JP6858917B1 - ケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のケーソン掘削機同士の衝突を回避しつつ効率よく協調作業を行って作業室内全体の掘削計画を実行でき、土山を目的の場所に移動することができるケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法を提供する。【解決手段】ケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムにおいて、複数のケーソン掘削機(100)にそれぞれ搭載された複数の個別コンピュータ(C1〜C3)と、これらの複数の個別コンピュータから情報を集約するとともに、マッピングして各個別コンピュータに再分配する統合PC(C0)と、を備え、前記統合PCと前記個別コンピュータとを有線又は無線で相互通信可能に構成し、前記統合PC及び前記個別コンピュータのいずれかの記憶装置に、掘削地面の形状に関する情報である地盤情報を記憶し、当該地盤情報を前記統合PC及び前記個別コンピュータからアクセス可能にする。【選択図】図7

Description

本発明は、ケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法に関する。
従来、交通基盤構築に見られる橋脚基礎、地下トンネル、地下構造物などを構築するために、地下に広大な空間の確保が可能なニューマチックケーソン工法が用いられている。ニューマチックケーソン工法は、ケーソンと呼ばれる有底角筒状の鉄筋コンクリート製の函体を構築しつつ、高圧で地下水の浸入を排除して、ケーソンショベルを有する掘削機(以下単にケーソン掘削機ともいう。)を用いて底版下の地表面を掘削し、ケーソン自体を沈下させて構造物を地下に構築する空間を確保する工法である。
このようなニューマチックケーソン工法は、地下水の浸入を排除してドライな環境で掘削を行うため、有人操作の掘削機で掘削作業を行うと、人がケーソン底版下の高圧作業室から大気圧へ減圧する際に減圧症を発症するリスクがあり、危険であるという問題があった。
そこで、近年、ニューマチックケーソン工法は、地上から遠隔操作でケーソン掘削機を操作して掘削作業を行うことが主流となっている。また、さらに進んでオートメーション化してケーソン掘削機を自動運転で掘削作業を行うことも試みられている。
しかし、ケーソン掘削機の自動運転を実現するには、(1)複数のケーソン掘削機同士の動きが競合し、効率が落ちたり衝突事故が発生したりする、(2)ケーソン掘削機一台だけでは作業室内全体の掘削計画を立てることができない、(3)一台のケーソン掘削機だけでは可動範囲に制限があるため目的の場所に土山を移動させることができない、などの問題を解決する必要がある。
例えば、特許文献1には、本願出願人が提案した、センサ等により検出された走行体、ブーム及びバケットの位置、並びに前記作動指令に基づいて、走行体、ブーム及びバケットの予測作動軌跡を計算し、算出された予測作動軌跡が他の作業機の予測作動軌跡と重なる部分がないか否かを判定する衝突判定部を設けたケーソン掘削機が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0067]〜[0074]、図面の図4等参照)。
しかし、特許文献1に記載のケーソン掘削機の衝突判定部は、センサ等からの情報だけでなく、あくまでも遠隔操作装置12からの作業操作信号に基づいて、走行体110、ブーム130及びバケット152の予測作動軌跡を計算するものであった。このため、特許文献1に記載の発明は、ケーソン掘削機の自動運転にそのまま適用できるものではなく、前記3つの問題を解決することができるケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法が嘱望されている。
特開2018−111923号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、複数のケーソン掘削機同士の衝突を回避しつつ効率よく協調作業を行って作業室内全体の掘削計画を実行でき、土山を目的の場所に移動することができるケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法を提供することにある。
請求項1に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムは、自動運転で複数のケーソン掘削機により掘削作業を行う際のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムであって、複数のケーソン掘削機にそれぞれ搭載され、少なくとも各ケーソン掘削機の自動運転時の掘削軌跡を生成する複数の個別コンピュータと、これらの複数の個別コンピュータから少なくとも前記ケーソン掘削機の位置姿勢情報を集約するとともに、集約した前記位置姿勢情報から前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機の位置を特定し、ケーソンの作業室内の位置情報と整合してマッピングし各個別コンピュータに再分配して各ケーソン掘削機の行動計画を伝達する統合PCと、を備え、前記統合PCと前記個別コンピュータとは、有線又は無線で相互通信可能に構成され、前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機には、距離センサが搭載され、前記統合PC及び前記個別コンピュータのいずれかの記憶装置に、前記距離センサから得られた各ケーソン掘削機からの掘削地面までの距離情報に基づいて前記統合PCでマッピングされて統合された掘削地面の形状に関する地盤情報が記憶され、当該地盤情報が前記統合PC及び前記個別コンピュータからアクセス可能になっており、前記個別コンピュータは、前記距離情報を基に、土山の隣接する地点より高い地点である頂点の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の隣接する地点との高さの差が所定の基準値以下となる境界の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の安息角θの情報を少なくとも含む土山情報を算出し、前記記憶装置には、前記地盤情報に加え、複数の前記個別コンピュータから得られた前記土山情報が記憶されていることを特徴とする。
