JP6859547B2 - 電界発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、電界発光素子に関するものである。
近年、発光ダイオードや有機EL(Organic Electroluminescence:OLED)等の電界発光素子を用いた発光効率の高い面光源が注目を集めている。電界発光素子は平面型の陰極と陽極とに挟まれた発光層から構成される。一般的には陽極を透明電極とし陰極を金属反射電極に構成される場合が多い。一方を金属電極で構成した場合には光は透明陽極側から取り出され、片面発光型の発光デバイスとして用いられている。
電界発光素子は、特開2008−130449号公報(特許文献1)、および、国際公開第2013/187119号(特許文献2)に開示されるように、陰極と陽極との両面に透明電極を用いた電界発光素子の場合、透明な面発光光源として用いることができる。
両面に透明電極を用いた場合には、片側に金属反射電極を用いていた場合に生じていたプラズモン吸収損失を低減することにより、より高効率な電界発光素子を実現することが可能である。透明な面発光光源は、デザイン性に富み空間の拡がりを演出するのに好適である。
特開2008−130449号公報 国際公開第2013/187119号
しかしながら、特許文献1に開示される発明においては、発光素子の一部のグリッド電極上のみが発光するために、グリッド電極が明るく光って目立って見えてしまう課題が挙げられる。特許文献2は全面で発光する透明発光素子であるが、グリッドが無いために中央部が暗くなる課題が懸念される。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、グリッド電極が明るく見えて目立つことなく、一様な面発光の実現を可能とする電界発光素子を提供することを目的とする。
ある実施の形態に従う電界発光素子においては、第1透明電極と、第2透明電極と、上記第1透明電極と上記第2透明電極とに挟まれた発光層と、上記第1透明電極に設けられるグリッド電極と、を備えている。
上記発光層から上記第2透明電極側に発光する光の空気で観測した輝度の30度以上の特定の角度θtにおける配光特性を、上記グリッド電極が設けられている領域と、上記グリッド電極が設けられていない領域とを比較した場合に、上記グリッド電極が設けられている領域の輝度の方が大きい。
この電界発光素子によれば、グリッドが明るく見えて目立つことなく、一様な面発光の実現を可能とする電界発光素子を提供することを可能とする。
関連技術における電界発光素子を実現する最小の構成を示す断面図である。 実施の形態1における電界発光素子の構造を示す第1断面図である。 実施の形態1における電界発光素子の構造を示す第2断面図である。 実施の形態1における電界発光素子の構造を示す第3断面図である。 透明部材から観測者側に放射される光の輝度の角度依存性を説明する模式図である。 発光部で発生した光の透明部材内における光強度の発光部面法線に対する角度依存性を説明する模式図である。 実施の形態3の電界発光素子の構造を示す断面図である。 実施の形態5の電界発光素子の構造を示す断面図である。 実施の形態5の電界発光素子の透明部の構成を示す図である。 実施の形態5の電界発光素子のグリッド部の構成を示す図である。 実施の形態5の電界発光素子の透明部の配光を計算した結果を示す図である。 実施の形態5の電界発光素子のグリッド部の配光を計算した結果を示す図である。 比較例の電界発光素子の透明部の構成を示す図である。 比較例の電界発光素子のグリッド部の構成を示す図である。 比較例の電界発光素子の透明部の配光を計算した結果を示す図である。 比較例の電界発光素子のグリッド部の配光を計算した結果を示す図である。 実施の形態6の電界発光素子の構造を示す断面図である。 実施の形態6の電界発光素子の他の構造を示す断面図である。 光学バッファ層の一例を示す断面図である。 光学バッファ層の一例を示す断面図である。 光学バッファ層の一例を示す断面図である。 光学バッファ層の一例を示す断面図である。 光学バッファ層の一例を示す断面図である。 光学バッファ層の一例を示す断面図である。 両面発光の電界発光素子の断面図である。 電界発光素子の発光層と各透明電極との界面における光の反射率の違いによる発光強度差を説明するための模式図である。 実施の形態の電界発光素子を用いた照明装置の斜視図である。 実施の形態の電界発光素子を用いた照明装置の断面図である。 実施の形態の電界発光素子を用いた眼鏡の斜視図である。
本発明に基づいた各実施の形態における電界発光素子について、以下、図を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、実施の形態の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。また、各実施の形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。
(関連技術)
図1に、関連技術として、透明電界発光素子を実現する最小の構成を示す。発光層10は、第1透明電極11と第2透明電極12に挟まれて存在する。第1透明電極11と第2透明電極12との間に電圧を印加することで電子が加速し注入され、発光層10で電子の運動エネルギーが光子に変換されることで、第1透明電極11および第2透明電極12の両側から光を取り出すことができる。
一般的に、電子注入を容易にするために、第1透明電極11と第2透明電極12とには異なる材料を用いる。たとえば、陰極側として電子注入に適した仕事関数を持つ薄膜金属電極(Ag,Al,Au,Cuなど)、陽極側として正孔注入に適した仕事関数を持つ透明酸化物半導体電極(ITO,IZOなど)が用いられる。
薄膜金属電極は、電子輸送性に優れるが、光学透過率が低いので透明電極として用いる場合には透過率を上げるために数nm〜数10nmの膜厚のものが適している。透明酸化物半導体を用いた透明電極は、薄膜金属電極よりも厚さあたりの面抵抗値が大きく透過率が高いという特徴がある。透明酸化物半導体を透明電極として用いる場合には、面抵抗値を下げるために100nm〜200nmの膜厚のものが適している。
また、光学干渉を最小限の膜厚で効果的に生じさせるためには、透明電極における波長(真空中における波長を屈折率で割った値)の8分の1から1倍の厚さが適しており、例えば波長620nmで発光する赤色の素子で屈折率2の透明電極を用いる場合には、620/2.0×1/8nm〜620/2.0×1/2=39〜360nmの膜厚が望ましく、このような膜厚にすることで必要最小限の膜厚で効果的に発光波長における光の干渉効果を調整し光強度の角度分布やスペクトルを透明電極の膜厚で調整できる。
第1透明電極11と第2透明電極12とに同種の透明電極を用いた場合には、電子注入性能が低下し駆動電圧が高くなり発光効率が低下するので望ましくない。第1透明電極11と第2透明電極12とにはそれぞれ異なる材料を用いて、片側は電子注入性を良くし片側は正孔注入性を良くすることが望ましい。
第1透明電極11と第2透明電極12とに異なる電極材料を用いた場合には、発光層10と第1透明電極11との界面、および、発光層10と第2透明電極12との界面における光の反射率は、第1透明電極11側と第2透明電極12側とで反射率が異なる。たとえば、第1透明電極11側の反射率が高く第2透明電極12側の反射率が低い場合を考える。多重反射の結果、第1透明電極11側に取り出される光は少なくなり、第2透明電極12の外側に取り出される光が多くなる。
後述する図25および図26に示すようなショーケース(点灯時は透明で全面が均一発光、消灯時には透明な板)での応用を考えた場合、第1透明電極11の外側に取り出される光と第2透明電極12の外側に取り出される光の強度は片側に偏らせることが望ましい。ここで、第1透明電極11の反射率を高くした構成においては、電極反射率の関係から第2透明電極12側のみに発光強度を偏らせる方が効率的である。
(実施の形態1:電界発光素子100)
図2A,図2B,図2Cに、実施の形態1における電界発光素子100の断面構造を示す。電界発光素子100は、第1透明電極11と、第2透明電極12と、第1透明電極11および第2透明電極12に挟まれた発光層10とを有している。第1透明電極11には、縞状のグリッド電極14が設けられている。
グリッド電極14のより具体的な配置としては、図2Aに示すように、第1透明電極11の発光層10とは反対側の面に設けられる構成、図2Bに示すように、第1透明電極11の内部に設けられる構成、および、図2Cに示すように、発光層10側の面に設けられる構成が挙げられる。
