気調和機から取得されてもよい。
属性情報46およびその他の属性情報のうち、属性情報46は、第2地域A2にある複数の住宅HSの住人の属性を示す情報である。
***動作の説明***
図9を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS301の処理については、実施の形態1におけるステップS101の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS302において、サーバ50の属性認識部63は、第1地域A1にある建物である第1住宅H1に設置された空気調和機10が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像から、第1住宅H1の住人の属性を特定する。属性認識部63は、属性情報46およびその他の属性情報のうち、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2に対応する属性情報46を参照して、特定した属性がいずれの住宅の住人の属性と類似するかを認識する。属性認識部63は、第1住宅H1の住人の属性が第2地域A2にある建物である第2住宅H2の住人の属性と類似するように、認識の結果に応じて、複数の住宅HSの中から、第2住宅H2に該当する住宅を選択する。
具体的には、属性認識部63は、ネットワーク70を介して、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像を各空気調和機から取得する。属性認識部63は、取得した画像をメモリ52に書き込む。この画像は、直近の1週間、1ヵ月、数ヵ月または1年といった一定の期間にわたって得られた画像である。赤外線センサまたはカメラにより画像が得られる度に、その得られた画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよいし、定期的に、それまでに蓄積された画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよい。あるいは、サーバ50からの要求に応じて、それまでに蓄積された画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよい。同様に、属性認識部63は、ネットワーク70を介して、第1住宅H1に設置された空気調和機10が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像を空気調和機10の制御装置17から取得する。属性認識部63は、取得した画像をメモリ52に書き込む。
属性認識部63は、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機から取得した画像をメモリ52から読み取る。属性認識部63は、読み取った画像から、複数の地域ASにある住宅の住人の性別、年齢および家族構成といった属性を特定する。画像から画像に写った人間の属性を特定する手法としては、既知の画像認識アルゴリズムを用いてもよいし、専用の画像認識アルゴリズムを用いてもよい。属性認識部63は、特定した属性を示すデータを、属性情報46およびその他の属性情報としてメモリ52に書き込む。同様に、属性認識部63は、第1住宅H1に設置された空気調和機10の制御装置17から取得した画像をメモリ52から読み取る。属性認識部63は、読み取った画像から、第1住宅H1の住人の性別、年齢および家族構成といった属性を特定する。属性認識部63は、特定した属性を示すデータを、メモリ52に記憶されている属性情報46およびその他の属性情報のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2に対応する属性情報46と照合する。すなわち、属性認識部63は、第1住宅H1の住人の属性を示すデータを、第2地域A2にある複数の住宅HSの住人の属性を示す情報と照合する。属性認識部63は、照合の結果として、複数の住宅HSの中から、住人の属性が第1住宅H1と類似する第2住宅H2を特定する。
ステップS302の処理によって、第1住宅H1の住人の属性が第2住宅H2の住人の属性と類似することが認識されたことになる。
ステップS303において、サーバ50の情報提供部62は、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41として、属性認識部63により選択された住宅、すなわち、第2住宅H2に設置された空気調和機80により得られた情報を空気調和機10の制御装置17に提供する。
具体的には、情報提供部62は、ネットワーク70を介して、運転情報41およびその他の運転情報を複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機から取得する。情報提供部62は、取得した運転情報41およびその他の運転情報をメモリ52に書き込む。情報提供部62は、運転情報41およびその他の運転情報のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2にある、属性認識部63により選択された第2住宅H2に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41をメモリ52から読み取る。情報提供部62は、ネットワーク70を介して、読み取った運転情報41を空気調和機10の制御装置17に送信する。なお、情報提供部62は、属性認識部63により選択された第2住宅H2以外の住宅の運転情報を取得する処理を省略してもよい。
ステップS304において、制御装置17の情報取得部31は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41として、第2住宅H2に設置された空気調和機80により得られた情報を取得する。
具体的には、情報取得部31は、ネットワーク70を介して、サーバ50の情報提供部62から送信された運転情報41を受信する。情報取得部31は、受信した運転情報41をメモリ22に書き込む。
ステップS305において、制御装置17の運転制御部32は、第1住宅H1に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1よりも前から先回りして制御する。