請求項に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムは、請求項1に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムにおいて、前記統合PCは、前記複数の個別コンピュータのいずれかで兼用されていることを特徴とする。
請求項に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムは、請求項1又は2に記載のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムにおいて、前記統合PC又は前記個別コンピュータは、前記距離センサから得られた距離情報をDEMデータに変換した上、土山を認識し、前記記憶装置に前記土山情報として記憶されていることを特徴とする。
請求項に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法は、自動運転で複数のケーソン掘削機により掘削作業を行う際のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法であって、複数のケーソン掘削機にそれぞれ搭載され、少なくとも各ケーソン掘削機の自動運転時の掘削軌跡を生成する複数の個別コンピュータと、これらの複数の個別コンピュータから情報を集約するとともに、集約した前記情報から前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機の位置を特定し、ケーソンの作業室内の位置情報と整合してマッピングし各個別コンピュータに再分配し、各ケーソン掘削機の行動計画を伝達する統合PCと、を設け、前記統合PCと前記個別コンピュータとを、有線又は無線で相互通信可能に構成し、前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機に、距離センサを搭載し、前記統合PC及び前記個別コンピュータのいずれかの記憶装置に、前記距離センサから得られた各ケーソン掘削機からの掘削地面までの距離情報に基づいて前記統合PCでマッピングされて統合された掘削地面の形状に関する地盤情報が記憶され、当該地盤情報が前記統合PC及び前記個別コンピュータからアクセス可能になっており、前記個別コンピュータにより、前記距離情報を基に、土山の隣接する地点より高い地点である頂点の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の隣接する地点との高さの差が所定の基準値以下となる境界の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の安息角θの情報を少なくとも含む土山情報を算出し、前記統合PC又は前記個別コンピュータは、前記地盤情報に複数の前記個別コンピュータから得られた前記土山情報を加えて共有することを特徴とする。
請求項に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法は、請求項に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法において、前記統合PC又は前記個別コンピュータは、前記距離センサから得られた距離情報をDEMデータに変換した上、土山を認識し、前記地盤情報に、前記土山情報を加えて共有することを特徴とする。
請求項1〜に係る発明によれば、複数のケーソン掘削機同士の衝突を回避しつつ効率よく協調作業を行って作業室内全体の掘削計画を実行でき、土山を目的の場所に移動することができる。
特に、請求項に係る発明及び請求項に係る発明によれば、機械学習等のための膨大なデータを用いることなく、土山を認識した上、複数のケーソン掘削機で協調作業を行って作業室内全体の掘削計画を実行でき、土山を目的の場所に移動することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機が用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備の一例を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機を示す斜視図である。 図3は、同上のケーソンショベルに制御装置として搭載された個別コンピュータのセンサ及び制御系統を主に示すブロック図である。 図4は、作業室内を表すDEMデータから頂点判定及び境界判定を行う方法を示す模式図である。 図5は、DEMデータの標高断面図から境界と判定する場合を示す模式図である。 図6は、DEMデータの標高断面図から境界と判定する他の場合を示す模式図である。 図7は、本発明の実施形態に係る情報共有システムの概略を模式的に示す構成説明図である。 図8は、変形例に係る情報共有システムの概略を模式的に示す構成説明図である。 図9は、土山掘削アルゴリズムを示すフローチャートである。
以下、本発明に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[ケーソンの主要設備]
先ず、図1を用いて、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムを構成するケーソン掘削機及びニューマチックケーソン工法の主要設備について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機が用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備の一例を示す図である。
図1に示すように、ニューマチックケーソン工法は、掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3、送気設備E4及び予備・安全設備E5を用いて、鉄筋コンクリート製の有底角筒状の函体であるケーソン1を地中に沈下させていくことにより、地下構造物を構築する工法である。
掘削設備E1は、例えば、ケーソン掘削機(以下、ケーソンショベル100という)と、土砂自動積込装置11と、地上遠隔操作室13とを備える。ケーソンショベル100は、ケーソン1の底板下に位置する作業室2内に設置される。土砂自動積込装置11は、ケーソンショベル100により掘削された土砂を円筒状のアースバケット31に積み込む。地上遠隔操作室13は、ケーソンショベル100の作動を地上から遠隔操作する遠隔操作装置12を備える。
