本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。なお、以下の実施例にあって、本発明に係る遊技制御手段は、メイン制御手段20に相当し、本発明に係る演出制御手段は、サブ制御手段21に相当する。また、本発明に係る演出装置は、演出スイッチランプ9a、画像表示器13、役物14、演出用ランプ16a〜16f、及びスピーカ17a〜17dに相当する。また、本発明に係る動作確認制御内容は、動作確認パターンに相当する。また、本発明に係る電源投入操作は、電源スイッチ28のOFFからONへの切り替えに相当し、本発明に係る確認実行操作は、音量設定スイッチ25及びサブクリアスイッチ26の押下に相当する。また、本発明に係る切替操作は、演出スイッチ9の押下に相当し、本発明に係る終了操作は、投入口11へのメダルの投入、又は、ベットスイッチ5a,5bによる賭数設定操作に相当する。また、本発明に係る所定の異常状態は、メダルセレクタ15のメダル詰まりや、ホッパーユニット19におけるメダル詰まり、メダル切れ、補助タンク満杯等のエラーに相当し、本発明に係る特定の異常状態は、ドア開放状態(前扉3の開放状態)に相当する。また、本発明に係る役物の特定態様の動作は、役物14の初期動作に相当する。また、本発明に係る遊技価値はメダルに相当し、本発明に係る精算操作は精算スイッチ8の操作に相当する。また、本発明に係る第1種の演出装置は、画像表示器13、演出用ランプ16a〜16f、演出スイッチランプ9a、及びスピーカ17a〜17dに相当し、本発明に係る第2種の演出装置は役物14に相当する。また、本発明に係る設定変更操作は、設定キースイッチ29をONにする操作に相当する。
図1は、本実施例のスロットマシン1の正面図である。かかるスロットマシン1は、前面が開放された筐体2と、該筐体2の前面全体を覆う開閉可能な前扉3とを備えてなる。前扉3の前面中央部には、筐体2の内部に配設されたリール12を視認可能とする透明な表示窓4が形成される。そして、前扉3の正面側には、表示窓4の下方位置に、ベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7、精算スイッチ8、演出スイッチ9、十字キー10等の各種スイッチが配設され、また、メダルを投入する投入口11も配設される。また、前扉3の、表示窓4の上方位置には、液晶表示装置からなる画像表示器13が配設され、画像表示器13の上方には、役物14が配設される。また、前扉3の両側には複数の演出用ランプ16a〜16fが配設され、前扉3の右側部には、前扉3をロックするシリンダー錠35が配設される。
図2に示すように、筐体2の内部には、リール12の上方に、遊技を制御するメイン制御手段20や、演出装置を制御するサブ制御手段21がケースに収納された状態で設置され、また、リール12の下方には、電源ボックス18やホッパーユニット19、ドア開閉センサ36が配設される。また、図2に示すように、前扉3の背面側には、スピーカ17a〜17dが四隅に配設される。また、画像表示器13の背面側には、画像表示器13を制御する画像制御手段22がケースに収納された状態で配設され、さらに、画像制御手段22の背面側に、サブ接続基板23が配設される。また、サブ接続基板23の背面側には、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26が相互に近接配設される。また、前扉3の背面側には、表示窓4の下方に、設定変更スイッチ24やメダルセレクタ15、エラー解除センサ37が配設される。
図3は、スロットマシン1の制御回路を示すブロック図である。図1〜3を参照して、スロットマシン1の各構成について詳述する。
メイン制御手段20は、CPU、RAM、ROM等を配設した基板によって構成される。メイン制御手段20は、主に遊技の進行に関する制御を実行するものである。メイン制御手段20のROMには、主に遊技制御に係るプログラムなどの固定データが記憶される。図3に示すように、メイン制御手段20の入力ポートには、電源ボックス18、設定変更スイッチ24、投入センサ30、ドア開閉センサ36、エラー解除センサ37、ベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7、及び精算スイッチ8が接続される。また、メイン制御手段20の出力ポートには、リール12、ホッパーユニット19、及びサブ制御手段21が接続される。
電源ボックス18は、スロットマシン1の各機器に電力を供給するためのものであり、電源スイッチ28と設定キースイッチ29とを備えている。電源スイッチ28は、一般的なロッカースイッチであり、電源スイッチ28をONからOFFに切り替えるとスロットマシン1の電源が切断され、電源スイッチ28をOFFからONに切り替えるとスロットマシン1に電源が投入される。すなわち、電源スイッチ28のOFFからONへの切り替えが、本発明に係る電源投入操作に相当する。なお、かかる電源投入操作以外にも、電源スイッチ28をONにした状態で、スロットマシン1の電源供給元の遊技島設備に電源を投入したり、スロットマシン1のプラグを電源に接続したりしても、スロットマシン1に電源を投入できる。設定キースイッチ29は、専用キーを鍵穴に差込んで回すことにより、ON/OFFを切り替えるタイプのスイッチであり、後述するように、設定キースイッチ29をONにした状態でスロットマシン1に電源を投入すると、有効設定値の変更が可能となる。また、電源投入後に設定キースイッチ29をOFFからONに切り替えると、遊技場でスピーカの音量や日時などを設定するための設定管理状態となり、画像表示器13にホール管理用画面が表示される。設定管理状態は、設定キースイッチ29をONからOFFに切り替えることにより終了する。
投入センサ30は、スロットマシン1へのメダルの投入を検出するものである。すなわち、投入センサ30は、前扉3の裏側に備えられたメダルセレクタ15内のメダル通路に配設されて、メダル通路を通過するメダルを1枚ずつ検知し、メダルを検知する毎に投入信号を出力する。
ベットスイッチ5a,5bは、クレジットされているメダルを賭数として設定するためのものである。ベットスイッチ5a,5bとしては、シングルベットスイッチ5a、とマックスベットスイッチ5bとが備えられている。シングルベットスイッチ5aは、クレジットされているメダルを1枚ずつ賭数に設定する。マックスベットスイッチ5bは、1遊技当たりの最大賭数を設定する。
