JP4784182B2 - 安否情報通信装置及び安否情報通信システム - Google Patents

安否情報通信装置及び安否情報通信システム Download PDF

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Description

本発明は、地震や火事等の災害時に、宅内の住人の安否に関する情報を外部に連絡するための安否情報通信装置及び安否情報通信システムに関する。
従来より、災害時に安否を確認して外部に連絡するための技術としては、例えば下記の特許文献1に記載されているような安否情報管理システムなどが知られている。
この安否情報管理システムは、複数人の安否に関する安否情報を各人の所在地情報と共に管理するものであって、所在地情報収集手段によって、各人の安否情報を、各人が所有している端末からネットワークを介して収集する。そして、無事が確認できない人が検出された場合、所在地情報収集手段は、対応する端末へ所在地情報を強制返送させて収集する。また、この安否情報管理システムは、安否情報管理サーバによって、端末から送信された所在地情報を記憶し、当該所在地情報を安否情報に対応付けてデータベースに記憶している。
これによって、安否情報管理システムは、特に所在地情報が必要と思われる人に関する安否情報を優先的に収集できるとしている。
特開2003−162780号公報
しかしながら、上述の安否情報管理システムにおいては、各人が端末を有していることを前提としており、各人が、安否情報を送信するための端末を所持しておく必要があるが、宅内で緊急の災害時には所持していないことが多い。また、偶然にも端末を所持していたとしても、端末操作ができず、声もでない状況の場合には、安否情報等の送信を行うことができないという問題点がある。
また、上述の安否情報管理システムでは、GPS(Global Positioning System)等によって端末所有者の所在地情報を特定しているが、端末が搭載しているGPS機能の精度が低い場合には、宅内のどの位置に各人が居るのかを特定することが困難となる。また、端末のGPS機能を利用した場合、端末とGPS衛星との通信障害が発生する恐れがあり、安否情報及び所在地情報を取得できる確率が不安定となる恐れがある。
更に、上述の安否情報管理システムにおいては、各人の端末に対するサーバ側に、音声音声認識装置、応答装置を備えているため、多数の端末がサーバに接続して、端末−サーバ間の通信が混み合っている場合には、通信が行なえない状況となってしまう。このように、GPS衛星と端末との通信が確保されるまで安否情報及び所在地情報をサーバで受信できないと、避難や救助等に時間を要してしまうことがある。
更にまた、安否情報を各人が有している端末から収集して、無事が確認できない場合には、所在地情報を強制的に返送させることにしているので、サーバ側の音声認識が応答していない場合や、端末側の入力手段を操作できない状況においては、各人が緊急を要する被害を受けているとは断定できないという問題がある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、災害時という緊急を要する状況において宅内人物の安否を短時間且つ確実に通知できる安否情報通信装置及び安否情報通信システムを提供することを目的とする。
本発明は、災害が発生した旨の情報を検出する災害検出手段と、災害検出手段により災害が発生した旨の情報を取得した場合に、所定の居住空間に対して安否状況を問い合わせる音声を出力する音声生成手段と、音声生成手段によって音声を出力した後に、前記所定の居住空間で発生した音を入力して、前記音声に対する応答として音声認識する音声認識手段とを備えるものである。そして、本発明は、上述の課題を解決するために、安否判断手段は、音声認識手段による音声認識結果から、所定の居住空間内に存在する人物の安否状況を判断し、当該安否状況の判断結果に基づいて安否状況を外部に送信する必要があるか否かを判断し、安否判断手段により安否状況を外部に送信する必要があると判断された場合に、通信手段によって、音声認識結果に基づく安否状況を通信回線を介して外部に送信する。
本発明によれば、災害時に所定の居住空間に対して安否状況を問い合わせる音声を出力した後に発生した音を入力して音声認識を行い、音声認識結果から、所定の居住空間内に存在する人物の安否状況を判断し、当該安否状況の判断結果に基づいて安否状況を外部に送信する必要があるか否かを判断するので、災害時に人物が携帯端末等を保持していなくても安否状況に応じて通報を行うことができ、災害時という緊急を要する状況において宅内人物の安否を短時間且つ確実に通知できる。また、災害時に人物の存在する場所に関する情報を取得しなくても、所定の居住空間における安否状況を通報することができ、通信に要する時間を短くできる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明を適用した第1実施形態に係る安否情報通信装置1を有する安否情報通信システムは、図1に示すように、地震や火災などの災害が発生した際に、所定の居住空間100にいる住人である人物101に安否を問い合わせて、その安否状況を有線又は無線のネットワークNを介して、外部の携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)等の携帯端末2、遠隔から居住空間100の安否情報通信装置1の制御を行う遠隔端末3又は災害時に多数の宅内の状況を蓄える緊急通報先4に通報するものである。
