以下、図面に基づいて、本願の開示する空気調和機等の実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜変形しても良い。
図1は、本実施例の空気調和システム1の一例を示す説明図である。図1に示す空気調和システム1は、室内機2と、アダプタ3と、アクセスポイント4と、サーバ装置5と、中継装置6と、通信端末7と、通信網8とを有する。
室内機2は、例えば、室内に配置され、室内の空気を加熱又は冷却する空気調和機の一部である。尚、室内機2の利用者は、リモコン9の操作により室内機2を遠隔操作することが可能である。室内機2は、本体2Aと、当該本体2Aを制御する制御部2Bとを有する。本体2Aには、室内ファンや室内熱交換器が備えられ、室内熱交換器で冷媒と熱交換を行った室内空気が本体2Aから吹き出されることで、部屋の暖房、冷房、除湿等が行われる。また、図示しない室外機には、室外ファンや圧縮機等が備えられている。通信端末7は、利用者のスマートフォン等の端末装置である。
アダプタ3は、室内機2とアクセスポイント4との間を無線通信で接続する通信機能と、室内機2をAI制御する制御機能とを有する。アダプタ3は、室内機2毎に配置するものである。アクセスポイント4は、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)等を使用してアダプタ3と通信網8とを無線通信で接続する装置である。通信網8は、例えば、インターネット等の通信網である。サーバ装置5は、室内機2を制御するAIの学習モデルを生成する機能や運転履歴データ等を記憶するデータベース等を有する。尚、サーバ装置5は、例えば、データセンタに配置されている。中継装置6は、通信網8と通信で接続すると共に、サーバ装置5と通信で接続する機能を有する。中継装置6は、通信網8経由で室内機2に適用される学習モデルの生成又は更新に使用する運転履歴データ等をアダプタ3からサーバ装置5に送信する。また、中継装置6は、サーバ装置5で生成又は更新した学習モデルを通信網8経由でアダプタ3に送信する。尚、中継装置6は、例えば、データセンタ等に配置されている。
中継装置6は、第1の中継部6Aと、第2の中継部6Bと、第3の中継部6Cとを有する。第1の中継部6Aは、アダプタ3とサーバ装置5との間でAI制御に関わる各種データを送信する。第1の中継部6Aは、アダプタ3から受信した学習モデルの生成又は更新に使用する運転履歴データ等を通信網8経由でサーバ装置5に送信すると共に、サーバ装置5が生成又は更新した学習モデルを通信網8経由でアダプタ3に送信する。第2の中継部6Bは、利用者が外出先から通信端末7を使用して設定した室内機2の運転条件(冷房/暖房といった運転モードや設定温度など)を取得し、これを室内機2に送信する。第3の中継部6Cは、例えば、インターネット等の通信網8から天気予報等の外部データを取得し、取得した外部データをサーバ装置5に送信する。また、第3の中継部6Cは、外部データを通信網8経由でアダプタ3に送信する。
図2は、アダプタ3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示すアダプタ3は、第1の通信部11と、第2の通信部12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)14とを有する。第1の通信部11は、室内機2内の制御部2Bと通信接続する、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の通信IF(Interface)である。第2の通信部12は、アクセスポイント4と通信接続する、例えば、WLAN等の通信IF等の通信部である。記憶部13は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する。CPU14は、アダプタ3全体を制御する。
図3は、アダプタ3の機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すアダプタ3内の記憶部13は、室内機2から取得した、運転履歴データを一時記憶する運転履歴メモリ13Aと、サーバ装置5から取得した、学習モデルを記憶するモデルメモリ13Bと、外部データを記憶する外部メモリ13Cとを有する。
CPU14は、取得部14Aと、判定部14Bと、消去部14Cと、送信部14Dと、受信部14Eと、設定部14Fと、予測制御部14Gとを有する。
取得部14Aは、室内機2から所定周期、例えば5分毎の取得タイミングに運転履歴データ及び、5分周期毎のタイムスタンプを取得する。取得部14Aは、5分周期に取得した運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを運転履歴メモリ13Aに記憶する。
判定部14Bは、運転履歴メモリ13Aに記憶中の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプが所定期間分の場合に、取得された運転履歴データの内、時間的に連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する。尚、所定期間とは、例えば、学習モデルが後述する体感温度設定予測モデル等の場合、48時間とする。尚、48時間は、例えば、アダプタ3のメモリ容量と通信の集中を回避することを考慮した時間である。判定部14Bは、運転履歴メモリ13Aに記憶中の運転履歴データが5分周期で取得した48時間分の運転履歴データであるか否かを判定する。判定部14Bは、記憶中の運転履歴データが48時間分の運転履歴データの場合、48時間分の運転履歴データの内、連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する。連続する運転履歴データ間の変化量とは、時間的に連続する前後の運転履歴データ間の変化の差分量である。