JP6858472B2 - 吸水方法、モール状糸体及びモール状糸体保持体 - Google Patents

吸水方法、モール状糸体及びモール状糸体保持体 Download PDF

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Description

本発明は、モール状糸体を用いる吸水方法、モール状糸体及びモール状糸体保持体に関する。
特開2008−73173号公報には、「基布と多数のパイルを備えてなり、前記各パイルの基部が基布に結合された状態で、前記多数のパイルが基布上に配設されているパイルマットであって、前記各パイルは、略円柱形状をなし、0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントが、パイルの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、前記パイルの略円柱形状外周面は、前記各フィラメントの先端部により形成されていることを特徴とする高吸水高乾燥性パイルマット」の発明が記載されている。
このパイルマットは、毛管現象により、パイルの内方に向かって強い吸水力が作用するので、各パイルは、比較的多量の水を各円形状横断面の内方に向かって迅速に吸水し得るものである。
しかしながら、この種のパイルマットにおけるパイル等の吸水性については、更なる向上が望まれるところである。
特開2008−73173号公報
本発明は、モール状糸体を用いる吸水において吸水性を高めることができる吸水方法、吸水性を高めることができるモール状糸体、及び、そのモール状糸体を備えるモール状糸体保持体を提供することを目的とする。
本発明のモール状糸体及びモール状糸体保持体は、次のように表すことができる。
(1) 多数の飾り糸を備えたモール状糸体であって、
前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であり、
前記飾り糸としての単繊維が、前記モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
吸水性が高いことを特徴とするモール状糸体。
多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であり、前記飾り糸としての単繊維は、モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなす。
前記多数の飾り糸を構成する0.03乃至3デニールの多数の吸水性に乏しい単繊維の横断面の扁平率の平均が0.5以上であることにより、飾り糸としての吸水性に乏しい単繊維の扁平率が低い従来のモール状糸体に比し、吸水性が顕著に高い。
(2) 芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール状糸体であって、
前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であり、
前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
吸水性が高い上記(1)記載のモール状糸体。
(3) 芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール糸であって、前記多数の飾り糸が、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であるものからなり、
複数条の前記モール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、その撚り合わさった部分が1本のモール糸状をなし、
前記撚り合わさった部分において、前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなす上記(2)記載のモール状糸体。
(4) 上記モール状糸体が略円柱形状をなし、その略円柱形状の外周面が、上記飾り糸としての単繊維の先端部により形成されている上記(1)又は(2)記載のモール状糸体。
(5) 上記撚り合わさった部分が略円柱形状の1本のモール糸状をなし、その略円柱形状の外周面が、上記飾り糸としての単繊維の先端部により形成されている上記(3)記載のモール状糸体。
(6) 上記多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.5乃至0.9である上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載のモール状糸体。
(7) 上記多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.6以上である上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載のモール状糸体。
