JP6861808B2 - ステータ、電動機、圧縮機および空気調和装置 - Google Patents

ステータ、電動機、圧縮機および空気調和装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステータ、電動機、圧縮機および空気調和装置に関する。
電動機におけるステータの巻線の巻き方には、集中巻と分布巻とがある。空気調和装置等に用いられる電動機では、集中巻よりも騒音および振動の抑制に有利な分布巻が多く用いられる。分布巻の中では同心巻が多く用いられるが、コイルエンド部を小さくできる点で、同心巻よりも波巻が有利である。波巻の場合、コイルエンド部で巻線を折り返す必要があるため、巻線には高い強度が求められる。
分布巻用の巻線としては、平角導体を磁性体層で覆い、さらに絶縁被膜で覆った巻線が知られている(特許文献1)。また、複数の銅線を束ねて絶縁被膜で覆った集合巻線も知られている(特許文献2)。また、平角導体を熱硬化性樹脂被膜で覆い、さらにその周囲を熱可塑性樹脂被膜で覆った巻線も知られている(特許文献3)。
特許第5742805号公報(図3参照) 特開2016−85846号公報(図3参照) 特開2016−111732号公報(図1参照)
ここで、巻線の強度を高めるためには、巻線の断面積を大きくする必要がある。巻線の断面積を大きくすると、電動機の回転数に応じて電気周波数が高くなった場合に、表皮効果によって電流が導体表面に集中し、実効抵抗(すなわち銅損)が増加して、電動機効率の低下を招く可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、巻線の強度を高めると共に、実効抵抗を低減することを目的とする。
本発明のステータは、ステータコアと、ステータコアに波巻で巻かれた巻線とを備える。巻線は、複数の被覆線材の集合体と、この集合体の周囲を覆い、熱硬化性樹脂を含み、厚さが0.1mm以上、0.2mm以下の外側被膜とを有する。当該複数の被覆線材は、いずれも、導体と、導体の周囲を覆い、厚さが30μm以上、50μm以下の絶縁膜とを有する。複数の被覆線材は、いずれも、線幅が1.5mm以下である。外側被膜は、熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維を添加したものであり、複数の被覆線材のうち隣り合う被覆線材の間に入り込むように形成されている。
本発明では、導体と絶縁膜とを有する線幅1.5mm以下の複数の被覆線材を、熱硬化性樹脂の外側被膜で覆って巻線を構成しているため、巻線の強度を向上すると共に、表皮効果を抑制して実効抵抗を低減することができる。
実施の形態1の電動機を示す断面図である。 実施の形態1の巻線を巻き付けていない電動機を示す斜視図である。 実施の形態1の巻線を巻き付けた電動機を示す斜視図である。 実施の形態1の電動機の各部の寸法を説明するための模式図(A)およびティースの周囲を拡大して示す模式図(B)である。 実施の形態1の巻線の断面構造を示す断面図である。 実施の形態1の巻線と端子部とを示す断面図である。 実施の形態1の巻線を示す斜視図である。 実施の形態1の巻線の一部を拡大して示す模式図である。 実施の形態1の巻線の1本の巻線部分を示す斜視図である。 実施の形態1の巻線の2本の巻線部分を示す斜視図である。 実施の形態1のステータの同一スロットに挿入される巻線部分を示す斜視図である。 比較例の巻線を示す断面図である。 実施の形態1の巻線および比較例の巻線の電流密度分布を比較して示すグラフである。 実施の形態1の巻線および比較例の巻線の電流密度分布を比較して示すグラフである。 実施の形態1の巻線および比較例の巻線の実効抵抗を比較して示すグラフである。 第1の変形例の巻線の断面構造を示す断面図である。 第2の変形例の巻線の断面構造を示す断面図である。 第3の変形例の巻線の断面構造を示す断面図である。 第4、第5および第6の変形例の巻線の断面構造を示す断面図(A),(B),(C)である。 実施の形態1の電動機を適用した圧縮機を示す縦断面図である。 図20の圧縮機を備えた空気調和装置を示す図である。
実施の形態1.
