以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。各図中、同一または相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一または相当する部分については、説明を適宜省略または簡略化する。なお、本発明は、以下に説明する実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。例えば、以下に説明する実施の形態のうち、2つ以上の実施の形態が組み合わせられて実施されても構わない。あるいは、以下に説明する実施の形態のうち、1つの実施の形態または2つ以上の実施の形態の組み合わせが部分的に実施されても構わない。
実施の形態1.
本実施の形態について、図1から図7を用いて説明する。
***構成の説明***
図1を参照して、本実施の形態に係る制御システム10の構成を説明する。
制御システム10は、サーバ20と、インターネット等のネットワーク11を介してサーバ20と通信可能な多数の空気調和機30とを備える。
各空気調和機30は、第1空気調和機30aと第2空気調和機30bとのいずれかである。第2空気調和機30bは、第1空気調和機30aよりも高機能なモデルである。具体的には、第2空気調和機30bは、イメージセンサ38bが搭載されたモデルであるのに対し、第1空気調和機30aは、イメージセンサ38aが搭載されていないモデルと、第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bよりも低感度のイメージセンサ38aが搭載されたモデルとのいずれかである。空気調和機30のラインアップでは、イメージセンサが搭載されていないモデルが低価格帯のスタンダードモデル、イメージセンサ38aが搭載されたモデルが中価格帯のミディアムモデル、イメージセンサ38bが搭載されたモデルが高価格帯のデラックスモデルである。
第1空気調和機30aに搭載されたイメージセンサ38aは、本実施の形態では赤外線センサであるが、カメラでもよい。第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bは、本実施の形態ではイメージセンサ38aよりも高解像度の赤外線センサであるが、カメラでもよい。
図2を参照して、サーバ20の構成を説明する。
サーバ20は、コンピュータである。サーバ20は、具体的には、クラウドシステムに備えられるサーバコンピュータである。サーバ20は、プロセッサ21を備えるとともに、メモリ22および通信デバイス23といった他のハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
サーバ20は、機能要素として、類似判断部24と、情報提供部25とを備える。類似判断部24および情報提供部25の機能は、ソフトウェアにより実現される。具体的には、類似判断部24および情報提供部25の機能は、サーバプログラムにより実現される。サーバプログラムは、類似判断部24および情報提供部25により行われる処理をそれぞれ類似判断処理および情報提供処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。サーバプログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記録されて提供されてもよいし、記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
プロセッサ21は、サーバプログラムを実行する装置である。プロセッサ21は、例えば、CPUである。「CPU」は、Central Processing Unitの略語である。
メモリ22は、サーバプログラムを記憶する装置である。メモリ22は、例えば、RAM、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。「RAM」は、Random Access Memoryの略語である。
メモリ22には、属性情報51、撮影画像52および運転情報53が記憶される。
属性情報51は、第1空気調和機30aを使用する第1ユーザU1の属性を示す情報である。属性情報51は、具体的には、第1ユーザU1の性別、年齢および家族構成といった属性を示す情報である。必須ではないが、ライフスタイルも属性として認識されることが望ましい。具体例として、第1ユーザU1が30代男性と30代女性との2人世帯であれば、その世帯が子供を持たない共働き世帯であるかどうかまで認識されることが望ましい。何時に起床し、外出し、帰宅し、入浴し、就寝するかといった行動パターンも属性として認識されてもよい。暑がり、あるいは、寒がりといった好みも属性として認識されてもよい。属性情報51は、本実施の形態では第1ユーザU1により第1空気調和機30aに入力されるが、第1空気調和機30aの据付業者等、第1ユーザU1以外の第三者により第1空気調和機30aに入力されてもよい。サーバ20において、属性情報51は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク11を介して第1空気調和機30aから直接取得される。
撮影画像52は、第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bにより得られた画像である。撮影画像52は、具体的には、第2空気調和機30bの室内機が設置された住宅等の建物内を撮影して得られた画像である。サーバ20において、撮影画像52は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク11を介して第2空気調和機30bから直接取得される。
運転情報53は、第2空気調和機30bにより運転中に得られた情報である。運転情報53は、具体的には、第2空気調和機30bの運転モードを示す情報である。運転モードは、例えば、冷房運転、暖房運転、送風運転、空気清浄運転、加湿運転または除湿運転である。運転情報53には、第2空気調和機30bの能力、圧縮機回転速度およびファン回転速度等、第2空気調和機30bの運転に関わる様々なデータが含まれていてもよい。サーバ20において、運転情報53は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク11を介して第2空気調和機30bから直接取得される。
通信デバイス23は、サーバプログラムに入力されるデータを受信するレシーバと、サーバプログラムから出力されるデータを送信するトランスミッタとを含む。通信デバイス23は、例えば、通信チップまたはNICである。「NIC」は、Network Interface Cardの略語である。
サーバプログラムは、メモリ22からプロセッサ21に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。メモリ22には、サーバプログラムだけでなく、OSも記憶されている。「OS」は、Operating Systemの略語である。プロセッサ21は、OSを実行しながら、サーバプログラムを実行する。なお、サーバプログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
サーバプログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置は、例えば、HDD、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。「HDD」は、Hard Disk Driveの略語である。サーバプログラムおよびOSは、補助記憶装置に記憶されている場合、メモリ22にロードされ、プロセッサ21によって実行される。
