JP6858575B2 - ナルフラフィン含有口腔内崩壊錠 - Google Patents

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Description

本発明は、ナルフラフィン含有口腔内崩壊錠に関する。特に、本発明は、各種条件下で保存した後であっても安定性の高いナルフラフィン含有口腔内崩壊錠に関する。
ナルフラフィン((2E)-N-[(5α,6β)-17-(cyclopropylmethyl)- 3,14-dihydroxy-4,5-epoxymorphinan- 6-yl]- 3-(3-furyl)- N-methylacrylamide)は、そう痒症を改善するオピオイドκ受容体選択的作動薬である。
マウスを用いた非臨床試験において、ナルフラフィンはヒスタミン、サブスタンスP、およびモルヒネによる痒みに対して抑制作用を示す。このため抗ヒスタミン薬など既存薬が無効な痒みにも効果を示す新しい作用機序を有するそう痒改善薬として有用である。実際、血液透析患者および慢性肝疾患患者におけるそう痒症改善薬として東レ株式会社よりレミッチ(登録商標)カプセル(REMITCH(登録商標))が販売されている(非特許文献1、特許文献1)。また特許文献2には、ナルフラフィン含有錠剤が開示されている。
さらに利便性の向上した剤形である、水なしで服用できるナルフラフィンの口腔内崩壊錠に対する期待も高まりつつある。一般に口腔内崩壊錠は、口腔内の唾液のみ又は少量の水で速やかに崩壊するため、患者が服用しやすい固形製剤であるが、安定性を損なわないようにする工夫が必要となる。
しかしながら、各種剤形検討が進められる中で、ナルフラフィンが溶液剤処方中では安定であるのに対して、固形剤処方中では十分な安定性が得られないことが報告された(非特許文献2)。
特許第3743449号公報 特許第4311369号公報
レミッチ(登録商標)カプセル 医薬品インタビューフォーム 2015年5月改訂(第9版) PHARM TECH JAPAN 2011 Vol27 No13 73−78
本発明は、上述の課題を解決するものであって、各種条件下で保存した後であっても安定性の高いナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、ナルフラフィンと、トレハロースと、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、L−ロイシンまたはショ糖脂肪酸エステルとを含有することを特徴とするナルフラフィン含有口腔内崩壊錠が提供される。
本発明の一実施形態において、トレハロースを1錠100重量%当たり7重量%以上1
0重量%以下含んでもよい。
本発明の一実施形態において、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを1錠100重量%当たり10重量%以上14重量%以下含んでもよい。
本発明の一実施形態において、L−ロイシンを1錠100重量%当たり3重量%以上6重量%以下含んでもよい。
本発明の一実施形態において、ショ糖脂肪酸エステルを1錠100重量%当たり0.5重量%以上4重量%以下含んでもよい。
本発明によると、各種条件下で保存した後であっても安定性の高いナルフラフィン含有口腔内崩壊錠が提供される。
本発明の一実施形態に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の比較例および参考例に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の、開始時のナルフラフィン量を100%としたときの、40℃密閉保存条件下におけるナルフラフィン定量値を示す図である。 本発明の比較例および参考例に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の、開始時および40℃密閉保存条件下における純度を示す図である。
以下、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠および製造方法について詳細に説明する。但し、本発明のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠は、以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠は、ナルフラフィンと、トレハロースと、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、L−ロイシンまたはショ糖脂肪酸エステルを含むことを特徴とする。ナルフラフィン塩酸塩は例えば、1錠120mgあたり2.5μgとなるよう含有してもよいが、これに限定されるものではない。
本発明者らは、エリスリトール、カルメロース、およびステアリン酸マグネシウムがナルフラフィンの安定性に悪影響を及ぼすことを見出した。これらに代わる添加剤のスクリーニングを行った結果、ナルフラフィン含有口腔内崩壊錠における賦形剤としてトレハロース、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、滑沢剤としてL−ロイシンまたはショ糖脂肪酸エステルを用いることにより、各種保存条件においてもナルフラフィンの安定性の低下が生じないことを見出した。
(賦形剤)
本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、賦形剤としてトレハロース水和物を含む。トレハロース水和物は例えば、1錠120mgあたり8.4mg以上12mg以下の範囲で含有してもよいが、これに限定されるものではない。いいかえると、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠を100重量%とした場合に、トレハロース水和物を7重量%以上10重量%以下の範囲で含有することにより、ナルフラフィンの安定性の低下を改善することができる。好ましくは本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠120mg当たりトレハロース水和物を10mgとなるよう含有してもよい。
賦形剤としてはさらに結晶セルロースを適量含んでもよい。
(崩壊剤)