<電動機の構成>
図1は、実施の形態1の電動機100を示す断面図である。この電動機100は、ブラシレスDCモータであり、後述する圧縮機500(図20)に用いられる。また、この電動機100は、ロータ3に永久磁石32を埋め込んだ永久磁石埋込型の電動機である。
電動機100は、ステータ1と、ステータ1の内側に回転可能に設けられたロータ3とを有する。ステータ1とロータ3との間には、エアギャップが設けられている。また、ステータ1は、圧縮機500の円筒状のシェル4に組み込まれている。
ロータ3は、円筒状のロータコア30と、ロータコア30に取り付けられた永久磁石32とを有する。ロータコア30は、例えば厚さ0.25〜0.5mmの電磁鋼板を回転軸の方向に積層し、カシメ等により固定したものである。ロータコア30の径方向の中心には、円形のシャフト孔34が形成されている。シャフト孔には、回転軸であるシャフト35が圧入によって固定されている。シャフト35の中心軸である軸線C1は、ロータ3の回転軸をなしている。
以下では、シャフト35の軸線C1の方向を、「軸方向」と称する。また、軸線C1を中心とする円周方向(図1に矢印R1で示す)を、「周方向」と称する。軸線C1を中心とする半径方向を、「径方向」と称する。
ロータコア30の外周に沿って、複数の磁石挿入孔31が、周方向に等間隔に形成されている。磁石挿入孔31の数は、ここでは4個である。磁石挿入孔31は、ロータコア30を軸方向に貫通している。また、磁石挿入孔31は、ロータコア30の外周面に沿って、直線状に延在している。
磁石挿入孔31の内部には、永久磁石32が配置されている。永久磁石32は、軸方向に長さを有し、周方向に幅を有し、径方向に厚さを有する平板状の部材である。1つの磁石挿入孔31には、1つの永久磁石32が配置されている。但し、1つの磁石挿入孔31に、複数の永久磁石32が配置された構成も可能である。
ここでは、ロータ3の極数Pは、4である。但し、ロータ3の極数Pは、4に限定されるものではなく、2以上であればよい。また、ここでは、1つの磁極に1つの磁石挿入孔31および1つの永久磁石32が対応しているが、1つの磁極に複数の磁石挿入孔31が対応していてもよく、また、1つの磁極に複数の永久磁石32が対応していてもよい。
磁石挿入孔31の周方向の中心は、極中心となる。ここでは、磁石挿入孔31は、極中心を通る径方向の直線(磁極中心線とも称する)に直交する方向に延在している。隣り合う磁石挿入孔31の間は、極間である。
永久磁石32は、ネオジウム(Nd)、鉄(Fe)、ボロン(B)およびディスプロシウム(Dy)を含む希土類焼結磁石で構成される。希土類焼結磁石は、残留磁束密度および保磁力が高いため、所望の出力を得るために必要なロータ3の軸方向の長さを小さくすることができる。
永久磁石32は、また、酸化鉄を含むフェライト焼結磁石で構成してもよい。フェライト焼結磁石の残留磁束密度および保磁力は、いずれも希土類焼結磁石よりも低いが、材料が安価で調達の安定性が高いため、製造コストを低減できるメリットがある。
それぞれの永久磁石32は、径方向外側と径方向内側とが反対の磁極を有するように着磁されている。また、周方向に隣り合う永久磁石32は、互いに反対の磁極を外周側に向けている。
磁石挿入孔31の周方向の両端には、フラックスバリア33がそれぞれ形成されている。フラックスバリア33は、磁石挿入孔31の周方向端部からロータコア30の外周に向けて径方向に延在する空隙である。フラックスバリア33は、隣り合う磁極間の漏れ磁束(すなわち極間を通って流れる磁束)を抑制するために設けられる。
<ステータの構成>
ステータ1は、ステータコア10と、ステータコア10に波巻で巻かれた巻線2(図3)とを有する。ステータコア10は、例えば厚さ0.25〜0.5mmの電磁鋼板を軸方向に積層し、カシメ部17により固定したものである。
ステータコア10は、環状のヨーク部11と、ヨーク部11から径方向内側に延在する複数のティース12とを有する。図1に示した例では、ティース12の数は、36である。ティース12の幅(周方向の長さ)は、ティース12の先端に近づくほど、すなわち径方向内側ほど狭くなる。
周方向に隣り合うティース12の間に、スロット13が形成される。スロット13は、ティース12に巻かれる巻線2を収容する部分であり、径方向に延在している。スロット13の数は、ティース12の数と同じであり、スロット数Sと称する。図1に示した例では、スロット数Sは36であり、ロータ3の1磁極に9個のスロット13が対応している。
3相分布巻の場合には、スロット数Sは、極数Pの3n(nは自然数)倍となる。そのため、極数Pに対するスロット数Sの比(割合)S/Pは、例えば3、6、9、12、15等となる。
ステータコア10には、ステータコア10を軸方向に貫通する貫通穴15が形成されている。貫通穴15は、ヨーク部11において、周方向の複数箇所に形成されている。ここでは、6個の貫通穴15が、周方向に等間隔に配置されている。貫通穴15は、冷媒を軸方向に通過させる冷媒通路を構成する。また、貫通穴15は、リベットを挿通するリベット穴としても用いてもよい。貫通穴15の断面形状は、ここでは円形であるが、円形に限定されるものではない。
図2は、ステータコア10に巻線2を巻き付けていない状態の電動機100を示す斜視図である。図2に示すように、ステータコア10のヨーク部11は、円筒状の外周面18を有し、この外周面18が円筒状のシェル4の内周面41に嵌合している。
ステータコア10の外周面18には、切欠き部16が形成されている。切欠き部16は、円筒状の外周面18を、軸線C1に平行な平面で切り欠いたものである。切欠き部16は、ヨーク部11において、周方向の複数箇所に形成されている。ここでは、6個の切欠き部16が、周方向に等間隔に配置されている。切欠き部16は、シェル4の内周面41との間に、冷媒を軸方向に通過させる冷媒通路を構成する。