(8) 上記多数の飾り糸としての単繊維が0.1乃至1.5デニールである上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載のモール状糸体。
(9) 上記多数の飾り糸は、互いに撚り合わさっていない状態である上記(1)乃至(8)の何れか1項に記載のモール状糸体。
(10) 上記多数の飾り糸としての単繊維が、外周に凹凸を有する横断面形状である上記(9)記載のモール状糸体。
飾り糸としての0.03乃至3デニールの単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなすものとすると共に、前記飾り糸としての0.03乃至3デニールの単繊維を、外周に凹凸を有する横断面形状の単繊維とする。
これにより、そのモール状糸体又はそれを有する物品を様々な用途に継続的に使用したり、モール状糸体又はそれを有する物品に対し家庭用洗濯機による洗濯やその他の洗濯又はクリーニングを繰り返し施した場合において、そのモール状糸体から飾り糸としての0.03乃至3デニールの単繊維が離脱することが効果的に防止される。
そのため、モール状糸体又はそれを有する物品を様々な用途に使用している間にモール状糸体から飾り糸としての0.03乃至3デニールの単繊維が離脱して繊維くずや埃等となり、食品や各種製品等の汚染源ともなることが防がれ、モール状糸体又はそれを有する物品の耐久性、耐洗濯性を効果的に向上させ、そのモール状糸体又はそれを有する物品が発揮する各種機能が継続使用や繰り返し洗濯に伴い低下することを効果的に防ぐことができる。
(11) 上記多数の飾り糸としての単繊維が、外周に3以上の凹凸を有する横断面形状である上記(9)記載のモール状糸体。
(12) 上記吸水性に乏しい単繊維の吸水率が、20℃相対湿度65%において5%以下である上記(1)乃至(11)の何れか1項に記載のモール状糸体。
(13) 基体と、その基体に保持された上記(1)乃至(12)の何れか1項に記載のモール状糸体からなるモール状糸体保持体。
(14) 上記モール状糸体がパイルを構成し、そのパイルの基部が基体に結合された状態で前記パイルが基体上に配設された上記(13)記載のモール状糸体保持体。
(15) 上記パイルの少なくとも一部は、基部が上記基体に結合され、先端部が自由端であるパイルであり、
前記先端部は、上記芯糸の先端部からほぼ放射状をなすように密設された上記飾り糸としての単繊維の先端部により略凸曲面状をなすものである上記(14)記載のモール状糸体保持体。
(16) 上記パイルの少なくとも一部は、基体に結合された一対の基部を有するループ状をなすパイルである上記(14)記載のモール状糸体保持体。
(17) 上記モール状糸体保持体が、上記モール状糸体からなるパイルの基部が基体としての基布に結合された状態でそのパイルが基布上に多数配設されてマットを構成するものである上記(14)乃至(16)の何れか1項に記載のモール状糸体保持体。
(18) 上記モール状糸体保持体が、上記モール状糸体からなるパイルの基部が基体としての基布に結合された状態でそのパイルが基布上に多数配設されて清掃又は洗浄材を構成するものである上記(14)乃至(16)の何れか1項に記載のモール状糸体保持体。
本発明のモール状糸体を用いる吸水方法、モール状糸体及びモール状糸体保持体においては、モール状糸体の多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である吸水性に乏しい単繊維、すなわち、吸水率が20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、前記飾り糸としての単繊維は、モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなす。
このモール状糸体の吸水性は、単繊維として横断面の扁平率の平均が0.5よりも低いことを除き同じものを用いた場合に比し高い。
模式的正面図である。 パイルの模式的拡大横断面図である。 モール糸によりパイルを形成する工程の一部を示す模式図である。 飾り糸としての単繊維の横断面形状を示す模式図である。 他の飾り糸としての単繊維の横断面形状を示す模式図である。
[1] 本発明の実施の形態
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図面は、何れも本発明のモール状糸体及びそのモール状糸体からなるパイルを備えてなるパイル保持体としての吸水パイルマットについてのものである。
(1) この吸水パイルマットAは、吸水性を有する基布S(基体)と多数の略円柱形状のパイルP(モール状糸体)を備えてなり、前記各パイルPの基部(図1における下端部)が基布Sに結合された状態で、前記多数のパイルPが基布S上に配設されているものである。
(2) この吸水パイルマットAにおける多数のパイルPは、0.52デニールのポリエステル繊維の単繊維Fを飾り糸とし、2本の50デニールのポリエステル繊維のモノフィラメント糸を芯糸として用いた強撚(500T/m)のモール糸Mにより、次のように形成することができる。