艤装設備E2は、例えば、マンシャフト21と、マンロック22(エアロック)と、マテリアルシャフト23と、マテリアルロック24(エアロック)とを備える。マンシャフト21は、作業者が作業室2へ出入りするために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状の通路であり、例えば、螺旋階段25が設けられている。マンロック22は、マンシャフト21に設けられ地上の大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。
マテリアルシャフト23は、主に、土砂自動積込装置11により土砂が積み込まれたアースバケット31を地上に運び出すために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状の通路であり、材料等を搬出入するための資材搬入路となっている。マテリアルロック24は、マテリアルシャフト23に設けられた地上の大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マンロック22及びマテリアルロック24は、作業室2内の気圧が変化することを抑えて作業者やアースバケット31を作業室2へ出入りさせることが可能になるように構成されている。
排土設備E3は、例えば、アースバケット31と、キャリア装置32と、土砂ホッパー33とを備える。アースバケット31は、ケーソンショベル100により掘削された土砂が積み込まれる有底円筒状の容器である。キャリア装置32は、アースバケット31を、マテリアルシャフト23を介して地上まで引き上げて運び出す装置である。土砂ホッパー33は、アースバケット31及びキャリア装置32により地上に運び出された土砂を一時的に貯めておく設備である。
送気設備E4は、例えば、空気圧縮機42と、空気清浄装置43と、送気圧力調整装置44と、自動減圧装置45とを備える。空気圧縮機42は、送気管41及びケーソン1に形成された送気路3を介して作業室2内に圧縮空気を送る装置である。空気清浄装置43は、空気圧縮機42により送り込む圧縮空気を浄化する装置である。送気圧力調整装置44は、作業室2内の気圧が地下水圧と略等しくなるように空気圧縮機42から作業室2内へ送る圧縮空気の量(圧力)を調整する装置である。自動減圧装置45は、マンロック22内の気圧を減圧する装置である。
予備・安全設備E5は、例えば、非常用空気圧縮機51と、ホスピタルロック53とを備える。非常用空気圧縮機51は、空気圧縮機42の故障又は点検などの時に空気圧縮機42に代わって作業室2内に圧縮空気を送ることが可能な装置である。ホスピタルロック53は、作業室2内で作業を行った作業者が入り、当該作業者の身体を徐々に大気圧に慣らしていくための減圧室である。
[ケーソン掘削機]
次に、図2,図3を用いて、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機であるケーソンショベル100について説明する。図2は、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機であるケーソンショベル100を示す斜視図であり、図3は、ケーソンショベル100に制御装置として搭載された個別コンピュータのセンサ及び制御系統を主に示すブロック図である。
ケーソンショベル100は、図2に示すように、走行体110と、ブーム130と、バケットアタッチメント150と、を備える。走行体110は、作業室2の天井部に設けられた左右一対の走行レール4に取り付けられ、左右の走行レール4に懸下された状態で走行レール4に沿って走行移動する。ブーム130は、走行体110の旋回フレーム121に上下方向に揺動可能に枢結される。バケットアタッチメント150は、ブーム130の先端部に取り付けられる。
走行体110は、走行フレーム111と、旋回フレーム121と、走行ローラ113とを備える。旋回フレーム121は、走行フレーム111の下面側に旋回自在に設けられる。走行ローラ113は、走行フレーム111の上面側前後に、設けられている前後左右の4個のローラである。走行体110は、前後左右の走行ローラ113を回転駆動させて左右の走行レール4に沿って走行移動するように構成されている。
ブーム130は、基端ブーム131と、先端ブーム132と、伸縮シリンダ133と、起伏シリンダ134と、を備える。基端ブーム131は、旋回フレーム121に起伏自在(上下方向に揺動自在)に取り付けられる。先端ブーム132は、基端ブーム131に入れ子式に組み合わされて、突没自在に構成されている。伸縮シリンダ133は、基端ブーム131内に設けられている。起伏シリンダ134は、基端ブーム131の左右に2個設けられている。ブーム130は、伸縮シリンダ133を伸縮させると、基端ブーム131に対して先端ブーム132が長手方向に移動し、これによりブーム130が伸縮するように構成されている。一対の起伏シリンダ134の基端部は基端ブーム131の左右側部にそれぞれ回動自在に取り付けられている。
バケットアタッチメント150は、ベース部材151と、バケット152と、バケットシリンダ153と、を備える。ベース部材151は、先端ブーム132に取り付けられる。バケット152は、ベース部材151の先端部に上下揺動自在に取り付けられる。バケットシリンダ153は、ベース部材151に対してバケット152が上下揺動自在に構成されている。
コントロールユニット165は、図3に示すように、メインコントローラ165aと、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとを備える。メインコントローラ165aは、遠隔操作装置12からの操作信号を受けて、その操作信号に応じた駆動制御信号を出力する。走行体用コントローラ165bは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、走行体110を駆動させるように構成されている。メインコントローラ165a及び走行体用コントローラ165bは、走行体110の旋回フレーム121に配設されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、ブーム130及びバケットアタッチメント150を駆動させるように構成されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、ブーム130の基端ブーム131の側部に配設されている。