3つのリール12は、円筒形状をなしており、その外周面には10種類の図柄が合計20個配されている。各リール12はステッピングモータを備えており、各ステッピングモータによって回転することで、外周面の図柄を表示窓4に対して変動表示し、ステッピングモータにより任意の角度で停止することで、表示窓4に対して外周面の図柄を選択的に停止表示させ得るよう構成されている。図1に示すように、表示窓4は、各リール12の図柄を上下3段に表示し得る大きさに構成され、各リール12の下段図柄が表示される部分が有効ラインとして設定されている。
スタートスイッチ6は、リール12の回転を開始させる操作に用いるものである。本実施例では、レバー式スイッチが用いられており、レバーを傾動させることで、3つのリール12が回転を開始して、リール12の図柄が表示窓4で変動表示される。
ストップスイッチ7は、リール12の回転を停止させる操作に用いるものである。ストップスイッチ7は、3つのリール12に個別に対応付けられたものが計3個配設されている。具体的には、左側のストップスイッチ7を押下すると左側のリール12が停止し、中央のストップスイッチ7を押下すると中央のリール12が停止し、右側のストップスイッチ7を押下すると右側のリール12が停止するよう構成される。すなわち、3つのリール12は、ストップスイッチ7の操作順序にしたがって1つずつ停止し、全てのストップスイッチ7が押下された時点で全てのリール12が停止して、有効ライン上に図柄の組合せが停止表示される。
精算スイッチ8は、機内に蓄積されている遊技者のメダルを遊技者に返却するためのものである。機内に蓄積されている遊技者のメダルとは、クレジットされているメダルや、賭数設定されたものの未だ遊技に用いられていないメダルである。メイン制御手段20は、精算スイッチ8が操作されると、ホッパーユニット19を作動させてメダルを払い出すとともに、払い出した枚数を、電気的に記憶した遊技者のメダル枚数から減算する精算処理を実行する。
設定変更スイッチ24は、前扉3の背面側に設けられた押しボタン型スイッチであり、電源ボックス18の設定キースイッチ29とともに有効設定値の変更に用いられる。
設定値について、詳述すると、本実施例のスロットマシン1には、遊技設定を規定する設定値が設けられている。この設定値は、遊技者の有利度合いに応じて「1」〜「6」の6段階が設けられており、いずれか1つの設定値を有効設定値として設定して、有効設定値が規定する遊技設定に基づいて遊技が行われるよう構成されている。有効設定値を変更する場合は、まず、設定キースイッチ29をONにした状態で、スロットマシン1に電源を投入する。これにより、メイン制御手段20が設定変更状態となる。設定値変更状態では、設定変更スイッチ24を押下する度に有効設定値が更新され、スタートスイッチ6を操作すると有効設定値が確定する。メイン制御手段20の設定変更状態は、設定キースイッチ29をOFFに切り替えることにより終了する。
ホッパーユニット19はメダルを払い出すためのものであり、メダルを貯留するタンクと、タンクのメダルを払出口に向けて送り出す送出機構とを備えている。送出機構は、駆動源となるモータと、送出されるメダルを検出するための払出センサとを備えている。メイン制御手段20は、送出機構のモータを一定時間以上駆動させているにも関わらず、払出センサがメダルを検出しない場合は、ホッパーエンプティエラーに制御する。
ドア開閉センサ36は、前扉3の開閉状態を検出するためのものであり、前扉3の開放を検出すると、検出信号を出力する。メイン制御手段20は、ドア開閉センサ36からの検出信号受信を契機として、ドア開放状態に制御する。
エラー解除センサ37は、ドア開放状態やホッパーエンプティエラー等の解除操作を検知するものである。具体的には、本実施例では、前扉3のシリンダー錠35に鍵を挿入して、左に回す行為がドア開放状態やホッパーエンプティエラー等の解除操作となっており、エラー解除センサ37は、鍵を左に回した際のシリンダー錠35の動きを検出して、検出信号を出力する。そして、メイン制御手段20は、エラー解除センサ37からの検出信号受信を契機として、ドア開放状態やホッパーエンプティエラー等を解除するよう構成される。
サブ制御手段21は、CPU、RAM、ROM等を配設した基板によって構成されており、主に演出の制御を実行する。サブ制御手段21のROMには、多岐に亘る演出パターンに関する固定データが記憶される。サブ制御手段21の入力ポートにはメイン制御手段20が接続され、メイン制御手段20からサブ制御手段21には、遊技の進行に関する情報等を含む制御信号(コマンド)が一方向に入力される。また、サブ制御手段21の入出力ポートには、中継基板であるサブ接続基板23が接続される。サブ接続基板23には、演出スイッチ9、十字キー10、音量設定スイッチ25、サブクリアスイッチ26等のスイッチが接続されており、これらのスイッチの出力がサブ接続基板23を介してサブ制御手段21に入力される。また、サブ接続基板23には、演出用ランプ16a〜16f、スピーカ17a〜17d、演出スイッチランプ9a、役物14などの演出装置が接続されており、サブ制御手段21は、サブ接続基板23を介して、これらの演出装置の動作を制御可能となっている。また、サブ接続基板23には、画像表示器13を制御する画像制御手段22も接続されており、サブ制御手段21は、サブ接続基板23を介して、画像制御手段22に表示制御コマンドを出力することにより、所要の画像を画像表示器13に表示させる。サブ制御手段21は、主に、遊技内容に応じた態様で演出装置を動作させる遊技演出制御処理を実行することによって、遊技を盛り上げる演出を実現する。具体的には、サブ制御手段21は、メイン制御手段20からの制御信号等に基づいて各演出装置の動作パターンを決定し、決定した演出パターンを実行させるために、各演出装置を制御するとともに、画像制御手段22に表示制御コマンドを送信する。また、後述するように、サブ制御手段21は、特定の条件下では、演出装置の動作を確認するための動作確認制御処理を実行する。
演出スイッチランプ9aは、演出スイッチ9の内部に配設されて、演出スイッチ9を発光させるものである。また、図1に示すように、演出用ランプ16a〜16fは、前扉3の左右両側に、左右に対をなすように3つずつ配設される。また、演出スイッチランプ9a及び演出用ランプ16a〜16fは、多様な色で選択的に点灯・点滅可能なものであり、サブ制御手段21は、演出スイッチランプ9a及び演出用ランプ16a〜16fの点灯態様を個別に制御可能となっている。
図2に示すように、スピーカ17a〜17dは、前扉3の四隅に1つずつ配設されており、サブ制御手段21は、各スピーカ17a〜17dの出力音声を個別に制御可能となっている。