すなわち、前記強撚モール糸Mを張力がかかった状態で吸水性を有する基布S(基体)の裏側から表側(図3における上側)へ貫通させることにより、基布Sの表側において強撚モール糸Mを二つ折り状に突出させ、突出した強撚モール糸Mの先端部である折り返し部に対し、突出の向きに引張力を作用させ、二つ折り状に突出した強撚モール糸Mの張力を維持した後、その引張力を解除することにより、強撚モール糸Mが自ら撚り合わさって1本のパイル状のモール状糸体となる。これを熱処理することにより、撚り合わさった状態の強撚モール糸Mが更に強く自ら撚り合わさり、芯糸Cを中心として略円柱形状をなし、単繊維Fがほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、パイルPの先端部Paがほぼ放射状の単繊維Fの先端部により略凸曲面形状をなす多数のパイルPを形成することができる。
(3) 多数の飾り糸(単繊維F)の横断面の扁平率の平均は0.70である。単繊維Fの横断面形状は、例えば図4に模式的に示すような、短軸と長軸の比が3:10程度(扁平率0.7)の略長方形状であるが、これに限るものではない。他の飾り糸としての単繊維の横断面形状の例として、図5に示すように、短軸と長軸の比が2:5程度(扁平率0.6)の略楕円形状の外周部に、底辺が短軸の半分程度で高さが短軸の3分の1程度の略三角形状の葉状の突起部Faをほぼ等間隔に有する扁平多葉形状を挙げることができるがこれに限るものではない。
(4) 基部が基布Sに結合された各パイルPは、基部から先端部に至るまで略円柱形状(模式図である図1に示すように直立することを要するものではなく、一般的にある程度屈曲し易い。)をなし、その軸線に沿う疎水性繊維(吸水性に乏しい繊維)のモノフィラメント糸からなる芯糸Cにより、0.52デニールの極めて細い多数のポリエステル繊維のフィラメントからなる単繊維F(20℃相対湿度65%において吸水率が5%以下の疎水性繊維[吸水性に乏しい繊維]。以下同じ。)が、パイルPの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設された状態で保持されてなり、パイルPの略円柱形状外周面は単繊維Fの先端部により形成されている。なお、飾り糸としての単繊維Fの長さは約6mmである。
(5) この吸水パイルマットAを継続的に使用したり、家庭用洗濯機による洗濯やその他の洗濯又はクリーニングを繰り返し施した場合において、そのパイルP(モール状糸体)から飾り糸としての0.52デニールの単繊維が離脱することが効果的に防止される。
(6) パイルPの先端部Paは、芯糸Cにより保持されて放射状をなすよう密設された多数の0.52デニールのポリエステル繊維の単繊維Fにより形成されて略凸曲面形状をなし、その略凸曲面は、それらの単繊維Fの先端部により形成されている。
(7) パイルPの軸線に沿う芯糸Cは、2本の50デニールのポリエステル繊維のモノフィラメント糸(20℃相対湿度65%において吸水率が5%以下の疎水性繊維。以下同じ。)が2組撚り合わさっている。
(8) このパイルPの先端部Paにおいては、三次元的に内方(例えば上向きに凸の略半球であればその略半球の底面中央部)に向かって前記極細疎水性単繊維Fの密度が高くなって毛管現象により強い吸水力が作用し、先端部Pa以外の略円柱形状部分においては径方向内方に向かって極細疎水性単繊維Fの密度が高くなって毛管現象により強い吸水力が作用する。そのため、各パイルPは、比較的多量の水を径方向内方に向かって迅速に吸水し得る。
多数の飾り糸を構成する0.52デニールの多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.7程度であることにより、飾り糸としての単繊維の扁平率が低い従来のモール状糸体に比し、吸水性が顕著に高い。
逆に、吸水したパイルPの先端部Paの略凸曲面状外周部やパイルPの略円柱形状外周部は、毛管現象により、水分含有率が低い状態となる。而も、パイルPの先端部Paの略凸曲面状外周部やパイルPの略円柱形状外周面部は、疎水性繊維の単繊維Fの先端部により形成されているので、繊維が占める面積が比較的小さく、且つ、繊維自体が非湿潤状態を維持する。
更に、各パイルPは、その軸線に沿う、疎水性繊維のモノフィラメント糸からなる芯糸Cを有するので、各パイルPにおいて、毛管現象により先端部Paの内方や径方向内方に吸収された水分は、芯糸Cに沿って、吸水性を有する基布Sへ導かれ得る。
そのため、各パイルPの先端部Paの内方や各パイルPの径方向内方に吸収された水分がパイルPの径方向中央部に滞留することが防がれ得ると共に、パイルPの先端部Paの略凸曲面状外周部から内方へ又はパイルPの略円柱形状外周面部から径方向内方への更なる吸水を妨げることや、パイルPの先端部Paの略凸曲面状外周部やパイルPの略円柱形状外周面部にべとつき感が生じることが防がれ得る。