本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは例えば、1錠120mg当たり12mg以上16.8mg以下の範囲で含有してもよいが、これに限定されるものではない。いいかえると、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠を100重量%とした場合に、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを10重量%以上14重量%以下の範囲で含有することにより、ナルフラフィンの安定性の低下を改善することができる。好ましくは本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠120mgあたり低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを14mgとなるよう含有してもよい。具体的には、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠120mgあたり崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製、NBD−021)6mgとなるよう含有してもよく、さらに賦形剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製、LH−21)8mgとなるよう含有してもよい。
(滑沢剤)
本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、滑沢剤としてL−ロイシンまたはショ糖脂肪酸エステルを含む。L−ロイシンは例えば、1錠120mgあたり3.6mg以上7.2mg以下の範囲で含有してもよいが、これに限定されるものではない。いいかえると、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠を100重量%とした場合に、L−ロイシンを3重量%以上6重量%以下の範囲で含有することにより、ナルフラフィンの安定性の低下を改善することができる。好ましくは本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠120mgあたりL−ロイシンを5.4mgとなるよう含有してもよい。ショ糖脂肪酸エステルは例えば、1錠120mgあたり0.6mg以上4.8mg以下の範囲で含有してもよいが、これに限定されるものではない。いいかえると、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠1錠100重量%とした場合に、ショ糖脂肪酸エステルを0.5重量%以上4重量%以下の範囲で含有することにより、ナルフラフィンの安定性の低下を改善することができる。
本発明においては、更に、その他の添加剤として、例えば、矯味剤、香料、結合剤、流動化剤、帯電防止剤、界面活性剤、湿潤剤、充填剤、増量剤、吸着剤、防湿剤、抗酸化剤、保存剤(例えば防腐剤など)、緩衝剤などを用いることもできる。
(製造方法)
本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠は、薬学分野において公知の製造方法に従って製造することができる。図1は、本発明の実施形態に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の製造方法の一例を示すフローチャートである。図1に示すように、まずナルフラフィン塩酸塩を精製水に溶解し、ナルフラフィン溶液を得る。次に賦形剤及び結合剤を混合し、この混合物にナルフラフィン溶液を添加し、練合する。さらに崩壊剤を混合し、練合、粗砕後、乾燥物を整粒して整粒末を得る。得られた整粒末に賦形剤および滑沢剤を混合して、ナルフラフィンを含む打錠前粉末を得ることができる。このナルフラフィンを含む打錠前粉末を打錠することにより、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の素錠を製造することができる。なお、打錠は、市販の打錠機を使用して、常法により行うことができる。
本発明の実施形態に係る、ナルフラフィン含有口腔内崩壊錠は、賦形剤としてトレハロース、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、滑沢剤としてL−ロイシンまたはショ糖脂肪酸エステルを含むことで、各種保存条件においてもナルフラフィンの安定性の低下が生じない。
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上述した本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠について、具体例及び試験結果を示して、より詳細に説明する。
(比較例1)
比較例1においては、ナルフラフィン塩酸塩100mgを精製水30gに溶解し、ナルフラフィン溶液を得た。次にエリスリトール(日研化成製、100M)320gおよびヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社、HPC−SSL)8gを混合し、この混合物にナルフラフィン溶液と精製水80gを添加し、練合した。さらに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学製、LH−21)320gを加えて練合し、コーミル(QC−197S、メッシュサイズ6.35mm)にて粗砕した後、棚式乾燥機で40℃90分乾燥し、コーミル(QC−197S、メッシュサイズ1.143mm)にて整粒して整粒末を得た。得られた整粒末に結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社、PH102)3559.9g、カルメロース(ニチリン化学製、NS300)480g、アスパルテーム(味の素製)64gを混合し、さらにステアリン酸マグネシウム(大平化学製)48gを混合して、ナルフラフィンを含む打錠前粉末を得た。このナルフラフィンを含む打錠前粉末を打錠することにより、比較例1に係る素錠を得た。
(安定性―定量試験)
比較例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠をアルミ分包包装したものを、冷所、室温条件下で4カ月保存後、または加速条件下(40℃、75RH)で1または3カ月保存後、高速液体クロマトグラフィーを用いてナルフラフィンを定量した。冷所条件下で保存後のナルフラフィン量を100%としたときの、各種条件下で保存後のナルフラフィンの定量値を表1に示す。
Figure 0006858575
表1の結果から、比較例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、特に加速条件下でのナルフラフィン定量値の低下が認められた。
(安定性試験―純度)
比較例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を、冷所、室温条件下で4カ月保存後、または加速条件下(40℃、75RH)で1または3カ月保存後、LC/MSを用いてナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の純度を測定した。LC/MSによるナルフラフィンおよび各種類縁物質含有量の測定結果を表2に示す。
Figure 0006858575
表2の結果から、比較例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、特に加速条件下で保存後にNLF−6などの類縁物質の増加が認められた。しかしながら、定量値に影響を与えるほどのナルフラフィン純度の低下はみられなかった。