グリッド電極14を挟んで、第1透明電極11とは反対側の面には、第1透明部材15が設けられている。第2透明電極12を挟んで、発光層10とは反対側の面には、第2透明部材16が設けられている。
特に、第1透明電極11の発光層10とは反対側の面にグリッド電極14を設けた際にはグリッド電極14上に第1透明電極11を設けることができ、本実施の形態を実施する際にグリッド電極14上の光学干渉を第1透明電極11で調整させてグリッド電極14上の配光(透明部材から観測者側に放射される光の輝度の角度依存性)を調整し易くなる利点がある。また、第1透明電極11の内部にグリッド電極14を設けた場合には、グリッド電極14の位置によってグリッド電極14上の配光を調整し易くなる利点がある。また、第1透明電極11の発光層10側の面にグリッド電極を設けた場合には、第1透明電極11の膜厚を変えることでグリッド電極14上の干渉条件を変えることなく、グリッド電極14が内部分の配光を調整できる利点がある。
電界発光素子100は、グリッド電極14上の発光層10から第2透明部材16側に発光する光の空気で観測した輝度の配光特性をDg(θ)とした場合に、30度以上の特定の角度θtにおいてDg(θt)>Dg(0)cos(θt)となる、ことを特徴としている。このように構成することで、均一な面発光を実現すると同時に、グリッド電極14上の正面輝度を低下させることで、正面(第2透明部材16側)から見たときの輝度ムラの低減を可能としている。
電界発光素子100のさらに詳しい説明をする前に「透明部材から観測者側に放射される光の輝度の角度依存性」と「発光層で発生した光の透明部材内における光強度の発光部面法線に対する角度依存性」の違いについて説明する。
図3および図4は、上記2つの違いを表すための模式図である。「透明部材から観測者側に放射される光の輝度の角度依存性」は、図3において、面発光パネルを屈折率1の空間(たとえば空気)に配置し、面法線に対して輝度の依存性を、ディテクタを用いて測定している。なお、輝度測定は光電力の波長依存性に視感度をかけたものとしてCIEの定義によって計算される。
一方、「発光部で発生した光の透明部材内における光強度の発光部面法線に対する角度依存性」は、面発光パネルの発光部材で発生した光が、透明部材の内部でどのような角度に分布するかを測定した量である。図4に示すように、実験的には発光部の面積よりも充分大きく(たとえば10倍)、透明部材と同じ屈折率を持つ半球レンズを用意し、透明部材と半球レンズの間に屈折率がマッチングするマッチングオイルを充填して、発光面法線に対する光強度の角度依存性を、ディテクタを用いて測定している。同様の測定方法が、特開2011−228262号公報の図7に開示されている。
(30度以上の特定の角度θt)
特定の角度θtの望ましい範囲に関しては以下の通りである。
Figure 0006859547
上記角度範囲は、人間の視覚で感じることのできる角度範囲から定義することができる。人に見られることを前提とする照明(信号機、信号灯、車のテールランプ、等)においては人間が見える角度範囲において特定の輝度が発光領域の面内でむら無く見られることが重要である。
人間の視覚は、「情報受容能力に優れる有効視野は水平30度,垂直20度程度に過ぎず,注視点が迅速に安定して見える安定注視野は水平に60度〜90度、垂直に45度〜70度程度である」と言われている。したがって、θt=30度とすれば、明るい範囲の角度において情報受容能力に優れる有効視野の範囲内で面内でむらが無く信号が点灯しているという情報を送ることが可能になる。有る程度広い範囲でむらの無い点灯を実現させたい場合は、θt=80度とすれば「注視点が迅速に安定して見える」範囲でむら無く点灯情報を送ることができる(水平90度と垂直70度の平均)。
図2Aから図2Cを再び参照して、電界発光素子100の構成の効果について説明する。以下、配光と書いた場合は、「透明部材から観測者側に放射される光の輝度の角度依存性」を表し、透明部材内配光と書いた場合は、「発光層で発生した光の透明部材内における光強度の発光部面法線に対する角度依存性」を表すこととする。
一般的にグリッド電極14は電気抵抗が小さく反射率の高い材料である金属によって構成される。図2Aから図2Cにおいてグリッド電極14が有る箇所と無い箇所とを比較した場合、本実施の構成を採用していない構造の場合には、グリッド電極14上の配光も第2透明部材16上の配光もランバーシアン(cosθ)の角度依存性を持つ。このため、正面輝度を比較すると、グリッド電極の無い箇所を「1」とした場合、グリッド電極14のある箇所は「2」の輝度を持ってしまう場合がある。このため、正面から見た場合、グリッド電極14が明るい輝線として見えてしまう。
本実施の形態の電界発光素子100の場合、グリッド電極14上の配光形状を斜めの30度以上の特定の角度θtで強度が最大となるように構成している。エネルギー保存則により、斜めが強い場合は正面輝度が低くなる。このため、配光を変えない場合と比較して正面方向のグリッド電極14の輝線は目立たなくなる。
一方、斜めから見た場合に、グリッド電極14の輝線の幅は小さくなるため、人間の目には見え難くなる。一般に人間の目は100μm以下の線の間隔を視認できないため、望ましくは特定の角度θt、グリッドの間隔をΛgとしたときに、以下の式(2)を満足していることが望ましい。
Figure 0006859547
(実施の形態2)
実施の形態2における電界発光素子について説明する。電界発光素子の構成は、図2Aから図2Cに示す断面構造と同じである。第1透明電極11の発光層10とは反対側の面に設けられる第1透明部材15と、第2透明電極12の発光層10とは反対側の面に設けられる第2透明部材16とにおいて、発光層10から見た場合に、発光層10と第1透明電極11との界面の反射率が、発光層10と第2透明電極12との界面の反射率よりも高くなるように第1透明電極11と第2透明電極12との屈折率が選択され、第1透明部材15の屈折率が第2透明部材16の屈折率よりも低くなるように設けられている。
さらに、第1透明部材15と発光層10との間の距離は発光層10における発光波長以下であり、第2透明部材16と発光層10との間の距離は発光層10における発光波長以下であり、第1透明部材15と第2透明部材16とは、それぞれの透明部材における光の波長以上の厚さを有している。発光層10までの距離は、発光層10の厚さ方向の略中心に位置する発光点を基準として測定する。
このように構成することで、電界発光素子100に片側に偏った発光を実現できると同時に、グリッド電極14上の輝度低下割合を、実施の形態1の構成より少なくすることが可能になり、正面輝度効率を向上させることが可能になる。
(実施の形態3)
図5を参照して、実施の形態3の電界発光素子100Aについて説明する。本実施の形態における電界発光素子100Aは、実施の形態1または実施の形態2に対して、第1透明部材15、グリッド電極14、および、第1透明電極11の積層構造において、グリッド電極14と第1透明電極11との間に第1透明電極11の下地層13が設けられている。このように下地層13が設けられることで、第1透明電極11の平滑性を向上させ、透過率の向上と同時に面抵抗の低減が可能になる。
(実施の形態4)
実施の形態4における電界発光素子は、上記実施の形態3の電界発光素子100Aにおいて、下地層13の屈折率が発光層10の屈折率よりも低いことを特徴とする。このように、下地層13の屈折率を調整して、第1透明電極11との間の屈折率差を調整することでフレネル反射を低減させ、透明性を向上させることが可能になる。より具体的には発光波長において「(空気の屈折率)<(第1透明部材の屈折率)<(下地層の屈折率)<(発光層の屈折率)」とすると良い。このようにすることで屈折率段差を低減し、フレネル反射による光損失を低減することができる。
(実施の形態5)
図6を参照して、上記実施の形態2に示した電界発光素子100Aのより詳細な構成を実施の形態5の電界発光素子100Bとして以下説明する。なお、図6では、シングルスタック型の構成で説明しているが、マルチスタック型の電界発光素子としてもよい。特に本実施の形態においてはグリッド電極の有るところと無いところで配光形状を変えることが重要であるので、マルチスタック型を用いると多層膜干渉を各層の膜厚を調整することで行えるため配光を調整しやすいため、マルチスタック型が適している。
電界発光素子100Bは、第1透明部材15、第1透明電極a22、下地層13、グリッド電極14、第1透明電極b21、正孔輸送層(HTL)31、発光層(EML)10、電子輸送層(ETL)32、第2透明電極12、光学バッファ層23、封止層24、接着層25、および、封止基板26が、この順で積層されている。