また、ステータコア10の電磁鋼板を互いに固定するカシメ部17は、ヨーク部11に形成されている。カシメ部17によって磁束の流れを妨げないようにするためである。
図3は、ステータコア10に巻線2を巻き付けた電動機100を示す斜視図である。巻線2は、ステータコア10の36個のティース12に、波巻で巻き付けられる。巻線2は、波巻で巻かれているため、ティース12から径方向外側への突出量が少ない。そのため、巻線2は、貫通穴15および切欠き部16を通過する冷媒の流れを妨げることがない。
また、巻線2が波巻で巻かれているため、同心巻で巻かれた場合と比較して、巻線2のステータコア10からの軸方向の突出量も少ない。すなわち、巻線2の全長のうち、駆動力の発生に寄与しないコイルエンド部が小さいため、より少ない電流で所望のトルクを得ることができ、電動機効率が向上する。また、巻線2の軸方向の突出量が少ないため、電動機100の軸方向の長さが短い。
図4(A)は、電動機100の各部の寸法を説明するための模式図である。ステータ1の直径、すなわちステータコア10の直径D1は、シェル4の内周面41に嵌合する長さに設定されている。ロータ3の直径(すなわちロータコア30の直径)D2は、例えば、60mm〜120mmである。
図4(B)は、ステータ1の一部を拡大して示す模式図である。上記の通り、ティース12の幅は、ティース12の先端部12aに近づくほど狭くなる。ティース12の先端部12a(径方向の内側端部)での幅をW1とし、ティース12の根元部12b(径方向の外側端部)での幅をW2とすると、W1<W2が成り立つ。
ティース12の径方向の長さ(すなわち根元部12bから先端部12aまでの距離)を、H1とする。H1は、スロット13の長さでもある。また、ティース12の根元部12bからヨーク部11の外周面18までの距離(ヨーク幅)を、H2とする。ヨーク幅H2は、ヨーク部11内を周方向に流れる磁路の幅である。
スロット13には、巻線2が一列に配列される。スロット13の周方向の幅Wsは、巻線2が一列に配列される程度の幅に設定される。すなわち、スロット13は、周方向の幅Wsおよび径方向の長さH1を有する長方形形状を有する。スロット13の径方向内側の端部は、巻線2を挿入する開口部13aであり、径方向外側の端部は、終端部13bである。
<巻線の構成>
次に、巻線2について説明する。図5は、巻線2の断面構造を示す断面図である。図5に示すように、巻線2は、4本の被覆線材5a,5b,5c,5dを2行2列に配置した集合体と、この集合体を覆う外側被膜6とを有する。なお、被覆線材5a,5b,5c,5dは、被覆線材5と総称する。
被覆線材5a,5b,5c,5dの断面形状は、いずれも正方形である。被覆線材5a,5b,5c,5dのそれぞれの線幅は、正方形の1辺の長さLで定義され、1.0〜1.5mmである。
被覆線材5a,5b,5c,5dは、導体51a,51b,51c,51dと、導体51a,51b,51c,51dのそれぞれの周囲を覆う絶縁膜52a,52b,52c,52dとを有する。
導体51a,51b,51c,51dの断面形状は、いずれも正方形である。導体51a,51b,51c,51dは、銅またはアルミニウムで構成されている。なお、導体51a,51b,51c,51dは、導体51と総称する。
絶縁膜52a,52b,52c,52dのそれぞれの厚さは、例えば30〜50μmである。絶縁膜52a,52b,52c,52dは、電気絶縁性を有するものであり、例えば、ポリエステルイミドまたはポリアミドイミドで構成されている。なお、絶縁膜52a,52b,52c,52dは、絶縁膜52と総称する。
外側被膜6の厚さは、例えば0.1〜0.2mmである。外側被膜6は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂で構成されている。また、強度を高めるため、不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維を添加することが望ましい。不飽和ポリエステル樹脂は複雑形状への変形が容易であり、作業性に優れるため、波巻の巻線作業に適している。
なお、図5では、外側被膜6が、隣り合う被覆線材5a,5b,5c,5dの間にも入り込んでいるが、このような構成に限らず、被覆線材5a,5b,5c,5dを周囲から覆っていればよい。
このように巻線2が4本の被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体で構成され、さらに外側被膜6に覆われているため、巻線2をコイルエンド部で折り曲げても破損しないような高い強度が得られ、また高い耐熱性が得られる。
また、被覆線材5a,5b,5c,5dの導体51a,51b,51c,51dは、絶縁膜52a,52b,52c,52dによって互いに絶縁されている。導体51a,51b,51c,51dの個々の断面積が小さいため、表皮効果による実効抵抗の増加(すなわち銅損の増加)が抑制される。
図6は、巻線2と、巻線2に接続される端子部8とを示す図である。端子部8は、被覆線材5a,5bの導体51a,51bに接続される接続部81と、被覆線材5c,5dの導体51c,51dに接続される接続部82と、接続部81,82を支持する支持部83とを有する。
なお、接続部81と導体51a,51bとが接触する部分では、導通を確保するため、絶縁膜52a,52bの一部および外側被膜6の一部が除去されている。同様に、接続部82と導体51c,51dとが接触する部分では、導通を確保するため、絶縁膜52c,52dの一部および外側被膜6の一部が除去されている。
図7は、波巻で巻かれた巻線2のみを取り出して示す模式図である。巻線2は、スロット13(図1)内に挿入される直線部22と、ロータコア30の軸方向の一端面で周方向に延在するコイルエンド部21と、ロータコア30の軸方向の他端面で周方向に延在するコイルエンド部23とを有する。ここでは、1つのスロット13(図1)に、巻線2の8本の巻線部分20が挿入されているものとする。
