以下の説明においては、図中に記した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態に係るシステム(通話システム1)の構成の概要について説明する。
通話システム1は、住宅等の建物の各部屋間で通話を行うためのものである。通話システム1は、例えば、母親が子供を呼び出したいときに用いることができる。以下では、呼び出す側(発呼者)を「呼出依頼者」といい、呼び出される側(被発呼者)を「呼出対象者」と称することとする。通話システム1は、デバイスユニット100、通信交換ユニット200、データ収集ユニット300及び制御部400を具備する。
デバイスユニット100は、住宅等の建物の室内に設けられた機器のユニットである。デバイスユニット100は、他の部屋のデバイスユニット100と接続されることで、互いの間で通話が可能となる。なお、図1においては、通話システム1が2つのデバイスユニット100(デバイスユニット100a、デバイスユニット100b)を有する例を図示しているが、デバイスユニット100は、3つ以上設けられていてもよい。デバイスユニット100は、人感センサ110、マイクロフォン120及びスピーカ130を具備する。なお、以下では、デバイスユニット100aが有する構成要素については、符号の末尾にaを付し、デバイスユニット100bが有する構成要素については、符号の末尾にbを付して説明することもある。
人感センサ110は、室内に人がいること(在室者がいること)を検知するものである。人感センサ110としては、例えば焦電型赤外線センサが使用される。人感センサ110は、室内に人がいることを検知した場合、その旨を示す人検知情報を後述するデータ収集ユニット300に送信する。
マイクロフォン120は、室内で生じた音が入力されるものである。マイクロフォン120は、在室者の音声を取得する(音声が入力される)ことができる。マイクロフォン120は、在室者の音声を取得した場合、この音声の情報(音声情報)を後述するデータ収集ユニット300に送信する。
スピーカ130は、在室者に音声を出力するものである。スピーカ130は、他の部屋のデバイスユニット100のマイクロフォン120に入力された音声や、後述する音声出力演算部450に予め記録された音声を出力することができる。
通信交換ユニット200は、各部屋のデバイスユニット100同士を通話可能に接続するものである。通信交換ユニット200は、マイクロフォン120からの入力を音声情報蓄積部320に出力する回路を有している。また、通信交換ユニット200は、音声出力演算部450からの入力をスピーカ130に出力する回路を有している。通信交換ユニット200は、第一リレー210及び第二リレー220を具備する。
第一リレー210は、デバイスユニット100aのマイクロフォン120aと、デバイスユニット100bのスピーカ130bとの接続及び接続の解除(開閉状態の切り替え)を行うものである。第一リレー210は、マイクロフォン120aと音声情報蓄積部320とを接続する回路と、音声出力演算部450とスピーカ130bとを接続する回路とをつなぐ回路上に設けられる。第一リレー210が閉状態となると、マイクロフォン120aとスピーカ130bとの接続が行われる。一方、第一リレー210が開状態となると、マイクロフォン120aとスピーカ130bとの接続の解除が行われる。
第二リレー220は、デバイスユニット100bのマイクロフォン120bと、デバイスユニット100aのスピーカ130aとの接続及び接続の解除(開閉状態の切り替え)を行うものである。第二リレー220は、マイクロフォン120bと音声情報蓄積部320とを接続する回路と、音声出力演算部450とスピーカ130aとを接続する回路とをつなぐ回路上に設けられる。第二リレー220が閉状態となると、マイクロフォン120bとスピーカ130aとの接続が行われる。一方、第二リレー220が開状態となると、マイクロフォン120bとスピーカ130aとの接続の解除が行われる。
データ収集ユニット300は、データを収集及び蓄積するものである。データ収集ユニット300は、人検知情報蓄積部310及び音声情報蓄積部320を具備する。
人検知情報蓄積部310は、人感センサ110が取得したデータを蓄積するものである。人検知情報蓄積部310には、人感センサ110の検知結果が順次蓄積される。
音声情報蓄積部320は、マイクロフォン120が取得したデータを蓄積するものである。音声情報蓄積部320には、マイクロフォン120に入力された音声の情報(音声情報)が順次蓄積される。
制御部400は、デバイスユニット100及び通信交換ユニット200の制御等を行うものである。制御部400は、在室判定部410、音声情報処理部420、人物識別部430、呼出場所演算部440及び音声出力演算部450を具備する。
在室判定部410は、各部屋内の人の有無を判定するものである。在室判定部410は、人検知情報蓄積部310に蓄積された人検知情報に基づいて、この判定を行う。
音声情報処理部420は、音声情報蓄積部320に蓄積された音声情報の処理を行うものである。音声情報処理部420は、後述する人物識別部430によって人物が識別できるように音声情報の処理を行う。
人物識別部430は、人物を識別するものである。人物識別部430は、話者認識機能によって、音声情報蓄積部320に蓄積された音声情報(音声情報処理部420で処理された音声情報)と、予め記憶された特定の者(例えば家族)の音声サンプルとを照合することで、発話者(すなわち在室者)を識別する。