第1透明電極a22、および、第1透明電極b21を設けることで、第1透明電極b21の導電性を第1透明電極a22によって補うことができ、面抵抗を低減でき面内輝度ばらつきをより低減する効果が得られる。面内輝度ばらつきをより低減する必要が無い場合には、第1透明電極a22は設けなくてもよい。
第1透明電極a22と第1透明電極b21の材料としては、たとえばITO(インジウム酸化物と錫酸化物との混合体)膜、IZO(インジウム酸化物と亜鉛酸化膜との混合体)膜、ZnO膜、CuI膜、SnO膜等のその他の無機導電膜や、PEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルフォン酸の混合体)膜等の有機導電膜、高分子材料に銀ナノワイヤーやカーボンナノチューブ等を分散させた複合導電膜等が用いられる。ITO透明電極やIZO透明電極を用いた場合には透過率が高い利点がある。PEDOT/PSSを用いた場合には、屈折率が低いため発光層で生じた光が高屈折率層に閉じ込められる導波モード損失を低減できる効果や、有機層との屈折率差が生じるため本実施の形態において重要な配光調整を行なえる利点がある。
有機導電膜、特開2012―099325号公報に開示される導電性樹脂を、透明電極として用いることができる。導電性樹脂を用いた場合にはフレキシブル性が得られる利点がある。
電界発光素子100Bは、第1透明部材15上に第1透明電極a22を形成したあと、下地層13を形成する。その後、下地層13の一部にグリッド電極14を形成する。その後、グリッド電極14を覆うようにして第1透明電極b21を形成する。その後、正孔輸送層(HTL)31、発光層(EML)10、電子輸送層(ETL)32、第2透明電極12、光学バッファ層23、および、封止層24を順番に形成した後、接着層25を用いて封止基板26を接着する。
電界発光素子100Bは、グリッド電極14上の領域の配光とグリッド電極14以外の領域との配光とを異なるように形成する必要がある。図6に示す構成を採用することで、グリッド電極14上の領域とグリッド電極14以外の領域とで異なる配光を取りやすくなる。
より具体的に説明すると、グリッド電極14上の発光層10からグリッド電極14を見た場合の光路上には、正孔輸送層(HTL)31と第1透明電極b21が位置しているのに対し、グリッド電極14が設けられていない領域から第1透明部材15側を向いた場合の光路上には正孔輸送層(HTL)31と、第1透明電極b21と、下地層13と、第1透明電極a22があり、干渉条件を異ならせることができ、グリッド電極14上とグリッド電極14以外の部分とで配光が異なるように構成し易くなる。
図7および図8に、電界発光素子100Bを実施する場合の具体的な構成例を示す。グリッド電極14は縦縞状に設けられている。図6において、グリッド電極14は、紙面に対して垂直方向に延びている。
電界発光素子100Bは、波長590nm〜650nmで発光する赤色の素子であり、発光ピーク波長は625nmである。ここで、材料の屈折率は波長625nmにおける値を代表値として示している。
第1透明電極a22としては、透明で導電性のよい材料としてITO、IZOを用いることが望ましい。ITO、IZOを用いた場合には、素子透過率を向上できる利点がある。第1透明電極a22上には下地層13を形成することが望ましい。このように下地層13を一面に形成することで作成プロセスが簡便になる利点と同時に、グリッド電極14が無い部分の光学距離を調整する機能も有し、グリッド電極14上とグリッド電極14が無いところとの光路長を変化させることができる利点を有する。
下地層13の材料としては金属の平滑性を向上させる有機材料を用いることが望ましく、特に特開2015―60728号公報に開示される「アルカリ金属またはアルカリ土類金属と酸素を含有して構成」された材料や、特開2015―60717号公報に開示される「縮合複素環化合物を含有し、当該縮合複素環化合物が窒素原子(N)と炭素原子(C)の数の比(N/C)の値が0.5以上の含窒素縮合環を分子内に有する」材料を用いることが望ましい。
このような下地層13を用いることでグリッド電極14や第1透明電極b21の平滑性を向上することができる。第1透明電極b21(図1および図5に示す第1透明電極11に相当)としては薄膜金属を用いることが望ましい。このように薄膜金属を用いることで、導電性を向上させることが可能であると同時に光の干渉効果によってグリッド電極14が無い部分の配光を調整しやすくなる。
図7および図8に示すように、電界発光素子100Bにおいては、第1透明電極a22としてIZOを用い、下地層13として「アルカリ土類金属と酸素を含有して構成」された有機材料を用い、第1透明電極b21として薄膜金属電極を用いている。
発光機能層の構成として、ここでは第1透明電極b21側から、正孔輸送層(HTL)31/発光層(EML)10/電子輸送層(ETL)32の順番で説明したが、第1透明電極b21と正孔輸送層(HTL)31との間に正孔注入層(HIL)を設けて正孔注入性を向上してもよい。同様に第2透明電極12と電子輸送層32の間に電子注入層(EIL)を設けて電子注入性を向上してもよい。また、透明電極近くの注入層(EILまたはHIL)には有機材料で構成される注入層を用いることが望ましく、有機材料で構成することにより水分や酸素に対する耐性が強くなる効果があり、本実施の形態で重要な光の干渉条件が材料変質により変化することを防ぐ利点がある。
さらに、第1透明部材15側から正孔輸送層(HTL)31/発光層(EML)10/電子輸送層(ETL)32の構成で説明したが、第1透明部材15側から電子輸送層(ETL)32/発光層(EML)10/正孔輸送層(HTL)31の順番に構成しても光学的には同じである。
第2透明電極12については第1透明電極b21と同じ材料を用いることができるが、発光層10から見た場合の反射率を第1透明電極b21よりも低く設定することが望ましい。
より具体的には、第1透明電極b21を薄膜金属で構成し第2透明電極12をITOまたはIZO等の金属酸化物で構成すること、あるいは第1透明電極b21と第2透明電極12を薄膜金属で構成し第2透明電極12の膜厚を第1透明電極b21の膜厚よりも薄く構成すること、が望ましい。
図7および図8においては、「第1透明電極b21と第2透明電極12を薄膜金属(Ag)で構成し、第2透明電極12の膜厚を第1透明電極b21の膜厚よりも薄く構成」することによって「発光層から見た第2透明電極12の反射率を発光層10から見た第1透明電極b21の反射率よりも低く構成」している。
封止層24については発光層10よりも屈折率の高い材料で構成することが望ましい。一般的に光は屈折率が高い空間に偏る傾向があるため、このように構成することで光を封止層24側により多く取り出すことが可能になる。封止層24としてSiNを用いて屈折率1.9を実現することで、発光ピーク波長において発光層10よりも封止層24の屈折率が高くなるように構成している。
接着層25については透明度の高い光学接着剤を用いることが望ましい。より具体的には使用する膜厚において「JIS K 7136:2000(ISO 14782:1999)」に定められる透過率で80%以上、より望ましくは90%以上のものが望ましい。このような光学接着剤を用いることで透過率の高い電界発光素子を実現できる。また、接着層25は発光波長において90%以上の透過率を持つことが望ましく、発光波長で高い透過率を持つことで効率の高い発光を実現できると同時に、本実施の形態における配光調整の効果を高めることができる。接着層25は紫外域で吸収特性を持つことが望ましい。より具体的には(波長350nm〜400nm)において平均の吸収率が10%以上であること、より望ましくは20%以上であること、さらに望ましくは50%以上であると良い。紫紫外域で吸収を持つことで、有機材料に損傷を与える紫外線が有機材料に到達することを防止し、電界発光素子の耐久性を向上できる利点がある。
接着層25はフレキシブル性を有することが望ましい。硬化後において、曲率半径10mm、望ましくは曲率半径5mm、より望ましくは曲率半径1mmで割れないことが望ましい。このように構成することでフレキシブル性を有する電界発光素子を実現できる。
接着層25は紫外域(波長350nm〜400nm)で吸収を持ち、「JIS K 7136:2000(ISO 14782:1999)」に定められる透過率が接着層単体で90%以上であり、発光ピーク波長において使用する接着層単体の透過率が90%以上であり、曲率半径1mmで割れないことを確認している。