前後の運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内とは、例えば、前後の運転履歴データ間の変化量がAIの学習に影響を与えない変化量の範囲、例えば、変化量なし、又は、変化量がAIの学習に無視できる範囲内の場合である。変化量がAIの学習に影響を与えない変化量の範囲とは、前後の運転履歴データに基づくAIの学習の結果を用いて室内機2を制御しても人の体感に影響を与えない範囲である。一般的にデータ及び、これに付与されるタイムスタンプ、圧縮時に削除したデータの再生を確保するためにデータ間の変化量はなしである必要がある。また、人は、環境の温度変化に比較して湿度変化を体感しにくく、同じ値とみなす幅は温度に比較して湿度の方が広い。例えば、人は、±1℃の温度の変化に比べて、±1%の湿度の変化を感じにくい傾向にある。そこで、運転履歴データが湿度の場合、データを判定する際の変化量が温度に比べて粗くても、これらのデータに基づくAIの学習の結果を用いて室内機2を制御しても人の体感に影響を与えないと考えて、例えば、体感温度での温度に対する湿度の重み付けは1:1の関係ではなく、例えば、(温度:湿度)=1:5の関係である。湿度の±5%の変化は、例えば、AIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与える程度の変化ではないため、同一と考える。その結果、送信するデータ量を低減できる。
判定部14Bは、連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合、連続する運転履歴データがAIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与えない範囲内のデータと判断する。尚、AIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与えない範囲内のデータは、例えば、削除(以降の説明で、「間引き」と記載する場合がある)対象のデータとなる。判定部14Bは、連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内でない場合、運転履歴データがAIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与えるデータと判断する。尚、AIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与えるデータは、間引き対象のデータとしない。
消去部14Cは、連続するタイムスタンプ内の各運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合に、一つの運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを残して他の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを間引く。そして、消去部14Cは、間引き後の48時間分の運転履歴データを運転履歴メモリ13Aに順次記憶する。例えば、変化量が所定の範囲内の運転履歴データが12時00分から12時15分まで連続した場合、タイムスタンプが最古の12時00分の運転履歴データを残し、12時05分、10分及び15分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを間引く。しかしながら、48時間分の運転履歴データの内、連続していない運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合、当該変化量が所定の範囲内の運転履歴データを間引かないものとする。
送信部14Dは、運転履歴メモリ13Aに記憶中の間引き後の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを通信網8経由でサーバ装置5に送信する。受信部14Eは、通信網8経由でサーバ装置5から学習モデルを受信し、受信した学習モデルをモデルメモリ13Bに記憶する。設定部14Fは、記憶中の学習モデルを予測制御部14Gに適用する。予測制御部14Gは、設定部14Fにて適用された学習モデルに基づき、室内機2内の制御部2Bを制御する。尚、説明の便宜上、予測制御部14Gは、学習モデルに基づき、室内機2内の制御部2Bを制御する場合を例示したが、予測制御部14Gは、学習モデルに基づき、室内機2の本体2Aを直接的に制御しても良い。また、予測制御部14Gは、学習モデルに基づく制御態様を制御部2Bに送信する。つまり、予測制御部14Gが、制御部2Bを介して本体2Aを間接的に制御するようにしても良く、適宜変更可能である。
図4は、サーバ装置5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図4に示すサーバ装置5は、通信部31と、記憶部32と、CPU33とを有する。通信部31は、中継装置6と通信接続する通信IFである。記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、ROMやRAM等を有し、データやプログラム等の各種情報を記憶する。CPU33は、サーバ装置5全体を制御する。
図5は、サーバ装置5の機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すサーバ装置5内の記憶部32は、データメモリ32Aと、モデルメモリ32Bとを有する。データメモリ32Aは、各アダプタ3から受信した運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプ等を記憶する。モデルメモリ32Bは、サーバ装置5で生成又は更新した学習モデルを記憶する。
サーバ装置5内のCPU33は、モデル学習部33Aと、受信部33Bと、判定部33Cと、復元部33Dと、送信部33Eとを有する。