図1に示すように、役物14は前扉3の上部に配設される。役物14は、画像表示器13の表示画面を開閉するシャッター装置であり、表示画面を遮蔽する遮蔽位置と、表示画面の上方に退避する退避位置とに変換可能に配設される矩形状の遮蔽部材14aと、遮蔽部材14aを遮蔽位置と退避位置に変換する役物駆動モータ14bとを備えてなる。サブ制御手段21は、役物駆動モータ14bを制御して遮蔽部材14aを変位させることにより、画像表示器13の表示画面を任意のタイミングで開閉する。
演出スイッチ9は、主に遊技演出で用いる押しボタン型のスイッチである。演出スイッチ9は、後述する動作確認パターンの切替えにも用いられる。
十字キー10は、上下左右及び中央の押しボタンからなるスイッチであり、上述の設定管理状態で各種の設定を行う場合などに用いられる。
音量設定スイッチ25は、主にスピーカ17a〜17dの音量を調節するのに用いる押しボタン型のスイッチである。なお、音量には、遊技場のスタッフが設定する管理者設定音量と、遊技可能な状態で遊技者が十字キー10を操作することで調整可能な遊技者設定音量とがあるが、音量設定スイッチ25の操作により調節可能となる音量は管理者設定音量である。具体的には、音量設定スイッチ25を押下すると、サブ制御手段21が音量設定状態となって、画像表示器13に音量設定画面が表示される。音量設定状態では、十字キー10を上下に操作することで設定音量を増減させることができ、十字キー10の中央を操作すると設定音量が確定される。設定音量の確定後、前扉3を閉じて、ドア開放状態の解除操作を行うと、サブ制御手段21は、音量設定状態を終了させて、画像表示器13に演出用の画面を表示する。
サブクリアスイッチ26は、主にサブ制御手段21を初期化するのに用いる押しボタン型のスイッチである。具体的には、サブクリアスイッチ26を押下した状態で、スロットマシン1の電源を投入すると、サブ制御手段21のRAMが初期化され、RAMに記憶される日付や音量等の設定がリセットされる。サブ制御手段21の初期化は、サブ制御手段21が制御する演出装置の動作に異常が認められる場合などに実行される。
また、後述するように、本実施例では、音量設定スイッチ25及びサブクリアスイッチ26の双方を押下した状態で電源を投入することで、サブ制御手段21に後述の動作確認制御処理を実行させ得るよう構成される。このため、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26は、電源投入時に両スイッチ25,26を片手で押下し得るよう相互に近接配置される。
画像制御手段22は、CPU、RAM、ROM等を備え、画像表示器13の表示制御を行うものである。画像制御手段22のROMには、画像表示器13に表示する演出用画像を生成するためのデータが多量に記憶される。画像制御手段22は、サブ制御手段21から表示制御コマンドを受信すると、CPUにおいて演算処理し、演出用画像のデータをRAMに書きこんで画像表示器13に出力し、サブ制御手段21が選択した演出パターン通りの演出用画像を画像表示器13の表示画面に表示させる。
かかるスロットマシン1では、リール12を回転させて図柄を変動表示させた後に、リール12を停止させて図柄を有効ライン上に停止表示させる遊技が繰り返し実行される。具体的には、1回の遊技は、(1)遊技開始に必要な賭数の設定、(2)スタートスイッチ操作、(3)リールの回転、(4)ストップスイッチ操作、(5)リールの停止、(6)有効ライン上に停止した図柄組合せに基づく入賞処理、の順序で行われる。
図4は、メイン制御手段20の制御内容にあって、遊技内容を構成する遊技制御処理の制御内容を示したものである。遊技制御処理において実行される各ステップS1〜S9の詳細は下記の通りである。
S1:前回の遊技終了後、若しくは電源投入後に、賭数設定操作を有効とする。そして、メダルの投入若しくはベットスイッチ5a,5bの操作により1回の遊技に必要な賭数が設定されたか否かを検知し、必要な賭数が設定されるまで待機する。必要な賭数の設定を検知すれば、スタートスイッチ6を有効にする。
S2:スタートスイッチ6が操作されるまで待機する。
S3:スタートスイッチ6が操作されると各リール12の回転を開始させる。また、スタートスイッチ6の操作を契機に役抽選を実行する。役抽選では、乱数発生装置から抽選値を抽出し、抽出した抽選値に基づいて、各種の役に当選したか否かを決定する。そして、役抽選の結果をRAMに記憶するとともに、役抽選の結果を通知するコマンドをサブ制御手段21に送信する。
S4:ストップスイッチ7が操作されるまで待機する。
S5:ストップスイッチ7が操作されると、対応したリール12を停止させる回転角度を決定し、当該回転角度で対応したリール12を停止させることにより、有効ライン上に当該リール12の図柄を停止表示する。
S6:全てのリール12の回転が停止するまで、ステップS4,S5の処理を繰り返す。
S7:有効ラインの上に停止表示された図柄の組合せが、役に対応する図柄の組合せと一致しているか否かを判定する。そして、いずれかの役に係る図柄組合せと一致している場合には、当該役に入賞したと判定する。そして、判定結果を通知するコマンドをサブ制御手段21に送信する。
S8:入賞判定処理の判定結果に応じて、メダルの払出しに係る処理を行う。具体的には、小役に入賞したと判定された場合には、入賞した小役に応じた払出枚数をクレジットに加算し、クレジットが所定数(50枚)を超えた場合には、超過分のメダルを払い出す。また、再遊技役に入賞したと判定した場合は、メダルを投入することなく次の遊技を実行可能とする。
S9:入賞判定処理等の結果に応じて遊技状態を移行させる。例えば、遊技者に不利な通常遊技状態でボーナス役に入賞した場合には、遊技者に有利なボーナス遊技状態に移行させる。また、ボーナス役に当選した遊技で当該ボーナス役に入賞しなかった場合には、当該ボーナス役に入賞するまで持越遊技状態に移行させる。また、ボーナス遊技状態の終了条件が充足された場合には、ボーナス遊技状態を終了させて通常遊技状態に移行させる。
以下に、本発明の要部に係る構成について説明する。