電界発光素子全体のフレキシブル性を向上させるために、第1透明部材15と封止基板26には樹脂基材を用いることが望ましい。その厚さは500μm以下、より望ましくは200μm以下、より望ましくは100μm以下、さらに望ましくは50μm以下がよい。ただし、樹脂基材としての機能を保持するためには、厚さは10μm以上あることが望ましい。
このように構成することでフレキシブル性を有する第1透明部材15と封止基板26としての機能を発揮できる。第1透明部材15および封止基板26には厚さ200μmのPET基材を用い、曲率半径1mmで曲げても割れが発生しないことを確認している。
図9および図10に、電界発光素子100Bの配光(輝度の角度分布)を計算した結果を示す。発光強度の角度依存性は光学多層膜の解析手法を用いて設計される。計算方法としては公知の文献(梶川浩太郎他著,“アクティブ・プラズモニクス”,コロナ社,初版第1刷,2013年)の第5章1節で説明されている方法を用いた。なお、それ以外にも公知の電磁場解析手法であるFDTD(Finite Difference Time Domain)法や、有限要素法などを用いることもできる。
計算において電界発光素子100Bの発光スペクトルを計算するために、基準素子の電流注入時のエレクトロルミネッセンススペクトル(ELスペクトル)を用いて発光層10の内部発光スペクトルを逆算し、電流注入時の発光スペクトルを正確に見積もることを行なった。
このようにして基準素子のエレクトロルミネッセンススペクトルと基準素子の光取りだし効率から逆算された、発光スペクトルは波長625nmにピーク波長を持ち、スペクトル反値全幅が70nmの光スペクトルを有していた。このように、基準素子の電流注入スペクトルを用いる内部スペクトルの推定する方法は、材料のフォトルミネッセンススペクトルを用いて内部発光スペクトルを推定する方法と比較すると電流注入時の内部スペクトルをより正確に推定できる利点がある。以下では、発光スペクトルのピーク波長625nmに注目して、電界発光素子を実施するのに望ましい設計について説明する。
電界発光素子100Bの構成(図7および図8に示す構成)においては、グリッド電極14の無い部分(透明部)において輝度の角度依存性をD(θ)と置いた場合に、以下の式(3)を満足する。
Figure 0006859547
グリッド電極14のある部分(グリッド部)において輝度の角度依存性をDg(θ)と置いた場合に、以下の式(4)を満足する。
Figure 0006859547
このように、透明部とグリッド部で配光形状を異ならせる構成を実現している。
電界発光素子100Bの効果を説明するために比較例を示す。図11および図12に示す比較例における構成においては、電子輸送層32の膜厚を50nmとしている。その他の構成は、図7および図8に示す構成と同じである。図13および図14に、図11および図12に示す比較例の構成での配光(輝度の角度分布)を計算した結果を示す。
図13および図14を参照して、比較例の構成においてはグリッド部と透明部の正面輝度比が2.2倍(21.7/9.8)と大きい。一方、図9および図10に示す電界発光素子100Bの構成では、グリッド部と透明部の正面輝度比が、1.6倍(9.8/6.0)と小さくなっている。
このように電界発光素子100Bの構成を実施することでグリッド電極14のある箇所と無い箇所の正面輝度を近づけることが可能になる。また、図13および図14に示すように、比較例の構成における配光の条件については、グリッド電極の無い部分(透明部)において輝度の角度依存性をD(θ)と置いた場合に、以下の式(5)を満足する。
Figure 0006859547
グリッド電極14のある部分(グリッド部)において輝度の角度依存性をDg(θ)と置いた場合に、以下の式(6)を満足する。
Figure 0006859547
このように、特にグリッド部において正面方向に偏った配光になっていると、グリッド部の輝度が目立つようになっている。
(実施の形態6)
グリッド部と透明部の配光を異ならせる他の実施の形態における電界発光素子100Cについて、以下説明する。基本的な考え方は、「グリッド部(グリッド電極14のある部分)と透明部(グリッド電極14のない部分)とで発光層10から見た場合の干渉条件を異ならせる」ことである。
図15および図16に、本実施の形態における電界発光素子100Cの断面構造を示す。グリッド部とはグリッド電極14の直上の部分で、透明部はグリッド電極14が無い部分で透明に見える部分である。導電性を向上させるためにグリッド電極14は金属材料で構成されることが望ましく、このときグリッド部は不透明になる。図15は、グリッド電極14が、第1透明部材15側に設けられている構造を示し、図16は、グリッド電極14が、封止基板26側に設けられている構造を示す。
図15に示す電界発光素子100Cは、第1透明部材15上に第1光学バッファ層33、グリッド電極14、第1透明電極31、発光機能層10A、第2透明電極12、第2光学バッファ層34、封止層24、接着層25、および、封止基板26が、この順で積層されている。第1光学バッファ層33および第2光学バッファ層34は、発光機能層10Aの内部の発光層(EML)で発生した光が感じる光路長を、透明部とグリッド部で異ならせるように構成する。
より詳しくは、透明部においては正面方向で強め合う干渉が起こるように構成し、グリッド部では斜め方向が強め合うような干渉が生じるように構成する。このように構成することで、透明部ではより正面向きに強い配光になり、グリッド部では斜め方向に強い配光となる。
図15に示すように、グリッド部において、第1光学バッファ層33はグリッド電極14に遮られる。したがって、第2光学バッファ層34は斜めが強まる干渉とし、第1光学バッファ層33は第2光学バッファ層34の干渉を打ち消して正面方向に配光を向ける干渉を起こさせる構成が望ましい。
なお、図16のように封止基板26側の電極にグリッド電極14を設けた構成も本実施の形態の要件を満たす。図16のように封止基板26側の電極にグリッド電極14を設けると、発光機能層10Aを平坦に構成することで発光機能層10Aが波打つことによって生じる散乱によって配光が鈍る現象を抑制でき、透明部とグリッド部で配光を異ならせる効果をより発揮することが可能になる。
図17から図22を参照して、光学バッファ層について説明する。図17に示す、たとえば屈折率が1.4の低屈折率層(L)210、図18に示す、たとえば屈折率が2.0の高屈折率層(H)220、図19に示す、高屈折率層(H)220と低屈折率層(L)210とを複数組み合わせた誘電体多層膜、図20に示す、薄膜金属(M)310と誘電体(D)320を組み合わせたMDM型フィルタ、あるいは、図21示す、薄膜金属(M)310と誘電体(D)320を組み合わせたDMD型フィルタ、図22に示す、横方向に薄膜金属(M)310と誘電体(D)320とを配置した周期性を有するフォトニック結晶などが、光学バッファ層として用いられる。また、光学バッファ層は例えば誘電体多層膜とMDM型フィルタあるいはDMD型フィルタあるいはフォトニック結晶を複数組み合わせた構成をとってもよい。複数のバッファを組み合わせた場合は配光を細かく調整できる利点がある。
ここで薄膜金属とは、発光ピーク波長において光の透過率が30%以上得られる膜厚の金属であり、たとえばAu、Ag、Alであれば膜厚が20nm以下のものをいう。
再び、図15を参照して、光学バッファ層として低屈折率層(L)210、または、高屈折率層(H)220を用いた場合にはバッファ層の構成が単純になり、製造が容易になる利点がある。第1光学バッファ層33は、グリッド電極14や第1透明電極31の連続膜性を向上させる下地層の機能を有していると同時に導電性を有することが望ましい。このように導電性と下地層の性能を合わせて持つ場合には、第1透明電極31の電極抵抗を低下すると同時に透過率を向上できる効果がある。
光学バッファ層として低屈折率層(L)210を用いる場合には、発光ピーク波長において、光学バッファ層の屈折率は発光層の屈折率未満であることが望ましい。このようにすることで、発光層と屈折率が異なることによりフレネル反射による干渉効果で配光形状の調整が行なえる。光学バッファ層として高屈折率層(H)220を用いる場合には、光学バッファ層の屈折率は発光層の屈折率より高いことが望ましい。このようにすることで、発光層と屈折率が異なることによりフレネル反射による干渉効果で配光形状の調整が行なえる。
光学バッファ層として薄膜金属と誘電体とを組み合わせる場合も、誘電体層として導電性を有し下地層としての性能を持った導電性樹脂を用いることが望ましい。より望ましくは光学バッファ層の薄膜金属が第1透明電極あるいは第2透明電極を兼ねることが望ましい。この場合も、下地層の機能を持った導電性樹脂により透明電極の連続膜性が向上すると同時に透過率が上がる利点を有する。