また、人物識別部430は、音声認識機能によって、音声情報蓄積部320に蓄積された音声情報(音声情報処理部420で処理された音声情報)を、文字情報に変換(テキスト化)する。以下では、変換された文字情報を、「音声テキスト」ということもある。そして、人物識別部430は、呼出依頼者が呼出対象者の名前を呼んだ場合には、呼出依頼者の音声の音声テキストと、予め記憶された特定者(例えば家族)の名前のテキストデータとを照合して、呼出対象者を識別する。
呼出場所演算部440は、通信交換ユニット200の制御等を行うものである。呼出場所演算部440は、在室判定部410によって判定された各部屋内の人の有無、及び人物識別部430によって識別された在室者の識別結果を、在室情報として記録する。すなわち、在室情報は、誰がどの部屋にいるのかを示すものである。また、呼出場所演算部440は、人物識別部430によって識別された呼出対象者と、前記在室情報とを照合して、呼出対象者の位置情報(呼出対象者がどの部屋にいるのか)を特定する。そして、呼出場所演算部440は、呼出対象者の位置情報に基づいて、通信交換ユニット200の制御を行う。
音声出力演算部450は、スピーカ130を介して音声を出力させるものである。音声出力演算部450は、予め出力用の音声データを格納しており、当該音声データを用いて、スピーカ130に音声を出力させる。
このように構成されたデバイスユニット100においては、図2(a)に示すように、人感センサ110、マイクロフォン120及びスピーカ130は、照明スイッチ140と共に一体的に(1つのデバイスとして)構成される。そして、人感センサ110、マイクロフォン120及びスピーカ130は、対象者に対する方位及び距離を同視できる程度に互いに近接させた位置に設けられている。なお、デバイスユニット100は、実際には非常に小型の機器であり、図2(a)においては、デバイスユニット100を実際よりも相対的に大きく誇張して図示している。
図2(b)に示すように、デバイスユニット100は、部屋Rの壁部に設置される。デバイスユニット100は、マイクロフォン120及びスピーカ130の床Fからの高さhが1100〜1200mm程度となる位置に設けられる。
図3に示すように、デバイスユニット100は、部屋Rの壁部に埋め込まれたスイッチボックス11内に格納されている。照明スイッチ140は、スイッチボックス11内において、図示せぬ電気配線を介して商用電源と照明器具とに接続されている。スイッチボックス11の前面は、人感センサ110、マイクロフォン120、スピーカ130及び照明スイッチ140のための開口部を有するスイッチカバー12によって覆われている。
次に、図4を用いて、在室情報の蓄積に係る制御について説明する。
ステップS11において、在室判定部410は、部屋内の人の有無を判定する。在室判定部410は、人感センサ110の検知結果(人検知情報蓄積部310に蓄積された人検知情報)に基づいて、この処理を行う。また、在室判定部410は、マイクロフォン120に入力された音声(音声情報蓄積部320に蓄積された音声情報)も参照して、部屋内の人の有無を判定してもよい。
ステップS12において、人物識別部430は、在室者を識別する。人物識別部430は、マイクロフォン120に入力された音声(音声情報蓄積部320に蓄積された音声情報)に基づいて、この処理を行う。具体的には、人物識別部430は、音声情報処理部420によって変換された音声情報と、予め記憶された特定の者(例えば家族)の音声サンプルとを照合することで、発話者(すなわち在室者)を識別する。
ステップS13において、呼出場所演算部440は、ステップS11で特定された各部屋内の人の有無、及びステップS12で特定された在室者の識別結果を、在室情報として記録する。
ステップS11からステップS13までを所定間隔で繰り返すことにより、呼出場所演算部440には在室情報の履歴が蓄積される。
次に、図5を用いて、部屋間の通話に係る制御について説明する。なお、以下の説明においては、図4に示すステップS11からステップS13までの処理が既になされ、呼出場所演算部440には在室情報の履歴が蓄積された状態とする。また、呼出依頼者は、デバイスユニット100aが設けられた部屋に在室し、呼出対象者は、デバイスユニット100bが設けられた部屋に在室しているものとする(図1参照)。また、デバイスユニット100は、呼出依頼者がいる部屋及び呼出対象者がいる部屋以外にも設けられているものとする。
ステップS101において、呼出依頼者がマイクロフォン120に向かって呼出対象者の名前を呼ぶと(例えば、「A君を呼んで」と発話すると)、呼出依頼者がいる部屋のマイクロフォン120aは、呼出依頼者の当該音声(以下、「呼出音声」という)を取得する。取得された呼出音声は、音声情報蓄積部320に格納される。音声情報蓄積部320に格納された音声情報は、音声情報処理部420によって適宜処理される。制御部400は、この処理を行った後、ステップS102に移行する。
ステップS102において、制御部400(人物識別部430)は、呼出依頼者のいる部屋を特定する。人物識別部430は、呼出音声をどの部屋のスピーカ130が取得したのかを特定することで、呼出依頼者がどの部屋にいるのかを特定する。制御部400は、この処理を行った後、ステップS103に移行する。
ステップS103において、制御部400(人物識別部430)は、呼出対象者を識別する。人物識別部430は、呼出音声の音声テキストと、予め記憶された家族の名前のテキスト情報とに基づいて、呼出依頼者が誰を呼び出したいのかを識別する。制御部400は、この処理を行った後、ステップS104に移行する。