具体的には、運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、空気調和機80の運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を先回りして停止する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。
***実施の形態の効果の説明***
快適性は、人によって感じ方が異なるが、属性の近い者同士では感じ方が近くなりやすい。本実施の形態では、空気調和機10が設置された住宅の住人の性別、年齢および家族構成といった属性が、空気調和機80が設置された住宅の住人の性別、年齢および家族構成といった属性とほぼ同じであることが認識される場合に、空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の先回り運転が行われる。よって、快適性を高めやすい。
***他の構成***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、サーバ50の条件予測部61、情報提供部62および属性認識部63の機能がソフトウェアにより実現されるが、実施の形態1の変形例と同じように、条件予測部61、情報提供部62および属性認識部63の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図10および図11を用いて説明する。
***構成の説明***
図10を参照して、本実施の形態に係るサーバ50の構成を説明する。
本実施の形態では、サーバ50は、機能要素として、条件予測部61と、情報提供部62とのほかに、行動認識部64を備える。条件予測部61、情報提供部62および行動認識部64の機能は、ソフトウェアにより実現される。
本実施の形態では、サーバプログラムは、条件予測部61、情報提供部62および行動認識部64の機能を実現するプログラムである。サーバプログラムは、条件予測部61、情報提供部62および行動認識部64により行われる処理をそれぞれ条件予測処理、情報提供処理および行動認識処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。
メモリ52には、運転情報41およびその他の運転情報と、気象予報情報42と、気象条件情報43とのほかに、行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報が記憶される。
行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報は、複数の地域ASにある住宅の住人の行動履歴を示す情報である。行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報は、具体的には、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像から特定された住人の起床、入浴および就寝といった行動の履歴を示すデータである。行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報は、本実施の形態では、サーバ50内で生成されるが、ネットワーク70を介して各空気調和機から取得されてもよい。
行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報のうち、行動履歴情報47は、第2地域A2にある複数の住宅HSの住人の行動履歴を示す情報である。
***動作の説明***
図11を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS401の処理については、実施の形態1におけるステップS101の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS402において、サーバ50の行動認識部64は、第1地域A1にある建物である第1住宅H1に設置された空気調和機10が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像から、第1住宅H1の住人の生活習慣を分析することで、第1時間帯T1における第1住宅H1の住人の行動を予測する。行動認識部64は、行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報のうち、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2に対応する行動履歴情報47を参照して、予測した行動が第2時間帯T2におけるいずれの住宅の住人の行動と類似するかを認識する。行動認識部64は、第1時間帯T1における第1住宅H1の住人の行動が第2時間帯T2における、第2地域A2にある建物である第2住宅H2の住人の行動と類似するように、認識の結果に応じて、複数の住宅HSの中から、第2住宅H2に該当する住宅を選択する。
具体的には、行動認識部64は、ネットワーク70を介して、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像を各空気調和機から取得する。行動認識部64は、取得した画像をメモリ52に書き込む。この画像は、直近の1週間、1ヵ月、数ヵ月または1年といった一定の期間にわたって得られた画像である。赤外線センサまたはカメラにより画像が得られる度に、その得られた画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよいし、定期的に、それまでに蓄積された画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよい。あるいは、サーバ50からの要求に応じて、それまでに蓄積された画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよい。同様に、行動認識部64は、ネットワーク70を介して、第1住宅H1に設置された空気調和機10が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像を空気調和機10の制御装置17から取得する。行動認識部64は、取得した画像をメモリ52に書き込む。
