JP6858548B2 - プラズマ溶融システム及びプラズマ溶融方法 - Google Patents

プラズマ溶融システム及びプラズマ溶融方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム、亜鉛等の金属材料(被溶融物)を、プラズマトーチを用いてプラズマ溶融するシステムであって、プラズマ溶融された溶融液の供給を効率良く、迅速に行うことができるプラズマ溶融システム及びプラズマ溶融方法に関する。
一般に、プラズマ溶融装置は被溶融物を収容する溶融槽とプラズマトーチとを備え、プラズマトーチにより生成するプラズマを被溶融物に照射して溶融液(溶湯)を形成する。この場合、溶融槽内には固体の被溶融物と液体の溶融液とが混在している。そして、プラズマ溶融された溶融液を凝固させると溶融槽を損傷させることから、溶融液を凝固させないようにするために、例えば被溶融物であるアルミニウムを溶融させる温度として600℃以上の加熱を継続しなければならない。
この種のプラズマ溶融炉が例えば特許文献1に開示されている。このプラズマ溶融炉は、廃棄物をアークプラズマにより高温溶融してスラグ化する溶融炉である。そして、スラグ槽が隔壁により主槽と副槽に仕切られるとともに、隔壁には主槽と副槽を連通する連通路が設けられている。前記主槽にはプラズマトーチ及び廃棄物の投入口が設けられ、副槽にはオーバーフローにより溶融したスラグを排出するスラグ排出口が設けられている。さらに、前記連通路はスラグ排出口よりも低位に設けられている。
また、アルミニウム等の金属の溶湯をダイカストマシーンに供給するためのプラズマ溶解装置が特許文献2に開示されている。このプラズマ溶解装置は、複数のルツボと、それら複数のルツボを溶解位置と非溶解位置とに移動させる移動機構と、前記溶解位置において被溶解物を溶解するプラズマトーチとを備えている。具体的には、3つ又は4つのルツボを用いてそれらを回転可能に構成し、溶解位置で被溶解物を溶解し、非溶解位置で金属酸化物の除去、溶湯の排出、被溶解物の投入等の操作が行われるようになっている。
特開2008−249220号公報 特開2015−68576号公報
前述した特許文献1に記載されている従来構成のプラズマ溶融炉において、主槽内には固体の廃棄物と液体の溶融したスラグとが混在し、スラグの一部が連通路を介して副槽に導かれるようになっている。このため、主槽においては、溶融したスラグを液状に保つためアークプラズマにより主槽内の廃棄物を溶融する高温に維持しなければならないことから、特許文献1に記載のプラズマ溶融炉では、過剰な加熱の継続によってエネルギーの無駄が生ずる。
加えて、液状のスラグはほとんどが固体の廃棄物と一緒に主槽に存在し、その一部が主槽から連通路を介して副槽に順次流入されるように構成されていることから、主槽内に存在する液状のスラグは過昇温状態に晒され、スラグの変質を来たすという問題があった。
また、特許文献2に記載されている従来構成のプラズマ溶解装置では、被溶解物の溶解操作とそれ以外の操作を1系列(1ステージ)で行うことから、溶湯の排出が終了した後に溶解位置のルツボでプラズマ溶解を実施するか、或いは溶湯の排出が終了する前にプラズマ溶解を実施してその状態で待機しなければならない。このため、ダイカストマシーン等への溶湯の供給が滞り、生産速度が遅くなるという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、溶融液の供給を効率良く、迅速に行うことができるとともに、エネルギーの無駄を抑制でき、かつ溶融液の品質を向上させることができるプラズマ溶融システム及びプラズマ溶融方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のプラズマ溶融システムは、プラズマトーチにより溶融炉内の被溶融物を溶融するプラズマ溶融システムであって、前記溶融炉を、上部に位置しプラズマトーチに基づくプラズマにより被溶融物を溶融して溶融液を調製するための溶融槽と、下部に位置し前記溶融液を受け入れて液状に保持するための温調槽とで構成し、前記溶融槽は溶融位置と非溶融位置とに回転可能に構成されるとともに、温調槽は溶融液受け入れ位置と溶融液非受け入れ位置とに回転可能に構成され、溶融槽の溶融位置と非溶融位置及び温調槽の溶融液受け入れ位置と溶融液非受け入れ位置が回転位置により決定されるように構成され、溶融位置の溶融槽で溶融された溶融液を溶融液受け入れ位置の温調槽に受け入れ、非溶融位置の溶融槽で溶融のための準備操作を行い、溶融液非受け入れ位置の温調槽で溶融液受け入れのための準備操作を行うように構成されている。