サーバ20は、プロセッサ21を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、サーバプログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、例えば、CPUである。
サーバプログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ22、補助記憶装置、または、プロセッサ21内のレジスタまたはキャッシュメモリに記憶される。
サーバ20は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。サーバ20が複数台のコンピュータで構成されている場合は、類似判断部24および情報提供部25の機能が、各コンピュータに分散されて実現されてもよい。
図3および図4を参照して、各空気調和機30の構成を説明する。
図3は、冷房運転時の冷媒回路31を示している。図4は、暖房運転時の冷媒回路31を示している。
各空気調和機30は、冷媒が循環する冷媒回路31を備える。各空気調和機30は、圧縮機32と、四方弁33と、室外熱交換器である第1熱交換器34と、膨張弁である膨張機構35と、室内熱交換器である第2熱交換器36とをさらに備える。圧縮機32、四方弁33、第1熱交換器34、膨張機構35および第2熱交換器36は、冷媒回路31に接続されている。
圧縮機32は、冷媒を圧縮する。四方弁33は、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の流れる方向を切り替える。第1熱交換器34は、冷房運転時には凝縮器として動作し、圧縮機32により圧縮された冷媒を放熱させる。すなわち、第1熱交換器34は、圧縮機32により圧縮された冷媒を用いて熱交換を行う。第1熱交換器34は、暖房運転時には蒸発器として動作し、室外空気と膨張機構35で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。膨張機構35は、凝縮器で放熱した冷媒を膨張させる。第2熱交換器36は、暖房運転時には凝縮器として動作し、圧縮機32により圧縮された冷媒を放熱させる。すなわち、第2熱交換器36は、圧縮機32により圧縮された冷媒を用いて熱交換を行う。第2熱交換器36は、冷房運転時には蒸発器として動作し、室内空気と膨張機構35で膨張した冷媒との間で熱交換を行って冷媒を加熱する。
各空気調和機30は、コントローラ37をさらに備える。
図3および図4では、コントローラ37と圧縮機32との接続しか示していないが、コントローラ37は、圧縮機32だけでなく、冷媒回路31に接続された圧縮機32以外の構成要素に接続されてもよい。コントローラ37は、コントローラ37に接続されている各構成要素の状態を監視したり、制御したりする。
図5を参照して、前述したコントローラ37として第1空気調和機30aに備えられた第1コントローラ40の構成を説明する。
第1コントローラ40は、コンピュータである。第1コントローラ40は、具体的には、マイクロコンピュータである。第1コントローラ40は、プロセッサ41を備えるとともに、メモリ42および通信デバイス43といった他のハードウェアを備える。プロセッサ41は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
第1コントローラ40は、機能要素として、属性入力部44と、情報取得部45と、運転制御部46とを備える。属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能は、ソフトウェアにより実現される。具体的には、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能は、制御プログラムにより実現される。制御プログラムは、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46により行われる処理をそれぞれ属性入力処理、情報取得処理および運転制御処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。制御プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記録されて提供されてもよいし、記録媒体に格納されて提供されてもよいし、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
プロセッサ41は、制御プログラムを実行する装置である。プロセッサ41は、例えば、CPUである。
メモリ42は、制御プログラムを記憶する装置である。メモリ42は、例えば、RAM、フラッシュメモリまたはこれらの組み合わせである。
メモリ42には、前述した属性情報51および運転情報53が記憶される。
通信デバイス43は、制御プログラムに入力されるデータを受信するレシーバと、制御プログラムから出力されるデータを送信するトランスミッタとを含む。通信デバイス43は、例えば、通信チップまたはNICである。
制御プログラムは、メモリ42からプロセッサ41に読み込まれ、プロセッサ41によって実行される。メモリ42には、制御プログラムだけでなく、OSも記憶されている。プロセッサ41は、OSを実行しながら、制御プログラムを実行する。なお、制御プログラムの一部または全部がOSに組み込まれていてもよい。
第1コントローラ40は、プロセッサ41を代替する複数のプロセッサを備えていてもよい。これら複数のプロセッサは、制御プログラムの実行を分担する。それぞれのプロセッサは、例えば、CPUである。
制御プログラムにより利用、処理または出力されるデータ、情報、信号値および変数値は、メモリ42、または、プロセッサ41内のレジスタまたはキャッシュメモリに記憶される。
第1コントローラ40は、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、複数台のコンピュータで構成されていてもよい。第1コントローラ40が複数台のコンピュータで構成されている場合は、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能が、各コンピュータに分散されて実現されてもよい。
***動作の説明***
図6を参照して、本実施の形態に係る制御システム10の動作を説明する。制御システム10の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS101において、第1空気調和機30aを使用する第1ユーザU1の属性を示す属性情報51が第1コントローラ40の属性入力部44に入力される。
具体的には、図7に示すような、第1空気調和機30aのリモートコントローラ60で出力されるメニュー62を介して属性情報51が属性入力部44に入力される。
図7の例では、リモートコントローラ60のディスプレイ61でメニュー62の画面が出力される。第1ユーザU1は、タッチパネルであるディスプレイ61を操作して、画面に表示されている項目から性別、年齢および家族構成といった属性を選択する。選択された属性を示す情報が属性情報51としてリモートコントローラ60から送信される。属性入力部44は、第1コントローラ40の通信デバイス43を介して、リモートコントローラ60から送信された属性情報51を受信する。すなわち、リモートコントローラ60から属性情報51が属性入力部44に入力される。属性入力部44は、入力された属性情報51を第1コントローラ40のメモリ42に書き込む。
第1空気調和機30aの専用のリモートコントローラ60に代えて、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末が属性情報51の入力に使用されてもよい。
第1空気調和機30aにスピーカおよびマイクが搭載されている場合は、スピーカから音声メニューが出力されてもよい。その場合、第1ユーザU1は、音声ガイダンスに従って、性別、年齢および家族構成といった属性を、マイクを介して口頭で伝達する。そして、伝達された属性を示す情報が属性情報51として属性入力部44に入力される。