本実施例では、上述のように、電源ボックス18の電源スイッチ28をOFFからONに切り替えることで、スロットマシン1に電源が投入される。スロットマシン1に電源が投入されると、メイン制御手段20、サブ制御手段21、及び画像制御手段22は、プログラムや必要情報をRAMに読み込む起動処理を夫々実行する。ここで、通常の電源投入時には、各制御手段20〜22が起動処理を終了した時点で、演出装置の動作を伴う遊技を実行可能となる。一方、本実施例では、図5に示すように、特定のスイッチを操作した状態で電源を投入した場合には、通常時とは異なる態様でスロットマシン1を起動させることができる。具体的には、通常時は、メイン制御手段20が、起動処理の直後に、遊技の実行制御に係る遊技制御処理(図4参照)を開始し、また、サブ制御手段21が、起動処理の直後に、遊技内容に応じた態様で演出装置を動作させる遊技演出制御処理を開始する。これに対して、設定キースイッチ29がONの状態で電源が投入された場合は、メイン制御手段20が、遊技制御処理の開始前に、有効設定値を変更するための設定変更処理を実行し、また、サブ制御手段21が、遊技演出制御処理の開始前に、スロットマシン1を設定管理状態に制御する設定管理処理を実行する。また、サブ制御手段21は、通常時は、起動処理の直後に、遊技内容に応じた態様で演出装置を動作させる遊技演出制御処理を開始するが、サブクリアスイッチ26が押下された状態で電源が投入された場合は、遊技演出制御処理の開始前に、サブ制御手段21を初期化するサブクリア処理を実行する。また、サブ制御手段21は、音量設定スイッチ25及びサブクリアスイッチ26が押下された状態で電源が投入された場合は、遊技演出制御処理の開始前に、演出装置の動作を確認するための動作確認制御処理を実行する。なお、図5に示すように、メイン制御手段20の起動態様は、電源投入時の音量設定スイッチ25及びサブクリアスイッチ26のON/OFFには依存しない。一方、サブ制御手段21は、電源投入時の設定キースイッチ29のON/OFFに関わらず、音量設定スイッチ25及びサブクリアスイッチ26のON/OFFに基づいて、サブクリア処理や動作確認制御処理を実行する。すなわち、設定キースイッチ29がONであり、かつサブクリアスイッチ26のみが押下された状態で電源が投入されると、電源投入後に、メイン制御手段20が設定変更処理を実行するとともに、サブ制御手段21がサブクリア処理を実行する。また、設定キースイッチ29がONであり、かつ音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26の双方が押下された状態で電源が投入されると、電源投入後に、メイン制御手段20が設定変更処理を実行するとともに、サブ制御手段21が動作確認制御処理を実行する。メイン制御手段20が開始する設定変更処理の制御内容は、サブ制御手段21がサブクリア処理や動作確認制御処理をしているか否かに関わらず一定である。同様に、サブ制御手段21が開始するサブクリア処理や動作確認制御処理の制御内容も、メイン制御手段20が設定変更処理を実行しているか否かに関わらず一定である。なお、役物14については例外的に、設定変更処理の終了時などの特定タイミングで、動作確認制御処理の制御内容とは異なる特殊動作を行わせるようにしてもよい。また、動作確認制御処理では、設定変更処理の実行中であるか否かに関わらず、全ての演出装置を一定の内容で制御してもよいが、設定変更処理の実行中に、一部の演出装置が、設定変更処理の非実行時とは異なる動作をするよう制御してもよい。例えば、動作確認制御処理において画像表示器13に表示する画像は、画像表示器13の正常動作が確認可能なものであればよいため、設定変更処理の実行中は、通常の画像(後述する白黒のグラデーション画像)に代えて、設定変更処理に対応する画像を表示してもよい。ここで、設定キースイッチ29がONの状態で、サブクリア処理を実行する場合は、サブ制御手段21は、起動処理終了後にサブクリア処理を実行し、サブクリア処理の終了後に設定管理処理を実行する。また、設定キースイッチ29がONの状態で、動作確認制御処理を実行する場合は、サブ制御手段21は、起動処理終了後に動作確認制御処理を実行し、動作確認制御処理の終了後は、設定管理処理を実行せずに、遊技演出制御処理を開始する。
図6は、メイン制御手段20の制御内容にあって、電源投入直後に実行されるメイン制御処理の制御内容を示したものである。図6に示すように、メイン制御手段20は、最初に起動処理(S101)を実行する。起動処理では、プログラムをロードし、必要に応じてバックアップデータをRAMに読み込んで、電源切断時の状態を復旧する。すなわち、電源切断時にボーナス遊技状態などの遊技者に有利な遊技状態に制御していた場合には、電源切断時の有利な遊技状態に復帰する。また、起動処理では、メイン制御手段20は、各種エラーの有無についても判定する。かかる起動処理は短時間(1秒程度)で終了する。そして、メイン制御手段20は、起動処理(S101)を終了すると、設定キースイッチ29の状態を確認する(S102)。そして、設定キースイッチ29がOFFであると判定した場合は上述の遊技制御処理(S104)を開始する。そして、メイン制御手段20は、電源が切断されるか、割込処理を実行するまで、遊技制御処理(S104)を繰り返す。このように、通常(設定キースイッチOFF)の電源投入時には、メイン制御手段20は、起動処理の直後に遊技制御処理の実行を開始するため、遊技を短時間で開始可能となる。一方、ステップS102で、設定キースイッチ29がONであると判定した場合は、有効設定値を設定可能とする設定変更処理(S103)を実行し、設定変更処理の終了後に、遊技制御処理(S104)を開始する。なお、図6の制御処理において、起動処理(S101)及び設定変更処理(S103)は、既知のスロットマシンのメイン制御手段で実行される周知の処理であるため、処理内容の詳細は省略する。また、遊技制御処理(S104)の内容は上述のとおりである(図4参照)。また、本実施例では、起動処理(S101)が短時間(1秒未満)で終了するため、図6のメイン制御処理において、起動処理(S101)の終了後に設定キースイッチ29の状態を確認しているが(S102)、起動処理(S101)の実行前に設定キースイッチ29の状態を確認するよう構成してもよい。