行動認識部64は、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機から取得した画像をメモリ52から読み取る。行動認識部64は、読み取った画像から、その画像が得られた時刻における、複数の地域ASにある住宅の住人の起床、入浴または就寝といった行動を特定する。画像から画像に写った人間の行動を特定する手法としては、既知の画像認識アルゴリズムを用いてもよいし、専用の画像認識アルゴリズムを用いてもよい。行動認識部64は、特定した行動の履歴を示すデータを、行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報としてメモリ52に書き込む。同様に、行動認識部64は、第1住宅H1に設置された空気調和機10の制御装置17から取得した画像をメモリ52から読み取る。行動認識部64は、読み取った画像から、その画像が得られた時刻における、第1住宅H1の住人の起床、入浴または就寝といった行動を特定する。行動認識部64は、特定した行動の履歴から、第1住宅H1の住人が毎日何時に、または、何曜日の何時に決まった行動をとるかといった生活習慣を分析することで、第1時間帯T1における第1住宅H1の住人の行動を予測する。行動認識部64は、予測した行動を示すデータを、メモリ52に記憶されている行動履歴情報47およびその他の行動履歴情報のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2に対応する行動履歴情報47と照合する。すなわち、行動認識部64は、第1住宅H1の住人の行動を示すデータを、第2地域A2にある複数の住宅HSの住人の行動履歴を示す情報と照合する。行動認識部64は、照合の結果として、複数の住宅HSの中から、住人の行動が第1住宅H1と類似する第2住宅H2を特定する。
ステップS402の処理によって、第1時間帯T1における第1住宅H1の住人の行動が第2時間帯T2における第2住宅H2の住人の行動と類似することが認識されたことになる。
ステップS403において、サーバ50の情報提供部62は、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41として、行動認識部64により選択された住宅、すなわち、第2住宅H2に設置された空気調和機80により得られた情報を空気調和機10の制御装置17に提供する。
具体的には、情報提供部62は、ネットワーク70を介して、運転情報41およびその他の運転情報を複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機から取得する。情報提供部62は、取得した運転情報41およびその他の運転情報をメモリ52に書き込む。情報提供部62は、運転情報41およびその他の運転情報のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2にある、行動認識部64により選択された第2住宅H2に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41をメモリ52から読み取る。情報提供部62は、ネットワーク70を介して、読み取った運転情報41を空気調和機10の制御装置17に送信する。なお、情報提供部62は、行動認識部64により選択された第2住宅H2以外の住宅の運転情報を取得する処理を省略してもよい。
ステップS404において、制御装置17の情報取得部31は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41として、第2住宅H2に設置された空気調和機80により得られた情報を取得する。
具体的には、情報取得部31は、ネットワーク70を介して、サーバ50の情報提供部62から送信された運転情報41を受信する。情報取得部31は、受信した運転情報41をメモリ22に書き込む。
ステップS405において、制御装置17の運転制御部32は、第1住宅H1に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1よりも前から先回りして制御する。
具体的には、運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、空気調和機80の運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を先回りして停止する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。
***実施の形態の効果の説明***
快適性は、人がどのような行動をとっているかによって感じ方が異なる。例えば、通常は風が人に当たると快適性が下がりやすいが、入浴直後は冷たい風が人に当たると快適性が上がりやすい。本実施の形態では、空気調和機10が設置された住宅の住人の起床、入浴または就寝といった行動が、空気調和機80が設置された住宅の住人の起床、入浴または就寝といった行動とほぼ同じであることが認識される場合に、空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の先回り運転が行われる。よって、快適性を高めやすい。
***他の構成***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、サーバ50の条件予測部61、情報提供部62および行動認識部64の機能がソフトウェアにより実現されるが、実施の形態1の変形例と同じように、条件予測部61、情報提供部62および行動認識部64の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
実施の形態5.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図12および図13を用いて説明する。
***構成の説明***
図12を参照して、本実施の形態に係るサーバ50の構成を説明する。
本実施の形態では、サーバ50は、機能要素として、条件予測部61と、情報提供部62とのほかに、モデル生成部65と、住宅分類部66とを備える。条件予測部61、情報提供部62、モデル生成部65および住宅分類部66の機能は、ソフトウェアにより実現される。