属性入力部44は、属性情報51をメモリ42から読み取る。属性入力部44は、読み取った属性情報51を、通信デバイス43を介してサーバ20に送信する。
ステップS102において、サーバ20の類似判断部24は、第2空気調和機30bにより収集されたデータから、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定する。第2空気調和機30bにより収集されるデータは、本実施の形態では、第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bにより得られる撮影画像52である。類似判断部24は、属性情報51に示されている属性と、特定した属性とが類似するかどうかを判断する。
具体的には、類似判断部24は、第2空気調和機30bからネットワーク11経由で送信される撮影画像52を、サーバ20の通信デバイス23を介して受信する。イメージセンサ38bにより撮影画像52が得られる度に、その得られた撮影画像52が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよいし、定期的に、それまでに蓄積された撮影画像52が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよい。あるいは、サーバ20からの要求に応じて、それまでに蓄積された撮影画像52が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよい。類似判断部24は、受信した撮影画像52をサーバ20のメモリ22に書き込む。これにより、直近の1週間、1ヵ月、数ヵ月または1年といった一定の期間にわたって得られた撮影画像52がメモリ22に記憶される。
類似判断部24は、第1コントローラ40からネットワーク11経由で送信された属性情報51を、通信デバイス23を介して受信する。類似判断部24は、受信した属性情報51をメモリ22に書き込む。
類似判断部24は、属性情報51および撮影画像52をメモリ22から読み取る。類似判断部24は、読み取った属性情報51から、第1ユーザU1の性別、年齢および家族構成といった属性を特定する。類似判断部24は、読み取った撮影画像52から、第2ユーザU2の性別、年齢および家族構成といった属性を特定する。撮影画像52に写った人間の属性を特定する手法としては、既知の画像認識アルゴリズムを用いてもよいし、専用の画像認識アルゴリズムを用いてもよい。類似判断部24は、特定した第1ユーザU1および第2ユーザU2の属性が類似するかどうかを判断する。判断の基準としては、任意の基準を用いてよいが、本実施の形態では、老人の独り暮らし、あるいは、子供を持たない共働き世帯といったカテゴリが一致すれば属性が類似し、カテゴリが一致しなければ属性が類似しないと判断される。各ユーザがどのカテゴリに属するかは、性別、年齢および家族構成から判断される。
本実施の形態では、類似判断部24は、それぞれが第2空気調和機30bである2つ以上の空気調和機30から撮影画像52を取得する。類似判断部24は、取得した撮影画像52から、それぞれが第2ユーザU2であり2つ以上の空気調和機30を使用する2人以上のユーザの属性を特定する。類似判断部24は、それら2人以上のユーザの中から、特定した属性が第1ユーザU1の属性と類似するユーザUxを選択する。
ユーザUxの選択に際しては、ユーザUxの属性がユーザU1の属性と類似するかどうかだけでなく、ユーザUxの居場所がユーザU1の居場所と近いかどうか、または、ユーザUxの居場所周辺の環境条件がユーザU1の居場所の環境条件と類似するかどうかが考慮されることが望ましい。環境条件は、例えば、気温、湿度もしくは天気等の気象条件、または、大気中に含まれる花粉、PM2.5もしくは黄砂といった粒子の濃度もしくは総量である。
ステップS103において、サーバ20の情報提供部25は、属性情報51に示されている属性と、撮影画像52から特定された属性とが類似する場合に、第2空気調和機30bにより運転中に得られた運転情報53を第1コントローラ40に提供する。
具体的には、情報提供部25は、第2空気調和機30bからネットワーク11経由で送信される運転情報53を、通信デバイス23を介して受信する。定期的に、第2空気調和機30bにより運転情報53が得られ、その得られた運転情報53が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよいし、サーバ20からの要求に応じて、第2空気調和機30bにより運転情報53が得られ、その得られた運転情報53が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよい。情報提供部25は、受信した運転情報53をメモリ22に書き込む。これにより、運転情報53として、第2空気調和機30bの現在の運転モードを示す情報がメモリ22に記憶される。
情報提供部25は、運転情報53をメモリ22から読み取る。情報提供部25は、読み取った運転情報53を、通信デバイス23を介して第1コントローラ40に送信する。
本実施の形態では、情報提供部25は、類似判断部24により選択されたユーザUxが使用する空気調和機30から運転情報53を取得する。情報提供部25は、取得した運転情報53を第1コントローラ40に送信する。
ステップS104において、第1コントローラ40の情報取得部45は、運転情報53を取得する。
具体的には、情報取得部45は、サーバ20からネットワーク11経由で送信された運転情報53を、通信デバイス43を介して受信する。情報取得部45は、受信した運転情報53をメモリ42に書き込む。
ステップS105において、第1コントローラ40の運転制御部46は、類似判断部24により第1ユーザU1の属性と第2ユーザU2の属性とが類似すると判断された場合に、第1空気調和機30aの運転を、情報取得部45により取得された運転情報53に基づいて制御する。すなわち、運転制御部46は、属性入力部44により特定された属性と、撮影画像52から特定された属性とが類似する場合に、第1空気調和機30aの運転を運転情報53に基づいて制御する。
具体的には、運転制御部46は、情報取得部45により取得された運転情報53として、第2空気調和機30bの現在の運転モードを示す情報をメモリ42から読み取る。運転制御部46は、第2空気調和機30bの運転が停止されていることが、読み取った運転情報53に示されている場合に、第1空気調和機30aの運転を停止する。運転制御部46は、第2空気調和機30bの運転モードが特定の運転モードに設定されていることが、読み取った運転情報53に示されている場合に、第1空気調和機30aの運転モードを第2空気調和機30bと同じ運転モードに設定する。
運転情報53に、第2空気調和機30bの能力、圧縮機回転速度またはファン回転速度等、第2空気調和機30bの運転に関わるデータが含まれている場合は、そのデータと同一または近似の値が第1空気調和機30aの運転に適用されてもよい。すなわち、運転制御部46は、第1空気調和機30aの能力、圧縮機回転速度またはファン回転速度を、第2空気調和機30bと同一または近似の能力、圧縮機回転速度またはファン回転速度に設定してもよい。
本実施の形態では、第1ユーザU1の属性とユーザUxの属性とが類似すると判断された上で、ユーザUxが使用する空気調和機30の運転情報53が情報取得部45により取得される。そのため、運転制御部46は、無条件で、第1空気調和機30aの運転を、情報取得部45により取得された運転情報53に基づいて制御する。