いずれの場合も、光学バッファ層の膜厚は発光層における発光ピーク波長の膜厚以下であることが望ましく、少なくとも発光層における発光ピーク波長の8分の1以上の膜厚であることが望ましい。このようにすることで、必要最小限の干渉膜厚で配光を制御することにより、製造安定性の向上や材料コスト低減が行える。たとえば、発光ピーク波長が625nmで発光層の屈折率が1.8の場合は、光学バッファ層の膜厚は625/1.8/8=43nm以上、625/18=347nm以下であることが望ましい。
電界発光素子100Cの構成においては、グリッド電極14の下に第1光学バッファ層33を配置したが、グリッド電極14の上に選択的に導電性樹脂を設けることでグリッド電極14の上だけに光学バッファ層を設ける構成を用いてもよい。この場合、グリッド電極の上だけ選択的に配光を調整でき、大きくグリッド電極14上の配光を変更することができる。
以下、上述の各実施の形態を実施する上で望ましい構成について詳細に述べる。
(第1透明部材、第2透明部材)
各実施の形態に用いられる第1透明部材および第2透明部材として望ましい材料について説明する。均一な面発光および高効率な面発光を実現するためには、透明部材の透過率が高い方が望ましい。具体的にはJIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が80%以上のものが透明部材として好ましく用いられる。また、透明部材としては、フレキシブル性に優れている材質が好ましく用いられる。
透明部材としては、たとえば、樹脂基板、樹脂フィルム等が好適に挙げられるが、生産性の観点並びに軽量性及び柔軟性といった性能の観点から、透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。透明樹脂フィルムとは、JIS K 7361−1:1997(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が50%以上のものをいう。
好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。かかる透明樹脂フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。
また、特に厚さについてはフレキシブル性を有するような厚さにすることが望ましく、100マイクロメートル以下が望ましく、50マイクロメートル以下であることがより望ましい。また、複屈折性を有するように構成すると、斜め方向の光線の屈折率を正面と異ならせるようにでき、斜め方向の配光を調整できるようになるため、面水平方向と面垂直方向で複屈折性を有するように構成すると良い。
上記した全光線透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、各実施の形態に係る透明部材としてより好ましく用いられる。透明部材としては、中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム又はポリカーボネートフィルムが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム又は二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムがより好ましい。特に二軸延伸フィルムを用いると、面水平方向と面垂直方向で複屈折性を有するように構成でき、斜め方向の光線の屈折率を正面と異ならせるようにでき、斜め方向の配光を調整できるようになるので、本実施の形態を実施するには望ましい。
フィルム状の基材の表面又は裏面には、無機物の被膜、有機物の被膜、又は、無機物及び有機物のハイブリッド被膜が形成されていてもよい。かかる被膜が形成された基材は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定した水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましい。さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定した酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
高バリア性フィルムとするためにフィルム状の基材の表面又は裏面に形成されるバリア膜を形成する材料としては、水分、酸素等といった素子の劣化をもたらすものの侵入を抑制する機能を有する材料であればよく、たとえば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに当該バリア膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層との積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。特に、無機層と有機層を複数積層した場合は、本実施の形態の第1光学バッファ無機層と有機層を複数積層した層が兼ねることができ、配光調整とバリア機能を同時に強化できる利点がある。
各実施の形態に係る透明部材には、濡れ性及び接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理及び易接着層については、従来公知の技術を使用することができる。たとえば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるために2層以上の構成にしてもよい。
(電界発光素子)
電界発光素子として、有機ELが用いられ得る。有機EL発光パネルは透明基板上に発光領域を設け、その後に有機ELを劣化させる水分の侵入を防ぐ封止部材で蓋をすることで構成される。発光領域の周囲には封止性能を保持するために一定領域の非発光領域が存在する。
発光領域はさらに詳細に、透明基板/透明電極(陽極)/正孔注入層(HIL:Hole Injection Layer)/正孔輸送層(HTL:Hole Transfer Layer)/発光層(EML:EMissive Layer)/電子輸送層(ETL:Electron Transfer Layer)/電子注入層(EIL:Electron Injection Layer)/透明電極(陰極)/透明封止材料/透明部材、により構成される。
他に、たとえば陽極/発光層/電子輸送層/陰極からなるもの、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極からなるもの、陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなるもの、陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極からなるもの、陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極からなるものが挙げられるが、各実施の形態はこれらに限定されるものではない。
透明部材、封止部材には可撓性を有するフレキシブル樹脂基板を用いることが望ましく、これは上述した透明部材の材料を用いることが望ましい。電界発光素子は、発光領域の劣化を防止するための封止領域や、給電のための電極を設けるために発光パネルの一部に非発光部が含まれる。各実施の形態を実施する上では非発光部は透明であることが望ましい。このように非発光部を透明になるように構成することで、素子全体の透過率を向上させることができる。
(透明電極)
透明電極にITOを用いた例で説明してきたが、各実施の形態を実施する上ではより配光(強度または輝度の角度依存性)を制御しやすい透明電極を用いることが望ましい。透明部材内の強度の角度依存性がより多くの極大を有しやすい構成としては、有機層と透明電極の界面、あるいは透明電極と透明部材の界面で反射率が高くなるような透明電極を用いることが望ましい。有機層と透明電極との界面、あるいは透明電極と透明部材との界面の反射率を高めることで、光の干渉効果を高めることができ、透明部材内の強度の角度依存性は角度に対してより多くの極大を有しやすくなる。
透明電極のより具体的な材料として、薄膜金属電極が挙げられる。その中で特に公知文献特許第5266532号に示されるように窒素含有の下地層と薄膜金属とを組み合わせた透明電極を用いることが望ましい。窒素含有の下地層は薄膜金属を連続膜に成膜させる性質を持つ。連続膜として成膜された薄膜金属は界面のフレネル反射率が高いため、光の干渉効果を高くできる。
ここでいう、金属とは面発光パネルの発光波長において複素非誘電率の実部が負である材料である。複素比誘電率εは界面反射に関係する光学定数であり屈折率nと消衰係数κとを用いて、以下の式(7)で表される物理量である。