本実施の形態では、サーバプログラムは、条件予測部61、情報提供部62、モデル生成部65および住宅分類部66の機能を実現するプログラムである。サーバプログラムは、条件予測部61、情報提供部62、モデル生成部65および住宅分類部66により行われる処理をそれぞれ条件予測処理、情報提供処理、モデル生成処理および住宅分類処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。
メモリ52には、運転情報41およびその他の運転情報と、気象予報情報42と、気象条件情報43とのほかに、後述する学習モデル48が記憶される。
***動作の説明***
図13を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS501の処理については、実施の形態1におけるステップS101の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS502において、サーバ50のモデル生成部65は、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像から特定される住人の行動履歴を学習することで、住宅を分類するための学習モデル48を生成する。
具体的には、モデル生成部65は、ネットワーク70を介して、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像を各空気調和機から取得する。モデル生成部65は、取得した画像をメモリ52に書き込む。この画像は、直近の1週間、1ヵ月、数ヵ月または1年といった一定の期間にわたって得られた画像である。赤外線センサまたはカメラにより画像が得られる度に、その得られた画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよいし、定期的に、それまでに蓄積された画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよい。あるいは、サーバ50からの要求に応じて、それまでに蓄積された画像が各空気調和機からサーバ50に送信されてもよい。
モデル生成部65は、複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機から取得した画像をメモリ52から読み取る。モデル生成部65は、読み取った画像から、その画像が得られた時刻における、複数の地域ASにある住宅の住人の起床、入浴または就寝といった行動を特定する。画像から画像に写った人間の行動を特定する手法としては、既知の画像認識アルゴリズムを用いてもよいし、専用の画像認識アルゴリズムを用いてもよい。モデル生成部65は、特定した行動の履歴によってクラスタリングを行うことで、複数の地域ASにある住宅をいくつかのカテゴリに分類する。モデル生成部65は、分類の結果をメモリ52に書き込むとともに、分類の結果から、住人の行動履歴の情報を与えると住宅のカテゴリの情報を返す学習モデル48を算出する。クラスタリングにより住人の行動履歴を学習する手法としては、既知の機械学習アルゴリズムを用いてもよいし、専用の機械学習アルゴリズムを用いてもよい。モデル生成部65は、算出した学習モデル48をメモリ52に書き込む。
ステップS503において、サーバ50の住宅分類部66は、第1地域A1にある建物である第1住宅H1に設置された空気調和機10が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像から、第1住宅H1の住人の行動履歴を特定する。住宅分類部66は、モデル生成部65により生成された学習モデル48を用いて、第1住宅H1を、特定した行動履歴に応じたカテゴリに分類する。住宅分類部66は、第1住宅H1が第2地域A2にある建物である第2住宅H2と同じカテゴリになるように、分類の結果に応じて、第2地域A2にある複数の住宅HSの中から、第2住宅H2に該当する住宅を選択する。
具体的には、住宅分類部66は、ネットワーク70を介して、第1住宅H1に設置された空気調和機10が備える赤外線センサまたはカメラにより得られた室内の画像を空気調和機10の制御装置17から取得する。モデル生成部65は、取得した画像をメモリ52に書き込む。この画像は、直近の1週間、1ヵ月、数ヵ月または1年といった一定の期間にわたって得られた画像である。赤外線センサまたはカメラにより画像が得られる度に、その得られた画像が空気調和機10の制御装置17からサーバ50に送信されてもよいし、定期的に、それまでに蓄積された画像が空気調和機10の制御装置17からサーバ50に送信されてもよい。あるいは、サーバ50からの要求に応じて、それまでに蓄積された画像が空気調和機10の制御装置17からサーバ50に送信されてもよい。
住宅分類部66は、第1住宅H1に設置された空気調和機10の制御装置17から取得した画像をメモリ52から読み取る。住宅分類部66は、読み取った画像から、その画像が得られた時刻における、第1住宅H1の住人の起床、入浴または就寝といった行動を特定する。住宅分類部66は、特定した行動の履歴を示すデータを、モデル生成部65により算出された学習モデル48に入力する。住宅分類部66は、学習モデル48から出力された、カテゴリを示すデータを、モデル生成部65による分類の結果のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2にある複数の住宅HSの分類の結果と照合する。すなわち、住宅分類部66は、第1住宅H1のカテゴリを示すデータを、複数の住宅HSのカテゴリを示すデータと照合する。住宅分類部66は、照合の結果として、複数の住宅HSの中から、カテゴリが第1住宅H1と共通する第2住宅H2を特定する。
ステップS503の処理によって、第1住宅H1が第2住宅H2と同じカテゴリに分類されたことになる。
ステップS504において、サーバ50の情報提供部62は、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41として、住宅分類部66により選択された住宅、すなわち、第2住宅H2に設置された空気調和機80により得られた情報を空気調和機10の制御装置17に提供する。