(実施例1)
実施例1においては、ナルフラフィン塩酸塩300mgを精製水90gに溶解し、ナルフラフィン溶液を得た。次にトレハロース水和物(旭化成製、P)1200gおよびヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、HPC−SSL)24gを混合し、この混合物にナルフラフィン溶液と精製水240gを添加し、練合した。さらに低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製、LH−21)960gを加えて練合し、コーミル(QC−197S、メッシュサイズ6.35mm)にて粗砕した後、棚式乾燥機で40℃、90分乾燥、コーミル(QC−197S、メッシュサイズ1.143mm)にて整粒して整粒末を得た。得られた整粒末に結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、PH102)4079.7g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、UF702)6576g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製、NBD−021)720g、アスパルテーム(味の素製)192gを混合し、さらにL−ロイシン(大和薬品製)648gを混合して、ナルフラフィンを含む打錠前粉末を得た。このナルフラフィンを含む打錠前粉末を打錠することにより、実施例1に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(安定性―定量試験)
実施例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を、遮光密閉40℃の条件下で1、2、4週間保存後、高速液体クロマトグラフィーを用いてナルフラフィンを定量した。開始時のナルフラフィン量を100%としたときの、遮光密閉40℃の条件下で保存後のナルフラフィンの定量値を表3に示す。
Figure 0006858575
表3の結果から、実施例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、遮光密閉40℃で保存条件下でも、比較例1でみられたナルフラフィン定量値の低下を抑制することができた。
(安定性―純度試験)
実施例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を、遮光密閉40℃の条件下で1、2、4週間保存後、LC/MSを用いてナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の純度を測定した。LC/MSによるナルフラフィンおよび各種類縁物質含有量の測定結果を表4に示す。
Figure 0006858575
表4の結果から、実施例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠において、遮光密閉40℃で保存条件下でも、比較例1でみられたナルフラフィン純度の低下を抑制することができた。
以下に、実施形態において説明した本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠に至った各種検討結果を示す。本発明者らは、比較例1においてナルフラフィン定量値の低下が認められたことから、各添加剤との相互作用によりナルフラフィンの安定性が低下している可能性を考えた。このため各添加剤とナルフラフィンとの接触試験を行い、ナルフラフィンの安定性低下要因を検討した。
(参考例1)
参考例1においては、エリスリトール(日研化成製、100M)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例2)
参考例2においては、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社、HPC−SSL)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例3)
参考例3においては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社、LH−21)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例4)
参考例4においては、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社、PH102)0.1
gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例5)
参考例5においては、カルメロース(ニチリン化学製、NS300)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例6)
参考例6においては、アスパルテーム(味の素製)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例7)
参考例7においては、ステアリン酸マグネシウム(大平化学製)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例8)
参考例8においては、ナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液の、メタノールを留去した。
(接触試験)
参考例1〜参考例8のナルフラフィン含有剤を、40℃で3または7日間保存後、内標準物質としてパラオキシ安息香酸を用い、高速液体クロマトグラフィーによってナルフラフィンを定量した。開始時、40℃で3または7日間保存後のナルフラフィンの定量値、および開始時のナルフラフィン量を100%としたときの40℃で3または7日間保存後のナルフラフィンの定量値の比(initial比)を表5に示す。
Figure 0006858575
表5の結果から、エリスリトールを含む参考例1、カルメロースを含む参考例5、ステアリン酸マグネシウムを含む参考例7のナルフラフィン含有剤において、40℃で7日間保存後のナルフラフィン定量値の低下が認められた。
次に、処方比率に合わせた量で各添加剤とナルフラフィンとの接触試験を行い、ナルフラフィンの安定性低下要因を検討した。
(参考例9)
参考例9においては、エリスリトール(日研化成製、100M)32mgにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例10)
参考例10においては、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、HPC−SSL)1.6mgにナルフラフィン20μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例11)
