JP6857335B2 - エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構 - Google Patents

エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構 Download PDF

Info

Publication number
JP6857335B2
JP6857335B2 JP2019088350A JP2019088350A JP6857335B2 JP 6857335 B2 JP6857335 B2 JP 6857335B2 JP 2019088350 A JP2019088350 A JP 2019088350A JP 2019088350 A JP2019088350 A JP 2019088350A JP 6857335 B2 JP6857335 B2 JP 6857335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rope
adjusting
head portion
elastic deformation
rotating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019088350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020176012A (ja
Inventor
王 維
維 王
麗君 彭
麗君 彭
燦雄 呉
燦雄 呉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitec Co Ltd
Original Assignee
Fujitec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitec Co Ltd filed Critical Fujitec Co Ltd
Publication of JP2020176012A publication Critical patent/JP2020176012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6857335B2 publication Critical patent/JP6857335B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B1/00Control systems of elevators in general
    • B66B1/24Control systems with regulation, i.e. with retroactive action, for influencing travelling speed, acceleration, or deceleration
    • B66B1/26Control systems with regulation, i.e. with retroactive action, for influencing travelling speed, acceleration, or deceleration mechanical
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B1/00Control systems of elevators in general
    • B66B1/34Details, e.g. call counting devices, data transmission from car to control system, devices giving information to the control system

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

本発明は、エレベータ用調速装置においてかごに設けられた安全装置に連結された調速ロープを挟み込むことによって該安全装置を動作させて該かごの下降を停止させるロープ挟み込み機構に関する。
従来から、エレベータ用調速装置においてかごの降下速度が規定の値(超過速度値)を超えて超過速度となったときにかごに設けられた安全装置に連結されている調速ロープを挟み込むことによって該安全装置を動作させて該かごを停止させるロープ挟み込み機構が知られている(特許文献1参照)。
具体的に、このロープ挟み込み機構は、図8に示すように、かごに設けられた安全装置に連結される調速ロープ950に沿った位置に固定される固定側シュー910と、固定側シュー910との間に調速ロープ950を挟み込むことが可能な可動側シュー921を有するヘッド部920と、基端部を回動軸Cにして垂直平面内で回動可能に配置され且つ先端部(基端部と反対側の端部)にヘッド部920を保持するアーム部930と、ヘッド部920をアーム部930の基部から先端部に向かう方向に付勢する圧縮コイルバネ940と、を備える。
アーム部930は、回動軸Cと所定の間隔をあけた基準位置(図8に示す位置)から回動軸Cに向けて往復移動可能にヘッド部920を保持する。また、アーム部930は、該アーム部930の基端部に配置される第一調整部931と、該アーム部930の先端部に配置される第二調整部932と、を有する。第一調整部931は、回動軸Cとヘッド部920(基準位置)との間隔を調整し、第二調整部932は、圧縮コイルバネ940の弾性変形量(即ち、ヘッド部920への付勢力の大きさ)を調整する。
このロープ挟み込み機構900では、エレベータの設置やメンテナンスの際等に、ヘッド部920の基準位置(回動軸Cからの距離)がアーム部930の基端部に設けられた第一調整部931によって調整され、固定側シュー910と可動側シュー921とが調速ロープ950を挟み込んだときの把持力(固定側シュー910及び可動側シュー921と調速ロープ950との間に作用する摩擦力)がアーム部930の先端部に設けられた第二調整部932によって調整される。