(9) なお、図1乃至図5は、何れも説明のための模式図であり、実物を示したものではない。
(10) 試験例1
上記吸水パイルマットA(モール状糸体の飾り糸:0.52デニール、横断面の平均扁平率0.70)、並びに、パイルP(モール状糸体)の飾り糸としての多数の単繊維が、横断面の扁平率の平均がそれぞれ0.55、0.43及び0.29である0.52デニールのポリエステル繊維であること以外は上記の例の吸水パイルマットAと同じである本発明の吸水パイルマットB、比較吸水パイルマットX及び比較吸水パイルマットYについて、それぞれ、JIS L 1907に規定されている改良ラローズ法により吸水性試験を行なったところ、次のような結果が得られた。
A 10ml吸水到達時間:36.8秒 最大吸水速度:0.50 mL/s 吸水指数3211
B 10ml吸水到達時間:60.1秒 最大吸水速度:0.44 mL/s 吸水指数2387
X 10ml吸水到達時間:76.8秒 最大吸水速度:0.41 mL/s 吸水指数1895
Y 10ml吸水到達時間:89.4秒 最大吸水速度:0.37 mL/s 吸水指数1692
これにより、本発明の吸水パイルマットA及びB(特にA)のモール状糸体が吸水性能において優れることが確認された。なお、モール状糸体の飾り糸が0.8デニールであることを除き同様のパイルマットA’、B’、X’、Y’についても同様に本発明の吸水パイルマットA’及びB’(特にA’)のモール状糸体が吸水性能において優れるという結果が得られた。
また、上記パイルマットA、B、X、Yのそれぞれにおける所定範囲のパイルPに所定量の水を所定流量で滴下して吸水させ、その所定範囲のパイルPを含む部分の上に非吸水性のプレートを載せて2分間所定の荷重を載荷し、そのプレートを除去して前記所定範囲のパイルPを含む部分の上に吸水性シート状材料を載せ更に非吸水性のプレートを載せて1分間一定の荷重を載荷することにより前記吸水性シート状材料に移行した水分量を測定し、吸水性シート状材料に移行した水分量の比率が低いものほど吸水性に優れると評価した試験結果においても同様に本発明の吸水パイルマットA及びB(特にA)のモール状糸体が吸水性能において優れるという評価が得られた。
(11) 試験例2
パイルP(モール状糸体)の飾り糸としての単繊維の横断面形状が、図5に示すように短軸と長軸の比が2:5程度(扁平率0.6)の略楕円形状の外周部に、底辺が短軸の半分程度で高さが短軸の3分の1程度の略三角形状の葉状の突起部Faをほぼ等間隔に有する扁平多葉形状である0.52デニールのポリエステル繊維であること以外は、上記の例の吸水パイルマットA(縦450mm、横600mmのパイルマット、パイルPの長さは約22mm、パイルPの本数は約3000本、パイルP1本当りの単繊維Fの本数は約90,000本)と同じである本発明の吸水パイルマットCと、
飾り糸としての単繊維が、横断面形状がほぼ円形である0.52デニールのポリエステル繊維であること以外は、上記の例の吸水パイルマットA(縦450mm、横600mmのパイルマット、パイルPの長さは約22mm、パイルPの本数は約3000本、パイルP1本当りの単繊維Fの本数は約90,000本)と同じである比較吸水パイルマットZについて、
それぞれ、洗濯試験(JIS L 0217 103法 吊干し 10回繰り返し)を行なったところ、飾り糸としての単繊維の脱毛率は、比較吸水パイルマットZにおいて0.075%であるのに対し、本発明の吸水パイルマットCでは0.051%と3割以上改善され、脱毛する単繊維Fの本数は約12万本低減された。
[2] 上記以外の形態を含めた本発明の実施の形態
本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
(1) 本発明のモール状糸体は、多数の飾り糸を備えたモール状糸体であって、
前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であり、
前記飾り糸としての単繊維が、前記モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
吸水性が高いものである。
(1-1) 飾り糸としての単繊維の繊度は、好ましくは0.05乃至2デニール、より好ましくは0.1乃至1.5デニールであり、0.1又は0.2乃至1.2デニール、0.1又は0.2乃至1デニール、或いは、0.1又は0.2乃至0.8デニールとすることもできる。
(1-2) 飾り糸としての単繊維の長さは、例えば3乃至30mmとすることができるがこれに限るものではない。また、飾り糸としての単繊維の長さは一定であることが望ましいがこれに限るものではない。
(1-3) モール状糸体における多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均は0.5以上であり、横断面の扁平率の平均は、例えば0.5乃至0.9であるものとすることができる。好ましくは0.55以上、より好ましくは0.6以上である。