図8は、巻線2のコイルエンド部21の一部を拡大して示す図である。コイルエンド部21では、径方向の同じ巻き付け位置(例えば最内周位置)に、9本の巻線部分20が、1スロット分ずつ周方向位置をずらしながら巻き回されている。最内周に巻かれた9本の巻線部分20のうちの3本を、巻線部分20a,20b,20cとする。
図9は、1本の巻線部分20aを取り出して示す模式図である。巻線部分20aは、2つのコイルエンド部21aと、4つの直線部22aと、2つのコイルエンド部23aとを有する。巻線部分20aは、9個のティース12にまたがるように巻き回される。すなわち、巻線部分20aの直線部22aは、9個おきのスロット13に挿入される。
コイルエンド部21aは、直線部22aの軸方向一端(図9における上端)同士をつなぐように延在し、コイルエンド部23aは、直線部22aの軸方向他端(図9における下端)同士をつなぐように延在する。コイルエンド部21aとコイルエンド部23aとは、軸線C1を中心とする周方向に交互に配置されている。
コイルエンド部21aの周方向の中心部には、径方向に変位量E1だけ変位するノーズ部25aが設けられている。コイルエンド部21aは、図9に矢印A1で示すように軸線C1を中心とする時計回りに周方向に延在し、ノーズ部25aで径方向内側に変位量E1だけ変位して、再び矢印A1で示す方向に延在する。
また、コイルエンド部23aの周方向の中心部には、径方向に変位量E1だけ変位するノーズ部26aが設けられている。コイルエンド部23aは、図9に矢印A2で示すように軸線C1を中心とする時計回りに周方向に延在し、ノーズ部26aで径方向外側に変位量E1だけ変位して、再び矢印A2で示す方向に延在する。
図10は、2本の巻線部分20a,20bを示す模式図である。巻線部分20aと同様に、巻線部分20bは、2つのコイルエンド部21bと、4つの直線部22bと、2つのコイルエンド部23bとを有する。
巻線部分20bの直線部22bは、巻線部分20aの直線部22aに対して、軸線C1を中心とする時計回りに1スロット分だけシフトした位置にある。コイルエンド部21b,23bの周方向の中心部には、コイルエンド部21a,23aのノーズ部25a,26aと同様に、ノーズ部25b,26bがそれぞれ形成されている。
巻線部分20a,20bのコイルエンド部21a,21bは、軸方向に重なり合って周方向に延在し、ノーズ部25a,25bを経て上下(軸方向の位置関係)が逆転する。同様に、巻線部分20a,20bのコイルエンド部23a,23は、軸方向に重なり合って周方向に延在し、ノーズ部26a,26bを経て上下が逆転する。そのため、巻線部分20a,20bの直線部22a,22bを、互いに干渉することなく、隣り合うスロット13(図1)に挿入することができる。
図10には、2本の巻線部分20a,20bのみを示しているが、巻線部分20a,20bと同じ径方向の巻き付け位置(例えば最内周位置)に、これらを含む合計9本の巻線部分20が巻き回される。すなわち、ステータコア10の36個の全てのスロット13に、巻線2の直線部22が挿入される。
図11は、図9に示した巻線部分20aと同じスロット13に挿入される合計8本の巻線部分20を示す模式図である。8本の巻線部分20は、径方向に等間隔に巻き回されている。このように、巻線部分20を周方向に1スロット分だけずらして巻き回し(図10)、また径方向にも巻き回すことにより、図7に示した波巻の巻線2が形成される。
なお、1つのスロット13に挿入される巻線部分20の数、および巻線部分20がまたがるティース12の数は、図7〜図11に示した例に限定されるものではなく、極数Pおよびスロット数Sに応じて任意に設定することができる。
このように巻線2を波巻で巻く場合には、図11に示したノーズ部25,26のように、巻線2をコイルエンド部21,23で折り曲げる必要がある。この実施の形態1の巻線2は、図5に示すように被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体を外側被膜6で覆った構成により高い強度を有するため、折り曲げによる巻線2の破損を防止することができる。
<比較例>
次に、比較例の巻線2Gについて説明する。図12は、比較例の巻線2Gを示す断面図である。比較例の巻線2Gは、断面が正方形の1本の導体50と、その周囲を覆う絶縁膜60とを有する。導体50の線幅(すなわち1辺の長さ)は、図5に示した導体51の線幅(1mm〜1.5mm)の2倍である。
<巻線断面における電流密度分布の均一化>
次に、この実施の形態1による巻線断面における電流密度の均一化効果(すなわち表皮効果の抑制効果)について説明する。図13は、図12に示した比較例の巻線2Gの導体50の線幅を2mmとした場合の巻線断面内の電流密度分布を示すグラフである。図13の横軸は導体50の断面内における位置を示し、縦軸は電流密度を示す。
電流密度は、磁界解析により、導体50の内部の電位分布が均一であるという前提で計算したものである。電気周波数は、60Hzおよび360Hzの2通りとしている。電流密度は、導体50の表面(外周面)における電流密度を1とし、これに対する比率(%)で表している。
図13から、電気周波数が60Hzの場合には、導体50の表面(位置0mm、2mm)と導体50の中心(位置1mm)とで、電流密度の大きな違いは見られない。これに対し、電気周波数が360Hzの場合には、導体50の表面の電流密度に対して、導体50の中心の電流密度が0.3%低下している。これは高周波数帯での表皮効果によるものと考えられる。
図14は、図5に示した実施の形態1の巻線2の導体51の線幅を1mmとした場合の巻線断面内の電流密度分布を示すグラフである。図14の横軸は導体51の断面内における位置を示し、縦軸は電流密度を示す。電流密度は、上記のように磁界解析により求めたものである。電気周波数は、60Hzおよび360Hzの2通りとしている。電流密度は、導体51の表面における電流密度を1とし、これに対する比率(%)で表している。