具体的には、情報提供部62は、ネットワーク70を介して、運転情報41およびその他の運転情報を複数の地域ASにある住宅に設置された空気調和機から取得する。情報提供部62は、取得した運転情報41およびその他の運転情報をメモリ52に書き込む。情報提供部62は、運転情報41およびその他の運転情報のうち、条件予測部61により選択された第2地域A2にある、住宅分類部66により選択された第2住宅H2に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41をメモリ52から読み取る。情報提供部62は、ネットワーク70を介して、読み取った運転情報41を空気調和機10の制御装置17に送信する。なお、情報提供部62は、住宅分類部66により選択された第2住宅H2以外の住宅の運転情報を取得する処理を省略してもよい。
ステップS405において、制御装置17の情報取得部31は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41として、第2住宅H2に設置された空気調和機80により得られた情報を取得する。
具体的には、情報取得部31は、ネットワーク70を介して、サーバ50の情報提供部62から送信された運転情報41を受信する。情報取得部31は、受信した運転情報41をメモリ22に書き込む。
ステップS506において、制御装置17の運転制御部32は、第1住宅H1に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1よりも前から先回りして制御する。
具体的には、運転制御部32は、情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、空気調和機80の運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を先回りして停止する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部32は、空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。
***実施の形態の効果の説明***
快適性は、人によって感じ方が異なるが、同じクラスタに属する住宅に住む者同士では感じ方が近くなりやすい。本実施の形態では、空気調和機10が設置された住宅と、空気調和機80が設置された住宅とが同じクラスタに分類される場合に、空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の先回り運転が行われる。よって、快適性を高めやすい。
***他の構成***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、サーバ50の条件予測部61、情報提供部62、モデル生成部65および住宅分類部66の機能がソフトウェアにより実現されるが、実施の形態1の変形例と同じように、条件予測部61、情報提供部62、モデル生成部65および住宅分類部66の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
実施の形態6.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図14および図15を用いて説明する。
***構成の説明***
図14を参照して、本実施の形態に係るサーバ50の構成を説明する。
実施の形態1と同様に、サーバ50は、機能要素として、条件予測部61と、情報提供部62とを備える。条件予測部61および情報提供部62の機能は、ソフトウェアにより実現される。
メモリ52には、運転情報41およびその他の運転情報と、気象予報情報42と、気象条件情報43とのほかに、エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報が記憶される。
エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報は、複数の地域ASにある建物に設置された空気調和機のエネルギー消費量およびエネルギー使用料の少なくともいずれかの値を示す情報である。エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報は、具体的には、各空気調和機の電力消費量および電気代の少なくともいずれかの値を示すデータである。エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク70を介して各空気調和機から取得される。
エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報のうち、エネルギー情報49は、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80のエネルギー消費量およびエネルギー使用料の少なくともいずれかの値を示す情報である。
***動作の説明***
図15を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS601の処理については、実施の形態1におけるステップS101の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS602において、サーバ50の情報提供部62は、条件予測部61により選択された地域、すなわち、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80のそれぞれについて、各空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41を空気調和機10の制御装置17に提供する。情報提供部62は、第2時間帯T2における、各空気調和機80の電力消費量および電気代の少なくともいずれかの値を示すエネルギー情報49も空気調和機10の制御装置17に提供する。