なお、扁平率fとは、横断面の最大寸法をa、その最大寸法の方向に直交する方向の寸法をbとした場合、f=(a−b)/aを意味する。
単繊維の扁平率等の横断面形状は、任意の横断面において実質上同一であるものとすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
(1-4) モール状糸体における飾り糸としての単繊維が吸水性に乏しいものとすることにより、毛管現象により内方に向かう吸水力が作用するものとすることができる。好ましくは、モール状糸体が略円柱形状をなし、その略円柱形状の外周面が、飾り糸としての単繊維の先端部により形成されている場合である。
(1-5) 多数の飾り糸としての単繊維が、モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であるため、毛管現象により、その内方に向かって強い吸水力が作用し、比較的多量の水を内方に向かって迅速に吸水し得る。多数の飾り糸としての単繊維がモール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすというのは、幾何学的に径方向に直線的に放射状でなければならないことを意味するものではなく、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維が概ね径方向に放射状をなし、内方に向かうほど高密度状態となることにより、毛管現象によりほぼ径方向内方に向かって強い吸水力が作用し得るものであればよい。
このように吸水したモール状糸体の外周部は、毛管現象により、水分含有率が低い状態となり、而も、同外周面部は、吸水性に乏しい単繊維の先端部により形成されているので、繊維が占める面積が比較的小さく、且つ繊維自体が非湿潤状態を維持する。そのため、水分を吸収した状態の前記外周面部は比較的乾燥した状態を維持し易く、べとつき感が生じにくい。
(1-6) 吸水性に乏しい単繊維の吸水率としては、20℃相対湿度65%において、例えば5%以下とすることができる。好ましくは、20℃相対湿度65%において3%以下、より好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下である。そのような単繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維等のフィラメントからなるものとすることができ、必要に応じ、全単繊維又は一部の単繊維を捲縮フィラメント等の捲縮したものとすることや、全単繊維又は一部の単繊維の全体又は部分に各種界面活性剤等により親水化処理を施すこともできる。
(1-7) この場合の飾り糸としての単繊維は、モール状糸体の軸線方向長1cm当り、例えば1万乃至25万本程度(単繊維の繊度の大小に応じ、本数は、それぞれ少な目及び多目とすることができる。単繊維が0.7デニールの場合、モール状糸体の軸線方向長1cm当り、例えば5万本程度。)が、その軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されたものとすることができる。
(1-8) 多数の飾り糸は、互いに撚り合わさっていない状態であるものとすることができる。飾り糸が互いに撚り合わさっていないことにより、毛管現象による径方向内方に向かって強い吸水力が作用することが妨げられ難い。
(1-9) 本発明のモール状糸体は、芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール状糸体であって、
前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であり、
前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
吸水性が高いものとすることができる。
(a) また本発明のモール状糸体は、芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール糸であって、前記多数の飾り糸が、横断面の扁平率の平均が0.5以上である0.03乃至3デニールの吸水性に乏しい単繊維であるものからなり、
複数条の前記モール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、その撚り合わさった部分が1本のモール糸状をなし、
前記撚り合わさった部分において、前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなすものとすることができる。
複数条のモール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、その撚り合わさった部分が1本のモール糸状をなす態様としては、例えば、