モデル学習部33Aは、複数の室内機2の各アダプタ3と接続してアクセスポイント4、通信網8及び中継装置6を経由して、各アダプタ3から48時間分の運転履歴データを受信する。そして、モデル学習部33Aは、各アダプタ3からのデータメモリ32Aに記憶中の48時間分の運転履歴データを使用して学習し、学習結果に基づき、各室内機2の学習モデルを生成又は更新する。学習モデルには、例えば、各家庭の空気調和機の運転状況に応じて室内の利用者に対する5分後の体感温度を予測し、予測する体感温度に応じて空気調和機を制御する体感温度設定予測モデルがある。従来、空気調和機は、室内温度が目標温度になるように温度を調整することになるため、利用者にはその温度変化が体感的に不快に感じる場合がある。これに対して、体感温度設定予測モデルは、例えば、室内温度、室内湿度、室外温度等の時系列の運転履歴データに応じて、利用者が快適に感じるように空気調和機を調整する際に実行するプログラムである。そして、モデル学習部33Aは、生成又は更新した学習モデルをモデルメモリ32Bに記憶する。受信部33Bは、通信網8経由で各アダプタ3から運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプ等を受信する。尚、説明の便宜上、モデル学習部33Aは、例えば、48時間分の運転履歴データを使用して体感温度設定予測モデルの学習モデルを生成又は更新する場合を例示した。しかしながら、モデル学習部33Aは、48時間分の運転履歴データに限定されるものではなく、学習モデルの内容に応じて、例えば、1ヶ月や半年等の運転履歴データを使用しても良く、適宜変更可能である。
判定部33Cは、アダプタ3から受信した48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを参照し、タイムスタンプの有無に基づき、48時間分の運転履歴データから間引き区間があるか否かを判定する。
復元部33Dは、間引き区間があると判定された場合、タイムスタンプが5分周期であるため、タイムスタンプなしの区間を、運転履歴データを間引いた間引き区間と判断する。更に、復元部33Dは、当該間引き区間直前の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、当該間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを生成して48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。そして、復元部33Dは、復元後の48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをデータメモリ32Aに記憶する。復元部33Dは、例えば、アダプタ3側にて12時00分から12時15分までの運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内とした場合、タイムスタンプの有無を参照する。復元部33Dは、12時05分から12時15分までの区間のタイムスタンプがない場合、12時05分から12時15分までの区間を間引き区間と判断する。復元部33Dは、例えば、12時05分から12時15分までを間引き区間と判断した場合、12時00分の運転履歴データが間引き区間直前の運転履歴データとなる。従って、復元部33Dは、12時00分の運転履歴データを12時05分、12時10分及び12時15分の運転履歴データとして複写することで、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。そして、復元部33Dは、復元後の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをデータメモリ32Aに記憶する。その結果、復元部33Dは、アダプタ3から受信した48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプの内、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元することで48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをデータメモリ32Aに記憶することになる。尚、タイムスタンプの復元は、例えば、所定周期(5分周期)単位でスタンプされることになるため、間引き区間直前のタイムスタンプに+5分ずつインクリメントすることで間引き区間のタイムスタンプを復元できる。
モデル学習部33Aは、データメモリ32Aに記憶中のアダプタ3毎の48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、当該アダプタ3対応の学習モデルを生成又は更新し、生成又は更新した学習モデルをモデルメモリ32Bに記憶する。送信部33Eは、中継装置6、通信網8及びアクセスポイント4経由でモデル学習部33Aにて生成又は更新された学習モデルをアダプタ3に送信する。
図6は、運転履歴データの内容の一例を示す説明図である。運転履歴データには、例えば、運転状態、運転モード、設定温度、室内温度、室内湿度、風量、風向、人感センサ、輻射センサ、室内熱交温度、室外温度、圧縮機回転数、室外風量、運転電流、室外熱交温度等である。更に、運転履歴データは、例えば、吐出温度、圧縮機温度、膨張弁開度、放熱器温度、起動失敗履歴、異常停止履歴、応急運転履歴、タイムスタンプ、空気調和機ID、設置場所や施設種類等がある。