以上のエレベータ用調速装置が設置されたエレベータでは、かごの降下速度が予め設定されている値を超えて超過速度となったときに、アーム部930が回動して(図8の矢印A参照)固定側シュー910と可動側シュー921とが調速ロープ950を挟み込むことによってかごに設けられた安全装置が作動し、これにより、かごが停止(非常停止)する。
特開2018−20875号公報
近年では、エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構900におけるヘッド部920の基準位置の調整や、固定側シュー910と可動側シュー921とが調速ロープ950を挟み込んだ時の把持力の調整の際の作業性の向上が求められている。
そこで、本発明は、エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構であって、調整の際の作業性を向上させたロープ挟み込み機構を提供することを課題とする。
本発明に係るエレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構は、
エレベータのかごに連結される調速ロープに沿った位置に固定される固定側シューと、
前記固定側シューとの間に前記調速ロープを挟み込み可能な可動側シューを有するヘッド部と、
前記調速ロープの挟み込まれる部位の延びる方向、及び該挟み込まれる部位と前記固定側シューとが並ぶ方向のそれぞれに直交する方向に延びる回動軸を回動中心にして回動可能であり、且つ、前記回動軸と直交する所定方向において該回動軸と間隔をあけた基準位置から該回動軸に向けて往復移動可能に前記ヘッド部を保持する回動部と、
前記ヘッド部の前記基準位置からの前記回動軸側への移動によって弾性変形し又は弾性変形量が増大することにより該ヘッド部を付勢する弾性変形部と、を備え、
前記回動部は、
前記回動軸と前記基準位置との間隔を調整可能な位置調整部と、
前記弾性変形部の弾性変形量を調整可能な変形量調整部と、を有し、
前記位置調整部と前記変形量調整部とは、前記回動軸に対して前記ヘッド部の側と反対側の位置において隣り合う又は一部を共通させている。
かかる構成によれば、位置調整部と変形量調整部とが回動軸に対してヘッド部の側と反対側の位置において隣り合う又は一部を共通させているため、回動軸と基準位置(ヘッド部の基準位置)との間隔と、弾性変形部の弾性変形量と、をそれぞれ調整する場合の作業性が向上する。即ち、位置調整部と変形量調整部とが回動軸に対してヘッド部の側と反対側の位置に配置されていることで、ヘッド部やその周辺の部材(調速ロープや固定側シュー等)が邪魔になることなく位置調整部と変形量調整部とを操作できる。しかも、位置調整部と変形量調整部とが隣り合っている(並んで配置されている)又は一部を共通させていることで、回動軸と基準位置との間隔と弾性変形部の弾性変形量とをそれぞれ調整する際に、位置調整部と変形量調整部とが離れて配置されている場合(例えば、図8参照)に比べて調整し易い。
前記エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構では、
前記可動側シューは、前記固定側シューとの間に前記調速ロープを挟み込むときに該調速ロープと接触する把持面を有し、
前記回動部は、二つ配置され、
これら二つの回動部は、前記把持面が前記調速ロープの前記挟み込まれる部位と平行又は略平行となるような前記ヘッド部の姿勢を維持しつつ各回動部が回動するように、前記ヘッド部と共に平行クランク機構を構成することが好ましい。
このような平行クランク機構が構成されることにより、各回動部が回動して可動側シューが固定側シューとの間に調速ロープを挟み込んだときに、把持面が調速ロープと平行又は略平行な状態で該調速ロープに接触するため、把持面と調速ロープとの間の摩擦力(調速ロープの挟み込まれる部位が延びる方向における各位置の摩擦力)が均一になり、その結果、調速装置の把持力の安定性が保たれる。
また、前記エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構では、
前記位置調整部は、レンチと嵌合可能な第一被嵌合部を有し、該第一被嵌合部が回転することによって前記回動軸と前記基準位置との間隔を変化させ、
前記変形量調整部は、レンチと嵌合可能な第二被嵌合部を有し、該第二被嵌合部が回転することによって前記弾性変形部の弾性変形量を変化させてもよい。
かかる構成によれば、回動軸と基準位置との間隔と弾性変形部の弾性変形量とのそれぞれを、一般的な工具(レンチ)によって調整することができる。
前記エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構では、
前記弾性変形部は、並列に配置された一対の圧縮コイルバネを有し、
前記変形量調整部は、
前記一対の圧縮コイルバネのうちの一方の圧縮コイルバネの弾性変形量を調整可能な第一調整部と、
前記一対の圧縮コイルバネのうちの他方の圧縮コイルバネの弾性変形量を調整可能な第二調整部と、を有してもよい。
このように、弾性変形部においてヘッド部を付勢するために、並列に配置された一対の圧縮コイルバネを用い、且つ、変形量調整部を、二つ(一対)の圧縮コイルバネの弾性変形量をそれぞれ調整する構成とすることで、二つの圧縮コイルバネの弾性変形量を一緒に調整する構成や、一つの圧縮コイルバネ(前記並列に配置された一対の圧縮コイルバネによって生じる付勢力(弾性復帰力)を一つで生じさせることができる圧縮コイルバネ)の弾性変形量を調整する構成に比べ、弾性変形量を調整する際の力を抑えることができる。