前記モール糸が折り返されて複数条に形成された部分および/または個別の複数条の前記モール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、或いは、そのように撚り合わさったものが折り返されて複数条に形成された部分および/または個別の複数条の前記モール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることによりその撚り合わさった部分が1本のモール糸状をなす態様を挙げることができる。
上記モール糸が折り返された2条のモール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさった場合、その撚り合わさった部分が、折り返された箇所を自由端とする1本のモール糸状をなし、前記自由端部は、上記芯糸の先端部からほぼ放射状をなすように密設された上記飾り糸としての単繊維の先端部により略凸曲面状をなすものとすることができる。
(b) 芯糸に保持される多数の飾り糸、すなわち飾り糸としての単繊維は、その中間部において芯糸に保持されている。多数の飾り糸としての単繊維は、互いに撚り合わさっていない状態、すなわち、撚により集束されていない状態で芯糸に保持されているものとすることができる。それらの飾り糸は、芯糸に保持されている部分以外は基本的に互いに独立性があることが望ましい。飾り糸のうち芯糸に保持される中間部は、飾り糸の長さ方向の一定位置であること、特に中央位置であることが望ましい。
(c) 飾り糸が芯糸に対し横方向状をなすというのは、芯糸に保持された飾り糸の長さ方向が、芯糸の長さ方向に対し60乃至90度程度の角度をなす状態、好ましくは70乃至90度、より好ましくは80乃至90度若しくは85乃至90度の角度をなす状態を意味する。
(d) 芯糸に対する飾り糸の保持としては、例えば、複数本の芯糸同士の間(例えば、相互に撚り状態にある複数本の芯糸同士の間)に挟み込む力による保持、1又は好ましくは2本以上の芯糸に対する接着又は融着等の固着物質の固着力による保持、又は、両者の併用(複数本の芯糸同士の間に挟み込む力と、固着物質の固着力による保持の併用)が可能である。
固着物質の固着力による保持を行う場合においては、例えば芯糸として熱融着糸を用い、熱処理により芯糸を融着することができる。
(e) 多数の飾り糸は、芯糸の長さ方向において満遍なく又は間隔おきに保持されたものとすることができる。間隔おきの保持としては、多数の飾り糸からなる飾り糸群が芯糸の長さ方向において一定間隔おきに又は可変間隔おきに保持された場合を挙げることができる。相互に撚り状態にある複数本の芯糸同士の間に飾り糸を保持する場合は、例えば、その撚り数に応じた一定間隔おきに飾り糸が保持されたものとすることができる。
(f) 芯糸としては、例えば、10乃至300デニールのモノフィラメント糸、紡績糸、又はマルチフィラメント撚糸を挙げることができるが、これに限るものではない。前記熱融着糸を用いることもできる。芯糸の素材としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミド系繊維を挙げることができるが、これに限るものではない。
(g) モール状糸体(複数条のモール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、1本のモール糸状をなす部分を含む)は、略円柱形状をなし、その略円柱形状の外周面が、上記飾り糸としての単繊維の先端部(すなわち、芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設された単繊維の先端部)により形成されているものとすることができる。
この場合、飾り糸としての単繊維の長さは一定であることが望ましい。また、飾り糸のうち芯糸に保持される中間部は、飾り糸の長さ方向の一定位置、特に中央位置であることが望ましい。
(1-10) モール状糸体における飾り糸としての単繊維の横断面形状は、外周に凹凸(すなわち凹部と凸部)を有する横断面形状とすることができる。
この場合、多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.5以上であり、その単繊維は0.03乃至3デニールで外周に凹凸を有する横断面形状であり、而も、モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなす。
そのため、前記飾り糸としての単繊維は、モール状糸体からの離脱、特に、芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したものにおけるモール状糸体からの離脱が効果的に防がれる。
前記単繊維が外周に凹凸を有する横断面形状の単繊維である場合、モール状糸体又はそれを有する物品に対し家庭用洗濯機による洗濯やその他の洗濯又はクリーニングを繰り返し施した場合において、そのモール状糸体から飾り糸としての吸水性に乏しい0.03乃至3デニールの単繊維が離脱することが効果的に防止されるので、モール状糸体において作用する、毛管現象により内方に向かう吸水効果の低下や、水分と共に汚れを吸収する場合における清掃効果の低下等を効果的に防ぐことができる。