(センサ類)
ケーソンショベル100は、図3に示すように、走行体位置センサ201と、旋回角度センサ202と、ブーム起伏角度センサ203と、ブーム伸長量センサ204と、バケット揺動角度センサ205と、外界センサ206と、を備える。走行体位置センサ201は、走行体110が走行レール4の何処の位置に位置しているかを検出する。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回角度を検出する。ブーム起伏角度センサ203は、旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度を検出する。ブーム伸長量センサ204は、ブーム130の伸長量を検出する。バケット揺動角度センサ205は、ブーム130(バケットアタッチメント150のベース部材151)に対するバケット152の揺動角度を検出する。外界センサ206は、走行体110に設けられて作業室2内の掘削地面までの距離、地面の形状などの情報を取得する。
走行体位置センサ201は、走行体110の走行フレーム111に配設されたレーザセンサによって構成された走行距離計である。走行体位置センサ201は、レーザ光を走行レール4の端部(もしくは作業室2の壁部)に向けて照射して走行レール4の端部(もしくは作業室2の壁部)において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。走行体位置センサ201は、この時間に基づいて走行レール4の端部(もしくは作業室2の壁部)から走行体110までの距離を検出する。
旋回角度センサ202は、走行体110の旋回フレーム121に配設された光学式のロータリーエンコーダによって構成された旋回エンコーダである。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回量を電気信号に変換する。旋回角度センサ202は、その信号を演算処理して旋回フレーム121の旋回角度(旋回方向及び位置)を検出する。なお、走行体位置センサ201及び旋回角度センサ202は一例を説明したもので、走行体の二次元的な位置を検出する他のセンサ、旋回フレーム121の旋回角度を検出する他のセンサをそれぞれ用いてもよい。
ブーム起伏角度センサ203は、起伏シリンダ134のシリンダボトムの側部に配設されたレーザセンサによって構成されたダンプ距離計である。ブーム起伏角度センサ203は、レーザ光を旋回フレーム121に向けて照射して旋回フレーム121において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム起伏角度センサ203は、この時間に基づいて起伏シリンダ134の伸長量を検出し、その起伏シリンダ134の伸長量に基づいて旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度(起伏位置)を検出する。ブーム起伏角度センサ203も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりブーム130の起伏角を直接検出する他のセンサを用いてもよい。
ブーム伸長量センサ204は、ブーム130の基端ブーム131に配設されたレーザセンサによって構成されたブーム距離計である。ブーム伸長量センサ204は、レーザ光を先端ブーム132の先端部に取り付けられたバケットアタッチメント150のベース部材151に向けて照射してベース部材151において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム伸長量センサ204は、この時間に基づいてブーム130の伸長量(基端ブーム131に対する先端ブーム132の伸長量)を検出する。ブーム伸長量センサ204も一例を説明したものであり、ブーム伸縮とともに伸縮するケーブルの伸長量を直接測定する他のセンサを用いてもよい。
バケット揺動角度センサ205は、バケットシリンダ153の油路に配設された流量センサによって構成されたバケット流量計である。バケット揺動角度センサ205は、バケットシリンダ153に供給される作動油の流量を検出し、その流量の積分値を算出する。バケット揺動角度センサ205は、この流量積分値に基づいてバケットシリンダ153のピストンロッドの伸長量を求め、そのバケットシリンダ153の伸長量に基づいて、バケットアタッチメント150のベース部材151(ブーム130)に対するバケット152の揺動角度(揺動位置)を検出する。バケット揺動角度センサ205も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりバケット152の揺動角度を直接検出他のセンサや、レーザセンサによりバケットシリンダ153の伸長量を求める他のセンサを用いてもよい。
外界センサ206は、走行体110の旋回フレーム121に配設されたRGB‐Dセンサ(LiDAR:Light Detection and Ranging)によって構成された地盤計測計である。外界センサ206は、掘削地面のRGB画像(カラー画像)及び距離画像を取得し、それらの画像に基づいて掘削地面までの距離情報及び掘削地面のDEMデータを取得する。外界センサ206は、RGB‐Dセンサの他の例として、ステレオカメラや超音波距離計、レーザセンサなど各ケーソンショベル100からの掘削地面までの距離情報を取得可能な他の距離センサを用いてもよい。
(個別コンピュータ)
走行体位置センサ201、旋回角度センサ202、ブーム起伏角度センサ203、ブーム伸長量センサ204、バケット揺動角度センサ205及び外界センサ206により検出されたそれぞれの情報は、コントロールユニット165のメインコントローラ165aに送信される。ケーソンショベル100に搭載された個別コンピュータ内のメインコントローラ165aは、走行体位置測定部211と、バケット位置測定部212と、DEMデータ算出部213と、頂点判定部214と、土山境界判定部215と、安息角算出部216と、を備える。
図3に示すように、走行体位置測定部211は、走行体位置センサ201により検出された走行レール4の端部(若しくは作業室2の壁部)から走行体110までの距離情報と、当該走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報(この情報は、走行体110が取り付けられた走行レール4の情報であり、走行体110が取り付けられたときに走行体位置測定部211に設定される)とを用いて、走行体110が作業室2内の何処に位置しているかを算出する。また、走行体位置センサ201による距離情報の検出を周囲複数箇所に対して検出することにより走行体110の天井内における二次元的な位置(走行体110の向きを含む位置)を検出してもよい。