プラズマ溶融方法は、前記溶融位置の溶融槽で被溶融物の溶融操作を行い、調製された溶融液を溶融液受け入れ位置の温調槽に受け入れた後、非溶融位置の溶融槽で溶融のための準備操作を行い、溶融液非受け入れ位置の温調槽で溶融液受け入れのための準備操作を行うものである。
本発明のプラズマ溶融システムによれば、溶融液の供給を効率良く、迅速に行うことができるとともに、エネルギーの無駄を抑制でき、かつ溶融液の品質を向上させることができるという効果を奏する。
実施形態におけるプラズマ溶融システムの主構成を示す断面図。 プラズマ溶融システムにおける溶融槽の回転動作を示す説明図。 プラズマ溶融システムにおける温調槽の回転動作を示す説明図。 (a)は温調槽の回転機構を示す平面図、(b)は温調槽の回転機構を示す断面図、(c)は受け皿に温調槽を収容する状態を示す正断面図。 (a)は溶融槽の操作と温調槽の操作を1系列で実施した場合の操作時間を示す説明図、(b)は溶融槽の操作と温調槽の操作を2系列で並行して実施した場合の操作時間を示す説明図。 (a)は電極を示す平面図、(b)は(a)の6b−6b線における断面図。 (a)は支持棒を示す断面図、(b)は支持棒を示す側面図。 プラズマトーチの上下動作及び旋回動作を示す斜視図。 エアブロー装置で溶融槽の周壁の内周面及び支持棒に付着したスラグを除去する状態を示す説明図。 エアブロー装置で温調槽の内周面に付着したスラグを除去する状態を示す説明図。 (a)は別例としての溶融槽の回転動作と予熱機構を示す平面図、(b)は(a)の概略正面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、プラズマ溶融システム10を構成する溶融炉11は、上部に位置し、プラズマトーチ12に基づくプラズマにより被溶融物13を溶融して溶融液14を調製するための溶融槽15と、下部に位置し、前記溶融液14を液状に保持するための温調槽16とにより構成されている。被溶融物13は例えばアルミニウム、亜鉛、銅等の金属により略円柱状に形成されている。
前記溶融槽15は耐火材料により円筒状に形成された周壁17と、その下端部に配置された電極18、絶縁体19及び底板20よりなる底壁21とにより構成されている。なお、電極18、絶縁体19及び底板20は、図示しないクランプにより一体的に連結されている。前記温調槽16は耐火材料により形成されている。この温調槽16は、四角枠状の基台22上に支持されている。前記溶融槽15の底壁21を構成する電極18、絶縁体19及び底板20には周壁17の内径と同一の直径を有する連通孔18a、19a、20aが設けられ、溶融槽15で得られた溶融液14を温調槽16へ導くようになっている。この連通孔18a、19a、20aは、その孔径が被溶融物13の直径以上となるように設計することが、溶融槽15からの溶融液14を円滑に温調槽16に導く上で好ましい。
前記プラズマトーチ12は溶融槽15の上方位置において吊下体23により吊下げ支持されるとともに、図示しない駆動装置により移動可能な可動部材24が連結され、上下方向、左右方向及び前後方向に移動可能に構成されている。
例えば、図8に示すように、プラズマトーチ12は図8の矢印のように上下方向及び水平方向に移動可能であり、渦巻き状に旋回する。そして、プラズマトーチ12が被溶融物13の未溶融部にプラズマを照射して被溶融物13全体を溶融できるようになっている。
図1に示すように、前記電極18はカーボン等の導電性材料により形成され、溶融槽15の周壁17と絶縁体19との間に配置され、その電極18とプラズマトーチ12との間には直流電源25が接続線26を介して接続されている。そして、プラズマトーチ12と電極18との間に所定の電圧が印加され、被溶融物13にプラズマを照射するように構成されている。
図6(a)、(b)に示すように、前記電極18は板状に形成され、その電極部27は円環状をなすとともに、その一部には長四角形状をなす導電性の接続部28が延出されている。前記電極部27の内周部には互いに対向する切欠き部29が一対凹設されている。