図14から、電気周波数が60Hzの場合には、導体51の表面(位置0mm、2mm)と導体51の中心(位置1mm)とで、電流密度の違いは見られない。また、電気周波数が360Hzの場合には、導体51の表面の電流密度に対する導体51の中心の電流密度の低下は0.05%にとどまっている。すなわち、実施の形態1では、高周波数帯における表皮効果が抑制されていることが分かる。
図15は、比較例と実施の形態1とで、実効抵抗(銅損)の増加率を対比して示すグラフである。実効抵抗の増加率は、導体に直流電流を流した場合を基準とし、60Hzおよび360Hzの交流電流を流した場合の増加率(%)である。
図15から、比較例では、電気周波数が360Hzの場合に2.06%の実効抵抗の増加が見られるのに対し、実施の形態1では、同じ360Hzで0.60%の実効抵抗の増加にとどまっている。これは、実施の形態1の導体51の断面積が比較例の導体50の断面積よりも小さいため、表皮効果が抑制されたためと考えられる。
すなわち、この実施の形態1の巻線2は、導体51a,51b,51c,51dの総断面積は比較例の導体50と同じであるが、導体51a,51b,51c,51dの個々の断面積を小さくし、且つ互いに絶縁している。そのため、表皮効果を抑制し、実効抵抗(銅損)の増加を抑制することができる。
なお、ここでは、被覆線材5a,5b,5c,5dの断面形状を正方形としたが、長方形であってもよい(後述する図19(B)参照)。その場合には、被覆線材5a,5b,5c,5dの線幅(すなわち長方形の長辺の長さ)が1.0mm〜1.5mmの範囲にあればよい。
また、被覆線材5a,5b,5c,5dの断面形状は、円形であってもよい(後述する図16参照)。その場合には、被覆線材5a,5b,5c,5dの線幅(すなわち円の直径)が1.0mm〜1.5mmの範囲にあればよい。
<実施の形態の効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態1では、ステータ1の巻線2が、導体51を絶縁膜52で覆った被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体と、この集合体を覆う熱硬化性樹脂からなる外側被膜6とを有し、被覆線材5a,5b,5c,5dのそれぞれの線幅が1.5mm以下であるため、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果を抑制して実効抵抗を低減することができる。すなわち、波巻に適した巻線2の強度を得ると共に、電動機効率を向上することができる。
また、絶縁膜52の厚さが30μm〜50μmであるため、個々の導体51a,51b,51c,51dを効果的に絶縁し、表皮効果の抑制効果を高めることができる。また、外側被膜6の厚さが0.1mm〜0.2mmであるため、巻線2の強度を高めると共に、また、巻線作業時の折り曲げやすさを確保することができる。
また、巻線2の全体の断面形状が四角形(より望ましくは正方形)であるため、スロット13に巻線2を一列に整列させて収納しやすい。
また、導体51a〜51dの断面形状が四角形(より望ましくは正方形)であり、4本の被覆線材5a〜5dが2行2列に配置されているため、導体51a〜51dを密に配置することができ、巻線2の断面積を比較的小さくすることができる。また、被覆線材5の線幅が1.0mm〜1.5mmであるため、表皮効果を抑制しつつ、トルク発生に必要な電流を流すことができる。
また、ステータコア10のティース12に巻線2が波巻で巻かれており、巻線2の径方向の突出量が少ないため、巻線2がヨーク部11の貫通穴15を通過する冷媒あるいは貫通穴15に挿通されるリベットの障害にならない。
また、ロータ3の永久磁石32を希土類焼結磁石で構成することにより、希土類焼結磁石の高い残留磁束密度および高い保磁力により、電動機100の高効率化および減磁耐力の向上を図ることができる。また、永久磁石32をフェライト焼結磁石で構成した場合には、製造コストを低減することができる。
<変形例>
第1の変形例
次に、実施の形態1の変形例について説明する。図16は、第1の変形例の巻線2Aを示す断面図である。図16に示す巻線2Aは、断面形状が円形の4本の被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体を有する。被覆線材5a,5b,5c,5dは、2行2列に配置されている。
被覆線材5a,5b,5c,5dは、いずれも断面形状が円形の導体51a,51b,51c,51dと、導体51a,51b,51c,51dの周囲を覆う絶縁膜52a,52b,52c,52dとを有する。被覆線材5a,5b,5c,5dのそれぞれの線幅、すなわち直径は、1.0mm〜1.5mmである。また、絶縁膜52a,52b,52c,52dの厚さは、30μm〜50μmである。
被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体の周囲は、外側被膜6によって覆われている。外側被膜6は、巻線2の全体の断面形状が正方形となるように形成されている。外側被膜6の厚さは位置によって異なるが、最も薄い部分の厚さは、0.1mm〜0.2mmである。
この第1の変形例においても、実施の形態1と同様に、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果を抑制して実効抵抗を低減することができる。また、断面形状が円形の被覆線材5a,5b,5c,5dを用いているため、正方形の被覆線材と比較して、導体材料の使用量が少なくて済む。また、断面が円形の被覆線材は、市販されている種類が多いため、調達が容易というメリットもある。
第2の変形例
図17は、第2の変形例の巻線2Bを示す断面図である。図17に示す巻線2Bは、断面形状が円形の4本の被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体を有する。被覆線材5a,5b,5c,5dは、2行2列に配置されている。被覆線材5a,5b,5c,5dの構成は、図16に示した第1の変形例と同様である。