具体的には、情報提供部62は、ネットワーク70を介して、運転情報41およびその他の運転情報と、エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報とを複数の地域ASにある建物に設置された空気調和機から取得する。情報提供部62は、取得した運転情報41およびその他の運転情報と、エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報とをメモリ52に書き込む。情報提供部62は、条件予測部61により選択された第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80のそれぞれについて、運転情報41およびその他の運転情報のうち、各空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41をメモリ52から読み取る。情報提供部62は、エネルギー情報49およびその他のエネルギー情報のうち、第2時間帯T2における、各空気調和機80の電力消費量および電気代の少なくともいずれかの値を示すエネルギー情報49もメモリ52から読み取る。情報提供部62は、ネットワーク70を介して、読み取った運転情報41およびエネルギー情報49を空気調和機10の制御装置17に送信する。なお、情報提供部62は、条件予測部61により選択された第2地域A2以外の地域の運転情報およびエネルギー情報を取得する処理を省略してもよい。
ステップS603において、制御装置17の情報取得部31は、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80のそれぞれについて、各空気調和機80により第2時間帯T2において運転中に得られた運転情報41を取得する。情報取得部31は、第2時間帯T2における、各空気調和機80の電力消費量および電気代の少なくともいずれかの値を示すエネルギー情報49も取得する。
具体的には、情報取得部31は、ネットワーク70を介して、サーバ50の情報提供部62から送信された運転情報41およびエネルギー情報49を受信する。情報取得部31は、受信した運転情報41およびエネルギー情報49をメモリ22に書き込む。
ステップS604において、制御装置17の運転制御部32は、情報取得部31により取得されたエネルギー情報49に応じて、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80の中から、1つ以上の空気調和機80を選択する。選択の基準としては任意の基準を採用してよいが、本実施の形態では、運転制御部32は、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80の中から、情報取得部31により取得されたエネルギー情報49に示されている値が最小値の空気調和機80を選択する。すなわち、運転制御部32は、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80のうち、第2時間帯T2における電力消費量が最も少なかった空気調和機80を選択する。あるいは、運転制御部32は、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80のうち、第2時間帯T2における電気代が最も安かった空気調和機80を選択する。なお、第2時間帯T2において運転が停止されていた空気調和機80は選択肢から除外してもよい。すなわち、運転制御部32は、第2地域A2にある複数の建物に設置され、かつ、第2時間帯T2に運転中だった空気調和機80の中から、エネルギー情報49に示されている値が最小値の空気調和機80を選択してもよい。
運転制御部32は、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転を、選択した空気調和機80について情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1よりも前から先回りして制御する。
具体的には、運転制御部32は、選択した空気調和機80を空気調和機Xとしたとき、空気調和機Xについて情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における空気調和機Xの運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、空気調和機Xの運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を先回りして停止する。運転制御部32は、空気調和機Xの運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部32は、空気調和機Xの運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。なお、エネルギー情報49に示されている値が最小値の空気調和機80が2つ以上ある場合、運転制御部32は、それら2つ以上の空気調和機80の中から任意の1つを空気調和機Xとして選択してもよいし、それら2つ以上の空気調和機80の運転情報41を統合し、空気調和機Xの運転情報41として利用してもよい。後者の場合、運転制御部32は、選択した2つ以上の空気調和機80の運転情報41間で共通する部分を空気調和機10の先回り運転に適用する。具体例として、運転制御部32は、第2時間帯T2における、選択した2つ以上の空気調和機80の運転モードが共通であれば、第1時間帯T1よりも前から、空気調和機10の運転モードを、その共通の運転モードに先回りして設定する。あるいは、運転制御部32は、選択した2つ以上の空気調和機80の運転情報41から求められる数値の平均値、中央値、最大値または最小値といった代表値を算出し、その代表値を空気調和機10の先回り運転に適用する。具体例として、運転制御部32は、選択した2つ以上の空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において共通して第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されていれば、第1運転モードM1と第2運転モードM2との時間の比率を求める。運転制御部32は、求めた時間の比率の平均値を算出する。そして、運転制御部32は、算出した平均値に合わせて、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に先回りして変更する。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、最も省エネルギー効果が得られた空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の先回り運転が行われる。よって、省エネルギー性を確実に高めることができる。
実施の形態7.