好ましい態様としては、外周に3以上の凸部を有するものを挙げることができる。その場合、単繊維の横断面形状の外周における凸部同士の間に1以上の凹部が存在するものとすることができる。
単繊維の横断面形状の外周における凸部の突出寸法は、例えば、その横断面の外接円の直径の3%以上50%以下とすることができる。好ましくは、5乃至10%以上50%以下である。
飾り糸としての単繊維の横断面形状の具体的な例としては、楕円形若しくは略楕円形・長方形等の所定の多角形の外周部に周方向間隔おき(例えば等間隔おき又は等中心角毎)に例えば略三角形状・略方形状・略台形状等の一定の又は複数種若しくは多様な突起部が3以上(好ましくは4若しくは5以上)形成された形状を挙げることができ、いわゆる扁平多葉形状も含まれる。これらの場合、突起部同士の間の部分を凹部とすることができる。
(2) 本発明のモール状糸体保持体は、基体と、その基体に保持された本発明のモール状糸体からなるものである。
(2-1) 本発明のモール状糸体保持体は、本発明のモール状糸体がパイルを構成し、そのパイルの基部が基体に結合された状態で前記パイルが基体上に配設されたものとすることができる。
本発明のモール状糸体保持体は、本発明のモール状糸体からなるパイルを多数備えるものとすることができ、それらのパイルは、全て同種のものとすることができる他、複数種のパイルを組み合わせることもできる。
(2-1) 本発明のモール状糸体保持体におけるモール状糸体からなるパイルの一例としては、基部が基体に結合され、先端部が自由端であるパイルであり、前記先端部が、芯糸の先端部からほぼ放射状をなすように密設された飾り糸としての単繊維の先端部により略凸曲面状をなすものを挙げることができる。
このようなパイルは、モール糸が折り返された2条のモール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさり、その撚り合わさった部分が、折り返された箇所を先端端とする1本のモール糸状をなし、前記先端部は、上記芯糸の先端部からほぼ放射状をなすように密設された上記飾り糸としての単繊維の先端部により略凸曲面状をなすものとすることができる。
(2-2) 本発明のモール状糸体保持体におけるモール状糸体からなるパイルの他の例としては、基体に結合された一対の基部を有し、一方の基部から他方の基部にわたりループ状をなすパイルを挙げることができる。
(2-3) 本発明のモール状糸体保持体の具体例としては、
モール状糸体からなるパイルの基部が基体としての基布に結合された状態でそのパイルが基布上に多数配設されてマットを構成するもの、
モール状糸体からなるパイルの基部が基体としての基布に結合された状態でそのパイルが基布上に多数配設されてモップ用拭材等の清掃材又は浴槽洗浄材等の洗浄材を構成するもの、
モール状糸体からなるパイルの基部が基体としての基布に結合された状態でそのパイルが基布上に多数配設されて傘袋等における水分吸収保持材を構成するもの
等を挙げることができるが、これらに限るものではない。
(2-4) 本発明のモール状糸体保持体における基体は、織布、不織布等の基布とするのが一般的であるが、必ずしもこれに限らない。
A パイルマット
C 芯糸
F 単繊維
Fa 突起部
M モール糸
P パイル
Pa 先端部
R ループ部
S 基布

Claims (14)

  1. 外部の水分を、多数の飾り糸を備えたモール状糸体を用いて、そのモール状糸体の内方に向かって吸収させる吸水方法であって、
    前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上単繊維であって、その単繊維は、吸水率20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、
    前記飾り糸としての単繊維が、前記モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
    前記単繊維として横断面の扁平率の平均が0.5よりも低いことを除き同じものを用いた場合に比し吸水性が高いことを特徴とする吸水方法。
  2. 上記モール状糸体は、芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール状糸体であって、
    前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上単繊維であって、その単繊維は、吸水率20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、
    前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
    前記単繊維として横断面の扁平率の平均が0.5よりも低いことを除き同じものを用いた場合に比し吸水性が高いものである請求項1記載の吸水方法。