被覆線材5a,5b,5c,5dの集合体の周囲は、外側被膜6によって覆われている。外側被膜6は、巻線2の全体の断面形状が円形となるように形成されている。外側被膜6の厚さは位置によって異なるが、最も薄い部分の厚さは、0.1mm〜0.2mmである。
この第2の変形例においても、実施の形態1と同様に、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果の影響を抑制して実効抵抗を低減することができる。また、巻線2の全体の断面形状が円形であるため、巻線作業時に折り曲げやすいというメリットがある。
第3の変形例
図18は、第3の変形例の巻線2Cを示す断面図である。図18に示す巻線2Cは、断面形状が正方形の8本の被覆線材5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5hの集合体を有する。被覆線材5a〜5hは、3行3列の9か所のうち、2行目の2列目(中央部)を除く8箇所に配置されている。
被覆線材5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5hは、いずれも断面形状が正方形の導体51a,51b,51c,51d,51e,51f,51g,51hと、これら導体51a〜51hのそれぞれの周囲を囲む絶縁膜52a,52b,52c,52d,52e,52f,52g,52hとを有する。被覆線材5a〜5hのそれぞれの線幅(すなわち正方形の1辺の長さ)は、0.65mm〜1.0mmである。また、絶縁膜52a〜52hの厚さは、30μm〜50μmである。
被覆線材5a〜5hの集合体の周囲は、外側被膜6によって覆われている。外側被膜6の厚さは、0.1mm〜0.2mmである。巻線2の全体の断面形状は、正方形である。
被覆線材5a〜5hは3行3列で配置されているため、2行目の2列目(中央部)には端子部8(図6参照)を接続することができない。そのため、巻線2の中央部には、熱硬化性樹脂の樹脂部61が設けられる。この樹脂部61は、外側被膜6と同じ材料であることが望ましいが、異なる材料であってもよい。
熱硬化性樹脂は、導体51a〜51hを構成する銅あるいはアルミニウムよりも強度が高いため、巻線2の中央部に熱硬化性樹脂の樹脂部61を設けることで、巻線2の強度をさらに高めることができる。また、熱硬化性樹脂は、銅あるいはアルミニウムよりも安価であるため、巻線2の製造コストを低減することができる。
なお、被覆線材5a〜5hの断面形状は、正方形に限らず、図16および図17に示したような円形であってもよく、後述する図19(B)に示すような長方形であってもよい。
この第3の変形例においても、実施の形態1と同様に、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果の影響を抑制して実効抵抗を低減することができる。さらに、巻線2の中央部に樹脂部61が形成されているため、巻線2の強度をさらに高め、また製造コストを低減することができる。
第4の変形例
図19(A)は、第4の変形例の巻線2Dを示す断面図である。図19(A)に示す巻線2Dは、断面形状が正方形の6本の被覆線材5a,5b,5c,5d,5e,5fの集合体を有する。被覆線材5a〜5fは、2行3列に配置されている。
被覆線材5a,5b,5c,5d,5e,5fは、いずれも断面形状が正方形の導体51a,51b,51c,51d,51e,51fと、これら導体51a〜51fのそれぞれの周囲を覆う絶縁膜52a,52b,52c,52d,52e,52fとを有する。
被覆線材5a〜5fのそれぞれの線幅(すなわち正方形の1辺の長さ)は、1.0mm〜1.5mmである。また、絶縁膜52a〜52fの厚さは、30μm〜50μmである。被覆線材5a〜5fの集合体の周囲は、外側被膜6によって覆われている。外側被膜6の厚さは、0.1mm〜0.2mmである。
この第4の変形例では、被覆線材5a〜5fが2行3列に配置されているため、巻線2の全体の断面形状は、長方形となる。
なお、被覆線材5a〜5fの断面形状は、正方形に限らず、図16および図17に示したような円形であってもよい。また、後述する図19(B)に示すような長方形であってもよい。
この第4の変形例においても、実施の形態1と同様に、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果の影響を抑制して実効抵抗を低減することができる。
第5の変形例
図19(B)は、第5の変形例の巻線2Eを示す断面図である。図19(B)に示す巻線2Eは、断面形状が長方形の3本の被覆線材5a,5b,5cの集合体を有する。被覆線材5a〜5cは、1行3列に配置されている。また、被覆線材5a,5b,5cは、いずれも、配列方向(図中左右方向)に短く、配列方向に直交する方向(図中上下方向)に長い長方形の断面形状を有している。
被覆線材5a,5b,5cは、いずれも断面形状が長方形の導体51a,51b,51cと、これら導体51a,51b,51cのそれぞれの周囲を覆う絶縁膜52a,52b,52cとを有する。被覆線材5a,5b,5cのそれぞれの線幅(すなわち長辺の長さ)は、1.0mm〜1.5mmである。また、絶縁膜52a,52b,52cの厚さは、30μm〜50μmである。被覆線材5a,5b,5cの周囲は、外側被膜6によって覆われている。外側被膜6の厚さは、0.1mm〜0.2mmである。
この第5の変形例では、被覆線材5a,5b,5cが1行3列に配置されているため、巻線2の全体の断面形状は、長方形となる。但し、被覆線材5a,5b,5cが長方形であるため、巻線2Eの断面形状の長辺と短辺との比(アスペクト比)を1に近付けることができる。なお、被覆線材5a,5b,5cの断面形状は、長方形に限らず、正方形あるいは円形であってもよい。