ステップS104において、制御部400は、呼出対象者を識別できたか否かを判定する。呼出対象者を識別できたと判定された場合(ステップS104で「YES」)、制御部400は、ステップS105に移行する。一方、呼出対象者を識別できたと判定されなかった場合(ステップS104で「NO」)、制御部400は、ステップS108に移行する。
なお、呼出対象者を識別できたと判定されなかった場合とは、呼出依頼者の発話が不明瞭であった場合や、そもそも呼出依頼者が呼出対象者を限定しなかった場合(家族の全員に話をしたかった場合等)が考えられる。
ステップS105において、制御部400(呼出場所演算部440)は、蓄積された在室情報から最新の在室情報を抽出する。制御部400は、この処理を行った後、ステップS106に移行する。
ステップS106において、制御部400(呼出場所演算部440)は、呼出対象者の居場所を特定する。呼出場所演算部440は、人物識別部430によって識別された呼出対象者と、前記在室情報とを照合して、呼出対象者の位置情報(呼出対象者がどの部屋にいるのか)を特定する。制御部400は、この処理を行った後、ステップS107に移行する。
ステップS107において、制御部400(呼出場所演算部440)は、呼出依頼者の部屋のマイクロフォン120aを、呼出対象者の部屋のスピーカ130bに接続する。具体的には、呼出場所演算部440は、通信交換ユニット200の第一リレー210を閉じることで、マイクロフォン120aとスピーカ130bとを通話可能に接続する。また、制御部400(呼出場所演算部440)は、呼出対象者の部屋のマイクロフォン120bを、呼出依頼者の部屋のスピーカ130aに接続する。具体的には、呼出場所演算部440は、通信交換ユニット200の第二リレー220を閉じることで、マイクロフォン120bとスピーカ130aとを通話可能に接続する。
これにより、呼出依頼者と呼出対象者との間で通話が可能となる。制御部400は、この処理を行った後、ステップS109に移行する。
一方、前述の如く、ステップS104で「NO」の場合、制御部400は、ステップS108に移行する。ステップS108において、制御部400(呼出場所演算部440)は、呼出依頼者の部屋のマイクロフォン120aを、各部屋に設けられた全てのスピーカ130(呼出対象者がいる部屋のスピーカ130bと、呼出依頼者及び呼出対象者がいる部屋以外のスピーカ130)に接続する。
これにより、呼出依頼者の音声は、全ての部屋のスピーカ130から出力可能となる。制御部400は、この処理を行った後、ステップS109に移行する。
ステップS109において、制御部400(音声出力演算部450)は、接続が完了した旨を報知する音声をスピーカ130を介して出力させる。具体的には、音声出力演算部450は、呼出依頼者の部屋のスピーカ130aから、接続が完了した旨を知らせる音声(例えば「Aちゃんとつなげました」との音声)を出力させる。また、音声出力演算部450は、呼出対象者の部屋のスピーカ130bから、呼び出しがあった旨を知らせる音声(例えば「お母さんから呼び出しです」との音声)を出力させる。制御部400は、この処理を行った後、ステップS110に移行する。
ステップS110において、制御部400は、通話が完了したか否かを判定する。制御部400は、無音である時間が所定時間以上あった場合、通話が完了したと判断する。具体的には、制御部400は、マイクロフォン120aに呼出依頼者の音声が所定時間以上入力されない場合、且つ、マイクロフォン120bに呼出対象者の音声が所定時間以上入力されない場合、通話が完了したと判断する。制御部400は、通話が完了したと判定された場合、ステップS111に移行する。制御部400は、通話が完了したと判定されるまで、次のステップには移行しない。
ステップS111において、制御部400は、呼出依頼者の部屋のマイクロフォン120aと、当該マイクロフォン120aと接続されているスピーカ130(すなわちスピーカ130b、但しステップS108を経由した場合は全ての部屋のスピーカ130)との接続を解除する。また、制御部400は、呼出対象者の部屋のマイクロフォン120bと、呼出依頼者の部屋のスピーカ130aとの接続を解除する。この処理が完了すると、部屋間の通話に係る制御フローは終了する。
このように、本実施形態に係る通話システム1においては、各部屋の人の有無を把握することができ、さらに在室者を識別(人物を特定)することができる。そして、呼出依頼者が呼出対象者の名前を発語することにより、これら在室情報を利用して、呼出対象者の居場所を特定することができる。具体的には、呼出依頼者が呼出対象者の名前を発語することにより、この呼出音声を音声認識機能で分析し、この分析結果と在室情報とを連動(照合)させることで、呼出対象者がいる部屋のスピーカへの接続を自動で行うことができる。
また、呼出依頼者が呼出対象者を指定しない場合、或いは呼出対象者の居場所が特定できなかった場合、全てのスピーカから情報伝達することができる。
また、デバイスユニット100は各部屋に設けられているので、呼出依頼者は自分の部屋に限らず、どこにいても身近な場所のデバイスユニット100から会話が可能となる。
以上の如く、本実施形態に係る通話システム1(システム)は、建物の複数の部屋内に設けられたデバイスユニット100、及び前記デバイスユニット100を制御する制御部400を具備するシステムであって、前記デバイスユニット100は、部屋内に人がいることを検知する人感センサ110(人検知部)と、部屋内にいる人の音声を含む当該部屋内で生じる音を入力するマイクロフォン120(音入力部)と、を具備し、前記制御部400は、前記人感センサ110の検知結果に基づいて各部屋内の人の有無を判定すると共に、前記マイクロフォン120に入力された音に基づいて各部屋内にいる人物を識別して、在室情報として記録するものである。