複数の空気調和機30の運転情報53が情報取得部45により取得された場合、運転制御部46は、それら複数の空気調和機30の中から任意の1つの空気調和機30を選択し、選択した空気調和機30の運転情報53を利用してもよいし、それら複数の空気調和機30の運転情報53を統合し、統合した運転情報53を利用してもよい。後者の場合、運転制御部46は、複数の空気調和機30の運転情報53間で共通する部分を第1空気調和機30aの運転に適用する。あるいは、運転制御部46は、複数の空気調和機30の運転情報53から求められる数値の平均値、中央値、最大値または最小値といった代表値を算出し、その代表値を第1空気調和機30aの運転に適用する。
ステップS103からステップS105の処理は、繰り返し実行される。
ステップS101およびステップS102の処理は、第1空気調和機30aの据付時等、第1空気調和機30aの最初の運転よりも前に1度だけ実行されればよい。ステップS103からステップS105の処理により、第1空気調和機30aの運転を完全に自動化できるため、ステップS101でリモートコントローラ60を属性情報51の入力に使用しない場合は、リモートコントローラ60は不要である。リモートコントローラ60をなくすことで、煩わしいリモートコントローラ60の操作からユーザを解放することができる。
なお、ステップS101およびステップS102の処理は、第1空気調和機30aの最初の運転以降であっても、第1ユーザU1の属性が変わった場合等、必要に応じて再実行されてよい。
ステップS103およびステップS104では、第2空気調和機30bにより過去に得られた運転情報53が第1コントローラ40に与えられてもよい。具体的には、運転情報53として、第2空気調和機30bの現在の運転モードを示す情報の代わりに、第2空気調和機30bの数十分前、1時間前または数時間前の運転モードを示す情報、あるいは、第2空気調和機30bの運転モードの変更履歴を示す情報が第1コントローラ40に与えられてもよい。その場合、ステップS105では、第1空気調和機30aの運転が運転情報53に基づいて先回りして制御される。第1空気調和機30aの運転開始時に外気温と室温との差が大きい場合、快適性を高めるには、第1空気調和機30aの高能力運転が必要である。しかし、高能力運転時は省エネルギー性が低下してしまう。そこで、快適性が必要な時間帯よりも前から先回りして低能力運転を開始しておくことで、省エネルギー性を高めることができる。
具体的には、運転制御部46は、第2空気調和機30bの運転モードが特定の運転モードに設定されていたことが運転情報53に示されている場合に、第1空気調和機30aの運転モードをその特定の運転モードに先回りして設定する。運転制御部46は、第2空気調和機30bの運転モードがある運転モードから別の運転モードに変更されたことが運転情報53に示されている場合に、第1空気調和機30aの運転モードを前者の運転モードから後者の運転モードに先回りして変更する。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、第1空気調和機30aを使用するユーザの属性と、第2空気調和機30bを使用するユーザの属性とが類似する場合に、第1空気調和機30aの運転が第2空気調和機30bの運転情報53に基づいて制御される。第2空気調和機30bについては、搭載されたイメージセンサ38bにより得られた画像からユーザの属性が特定されるため、属性情報51の登録の手間を省くことができる。第1空気調和機30aについては、入力された情報からユーザの属性が特定されるため、第1空気調和機30aには、第2空気調和機30bよりも低機能なモデルを適用することができる。すなわち、第2空気調和機30bでは、ユーザの属性が自動で認識されるのに対し、第1空気調和機30aでは、そのような機能が省略され、ユーザの属性が手動で入力される。よって、本実施の形態によれば、低機能なモデルと高機能なモデルとの混在を許容しつつ、属性情報51の登録の手間を軽減することができる。
***他の構成***
本実施の形態では、サーバ20の類似判断部24および情報提供部25の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、類似判断部24および情報提供部25の機能が専用のハードウェアにより実現されてもよい。あるいは、類似判断部24および情報提供部25の機能がソフトウェアと専用のハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、類似判断部24および情報提供部25の機能の一部が専用のハードウェアにより実現され、残りがソフトウェアにより実現されてもよい。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、FPGA、ASIC、または、これらのうちいくつか、もしくは、すべての組み合わせである。「IC」は、Integrated Circuitの略語である。「GA」は、Gate Arrayの略語である。「FPGA」は、Field−Programmable Gate Arrayの略語である。「ASIC」は、Application Specific Integrated Circuitの略語である。
プロセッサ21および専用のハードウェアは、いずれも処理回路である。すなわち、類似判断部24および情報提供部25の機能がソフトウェアにより実現されるか、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されるかに関わらず、類似判断部24および情報提供部25の動作は、処理回路により行われる。
本実施の形態では、第1コントローラ40の属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能が専用のハードウェアにより実現されてもよい。あるいは、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能がソフトウェアと専用のハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能の一部が専用のハードウェアにより実現され、残りがソフトウェアにより実現されてもよい。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、FPGA、ASIC、または、これらのうちいくつか、もしくは、すべての組み合わせである。
プロセッサ41および専用のハードウェアは、いずれも処理回路である。すなわち、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の機能がソフトウェアにより実現されるか、ハードウェアにより実現されるか、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されるかに関わらず、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46の動作は、処理回路により行われる。
本実施の形態では、属性入力部44、情報取得部45および運転制御部46が第1空気調和機30aの第1コントローラ40に備えられるが、変形例として、属性入力部、情報取得部および運転制御部がサーバ20に備えられてもよい。すなわち、サーバ20と第1空気調和機30aとが全体で制御システム10として機能する代わりに、サーバ20が単独で制御システムとして機能し、ネットワーク11を介して第1空気調和機30aの運転を制御してもよい。
本実施の形態では、類似判断部24および情報提供部25がサーバ20に備えられるが、変形例として、類似判断部が第1空気調和機30aの第1コントローラ40に備えられ、情報提供部25が省略されてもよい。すなわち、サーバ20と第1空気調和機30aとが全体で制御システム10として機能する代わりに、第1空気調和機30aが単独で制御システムとして機能してもよい。