図1に示すように、前記溶融槽15の底壁21を構成する電極18の連通孔18aの周縁部には被溶融物13を支持する一対の支持部としての支持棒30が架設されている。図7(a)、(b)に示すように、これらの支持棒30は円柱状に形成されるとともに、各支持棒30の両端部下面には前記電極18の切欠き部29に係止される凹状の係止部31が設けられ、支持棒30が連通孔18aにおいて電極18に対し安定した状態で配置される。これら一対の支持棒30上に前記被溶融物13が支持されている。この支持棒30は複数本配置されておればよく、3本以上であってもよい。また、支持棒30としては、その上面に平坦面を形成したものや三角柱状に形成してその側面が上面となるように配置したものであってもよい。
前記支持棒30はカーボン等の導電性材料で形成され、プラズマトーチ12によるプラズマ発生のための電極としても機能するように構成されている。このため、被溶融物13の直下に配置された一対の支持棒30によりプラズマを被溶融物13に有効に照射でき、被溶融物13の溶融を速やかに進めることができる。
前記温調槽16には、溶融槽15で溶融された溶融液14を30〜150℃昇温するための加熱器として高周波誘導加熱器34が備えられ、温調槽16内の溶融液14を液状に保持するようになっている。前記高周波誘導加熱器34は温調槽16の下方位置に配置され、交流電源35からの電力により温調槽16を加熱するようになっている。前記加熱器としては、高周波誘導加熱器34以外に直接通電加熱器、電気ヒータ式加熱器、ガス燃焼式加熱器等が用いられる。
図9及び図10に示すように、前記溶融槽15及び温調槽16には、スラグを除去するためのエアブロー装置40が設けられている。図9に示すように、エアブロー装置40を構成するエアホース41先端部のエアノズル43から溶融槽15の周壁17内面にエアが上方から旋回状態で吹き付けられ、周壁17内面に付着したスラグが除去される。さらに、電極18の連通孔18aを跨ぐ一対の支持棒30に対してもエアが吹き付けられ、支持棒30に付着したスラグが除去される。
図10に示すように、温調槽16は上下逆にして支持され、下方に配置されたエアノズル43から温調槽16内にエアが旋回状態で吹き付けられ、温調槽16の内面に付着したスラグが除去される。
次に、前記プラズマ溶融システム10の具体的構成について説明する。
本実施形態のプラズマ溶融システム10では、溶融槽15と温調槽16が2系列(2ステージ)で回転動作し、それぞれ並行して各操作が行われる。
図2に示すように、溶融槽15は上テーブル45により図2の反時計方向に回転し、溶融位置101、スラグ除去位置102、電極交換位置103及び被溶融物設置位置104にそれぞれ周方向へ90°間隔をおいて配置される。溶融位置101において、溶融槽15では被溶融物13がプラズマ溶融され、溶融液14が調製される。スラグ除去位置102において、溶融槽15内がエアブロー装置40のエアノズル43から噴出されるエアによりスラグが除去される。電極交換位置103において、電極18及び支持棒30が交換される。被溶融物設置位置104において、溶融槽15内に被溶融物13が挿入されて設置される。
図3に示すように、温調槽16は下テーブル46により図3の時計方向に回転し、溶融液受け入れ位置105、温調位置106、出湯位置107及びスラグ除去位置108にそれぞれ周方向へ90°間隔をおいて配置される。溶融液受け入れ位置105において、溶融槽15の底壁21の連通孔18a、19a、20aから溶融液14が温調槽16に受け入れられる。溶融液14の温度は、被溶融物13が例えばアルミニウムの場合には約600℃である。温調位置106において、温調槽16が高周波誘導加熱器34により例えば60℃昇温されて660℃に達し、溶融液14が液状に保持される。出湯位置107において、温調槽16内の溶融液14が図示しないダイカストマシーンへ供給される。スラグ除去位置108において、温調槽16が上下逆にした状態でエアブロー装置40のエアノズル43から吹き出されるエアにより温調槽16内のスラグが除去される。
続いて、前記溶融槽15及び温調槽16の回転機構について説明する。まず、温調槽16の回転機構について説明する。