この安否情報通信装置1で監視する所定の居住空間100には、図2に示すように、人物101の周囲状況、すなわち災害時の音響信号を検出する複数のマイクロフォン102a、102b、102c、102dからなるアレイマイクロフォンが設置されている。これらマイクロフォン102a、102b、102c、102dは、居住空間100の壁や天井等に四隅に組み込まれ、検出した音響信号が安否情報通信装置1に読み取られる。
また、この居住空間100には、図3に示すように、安否情報通信装置1に接続され、所定の居住空間100の壁や天井に組み付けられたスピーカ103が備えられている。このスピーカ103は、安否情報通信装置1で音声合成した音声や音響を放音する。
更に、居住空間100には、異常な煙、温度上昇、ガス漏れ、地震の発生状況を表す災害情報を安否情報通信装置1に供給する災害検出センサ104が備えられている。なお、災害検出センサ104は、煙センサ、温度センサ、ガスセンサ等の所定の居住空間100に設置されたものや、外部から地震情報を示す放送信号を受信する受信器等で構成される。また、図1に示した人感センサ105、人感センサ情報蓄積データベース21及び外部制御入力部20については、後述の第3実施形態で説明する。
安否情報通信装置1は、図1に示すように、居住空間100に設置されており、大別して、図3に示すように、音声認識機能、音声生成機能、対話機能、安否判断機能、通信機能を備えている。この安否情報通信装置1は、通信機能を備えることによって、外部の携帯端末2、遠隔端末3、緊急通報先4の宅外の機器とネットワークNを介して双方向の通信ができるようになっており、居住空間100の安否状況、会話内容及び遠隔操作情報の送受信を行う。
各マイクロフォン102a,102b,102c,102dによって検出した音響信号は、安否情報通信装置1の方位推定部11で検出される。この方位推定部11は、各マイクロフォン102a,102b,102c,102dの音響信号を用いて、一次元的な音源の位置推定を行い、2つ以上のマイクロフォン102a,102b,102c,102dからの音響信号を用いて、居住空間100内の音源の二次元的な位置(人物101の位置)を推定する。これにより、方位推定部11は、所定の居住空間100において音が発生した箇所を推定する。そして、方位推定部11は、推定した音源の方向を表す方位情報及び音響信号を、音声認識部12に出力する。
なお、この方位推定部11で入力する音響信号は、エコーキャンセラー15により、スピーカ103から出力された音声がマイクロフォン102a,102b,102c,102dに回り込んで混入して、エコーやハウリングが発生することを防止する処理が施されている。
音声認識部12は、方位推定部11からの音響信号に基づいて音声認識処理及び人物識別処理を行う。このとき、音声認識部12は、図示しない音響データベースを参照して、方位推定部11から入力した音響信号と合致する内容の音声又は音響である音声認識結果を作成して、対話制御部13に出力する。また、音声認識部12は、音声信号の音響周波数と、音響データベースの人物101ごとの音響周波数とを比較して、最も近い音響周波数として登録されているユーザID情報を人物識別結果として対話制御部13に出力する。
対話制御部13は、方位推定部11で出力した方位情報、音声認識部12からの音声認識結果及び人物識別結果、災害検出センサ104からの災害情報を入力する。対話制御部13は、音声認識結果、安否判断部16で判断している安否状況、災害発生の有無及び災害の種類等に基づいて、スピーカ103から出力させる応答音声を決定する。そして、対話制御部13は、決定した応答音声情報を音声生成部14に供給する。
音声生成部14は、対話制御部13からの応答音声情報を表す音声信号を、音声合成処理を行うことによって生成する。そして、音声生成部14は、エコーキャンセラー15に音声信号を供給し、当該音声信号によってスピーカ103を駆動させて応答音声を出力させる。
安否判断部16は、安否状況蓄積データベース17に格納された各人物101ごとの人物情報テーブルと、安否判断部16で決定した応答音声情報に基づく対話状況とから、居住空間100の人物101の安否状態を判断する。そして、安否判断部16は、人物101が安全であるという特定ができないような安否状況であると判断した場合に、外部への緊急通報や、メール送信などによって外部に連絡することを決定する。また、安否判断部16は、新たに人物101についての安否状況を判断した場合には、安否状況蓄積データベース17を更新する。