本実施の形態では、サーバ20の類似判断部24が、第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bにより得られた撮影画像52から、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定する機能を有するが、変形例として、この機能と同等の機能を第2空気調和機30bがサーバ20の代わりに有していてもよい。すなわち、この変形例のステップS102では、第2空気調和機30bが、第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bにより得られた撮影画像52から、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定する。第2空気調和機30bは、特定した属性を示す情報をサーバ20に送信する。サーバ20の類似判断部24は、第2空気調和機30bからネットワーク11経由で送信された情報を受信し、属性情報51に示されている属性と、第2空気調和機30bから受信した情報に示されている属性とが類似するかどうかを判断する。この変形例によれば、クラウドで蓄積するデータの量を削減することができる。また、第2ユーザU2のプライバシーに関わる撮影画像52をクラウドに開示しなくてよいため、プライバシーを確実に保護できる。
本実施の形態では、第1空気調和機30aが第2空気調和機30bよりも低機能なモデルであるが、変形例として、第1空気調和機30aを第2空気調和機30bと同等以上のモデルとしてもよい。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図8から図12を用いて説明する。
実施の形態1では、第1空気調和機30aを使用するユーザの属性と、第2空気調和機30bを使用するユーザの属性とが類似する場合に、無条件で、第1空気調和機30aの運転が第2空気調和機30bの運転情報53に基づいて制御される。本実施の形態では、「無条件」が「条件付き」に変更される。
***構成の説明***
本実施の形態に係る制御システム10は、実施の形態1と同じように、サーバ20と、インターネット等のネットワーク11を介してサーバ20と通信可能な多数の空気調和機30とを備える。
実施の形態1と同じように、各空気調和機30は、第1空気調和機30aと第2空気調和機30bとのいずれかである。
サーバ20の構成については、図2に示した実施の形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
各空気調和機30の構成については、図3および図4に示した実施の形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
図8を参照して、第1空気調和機30aに備えられた第1コントローラ40の構成を説明する。
第1コントローラ40は、機能要素として、属性入力部44と、情報取得部45と、運転制御部46とのほかに、モード選択部47と、情報出力部48とを備える。属性入力部44、情報取得部45、運転制御部46、モード選択部47および情報出力部48の機能は、ソフトウェアにより実現される。具体的には、属性入力部44、情報取得部45、運転制御部46、モード選択部47および情報出力部48の機能は、制御プログラムにより実現される。制御プログラムは、属性入力部44、情報取得部45、運転制御部46、モード選択部47および情報出力部48により行われる処理をそれぞれ属性入力処理、情報取得処理、運転制御処理、モード選択処理および情報出力処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。
***動作の説明***
図9を参照して、本実施の形態に係る制御システム10の動作を説明する。制御システム10の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS201からステップS204の処理については、実施の形態1におけるステップS101からステップS104の処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS205において、第1コントローラ40のモード選択部47は、第1モードM1と第2モードM2とから1つのモードを、第1空気調和機30aを使用する第1ユーザU1に選択させる。第1モードM1は、第1空気調和機30aの運転を、第2空気調和機30bにより運転中に得られた運転情報53によらずに制御するモードである。第2モードM2は、第1空気調和機30aの運転を運転情報53に基づいて制御するモードである。
具体的には、モード選択部47は、図10に示すような、第1空気調和機30aのリモートコントローラ60で出力されるメニュー63を介して第1モードM1と第2モードM2とから1つのモードを第1ユーザU1に選択させる。
図10の例では、リモートコントローラ60のディスプレイ61でメニュー63の画面が出力される。第1ユーザU1は、タッチパネルであるディスプレイ61を操作して、画面に「おすすめモード」として表示されている第1モードM1と、画面に「おこのみモード」として表示されている第2モードM2とのいずれか一方を選択する。選択されたモードを示す情報がリモートコントローラ60から送信される。モード選択部47は、第1コントローラ40の通信デバイス43を介して、リモートコントローラ60から送信された情報を受信する。モード選択部47は、受信した情報から、第1ユーザU1により選択されたモードを特定する。
第1空気調和機30aの専用のリモートコントローラ60に代えて、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末がモードの選択に使用されてもよい。なお、ここでいう「モード」は、冷房運転または暖房運転といった運転モードとは異なる。
第1空気調和機30aにスピーカおよびマイクが搭載されている場合は、スピーカから音声メニューが出力されてもよい。その場合、第1ユーザU1は、音声ガイダンスに従って、第1モードM1と第2モードM2とのうち、どちらのモードを選択するかを、マイクを介して口頭で伝達する。そして、モード選択部47は、第1ユーザU1により選択されたモードを特定する。
ステップS206において、第1コントローラ40の運転制御部46は、類似判断部24により第1ユーザU1の属性と第2ユーザU2の属性とが類似すると判断された場合に、第2モードM2が選択されていれば、第1空気調和機30aの運転を、情報取得部45により取得された運転情報53に基づいて制御する。運転制御部46は、類似判断部24により第1ユーザU1の属性と第2ユーザU2の属性とが類似すると判断された場合でも、第1モードM1が選択されていれば、第1空気調和機30aの運転を、情報取得部45により取得された運転情報53によらずに制御する。すなわち、運転制御部46は、第1ユーザU1の属性と第2ユーザU2の属性とが類似する場合でも、第1ユーザU1により第1モードM1が選択されていれば、第1空気調和機30aの運転を運転情報53によらずに制御する。
具体的には、運転制御部46は、モード選択部47により特定されたモードが第2モードM2であれば、情報取得部45により取得された運転情報53として、第2空気調和機30bの現在の運転モードを示す情報をメモリ42から読み取る。運転制御部46は、第2空気調和機30bの運転が停止されていることが、読み取った運転情報53に示されている場合に、第1空気調和機30aの運転を停止する。運転制御部46は、第2空気調和機30bの運転モードが特定の運転モードに設定されていることが、読み取った運転情報53に示されている場合に、第1空気調和機30aの運転モードを第2空気調和機30bと同じ運転モードに設定する。