図4(a)〜(c)に示すように、円環状の枠体47内には下テーブル46としての十字状回転部材が図示しない駆動源により回転可能に支持されている。下テーブル46の各先端部にはそれぞれ円孔48が透設され、各円孔48には図4(b)に示す受け皿49が挿入され、その受け皿49のフランジ部49aが下テーブル46に係止されている。前記出湯位置107及びスラグ除去位置108においては円孔48を外方へ開口する開口部50が設けられ、受け皿49が外方へ移動可能になっている。さらに、出湯位置107においては、枠体47に開放部51が形成され、出湯位置107の温調槽16を外部へ取り出すことができるようになっている。図4(c)に示すように、前記受け皿49内には温調槽16が挿入され、保持されるように構成されている。
前記溶融槽15の回転機構は図示されていないが、温調槽16の回転機構と同様に構成されている。但し、出湯位置107の開口部50や枠体47の開放部51は設けられていない。
図2及び図3に示したように、上テーブル45と下テーブル46の回転方向を逆にすることにより、溶融槽15のスラグ除去位置102と温調槽16のスラグ除去位置108を同一位置に設定でき、エアブロー装置40によるスラグ除去操作を効率良く進めることができる。
次に、前記のように溶融槽15と温調槽16を2系列で動作させた場合と、溶融槽15と温調槽16を1系列で動作させた場合とを比較して説明する。
図5(a)に示すように、溶融槽15と温調槽16を1系列で動作させた場合には、溶融槽15の溶融操作、スラグ除去操作、電極交換操作及び被溶融物設置操作を実施した後、温調槽16の溶融液受け入れ操作、温調操作、出湯操作及びスラグ除去操作が行われる。このため、全操作時間は、溶融槽15の各操作時間の合計時間と温調槽16の各操作時間の合計時間との加算時間となる。
その一方、図5(b)に示すように、溶融槽15と温調槽16を2系列で動作させた場合には、溶融槽15の各操作と温調槽16の各操作が並行して行われる。そのため、全操作時間は、溶融槽15の各操作時間の合計時間又は温調槽16の各操作時間の合計時間のいずれか一方となる。なお、図5(a)及び図5(b)は各操作と操作時間を概念的に示したもので、溶融槽15及び温調槽16の各操作時間は同じ長さの矢印で示されているが、実際の各操作時間には相違がある。
従って、溶融槽15と温調槽16を2系列で動作させた場合の方が1系列で動作させた場合よりも、全操作時間をほぼ半分に短縮することができ、操作効率を格段に高めることができる。
次に、上記のプラズマ溶融システム10を用いたプラズマ溶融方法について説明する。
図1に示すように、溶融槽15内には一対の支持棒30上に被溶融物13のアルミニウムが支持された状態で、プラズマトーチ12と電極18及び支持棒30との間に直流電源25から電圧が印加されてプラズマが被溶融物13に照射され、被溶融物13が600℃以上の高温に加熱されて溶融する。被溶融物13がプラズマ溶融して得られた溶融液14は液滴として垂れ落ち、溶融槽15の連通孔18a、19a、20aを経て温調槽16内へ収容される。
図2に示すように、溶融槽15は溶融位置101において被溶融物13の溶融が終了すると、上テーブル45の回転によりスラグ除去位置102に移され、そこでエアブロー装置40により溶融槽15内のスラグが除去される。その後、溶融槽15は電極交換位置103に移され、そこで再使用が難しい電極18及び支持棒30が交換される。次いで、溶融槽15は被溶融物設置位置104に移され、その位置で溶融槽15内に被溶融物13が挿入され、設置される。
一方、図3に示すように、温調槽16は溶融液受け入れ位置105で溶融液14を受け入れた後、下テーブル46の回転により温調位置106に移される。この温調槽16には高周波誘導加熱器34が設けられ、温調位置106で温調槽16内の溶融液14が例えば660℃に加熱され、液状が維持される。その後、温調槽16は出湯位置107に移され、そこで温調槽16内の溶融液14がダイカストマシーンへ注入される。続いて、温調槽16はスラグ除去位置108に移され、そこで上下逆にされた状態でエアブロー装置40により温調槽16内のスラグが除去される。
次に、前記のように構成された実施形態のプラズマ溶融システム10について作用を説明する。
さて、アルミニウム等の被溶融物13をプラズマ溶融した溶融液14をダイカストマシーン等へ供給する場合には、溶融炉11が溶融槽15と温調槽16により構成され、それぞれ2系列で並行して独自に回転可能に構成される。