運転状態とは、室内機2の運転のON−OFF状態である。運転モードは、室内機2の冷房や暖房等の動作モードである。設定温度は、室内機2を使用する室内の室内目標温度である。室内温度は、室内機2を使用する室内の実際の温度である。室内湿度は、室内機2を使用する室内の実際の湿度である。風量は、室内機2から吹き出される空調空気の風量である。風向は、室内機2から吹き出される空調空気の風向きである。人感センサは、室内の人の有無や活動量のセンサによる検出結果である。輻射センサは、室内の床や壁の温度のセンサによる検出結果である。室内熱交温度は、室内機2の本体2Aの一部をなす図示しない室内熱交換器の温度である。室外温度は、室外の実際の温度である。圧縮機回転数は、室内機2と冷媒配管で接続される図示しない室外機に備えられた圧縮機の運転回転数である。室外風量は、室外機に備えられる室外ファンの風量である。運転電流は、例えば、室内機2及び室外機等の空気調和機全体の運転電流である。室外熱交温度は、室外機に備えられる室外熱交換機の温度である。吐出温度は、圧縮機から吐出される冷媒の温度である。圧縮機温度は、圧縮機底部の温度である。膨張弁開度は、室外機に備えられる電子膨張弁の開度である。放熱器温度は、圧縮機を駆動制御するパワー半導体の温度である。起動失敗履歴は、圧縮機起動失敗の履歴である。異常停止履歴は、異常停止の履歴である。応急運転履歴は、応急運転の実施履歴である。タイムスタンプは、データ取得時の年月日時分秒である。空気調和機IDは、室内機2等の空気調和機を識別するために室内機2に付与するIDである。設置場所は、空気調和機が設置された場所の住所である。施設種類は、室内機2等の空気調和機が設置された店舗、飲食店、工場等の施設の種類である。
運転履歴データには、家庭用の空気調和機に使用するデータと、業務用の空気調和機に使用するデータとがある。家庭用の空気調和機に使用される運転履歴データとしては、例えば、運転状態、運転モード、設定温度、室内温度、室内湿度、風量、風向、人感センサで検出した値、輻射センサで検出した値、タイムスタンプ、空気調和機ID、設置場所等である。家庭用の空気調和機では、快適性や省エネ性の追求にAIを用いて操作や提案を行うため、例えば、設定温度、運転モード、室内や周囲環境等が家庭用に必要なデータである。
また、業務用の空気調和機に使用される運転履歴データとしては、例えば、運転状態、運転モード、設定温度、室内温度、室内湿度、風量、風向、人感センサで検出した値、輻射センサで検出した値、室内熱交温度、室外温度、圧縮機回転数、室外風量、運転電流及び室外熱交温度等である。更に他の運転履歴データとしては、例えば、吐出温度、圧縮機温度、膨張弁開度、放熱器温度、起動失敗履歴、異常停止履歴、応急運転履歴、タイムスタンプ、空気調和機ID、設置場所や施設種類等である。業務用の空気調和機では、AIが各装置の故障やメンテナンスの必要性を予測するため、例えば、故障予測に使用する空気調和機内の各部品レベルの運転状況や履歴を蓄積し、故障の予兆をAIで判定する。上記に加えて、業務用の空気調和機に必要な運転履歴データは、例えば、故障予測に使用するデータである。尚、空気調和機に使用する圧縮機やファンモータの回転数等は空気調和機の停止中は停止し、各々の運転履歴データが発生しないため、例えば、圧縮機回転数、室外風量、運転電流及び室外熱交温度等のデータは空気調和機の停止中は取得しないものとする。
学習モデルが、例えば、前述した体感温度設定予測モデルの場合、体感温度設定予測モデルの生成又は更新に設定温度、室内温度、室内湿度、室外温度等の時系列の運転履歴データを使用する。図7は、夏季又は冬季に体感温度設定予測モデルの生成又は更新に使用する運転履歴データの一例を示す説明図である。体感温度設定予測モデルに使用する運転履歴データは、図7に示すように、例えば、季節に応じて異なる。例えば、冬季の体感温度設定予測モデルでは、設定温度、室内温度、室内湿度及び室外温度等を使用する。これに対して、夏季の体感温度設定予測モデルでは、設定温度、室内温度、室内湿度及び室外温度等の他に、例えば、風量と人感センサの検出データ(人の有無や活動量)が加わる。
前述の通り、運転履歴データは、例えば、5分毎に取得している。連続するタイムスタンプに対応する各運転履歴データが同じ場合はタイムスタンプ及び運転履歴データを間引くことになる。この際、間引く際の変化量の所定の範囲を運転履歴データ毎の特徴に応じて設定する。尚、運転履歴データを判定する際の変化量の所定の範囲は、連続する運転履歴データ間の変化の有無を判定するための閾値の幅に相当し、例えば、夏季や冬季に応じて変化する。
例えば、運転状態、運転モード、設定温度、室内温度、室内湿度、風量、風向、人感センサで検出した値、輻射センサで検出した値、室内熱交温度及び室外温度を判定する際のデータ毎の変化量の所定の範囲は、例えば、夏季や冬季に限定されるものではなく他の時期や、空気調和機の設置環境や、空気調和機の設定履歴に応じて変更しても良いし、同一にしても良い。
図8は、間引き処理の一例を示す説明図である。アダプタ3のCPU14は、図8に示すように、例えば、データ1からデータ11までの運転履歴データを室内機2から5分周期で取得する。CPU14は、例えば、タイムスタンプ(181001113000)とタイムスタンプ(181001113500)夫々のデータ1〜データ11の各運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合、タイムスタンプ(181001113500)の各運転履歴データはタイムスタンプ(181001113000)の各運転履歴データと同じであるとしてこれを間引く。一方、CPU14は、タイムスタンプ(181001113500)とタイムスタンプ(181001114000)夫々のデータ1〜データ11の各運転履歴データの内、変化量が所定の範囲でない運転履歴データが1つでもある場合は、これらの運転履歴データを間引きせず、全ての運転履歴データをサーバ装置5に送信する。その結果、運転履歴データをサーバ装置5にアップロードする際に、元のデータが間引かれているために圧縮効率が高くなるため、その圧縮効率が高まり通信トラヒックを低減できる。