参考例11においては、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ株式会社製、PH102)355.99mgにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例12)
参考例12においては、カルメロース(ニチリン化学製、NS300)48mgにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(参考例13)
参考例13においては、ステアリン酸マグネシウム(大平化学製)4.8mgにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(接触試験)
参考例9〜参考例13のナルフラフィン含有剤を、40℃で3または7日間保存後、内標準物質としてパラオキシ安息香酸を用いて高速液体クロマトグラフィーによってナルフラフィンを定量した。開始時、40℃で3または7日間保存後のナルフラフィンの定量値、および開始時のナルフラフィン量を100%としたときの40℃で3または7日間保存後のナルフラフィンの定量値の比(initial比)を表6に示す。
Figure 0006858575
表6の結果から、エリスリトールを含む参考例9、カルメロースを含む参考例12、ステアリン酸マグネシウムを含む参考例13のナルフラフィン含有剤において、40℃で保存後のナルフラフィン定量値の低下が認められた。
接触試験より、エリスリトール、カルメロース、またはステアリン酸マグネシウムとの相互作用によりナルフラフィンの安定性が低下している可能性が考えられた。このため、これらの添加剤を比較例1のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠から除くことで、ナルフラフィンの安定性の低下を改善できるかどうか検討した。
(参考例14)
参考例14においては、ステアリン酸マグネシウム量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例15)
参考例15においては、カルメロース量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例16)
参考例16においては、ステアリン酸マグネシウム量およびカルメロース量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例17)
参考例17においては、エリスリトールを乳糖水和物に変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例18)
参考例18においては、エリスリトールを乳糖水和物に変更し、ステアリン酸マグネシウム量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例19)
参考例19においては、エリスリトールを乳糖水和物に変更し、カルメロース量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例20)
参考例20においては、エリスリトールを乳糖水和物に変更し、ステアリン酸マグネシウム量およびカルメロース量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(参考例21)
参考例21においては、エリスリトールを低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(LH−21)に変更し、ステアリン酸マグネシウム量およびカルメロース量を0mgに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法でナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を得た。
(安定性―定量試験)
比較例1、参考例14〜参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を、40℃密閉条件下で3日間、1、2、4週間保存後、高速液体クロマトグラフィーを用いてナルフラフィンを定量した。各種ナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の開始時、40℃密閉保存条件下におけるナルフラフィンの平均定量値(n=2)、および開始時のナルフラフィン量を1
00%としたときの40℃で3日間、1、2、4週間密閉保存後のナルフラフィンの定量値の比(initial比)を表7および図2に示す。
Figure 0006858575
表7および図2の結果から、比較例1と比較して、参考例14〜参考例21のナルフラフ
ィン含有口腔内崩壊錠における40℃密閉条件下で4週間保存後のナルフラフィン定量値の低下は改善した。特に、エリスリトール、ステアリン酸マグネシウム、およびカルメロース量を0mgに変更した参考例20および参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠における40℃密閉条件下で4週間保存後のナルフラフィン定量値の低下はほぼ確認されなかった。このことから、エリスリトール、ステアリン酸マグネシウム、およびカルメロースのいずれもが、ナルフラフィンの安定性に影響していることがわかった。
(安定性試験―純度)
比較例1、参考例14〜参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠を、40℃密閉条件下で4週間保存後、LC/MSを用いてナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の純度を測定した。LC/MSによるナルフラフィンおよび各種類縁物質含有量の測定結果を表8および図3に示す。
Figure 0006858575
表8および図3の結果から、比較例1と比較して、参考例14〜参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠における40℃密閉条件下で4週間保存後のナルフラフィン純度の低下は改善した。特にエリスリトール、ステアリン酸マグネシウム、およびカルメロース量を0mgに変更した参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠における40℃密閉条件下で4週間保存後のナルフラフィン純度の低下は大幅に改善した。また、比較例1と比較して、参考例14〜参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠における40℃密閉条件下で4週間保存後のNLF−6の増加は改善した。特にエリスリトール、ステアリン酸マグネシウム、およびカルメロース量を0mgに変更した参考例21のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠における40℃密閉条件下で4週間保存後のNLF−6の増加は大幅に改善した。このことから、エリスリトール、ステアリン酸マグネシウムおよびカルメロースのいずれもが、ナルフラフィンの安定性に影響していることがわかった。