図2に示すように、溶融槽15は溶融位置101と、それ以外の非溶融位置とに移動可能に構成される。図3に示すように、温調槽16は溶融液受け入れ位置105と、それ以外の溶融液非受け入れ位置とに移動可能に構成される。そして、溶融位置101の溶融槽15で被溶融物13の溶融操作が行われて溶融液14が調製され、その溶融液14が溶融液受け入れ位置105の温調槽16に受け入れられる。非溶融位置の溶融槽15では溶融のための準備操作つまりスラグ除去、電極交換、被溶融物設置等の操作が行われ、溶融液非受け入れ位置の温調槽16では溶融液14の受け入れのための準備操作つまり温調操作、出湯操作、スラグ除去操作等の操作が行われる。
このように、溶融槽15で調製された溶融液14は溶融槽15で保持するのではなく、直ちに温調槽16へ移行され、温調位置106の温調槽16で所定温度まで昇温された状態で待機される。このため、ダイカストマシーン等で要求される温度の溶融液14を温調槽16の出湯位置107において速やかに出湯することができる。
また、溶融槽15の各操作と温調槽16の各操作を、それぞれ同時に並行して行うことができ、溶融槽15と温調槽16の各操作を効率的に遂行することができる。
加えて、溶融槽15で溶融された溶融液14は直ちに温調槽16へ移されるため、溶融槽15内には固体の被溶融物13のみが実質的に存在し、その被溶融物13に対してプラズマトーチ12でプラズマを照射して溶融すればよく、溶融液14を液状に保つための余分なプラズマエネルギーを必要としない。その一方、温調槽16では、受け入れられた溶融液14を所定温度の液状に保持することができ、必要時に直ちに出湯することができる。従って、溶融槽15において生成した溶融液14の過昇温を回避することができ、溶融液14の品質への悪影響を抑制することができる。
以上の実施形態により発揮される効果を以下にまとめて記載する。
(1)この実施形態のプラズマ溶融システム10では、溶融炉11が上部の溶融槽15と、下部の温調槽16とで構成され、溶融槽15は溶融位置101と非溶融位置とに移動可能に構成されるとともに、温調槽16は溶融液受け入れ位置105と溶融液非受け入れ位置とに移動可能に構成されている。そして、溶融位置101の溶融槽15で溶融された溶融液14を溶融液受け入れ位置105の温調槽16に受け入れ、非溶融位置の溶融槽15で溶融のための準備操作を行い、溶融液非受け入れ位置の温調槽16で溶融液14の受け入れのための準備操作を行うように構成されている。
このように、溶融槽15と温調槽16との2系列で並行して処理操作を進めることができ、さらに溶融槽15では溶融操作と非溶融操作を別位置で行うことができるとともに、温調槽16では溶融液受け入れ操作と溶融液非受け入れ操作を別位置で行うことができる。
従って、この実施形態のプラズマ溶融システム10によれば、溶融液14の供給を効率良く、迅速に行うことができるとともに、エネルギーの無駄を抑制でき、かつ溶融液の品質を向上させることができる。
(2)前記温調槽16には、受け入れられた溶融液14を30〜150℃昇温するための高周波誘導加熱器34を備えている。このため、要求される温度の溶融液14を温調槽16から速やかに出湯することができる。
(3)前記溶融槽15及び温調槽16は回転可能に構成され、溶融槽15の溶融位置101と非溶融位置及び温調槽16の溶融液受け入れ位置105と溶融液非受け入れ位置が回転位置により決定される。そのため、溶融槽15と温調槽16の回転動作により、各操作を簡単かつ連続的に実施することができる。
(4)前記溶融槽15の回転方向と温調槽16の回転方向とが逆方向に設定されている。従って、例えば溶融槽15のスラグ除去位置102と温調槽16のスラグ除去位置108を同位置に設定することができ、スラグ除去操作を同じスラグ除去装置を使用して効率的に行うことができる。
(5)前記溶融槽15は回転角度が90°毎に溶融位置101と複数の非溶融位置とが設定され、温調槽16は回転角度が90°毎に溶融液受け入れ位置105と複数の溶融液非受け入れ位置とが設定されている。このため、溶融槽15を90°毎回転させて溶融操作及び非溶融操作を定位置で容易に行い、温調槽16を90°毎回転させて溶融液受け入れ操作と溶融液非受け入れ操作を定位置で容易に行うことができる。