図9は、運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する際の判定動作の一例を示す説明図であり、ここでは図7に示す各運転履歴データのうちの室内湿度を例に挙げる。空気調和機で使用する湿度センサの精度は±5℃程度である。室内の相対湿度は、室内の扉の開閉等でも大きく変動することがある。前述した通り、湿度の変化は温度の変化に比較して体感し難いため、このような体感差を利用して、室温の変化量の所定の範囲と室内湿度の変化量の所定の範囲とを変える。また、室温と室内湿度の変化量の所定の範囲を変えるだけでなく、例えば、冬季や夏季等の季節に応じて変化量の所定の範囲を変えても良い。夏季は、冷房に加えて除湿運転を選択して除湿運転は湿度を制御するのに対し、冬季は、湿度を制御する運転モードがない。そこで、冬季の湿度の変化量の所定の範囲を夏季の湿度の変化量の所定の範囲に比較して大きくする、例えば、夏季の場合、室内湿度の変化量が所定の範囲、例えば、±3%以内の場合は変化なしと判断し、冬季の場合、室内湿度の変化量が所定の範囲、例えば、±5%以内の場合に変化なしと判断すれば良い。
図9に示す説明図は、5分周期で取得した室内湿度のデータである。図9に示す開始時点では、室内湿度(RH)が45%であり、その後、変化量が所定の範囲、例えば、±3%以内の状態が継続する。しかしながら、室内湿度が53%になった時点で45%から変化量が+8%の変化、すなわち変化量が所定の範囲内でなくなったため、変化ありと判断し、基準を53%とする。その後、室内湿度49%になった時点で53%から変化量が−4%の変化、すなわち変化量が所定の範囲内でなくなったため、変化ありと判断し、基準を49%とする。更に、室内湿度が45%となった時点で49%から変化量が−5%の変化、変化量が所定の範囲内でなくなったため、変化ありと判断し、基準を45%とする。更に、室内湿度が50%となった時点で45%から変化量が+5%の変化、変化量が所定の範囲内でなくなったため、変化ありと判断し、基準を50%とする。尚、他の運転履歴データも、湿度の場合と同様に各データの特徴に応じて変化有無を判定する所定の範囲を定めて変化あり/なしを判断し、全ての運転履歴データ内の各データの変化量が所定の範囲内の同じタイムスタンプがある場合に間引くことになる。
例えば、体感温度設定予測モデル等では、アダプタ3内の取得部14Aは、室内機2から設定温度、室内温度、室内湿度や室外温度等の運転履歴データを5分周期で取得し、取得した運転履歴データを運転履歴メモリ13Aに記憶する。アダプタ3内の判定部14Bは、運転履歴メモリ13Aに記憶中の運転履歴データが48時間分であるか否かを判定する。
判定部14Bは、記憶中の運転履歴データが48時間分の場合、連続する運転履歴データ間の変化量、例えば、12時00分の各運転履歴データと12時05分の各運転履歴データとの間の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する。尚、連続する運転履歴データ間の変化量には、例えば、タイムスタンプを含まないものとする。アダプタ3内の消去部14Cは、運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合、変化量が所定の範囲内の運転履歴データを間引く。更に、アダプタ3内の送信部14Dは、間引き後の48時間分の運転履歴データをアクセスポイント4、通信網8及び中継装置6経由でサーバ装置5に送信する。
サーバ装置5内の判定部33Cは、48時間分の運転履歴データを受信した場合、運転履歴データ内に間引き区間があるか否かを判定する。サーバ装置5内の復元部33Dは、48時間分の運転履歴データ内に間引き区間がある場合、タイムスタンプを参照し、タイムスタンプなしの区間を間引き区間と判断する。更に、復元部33Dは、間引き区間直前の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。復元部33Dは、復元後の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをデータメモリ32Aに記憶する。復元部33Dは、例えば、12時05分から12時15分までを間引き区間と判断した場合、12時00分の運転履歴データが間引き区間直前の運転履歴データとなる。従って、復元部33Dは、12時00分の運転履歴データを12時05分、12時10分及び12時15分の運転履歴データとして複写することで、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。サーバ装置5内のモデル学習部33Aは、データメモリ32Aに記憶中の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、体感温度設定予測モデル等の学習モデルを生成又は更新する。そして、サーバ装置5内の送信部33Eは、モデル学習部33Aで生成又は更新した体感温度設定予測モデル等の学習モデルを中継装置6、通信網8及びアクセスポイント4経由でアダプタ3に送信する。
アダプタ3内の設定部14Fは、サーバ装置5から体感温度設定予測モデル等の学習モデルを受信した場合、当該学習モデルをモデルメモリ13Bに記憶する。そして、アダプタ3内の予測制御部14Gは、例えば、室内温度が設定温度±1.5度の安定制御時に、モデルメモリ13Bに記憶中の体感温度設定予測モデル等の学習モデルに基づき、室内機2の制御部2Bを制御する。尚、説明の便宜上、予測制御部14Gは、学習モデルに基づき、室内機2内の制御部2Bを制御する場合を例示したが、予測制御部14Gは、学習モデルに基づき、室内機2の本体2Aを直接制御しても良い。また、予測制御部14Gは、学習モデルに基づく制御態様を制御部2Bに送信し、制御部2Bを介して本体2Aを制御するようにしても良く、適宜変更可能である。つまり、予測制御部14Gは、本体2Aを直接的に制御、又は制御部2Bを使用して本体2Aを間接的に制御しても良く、適宜変更可能である。