メール作成部18は、安否判断部16から人物101についての安否状況を外部に通知する旨の命令を受信した場合に、人物101ごとに予め登録された携帯端末2のメールアドレスを宛先としたメールデータを作成する。緊急通報部19は、安否判断部16から人物101についての安否状況を外部に通知する旨の命令を受信した場合に、電話回線等のネットワークNを介して緊急通報先4に通報する。
通信制御部22は、ネットワークNを介して携帯端末2にメールデータを送信する通信プロトコルや、ネットワークNを介して緊急通報先4に通報するための通信プロトコル、遠隔端末3からの指示に従ってデータの送受信を行う通信プロトコルに準拠した処理を行う。
[安否情報通信システムの動作]
つぎに、上述したように構成された安否情報通信装置1を備えた安否情報通信システムの動作について、図4のフローチャート、図6乃至図9のテーブルデータを参照しながら、具体的に説明する。なお、以下の安否情報通信システムの動作説明は、地震や台風などの広域災害情報を災害検出センサ104で検出した場合の安否情報通信装置1の動作を中心として行う。
先ず、安否情報通信装置1の対話制御部13によって、災害検出センサ104を構成する災害用受信器によってネットワークNを介して広域災害情報を受信したか否か(ステップS1)、災害検出センサ104を構成する居住空間100に設置された各種センサによって異常な煙、温度上昇、ガス漏れ等の災害を検出したか否か(ステップS2)、マイクロフォン102a,102b,102c,102dで検出された音響信号に基づいて方位推定部11及び音声認識部12を介して、災害異常であることを表す音声認識結果を入力したか否かを判定する(ステップS3)。
ここで、災害検出センサ104は、図5に示すように、ステップS21において、図示しない災害用受信器のアンテナなどから広域災害情報の受信を行い、ステップS22において、災害情報を受信していない場合には当該災害情報の受信を繰り返す一方で、災害情報を受信した場合には、ステップS23において、対話制御部13に災害情報を通知し、ステップS24において、災害検出センサ104を停止させるタイミングとなったと判定した場合には、処理を終了する。
なお、災害検出センサ104は、ネットワークNを介して受信した災害情報から、当該災害情報に含まれる災害地域に安否情報通信装置1の存在する地域が含まれている場合に、対話制御部13に災害情報を供給する。
そして、災害検出センサ104によって、災害情報を受信していなく、居住空間100において災害のセンサ検出もしていなく、更に、災害が発生した時の音声認識結果を受信していない場合には、ステップS4において安否情報通信装置1を停止するか否かを判定し、停止する場合には処理を終了し、停止させない場合にはステップS1に処理を戻す。
一方、ステップS1乃至ステップS3の何れかの判定において、災害情報の受信、災害のセンサ検出、又は、災害が発生した時の音声認識結果を取得したと判定した場合、処理をステップS5乃至ステップS12の対話による安否確認処理に移行する。
この対話による安否確認処理は、先ず、対話制御部13により、居住空間100にいる人物101の安否を確認する応答音声情報を決定し(ステップS5)、音声生成部14により、安否確認のための質問を発する音声信号を作成し(ステップS6)、スピーカ103から音声出力させる(ステップS7)。このとき、対話制御部13は、例えば、「災害(地震)が発生しました、お怪我はないでしょうか?」という音声を生成する応答音声情報を音声生成部14に供給し、音声生成部14からスピーカ103によって音声出力させる。
次に、安否情報通信装置1は、ステップS7でスピーカ103から安否確認のための音声信号を出力させた後に、居住空間100内で発生した音響をマイクロフォン102a,102b,102c,102dで読み取り、ステップS8において、方位推定部11によって、音源の位置を推定する。これにより、安否情報通信装置1は、スピーカ103から出力された安否を確認する質問に応じて、人物101が安否状況をマイクロフォン102a,102b,102c,102dに発話した場合に、当該発話した二次元位置(人物位置推定結果)を方位推定部11で特定でき、ステップS13において、発話した人物101の二次元位置を表す人物位置推定結果を作成できる。
次に、安否情報通信装置1は、ステップS9において、音声認識部12により、人物101が発話した音響周波数から人物識別を行うと共に、発話内容を音声認識部12によって認識して、音声認識結果を生成する。この人物識別結果は、安否判断部16に送られ、後述の人物情報テーブルに含まれる何れかのユーザに該当するかが判断される。また、音声認識結果は、対話制御部13に送られる。
次に、対話制御部13は、ステップS10において、ステップS9で生成された音声認識結果が表す発話内容から、当該発話内容が、ステップS7で発生させた安否確認に対する応答であるか否かを判定する。そして、対話制御部13は、発話内容が安否確認に対する応答であると判定した場合にはステップS11に処理を進め、そうでない場合には、ステップS5に処理を戻して、安否確認に対する応答が得られるまで、ステップS5乃至ステップS9の処理を繰り返す。なお、ステップS8において求めた二次元位置が前回のものと異なっている場合でも、当該異なる人物位置推定結果をステップS13で作成して、蓄積することになる。