運転制御部46は、モード選択部47により特定されたモードが第1モードM1であれば、運転情報53をメモリ42から読み取らず、図11に示すような、リモートコントローラ60で出力されるメニュー64を介して、温度設定等、第1空気調和機30aの運転に関わる設定を第1ユーザU1に行わせる。運転制御部46は、第1空気調和機30aの運転を第1ユーザU1による設定に応じて制御する。
第1空気調和機30aの専用のリモートコントローラ60に代えて、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末が第1空気調和機30aの運転に関わる設定に使用されてもよい。
第1空気調和機30aにスピーカおよびマイクが搭載されている場合は、スピーカから音声メニューが出力されてもよい。その場合、第1ユーザU1は、音声ガイダンスに従って、第1空気調和機30aの運転に関わる設定を、マイクを介して口頭で行う。そして、運転制御部46は、第1空気調和機30aの運転を第1ユーザU1による設定に応じて制御する。
ステップS207において、第1コントローラ40の情報出力部48は、運転制御部46が第1空気調和機30aの運転を運転情報53に基づいて制御しているかどうかを示す情報を第1ユーザU1に対して出力する。
具体的には、情報出力部48は、図12に示すようなメッセージ65をリモートコントローラ60で出力する。
図12の例では、情報出力部48は、リモートコントローラ60のディスプレイ61で、第1モードM1と第2モードM2とのうち、どちらのモードが適用されているかを示すメッセージ65を出力する。
第1空気調和機30aの専用のリモートコントローラ60に代えて、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末が情報の出力に使用されてもよい。
第1空気調和機30aにスピーカが搭載されている場合は、スピーカから音声メッセージが出力されてもよい。
ステップS203からステップS207の処理は、繰り返し実行される。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、第1空気調和機30aを使用するユーザの属性と、第2空気調和機30bを使用するユーザの属性とが類似する場合に、第1空気調和機30aの運転を第2空気調和機30bの運転情報53に基づいて制御するかどうかを、第1空気調和機30aを使用するユーザが自由に選択できる。しかも、第1空気調和機30aの運転が第2空気調和機30bの運転情報53に基づいて制御されているかどうかを、第1空気調和機30aを使用するユーザがいつでも確認できる。
***他の構成***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、第1コントローラ40の属性入力部44、情報取得部45、運転制御部46、モード選択部47および情報出力部48の機能がソフトウェアにより実現されるが、実施の形態1の変形例と同じように、属性入力部44、情報取得部45、運転制御部46、モード選択部47および情報出力部48の機能がハードウェアにより実現されてもよい。あるいは、属性入力部44、情報取得部45、運転制御部46、モード選択部47および情報出力部48の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図13および図14を用いて説明する。
実施の形態1では、第1空気調和機30aを使用するユーザの属性と、第2空気調和機30bを使用するユーザの属性とが類似する場合に、第1空気調和機30aの運転が第2空気調和機30bの運転情報53を参考にして制御される。本実施の形態では、参考にする運転情報53として、最も省エネルギー効果が得られそうな情報が選択される。
***構成の説明***
本実施の形態に係る制御システム10は、実施の形態1と同じように、サーバ20と、インターネット等のネットワーク11を介してサーバ20と通信可能な多数の空気調和機30とを備える。
実施の形態1と同じように、各空気調和機30は、第1空気調和機30aと第2空気調和機30bとのいずれかである。
図13を参照して、サーバ20の構成を説明する。
サーバ20は、機能要素として、類似判断部24と、情報提供部25とのほかに、空気調和機選択部26を備える。類似判断部24、情報提供部25および空気調和機選択部26の機能は、ソフトウェアにより実現される。具体的には、類似判断部24、情報提供部25および空気調和機選択部26の機能は、サーバプログラムにより実現される。サーバプログラムは、類似判断部24、情報提供部25および空気調和機選択部26により行われる処理をそれぞれ類似判断処理、情報提供処理および空気調和機選択処理としてコンピュータに実行させるプログラムである。
メモリ22には、属性情報51、撮影画像52および運転情報53のほかに、エネルギー情報54が記憶される。
エネルギー情報54は、第2空気調和機30bのエネルギー消費量およびエネルギー使用料の少なくともいずれかの値を示す情報である。エネルギー情報54は、具体的には、第2空気調和機30bの電力消費量および電気代の少なくともいずれかを示す情報である。サーバ20において、エネルギー情報54は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク11を介して第2空気調和機30bから取得される。
各空気調和機30の構成については、図3および図4に示した実施の形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
第1空気調和機30aに備えられた第1コントローラ40の構成については、図5に示した実施の形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
***動作の説明***
図14を参照して、本実施の形態に係る制御システム10の動作を説明する。制御システム10の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS301およびステップS302の処理については、実施の形態1におけるステップS101およびステップS102の処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS302において、サーバ20の類似判断部24が、それぞれがユーザUxである複数のユーザUsを選択したとする。すなわち、第1空気調和機30aを使用する第1ユーザU1の属性と、それぞれが第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2である複数のユーザUsの属性とが類似しているとする。
ステップS303において、サーバ20の空気調和機選択部26は、それぞれが第2空気調和機30bであり複数のユーザUsにより使用される複数の空気調和機30について、エネルギー情報54を参照して、それら複数の空気調和機30の中から、1つ以上の空気調和機30を選択する。エネルギー情報54は、各空気調和機30のエネルギー消費量およびエネルギー使用料の少なくともいずれかの値を示す情報である。
具体的には、空気調和機選択部26は、第2空気調和機30bからネットワーク11経由で送信されるエネルギー情報54を、サーバ20の通信デバイス23を介して受信する。定期的に、エネルギー情報54が運転情報53とともに第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよいし、サーバ20からの要求に応じて、エネルギー情報54が運転情報53とともに第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよい。空気調和機選択部26は、受信したエネルギー情報54をサーバ20のメモリ22に書き込む。これにより、エネルギー情報54として、第2空気調和機30bの直近の電力消費量および電気代の少なくともいずれかを示す情報がメモリ22に記憶される。