図7は、サブ制御手段21の制御内容にあって、電源投入直後に実行されるサブ制御処理の制御内容を示したものである。図7に示すように、サブ制御手段21は、最初に起動処理(S201)を実行する。起動処理では、プログラムをロードし、必要に応じてバックアップデータをRAMに読み込んで、電源切断時の状態を復旧する。また、起動処理では、サブ制御手段21は、遮蔽部材14aを初期位置(退避位置)に制御するためや、遮蔽部材14aの位置を検出するための初期動作を役物14に実行させるよう制御する。また、起動処理では、サブ制御手段21は、各種エラーの有無についても判定する。なお、サブ制御手段21は、ドア開放状態の発生時や設定変更処理の終了時にも、かかる初期動作を実行するよう役物14を制御する。サブ制御手段21は、起動処理を終了すると、サブクリアスイッチ26と音量設定スイッチ25の状態を確認する(S202,S203)。そして、サブクリアスイッチ26がON(押下状態)でないと判定した場合は、遊技内容に応じた態様で演出装置を動作させる遊技演出制御処理(S206)を実行する。そして、サブ制御手段21は、電源が切断されるか、割込処理が実行されるまで、遊技演出制御処理(S206)を繰り返す。このように、通常(サブクリアスイッチ26及び音量設定スイッチ25がOFF)の電源投入時には、サブ制御手段21は、起動処理の直後に遊技演出制御処理の実行を開始するため、遊技内容に合わせた演出を短時間で開始可能となる。一方、ステップS202,S203で、サブクリアスイッチ26のみがON(押下状態)であると判定した場合は、サブ制御手段21を初期化するサブクリア処理(S205)を実行してから、遊技演出制御処理(S206)を開始する。また、サブクリアスイッチ26及び音量設定スイッチ25がON(押下状態)であると判定した場合は、動作確認制御処理を実行してから、遊技演出制御処理(S206)を実行する。なお、本実施例では、起動処理(S201)が短時間(1秒未満)で終了するため、図7のサブ制御処理において、起動処理(S201)の終了後にサブクリアスイッチ26と音量設定スイッチ25の状態を確認しているが(S202,S203)、起動処理(S201)の実行前にサブクリアスイッチ26と音量設定スイッチ25の状態を確認するよう構成してもよい。
図8は、サブ制御手段21が実行する遊技演出制御処理の制御内容を示したものである。上述のように、かかる遊技演出制御処理は、電源投入後に繰返し実行される。
遊技演出制御処理では、まず、サブ制御手段21は、メイン制御手段20から遊技の進行に関する情報等を含むコマンドを受信したか否かを判定する(S301)。ここで、メイン制御手段20からコマンドを受信したと判定した場合は、受信したコマンドに基づいて演出抽選を実行し、次に実行する演出パターンを決定する(S302)。そして、決定した演出パターンに対応する演出画像を画像表示器13に表示させるために、必要に応じて、当該演出画像の表示を指示する表示制御コマンドを画像制御手段22に送信する(S303)。そして、決定済みの演出内容に沿って演出スイッチランプ9a、役物14、演出用ランプ16a〜16f、及びスピーカ17a〜17dを制御して(S304)、演出制御処理を終了する。一方、ステップS301で、メイン制御手段20からコマンドを受信していないと判定した場合は、決定済みの演出を継続実行することとして、各演出装置を制御する処理(S304)のみを実行して、演出制御処理を終了する。
以下に、サブ制御手段21が実行する動作確認制御処理について説明する。
動作確認制御処理は、製造工場や遊技場のスタッフに、演出装置が正しく動作するか否かを確認させるための処理である。図9に示すように、動作確認制御処理における確認対象の演出装置は、画像表示器13、演出用ランプ16a〜16f、演出スイッチランプ9a、スピーカ17a〜17d、及び役物14である。動作確認制御処理では、サブ制御手段21は、これらの演出装置を、5種類の動作確認パターンのいずれかで選択的に動作させる。動作確認パターンは5種類用意されており、動作確認パターンの種類によって、ランプ9a,16a〜16fの点灯態様や、出力するスピーカ17a〜17d、役物14の動きが変化するよう構成されている。具体的には、図9に示すように、演出スイッチランプ9aや演出用ランプ16a〜16fは、動作確認パターンの種類に応じて点灯、点滅、又は消灯し、また、動作確認パターンの種類に応じて発光色も変化させる。また、スピーカ17a〜17dは、動作確認パターンの種類に応じて音声を出力するスピーカ17a〜17dを変化させる。また、役物14は、動作確認パターンの種類に応じて、遮蔽部材14aの駆動態様を変化させる。例えば、動作確認パターン2では、遮蔽部材14aは、遮蔽位置と退避位置の間の往復を低速で繰り返して、画像表示器13をゆっくり開閉する。また、動作確認パターン3では、遮蔽位置と退避位置の間の往復を高速で繰り返して、画像表示器13を素早く開閉する。また、動作確認パターン5では、遮蔽部材14aは、移動速度と反転位置を変化させながら変則的な往復移動を約4秒繰り返す。画像表示器13については、動作確認パターンの種類に関わらず、白黒のグラデーションの画像を表示画面に表示する。
さらに詳述すると、サブ制御手段21は、動作確認制御処理の開始時には、各演出装置を動作確認パターン1で制御する。そして、サブ制御手段21は、動作確認制御処理の実行中に、演出スイッチ9が押下される度に、各演出装置の動作確認パターンを「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「1」→「2」→・・・の順序で切り替える。基本的に、サブ制御手段21は、各動作確認パターンにおける演出装置の動作を、次の動作確認パターンに切り替えるまで継続させる。ただし、動作確認パターン5における役物14の制御については、例外的に、上述した変則駆動を約4秒間実行させた後に遮蔽部材14aを停止させる。また、基本的に、サブ制御手段21は、演出スイッチ9が押下されると、各演出装置の制御を、遅滞なく次の動作確認パターンにおける制御に切り替える。ただし、役物14の変速駆動中に動作確認パターンを「5」から「1」に切り替える場合は、例外的に、変則駆動を最後まで実行させてから遮蔽部材14aを停止させる。複雑な動きを行っている途中で制御変更すると、役物14が故障するおそれがあるためである。また、演出スイッチ9の連打により動作確認パターンが「5」から「2」に切り替わる場合でも、サブ制御手段21は、変則駆動を中断せず、変則駆動を最後まで継続させる。なお、この場合、役物14については、動作確認パターン2の低速駆動を行わずに停止させることで、変則駆動と低速駆動とが混同するのを防止してもよい。あるいは、変則駆動の終了後に低速駆動を行うことで、低速駆動の動作確認を行えるようにしてもよい。このように、サブ制御手段21は、動作確認制御処理において、演出装置を複数通りの態様で動作させるため、製造工場や遊技場のスタッフは、演出装置の動作異常の有無を厳密に確認できる。なお、本実施例では、動作確認パターンを「5」から「1」に切り替える際に、変則駆動を最後まで実行させるが、変則駆動中に役物14を安全に停止可能な区切りが存在する場合には、変速駆動が当該区切りに到達した時点で、遮蔽部材14aを停止させるようにしてもよい。