実施の形態1から実施の形態6では、第1地域A1の「未来」の環境条件が第1地域A1から離れた第2地域A2の過去の環境条件と類似することを前提として、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の過去の運転情報41に基づき、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の「先回り」運転が行われる。これにより、環境条件に適した空気調和機10の運転を、その空気調和機10の過去データを必要とすることなく行うことができるという効果が得られる。しかし、「先回り」運転が行われなくても、一定の効果を得ることはできる。
本実施の形態について、主に実施の形態6との差異を、図16を用いて説明する。
本実施の形態では、第1地域A1の「現在」の環境条件が第1地域A1から離れた第2地域A2の過去の環境条件と類似することを前提として、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の過去の運転情報41に基づき、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転が行われる。
***動作の説明***
図16を参照して、本実施の形態に係る制御システム20の動作を説明する。制御システム20の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS701からステップS703の処理については、実施の形態6におけるステップS601からステップS603の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS704において、制御装置17の運転制御部32は、情報取得部31により取得されたエネルギー情報49に応じて、第2地域A2にある複数の建物に設置された空気調和機80の中から、1つ以上の空気調和機80を選択する。
運転制御部32は、第1時間帯T1における、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転を、選択した空気調和機80について情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて制御する。すなわち、運転制御部32は、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転を、情報取得部31により取得された運転情報41に基づいて第1時間帯T1の間制御する。
具体的には、運転制御部32は、選択した空気調和機80について情報取得部31により取得された運転情報41として、第2時間帯T2における当該選択した空気調和機80の運転モードの変更履歴を示す情報をメモリ22から読み取る。運転制御部32は、当該選択した空気調和機80の運転が第2時間帯T2において停止されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転を少なくとも第1時間帯T1の間は停止する。運転制御部32は、当該選択した空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において特定の運転モードに設定されていたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを当該特定の運転モードに少なくとも第1時間帯T1の間は設定する。運転制御部32は、当該選択した空気調和機80の運転モードが第2時間帯T2において第1運転モードM1から第2運転モードM2に変更されたことが、読み取った運転情報41に示されている場合に、空気調和機10の運転モードを第1運転モードM1から第2運転モードM2に第1時間帯T1の最中に変更する。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、第1地域A1の現在の環境条件が第1地域A1から離れた第2地域A2の過去の環境条件と類似することを前提として、第2地域A2にある建物に設置された空気調和機80の過去の運転情報41に基づき、第1地域A1にある建物に設置された空気調和機10の運転が行われる。そのため、環境条件に適した空気調和機10の運転を、その空気調和機10の過去データを必要とすることなく行うことができる。
単に室内の温度を設定温度に合わせて調節するだけでは、人間の感覚によるところの大きい快適性を十分に高めることができないおそれがある。本実施の形態では、空気調和機10が設置された場所の現在の気温および湿度が、空気調和機80が設置された場所の1時間前または数時間前の気温および湿度とほぼ同じになることが予測済であるか、実際にそうなっている場合に、空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の運転が行われる。よって、快適性を高めやすい。特に、本実施の形態では、最も省エネルギー効果が得られた空気調和機80の実際の運転のしかたを参考にして空気調和機10の運転が行われる。よって、省エネルギー性を確実に高めることができる。