以上より、本発明によれば、エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構であって、調整の際の作業性を向上させたロープ挟み込み機構を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るエレベータの構成を示す模式図である。 図2は、前記エレベータが備えるエレベータ用調速装置の側面図である。 図3は、前記エレベータ用調速装置の構成を示すための断面図である。 図4は、前記エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構における可動側シュー、ヘッド部、及び一対のアーム部によって構成される平行クランク機構の断面図である。 図5は、前記アーム部を説明するための一部分解斜視図である。 図6(a)は、ヘッド部の基準位置の位置調整を説明するための図であって、調整前の状態を示す図であり、図6(b)は、ヘッド部の基準位置の位置調整を説明するための図であって、調整後の状態を示す図である。 図7(a)は、弾性変形部材の弾性変形量の調整を説明するための図であって、調整前の状態を示す図であり、図7(b)は、弾性変形部材の弾性変形量の調整を説明するための図であって、調整後の状態を示す図である。 図8は、従来のエレベータ用調速装置の構成を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図7(b)を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るエレベータ用調速装置(以下、単に「調速装置」と称する。)は、図1に示すように、エレベータ10に用いられる。以下では、先ず、このエレベータ10について簡単に説明する。
エレベータ10は、建物内等において上下方向に延びる昇降路11と、昇降路11の上部又は昇降路11の上方に設けられた機械室等に配置され且つ主シーブ12aを有する巻上機12と、主シーブ12aに巻き掛けられている主ロープ13と、主ロープ13の一端に接続され且つ昇降路11内を昇降するかご14と、主ロープ13の他端に接続されるカウンターウェイト15と、を備える。
また、エレベータ10は、昇降路11の下部に配置されるテンションシーブ16と、テンションシーブ16の上方に位置するガバナシーブ2を有し且つ昇降路11の上部又は昇降路11の上方に設けられた機械室等に配置される調速装置1と、かご14に連結され且つテンションシーブ16とガバナシーブ2とに巻き掛けられた無端状のガバナロープ(調速ロープ)17と、を備える。このガバナロープ17の中間部(上下方向の中間部)には、かご14が有する非常止め装置14aを作動させる非常止めレバー14bが接続されている。
このエレベータ10では、巻上機12が主シーブ12aを回転駆動することによって、主ロープ13の一端に接続されているかご14が昇降路11内を昇降する。このかご14の昇降に伴い、非常止めレバー14bが接続されているガバナロープ17が、かご14の昇降速度と同速度で走行(回転)する。本実施形態のガバナロープ17は、かご14が上昇すると、第一の向き(図1の矢印U参照)に走行(回転)し、かご14が下降すると、第一の向きと反対向きである第二の向き(図1の矢印D参照)に走行(回転)する。
続いて、調速装置1について詳細に説明する。
調速装置1は、ガバナロープ17が巻き掛けられたガバナシーブ2の回転速度によってかご14の昇降速度を検出し、かご14の降下速度が規定の値(超過速度値)を超えた速度(超過速度)になると、該かご14を停止させる。本実施形態の調速装置1は、昇降路11の上方に設けられた機械室において巻上機12と共に配置されている。
具体的に、調速装置1は、図2及び図3にも示すように、ガバナロープ17が巻き掛けられるガバナシーブ2と、水平方向に延びる回転軸部材32を有し且つガバナシーブ2を回転軸部材32周りに回転自在な状態で支持する支持部3と、ガバナロープ17を挟み込み可能なロープ挟み込み機構4と、ガバナシーブ2の回転速度が規定の値(超過速度値に対応する値)を超えたときにロープ挟み込み機構4を作動させる速度検出部5と、を有する。
以下では、回転軸部材32の延びる方向を直交座標系におけるX軸方向とし、回転軸部材32の延びる方向と直交し且つ水平な方向を直交座標系におけるY軸方向とし、上下方向を直交座標系におけるZ軸方向とする。
ガバナシーブ2は、ガバナロープ17が外周に沿って巻き掛けられる円環状のリム部21と、リム部21の中心部に配置され且つ支持部3の回転軸部材32が挿通されるハブ部22と、リム部21の径方向に延びて該リム部21とハブ部22とを接続する複数のスポーク部23と、を有する。これら複数のスポーク部23は、周方向に間隔をあけて配置されている。ハブ部22は、挿通される回転軸部材32と接する位置(回転軸部材32を囲む位置)にベアリング22aを有する(図3参照)。これにより、ガバナシーブ2は、X軸方向に延びる回転軸部材32を回転中心に対して回転自在である。
支持部3は、機械室の床等に設置されるベース31と、ガバナシーブ2の中心部(ハブ部22)に挿通される回転軸部材32と、ベース31の上方において回転軸部材32を支持する一対のフレーム33と、を有する。
ベース31は、水平方向に広がるベース本体311と、ガバナシーブ2に巻き掛けられて該ガバナシーブ2のY軸方向の両端から下方に延びるガバナロープの部位(鉛直部位)17a、17bのうちの一方の鉛直部位17aが通過する貫通孔312と、ロープ挟み込み機構4を構成する部材(後述する、固定側シュー41)を貫通孔312の周縁において該貫通孔312を通過する鉛直部位17aに沿うように固定するシュー固定部313と、を有する。本実施形態のシュー固定部313は、固定側シュー41と鉛直部位17aとがY軸方向に並ぶように、固定側シュー41を固定する。