エリスリトール、ステアリン酸マグネシウムおよびカルメロースのいずれもが、ナルフラフィンの安定性に影響していることから、各添加剤とナルフラフィンとの接触試験を行い、エリスリトール、ステアリン酸マグネシウムおよびカルメロースに代わる添加剤のスクリーニングを行った。
(実施例2)
実施例2においては、トレハロース水和物(旭化成)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(比較例2)
比較例2においては、乳糖水和物(DMV、200M)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(比較例3)
比較例3においては、トウモロコシデンプン(日本食品化工製、XX16W)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(比較例4)
比較例4においては、部分アルファー化デンプン(旭化成、PC−10)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(比較例5)
比較例5においては、デンプングリコール酸ナトリウム(DMV)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(比較例6)
比較例6においては、クロスポビドン(BASF製、コリドンCL−F)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(実施例3)
実施例3においては、ショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬製、F−20)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(実施例4)
実施例4においては、L−ロイシン(大和薬品製)10μgを含むメタノール溶液の、メタノールを留去した。
(比較例7)
比較例7においては、フマル酸ステアリルナトリウム(JRS PHARMA)0.1gにナルフラフィン10μgを含むメタノール溶液を添加後、メタノールを留去した。
(比較例8)
比較例8においては、ステアリン酸(日油)10μgを含むメタノール溶液の、メタノールを留去した。
(接触試験―定量)
実施例2〜実施例4、および比較例2〜比較例8のナルフラフィン含有剤を、ガラス試験管に入れ、40℃遮光条件下で3日間、1、2、4週間保存後、内標準物質としてパラオキシ安息香酸を用い、高速液体クロマトグラフィーによってナルフラフィンを定量した。
開始時、40℃で3日間、1、2、4週間遮光保存後のナルフラフィンの定量値、および開始時のナルフラフィン量を100%としたときの40℃で3日間、1、2、4週間遮光保存後のナルフラフィンの定量値の比(initial比)を表9に示す。
Figure 0006858575
表9の結果から、部分アルファー化デンプンを含む比較例4、デンプングリコール酸ナトリウムを含む比較例5、クロスポビドンを含む比較例6、フマル酸ステアリルナトリウムを含む比較例7、ステアリン酸を含む比較例8のナルフラフィン含有剤において、40℃で4週間保存後のナルフラフィン定量値の大幅な低下が認められた。乳糖水和物を含む比較例2、トレハロース水和物を含む実施例2、トウモロコシデンプンを含む比較例3、ショ糖脂肪酸エステルを含む実施例3、L−ロイシンを含む実施例4のナルフラフィン含有
剤において、40℃で4週間保存後のナルフラフィン定量値の大幅な低下はみられなかった。
(接触試験―純度)
次に、実施例2〜実施例4、および比較例2〜比較例8のナルフラフィン含有剤を、ガラス試験管に入れ、40℃遮光条件下で4週間保存後、LC/MSを用いてナルフラフィン含有剤の純度を測定した。LC/MSによるナルフラフィンおよび各種類縁物質含有量の測定結果を表10に示す。
Figure 0006858575
表10の結果から、部分アルファー化デンプンを含む比較例4、およびフマル酸ステアリルナトリウムを含む比較例7のナルフラフィン含有剤において、40℃で4週間保存後のナルフラフィン純度の大幅な低下、および類縁物質の大幅な増加が認められた。また、乳糖水和物を含む比較例2、トウモロコシデンプンを含む比較例3、デンプングリコール酸ナトリウムを含む比較例5、クロスポビドンを含む比較例6、ステアリン酸を含む比較例8のナルフラフィン含有剤において、40℃で4週間保存後のNLF−6の増加が認められた。ショ糖脂肪酸エステルを含む実施例3においては、L−ロイシンを含む実施例4よりもN−oxideの増加が認められた。
表9および表10の結果から、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の賦形剤としてはトレハロースが好ましいことが明らかとなった。崩壊剤はいずれも良好な結果が得られなかったことから、本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の崩壊剤としては接触試験表5で良好な結果が得られた低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましいことが明らかとなった。本発明に係るナルフラフィン含有口腔内崩壊錠の滑沢剤としては
L−ロイシンまたはショ糖脂肪酸エステルが好ましく、表10の結果から、L−ロイシンがより好ましいことが明らかとなった。

Claims (5)

  1. ナルフラフィンと、トレハロースと、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースと、L−ロイシンとを含むことを特徴とするナルフラフィン含有口腔内崩壊錠。
  2. 前記トレハロースを1錠100重量%当たり7重量%以上10重量%以下含むことを特徴とする請求項1に記載のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠。
  3. 前記低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを1錠100重量%当たり10重量%以上14重量%以下含むことを特徴とする請求項1または2に記載のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠。
  4. 前記L−ロイシンを1錠100重量%当たり3重量%以上6重量%以下含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠。
  5. 前記L−ロイシンを1錠100重量%当たり4.5重量%以上含むことを特徴とする請求項に記載のナルフラフィン含有口腔内崩壊錠。
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