このように構成することで、在室情報を取得することができる。
また、前記デバイスユニット100は、部屋内にいる人に音声を出力するスピーカ130(音声出力部)を具備し、前記制御部400は、呼出依頼者(発呼者)がいる部屋の前記マイクロフォン120aに前記呼出依頼者の音声が入力されると、入力された前記呼出依頼者の音声から呼出対象者(被発呼者)を識別し、前記呼出対象者の識別結果と前記在室情報とを照合することで、前記呼出対象者のいる部屋を特定し、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aと、前記呼出対象者がいる部屋の前記スピーカ130bとを通話可能に接続するものである。
このように構成することで、呼出対象者と容易に通話することができる。
また、前記制御部400は、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aに前記呼出依頼者の音声が所定時間入力されない場合、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aと、前記呼出対象者がいる部屋の前記スピーカ130bとの接続を遮断するものである。
このように構成することで、通話が終わると自動的に接続を遮断することができる。
また、前記制御部400は、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aと、前記呼出対象者がいる部屋の前記スピーカ130bとを通話可能に接続したとき、前記呼出対象者がいる部屋の前記マイクロフォン120bと、前記呼出依頼者がいる部屋の前記スピーカ130aとを通話可能に接続するものである。
このように構成することで、呼出対象者から呼出依頼者へ話すことができる。
また、前記制御部400は、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aに前記呼出依頼者の音声が所定時間入力されず、且つ、前記呼出対象者がいる部屋の前記マイクロフォン120bに前記呼出対象者の音声が所定時間入力されない場合、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aと、前記呼出対象者がいる部屋の前記スピーカ130bとの接続を遮断すると共に、前記呼出対象者がいる部屋の前記マイクロフォン120bと、前記呼出依頼者がいる部屋の前記スピーカ130aとの接続を遮断するものである。
このように構成することで、通話が終わると自動的に接続を遮断することができる。
また、前記制御部400は、前記呼出対象者を識別できなかった場合には、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aと、全ての(所定の複数の)部屋の前記スピーカ130とを通話可能に接続するものである。
このように構成することで、呼出依頼者の音声から呼出対象者を識別できなかった場合でも呼出対象者を呼び出し易くすることができる。
なお、本実施形態に係る人感センサ110は、人検知部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るマイクロフォン120は、音入力部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るスピーカ130は、音声出力部の実施の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、人感センサ110、マイクロフォン120及びスピーカ130は、一体的に(1つのデバイスとして)形成されるものとしたが、1つのデバイスとして形成されていなくてもよい。具体的には、部屋Rの壁部に複数のボックスが形成され、人感センサ110、マイクロフォン120及びスピーカ130がそれぞれ各ボックスに格納されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、人感センサ110、マイクロフォン120及びスピーカ130は、対象者に対する方位及び距離を同視できる程度に互いに近接させた位置に設けられるものとしたが、これに限定されるものではなく、互いに離れた位置に設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、人感センサ110として焦電型赤外線センサが用いられるものとしたが、深度センサを用いるものであってもよく、焦電型赤外線センサと深度センサとを併用するものであってもよい。
また、本実施形態においては、人物識別部430は、音声で在室者を識別するものとしたが、在室者が発する音声以外の音(足音等)によって在室者を識別するものであってもよい。
また、本実施形態においては、制御部400は、呼出依頼者の部屋のマイクロフォン120aを、呼出対象者の部屋のスピーカ130bに接続すると共に、呼出対象者の部屋のマイクロフォン120bを、呼出依頼者の部屋のスピーカ130aに接続するものとしたが(ステップS107)、必ずしも呼出対象者の部屋のマイクロフォン120bを、呼出依頼者の部屋のスピーカ130aに接続しなくてもよく、呼出依頼者のマイクロフォン120aと呼出対象者のスピーカ130bとだけを接続するものであってもよい。
また、本実施形態においては、制御部400は、呼出対象者を識別できなかった場合、呼出依頼者の部屋のマイクロフォン120aを、各部屋に設けられた全てのスピーカ130に接続するものとしたが(ステップS108)、所定の複数の部屋のスピーカ130に接続するものであってもよい。或いは、呼出対象者を識別できなかった場合、制御部400は、在室情報に基づいて、人がいる全ての部屋のスピーカ130に接続するものとすることもできる。