本実施形態のベース31は、一つの貫通孔312を有し、この貫通孔312は、ベース本体311において、二つの鉛直部位17a、17bのうちの一方の鉛直部位17aであって、ガバナロープ17が第二の向き(図1の矢印Dの向き)に走行(回転)したときに下方に向かう側の鉛直部位17aが通過できる位置に設けられている。尚、本実施形態の調速装置1では、ガバナロープ17の二つの鉛直部位17a、17bのうちの他方の鉛直部位17bは、ベース本体311の外側(Y軸方向の外側)を上下方向に走行する。
回転軸部材32は、X軸方向に延びる円柱状の部材であり、ガバナシーブ2からX軸方向の両側に突出している部位を一対のフレーム33によって支持されている。
一対のフレーム33は、間にガバナシーブ2が位置するようにX軸方向に間隔をあけてベース31から上方に向けてそれぞれ延びている。これら一対のフレーム33は、回転軸部材32が水平になるように該回転軸部材32を支持している。また、本実施形態の一対のフレーム33は、ロープ挟み込み機構4を構成する部材(後述する、回動部44参照)を、X軸方向に延びる回動軸Cを回動中心にして回動自在となるように支持している。具体的に、一対のフレーム33は、それぞれ対応する位置に、X軸方向に貫通し且つ回動軸Cを中心とする円形の孔(貫通孔)330を有し、該貫通孔330に挿入された前記部材44を回動軸C周りに回動自在に支持(保持)する。本実施形態の一対のフレーム33のそれぞれは、Y軸方向の同じ位置においてZ軸方向に間隔をあけて配置される二つの貫通孔330を有する。
ロープ挟み込み機構4は、かご14の降下速度が超過速度値より大きくなったときに、ガバナロープ17を挟み込むことによってかご14を停止させる。本実施形態のロープ挟み込み機構4は、ガバナロープ17を挟み込むことによって非常止め装置14aを作動させ、これにより、かご14を停止させる。このロープ挟み込み機構4は、ガバナロープ17(鉛直部位17a)に沿った位置に固定される固定側シュー41と、固定側シュー41との間にガバナロープ17を挟み込み可能な可動側シュー42を有するヘッド部43と、ガバナロープ17の挟み込まれる部位(本実施形態の例では、鉛直部位17a)の延びる方向(Z軸方向)、及び該挟み込まれる部位(鉛直部位17a)と固定側シュー41とが並ぶ方向(Y軸方向)のそれぞれに直交する方向(X軸方向)に延びる回動軸Cを回動中心にして回動可能であり且つヘッド部43を保持する回動部44と、ヘッド部43を付勢する弾性変形部材(弾性変形部)45と、を備える。
本実施形態のロープ挟み込み機構4は、二つの回動部44と二つの弾性変形部材45とを備える。これら二つの回動部44は、ヘッド部43と共に平行クランク機構を構成している。また、本実施形態のロープ挟み込み機構4では、回動部44と弾性変形部材45とがアーム部40を構成している。即ち、本実施形態のロープ挟み込み機構4は、一対のアーム部40を有している。
固定側シュー41は、可動側シュー42との間に鉛直部位17a(ガバナロープ17)を挟み込んだときに該鉛直部位17aと接触する第一把持面410を有する。この第一把持面410は、鉛直部位17aを挟み込んだときに可動側シュー42と対向する面であり、Z軸方向に延びる凹部410aを有する。この凹部410aは、第一把持面410において、鉛直部位17aを挟み込んだときに該鉛直部位17aと接触する部位(領域)である。本実施形態の第一把持面410は、X−Z面(X軸方向とZ軸方向とを含む面)方向に沿って広がり且つY軸方向から見て略矩形の面であり、凹部410aは、第一把持面410のX軸方向の中央部においてZ軸方向の一端から他端まで延びている。この固定側シュー41は、第一把持面410がY軸方向の一方側(鉛直部位17a側)を向いた姿勢となるようにシュー固定部313によって固定(保持)されている。
ヘッド部43は、図4にも示すように、可動側シュー42と、X−Z面方向に広がり且つY軸方向の他方側の端部に可動側シュー42を保持する(固定された)保持部431と、保持部431におけるX軸方向に間隔をあけた位置からY軸方向の一方側にそれぞれ延びる一対の壁部432と、を有する。本実施形態のヘッド部43において、保持部431は、Y軸方向から見てZ軸方向に長尺な矩形板状の部位であり、一対の壁部432のそれぞれは、保持部431のX軸方向の端部から延びている部位である。これら一対の壁部432のそれぞれは、Y−Z面(Y軸方向とZ軸方向とを含む面)方向に広がり且つX軸方向から見てZ軸方向に長尺な矩形板状である。
また、ヘッド部43は、一対の壁部432間を横断するように延びる二つのヘッド部軸部材433を有する。これら二つのヘッド部軸部材433は、同じ形状であり、Z軸方向に間隔をあけて平行に配置されている。各ヘッド部軸部材433は、X軸方向(即ち、回動軸C方向)に延びる円柱状の部材である。本実施形態のヘッド部軸部材433は、一対の壁部432をそれぞれ貫通するように延びている。
可動側シュー42は、固定側シュー41との間に鉛直部位17aを挟み込んだときに該鉛直部位17aと接触する第二把持面(把持面)420を有する。第二把持面420は、鉛直部位17aを挟み込んだときに固定側シュー41(詳しくは、第一把持面410)と対向する面であり、Z軸方向に延びる凹部420aを有する。この凹部420aは、第二把持面420において、鉛直部位17aを挟み込んだときに該鉛直部位17aと接触する部位である。本実施形態の第二把持面420は、X−Z面方向に沿って広がり且つY軸方向から見て略矩形の面であり、凹部420aは、第二把持面420のX軸方向の中央部においてZ軸方向の一端から他端まで延びている。この可動側シュー42は、ヘッド部43に固定され、第二把持面420は、Y軸方向の他方側(固定側シュー41の側)を向いている。