バケット位置測定部212は、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回角度(旋回方向及び位置)と、ブーム起伏角度センサ203により検出された旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度(起伏位置)と、ブーム伸長量センサ204により検出されたブーム130の伸長量と、バケット揺動角度センサ205により検出されたブーム130に対するバケット152の揺動角度(揺動位置)とを用いて、走行体110の走行フレーム111に対するバケット152の位置を算出する。
DEMデータ算出部213は、走行体位置測定部211により求められた作業室2内における走行体110の位置と、及び旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回角度(旋回方向及び位置)とを用いて、旋回フレーム121に設けられた外界センサ206の位置と、外界センサ206により距離情報を取得する方向と、を特定する。
そして、外界センサ206から得られる距離情報を掘削地面の表面形状を表すDEMデータとして算出する。ここで、DEM(数値標高モデル:Digital Elevation Model)データとは、作業室2内の地表面を平面視で等間隔の正方形(ビットマップ)に区切り、それぞれの正方形に2次元の位置情報と中心点の高さ情報を持たせたデータを指している。
頂点判定部214は、DEMデータ算出部213で算出したDEMデータから土山の頂点を判定する。具体的には、図4に示すように、頂点判定部214は、DEMデータの正方形に区切った対象ピクセルの高さ情報と、そのピクセルと隣接する8つのピクセルの高さ情報と、を比較し、対象ピクセルが高ければそのピクセルが頂点と判定する。図4は、作業室2内を表すDEMデータから頂点判定及び境界判定を行う方法を示す模式図である。X方向は、作業室2内の長辺方向を示し、Y方向は、X方向と直交する短辺方向を示す。また、Z方向は、上下方向を示す(以下同じ)。
頂点判定部214は、前述の判定作業をDEMデータの各ピクセルに対して端から順次全ピクセルに対して行う。但し、本実施形態に係る頂点判定部214は、網掛け部で示す作業室2内の傾斜面である刃口廻り領域は、頂点判定を行わない。刃口廻り領域の掘削は、ケーソン1の沈下及び傾斜に直結する安全上極めて重要な作業であり、刃口廻り領域は、現状ではケーソン掘削機の自動運転による掘削の対象領域と考えていないからである。刃口廻り領域は、予め設定してもよいし、傾斜角度(例えば、15°以上)から刃口廻り領域と判定してもよい。
土山境界判定部215は、図4に示すように、頂点判定部214で頂点と判定したピクセルから矢印で示す放射状の例えば8方向に順次ピクセル内の高さ情報を比較して照査して行く。但し、照査する方向は、4方向や16方向など放射状であれば何方向でもかまわない。具体的には、土山境界判定部215は、図5に示すように、隣接するピクセル同士の高さの差が例えば10mm以下など地盤や掘削状況に合わせた所定の基準値以下となった場合に土山の境界と判定する。なお、この所定の基準値は、例えばDEMの格子の密度と地質の理想安息角などから求められる。図5は、DEMデータの標高断面図から境界と判定する場合を示す模式図である。
但し、土山境界判定部215は、図6に示すように、判定するピクセルが刃口廻り領域に達した場合は、隣接するピクセル同士の高さ差が所定の基準値以下となっているか否かにかかわらず、その手前のピクセルを土山の境界と判定する。図6は、DEMデータの標高断面図から境界と判定する他の場合を示す模式図である。
安息角算出部216は、図5,図6に示すように、頂点判定部214で頂点と判定したピクセルの高さ情報(Z方向の座標)及び位置情報(X方向の座標とY方向の座標)と、土山境界判定部215で境界と判定したピクセルの高さ情報及び位置情報と、から両ピクセルの中心点の水平距離と垂直距離を割り出して安息角θを算出する。
[情報共有システム]
次に、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム10(以下、単に情報共有システムともいう)について説明する。ケーソン掘削機を自動運転するためには、各ケーソン掘削機からの掘削地面までの距離情報に基づいた掘削地面の形状に関する情報である地盤情報(後述の土山情報を含む)や実行中の行動を把握・統合する必要がある。そこで、本実施形態に係る情報共有システムでは、前述のように、ケーソン掘削機であるケーソンショベル100には、1台につき1台の個別コンピュータ(C1〜C3)が割り当てられ、それらのコンピュータからの情報を統合する統合PCであるマザーコンピュータC0を図1の地上遠隔操作室13に備えている。
そして、図7に示すように、ケーソンショベル100の個別コンピュータC1〜C3,・・・は、マザーコンピュータC0と有線又は無線で相互通信可能に構成されている。図7は、本発明の実施形態に係る情報共有システム10の概略を模式的に示す構成説明図である。個別コンピュータC1〜C3及びマザーコンピュータC0は、それぞれ、演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、RAM、ROM、EPROM、EEPROMなどの記憶装置、入力装置、及び出力装置を備えた一般的な市販のコンピュータである。
(統合PC:マザーコンピュータ)
統合PCであるマザーコンピュータC0は、個別コンピュータC1〜C3,・・・からの情報を集約し、マッピングしてそれらの情報を個別コンピュータC1〜C3,・・・へ再分配する。また、マザーコンピュータC0は、入力装置により入力された作業命令、作業範囲の変更、ケーソンショベル100の自動・手動運転(遠隔操作)の切替、などの各ケーソンショベル100の行動計画を個別コンピュータC1〜C3,・・・へ通達する。