  3. 上記モール状糸体は、芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール糸であって、前記多数の飾り糸が、横断面の扁平率の平均が0.5以上単繊維であるものからなり、その単繊維は、吸水率20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、
    複数条の前記モール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、その撚り合わさった部分が1本のモール糸状をなし、
    前記撚り合わさった部分において、前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなす請求項2記載の吸水方法。
  4. 上記多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.55以上である請求項1乃至3の何れか1項に記載の吸水方法。
  5. 上記多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.7以上である請求項1乃至3の何れか1項に記載の吸水方法。
  6. 多数の飾り糸を備えたモール状糸体であって、
    前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上単繊維であって、その単繊維は、吸水率20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、
    前記飾り糸としての単繊維が、前記モール状糸体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
    前記単繊維として横断面の扁平率の平均が0.5よりも低いことを除き同じものを用いた場合に比し吸水性が高いことを特徴とするモール状糸体。
  7. 芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール状糸体であって、
    前記多数の飾り糸は、横断面の扁平率の平均が0.5以上単繊維であって、その単繊維は、吸水率20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、
    前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなし、
    前記単繊維として横断面の扁平率の平均が0.5よりも低いことを除き同じものを用いた場合に比し吸水性が高い請求項記載のモール状糸体。
  8. 芯糸に対し、多数の飾り糸を、その飾り糸の中間部において、前記芯糸に対し横方向状をなすように保持したモール糸であって、前記多数の飾り糸が、横断面の扁平率の平均が0.5以上単繊維であるものからなり、その単繊維は、吸水率20℃相対湿度65%において5%以下であるか又はポリエステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維若しくはポリアミド系繊維のフィラメントであり、
    複数条の前記モール糸が、各条のモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより、その撚り合わさった部分が1本のモール糸状をなし、
    前記撚り合わさった部分において、前記飾り糸としての単繊維が、前記芯糸を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように周方向に密設されて内方に向かうほど高密度状態となり且つ軸線方向に密設された状態をなす請求項記載のモール状糸体。
  9. 上記モール状糸体が略円柱形状をなし、その略円柱形状の外周面が、上記飾り糸としての単繊維の先端部により形成されている請求項6又は7記載のモール状糸体。
  10. 上記撚り合わさった部分が略円柱形状の1本のモール糸状をなし、その略円柱形状の外周面が、上記飾り糸としての単繊維の先端部により形成されている請求項記載のモール状糸体。
  11. 上記多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.55以上である請求項6乃至10の何れか1項に記載の吸水方法。
  12. 上記多数の飾り糸としての多数の単繊維の横断面の扁平率の平均が0.7以上である請求項6乃至10の何れか1項に記載のモール状糸体。
  13. 上記多数の飾り糸は、互いに撚り合わさっていない状態である請求項6乃至12の何れか1項に記載のモール状糸体。
  14. 基体と、その基体に保持された請求項6乃至12の何れか1項に記載のモール状糸体からなるモール状糸体保持体。
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