一対のアーム部40は、それぞれ同じ構成である。このため、以下では、一対のアーム部40のうちの一方のアーム部40の構成について説明する。
各アーム部40は、上述のように回動部44と弾性変形部材45とを有し、弾性変形部材45が回動部44に取り付けられることによって構成されている。
回動部44は、図3〜図7(b)に示すように、回動軸Cと直交する所定方向において該回動軸Cと間隔をあけた位置(基準位置:鉛直部位17aを挟み込んでいない状態の位置)から該回動軸Cに向けて往復移動可能にヘッド部43を保持している。この回動部44は、回動軸Cと基準位置(詳しくは、基準位置のヘッド部43)との間隔αを調整可能な位置調整部44αと、弾性変形部材45の弾性変形量(本実施形態の例では、弾性変形部材45の全長β)を調整可能な変形量調整部44βと、を有する。これら位置調整部44αと変形量調整部44βとは、回動軸Cに対してヘッド部43の側と反対側の位置において隣り合う又は一部を共通させている。本実施形態の位置調整部44αと変形量調整部44βとは、一部を共通させている。
また、回動部44は、一対のフレーム33に回動自在に保持(支持)されるスプリングブラケット441と、スプリングブラケット441に保持される調整ブッシュ442と、調整ブッシュ442に挿通されるロッド部443と、ロッド部443が挿通される一対のばね座444と、ロッド部443の端部と螺合するナット(第一被嵌合部)445と、を有する。
尚、本実施形態のロープ挟み込み機構4においては、ヘッド部43(本実施形態の例では、ヘッド部軸部材433の中心軸)と回動軸Cとの間隔αが最も大きいとき、即ち、ナット445が調整ブッシュ442の端部4421に当接した状態のヘッド部43の位置(ロッド部443の長尺方向における回動軸Cに対するヘッド部軸部材433の中心軸の位置)が基準位置であり、位置調整部44αが間隔αを増減させたときには、この回動軸Cに対する基準位置が間隔αの増減に伴って変位する。
スプリングブラケット441は、X軸方向に延びる円柱状の部材であり、径方向に貫通するネジ穴441aをX軸方向の中央部に有する。このスプリングブラケット441のX軸方向の両端部は、回動軸C周りに回動自在となるように、一対のフレーム33の対応する貫通孔330にそれぞれ挿通されている。
調整ブッシュ442は、外周面にネジ山が形成された筒状の部材であり、ロッド部443の基部4432が中空部4420(図4参照)に挿通された状態でスプリングブラケット441のネジ穴441aに螺入されている。具体的に、調整ブッシュ442が外周面にネジ山を有し、該ネジ山が、スプリングブラケット441のネジ穴441aの内周面に形成されるネジ山と螺合する。この螺合状態において、調整ブッシュ442の両端部のうちの少なくともヘッド部43側と反対の側の端部(第二被嵌合部)4421がネジ穴441aから突出している。この調整ブッシュ442の端部4421では、ネジ穴441aの貫通方向と直交する面に沿った断面形状(断面の外周形状)がナット445と同じ形状(略六角形)となっている。即ち、調整ブッシュ442の端部4421は、レンチと嵌合可能な断面形状を有している。本実施形態の調整ブッシュ442の外周面では、端部4421(断面が略六角形の部位)を除いた全域にネジ山が形成されている。
ロッド部443は、スプリングブラケット441からヘッド部43まで延びる長尺な部材であり、一方の端部(先端部)4431がヘッド部43に回動自在に接続され、他方の端部(基部)4432が調整ブッシュ442に挿通されている。また、ロッド部443の中間部位4433(先端部4431と基部4432との間の部位)は、円柱状であり、中間部位4433の断面(ロッド部443の長尺方向と直交する断面)は、先端部4431の断面より小さい。これにより、先端部4431と中間部位4433との境界位置に段差443a(図4参照)が形成されている。
先端部4431は、前記長尺方向と直交する断面が矩形状の部位であり、X軸方向に貫通する貫通孔4431aを有する。この先端部4431は、ヘッド部43の一対の壁部432間に位置し、先端部4431の貫通孔4431aには、ヘッド部軸部材433が挿通されている。先端部4431(ロッド部443)は、ヘッド部43に対してヘッド部軸部材433周りに回動自在である。
基部4432は、中間部位4433と同様の円柱状の部位であり、少なくとも調整ブッシュ442から突出する部位(中間部位4433側とは反対の側に突出する部位)の周面に、ネジ山を有する。この基部4432は、調整ブッシュ442の中空部4420内を前記長尺方向に移動可能である。即ち、基部4432は、調整ブッシュ442に対して前記長尺方向に相対移動可能である。この基部4432の外周面に形成されたネジ山の向き(螺旋の向き)と、調整ブッシュ442の外周面に形成されたネジ山の向き(螺旋の向き)とは、同じである。また、この基部4432の外周面においては、該基部4432に螺入されたナット445が回転したときにロッド部443に対して該ロッド部443の長尺方向に相対移動する距離と、調整ブッシュ442がナット445と同じ回転方向で且つ同じ回転量となるように回転したときにスプリングブラケット441(回動軸C)に対してロッド部443の長尺方向に相対移動する距離とが同一となるように、ネジ山の数やピッチ等が設定されている。
一対のばね座444のそれぞれは、中央部にロッド部443(詳しくは、中間部位4433)が挿通される貫通孔4441を有し且つ前記長尺方向と直交する面方向に広がる鍔状の部材である(図4参照)。貫通孔4441の大きさは、中間部位4433及び基部4432の通過を許容するが、先端部4431及び調整ブッシュ442の通過を阻止する(許容しない)大きさである。