サブ制御手段21は、基本的に、所定の終了操作がなされるまでは、動作確認制御処理を継続し、終了操作が行われた時点で動作確認制御処理を終了して、遊技演出制御処理を開始する。本実施例では、投入口11へのメダル投入と、ベットスイッチ5a,5bによる賭数設定操作が終了操作として設定される。具体的には、投入口11にメダルが投入されて、投入センサ30が検出信号を出力すると、メイン制御手段20からサブ制御手段21へメダル投入に係るコマンドが送信されて、かかるコマンドを受信した時点で、サブ制御手段21が動作確認制御処理を終了する。また、ベットスイッチ5a,5bが有効な状態で押下されると、メイン制御手段20からサブ制御手段21へ賭数設定に係るコマンドが送信されて、かかるコマンドを受信した時点で、サブ制御手段21が動作確認制御処理を終了する。このように、動作確認制御処理は、終了操作によって任意のタイミングで能動的に終了させることができる。このため、本実施例では、全種類の動作確認パターンを実行させる前に動作確認制御処理を終了させることができるし、また、終了操作を行う前に演出スイッチ9の操作を繰り返すことによって、5種類の動作確認パターンを、上記の順序で何回も繰り返し実行させてから動作確認制御処理を終了させることもできる。
なお、基本的に、電源投入時はドア開放状態であるため、サブ制御手段21は、ドア開放状態であるか否かに関わらず、動作確認制御処理を実行する。具体的には、動作確認制御処理開始時にドア開放状態であっても、動作確認制御処理を実行するよう構成されている。また、ドア開放状態が解除された後で、動作確認制御処理中にドア開放状態が再発生した場合にも、サブ制御手段21は、動作確認制御処理を継続する。具体的には、動作確認制御処理中にドア開放状態が発生した場合、サブ制御手段21は、画像表示器13、演出用ランプ16a〜16f、演出スイッチランプ9a、及びスピーカ17a〜17dを、ドア開放状態発生前と同じ動作確認パターンで動作させる。役物14については、原則として、ドア開放時の初期動作を、動作確認パターンに優先して実行し、初期動作終了後、演出スイッチ9が押下された時に、動作確認パターンを再開させる。ただし、役物14を動作確認パターン「5」で変則駆動させている時にドア開放状態が発生した場合は、動作中の変則駆動を継続し、当該変則駆動の終了後も初期動作を実行しない。また、ドア開放状態以外のエラー(メダルセレクタ15のメダル詰まり、ホッパーユニット19におけるメダル詰まり、メダル切れ、補助タンク満杯等)が発生した場合には、サブ制御手段21は、動作確認制御処理を終了する。具体的には、サブ制御手段21が、実行中の動作確認制御処理を終了して、画像表示器13にエラー内容を表示させる処理を実行して、当該エラーの発生を報知する。また、メイン制御手段20も、入賞時の払出枚数等を表示する前扉3の払出表示器(図示省略)に、発生したエラーの内容を示すコード情報を表示させる処理を実行して、当該エラーの発生を報知する。そして、発生したエラーの解消後は、サブ制御手段21は、動作確認制御処理を再開せずに遊技演出制御処理を開始して、画像表示器13に演出用の画面を表示する。このように、本実施例では、ドア開放状態以外のエラーの発生により、動作確認制御処理を終了させるよう構成されているが、電源を切断することなくエラーを解消した場合には、エラー解除後に動作確認制御処理を再開させるようにしてもよい。なお、ドア開放状態が発生した場合は、動作確認制御処理が継続するが、動作確認制御処理と並行して、メイン制御手段20は、ドア開放状態を示すコード情報を払出表示器に表示させる処理を実行して、ドア開放状態であることを報知する。
また、動作確認制御処理中にスロットマシン1の電源が切断された場合は、サブ制御手段21は、実行中の動作確認制御処理を電源切断時点で終了するよう構成される。すなわち、サブ制御手段21は、次回の電源投入時に音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26が操作されていなければ、起動処理後に動作確認制御処理を実行せずに、遊技演出制御処理を開始する。かかる構成によれば、遊技場の閉店時、かつ、一部の動作確認パターンだけ確認したい場合には、確認後に電源を切断するだけで、次回の電源投入時には、動作確認制御処理を経ることなく遊技演出制御処理を開始できる。動作確認制御処理を終了させるために、メダルの投入やベット処理を行ってしまうと、開店に向けて精算する必要が生じるが、このような作業を省くことができる。
図10は、サブ制御手段21が実行する動作確認制御処理の制御内容を示したものである。動作確認制御処理では、まず、サブ制御手段21は、最初の動作確認パターンとして、動作確認パターン1を設定する(S401)。続いて、設定された動作確認パターンを実行する(S402)。すなわち、設定された動作確認パターンに応じた内容で、演出スイッチランプ9a、役物14、演出用ランプ16a〜16f、及びスピーカ17a〜17dを制御するとともに、必要に応じて表示制御コマンドを画像制御手段22に送信する。次に、演出スイッチ9の操作状態を判定し(S403)、演出スイッチ9が押下されていないと判定した場合は、ステップS405へ移行し、演出スイッチ9が押下されたと判定した場合は、次の動作確認パターンを設定して(S404)、ステップS405へ移行する。すなわち、ステップS404では、動作確認パターン1の設定中であれば動作確認パターン2を設定し、動作確認パターン5の設定中であれば動作確認パターン1を設定する。ステップS405では、動作確認制御処理の終了操作が行われたか否かを判定する。具体的には、メダル投入を示すコマンドや、賭数設定に係るコマンドをメイン制御手段20から受信したか否かを判定することにより、終了操作の有無を判定する。そして、終了操作がなされたと判定した場合は、動作確認制御処理を終了し、終了操作が行われていないと判定した場合は、ステップS402へ移行する。
図11は、動作確認制御処理の実行例を示すタイミングチャートである。かかる実行例では、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26が押下された状態で電源が投入されることにより、サブ制御手段21が、起動処理の終了直後に動作確認制御処理を開始する。また、メイン制御手段20は、通常起動時と同様に、起動処理の終了直後に遊技制御処理を開始する。図11に示すように、メイン制御手段20の起動処理と、サブ制御手段21の起動処理は概ね同じタイミングで終了し、遊技制御処理と動作確認制御処理は、ほぼ同じタイミングで開始される。そして、かかる実行例では、動作確認制御処理の開始時には、サブ制御手段21は、動作確認パターン1で演出装置を動作させ、演出スイッチ9が押下される度に、演出装置の動作確認パターンを「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「1」→「2」の順序で切り替えていく。そして、かかる実行例では、2巡目の動作確認パターン2の実行中にメダルが投入され、サブ制御手段21は、かかるメダル投入直後に動作確認制御処理を終了し、遊技演出制御処理を開始する。このように、動作確認制御処理の実行時には、終了操作が行われるまでは、演出スイッチ9が押下される度に動作確認パターンが切り替わり、終了操作が行われた段階で、遊技演出制御処理が開始される。また、仮に、図11の実行例において、電源投入時に、音量設定スイッチ25及びサブクリアスイッチ26が押下されない状態で電源が投入された場合は、起動処理の終了直後に遊技演出制御処理が開始されるため、起動処理の終了直後から、遊技内容に応じた演出を実行可能となる。