(6)前記溶融槽15の非溶融位置は、スラグ除去位置102、電極交換位置103及び被溶融物設置位置104であり、温調槽16の溶融液非受け入れ位置は、温調位置106、出湯位置107及びスラグ除去位置108である。そのため、溶融槽15の非溶融位置でスラグ除去操作、電極交換操作及び被溶融物設置操作を行うと同時に、温調槽16の溶融液非受け入れ位置で温調操作、出湯操作及びスラグ除去操作を並行して行うことができる。
(7)本実施形態のプラズマ溶融方法は、溶融位置101の溶融槽15で被溶融物13の溶融操作を行い、その溶融液14を溶融液受け入れ位置105の温調槽16に受け入れた後、非溶融位置の溶融槽15で溶融のための準備操作を行い、溶融液非受け入れ位置の温調槽16で溶融液14の受け入れのための準備操作を行うものである。
従って、溶融槽15による溶融操作及びその他の操作と、温調槽16による温調操作及びその他の操作を並行して効率良く進めることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示すように、この実施例1のプラズマ溶融システム10においては、溶融炉11を上部位置の溶融槽15と下部位置の温調槽16とで構成した。図2に示すように、溶融槽15を回転機構により反時計方向へ回転可能に構成し、溶融位置101から回転角度90°毎にスラグ除去位置102、電極交換位置103及び被溶融物設置位置104へ回転させた。一方、図3に示すように、温調槽16を回転機構により時計方向に回転可能に構成し、溶融液受け入れ位置105から回転角度90°毎に温調位置106、出湯位置107及びスラグ除去位置108へ回転させた。
そして、被溶融物13としてアルミニウム1kgを用い、溶融位置101の溶融槽15内でプラズマにより被溶融物13を20℃から600℃まで40秒間加熱して溶融させた。溶融した溶融液14は、溶融液受け入れ位置105の温調槽16に直ちに収容された。
前記溶融槽15は、回転されてスラグ除去位置102へ移って5秒間でスラグが除去され、さらに電極交換位置103へ移動して15秒間で電極が交換され、被溶融物設置位置104で新たな被溶融物13が20秒間で設置された。
一方、前記温調槽16は温調位置106へ移動し、被溶融物13が10秒間加熱されて660〜680℃に昇温された後、出湯位置107において被溶融物13が30秒間で出湯され、その後温調槽16はスラグ除去位置108でスラグが5秒間で除去された。
このように、実施例1のプラズマ溶融システム10においては、溶融炉11を溶融槽15と温調槽16との上下2段で構成し、2系列で各操作を行ったことから、被溶融物13の溶融液は溶融槽15から温調槽16へ直ちに移され、温調位置106の温調槽16で加熱されて出湯を待つことができる。このため、空になった溶融槽15は約40秒後に新たな被溶融物13の溶融に移行することができる。従って、ダイカストマシーン等へ出湯する溶融液14を調製するための時間を大幅に短縮できるとともに、プラズマエネルギーの無駄を節約でき、かつ溶融液14の酸化を抑制してその品質を向上させることができる。
(比較例1)
この比較例1では、前記実施例1において、溶融槽15及び温調槽16の各回転機構を省略し、溶融槽15からの溶融液14を温調槽16に受け入れ、その位置で温調槽16を加熱した後、温調槽16を傾けて溶融液14を出湯した。
すなわち、前記溶融槽15では、被溶融物13としてアルミニウム1kgを20℃から600℃まで40秒間加熱して溶融液14を調製した。その溶融液14を直ちに温調槽16に受け入れ、そこで温調槽16を10秒間加熱し、溶融液を600℃から660〜680℃に昇温させた。その後、温調槽16を傾けてその中の溶融液14を30秒間で出湯させた。次いで、前記溶融槽15のスラグ除去、電極交換及び被溶融物13の設置を実施例1と同様にして行った。
このように、比較例1においては、温調槽16が溶融槽15からの溶融液14を受け入れる位置で加熱されるとともに、出湯されることから、溶融槽15で次の被溶融物13を溶融する操作が前の溶融操作から80秒を経過した後でなければ実施することができない。このため、温調槽16から出湯する溶融液14を調製するための所要時間が長くなり、製造効率が著しく低下する。