これら一対のばね座444うちの一方のばね座444aは、先端部4431と中間部位4433との境界位置の段差443aに中間部位4433側から当接する位置に配置され、他方のばね座444bは、中空部4420に基部4432が挿通された状態の調整ブッシュ442(詳しくは、調整ブッシュ442のヘッド部43側の端部)に中間部位4433側から当接する位置に配置される。
ナット445は、基部4432における外周面にネジ山が形成されている部位に螺合されている。このナット445は、調整ブッシュ442の中空部4420の径より大きい。このため、基部4432が調整ブッシュ442を挿通し且つナット445が基部4432に螺合した状態では、ナット445が調整ブッシュ442に当接した位置よりもヘッド部43側にロッド部443が移動(調整ブッシュ442に対して相対移動)できない。このナット445が当接したときのヘッド部43の位置が基準位置であり、基部4432(ロッド部443)がヘッド部43側と反対の側には移動(調整ブッシュ442に対する相対移動)可能である。このため、ヘッド部43は、基準位置からスプリングブラケット441(回動軸C)に向けて往復動可能である。
弾性変形部材45は、基準位置からスプリングブラケット441側へのヘッド部43の移動によって弾性変形し又は弾性変形量が増大することにより該ヘッド部43を付勢する。この弾性変形部材45は、一対のばね座444間に配置される。本実施形態の弾性変形部材45は、圧縮コイルバネであり、ロッド部443(中間部位4433)が螺旋中心に沿って挿通された状態で両端をばね座444に当接させている。
以上のように構成される一対のアーム部40(回動部44)とヘッド部43とによって構成される平行リンク機構では、位置調整部44αがナット445によって構成され、変形量調整部44βが調整ブッシュ442(詳しくは、調整ブッシュ442の端部4421)とナット445とによって構成されている。
この位置調整部44αでは、図6(a)及び図6(b)に示すように、ナット445がロッド部443周りに回転することにより、ヘッド部43(本実施形態の例では、ロッド部443の先端部4431が接続されているヘッド部軸部材433の中心軸)と回動軸Cとの間隔αが増減する。詳しくは、以下のとおりである。
位置調整部44αにおいてナット445がロッド部443周りに回転することにより、ロッド部443の先端部4431とナット445との間隔が変化する。このとき、ナット445は、調整ブッシュ442の中空部4420を通過できないが、ロッド部443の基部4432は、調整ブッシュ442の中空部4420をロッド部443の長尺方向に沿って相対移動可能であり、且つ、ロッド部443の先端部4431は、弾性変形部材45によってスプリングブラケット441(回動軸C)から離れる方向に付勢されている。
このとき、調整ブッシュ442は、スプリングブラケット441に対して回転しないように固定されている。例えば、調整ブッシュ442の端部4421がスプリングブラケット441に対して回転しないようにレンチによって固定された状態で、ナット445が別のレンチによって回転させられる。これにより、ナット445が回転したときに、調整ブッシュ442のスプリングブラケット441(回動軸C)に対する相対位置(ロッド部443の長尺方向における相対位置)が維持される。
このため、ナット445がいずれの方向に回転しても、ナット445が調整ブッシュ442に当接した状態が維持されつつ、ロッド部443の先端部4431がスプリングブラケット441(回動軸C)に対して接近し又は離間する。これにより、間隔αが増減する、即ち、ヘッド部43の位置が調整される(図6(b)の二点鎖線参照)。
尚、本実施形態のロープ挟み込み機構4においては、位置調整部44αによってヘッド部の基準位置を増減させると、この増減に伴って、弾性変形部材45の弾性変形量(全長β)も増減する。
また、変形量調整部44βでは、図7(a)及び図7(b)に示すように、調整ブッシュ442とナット445とがロッド部443周りに回転することにより、弾性変形部材45の弾性変形量(詳しくは、一対のばね座444の間隔)が変化する。詳しくは、以下の通りである。
変形量調整部44βにおいて、調整ブッシュ442とナット445とがロッド部443周りに同じ回転方向で且つ同じ回転量となるように回転すると、弾性変形部材45の付勢力によってナット445が調整ブッシュ442に当接した状態が維持されるため、ロッド部443の先端部4431が調整ブッシュ442に対して接近又は離間する。これに伴って、ばね座444bが中間部位4433に沿って軸方向(長尺方向)に動き(図7(b)の二点鎖線参照)、先端部4431側のばね座444aと調整ブッシュ442側のばね座444bとの間隔が変化し、これにより、弾性変形部材45の弾性変形量(全長β)が変化する。
一方、ナット445と同じ回転方向で且つ同じ回転量となるように回転した調整ブッシュ442は、ロッド部443の長尺方向における先端部4431とナット445との間隔の変化量と同じ距離だけ、スプリングブラケット441(回動軸C)に対してロッド部443の長尺方向に移動する。
このため、ヘッド部43のスプリングブラケット441(回動軸C)からの距離(間隔α)が維持された状態で、弾性変形部材45の弾性変形量(全長β)が変化する。このように弾性変形部材45の弾性変形量(全長β)を変化させることにより、鉛直部位17aがロープ挟み込み機構4に挟み込まれたときの固定側シュー41と可動側シュー42とによる把持力(固定側シュー41及び可動側シュー42と鉛直部位17aとの間に作用する摩擦力の大きさ)を変化させる(調整する)ことができる。
以上のように構成される一対のアーム部40(回動部44)は、上述のように、ヘッド部43と共に平行クランク機構を構成している。この平行クランク機構では、可動側シュー42の第二把持面420が鉛直部位17a(ガバナロープ17)と平行又は略平行となるようなヘッド部43の姿勢が維持された状態で、各アーム部40(回動部44)が回動軸C周りにそれぞれ回動する。本実施形態の平行クランク機構は、各アーム部40が略水平のときにヘッド部43の可動側シュー42が固定側シュー41との間にガバナロープ17(鉛直部位17a)を挟み込んだ状態で該固定側シュー41と対向した状態となる位置に、配置されている。