次のステップS11においては、安否判断部16により、ステップS10で取得した安否確認に対する応答である発話内容から、人物101の安否状態を判断し、ステップS12において、安否判断部16は、音声認識結果が表す発話内容から人物101の安否が判断できない場合には、ステップS5に処理を戻して、ステップS5乃至ステップS9の処理を繰り返す。これにより、対話制御部13及び安否判断部16は、再度安否確認するための音声をスピーカ103から出力させて、再度入力した音声認識結果が表す発話内容から応答の有無及び安否判断を行い、安否の詳細を特定できるまで、人物101との間における対話を行って、安否を確認する。そして、安否が確認できた場合には、ステップS12からステップS14に移行して、安否状況の判断結果を作成する。
このようにステップS5〜ステップS14の対話による安否確認処理を行うことにより、安否情報通信装置1は、ステップS7において、安否を確認する音声を出力した後に、居住空間100のどの部屋のどの位置に、誰が存在するかという情報、安否状況を表す情報を取得できる。
また、この対話による安否確認処理は、ステップS8において、図6に示すように、安否情報通信装置1ごとの人物位置方位推定管理テーブル及び安否状況管理テーブル、人物101ごとの人物情報テーブルのうち、図7に示す人物位置方位推定管理テーブルを更新する。ここで、人物位置方位推定管理テーブルの宅内空間管理IDと安否状況管理テーブルの宅内空間管理IDとが一対一で対応付けられており、安否状況管理テーブルのユーザIDと人物情報テーブルが1対多で対応付けられている。。これら人物位置方位推定管理テーブル、安否状況管理テーブル及び人物情報テーブルは、例えば安否状況蓄積データベース17に格納されており、安否判断部16によって更新される。
人物位置方位推定管理テーブルは、図7に示すように、安否情報通信装置1が設置されている居住空間100を特定するための宅内空間IDと、人物101の方位を推定した推定時刻と、位置座標「1」及び位置座標「2」とが対応付けられている。また、ステップS13で作成される人物位置推定結果は、図7に示す各情報を作成する処理である。
また、この対話による安否確認処理は、ステップS12において、図8に示すように、安否情報通信装置1が設置されている居住空間100を特定するための宅内空間IDと、人物101の安否状況を確認した状況確認時刻と、安否状況が確認された人物101を特定するためのユーザIDと、安否状況を特定するための安否状況IDとが対応付けられている。この安否状況IDは、例えば、正常で問題がないレベル5と、負傷しているが通報不要であるレベル4と、負傷しており家族への連絡が必要なレベル3と、負傷しており緊急通報が必要なレベル2と、応答がないレベル1とに区分されている。また、ステップS14で作成される安否状況の判断結果は、図8に示す各情報を作成する処理である。
この安否状況IDを作成するために、安否判断部16は、ステップS11において、安否確認に対する応答である発話内容を判断する。具体的には、「災害(地震)が発生しました、お怪我はないでしょうか?」との質問に対する応答から、安否状況IDが、レベル1又はレベル1以外のレベルであることが判定できる。
また、安否状況IDが、レベル1以外のレベルの何れかであるかを判定するために、例えば、ステップS5〜ステップS11の処理を繰り返して行うことによって、「怪我の具合は如何でしょうか?」、「ご家族への連絡は必要でしょうか」、「緊急通報は必要でしょうか?」などの質問を行って、当該質問に対する応答を得て、ステップS12において、安否状況IDを作成でき、安否状況管理テーブルを更新できる。更に、遠隔端末3又は緊急通報先4からの音声データを出力する命令によって異なる内容の音声をスピーカ103から出力させて、安否状況を確認しても良い。
更に、この対話による安否確認処理は、安否状況管理テーブルに含むユーザIDを作成するために、図9に示す人物情報テーブルを参照する。この人物情報テーブルは、人物101ごとに、ユーザID、ユーザ名称、性別、年齢、体重、既往歴、外部連絡先「1」、外部連絡先「2」、かかりつけの医療機関、現在罹っている病気や怪我などのその他特記事項を含んで構成されている。
このように、安否情報通信装置1は、ステップS8で取得した人物101が居住空間100内に存在する方位の推定結果を人物位置方位推定管理テーブルに蓄積し、人物101ごとの安否状況を安否状況管理テーブルに蓄積し、居住空間100内に存在するであろう人物101の個人データを人物情報テーブルで管理して、当該人物情報テーブルに安否状況管理テーブル及び人物位置方位推定管理テーブルを対応付けて安否状況蓄積データベース17に蓄積することができる。