Figure 0006859547
ここでPとEはそれぞれ分極と電界、εは真空中の誘電率である。式(7)からnが小さくκが大きいほど複素比誘電率の実部が小さくなることがわかる。これは電界の振動に対して電子の振動によって分極応答の位相がずれる効果を現している。
式(7)で示される複素比誘電率の実部が負になると、電界振動と分極応答が逆転することを意味し、これが金属の特性となる。逆に、素比誘電率の実部が正の場合は電界の方向と分極応答の方向が一致し、誘電体としての分極応答を示す。
まとめると、複素比誘電率の実部が負である媒質が金属であり、複素比誘電率の実部が正の物質が誘電体である。一般に、屈折率nが小さく消衰係数κが大きいほど電子がよく振動する材料であることを意味する。電子輸送性が高い材料は屈折率nが小さく、消衰係数κが大きい傾向がある。特に金属電極においては、屈折率nが0.1程度であるのに対し、消衰係数κは、2〜10と大きな値を持ち波長に対する変化率も大きい。従って、屈折率nが同じ値でも消衰係数κの値が大きく違い、電子輸送性能に大きな差が出ることが多い。
本実施の形態を実施する上では、透明電極材料はフレネル反射率を高める金属であることが望ましい。より具体的な屈折率の要件としては屈折率nが小さく、電子の応答を良くするために消衰係数κが大きい金属がのぞましい。たとえば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)が望ましい。他の例では、酸化され難い利点も持つ金(Au)が考えられる。別の材料として銅(Cu)があり、同材料は導電性がよいという特徴を持つ。
その他には熱的性質や化学的性質が良く高温でも酸化されにくく基板材料との化学反応も起さない特徴がある材料として、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミニウムなどがあげられる。また複数の金属材料を用いた合金を用いてもよい。特にMgAgやLiAlは薄膜透明金属電極としてもよく用いられる。
特に望ましい薄膜金属の膜厚dとしては消衰係数κと発光波長λを用いて光強度1/eに減衰する距離から、下記の式(8)が挙げられる。
Figure 0006859547
より具体的な数字で言えば波長475nmにおいてAg薄膜を用いた場合には消衰係数κが2.7であることから、下記の式(9)が導かれ、膜厚は13.9nm以下が望ましい。
Figure 0006859547
(望ましいグリッド電極14の構成)
図15を参照しながら、望ましいグリッド電極14の構造について説明する。図15に示す構成は、実施の形態5における電界発光素子100Cの断面構造であるが、上記他の実施の形態に示す電界発光素子のグリッド電極として採用することができる。
導電性を確保するためにグリッド電極14の幅は一定以上確保する必要があるが、グリッド電極14を太くしすぎると目に見えてしまう欠点がある。人間が認識できる線幅の限界は100μmと言われていることを考慮してグリッド幅Wgは、以下の式(10)を満足することが望ましい。
Figure 0006859547
グリッド電極厚hgは十分な導電性を確保しつつ薄型の構成を確保するために、以下の式(11)を満足することが望ましい。
Figure 0006859547
グリッド電極14の周期Λgは、以下の式(12)を満足することが望ましい。
Figure 0006859547
グリッド電極14の周期Λgは、以下の式(13)を満足することがより望ましい。
Figure 0006859547
このようにすることで、グリッド電極の無い部分(透明部)の広さを保ちながら導電性を確保できる。また、上述の式(1)に示す特定の角度θtを用いて、以下の式(14)を満足することがより望ましい。
Figure 0006859547
このようにすることで、斜めから見た場合に、グリッド電極14の輝線の幅は小さくなるため、グリッド電極14上の輝線が人間の目には見えづらくなる効果が得られる。たとえば特定の角度θt=80度の場合は、以下の式(15)を満足することが望ましい。
Figure 0006859547
グリッド電極14の表面粗さは平滑であることが望ましく、表面粗さRaは、以下の式(16)を満足することが望ましい。
Figure 0006859547
表面粗さが0に近くなるとグリッド電極14の表面に材料が密着しづらくなるため望ましくなく、表面粗さが粗すぎると電界発光素子を成膜した際にショート不良が発生するおそれがある。グリッド電極14の表面の粗さを式(16)に示す数値範囲にすることで、電界発光素子に好適なグリッド電極14を提供することが可能になる。
グリッド電極14の材料としては金属材料が挙げられる。金属材料は、導電性に優れていれば特に制限はなく、たとえば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属の他に合金でもよい。特に、後述のようにパターンの形成のしやすさの観点から金属材料の態様は、金属微粒子または金属ナノワイヤであることが好ましく、金属材料は導電性の観点から銀であることが好ましい。
グリッド電極14のパターン形状には特に制限はないが、たとえば、グリッド電極14がストライプ状(平行線状)、格子状、ハニカム状、あるいはランダムな網目状であってもよく、特にストライプ状、格子状、ハニカム状が好ましい。
グリッド電極14のパターンの線幅(グリッド幅Wg)は好ましくは10μm〜200μmであり、さらに好ましくは10μm〜100μmの範囲である。細線の線幅が10μm以上で、所望の導電性が得られ、また200μm以下とすることで透明性が向上する。
ストライプ状、格子状のパターンにおいて細線の間隔は、0.5mm〜4mmが好ましい。ハニカム状のパターンにおいては、一辺の長さが0.5mm〜4mmが好ましい。細線の高さ(グリッド電極厚hg)は、0.1μm〜10μmが好ましい。細線の高さが0.1μm以上で、所望の導電性が得られ、また10μm以下とすることで有機電子デバイスの形成において、電流リークや機能層の膜厚分布不良の要因となることを防止できる。
本実施の形態に係るグリッド電極14の細線パターンは、金属粒子の分散液を用い、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法等の印刷法により形成できる。各印刷の方式は、一般的に電極パターン形成に使われる手法が本実施の形態に関しても適用可能である。具体的な例として、グラビア印刷法については特開2009−295980号公報、特開2009−259826号公報、特開2009−96189号公報、特開2009−90662号公報に記載の方法等が、フレキソ印刷法については特開2004−268319号公報、特開2003−168560号公報に記載の方法等が、スクリーン印刷法については特開2010−34161号公報、特開2010−10245号公報、特開2009−302345号公報に記載の方法等が例として挙げられる。
その他の方法としては、たとえば、基材の全面に金属層を形成し、公知のフォトリソ法によって形成できる。具体的には、基材上の全面に、印刷、蒸着、スパッタ、めっき等の1あるいは2以上の物理的または化学的形成手法を用いて導電体層を形成する、あるいは、金属箔を接着剤で基材に積層した後、公知のフォトリソ法を用いて、エッチングすることにより、所望のストライプ状あるいはメッシュ状のグリッド電極14を加工できる。
別な方法としては、金属微粒子を含有するインクをスクリーン印刷により所望の形状に印刷する方法や、メッキ可能な触媒インクをグラビア印刷、あるいは、インクジェット方式で所望の形状に塗布した後、メッキ処理する方法、さらに別な方法としては、銀塩写真技術を応用した方法も利用できる。
銀塩写真技術を応用した方法については、たとえば、特開2009−140750号公報の[0076]−[0112]、及び実施例を参考にして実施できる。触媒インクをグラビア印刷してメッキ処理する方法については、たとえば、特開2007−281290号公報を参考にして実施できる。
ランダムな網目構造としては、たとえば、特表2005−530005号公報に記載のような、金属微粒子を含有する液を塗布乾燥することにより、自発的に導電性微粒子の無秩序な網目構造を形成する方法を利用できる。
グリッド電極14の細線部の表面比抵抗は、単位面積当たり10Ω以下であることが好ましく、3Ω以下であることがより好ましい。表面比抵抗は、たとえば、JIS K6911、ASTMD257、等に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
(発光を偏らせる構成)