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・図11(a)、(b)に示すように、前記溶融槽15の非溶融位置における被溶融物設置位置104の近傍に予熱用支持台52を設置し、そこに複数の被溶融物13を支持してその上方に設けられた予熱器53により被溶融物13を予熱し、予熱された被溶融物13を被溶融物設置位置104で溶融槽15内に設置するように構成してもよい。この場合、被溶融物13の予熱時間は、上テーブル45の回転時間に制約されることなく適宜の時間を設定でき、予熱をより長い時間行うことができる。
なお、図2に示す溶融システムにおいて、電極交換位置103と被溶融物設置位置104との間に予熱位置を設け、そこで被溶融物13を前記予熱器53により予熱するように構成してもよい。
前記予熱器53としては、セラミックスヒータ、赤外線ヒータ等が用いられ、予熱温度としては300〜500℃が好ましい。以上のように構成すれば、溶融位置101の溶融槽15において被溶融物13を溶融するまでに要する時間を短縮することができる。
・前記溶融槽15の回転方向と温調槽16の回転方向とが同一となるように構成してもよい。
・前記溶融槽15の1つの非溶融位置において複数の操作を実施してもよく、温調槽16の1つの溶融液非受け入れ位置において複数の操作を実施してもよい。
・前記溶融液受け入れ位置105の温調槽16において、溶融液14を高周波誘導加熱器34で加熱し、溶融液非受け入れ位置で出湯してもよい。
・前記溶融槽15の非溶融位置と温調槽16の溶融液非受け入れ位置における各操作の工程数や時間を適宜変更してもよい。例えば、前記溶融槽15の非溶融位置において電極交換操作を省略したり、温調槽16の溶融液非受け入れ位置において酸化物除去操作等の操作を追加したりしてもよい。その場合、溶融槽15及び温調槽16の操作時間を同調させるようにすることが望ましい。
10…プラズマ溶融システム、11…溶融炉、12…プラズマトーチ、13…被溶融物、14…溶融液、15…溶融槽、16…温調槽、101…溶融位置、102、108…スラグ除去位置、103…電極交換位置、104…被溶融物設置位置、105…溶融液受け入れ位置、106…温調位置、107…出湯位置。

Claims (7)

  1. プラズマトーチにより溶融炉内の被溶融物を溶融するプラズマ溶融システムであって、
    前記溶融炉を、上部に位置しプラズマトーチに基づくプラズマにより被溶融物を溶融して溶融液を調製するための溶融槽と、下部に位置し前記溶融液を受け入れて液状に保持するための温調槽とで構成し、前記溶融槽は溶融位置と非溶融位置とに回転可能に構成されるとともに、温調槽は溶融液受け入れ位置と溶融液非受け入れ位置とに回転可能に構成され、溶融槽の溶融位置と非溶融位置及び温調槽の溶融液受け入れ位置と溶融液非受け入れ位置が回転位置により決定されるように構成され、溶融位置の溶融槽で溶融された溶融液を溶融液受け入れ位置の温調槽に受け入れ、非溶融位置の溶融槽で溶融のための準備操作を行い、溶融液非受け入れ位置の温調槽で溶融液受け入れのための準備操作を行うように構成されているプラズマ溶融システム。
  2. 前記温調槽には、受け入れられた溶融液を30〜150℃昇温するための加熱器を備えた請求項1に記載のプラズマ溶融システム。
  3. 前記溶融槽の回転方向と温調槽の回転方向とが逆方向に設定されている請求項1又は請求項2に記載のプラズマ溶融システム。
  4. 前記溶融槽は回転角度が90°毎に溶融位置と複数の非溶融位置とが設定され、温調槽は回転角度が90°毎に溶融液受け入れ位置と複数の溶融液非受け入れ位置とが設定されている請求項に記載のプラズマ溶融システム。
  5. 前記溶融槽の非溶融位置は、スラグ除去位置、電極交換位置及び被溶融物設置位置であり、温調槽の溶融液非受け入れ位置は、温調位置、出湯位置及びスラグ除去位置である請求項に記載のプラズマ溶融システム。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のプラズマ溶融システムを用いたプラズマ溶融方法であって、
    前記溶融位置の溶融槽で被溶融物の溶融操作を行い、調製された溶融液を溶融液受け入れ位置の温調槽に受け入れた後、非溶融位置の溶融槽で溶融のための準備操作を行い、溶融液非受け入れ位置の温調槽で溶融液受け入れのための準備操作を行うプラズマ溶融方法。
  7. 前記温調槽には加熱器を備え、温調槽に受け入れられた溶融液を30〜150℃昇温する請求項に記載のプラズマ溶融方法。
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