次に、安否判断部16は、ステップS15において、安否状況管理テーブルに格納された安否状況IDから、外部への連絡が必要か否かを判定し、更に、連絡先を決定する。このとき、安否判断部16は、安否状況IDのレベルが「3」〜「1」である場合には、外部への連絡が必要であると判定する。更に、安否判断部16は、安否状況IDのレベルが「1」、「2」である場合には、連絡先として緊急通報先4を選択し、安否状況IDのレベルが「3」である場合には、連絡先として家族が保有する携帯端末2を選択する。また、安否判断部16は、安否状況IDのレベルが「1」であり、居住空間100での火災やガス漏れ等の居住空間100に取り付けられている災害検出センサ104で災害を検出した場合には、連絡先として緊急通報先4を選択する。一方、安否状況IDのレベルが「4」、「5」である場合には、緊急通報先4及び携帯端末2への連絡が不要であると判定して、ステップS1に処理を戻す。
次に、安否情報通信装置1は、連絡先として緊急通報先4を選択した場合には、ステップS17に処理を進め、緊急通報部19によって、人物位置方位推定管理テーブルの内容、安否状況管理テーブルの内容、居住空間100で確認された人物101の人物情報テーブルの内容を読み出し、ステップS18において、通信制御部22によって、当該安否状況、居住空間100の位置等の各種情報を含む通報を行う。
また、安否情報通信装置1は、連絡先として携帯端末2を選択した場合には、ステップS16において、人物情報テーブルに登録されている連絡先「1」又は連絡「2」の家族や親戚が保有する携帯端末2のメールアドレスを宛先とし、人物位置方位推定管理テーブルの内容や安否状況管理テーブルの内容を含むメールデータを作成し、ステップS18において、通信制御部22によって、当該メールデータを送信する。
このステップS16及びステップS17においては、ステップS9で取得した人物101の発話内容を、文字に変換して、送信するデータの本文に含めてもよい。このように、音声認識結果を文字データとして送信することにより、音声データを携帯端末2、遠隔端末3又は緊急通報先4と、安否情報通信装置1との間で送受信する場合によりも、少ない通信量で安否状況を通報することができる。また、安否情報を親戚などの携帯端末2に送信した場合であっても、文字データを後に取得することによって、通話ができない状況でも安否状況の確認を行わせることができる。
なお、安否確認を行う動作とは別に、安否情報通信装置1と遠隔端末3とが通信接続して、遠隔端末3のオペレータから発した音声データを安否情報通信装置1の通信制御部22で受信して、安否判断部16及び対話制御部13、音声生成部14を介してスピーカ103から音声出力して、居住空間100にいる人物101とオペレータとで会話を行わせても良い。これによって、他の地域の広域災害状況や災害状況履歴を人物101に伝えることができる。
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第1実施形態に係る安否情報通信装置1によれば、居住空間100にいる人物101の安否状況を、スピーカ103から発する音声との対話によって判断し、当該安否状況に応じて連絡先を携帯端末2や緊急通報先4などから選択して、遠隔地の親戚等の携帯端末2、消防署や警備会社等の緊急通報先4に連絡することができる。
また、この安否情報通信装置1によれば、人物101ごとの人物情報テーブルに、災害発生時の緊急連絡先や親戚などの連絡先を事前に登録しておくことにより、連絡先漏れや連絡忘れなどを防止でき、緊急を要する災害時に安否状況を音声により確認できるために、電話やメールを作成する時間を省くことができ、宅内人物の安否を短時間且つ確実に通知できる。
更に、この安否情報通信装置1によれば、居住空間100に設置されている煙やガス漏れ、温度上昇を検知する災害検出センサ104を設けて、災害を検出することにより、放送によって発信されている広域の災害だけでなく、居住空間100の火事災害やガス漏れ災害時にも人物101の安否を簡単に確認することができる。したがって、単独の居住空間100で災害が発生した場合であっても、安否情報通信装置1を介して遠隔端末3や緊急通報先4と対話を利用した緊急通報を行うことができ、独居宅や偶然宅内に1人しかいない場合に、短時間且つ確実に通報を行うことができる。
更にまた、この安否情報通信装置1は、災害検出センサ104として、マイクロフォン102a,102b,102c,102dを居住空間100に埋め込むことにより、居住空間100における人物101の位置を取得して緊急通報先4に通報することができる。したがって、この安否情報通信装置1によれば、音声対話によって人物101の安否状況の確認ができると共に、居住空間100での位置が推定でき、緊急を要する火災時の救出時に事前に人物101の位置を把握することができ、救出までの時間を短縮できる。また、人物101を特定するために、GPSを利用した位置特定のように専用の受信機を所有している必要が無く、GPS衛星と通信を行う必要がない。
[第2実施形態]
つぎに、本発明を適用した第2実施形態に係る安否情報通信装置1について説明する。なお、以下に説明する安否情報通信装置1は、その構成が第1実施形態に係る安否情報通信装置1と同様であるので、第1実施形態に係る安否情報通信装置1とは異なる部分についてのみ説明する。