以下、図23および図24を参照して、両面発光の電界発光素子400において、発光を偏らせる構成について説明する。図23は、電界発光素子400の断面図、図24は、電界発光素子400の発光層と各透明電極との界面における光の反射率の違いによる発光強度差を説明するための模式図である。
電界発光素子400は、第1透明電極411と、第2透明電極412と、第1透明電極411と第2透明電極412とに挟まれた発光層410とを備える。第1透明電極411の発光層410とは反対側の面には、第1透明部材415が設けられている。第2透明電極412の発光層410とは反対側の面には、第2透明部材416が設けられている。
発光層410から見た場合に、発光層410と第1透明電極411との界面の反射率が、発光層410と第2透明電極412との界面の反射率よりも高くなるように第1透明電極411と第2透明電極412との屈折率が選択されている。また、発光層410から見た場合に、第1透明部材415の屈折率が第2透明部材416の屈折率よりも低くなるように設けられている。
第1透明部材415と第2透明部材416とを設けない場合には、第1透明部材415側に発光が残留してしまう。一方、第1透明部材415と第2透明部材416を設けることによって、第2透明部材416側に発光を偏らせることができる。以下ではその原理について説明する。
第2透明電極412と第1透明電極411とに挟まれた、基本的な電界発光素子(発光層410+第1透明電極411+第2透明電極412)の膜厚さは、印加電圧に対する電界強度を大きくすること、内部抵抗による電圧低下を防ぐことから、100nm〜500nm程度の範囲にすることが多い。
光の波長以下〜波長の数倍程度の厚さの光学薄膜における発光がどのように第1透明部材415および第2透明部材416に分配されるかについては光の量子論を用いて説明ができる。ここでは、以下の文献[1]を参考にして、電界発光素子400の効果を説明する。
『文献[1]:Rodney Loudon, 「The Quantum Theory of Light (Second edition)」,(光の量子論,小島忠宣・小島和子訳,「光の量子論 第2版」,内田老鶴圃(1994).)』。図24に示す電界発光素子400において、発光層410で発光した光が第1透明部材415に遷移するのにかかる時間をτ1、発光層410で発光した光が第2透明部材416に遷移するのにかかる時間をτ2とする。
文献[1]を参考にして、τ1とτ2とは近似的に共通の比例係数を用いて、下記の式(17)で表すことができる。
Figure 0006859547
式(17)中で、Gは放射光の電界分布に依存する定数、nd1は第1透明部材415の屈折率、nd2は第2透明部材416の屈折率である。ここからN個の光子が発生したときに、第1透明部材415に配分される光子の数N1と第2透明部材416に配分される光子の数N2の割合は、下記の式(18)で計算することができる。
Figure 0006859547
式(18)中で、P1は発生した光子が第1透明部材415に行く確率、P2は発生した光子が第2透明部材416に行く確率である。これは光の波動状態を表す波数空間において、状態密度が屈折率の3乗に比例するという結果、および光の遷移確率が状態密度の比によって決まるという理論から導かれる。言い換えると、光子が状態密度の多い空間に行きやすく、光の状態密度が光の屈折率の3乗に比例することを意味している。
十分に光の状態密度を増やすためには透明部材の厚さが、透明部材における光の波長(真空波長をλとおいたとき、第1透明部材415の波長はλ/nd1、第2透明部材416の波長はλ/nd2)より大きいことが望ましい。
また、第1透明部材415と第2透明部材416とは、発光素子の機械強度を増すために数100μm程度の厚さを有することが望ましい。このとき、透明部材における光の振る舞いは幾何光学で近似される。
発光層から透明部材に移動した光の角度分布は、ランバート(cosθ配向)で近似できる。この場合、屈折率nd1の第1透明部材415から屈折率1の空気に出る光の割合η、および屈折率nd2の第2透明部材16から屈折率1の空気に出る光の割合ηは、下記式(19)のようにあらわすことができる。
Figure 0006859547
式(19)は、配向をランバートで仮定し全反射角以内の光がすべて空気に出るという仮定を置いて光線の積分を行なうことによって得られる。式(17)、式(19)より第1透明部材15側の空気に出る光の光子数Mと第2透明部材16側の空気に出る光子数Mの比は下記の式(20)で表されることになる。
Figure 0006859547
これは、第1透明部材415側に出る光子数Mは、第1透明部材415の屈折率nd1に比例し、第2透明部材416側に出る光子数Mは第2透明部材416の屈折率nd2に比例することを意味する。
実際の素子においてはすべての光子が空気に達するわけではなく、前述した透明電極の反射率や透過率に依存して光子が消える割合が決まる。たとえば第1透明部材415の反射率が第2透明部材416の反射率よりも高ければ、式(20)で表される割合よりもMが増加することになる。
重要なのは、式(20)で表されるように透明部材の屈折率によって、電極反射率の差による光子数が表面と裏面とで異なる効果を倍増させることができるという点である。
たとえば、第1透明部材415と第2透明部材416とを設けない場合に、発光層410から見た第1透明電極411の反射率が、発光層410から見た第2透明電極412の反射率よりも高い状態を考える。多重反射の結果、第2透明電極412の外側に出る光が第1透明電極411の外側に出る光よりも多くなる。第1透明電極411側に出る光L1と第2透明電極412側に出る光L2の割合がL1/L2=0.5であったとする。
第1透明電極411の外側に第1透明部材415として屈折率が1.1の材料を用い、第2透明部材416として屈折率が1.9の材料を設けた場合を考える。
材料としてガラス材料、樹脂材料、半導体酸化物、金属酸化物などが考えられるが、透明な材料であれば他にもゴム、液体、気体、ジェルなど任意の透明材料が用いられる。可視光で屈折率の高い媒質の例としてはTiO(屈折率2.5)があり、屈折率の低い材料の例としては中空シリカ微粒子を分散させた樹脂媒体(屈折率1.1)があげられる。この場合、式(20)に従って光子数の割合が変わる。結果として第1透明部材415の外部に出る光L’と第2透明部材16の外部に出る光L’との割合は、下記の式(21)のとおり、第2透明部材416側に強く偏らせることが可能になる。
Figure 0006859547
したがって、この電界発光素子400は、図24に示すように、第1透明部材415と第2透明部材416との屈折率を制御することで、第1透明電極411側に出る光と第2透明電極412側に出る光との割合について、第2透明部材416側に強く偏らせるとともに、電界発光素子400の透明性を保つことを可能としている。
なお、発光を偏らせる効果を強く出すためには、第1透明部材415と発光層410との間の距離が発光層における発光波長以下であり、第2透明部材416と発光層410との間の距離は上記発光層における発光波長以下であることが望ましい。このように構成することで、発光層で発生した光の近接場光のしみだし距離以内に第1透明部材と第2透明部材を配置でき、光の状態を第2透明部材側に偏らせる効果を出しやすくなる。
(下地層材料と屈折率との関係)
特開2015―60728号公報に「アルカリ金属またはアルカリ土類金属と酸素を含有して構成」として開示された材料や、特開2015−60717号公報に「縮合複素環化合物を含有し、当該縮合複素環化合物が窒素原子(N)と炭素原子(C)の数の比(N/C)の値が0.5以上の含窒素縮合環を分子内に有する」として開示された材料を用いることが望ましい。発光ピーク波長における屈折率は、1.7〜2.0であり、発光層の屈折率に近いために、余計なフレネル反射を生じにくい利点がある。
(照明装置500)
本実施の形態の電界発光素子を用いた照明装置500について、図25および図26を参照して説明する。なお、図25は、照明装置500の斜視図、図26は、照明装置500の縦断面図である。
この照明装置500は、本体筐体501と、照明対象物510を載置する載置領域520とを有する。載置領域520には、外窓用ガラス600Aが嵌め入れられている。この外窓用ガラス600Aには、上記した各電界発光素子を用いることが可能で、たとえば、図2Aから図2Cに示す電界発光素子100を用いた場合には、第2透明電極12および第2透明部材16側が、載置領域520側に面している。