空気調和機選択部26は、複数のユーザUsにより使用される複数の空気調和機30について、エネルギー情報54をメモリ22から読み取る。空気調和機選択部26は、それら複数の空気調和機30の中から、読み取ったエネルギー情報54に示されている値が最小値の空気調和機30を選択する。すなわち、空気調和機選択部26は、直近の電力消費量が最も少なかった空気調和機30を選択する。あるいは、空気調和機選択部26は、直近の電気代が最も安かった空気調和機30を選択する。なお、運転が停止されている空気調和機30は選択肢から除外してもよい。すなわち、空気調和機選択部26は、複数のユーザUsにより使用される運転中の空気調和機30の中から、エネルギー情報54に示されている値が最小値の空気調和機30を選択してもよい。
ステップS304において、サーバ20の情報提供部25は、空気調和機選択部26により選択された空気調和機30により運転中に得られた運転情報53を第1コントローラ40に提供する。
具体的には、情報提供部25は、空気調和機選択部26により選択された空気調和機30からエネルギー情報54とともに送信された運転情報53を、通信デバイス23を介して受信する。情報提供部25は、受信した運転情報53をメモリ22に書き込む。これにより、エネルギー情報54に対応する運転情報53として、第2空気調和機30bの現在の運転モードを示す情報がメモリ22に記憶される。
情報提供部25は、運転情報53をメモリ22から読み取る。情報提供部25は、読み取った運転情報53を、通信デバイス23を介して第1コントローラ40に送信する。
ステップS305およびステップS306の処理については、実施の形態1におけるステップS104およびステップS105の処理と同じであるため、説明を省略する。
本実施の形態では、空気調和機選択部26により選択された空気調和機30の運転情報53が第1コントローラ40の情報取得部45により取得される。そのため、第1コントローラ40の運転制御部46は、必然的に、第1空気調和機30aの運転を、空気調和機選択部26により選択された空気調和機30について情報取得部45により取得された運転情報53に基づいて制御する。
ステップS304からステップS306の処理は、繰り返し実行される。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、最も省エネルギー効果が得られた空気調和機30の実際の運転のしかたを参考にして第1空気調和機30aの運転が制御される。そのため、本実施の形態によれば、省エネルギー性を高めることができる。
***他の構成***
本実施の形態では、実施の形態1と同じように、サーバ20の類似判断部24、情報提供部25および空気調和機選択部26の機能がソフトウェアにより実現されるが、実施の形態1の変形例と同じように、類似判断部24、情報提供部25および空気調和機選択部26の機能がハードウェアにより実現されてもよい。あるいは、類似判断部24、情報提供部25および空気調和機選択部26の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。
本実施の形態では、空気調和機選択部26がサーバ20に備えられるが、変形例として、空気調和機選択部が第1空気調和機30aの第1コントローラ40に備えられてもよい。その場合、サーバ20の情報提供部25は、それぞれが第2空気調和機30bであり複数のユーザUsにより使用される複数の空気調和機30の運転情報53を第1コントローラ40に提供する。第1コントローラ40の情報取得部45は、それら複数の空気調和機30の運転情報53を取得する。第1コントローラ40の空気調和機選択部は、エネルギー情報54を参照して、それら複数の空気調和機30の中から、1つ以上の空気調和機30を選択する。第1コントローラ40の運転制御部46は、第1空気調和機30aの運転を、空気調和機選択部により選択された空気調和機30について情報取得部45により取得された運転情報53に基づいて制御する。
実施の形態4.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を、図15から図18を用いて説明する。
実施の形態1では、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定するために第2空気調和機30bにより収集されるデータは、第2空気調和機30bに搭載されたイメージセンサ38bにより得られる撮影画像52である。本実施の形態では、同じ目的のために収集されるデータが、撮影画像52とは別のデータである。
***構成の説明***
図15を参照して、本実施の形態に係る制御システム10の構成を説明する。
本実施の形態に係る制御システム10は、実施の形態1と同じように、サーバ20と、インターネット等のネットワーク11を介してサーバ20と通信可能な多数の空気調和機30とを備える。
実施の形態1と同じように、各空気調和機30は、第1空気調和機30aと第2空気調和機30bとのいずれかである。第2空気調和機30bは、第1空気調和機30aよりも高機能なモデルである。実施の形態1では、第2空気調和機30bは、イメージセンサ38bが搭載されたモデルであるが、本実施の形態では、第2空気調和機30bは、スマートスピーカ、給湯器または家電といった機器71と通信する機能が搭載されたモデルである。あるいは、第2空気調和機30bは、給湯器または家電等の他の機器72からデータを収集するHEMSサーバ等の機器73と通信する機能が搭載されたモデルである。第1空気調和機30aは、機器71または機器73と通信する機能が搭載されていないモデルである。空気調和機30のラインアップでは、機器71または機器73と通信する機能が搭載されていないモデルが低価格帯のスタンダードモデルまたは中価格帯のミディアムモデル、機器71または機器73と通信する機能が搭載されたモデルが高価格帯のデラックスモデルである。
スマートスピーカ、給湯器または家電といった機器71は、直接またはLAN等のネットワークを介して第2空気調和機30bに接続される。「LAN」は、Local Area Networkの略語である。機器71は、第2空気調和機30bと同じ住宅等の建物に設置され、第2ユーザU2によって使用される。家電は、空気調和機以外であり、例えば、テレビ、炊飯器または冷蔵庫である。
給湯器または家電等の機器72は、直接またはLAN等のネットワークを介してHEMSサーバ等の機器73に接続される。機器72は、機器71と同じように、第2空気調和機30bと同じ住宅等の建物に設置され、第2ユーザU2によって使用される。
HEMSサーバ等の機器73は、第2空気調和機30bと同じ建物に設置されてもよいし、遠隔地等、第2空気調和機30bとは異なる場所に設置されてもよい。
図16を参照して、サーバ20の構成を説明する。
メモリ22には、属性情報51および運転情報53のほかに、撮影画像52に代えて使用履歴55が記憶される。
使用履歴55は、第2ユーザU2が機器71または機器72を使用した履歴である。機器71がスマートスピーカであれば、使用履歴55は、日時ごとに、第2ユーザU2がスマートスピーカとした会話を記録したデータである。機器71または機器72が給湯器であれば、使用履歴55は、日時ごとに、第2ユーザU2が設定した風呂の温度と第2ユーザU2が入浴した時間とを記録したデータである。機器71または機器72がテレビであれば、使用履歴55は、日時ごとに、第2ユーザU2がテレビで視聴した番組のジャンルを記録したデータである。サーバ20において、使用履歴55は、任意の経路で任意の情報源から取得されてよいが、本実施の形態では、ネットワーク11を介して第2空気調和機30bから取得される。
各空気調和機30の構成については、図3および図4に示した実施の形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
第1空気調和機30aに備えられた第1コントローラ40の構成については、図5に示した実施の形態1のものと同じであるため、説明を省略する。