第2実施形態に係る安否情報通信装置1は、人物101の発話が困難となるような災害時においても、災害状況を推定できる雑音(特異な打撃音、摩擦音など)を事前に設定しておくことで、外部に安否状況の通報及び連絡を行うことができることを特徴とするものである。
この安否情報通信装置1の音声認識部12は、人物101の発話内容を識別するための音響データベースに、特異な打撃音、摩擦音等の特定の雑音を表す音響データを登録しておく。そして、音声認識部12は、方位推定部11から音響信号を入力した場合に、音響データベースに登録された特定の雑音を表す音響データと合致している場合には、居住空間100で特定の雑音が発生しているものと判定する。
安否判断部16は、特定の雑音が発生していると音声認識部12で判定された場合には、災害検出センサ104から災害情報を取得した場合と同様に、メール作成部18又は緊急通報部19によって、外部への連絡先を決定する。このとき、安否判断部16は、雑音の種類によって、発生している災害を判断して、携帯端末2又は緊急通報先4の何れを連絡先とするか決定する。
このように、第2実施形態に係る安否情報通信装置1によれば、災害時に発生する特定の雑音を音響データとして登録しておいて、音声認識部12で特定の雑音を検出した場合には、外部に通報できる。したがって、この安否情報通信装置1によれば、安否判断部16によって人物101との対話を試行したにも拘わらず音声としての応答がない場合には、人物101の発話が困難となるような災害が発生しているものとして外部に連絡することができる。
また、特定の雑音を検出すれば緊急通報先4に連絡することができるので、居住空間100における防犯用連絡としても利用できる。
[第3実施形態]
つぎに、本発明を適用した第3実施形態に係る安否情報通信装置1について説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については、同一符号を付することによって、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態に係る安否情報通信装置1は、図1に示すように、居住空間100に人物101が存在しているか否かを判定する人感センサ105を設置し、スピーカ103から出力した音声に対して応答がなかった場合に、人感センサ105における検出出力を使用して、安否状況の確認を行うものである。
人感センサ105は、居住空間100における人物101の有無を常に監視するように作動している。そして、この人感センサ105による人物101の有無を表す検出出力は、人感センサ情報蓄積データベース21に蓄積される。これにより、人感センサ情報蓄積データベース21には、例えば所定期間ごとに人感センサ105の人物検出状況であるセンサデータを蓄積する。
なお、人感センサ105は、マイクロフォン102a,102b,102c,102dと同様に、居住空間100の複数箇所に設置されて、居住空間100のどの位置に人物101が存在するのかを特定できるようになっている。
このような安否情報通信装置1の動作は、図10に示すように、安否情報通信装置1が起動しているときに、所定期間ごとに人感センサ105で検出した人感センサ情報を人感センサ情報蓄積データベース21に蓄積して(ステップS31)、人感センサ情報蓄積データベース21において人感センサ情報結果を作成する(ステップS32)。そして、安否情報通信装置1を停止する操作がなされていない時には(ステップS33)、人感センサ105による検出出力の蓄積及び人感センサ情報結果の作成(更新)を行い、安否情報通信装置1を停止させる操作がなされた場合には(ステップS33)、処理を終了する。
このように人感センサ情報結果の作成を行う安否情報通信装置1は、図11に示すように、図6に示した人物位置方位推定管理テーブル、安否状況管理テーブル、人物情報テーブルに加えて、人感センサ情報管理テーブルを人感センサ情報蓄積データベース21に記憶させている。
この人感センサ情報管理テーブルは、図12に示すように、人物位置方位推定管理テーブルの宅内空間管理ID及び安否状況管理テーブルの宅内空間管理IDに対して一対一で対応付けられた、宅内空間管理IDを記憶しており、当該宅内空間管理IDに加えて、人感センサ105の検出出力を記憶した状況確認時刻及び人感センサ105の検出出力である人感センサ状態を格納している。この人感センサ状態は、居住空間100に人物101が存在する場合には「ON」となり、居住空間100に人物101が存在していない場合には「OFF」となる。
そして、この安否情報通信装置1は、図4におけるステップS5乃至ステップS12に代えて、図13に示すようなステップS41乃至ステップS49の処理を行う。
この対話による安否確認処理は、先ずステップS5乃至ステップS10と同様にステップS41乃至ステップS46の処理を行い、当該ステップS46において発話内容が安否確認に対する応答であるか否かを判定し、そうである場合には、ステップS48及びステップS49に処理を進めて、上述のステップS11及びステップS12と同様の処理を行う。