情報共有システム10、即ち、マザーコンピュータC0と個別コンピュータC1〜C3,・・・で共有する情報は、走行体位置測定部211と、バケット位置測定部212と、DEMデータ算出部213と、頂点判定部214と、土山境界判定部215と、安息角算出部216と、から得られた情報、走行体位置センサ201、旋回角度センサ202、ブーム起伏角度センサ203、ブーム伸長量センサ204、バケット揺動角度センサ205、外界センサ206など、の各種センサかれ得られた情報、及びコントローラを介して得られた情報など、が含まれ得る(図3参照)。
具体的には、マザーコンピュータC0は、各個別コンピュータC1〜C3,・・・から伝達された各ケーソンショベル100のセンサ類から得られる情報を統合し、共有する情報として、全ケーソンショベル100の位置、姿勢、速度等を記憶装置に記憶する。これらの共有する情報は、各個別コンピュータC1〜C3,・・・からアクセス可能となっている。
情報共有システム10で共有する情報には、頂点判定部214で得られた頂点の3次元情報、土山境界判定部215で得られた土山の境界の3次元情報、安息角算出部216で得られた土山の安息角θの情報、を有する土山情報を含むことが好ましい。ケーソン掘削機の複数協調作業を自動で行う場合において、不可欠な情報だからである。
但し、土山情報は、土山の頂点の3次元情報、土山の境界の3次元情報、安息角θの情報を含んでいれば、前述の頂点判定部214、土山境界判定部215、安息角算出部216で述べた判定・算出方法に限られない。他の判定・算出方法で得られた場合でも自動でケーソン掘削機の複数協調作業を行うことが可能だからである。
また、情報共有システム10で共有する情報には、DEMデータ算出部213で得られたDEMデータを含むことが好ましい。作業室2内の掘削地面の形状を把握する上、必要だからである。但し、RGB‐Dセンサ(LiDAR:Light Detection and Ranging)などの距離センサによって得られた距離画像の情報から、エッジ検出で土山の位置と角度を算出してもよい。また、距離画像の1ピクセルに該当する三次元の点の集合である点群から直接、隣接点との高さ座標比較による頂点検索で土山の位置と角度を算出することもできる。その他、距離画像の点群からポリゴンに近似して、隣接面とのなす角を比較して頂点検索して土山の位置と角度を算出することもできる。要するに、RGB‐Dセンサなどの距離センサによって得られた距離画像の情報から土山の位置と角度を算出することができればどのような手法であっても構わない。
さらに、情報共有システム10で共有する情報には、各に設けた圧力センサからの情報を基に、マザーコンピュータC0で地盤の固さや地盤反力を示す反力マップを作成して共有してもよい。ケーソンショベル100の自動運転の行動計画を立案する際に有用だからである。
それに加え、情報共有システム10で共有する情報には、岩石の位置・大きさ、水溜まりの位置・大きさ、故障したケーソンショベル100の位置、などの障害物情報を含ませもよい。ケーソンショベル100の自動運転の作業範囲を決定する際に有用だからである。
さらに、情報共有システム10で共有する情報には、ケーソンショベル100の位置姿勢情報を含むことが好ましい。ケーソンショベル100を自動運転する際に有用な情報だからである。ケーソンショベル100の位置・姿勢情報は、走行体位置センサ201や旋回角度センサ202から得られる情報、又は作業室2内に設置されたカメラ映像(ケーソンショベル100に搭載、作業室2の天井に設置など、カメラの設置位置は問わない)から得られる情報など、である。
また、情報共有システム10のマザーコンピュータC0は、各個別コンピュータC1〜C3,・・・から伝達された各ケーソンショベル100のセンサ類から得られる情報を基に、各ケーソンショベル100の位置を特定し、作業室2内の位置情報と整合してマッピングする。
そして、マザーコンピュータC0は、前記土山情報と各ケーソンショベル100の位置に基づき、各ケーソンショベル100にどの土山を掘削させるかを割り当て、土山の位置と高さ、及び土山の安息角などの土山情報を与える。このとき、マザーコンピュータC0は、各ケーソンショベル100の位置から作業半径が重ならないように、各ケーソンショベル100にどの土山を掘削するかを割り当てることも可能である。
但し、各個別コンピュータC1〜C3,・・・は、各ケーソンショベル100の自動運転時の掘削軌跡を生成するとともに、情報共有システム10は、いずれかの記憶装置にその掘削軌跡を記憶し共有する。各ケーソンショベル100の自動運転時の掘削軌跡を共有することにより、掘削軌跡が重なる場合は、掘削軌跡が重なるケーソンショベル100のいずれかを後述のウェイティングモードとすることが可能となる。これにより、作業半径が重なるケーソンショベル100の一方を停止させるより、近接する複数のケーソンショベル100の稼働率を上げることができ、複数のケーソン掘削機同士の衝突を回避しつつ効率よく協調作業を行って作業室2内全体の掘削計画(作業計画)を実行することができる。
なお、掘削計画(作業計画)は、マザーコンピュータC0の入力装置から担当者が入力する。例えば、土山を移動させる場合は、作業室2内における土の排出先であるマテリアルシャフト23の近傍、又は、マテリアルシャフト23の平面位置(X方向、Y方向の位置)と掘削対象の土山の平面位置とを結んだ直線上に土山の移動目的位置を設定して入力する。これにより、土山の移動目的位置が共有され、マザーコンピュータC0が、その移動目的位置が作業半径内にあるか、又は、その移動目的位置近傍まで移動可能なケーソンショベル100を選定し、作業する土山を割り当てた各個別コンピュータC1〜C3,・・・に通達する。勿論、土山の移動目的位置は、設定アルゴリズムに基づいてマザーコンピュータC0が自動で設定できるようにすることが好ましい。
[変形例に係る情報共有システム]
図8は、変形例に係る情報共有システム10’の概略を模式的に示す構成説明図である。図8に示すように、情報共有システム10の変形例に係る情報共有システム10’として、ケーソンショベル100の個別コンピュータC1〜C3,・・・のうちの1つとマザーコンピュータC0とが、有線又は無線で相互通信可能に構成され、個別コンピュータC1〜C3,・・・間で情報を共有する構成としてもよい。マザーコンピュータC0にかかる負荷を分散するためである。具体的には、ケーソンショベル100の個別コンピュータC1〜C3,・・・の記憶装置にあるデータを相互にアクセス可能にする。なお、マザーコンピュータC0を地上に設けず、ケーソンショベル100に搭載する個別コンピュータの1つをマザーコンピュータとしてもよい。