以上の如く、本実施形態に係る通話システム1において、前記制御部400は、前記被発呼者を識別できなかった場合には、前記在室情報に基づいて人がいる部屋を特定し、前記呼出依頼者がいる部屋の前記マイクロフォン120aと、人がいる全ての部屋の前記スピーカ130とを通話可能に接続するものである。
このように構成することで、呼出依頼者の音声から呼出対象者を識別できなかった場合でも呼出対象者を呼び出し易くすることができる。
また、本実施形態においては、デバイスユニット100は建物の各部屋に設けられるものとしたが、部屋とは建物内に限られず、玄関の外側部分等の建物の周囲の領域の空間も含まれる。また、デバイスユニット100は、全ての部屋に設けられていなくてもよく、任意の複数の部屋に設けられていればよい。
次に、図6を用いて、本発明の第二実施形態に係るシステム(情報提供システム2)の構成の概要について説明する。
情報提供システム2は、災害時に建物内にいる人の危険度を判定し、危険度判定の結果に基づいて音声情報を提供するものである。情報提供システム2は、デバイスユニット100、データ収集ユニット300、制御部500及びエクステリアユニット600を具備する。デバイスユニット100及びデータ収集ユニット300は、第一実施形態と同様の構成であるので、ここでは説明を省略する。
制御部500は、デバイスユニット100の制御等を行うものである。制御部500は、在室判定部410、音声情報処理部420、人物識別部430、音声出力演算部450、内部被害状況演算部560及び危険度判定演算部580を具備する。なお、在室判定部410、音声情報処理部420、人物識別部430及び音声出力演算部450は、第一実施形態と同様の構成であるので、ここでは説明を省略する。
内部被害状況演算部560は、建物の内部の被害状況等を判定するものである。内部被害状況演算部560は、マイクロフォン120によって取得された音(音声情報蓄積部320に格納されて音声情報処理部420で処理された音情報)に基づいて、この判定を行う。具体的には、内部被害状況演算部560は、マイクロフォン120によって取得された在室者の叫び声、家具の転倒音、家具や食器の破損音等に基づいて、建物の内部における被害の発生を判定する。また、内部被害状況演算部560は、マイクロフォン120によって取得された音(音声情報蓄積部320に格納されて音声情報処理部420で処理された音情報)に基づいて、災害発生の有無を判定する。
危険度判定演算部580は、建物内にいる人の現在の危険度を判定するものである。危険度判定演算部580は、在室判定部410によって判定された各部屋内の人の有無、及び人物識別部430によって識別された在室者の識別結果を、在室情報として記録する。危険度判定演算部580は、在室判定部410による判定結果(各部屋内の人の有無)、及び内部被害状況演算部560による判定結果(建物の内部の被害状況)に基づいて、この判定を行う。
エクステリアユニット600は、建物の外部に設けられたユニットである。エクステリアユニット600は、スピーカ630を具備する。
スピーカ630は、音声を出力するものである。スピーカ630は、建物の外部に設けられる。スピーカ630は、他の部屋のデバイスユニット100のマイクロフォン120に入力された音声や、音声出力演算部450に予め記録された避難指示等の音声を出力することができる。
次に、図7を用いて、危険度判定に基づく情報提供の制御について説明する。なお、以下の説明においては、第一実施形態と同様に、図4に示すステップS11からステップS13までの処理が既になされ、危険度判定演算部580には在室情報の履歴が蓄積された状態とする。
ステップS201において、マイクロフォン120aは、音情報を取得する。取得された音情報は、音声情報蓄積部320に格納される。音声情報蓄積部320に格納された音情報は、音声情報処理部420によって適宜処理される。制御部500は、この処理を行った後、ステップS202に移行する。
ステップS202において、制御部500(内部被害状況演算部560)は、災害が発生したか否か判定する。内部被害状況演算部560は、音声情報処理部420によって変換された音情報と、予め記憶された音サンプルとを照合することで、取得した音情報が災害発生に起因する音(例えば、在室者の叫び声、振動音、家具の転倒音、家具や食器の破損音)であるか否かを判定し、災害発生に起因する音である場合に災害が発生したと判断する。
災害が発生したと判定された場合(ステップS202で「YES」)、制御部500は、ステップS203に移行する。一方、災害が発生していないと判定された場合(ステップS202で「NO」)、制御部500は、最初のステップに処理を戻す。
ステップS203において、制御部500(危険度判定演算部580)は、蓄積された在室情報から最新の在室情報を抽出する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS204に移行する。
ステップS204において、制御部500(危険度判定演算部580)は、災害発生時に部屋に人がいたか否かを判定する。危険度判定演算部580は、最新の在室情報に基づいて、部屋に人がいたか否かの判定及び在室者の識別を各部屋について行う。
災害発生時にいずれかの部屋に人がいたと判定された場合(ステップS204で「YES」)、制御部500は、ステップS208に移行する。一方、災害発生時にいずれの部屋にも人がいなかったと判定された場合(ステップS204で「NO」)、制御部500は、ステップS205に移行する。