次に本実施例の空気調和システム1の動作について説明する。図10は、送信処理に関わるアダプタ3内のCPU14の処理動作の一例を示すフローチャートである。アダプタ3内のCPU14内の取得部14Aは、現在が運転履歴データの取得タイミングであるか否かを判定する(ステップS11)。尚、取得タイミングは、例えば、5分周期である。取得部14Aは、現在が運転履歴データの取得タイミングである場合(ステップS11Yes)、室内機2から運転履歴データを取得する(ステップS12)。更に、取得部14Aは、運転履歴データにタイムスタンプを付加する(ステップS13)。
取得部14Aは、取得した運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを運転履歴メモリ13Aに記憶する(ステップS14)。CPU14内の判定部14Bは、運転履歴メモリ13Aに記憶中の運転履歴データが48時間分の運転履歴データであるか否かを判定する(ステップS15)。尚、判定部14Bは、例えば、5分周期のタイムスタンプをカウントすることで48時間分の運転履歴データがあるか否かを判定する。
判定部14Bは、記憶中の運転履歴データが48時間分の運転履歴データである場合(ステップS15Yes)、後述する図11に示す間引き処理を実行する(ステップS16)。CPU14内の消去部14Cは、間引き処理実行後に48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを運転履歴メモリ13Aに記憶した後、記憶中の48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをサーバ装置5に送信し(ステップS17)、図10に示す処理動作を終了する。尚、取得部14Aは、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをサーバ装置5に送信した後、送信後のデータと重複することなく、次の48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを順次取得することになる。
取得部14Aは、現在が運転履歴データの取得タイミングでない場合(ステップS11No)、ステップS11の処理に戻る。取得部14Aは、記憶中の運転履歴データが48時間分の運転履歴データでない場合(ステップS15No)、ステップS11の処理に戻る。
以上説明したように、アダプタ3は、5分周期毎に室内機2から運転履歴データを取得し、48時間分の運転履歴データを記憶した場合に間引き処理を実行し、間引き処理後の48時間分の運転履歴データをサーバ装置5に送信する。その結果、サーバ装置5は、48時間毎に運転履歴データを取得してこれらを用いて学習モデルを生成又は更新できる。しかも、アダプタ3は、間引き処理後の運転履歴データをサーバ装置5に送信するため、運転履歴データの送信に関わる通信トラヒックを低減できる。
図11は、間引き処理に関わるアダプタ3内のCPU14の処理動作の一例を示すフローチャートである。図11においてCPU14内の判定部14Bは、48時間分の運転履歴データから、タイムスタンプの古い順に連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の運転履歴データを選択したか否かを判定する(ステップS21)。
CPU14内の消去部14Cは、変化量が所定量の範囲内の運転履歴データを選択した場合(ステップS21Yes)、選択された運転履歴データの内、タイムスタンプが最古の運転履歴データ以外の運転履歴データを間引く(ステップS22)。
判定部14Bは、ステップS22にて運転履歴データの間引き後、変化量が所定の範囲内の未選択の運転履歴データがあるか否かを判定する(ステップS23)。判定部14Bは、変化量が所定の範囲内の未選択の運転履歴データがある場合(ステップS23Yes)、変化量が所定の範囲内の未選択の運転履歴データを選択すべく、ステップS21の処理に戻る。
判定部14Bは、変化量が所定の範囲内の未選択の運転履歴データがない場合(ステップS23No)、図11に示す処理動作を終了する。判定部14Bは、変化量が所定の範囲内の運転履歴データを選択しなかった場合(ステップS21No)、図11に示す処理動作を終了する。
以上説明したように、アダプタ3は、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを全てサーバ装置5に送信するのではなく、48時間分の連続する運転履歴データの内、変化量が所定の範囲内の複数の運転履歴データのうちの最古の運転履歴データを除いて全て間引く。その結果、アダプタ3とサーバ装置5との間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを送信する際の通信トラヒックを低減できる。
図12は、更新処理に関わるサーバ装置5内のCPU33の処理動作の一例を示すフローチャートである。更新処理とは、アダプタ3から受信した48時間分の運転履歴データを使用して学習モデルを更新するサーバ装置5側の処理である。ここでは、サーバ装置5が3週間分の運転履歴データを使用して体感温度設定予測モデルを更新する場合を例示する。サーバ装置5内のCPU33内の受信部33Bは、アダプタ3から48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを受信したか否かを判定する(ステップS31)。CPU33内の判定部33Cは、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを受信した場合(ステップS31Yes)、受信した運転履歴データに間引き区間があるか否かを判定する(ステップS32)。