以上のように、本実施例にあっては、電源投入時に、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26を押下するか否かによって、動作確認制御処理の有無を選択するため、電源投入後に動作確認制御処理の開始操作を受け付ける待機期間は存在しない。したがって、本実施例では、音量設定スイッチ25やサブクリアスイッチ26を押下せずに電源を投入すれば、サブ制御手段21に遊技演出制御処理を速やかに開始させることができる。このため、本実施例によれば、遊技内容に応じた演出装置の動作を伴う遊技を電源投入後に遅滞なく開始可能となる。
また、本実施例では、終了操作を行うまでは、演出スイッチ9の操作によって、5種類の動作確認パターンを繰り返すことが可能であるから、再確認の必要性を感じた動作確認パターンを、電源を再投入せずに再確認ができる。また、早期に終了操作を行うことで、確認不要な動作確認パターンは実行させずに動作確認制御処理を早期終了させることもできる。
また、本実施例では、動作確認制御処理中に、遊技開始に係る操作(メダルの投入や、ベットスイッチ5a,5bによる賭数設定操作)がなされた場合に、サブ制御手段21が動作確認制御処理を終了して、遊技内容に応じた態様で演出装置を制御し始めるため、動作確認制御処理中に、演出を伴わない味気ない遊技が行われるのを防止できるという利点がある。また、本実施例では、メダル投入時に動作確認制御処理が終了されるか否かを確認することで、投入センサ30の動作確認を行うことができる。また、ベットスイッチ5a,5bによる賭数設定操作時に動作確認制御処理が終了されるか否かを確認することで、ベットスイッチ5a,5bの動作確認を行うこともできる。特に、ベットスイッチ5a,5bに関しては、クレジット数が遊技開始に必要な賭数に満たない場合には、マックスベットスイッチ5bによる賭数設定操作が無効となるため、当該状況でマックスベットスイッチ5bを操作しても動作確認制御処理は終了しない。このため、本実施例では、動作確認制御処理において、通常の遊技状況と同じ賭数設定制御が行えるか否かの確認を行うことができる。また、遊技場の閉店時にメンテナンスの一環として、動作確認制御処理により演出装置の動作確認を行う場合には、遊技場のスタッフは、動作確認制御処理の終了操作後に遊技を実行したり、精算スイッチ8を操作したりして、終了操作により増加した賭数およびクレジット数を、開店時に向けてクリアしておく必要性が生じる。このため、かかる構成によれば、遊技が正常に実行可能か否かや、精算スイッチ8が正常に動作するか否かを確認するよう、遊技場のスタッフを動機付けることもできる。なお、本実施例では、サブ制御手段21による動作確認制御処理と、メイン制御手段20による精算処理は並行して実行可能である。すなわち、動作確認制御処理中に、精算スイッチ8が操作されると、動作確認制御処理と並行して、機内に蓄積された遊技者のメダル(クレジット等)が払い出される。かかる構成によれば、動作確認制御処理において演出装置の故障が判明して、スロットマシン1の可動を停止させなければならなくなった場合でも、機内に蓄積された遊技者のメダルを遊技者に返却できるため、遊技者が不利益を被るのを防止できる。
また、本実施例では、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26の双方を押下した状態で電源を投入しなければ、動作確認制御処理が開始されないため、意図せずに動作確認制御処理が実行されて、遊技演出制御処理の開始が遅延するのを防止できる。また、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26は、個別に操作することによって、動作確認制御処理とは異なる処理をサブ制御手段21に実行させるのに用いられるものであるから、本実施例では、動作確認制御処理を実行させるための専用スイッチを配設するコストを削減できるという利点がある。また、本実施例では、音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26は、前扉3の背面側で相互に近接配置されているから、一方の手で音量設定スイッチ25とサブクリアスイッチ26の両方を押下しつつ、他方の手で電源スイッチ28をONに切り替えることができる。すなわち、本実施例では、動作確認制御処理を開始するための操作を単独で実行できる。また、本実施例では、動作確認パターンの切り替えに用いる演出スイッチ9が前扉3の正面側に配設されているため、動作確認対象の演出装置から目を離さずに動作確認パターンを切り替えできるという利点がある。
また、本実施例では、電源切断時に持越遊技状態やボーナス遊技状態などの遊技者にとって有利な遊技状態に制御されていた場合は、電源投入時に動作確認制御処理を実行しても、当該有利な遊技状態で遊技が開始されるよう構成される。このため、遊技場の営業中に動作確認制御処理を実行したとしても、遊技者が不利益を被ることはない。一方で、本実施例では、電源切断時に、遊技者に有利でない遊技状態(通常遊技状態)に制御されていた場合は、電源切断時に、一般演出(本発明に係る第1の演出)を実行していた場合でも、連続演出などの特殊演出(本発明に係る第2の演出)を実行していた場合でも、動作確認制御処理の実行の有無に関わらず、サブ制御手段21が、所定の初期演出状態で遊技演出制御処理を開始するよう構成される。このため、遊技場の開店時に動作確認制御処理を実行させたとしても、開店直後の遊技演出を同じ機種で揃えることができるため、遊技者に違和感を与えることを防止できるという利点がある。なお、本実施例では、持越遊技状態やボーナス遊技状態が、本発明に係る遊技者にとって有利な遊技状態に相当するが、機種によっては、これに代えて、あるいは加えて、ATやART等の遊技状態を、遊技者にとって有利な遊技状態に含めることができる。また、遊技者にとって有利な遊技状態を複数種類具備するスロットマシンにあっては、少なくとも、それらのうち1種類が、本発明に係る遊技者にとって有利な遊技状態に対応するものであればよい。すなわち、複数種類の有利な遊技状態の少なくとも1種類について、電源切断後の電源再投入時に確認実行操作がなされた場合に、当該遊技状態で遊技が開始されるよう構成されていればよい。また、本実施例では、一般演出と、連続演出などの特殊演出とが、本発明に係る第1の演出と第2の演出に夫々相当するが、本発明に係る第1の演出と第2の演出は、双方が相異なる一般演出に夫々相当するものであってもよいし、双方が相異なる特殊演出に夫々相当するものであってもよい。