ステップS205において、制御部500(内部被害状況演算部560)は、家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音があったか否かを判定する。内部被害状況演算部560は、災害発生時にマイクロフォン120によって取得された音に基づいて、この判定を行う。具体的には、内部被害状況演算部560は、マイクロフォン120によって取得されて音声情報処理部420によって変換された音情報と、予め記憶された音サンプルとを照合することで、取得した音が家具等の転倒音や家具及び食器等の破損に起因する音であるか否かを判定する。家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音があったと判定された場合は、制御部500は、ステップS206に移行する。一方、家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音がなかったと判定された場合は、制御部500は、ステップS207に移行する。
ステップS206において、制御部500(危険度判定演算部580)は、ステップS205以前の判定結果に基づいて、危険度を判定する。具体的には、危険度判定演算部580は、ステップS204の判定結果に基づいて「人命被害なし」、ステップS205の判定結果に基づいて「内部被害あり」(すなわち図8に示すパターンC)と判定する。危険度判定演算部580は、危険度判定結果を音声出力演算部450に送信する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
一方、ステップS207において、制御部500(危険度判定演算部580)は、ステップS205以前の判定結果に基づいて、危険度を判定する。具体的には、危険度判定演算部580は、ステップS204の判定結果に基づいて「人命被害なし」、ステップS205の判定結果に基づいて「内部被害なし」(すなわち図8に示すパターンA)と判定する。危険度判定演算部580は、危険度判定結果を音声出力演算部450に送信する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
一方、前述の如く、ステップS204で「YES」の場合、制御部500は、ステップS208に移行する。ステップS208において、制御部500(在室判定部410)は、人検知情報(人感センサ110の検知結果)を取得する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS209に移行する。
ステップS209において、制御部500(人物識別部430)は、音声情報(マイクロフォン120に入力された在室者の音声)を取得する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS210に移行する。
ステップS210において、制御部500(在室判定部410)は、人の活動反応があるか否かを判定する。在室判定部410は、人感センサ110が人を検知した場合には、人の活動反応があると判定する。また、在室判定部410は、マイクロフォン120に人の音声が入力された場合には、人の活動反応があると判定する。人の活動反応があると判定された場合、制御部500は、ステップS205に移行する。ステップS205以降の処理は、前述のとおりである。
なお、ステップS210を経由してステップS206に移行した場合、制御部500(危険度判定演算部580)は、ステップS204及びステップS210の判定結果に基づいて「人命被害なし」、ステップS205の判定結果に基づいて「内部被害あり」(すなわち図8に示すパターンD)と判定する。危険度判定演算部580は、危険度判定結果を音声出力演算部450に送信する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
また、ステップS210を経由してステップS207に移行した場合、制御部500(危険度判定演算部580)は、ステップS204及びステップS210の判定結果に基づいて「人命被害なし」、ステップS205の判定結果に基づいて「内部被害なし」(すなわち図8に示すパターンB)と判定する。危険度判定演算部580は、危険度判定結果を音声出力演算部450に送信する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
一方、ステップS210において、在室判定部410は、人感センサ110が人を検知しなかった場合、且つ、マイクロフォン120に人の音声が入力されなかった場合には、人の活動反応がないと判定する。人の活動反応がないと判定された場合、制御部500は、ステップS211に移行する。
ステップS211において、制御部500(内部被害状況演算部560)は、家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音があったか否かを判定する。ステップS211の処理は、ステップS205の処理と同様である。家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音があったと判定された場合は、制御部500は、ステップS212に移行する。一方、家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音がなかったと判定された場合は、制御部500は、ステップS213に移行する。