この第5の変形例においても、実施の形態1と同様に、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果の影響を抑制して実効抵抗を低減することができる。
第6の変形例
図19(C)は、第6の変形例の巻線2Fを示す断面図である。図19(C)に示す巻線2Fは、断面形状が長方形の2本の被覆線材5a,5bの集合体を有する。被覆線材5a,5bは、1行2列に配置されている。被覆線材5a,5bは、いずれも、配列方向(図中左右方向)に短く、配列方向に直交する方向(図中上下方向)に長い長方形の断面形状を有している。
被覆線材5a,5bは、いずれも断面形状が長方形の導体51a,51bと、これら導体51a,51bのそれぞれの周囲を覆う絶縁膜52a,52bとを有する。被覆線材5a,5bのそれぞれの線幅(すなわち長辺の長さ)は、1.0mm〜1.5mmである。また、絶縁膜52a,52bの厚さは、30μm〜50μmである。被覆線材5a,5bの周囲は、外側被膜6によって覆われている。外側被膜6の厚さは、0.1mm〜0.2mmである。
この第6の変形例では、被覆線材5a,5bが1行2列に配置されているため、巻線2の全体の断面形状は、長方形となる。但し、被覆線材5a,5bが長方形であるため、巻線2Fの断面形状の長辺と短辺との比(アスペクト比)を1に近付けることができる。なお、被覆線材5a,5bの断面形状は、長方形に限らず、正方形あるいは円形であってもよい。
この第6の変形例においても、実施の形態1と同様に、巻線2の強度を高めると共に、表皮効果の影響を抑制して実効抵抗を低減することができる。
<圧縮機>
次に、上述した実施の形態1の電動機100を用いた圧縮機について説明する。図20は、上述した実施の形態1の電動機100を用いた圧縮機(スクロール圧縮機)500の構成を示す断面図である。
圧縮機500は、スクロール圧縮機であり、密閉容器502内に、圧縮機構510と、圧縮機構510を駆動する電動機100と、圧縮機構510と電動機100とを連結する主軸501と、主軸501の圧縮機構510の反対側の端部(副軸部)を支持するサブフレーム503と、密閉容器502の底部の油だめ505に貯留される潤滑油504とを備える。
圧縮機構510は、固定スクロール511と、主軸501に取り付けられた揺動スクロール512とを有する。固定スクロール511および揺動スクロール512は、いずれも渦巻部分を有し、両者の間に渦巻き状の圧縮室516が形成される。圧縮機構510は、さらに、揺動スクロール512の自転を規制して揺動スクロール512を揺動させるオルダムリング513と、揺動スクロール512が取り付けられたコンプライアントフレーム514と、これらを支持するガイドフレーム515とを備える。
固定スクロール511には、密閉容器502を貫通した吸入管506が圧入されている。また、密閉容器502を貫通して、固定スクロール511の吐出ポート511aから吐出される高圧の冷媒ガスを外部に吐出する吐出管507が設けられている。
密閉容器502は、円筒状のシェル4(図1)を有し、このシェル4の内周側に、実施の形態1の電動機100が取り付けられる。密閉容器502には、電動機100のステータ1と駆動回路とを電気的に接続するためのガラス端子508が溶接により固定されている。主軸501は、電動機100のシャフト35(図1)である。
圧縮機500の動作は、以下の通りである。電動機100が回転すると、ロータ3と共に主軸501(シャフト35)が回転する。主軸501が回転すると、揺動スクロール512が揺動し、固定スクロール511と揺動スクロール512との間の圧縮室516の容積を変化させる。これにより、吸入管506から圧縮室516に冷媒ガスを吸入して圧縮する。
圧縮室516内で圧縮された高圧の冷媒ガスは、固定スクロール511の吐出ポート511aから密閉容器502内に排出され、吐出管507から外部に排出される。また、圧縮室516から密閉容器502内に排出された冷媒ガスの一部は、ステータ1の貫通穴15および切欠き部16(図1)を通過し、電動機100および潤滑油504を冷却する。
上記の通り、実施の形態1の電動機100は、巻線2の実効抵抗の低減により高い電動機効率が得られるため、圧縮機500の運転効率を高めることができる。また、実施の形態1の電動機100は、巻線2が波巻で巻かれているため、貫通穴15および切欠き部16(図1)を通る冷媒の十分な流量を確保して電動機100の冷却効率を向上し、圧縮機500の動作の安定性を向上することができる。
なお、圧縮機500の電動機100には、各変形例の巻線2A〜2F(図16〜19(C))を設けても良い。また、ここでは、圧縮機の一例としてスクロール圧縮機について説明したが、実施の形態1および各変形例の電動機100(100A〜100D)は、スクロール圧縮機以外の圧縮機に適用してもよい。
<空気調和装置>
次に、図20に示した圧縮機500を有する空気調和装置(冷凍サイクル装置)について説明する。図21は、空気調和装置400の構成を示す図である。図21に示した空気調和装置400は、圧縮機401と、凝縮器402と、絞り装置(減圧装置)403と、蒸発器404とを備えている。圧縮機401、凝縮器402、絞り装置403および蒸発器404は、冷媒配管407によって連結されて冷凍サイクルを構成している。すなわち、圧縮機401、凝縮器402、絞り装置403および蒸発器404の順に、冷媒が循環する。
圧縮機401、凝縮器402および絞り装置403は、室外機410に設けられている。圧縮機401は、図20に示した圧縮機500で構成されている。室外機410には、凝縮器402に室外の空気を供給する室外側送風機405が設けられている。蒸発器404は、室内機420に設けられている。この室内機420には、蒸発器404に室内の空気を供給する室内側送風機406が設けられている。