CPU33内の復元部33Dは、受信した48時間分の運転履歴データ内に間引き区間がある場合(ステップS32Yes)、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプの内、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを、後述する図13に示す復元処理によって復元する(ステップS33)。尚、復元部33Dは、タイムスタンプの有無に基づき、タイムスタンプなしの区間を間引き区間と判断する。
復元部33Dは、復元処理を実行後、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプをデータメモリ32Aに記憶する(ステップS34)。CPU33内のモデル学習部33Aは、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを記憶した後、記憶中の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプが3週間分以上であるか否かを判定する(ステップS35)。尚、モデル学習部33は、例えば、5分周期のタイムスタンプのカウント数に応じて記憶中の運転履歴データが3週間分以上であるか否かを判定する。モデル学習部33Aは、運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプが3週間分以上の場合(ステップS35Yes)、3週間分以上の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、体感温度設定予測モデル等の学習モデルを生成又は更新する(ステップS36)。
CPU33内の送信部33Eは、学習モデルを生成又は更新した後、学習モデルをアダプタ3に送信し(ステップS37)、図12に示す処理動作を終了する。
また、受信部33Bは、アダプタ3から48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを受信しなかった場合(ステップS31No)、図12に示す処理動作を終了する。CPU33は、受信した48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプ内に間引き区間がない場合(ステップS32No)、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを記憶すべく、ステップS34の処理に戻る。
また、CPU33は、記憶中の48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプが3週間分以上でない場合(ステップS35No)、アダプタ3から48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを受信したか否かを判定すべく、ステップS31の処理に戻る。
以上説明したように、更新処理を実行するサーバ装置5は、アダプタ3から受信した48時間分の運転履歴データ内に間引き区間がある場合、間引き区間を復元し、復元後の48時間分の運転履歴データをデータメモリ32Aに記憶する。更に、サーバ装置5は、記憶中の復元後の48時間分の運転履歴データが3週間分の場合、体感温度設定予測モデルを生成又は更新し、生成又は更新した学習モデルをアダプタ3に送信する。その結果、サーバ装置5は、アダプタ3から間引かれた運転履歴データを取得しても、生成又は更新する学習モデルの精度を維持できる。
尚、説明の便宜上、例えば48時間分の運転履歴データが3週間分の場合に体感温度設定予測モデルを生成又は更新する場合を例示したが、3週間分や体感温度設定予測モデルに限定されるものではなく、運転履歴データの記憶量に応じて学習モデルも適宜変更可能である。
図13は、復元処理に関わるサーバ装置5内のCPU33の処理動作の一例を示すフローチャートである。図13においてサーバ装置5内のCPU33内の復元部33Dは、48時間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプの内、タイムスタンプの有無に基づき、タイムスタンプなしの区間として間引き区間を認定する(ステップS41)。復元部33Dは、間引き区間の認定後、タイムスタンプの有無に基づき、間引き区間の直前の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを選択する(ステップS42)。尚、復元部33Dは、タイムスタンプの有無を参照し、間引き区間直前のタイムスタンプありの運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを選択する。復元部33Dは、直前の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する(ステップS43)。復元部33Dは、例えば、12時05分から12時15分までを間引き区間と認定した場合、12時00分の運転履歴データが間引き区間の直前の運転履歴データとなる。従って、復元部33Dは、12時00分の運転履歴データを12時05分、12時10分及び12時15分の運転履歴データとして複写することで、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。
更に、判定部33Cは、間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元した後、未認定の間引き区間があるか否かを判定する(ステップS44)。CPU33は、未認定の間引き区間がある場合(ステップS44Yes)、タイムスタンプ順に未認定の間引き区間を認定すべく、ステップS41の処理に戻る。判定部33Cは、未認定の間引き区間がない場合(ステップS44No)、図13に示す処理動作を終了する。