この照明装置500は、たとえば、子供用のおもちゃ、食品(リンゴ等)等を展示するためのショーケースである。この照明装置500は、透明で片面側(載置領域520側)に偏った発光を実現し、消光時は透明なガラス板として機能する。
図25および図26に示すショーケースとしての照明装置500の場合には、内部の展示品のみに均一な柔らかい照明を実現する。また、展示品を見る人間側にはほとんど発光せず向こう側が透けて見えるので空間に拡がりを持たせることができる。
図25および図26では、ショーケースの窓として用いたが、透明な照明自体をショーケースに用いてもよい。この場合は上下左右に発光が均一な照明になり影のない展示品の照明が可能になる。また、ショーケースに限られず、たとえば、家、車の窓の照明装置としても用いることができる。
以上、本実施の形態における電界発光素子によれば、グリッド電極のある部分の光強度の角度分布(配光)を、正面強度が低く斜め強度が強くなるように構成している。このようにすることで、従来の構造に比較してグリッド電極上部の輝度を目立たなくし、全体として均一な正面方向の輝度を確保することを可能とする。
より好ましくは、片側の面に偏った発光を実現できると同時に、グリッド電極上の輝度低下割合をより少なくすることが可能になり、正面輝度効率を向上させることを可能とする。
より好ましくは、下地層を設けることで透明電極の平滑性を向上し、透過率の向上と同時に面抵抗の低減を図ることを可能とする。
より好ましくは、透明電極との屈折率差を調整することでフレネル反射を低減させ、透明性を向上させることを可能とする。
(眼鏡600)
図27は本実施の形態における電界発光素子を採用した眼鏡600である。眼鏡600のレンズ部に本実施の形態における透明で発光する電界発光素子が設けられている。また、眼鏡600のフレームを介して配線がなされ、配線は制御装置に接続されている。本実施の形態における電界発光素子を眼鏡に実施する際には、眼鏡の外部側の透明部材の屈折率を眼鏡の目側の透明部材の屈折率より高くすることにより発光を外部に偏らせるように構成することで、暗所で手元を見ながら作業をする際に視認側はまぶしくせずに外部を明るくできる効果が得られ作業性が改善できる。
また、グリッドのある面は内部の側が望まく、グリッドが目の側にあることで発光層から発光した光を外部に向けることができ、目のまぶしさを低減できる。また、特にグリッドを縞状に構成し、グリッドの間隔を可視光の中心波長550ナノメートル以下とし、グリッドの幅を可視光の中心波長550ナノメートル以下とすることで、グリッドがワイヤグリッド偏光子としての機能を有するように構成できる。
本実施の形態における電界発光素子を眼鏡に応用し、可視光の波長においてワイヤグリッド偏光子として機能するように構成し、グリッドの方向を水平面として構成することで、外部に偏って発光しかつサングラスをかけた人間はまぶしくないサングラスとして構成することができる。本実施の形態における電界発光素子を発光するサングラスとして機能させた場合、外部に発光しデザイン性に優れたサングラスを実現できる。
本実施の形態に従う電界発光素子においては、第1透明電極と、第2透明電極と、上記第1透明電極と上記第2透明電極とに挟まれた発光層と、上記第1透明電極に設けられるグリッド電極と、を備えている。
上記発光層から上記第2透明電極側に発光する光の空気で観測した輝度の30度以上の特定の角度θtにおける配光特性を、上記グリッド電極が設けられている領域と、上記グリッド電極が設けられていない領域とを比較した場合に、上記グリッド電極が設けられている領域の輝度の方が大きい。
他の形態においては、上記グリッド電極は、上記第1透明電極の上記発光層とは反対側の面に設けられている。
他の形態においては、上記グリッド電極は、上記第1透明電極の内部に設けられている。
他の形態においては、上記グリッド電極は、上記発光層側の面に設けられている。他の形態においては、上記グリッド電極上の上記発光層から上記第2透明電極側に発光する光の空気で観測した輝度の配光特性をDg(θ)とした場合に、30度以上の特定の角度θtにおいて、Dg(θt)>Dg(0)cos(θt)となる。
他の形態においては、上記第1透明電極の上記発光層とは反対側の面に設けられる第1透明部材と、上記第2透明電極の上記発光層とは反対側の面に設けられる第2透明部材と、をさらに備えている。
上記発光層から見た場合に、上記発光層と上記第1透明電極との界面の反射率が、上記発光層と上記第2透明電極との界面の反射率よりも高くなるように上記第1透明電極と上記第2透明電極の屈折率が選択され、上記第1透明部材の屈折率が上記第2透明部材の屈折率よりも低くなるように設けられており、上記第1透明部材と上記発光層との間の距離は上記発光層における発光波長以下であり、上記第2透明部材と上記発光層との間の距離は上記発光層における発光波長以下であり、上記第1透明部材と上記第2透明部材とは、それぞれの透明部材における光の波長以上の厚さを有する。
他の形態においては、上記第1透明部材、上記グリッド電極、上記第1透明電極の順に積層されており、上記グリッド電極と上記第1透明電極の間に上記第1透明電極の下地層が設けられている。
他の形態においては、上記下地層の屈折率が上記発光層の屈折率よりも低い。
以上、実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
10,410 発光層、10A 発光機能層、11,31,411 第1透明電極、12,412 第2透明電極、13 下地層、14 グリッド電極、15,415 第1透明部材、16,416 第2透明部材、21 第1透明電極b、22 第1透明電極a、23 光学バッファ層、24 封止層、25 接着層、26 封止基板、32 電子輸送層、33 第1光学バッファ層、34 第2光学バッファ層、100,100A,100B,100C,400 電界発光素子、500 照明装置、501 本体筐体、510 照明対象物、520 置領域、600 眼鏡、600A 外窓用ガラス。

Claims (8)

  1. 第1透明電極と、
    第2透明電極と、
    前記第1透明電極と前記第2透明電極とに挟まれた発光層と、
    前記第1透明電極に設けられるグリッド電極と、を備え、
    前記発光層から前記第2透明電極側に発光する光の空気で観測した輝度の30度以上の特定の角度θtにおける配光特性を、前記グリッド電極が設けられている領域と、前記グリッド電極が設けられていない領域とを比較した場合に、前記グリッド電極が設けられている領域の輝度の方が大きい、電界発光素子。
  2. 前記グリッド電極は、前記第1透明電極の前記発光層とは反対側の面に設けられている、請求項1に記載の電界発光素子。
  3. 前記グリッド電極は、前記第1透明電極の内部に設けられている、請求項1に記載の電界発光素子。
  4. 前記グリッド電極は、前記発光層側の面に設けられている、請求項1に記載の電界発光素子。
  5. 前記グリッド電極上の前記発光層から前記第2透明電極側に発光する光の空気で観測した輝度の配光特性をDg(θ)とした場合に、30度以上の特定の角度θtにおいて、Dg(θt)>Dg(0)cos(θt)となる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電界発光素子。
  6. 前記第1透明電極の前記発光層とは反対側の面に設けられる第1透明部材と、
    前記第2透明電極の前記発光層とは反対側の面に設けられる第2透明部材と、をさらに備え、
    前記発光層から見た場合に、
    前記発光層と前記第1透明電極との界面の反射率が、前記発光層と前記第2透明電極との界面の反射率よりも高くなるように前記第1透明電極と前記第2透明電極の屈折率が選択され、前記第1透明部材の屈折率が前記第2透明部材の屈折率よりも低くなるように設けられており、
    前記第1透明部材と前記発光層との間の距離は前記発光層における発光波長以下であり、
    前記第2透明部材と前記発光層との間の距離は前記発光層における発光波長以下であり、
    前記第1透明部材と前記第2透明部材とは、それぞれの透明部材における光の波長以上の厚さを有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電界発光素子。
  7. 前記第1透明部材、前記グリッド電極、前記第1透明電極の順に積層されており、
    前記グリッド電極と前記第1透明電極の間に前記第1透明電極の下地層が設けられている、請求項6に記載の電界発光素子。
  8. 前記下地層の屈折率が前記発光層の屈折率よりも低い、請求項7に記載の電界発光素子。
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