一方、ステップS46において、発話内容が安否確認に対する応答がないと判定された場合、安否判断部16は、外部制御入力部20から、人感センサ情報蓄積データベース21に蓄積された人感センサ情報管理テーブルを取得し、ステップS48において、人物101の安否状況の判断を行う。
このステップS48において、安否判断部16は、災害検出センサ104にて災害が検出された時刻の前後数分間における人感センサ105によって人物101が検出されていたかを確認して、災害発生時刻と人感センサ状態とから安否状況IDのレベルを「1」と判断して、ステップS49において、安否確認ができたとする。
そして、安否判断部16は、図4に示したステップS14において、安否状況IDのレベルが「1」、災害発生時刻と人感センサ状態を含む安否状況の判断結果を作成して、ステップS15、ステップS17、ステップS18の処理を行うことによって、安否状況の判断結果を携帯端末2又は緊急通報先4に送信する。これにより、携帯端末2又は緊急通報先4では、送信された安否状況の判断結果から、人物101がいる状況において実際に災害が発生しているのかを判断できる。
このように、第3実施形態に係る安否情報通信装置1によれば、人感センサ105の情報を使用することにより、人物101から発話による応答がなくても、災害時に居住空間100に人物101が存在しているのかを通報することができる。したがって、この安否情報通信装置1によれば、人物101からの応答がない場合には、災害発生時刻と人感センサ情報を携帯端末2の保持者や緊急通報先4の管理者に通知することができ、人感センサ情報が表す人物101の存在有無の情報を安否状況の判断材料にすることができる。
また、この安否情報通信装置1によれば、災害時から前後数分の人感センサ情報を通報することにより、通報を受けた側によって、災害を受けて応答ができないのか、災害に対して避難をして人物101が存在しないのかを区別することができ、単に安否状況IDのレベルが「1」の応答無しとした時における安否情報の精度を向上させることができる。
更に、この安否情報通信装置1によれば、安否状況に加えて、居住空間100での人物101の有無を示す人感センサ情報を携帯端末2又は緊急通報先4に送信することによって、災害を受けている人物101がどこにいるのかの精度の高い情報を外部に送信することができる。したがって、緊急を要する災害時の救出の場合などに人物101の位置を事前に把握させることができ、救出までの時間を短縮できる。
更にまた、この安否情報通信装置1によれば、安否状況IDのレベルが「1」であって、人物101が存在する人感センサ情報を送信した後には、遠隔端末3又は緊急通報先4によって、人物101が存在する居住空間100でのみ、安否確認の呼びかけを行うことができ、効率的に安否状況の確認を行わせることができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した安否情報通信装置を含む安否情報通信システムの構成を示す図である。 本発明を適用した安否情報通信装置によって人物の安否状況を検出する居住空間に設けられたマイクロフォンについて説明するための上面図である。 本発明を適用した安否情報通信装置の構成を示すブロック図である。 本発明を適用した安否情報通信装置を含む安否情報通信システムの動作手順を説明するフローチャートである。 災害情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した第1実施形態に係る安否情報通信装置で保持している人物位置方位推定管理テーブルと、安否状況管理テーブルと、人物情報テーブルとの関係を説明するための図である。 人物位置方位推定管理テーブルの内容について説明するための図である。 安否状況管理テーブルの内容について説明するための図である。 人物情報テーブルの内容について説明するための図である。 人感センサ情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した第3実施形態に係る安否情報通信装置で保持している人物位置方位推定管理テーブルと、安否状況管理テーブルと、人物情報テーブルとの関係を説明するための図である。 人感センサ情報管理テーブルの内容について説明するための図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る安否情報通信装置による、対話による安否確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 安否情報通信装置
2 携帯端末
3 遠隔端末
4 緊急通報先
11 方位推定部
12 音声認識部
13 対話制御部
14 音声生成部
15 エコーキャンセラー
16 安否判断部
17 安否状況蓄積データベース
18 メール作成部
19 緊急通報部
20 外部制御入力部
21 人感センサ情報蓄積データベース
22 通信制御部
100 居住空間
102a,102b,102c,102d マイクロフォン
103 スピーカ
104 災害検出センサ
105 人感センサ

Claims (6)