なお、本発明のスロットマシンは、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
例えば、上記実施例では、動作確認制御処理において、画像表示器13、演出用ランプ16a〜16f、演出スイッチランプ9a、スピーカ17a〜17d、及び役物14の動作を確認しているが、動作確認制御処理で動作確認する演出装置は、スロットマシンに配設される演出装置に応じて適宜変更可能である。また、本発明に係る動作確認制御処理の確認対象は、スロットマシンに配設される全部の演出装置に限らず、一部の演出装置であってもよい。
また、本発明に係る動作確認制御内容は、上記実施例の動作確認パターンに限られず、適宜変更可能である。例えば、動作確認制御内容は、対象の演出装置を全て停止させる制御内容を含んでいてもよい。また、上記実施例では、電源投入時に、遮蔽部材14aを初期位置に制御するための初期動作を役物14に実行させるが、かかる初期動作と同じ動作を、動作確認パターンにおいて実行させるようにしてもよい。また、動作確認パターン5における役物14の変則駆動を、初期動作で実行するようにしてもよい。また、上記実施例の動作確認制御処理では、画像表示器13については、動作確認パターンの種類に関わらず、白黒のグラデーション画像を表示画面に表示しているが、画像表示器13の表示画像を動作確認パターンの種類に応じて変化させるようにしてもよい。また、グラデーション画像のようなパターン画像に関わらず、所定のオブジェクトの画像を表示するものであってもよい。また、動作確認パターンにおいて画像表示器13に表示される画像は、静止画に限らず動画であってもよい。例えば、表示画面に表示したパターン画像やオブジェクト画像を、動作確認パターンにおいてスライド表示させることが提案される。かかる構成とした場合には、画像表示器13のドット落ちの発見が容易となり、また、表示画面や、表示画面を覆う保護パネルのキズ等も発見し易くなる。
また、上記実施例では、サブ制御手段21は、終了操作が行われた時点で動作確認制御処理を終了させるが、終了操作の時点で、役物14の遮蔽部材14aを退避位置以外に制御している場合には、遮蔽部材14aを初期位置(退避位置)まで戻してから、動作確認制御処理を終了するようにしてもよい。また、遮蔽部材14aを初期位置に戻す場合には、役物14に初期動作を行わせるようにしてもよい。また、終了操作時点の遮蔽部材14aの位置に関わらず、動作確認制御処理の終了時に、常に役物14に初期動作を行わせるようにしてもよい。また、かかる初期動作は、遮蔽部材14aを初期位置に戻してから開始させてもよいし、終了操作時点の遮蔽部材14aの位置を判断して、当該位置において初期動作を途中段階から開始するようにしてもよいし、開始時の動きを遮蔽部材14aの位置に応じた動きとしてもよい。
また、上記実施例では、動作確認制御処理中に演出スイッチ9を押下する度に、5種類の動作確認パターン(動作確認制御内容)が所定順序で切り替わるよう構成されるが、演出スイッチ9の操作に替えて、十字キー10の操作によって動作確認パターンを切り替えるようにしてもよい。十字キー10で切り替える場合は、5種類の動作確認パターンを、上下左右及び中央の5つの押しボタンに1種類ずつ割り当てて、押下されたボタンに応じた種類の動作確認パターンに切り替えるよう構成することが提案される。
また、上記実施例では、サブ制御手段21は、スロットマシン1の通常起動時には、起動処理の直後に遊技演出制御処理を実行するが、本発明は、起動処理と遊技演出制御処理の間に、動作確認制御処理とは異なる第3の処理を実行するものを含む。また、上記実施例では、サブ制御手段21は、動作確認制御処理の実行時には、起動処理の直後に動作確認制御処理を実行し、動作確認制御処理の直後に遊技演出制御処理を実行するが、本発明は、起動処理と動作確認制御処理の間や、動作確認制御処理と遊技演出制御処理の間に第3の処理を実行するものを含む。
また、上記実施例では、遊技価値としてメダルを用いるスロットマシンを例に挙げたが、これに限らず、例えば封入式やメダルレスのスロットマシンなど、遊技価値の投入や払出しを電気的に行う機種にも適用することができる。このような機種では、電子データを用いた疑似的な遊技価値の投入が少なくとも賭数設定に含まれる。また、上記実施例では、メダル投入と、ベットスイッチ5a,5bによる賭数設定操作が、動作確認制御処理の終了操作として設定されるが、本発明に係る終了操作は、メダル投入だけであってもよいし、賭数設定操作以外の第3の操作を含んでいてもよい。また、上記実施例では、クレジット不足等によりベットスイッチ5a,5bを介した賭数設定が無効な場合には、ベットスイッチ5a,5bを操作しても、動作確認制御処理は終了しないが、動作確認制御処理中にベットスイッチ5a,5bが操作された場合に、賭数設定が無効であっても動作確認制御処理を終了させるよう構成してもよい。かかる構成とした場合でも、ベットスイッチ5a,5bが正常に動作するか否かを、動作確認制御処理の終了時に確認することが可能である。
また、上記実施例では、遊技の開始に必要な賭数設定を実行した時点で、動作確認制御処理が終了するよう構成されているが、本発明は、動作確認制御処理と並行して、遊技が実行されるものを含む。動作確認制御処理と並行して、遊技を実行可能とした場合には、演出装置の動作確認を行いつつも、遊技の進行に係る処理が正常に行えるかを確認可能となる。また、動作確認において演出装置の故障が判明して、スロットマシン1の稼働を停止させなければならない場合に、ストップスイッチ7の操作、リール12の停止、精算、払出し等を行えることで遊技者保有の利益を返却できる。
また、上記実施例では、本発明に係る演出制御手段が、サブ制御手段21により構成されるが、本発明に係る演出制御手段は、複数の制御装置により構成されるものであってもよい。