[ケーソン掘削機の複数協調作業]
次に、図9を用いて、前述の情報共有システム10によりケーソン掘削機で複数協調作業を自動で行う場合を具体的に説明する。複数のケーソン掘削機による協調作業として土山掘削アルゴリズムを用いて土山を自動で掘削する場合を例示して説明する。図9は、土山掘削アルゴリズムを示すフローチャートである。
本土山掘削アルゴリズムは、情報共有システム10で共有する土山情報を基に、マザーコンビユータC0が、どの土山をどのケーソンショベル100が掘削するかを割り当てるとともに、割り当てられた土山を複数のケーソンショベル100が所定の高さ以下になるまで自動で掘削を行う土山掘削アルゴリズムである。
(1.マッピングモード:Mapping mode)
図9に示すように、本実施形態に係る土山掘削アルゴリズムでは、先ず、マッピングモードを行う。本マッピングモードでは、各個別コンピュータC1〜C3,・・・のDEMデータ算出部213、頂点判定部214、土山境界判定部215、安息角算出部216から得られたDEMデータ及び土山情報を基に、マザーコンビユータC0が作業室2全体の位置情報と整合させてマッピングするとともに、土山を認識するモードである。
本マッピングモードでは、各ケーソンショベル100に搭載された個別コンピュータC1〜C3,・・・で掘削地面のDEMデータから土山を認識するとともに、マザーコンピュータC0では、複数のケーソンショベル100に搭載されたコンピュータからのDEMデータ及び土山の情報を統合し、入力された作業計画に基づいて各ケーソンショベル100にどの土山を掘削させるかを割り当て、土山の位置と高さ、及び土山の安息角などの土山情報を与える。
なお、土山を認識する具体的な方法は、頂点判定部214、土山境界判定部215、及び安息角算出部216で述べた通りである。しかし、頂点判定部214、土山境界判定部215、及び安息角算出部216は、個別コンピュータC1〜C3,・・・にそれぞれ設けるのではなく、マザーコンビユータC0にだけ設けてもよい。つまり、マザーコンビユータC0が、各ケーソンショベル100のセンサ類からのセンシング情報を受け、前述のように、頂点の3次元情報、土山の境界の3次元情報、土山の安息角θの情報を、解析・算出するようにしても構わない。
(2.ムービングモード:Moving mode)
図9に示すように、本実施形態に係る土山掘削アルゴリズムでは、次に、ムービングモードを行う。本ムービングモードでは、マザーコンピュータC0からの指令により、各ケーソンショベル100は、割り当てられた土山を掘削可能な位置まで走行レール4上を走行体110で走行して移動するとともに、旋回フレーム121を駆動して走行体110を土山に向く方向まで旋回する。
(3.エクスキャバティングモード:Excavating Mode)
図9に示すように、本実施形態に係る土山掘削アルゴリズムでは、次に、エクスキャバティングモードを行う。本エクスキャバティングモードは、マザーコンピュータC0を介して各ケーソンショベル100に割り当てられた土山を実際にその土山の高さに応じた掘削軌跡で掘削するモードである。本モードの終了条件は、ブーム130の揺動角度が0°近傍の姿勢を取ることである。
(4.ソイルリムービングモード:Soil removing mode)
図9に示すように、本実施形態に係る土山掘削アルゴリズムでは、次に、ソイルリムービングモードを行う。本ソイルリムービングモードでは、エクスキャバティングモードで土山を掘削した後、マザーコンビユータC0で指定された作業計画に基づく排土位置に移動し、バケットアタッチメント150を駆動してバケット152内の土を排土するか、又はバースバケットへ積み込む。本モードの終了条件は、排土後、ブーム130、バケット152が0°近傍の姿勢を取ることである。なお、排土位置は、マザーコンビユータC0に入力装置を介して入力された位置である。
(5.マッピングモード:Mapping mode)
図9に示すように、本実施形態に係る土山掘削アルゴリズムでは、次に、再度マッピングモードを行い、DEMデータ及び土山情報を基に、掘削対象の土山を再度認識する。
(6.分岐条件1)
図9に示すように、本実施形態に係る土山掘削アルゴリズムでは、次に、分岐条件1として、掘削対象の土山の高さが40cm以下の場合、次の分岐条件2の判定に移り、掘削対象の土山の高さが40cmを超える場合は、前述のエクスキャバティングモードに移行し、土山の高さに応じた掘削軌跡で掘削する。
(7.分岐条件2)
図9に示すように、分岐条件2は、次に掘削を行う土山がマザーコンピュータC0から当該ケーソンショベル100に搭載された個別コンピュータ(C1,・・・)に割り当てられているか否かである。
つまり、次に掘削を行う土山がマザーコンピュータC0から当該個別コンピュータに割り当てられている場合は、前述のムービングモードに移行し、再度、エクスキャバティングモード、ソイルリムービングモードを繰り返す。一方、次に掘削を行う土山がマザーコンピュータC0から当該個別コンピュータに割り当てられていない場合は、次のウェイティングモードへ移行する。
(8.ウェイティングモード:Waiting mode)
ウェイティングモードは、マザーコンピュータC0から新たに掘削を行う土山が割り当てられるまで、動作せずに待機するモードである。分岐条件2で次に掘削を行う土山がマザーコンピュータC0から当該個別コンピュータに割り当てられた場合は、前述のように、ムービングモードに移行し、再度、エクスキャバティングモード、ソイルリムービングモードを繰り返す。
以上説明したケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法によれば、複数のケーソン掘削機同士の衝突を回避しつつ効率よく協調作業を行って作業室内全体の掘削計画を実行でき、土山を目的の場所に移動することができる。
以上、本発明の実施形態に係るケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム及び情報共有方法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1:ケーソン
2:作業室
3:送気路
4:走行レール
10,10’:情報共有システム
C0:マザーコンピュータ(統合PC)
C1〜C3:個別コンピュータ
11:土砂自動積込装置
12:遠隔操作装置
13:地上遠隔操作室
21:マンシャフト
22:マンロック
23:マテリアルシャフト
24:マテリアルロック