また、本実施形態の平行クランク機構では、各アーム部40(詳しくは、各アーム部40のスプリングブラケット441)が支持部3の一対のフレーム33によって回動軸C周りに回動自在に支持され、且つ、ロッド部443の先端部4431がヘッド部43に対してヘッド部軸部材433周りに回動自在である。このため、ヘッド部43が支持部3のベース31から上方に間隔をあけた位置(図1に示す位置)において保持された状態から解放されると、ヘッド部43等の自重によって、各アーム部40(各回動部44)が回動軸C周りに回動してヘッド部43が下方側に移動する。これにより、ヘッド部43の可動側シュー42が固定側シュー41との間に鉛直部位17aを挟み込む。
速度検出部5は、遠心力を利用してかご14の降下速度を検出し、ロープ挟み込み機構4を作動させる。この速度検出部5は、図2及び図3に示すように、ヘッド部43を解放可能に保持する保持部51と、かご14の降下速度を検出するウェイト部52と、を有する。
保持部51は、ヘッド部43を、ベース31の上方側において該ベース31と間隔をあけた位置(かご14が通常の速度(異常のない状態)で昇降しているときに、鉛直部位17aが可動側シュー42に接触しない間隔が確保された位置:図2及び図3に示す位置)に保持している。この保持部は、被当接部511を有し、該被当接部511にウェイト部52が当接することによって、ヘッド部43を解放する。このヘッド部43の解放によって、ロープ挟み込み機構4が作動する。
ウェイト部52は、ガバナシーブ2に回動可能に取り付けられる複数(図3に示す例では、二つ)のウェイト521と、ウェイト521を付勢する弾性部材522と、を有する。
複数のウェイト521のそれぞれは、ガバナシーブ2のスポーク部23に、X軸方向に延びる回動軸c周りに回動可能に取り付けられている。各ウェイト521では、ガバナシーブ2の回転方向における回動軸cの一方側(かご14が下降するときにガバナシーブ2が回転する方向における回転方向と反対側)の部位(第一部位)521aと他方側の部位(第二部位)521bとにおいて重さが異なる。本実施形態のウェイト521では、第一部位521aが第二部位521bより重い。これにより、かご14の降下する方向にガバナシーブ2が回転(ガバナロープ17が第二の向きD(図1参照)に走行したときの方向に回転)したときに、遠心力によって、第一部位521aが径方向の外側に向かうように各ウェイト521が回動軸c周りに回動しようとする。この回動軸c周りの回動によって第一部位521aが所定の位置までガバナシーブ2の径方向の外側の位置に移動したときに、ウェイト521(詳しくは、第一部位521a)が保持部51の被当接部511に当接する。
弾性部材522は、ガバナシーブ2の回転(ガバナロープ17が第二の向きに走行したときの回転)によって第一部位521aが径方向の外側に向かうようにウェイト521が回動しようとしたときに、該回動と逆向きにウェイト521を回動させる方向の力を、ウェイト521の第二部位521bに付勢する。この弾性部材522は、かご14の降下速度が増加して超過速度値となるタイミングで、ウェイト521の第一部位521aが保持部51の被当接部511と当接する位置まで回動するような大きさの付勢力となるように設定されている。
以上のように構成される調速装置1では、故障等によってかご14の降下速度が増加すると、超過速度値を超えるタイミングで速度検出部5のウェイト521が保持部51の被当接部511に当接し、これにより、ヘッド部43が保持部51から解放される。ヘッド部43が解放されると、ヘッド部43等の自重によって各アーム部40が回動軸C周りに回動してヘッド部43が下方側(ベース31側)に向けて回動し、鉛直部位17aが固定側シュー41と可動側シュー42とによって挟み込まれ、ガバナロープ17が停止する。ガバナロープ17が停止すると該ガバナロープ17に対するかご14の相対移動によって非常止めレバー14bが操作されて非常止め装置14aが作動し、その結果、かご14が停止する。
以上の調速装置1のロープ挟み込み機構4によれば、位置調整部44αと変形量調整部44βとが回動軸Cに対してヘッド部43の側と反対側の位置において一部を共通させた状態で略同じ位置に配置されている。このため、回動軸Cと基準位置(ヘッド部43)との間隔αと、弾性変形部材45の弾性変形量(本実施形態の例では、弾性変形部材45の全長β)と、をそれぞれ調整する場合の作業性が向上する。即ち、位置調整部44αと変形量調整部44βとが回動軸Cに対してヘッド部43の側と反対側の位置に配置されていることで、ヘッド部43やその周辺の部材(ガバナロープ17や固定側シュー41、フレーム33等)が邪魔になることなく位置調整部44αと変形量調整部44βとを操作(作業)することができる。しかも、位置調整部44αと変形量調整部44βとが一部を共通させた状態で略同じ位置に配置されていることで、回動軸Cと基準位置との間隔αと弾性変形部材45の弾性変形量(本実施形態の例では全長β)とをそれぞれ調整する際に、位置調整部44αと変形量調整部44βとが離れて配置されている場合(例えば、図8参照)に比べて調整し易い。
また、本実施形態の調速装置1のロープ挟み込み機構4では、第二把持面(把持面)420がガバナロープ17の鉛直部位17aと平行又は略平行となるようなヘッド部43の姿勢を維持しつつ各回動部44(アーム部40)が回動するように、二つの回動部44(アーム部40)がヘッド部43と共に平行クランク機構を構成している。