  1. 災害が発生した旨の情報を検出する災害検出手段と、
    前記災害検出手段により災害が発生した旨の情報を取得した場合に、所定の居住空間に対して安否状況を問い合わせる音声を出力する音声生成手段と、
    前記音声生成手段によって音声を出力した後に、前記所定の居住空間で発生した音を入力して、前記音声に対する応答として音声認識する音声認識手段と、
    前記音声認識手段による音声認識結果から、前記所定の居住空間内に存在する人物の安否状況を判断し、当該安否状況の判断結果に基づいて安否状況を外部に送信する必要があるか否かを判断する安否判断手段と、
    前記安否判断手段により安否状況を外部に送信する必要があると判断された場合に、当該音声認識結果に基づく安否状況を通信回線を介して外部に送信する通信手段と
    前記音声認識手段は、前記所定の居住空間における安否状況を特定する雑音を表すパターンを登録した音響データベースを備え、前記音声生成手段によって音声を出力した後に前記所定の居住空間で発生した音を入力し、当該音と前記音響データベースに登録された雑音を表すパターンとを比較して、合致する雑音を表すパターンを音声認識結果とし、
    前記安否判断手段は、前記所定の居住空間における安否状況が、前記音声認識手段の音声認識結果である雑音を表すパターンに応じて予め設定しておいた安否状況であると判断して、前記通信手段は、当該安否状況を前記通信手段に送信させること
    特徴とする安否情報通信装置。
  2. 前記災害検出手段は、前記所定の居住空間内に設置されて構成されており、前記所定の居住空間において発生した災害を検出することを特徴とする請求項1に記載の安否情報通信装置。
  3. 前記所定の居住空間内において、前記音声を出力した後に音が発生した箇所を推定する位置推定手段を更に備え、
    前記安否判断手段は、前記人物の安否状況を外部に送信する必要があると判断した場合には、前記位置推定手段により推定した音の位置情報及び前記音声認識結果に基づく安否状況を前記通信手段に送信させることを特徴とする請求項1に記載の安否情報通信装置。
  4. 前記所定の居住空間における人物の有無を検出する人感センサをさらに備え、
    前記安否判断手段は、前記人感センサによって前記所定の居住空間に人物がいることを検出している場合であって、前記音声生成手段から音声が出力された後の一定時間に亘って、前記音声認識手段によって前記人物からの応答がない音声認識をしている場合には、前記安否状況として、前記人感センサによって前記所定の居住空間に人物がいることを検出した結果を前記通信手段に送信させることを特徴とする請求項1に記載の安否情報通信装置。
  5. 前記人感センサは、前記居住空間内における人物の位置を検出する位置検出センサであり、
    前記通信手段は、前記災害検出手段で取得した災害が発生している旨の情報及び前記人感センサで検出した人物の位置情報を送信することを特徴とする請求項に記載の安否情報通信装置。
  6. 所定の住居空間における人物の安否状況を送信する安否情報通信装置と、当該安否情報通信装置との間で情報通信を行う携帯端末及び緊急通報先とを有する安否情報通信システムにおいて、
    前記安否情報通信装置は、
    災害が発生した旨の情報を検出する災害検出手段と、
    前記災害検出手段により災害が発生した旨の情報を取得した場合に、所定の居住空間に対して安否状況を問い合わせる音声を出力する音声生成手段と、
    前記音声生成手段によって音声を出力した後に、前記所定の居住空間で発生した音を入力して、前記音声に対する応答として音声認識する音声認識手段と、
    前記音声認識手段による音声認識結果から、前記所定の居住空間内に存在する人物の安否状況を判断し、当該安否状況の判断結果に基づいて安否状況を外部に送信する必要があるか否かを判断する安否判断手段と、
    前記安否判断手段により安否状況を外部に送信する必要があると判断された場合に、当該音声認識結果に基づく安否状況を通信回線を介して前記携帯端末又は緊急通報先に送信する通信手段とを備え、
    前記安否判断手段は、前記通信手段による安否状況の送信先を、前記安否状況の判断結果、及び、前記安否状況が判断された人物についての連絡先を登録した人物情報テーブルの内容に応じて異なるものとし、
    前記音声認識手段は、前記所定の居住空間における安否状況を特定する雑音を表すパターンを登録した音響データベースを備え、前記音声生成手段によって音声を出力した後に前記所定の居住空間で発生した音を入力し、当該音と前記音響データベースに登録された雑音を表すパターンとを比較して、合致する雑音を表すパターンを音声認識結果とし、
    前記安否判断手段は、前記所定の居住空間における安否状況が、前記音声認識手段の音声認識結果である雑音を表すパターンに応じて予め設定しておいた安否状況であると判断して、前記通信手段は、当該安否状況を前記通信手段に送信させること
    特徴とする安否情報通信システム。
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