ステップS212において、制御部500(危険度判定演算部580)は、ステップS211以前の判定結果に基づいて、危険度を判定する。具体的には、危険度判定演算部580は、ステップS204及びステップS210の判定結果に基づいて「人命被害あり」、ステップS211の判定結果に基づいて「内部被害あり」(すなわち図8に示すパターンF)と判定する。危険度判定演算部580は、危険度判定結果を音声出力演算部450に送信する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
一方、ステップS213において、制御部500(危険度判定演算部580)は、ステップS211以前の判定結果に基づいて、危険度を判定する。具体的には、危険度判定演算部580は、ステップS204及びステップS210の判定結果に基づいて「人命被害あり」、ステップS211の判定結果に基づいて「内部被害なし」(すなわち図8に示すパターンE)と判定する。危険度判定演算部580は、危険度判定結果を音声出力演算部450に送信する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
ステップS214において、制御部500(音声出力演算部450)は、危険度判定演算部580から受信した危険度判定結果に基づいて、避難指示等の音声を全ての部屋のスピーカ130及びスピーカ630を介して出力させる。具体的には、音声出力演算部450は、危険度判定結果が図8に示すパターンA又はBの場合、「避難の必要性はありません」等の音声を出力させる。また、音声出力演算部450は、危険度判定結果が図8に示すパターンC又はDの場合、「今すぐ外部に避難してください」等の音声を出力させる。また、音声出力演算部450は、危険度判定結果が図8に示すパターンE又はFの場合、「リビングにいる○○さんの人命被害があるかもしれません」等の音声を出力させる。この処理が完了すると、危険度判定に係る制御フローは終了する。
このように、本実施形態に係る情報提供システム2においては、安否確認や避難の必要性の判定を自動で精度良く行うことができる。また、安否確認や避難の必要性の判定に応じて、スピーカ130から音声を出力させることができるので、室内の人に現在の状況に応じた情報提供を行うことができる。また、危険が及んでいる人物が誰であるか、そして危険が及んでいる人物の居場所を把握することができるので、適切な救助対応を図ることができる。
また、スピーカ630からも建物内の現在の安否状況や被害状況の情報提供を行うことができるので、第三者による救助支援を円滑に行うことができる。
以上の如く、第二実施形態に係る情報提供システム2(システム)において、前記デバイスユニット100は、部屋内にいる人に音声を出力するスピーカ130(音声出力部)を具備し、制御部500は、各部屋の前記マイクロフォン120(音入力部)に入力された音に基づいて、災害発生の有無を判定し、災害発生有りと判定した場合には、災害発生判定前の前記在室情報と、災害発生判定後において前記マイクロフォン120に入力された音を含む判定情報とに基づいて、対象者の危険度を判定し、各部屋の前記スピーカ130のうち少なくとも1つの前記スピーカ130から前記危険度の度合いに基づく音声情報を出力させるものである。
このように構成することにより、災害発生時における対象者の危険度を知ることができる。
また、前記判定情報には、災害発生判定後の前記人感センサ110(人検知部)の検知結果を含むものである。
このように構成することにより、危険度判定の精度を向上させることができる。
次に、図9を用いて、本発明の第三実施形態に係るシステム(情報提供システム3)の構成の概要について説明する。
第三実施形態に係る情報提供システム3が、第二実施形態に係る情報提供システム2と異なる主な点は、デバイスユニット100がさらに三軸加速度センサ150を具備する点、データ収集ユニット300がさらに加速度センサ情報蓄積部330を具備する点、制御部500がさらに構造躯体損傷演算部570を具備する点である。よって以下では、第三実施形態に係る情報提供システム3のうち第二実施形態に係る情報提供システム2と同一の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
三軸加速度センサ150は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の加速度を検出するものである。三軸加速度センサ150は、建物の振動を計測可能に設けられる。三軸加速度センサ150は、検知(計測)結果を後述する加速度センサ情報蓄積部330に送信する。
加速度センサ情報蓄積部330は、三軸加速度センサ150の検知結果を蓄積するものである。加速度センサ情報蓄積部330には、三軸加速度センサ150の検知結果が順次蓄積される。
構造躯体損傷演算部570は、建物の構造躯体の損傷度合いを演算するものである。構造躯体損傷演算部570は、三軸加速度センサ150の検知結果、及び所定の基準に基づいて、建物の構造躯体の損傷度合いを演算する。
次に、図10を用いて、第三実施形態の危険度判定に係る制御について説明する。なお、以下の説明においては、第一実施形態と同様に、図4に示すステップS11からステップS13までの処理が既になされ、危険度判定演算部580には在室情報の履歴が蓄積された状態とする。また、ステップS201からステップS210の処理については、図7に示す第二実施形態の処理と同様であるので、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
ステップS204において、災害発生時にいずれの部屋にも人がいなかったと判定された場合(ステップS204で「NO」)、制御部500は、ステップS301に移行する。