空気調和装置400の動作は、次の通りである。圧縮機401は、吸入した冷媒を圧縮して送り出す。凝縮器402は、圧縮機401から流入した冷媒と室外の空気との熱交換を行い、冷媒を凝縮して液化させて冷媒配管407に送り出す。室外側送風機405は、凝縮器402に室外の空気を供給する。絞り装置403は、開度を変化させることによって、冷媒配管407を流れる冷媒の圧力等を調整する。
蒸発器404は、絞り装置403により低圧状態にされた冷媒と室内の空気との熱交換を行い、冷媒に空気の熱を奪わせて蒸発(気化)させて、冷媒配管407に送り出す。室内側送風機406は、蒸発器404に室内の空気を供給する。これにより、蒸発器404で熱が奪われた冷風が、室内に供給される。
圧縮機401(図20の圧縮機500)には、実施の形態1および変形例で説明した電動機100が適用されるため、空気調和装置400の運転時における圧縮機401の運転効率を高め、動作の安定性を向上することができる。
なお、実施の形態1および各変形例の巻線を有する電動機を適用した圧縮機500は、図21に示した空気調和装置400に限らず、他の種類の空気調和装置に用いてもよい。
以上、本発明の望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良または変形を行なうことができる。
1 ステータ、 2,2A,2B,2C,2D,2E,2F 巻線、 3 ロータ、 4 シェル、 10 ステータコア、 11 ヨーク部、 12 ティース、 13 スロット、 15 貫通穴、 16 切欠き部、 17 カシメ部、 20,20a,20b,20c 巻線部分、 21,21a,21b コイルエンド部、 22,22a,22b 直線部、 23,23a,23b コイルエンド部、 25a,25b ノーズ部、 26a,26b ノーズ部、 30 ロータコア、 31 磁石挿入孔、 32 永久磁石、 33 フラックスバリア、 34 シャフト孔、 35 シャフト、 5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h 被覆線材、 51,51a,51b,51c,51d,51e,51f,51g,51h 導体、 52,52a,52b,52c,52d,52e,52f,52g,52h 絶縁膜、 6 外側被膜、 61 樹脂部、 8 端子部、 81,82 接続部、 100,100A,100B,100C,100D 電動機、 400 空気調和装置、 401 室外機、 402 室内機、 403 冷媒配管、 405 室外送風機、 406 室内送風機、 500 圧縮機(スクロール圧縮機)、 501 主軸、 502 密閉容器、 510 圧縮機構。

Claims (13)

  1. ステータコアと、前記ステータコアに波巻で巻かれた巻線とを備え、
    前記巻線は、複数の被覆線材の集合体と、この集合体の周囲を覆い、熱硬化性樹脂を含み、厚さが0.1mm以上、0.2mm以下の外側被膜とを有し、
    前記複数の被覆線材は、いずれも、導体と、前記導体の周囲を覆い、厚さが30μm以上、50μm以下の絶縁膜とを有し、
    前記複数の被覆線材は、いずれも、線幅が1.5mm以下であり、
    前記外側被膜は、前記熱硬化性樹脂としての不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維を添加したものであり、前記複数の被覆線材のうち隣り合う被覆線材の間に入り込むように形成されている
    ステータ。
  2. 前記巻線の全体の断面形状は、四角形または円形である
    請求項1に記載のステータ。
  3. 前記導体の断面形状は、四角形または円形である
    請求項1または2に記載のステータ。
  4. 前記複数の被覆線材は、1行2列に配置された2本の被覆線材、1行3列に配置された3本の被覆線材、2行2列に配置された4本の被覆線材、または、2行3列に配置された6本の被覆線材である
    請求項1から3までの何れか1項に記載のステータ。
  5. 前記複数の被覆線材は、いずれも、線幅が1.0mm以上、1.5mm以下である
    請求項4に記載のステータ。
  6. 前記複数の被覆線材は、3行3列のうち、2行目の2列目である中央部を除く8箇所に配置された8本の被覆線材である
    請求項1から3までの何れか1項に記載のステータ。
  7. 前記複数の被覆線材は、いずれも、線幅が0.65mm以上、1.0mm以下である
    請求項6に記載のステータ。
  8. 前記巻線は、前記複数の被覆線材の中央部に、熱硬化性樹脂で形成された樹脂部を有する
    請求項6または7に記載のステータ。
  9. 前記ステータコアは、
    軸線を中心とする周方向に延在するヨーク部と、
    前記ヨーク部から前記軸線に向かって延在し、前記巻線が巻き付けられるティースと
    を有し、
    前記ヨーク部に、前記ヨーク部を前記軸線の方向に貫通する貫通穴が設けられている
    請求項1からまでの何れか1項に記載のステータ。
  10. ロータと、
    前記ロータを囲むように設けられた、請求項1からまでの何れか1項に記載のステータと
    を備えた
    電動機。
  11. 前記ロータは、ロータコアと、前記ロータコアに取り付けられた希土類焼結磁石またはフェライト焼結磁石とを有する
    請求項10に記載の電動機。
  12. 電動機と、前記電動機によって駆動される圧縮機構とを備えた圧縮機であって、
    前記電動機は、ロータと、前記ロータを囲むように設けられた請求項1からまでの何れか1項に記載のステータとを有する
    圧縮機。
  13. 圧縮機、凝縮器、減圧装置および蒸発器を備えた空気調和装置であって、
    前記圧縮機は、電動機と、前記電動機によって駆動される圧縮機構とを備え、
    前記電動機は、
    ロータと、前記ロータを囲むように設けられた請求項1からまでの何れか1項に記載のステータとを有する
    空気調和装置。
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