25:螺旋階段
31:アースバケット
32:キャリア装置
33:土砂ホッパー
41:送気管
42:空気圧縮機
43:空気清浄装置
44:送気圧力調整装置
45:自動減圧装置
51:非常用空気圧縮機
53:ホスピタルロック
100:ケーソンショベル(ケーソン掘削機)
110:走行体
111:走行フレーム
113:走行ローラ
121:旋回フレーム
130:ブーム
131:基端ブーム
132:先端ブーム
133:伸縮シリンダ
134:起伏シリンダ
150:バケットアタッチメント
151:ベース部材
152:バケット
153:バケットシリンダ
165:コントロールユニット
165a:メインコントローラ
165b:走行体用コントローラ
165c:バケット用コントローラ
201:走行体位置センサ
202:旋回角度センサ
203:ブーム起伏角度センサ
204:ブーム伸長量センサ
205:バケット揺動角度センサ
206:外界センサ
211:走行体位置測定部
212:バケット位置測定部
213:DEMデータ算出部
214:頂点判定部
215:土山境界判定部
216:安息角算出部
E1:掘削設備
E2:艤装設備
E3:排土設備
E4:送気設備
E5:安全設備

Claims (5)

  1. 自動運転で複数のケーソン掘削機により掘削作業を行う際のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システムであって、
    複数のケーソン掘削機にそれぞれ搭載され、少なくとも各ケーソン掘削機の自動運転時の掘削軌跡を生成する複数の個別コンピュータと、これらの複数の個別コンピュータから少なくとも前記ケーソン掘削機の位置姿勢情報を集約するとともに、集約した前記位置姿勢情報から前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機の位置を特定し、ケーソンの作業室内の位置情報と整合してマッピングし各個別コンピュータに再分配して各ケーソン掘削機の行動計画を伝達する統合PCと、を備え、
    前記統合PCと前記個別コンピュータとは、有線又は無線で相互通信可能に構成され、
    前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機には、距離センサが搭載され、
    前記統合PC及び前記個別コンピュータのいずれかの記憶装置に、前記距離センサから得られた各ケーソン掘削機からの掘削地面までの距離情報に基づいて前記統合PCでマッピングされて統合された掘削地面の形状に関する地盤情報が記憶され、当該地盤情報が前記統合PC及び前記個別コンピュータからアクセス可能になっており、
    前記個別コンピュータは、前記距離情報を基に、土山の隣接する地点より高い地点である頂点の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の隣接する地点との高さの差が所定の基準値以下となる境界の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の安息角θの情報を少なくとも含む土山情報を算出し、
    前記記憶装置には、前記地盤情報に加え、複数の前記個別コンピュータから得られた前記土山情報が記憶されていること
    を特徴とするケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム。
  2. 前記統合PCは、前記複数の個別コンピュータのいずれかで兼用されていること
    を特徴とする請求項1に記載のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム。
  3. 前記統合PC又は前記個別コンピュータは、前記距離センサから得られた距離情報をDEMデータに変換した上、土山を認識し、前記記憶装置に前記土山情報として記憶されていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有システム。
  4. 自動運転で複数のケーソン掘削機により掘削作業を行う際のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法であって、
    複数のケーソン掘削機にそれぞれ搭載され、少なくとも各ケーソン掘削機の自動運転時の掘削軌跡を生成する複数の個別コンピュータと、これらの複数の個別コンピュータから情報を集約するとともに、集約した前記情報から前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機の位置を特定し、ケーソンの作業室内の位置情報と整合してマッピングし各個別コンピュータに再分配し、各ケーソン掘削機の行動計画を伝達する統合PCと、を設け、
    前記統合PCと前記個別コンピュータとを、有線又は無線で相互通信可能に構成し、
    前記複数のケーソン掘削機の各ケーソン掘削機に、距離センサを搭載し、
    前記統合PC及び前記個別コンピュータのいずれかの記憶装置に、前記距離センサから得られた各ケーソン掘削機からの掘削地面までの距離情報に基づいて前記統合PCでマッピングされて統合された掘削地面の形状に関する地盤情報が記憶され、当該地盤情報が前記統合PC及び前記個別コンピュータからアクセス可能になっており、
    前記個別コンピュータにより、前記距離情報を基に、土山の隣接する地点より高い地点である頂点の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の隣接する地点との高さの差が所定の基準値以下となる境界の高さ情報及び位置情報からなる3次元情報、土山の安息角θの情報を少なくとも含む土山情報を算出し、
    前記統合PC又は前記個別コンピュータは、前記地盤情報に複数の前記個別コンピュータから得られた前記土山情報を加えて共有すること
    を特徴とするケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法。
  5. 前記統合PC又は前記個別コンピュータは、前記距離センサから得られた距離情報をDEMデータに変換した上、土山を認識し、前記地盤情報に、前記土山情報を加えて共有すること
    を特徴とする請求項に記載のケーソン掘削機の複数協調作業のための情報共有方法。
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