ステップS301において、制御部500(内部被害状況演算部560)は、家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音があったか否かを判定する。内部被害状況演算部560は、災害発生時にマイクロフォン120によって取得された音に基づいて、この判定を行う。具体的には、内部被害状況演算部560は、マイクロフォン120によって取得されて音声情報処理部420によって変換された音情報と、予め記憶された音サンプルとを照合することで、取得した音が家具等の転倒音や家具及び食器等の破損に起因する音であるか否かを判定する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS302に移行する。
ステップS302において、制御部500(構造躯体損傷演算部570)は、建物の構造躯体の損傷の有無及び損傷箇所を判定する。構造躯体損傷演算部570は、災害発生時の三軸加速度センサ150の測定数値と、通常時の三軸加速度センサ150の測定数値とを比較して、建物の構造躯体の損傷の有無を判定する。構造躯体損傷演算部570は、例えば、災害発生時の値と通常時の値との差が所定値以上である場合に、建物の構造躯体の損傷ありと判定する。また、構造躯体損傷演算部570は、災害発生時の三軸加速度センサ150の検知情報を解析して、建物の構造躯体の損傷箇所を判定する。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
また、ステップS210において人の活動反応を判定した後、制御部500は、ステップS303に移行する。
ステップS303において、制御部500(内部被害状況演算部560)は、家具等の転倒音や家具及び食器等の破損音があったか否かを判定する。ステップS303の処理は、ステップS301の処理と同様である。制御部500は、この処理を行った後、ステップS304に移行する。
ステップS304において、制御部500(構造躯体損傷演算部570)は、建物の構造躯体の損傷の有無を判定する。ステップS304の処理は、ステップS302の処理と同様である。制御部500は、この処理を行った後、ステップS214に移行する。
ステップS214において、制御部500(音声出力演算部450)は、図11に示す判定基準に基づいて、避難の必要性に関する音声をスピーカ130を介して出力させる。具体的には、音声出力演算部450は、躯体被害がない場合、又は躯体被害はあるが建物内に人がいない場合には、「避難の必要性はありません」等の音声を出力させる。また、音声出力演算部450は、躯体被害があり、且つ、建物内に人がいる場合には、「今すぐ外部に避難してください」等の音声を出力させる(図11参照)。
また、制御部500(音声出力演算部450)は、危険度判定演算部580から受信した危険度判定結果に基づいて、安否に関する音声をスピーカ130を介して出力させる。具体的には、制御部500(音声出力演算部450)は、人命被害がない場合(図8に示すパターンA〜Dの場合)には、「建物内の人は無事です」等の音声を出力させる。また、制御部500(音声出力演算部450)は、人命被害がある場合(図8に示すパターンE及びFの場合)には、「リビングにいる○○さんの人命被害があるかもしれません」等の音声を出力させる。この処理が完了すると、危険度判定に係る制御フローは終了する。
このように、第三実施形態においては、建物の構造躯体の損傷も危険判定のための判定材料として用いるので、判定の精度を向上させることができる。具体的には、マイクロフォン120によって内部被害を検知できなかったとしても、三軸加速度センサ150の検知結果に基づいて躯体損傷があると判定した場合には、避難指示を行うので、より適切な情報提供を行うことができる。
以上の如く、第三実施形態に係る情報提供システム3(システム)において、前記デバイスユニット100は、三軸加速度センサ150(加速度センサ)を具備し、前記判定情報には、前記三軸加速度センサ150の検知結果に基づいて推定された建物の構造躯体の損傷度合いが含まれるものである。
このように構成することにより、危険度判定の精度を向上させることができる。
以上、本発明の第二実施形態及び第三実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、災害発生の有無の判定(ステップS202)は、マイクロフォン120によって取得された音に基づいて行うものとしたが、三軸加速度センサ150の検知結果等の他の材料を用いて行うものとしてもよい。
また、本実施形態においては、内部被害や躯体損傷を有りか無しかで判定するものとしたが、内部被害や躯体損傷の度合いを段階的に(例えば、大、中、小)判定するものとしてもよい。
また、デバイスユニット100は、さらに水位センサを備えていてもよい。これにより、浸水被害の検知を行うことができ、危険度判定の精度を向上させることができる。
また、スピーカ130及びスピーカ630は、第三者による外部からの音声情報を出力可能に構成されていてもよい。これにより、第三者による救助支援をさらに円滑に行うことができる。
また、本実施形態においては、避難指示等の音声を全ての部屋のスピーカ130及びスピーカ630から出力させるものとしたが(ステップS214)、特定の部屋のスピーカ130から出力させるものであってもよく、在室情報に基づいて人がいる部屋のスピーカ130から出力させるものであってもよい。
また、図9においては、三軸加速度センサ150は、1つのデバイスユニット100にのみ設けられるものとしたが、もう一方の(複数の)デバイスユニット100に設けられていてもよい。