以上説明したように、復元処理を実行するサーバ装置5は、48時間分の運転履歴データから間引き区間を認定し、間引き区間の直前の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプから間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。その結果、サーバ装置5は、間引き後の運転履歴データを使用して高精度の学習モデルを生成又は更新できる。
本実施例のアダプタ3は、室内機2から所定周期毎に運転履歴データを時間的に取得し、取得された運転履歴データが所定期間分の場合に、取得された運転履歴データの内、時間的に連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内であるか否かを判定する。アダプタ3は、連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合に、連続する運転履歴データの内、最古の運転履歴データを残して他の運転履歴データを間引く。更に、アダプタ3は、間引き後の所定期間分のデータをサーバ装置5に送信する。その結果、アダプタ3は、運転履歴データのデータ量を間引くことでアダプタ3からサーバ装置5への通信トラヒックを低減できる。
アダプタ3は、所定タイミング毎に取得した運転履歴データに当該取得タイミング毎のタイムスタンプを付加する。その結果、アダプタ3は、タイムスタンプを参照して運転履歴データを時系列で管理できる。
アダプタ3は、変化量が所定の範囲内の連続する運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプの内、最古の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを残して他の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを間引く。その結果、アダプタ3は、変化量が所定の範囲内の連続する運転履歴データの内、タイムスタンプを参照し、最古の運転履歴データを残して間引くことができる。
アダプタ3は、連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内の場合、連続する運転履歴データがAIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与えない範囲内のデータと判断する。その結果、連続する運転履歴データがAIの学習の結果を用いて室内機2を制御した場合の人の体感に影響を与えない範囲の運転履歴データを間引くため、アダプタ3からサーバ装置5へ送信する際の運転履歴データの通信トラヒックを低減できる。
アダプタ3は、連続する運転履歴データ間の変化量が所定の範囲内として零であるか否かを判定する。その結果、アダプタ3からサーバ装置5へ送信する際の運転履歴データの通信トラヒックを低減できる。
アダプタ3は、例えば、夏季や冬季等の季節毎に異なる所定の範囲を設定し、連続する運転履歴データ間の変化量が現在の季節に応じた所定の範囲内であるか否かを判定する。その結果、サーバ装置5は、季節に応じた変化量の所定の範囲を使用することで季節に応じた学習モデルを生成又は更新できる。
アダプタ3は、例えば、家庭用や業務用等の空気調和機の用途毎に異なる変化量の所定の範囲を設定し、時間的に連続する運転履歴データ間の変化量が当該空気調和機の用途に応じた所定の範囲内であるか否かを判定する。その結果、サーバ装置5は、用途に応じた変化量の所定の範囲を使用することで用途に応じた学習モデルを生成又は更新できる。
サーバ装置5は、アダプタ3から所定期間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを受信した場合に各運転履歴データのタイムスタンプに基づき、所定期間分の運転履歴データ内に間引き区間があるか否かを判定する。サーバ装置5は、間引き区間があると判定された場合に、当該間引き区間直前の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、当該間引き区間の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを生成して所定期間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプを復元する。サーバ装置5は、復元された所定期間分の運転履歴データ及び、これに付与されるタイムスタンプに基づき、学習モデルを更新する。その結果、サーバ装置5は、所定期間分の運転履歴データを使用して高精度な学習モデルを生成又は更新できる。
尚、本実施例では、学習モデルとして体感温度設定予測モデルを例示したが、これに限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、学習モデルに応じて学習に必要な運転履歴データも異なるため、その内容は適宜変更可能である。また、学習モデルに応じて学習に必要な取得周期や収集量が異なるため、所定周期及び所定期間も適宜変更可能である。
本実施例では、連続する運転履歴データの複数のデータ群の内、少なくとも1個のデータ間の変化量が所定の範囲内でない場合、当該データを含むデータ群を全てサーバ装置5に送信する場合を例示した。しかしながら、複数のデータ群の内、少なくとも1個のデータ間の変化量が所定の範囲内でない場合でも、複数のデータ群の内、変化量が所定の範囲内のデータを間引き、変化量が所定の範囲内でないデータのみをサーバ装置5に送信しても良く、適宜変更可能である。
アダプタ3は、室内機2の運転履歴データを中継装置6経由でサーバ装置5に送信する場合を例示したが、運転履歴データを中継装置6を経由することなく、そのまま、サーバ装置5に送信しても良く、適宜変更可能である。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。