***動作の説明***
図17を参照して、本実施の形態に係る制御システム10の動作を説明する。制御システム10の動作は、本実施の形態に係る制御方法に相当する。
ステップS401において、第1空気調和機30aを使用する第1ユーザU1の属性を示す属性情報51が第1コントローラ40の属性入力部44に入力される。
具体的には、図18に示すような、第1空気調和機30aのリモートコントローラ60で出力されるメニュー66を介して属性情報51が属性入力部44に入力される。
図18の例では、リモートコントローラ60のディスプレイ61でメニュー66の画面が出力される。第1ユーザU1は、タッチパネルであるディスプレイ61を操作して、画面に表示されている項目から行動パターンまたは好みといった属性を選択する。選択された属性を示す情報が属性情報51としてリモートコントローラ60から送信される。属性入力部44は、第1コントローラ40の通信デバイス43を介して、リモートコントローラ60から送信された属性情報51を受信する。すなわち、リモートコントローラ60から属性情報51が属性入力部44に入力される。属性入力部44は、入力された属性情報51を第1コントローラ40のメモリ42に書き込む。
第1空気調和機30aの専用のリモートコントローラ60に代えて、スマートフォンまたはタブレット等の携帯端末が属性情報51の入力に使用されてもよい。
第1空気調和機30aにスピーカおよびマイクが搭載されている場合は、スピーカから音声メニューが出力されてもよい。その場合、第1ユーザU1は、音声ガイダンスに従って、行動パターンまたは好みといった属性を、マイクを介して口頭で伝達する。そして、伝達された属性を示す情報が属性情報51として属性入力部44に入力される。
属性入力部44は、属性情報51をメモリ42から読み取る。属性入力部44は、読み取った属性情報51を、通信デバイス43を介してサーバ20に送信する。
ステップS402において、サーバ20の類似判断部24は、第2空気調和機30bにより収集されたデータから、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定する。第2空気調和機30bにより収集されるデータは、本実施の形態では、第2空気調和機30bに接続された機器71または機器73により得られる、第2ユーザU2による機器71および機器72の少なくともいずれかの使用履歴55である。類似判断部24は、属性情報51に示されている属性と、特定した属性とが類似するかどうかを判断する。
具体的には、類似判断部24は、第2空気調和機30bからネットワーク11経由で送信される使用履歴55を、サーバ20の通信デバイス23を介して受信する。機器71または機器73により使用履歴55の追加データが得られる度に、その得られた追加データが第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよいし、定期的に、それまでに蓄積された使用履歴55が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよい。あるいは、サーバ20からの要求に応じて、それまでに蓄積された使用履歴55が第2空気調和機30bからサーバ20に送信されてもよい。類似判断部24は、受信した使用履歴55をサーバ20のメモリ22に書き込む。これにより、直近の1週間、1ヵ月、数ヵ月または1年といった一定の期間にわたって得られた使用履歴55がメモリ22に記憶される。
類似判断部24は、第1コントローラ40からネットワーク11経由で送信された属性情報51を、通信デバイス23を介して受信する。類似判断部24は、受信した属性情報51をメモリ22に書き込む。
類似判断部24は、属性情報51および使用履歴55をメモリ22から読み取る。類似判断部24は、読み取った属性情報51から、第1ユーザU1の性別、年齢および家族構成といった属性を特定する。類似判断部24は、読み取った使用履歴55から、第2ユーザU2の行動パターンまたは好みといった属性を特定する。使用履歴55から人間の属性を特定する手法としては、既知のアルゴリズムを用いてもよいし、専用のアルゴリズムを用いてもよい。類似判断部24は、特定した第1ユーザU1および第2ユーザU2の属性が類似するかどうかを判断する。判断の基準としては、任意の基準を用いてよいが、本実施の形態では、行動パターンまたは好みに応じたクラスタが一致すれば属性が類似し、クラスタが一致しなければ属性が類似しないと判断される。各ユーザがどのクラスタに属するかは、既存のクラスタリング手法を用いて判断される。
本実施の形態では、類似判断部24は、それぞれが第2空気調和機30bである2つ以上の空気調和機30から使用履歴55を取得する。類似判断部24は、取得した使用履歴55から、それぞれが第2ユーザU2であり2つ以上の空気調和機30を使用する2人以上のユーザの属性を特定する。類似判断部24は、それら2人以上のユーザの中から、特定した属性が第1ユーザU1の属性と類似するユーザUxを選択する。
ステップS403において、サーバ20の情報提供部25は、属性情報51に示されている属性と、使用履歴55から特定された属性とが類似する場合に、第2空気調和機30bにより運転中に得られた運転情報53を第1コントローラ40に提供する。
ステップS404およびステップS405の処理については、実施の形態1におけるステップS104およびステップS105の処理と同じであるため、説明を省略する。
ステップS403からステップS405の処理は、繰り返し実行される。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、第1空気調和機30aを使用するユーザの属性と、第2空気調和機30bを使用するユーザの属性とが類似する場合に、第1空気調和機30aの運転が第2空気調和機30bの運転情報53に基づいて制御される。第2空気調和機30bについては、接続された機器71または機器73により得られたデータからユーザの属性が特定されるため、属性情報51の登録の手間を省くことができる。第1空気調和機30aについては、入力された情報からユーザの属性が特定されるため、第1空気調和機30aには、第2空気調和機30bよりも低機能なモデルを適用することができる。すなわち、第2空気調和機30bでは、ユーザの属性が自動で認識されるのに対し、第1空気調和機30aでは、そのような機能が省略され、ユーザの属性が手動で入力される。よって、本実施の形態によれば、低機能なモデルと高機能なモデルとの混在を許容しつつ、属性情報51の登録の手間を軽減することができる。
***他の構成***
本実施の形態では、サーバ20の類似判断部24が、第2空気調和機30bに接続された機器71または機器73により得られた使用履歴55から、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定する機能を有するが、変形例として、この機能と同等の機能を第2空気調和機30bがサーバ20の代わりに有していてもよい。すなわち、この変形例のステップS402では、第2空気調和機30bが、第2空気調和機30bに接続された機器71または機器73により得られた使用履歴55から、第2空気調和機30bを使用する第2ユーザU2の属性を特定する。第2空気調和機30bは、特定した属性を示す情報をサーバ20に送信する。サーバ20の類似判断部24は、第2空気調和機30bからネットワーク11経由で送信された情報を受信し、属性情報51に示されている属性と、第2空気調和機30bから受信した情報に示されている属性とが類似するかどうかを判断する。この変形例によれば、クラウドで蓄積するデータの量を削減することができる。また、第2ユーザU2のプライバシーに関わる使用履歴55をクラウドに開示しなくてよいため、プライバシーを確実に保護できる。