このような平行クランク機構が構成されることにより、各回動部44(アーム部40)が回動して可動側シュー42が固定側シュー41との間に鉛直部位17aを挟み込んだときに、第二把持面420がX軸方向から見て鉛直部位17aと平行又は略平行な状態で該鉛直部位17aに接触する。これにより、鉛直部位17aと第二把持面420(可動側シュー42)との間の摩擦力(Z軸方向における各位置の摩擦力)が均一になる。その結果、調速装置1における把持力の安定性が保たれる。
また、調速装置1のロープ挟み込み機構4では、位置調整部44αは、レンチと嵌合可能なナット(第一被嵌合部)445を有し、該ナット445が回転することによって回動軸Cとヘッド部43の基準位置との間隔を変化させる。また、変形量調整部44βは、レンチと嵌合可能な端部4421を有する調整ブッシュ442を有し、該端部4421が回転することによって弾性変形部材45の弾性変形量(本実施形態の例では、全長β)を変化させる。これにより、本実施形態のロープ挟み込み機構4では、回動軸Cとヘッド部43の基準位置との間隔αと弾性変形部材45の弾性変形量(本実施形態の例では、全長β)とのそれぞれが、専用の特殊工具等を用いずに一般的な工具(レンチ)によって調整することができる。
また、本実施形態の調速装置1のロープ挟み込み機構4は、並列に配置された一対のアーム部40を有し、一対のアーム部40のそれぞれが弾性変形部材(圧縮コイルバネ)45を有する。また、一対のアーム部40のそれぞれが変形量調整部44βを有している。このように、平行クランク機構において一対のアーム部40が並列に配置され、且つ、各アーム部40において、該アーム部40の有する弾性変形部材(本実施形態の例では圧縮コイルバネ)45の弾性変形量を調整するための変形量調整部44βが設けられることにより、二つの弾性変形部材(圧縮コイルバネ)45の弾性変形量を一緒に調整する構成や、一つの弾性変形部材(前記並列に配置された一対の圧縮コイルバネ45によって生じる弾性復帰力(弾発力)を一つで生じさせることができる圧縮コイルバネ等)の弾性変形量を調整する構成に比べ、弾性変形量(本実施形態の例では、全長β)を調整する際の力を抑えることができる。
尚、本発明のエレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
上記実施形態のロープ挟み込み機構4では、位置調整部44αと変形量調整部44βとが構成の一部を共通させているが、この構成に限定されない。位置調整部44αと変形量調整部44βとは、それぞれ別個に構成され、且つ、隣り合って(並んで)配置されてもよい。即ち、位置調整部44αと変形量調整部44βとは、回動軸Cに対してヘッド部43の側と反対側において互いに近接した位置に配置されていてもよい。かかる構成によっても、回動軸Cとヘッド部43の基準位置との間隔αと、弾性変形部材45の弾性変形量と、をそれぞれ調整する場合の作業性が向上する。
また、上記実施形態のロープ挟み込み機構4は、一対(二つの)のアーム部40(回動部44)を有しているが、この構成に限定されない。ロープ挟み込み機構4は、一つ又は三つ以上のアーム部40(回動部44)を有する構成であってもよい。
また、ロープ挟み込み機構において、弾性変形部材(弾性変形部)45の具体的な構成は、限定されない。例えば、上記実施形態の弾性変形部材45は、圧縮コイルバネであるが、弾性変形部材が他の種類のバネ等であってもよい。即ち、弾性変形部材(弾性変形部)45は、ヘッド部43が基準位置から回動軸C側に変位したときに、変位量に応じた弾性変形が生じ、又は変位量に応じて弾性変形量が増大することにより、ヘッド部43に対して回動軸Cから離間する方向の弾性復帰力が加わる構成であればよい。
また、上記実施形態のロープ挟み込み機構4では、ヘッド部43の基準位置からの回動軸C側への移動(変位)に伴って弾性変形し又は弾性変形量が増大することにより該ヘッド部43を付勢する弾性変形部が、一つの弾性変形部材(上記実施形態の例では、一つの圧縮コイルバネ)45によって構成されているが、この構成に限定されない。例えば、前記弾性変形部は、複数の弾性変形部材45を有している、即ち、一つの回動部44に対して複数の弾性変形部材45が配置されていてもよい。
上記実施形態のロープ挟み込み機構4では、一つの弾性変形部材45に対し、位置調整部44αと変形量調整部44βとがそれぞれ配置されているが、この構成に限定されない。例えば、複数の弾性変形部材45に対し、一つの位置調整部44αと一つの変形量調整部44βとが配置される構成でもよい。
また、上記実施形態のロープ挟み込み機構4は、ガバナロープ17の鉛直部位(鉛直方向(上下方向)に延びる部位)17aを挟み込むが、この構成に限定されない。ロープ挟み込み機構4は、例えば、ガバナロープ17における傾斜方向に延びる部位等を挟み込む構成等であってもよい。
1…調速装置、2…ガバナシーブ、21…リム部、22…ハブ部、22a…ベアリング、23…スポーク部、3…支持部、31…ベース、311…ベース本体、312…貫通孔、313…シュー固定部、32…回転軸部材、33…フレーム、330…貫通孔、4…ロープ挟み込み機構、40…アーム部、41…固定側シュー、410…第一把持面、410a…凹部、42…可動側シュー、420…第二把持面(把持面)、420a…凹部、43…ヘッド部、431…保持部、432…壁部、433…ヘッド部軸部材、44…回動部、44α…位置調整部、44β…変形量調整部、441…スプリングブラケット、441a…ネジ穴、442…調整ブッシュ、4420…中空部、4421…端部(第二被嵌合部)、443…ロッド部、443a…段差、4431…先端部、4431a…貫通孔、4432…基部、4433…中間部位、444、444a、444b…ばね座、4441…貫通孔、445…ナット(第一被嵌合部)、45…弾性変形部材(圧縮コイルバネ)、5…速度検出部、51…保持部、511…被当接部、52…ウェイト部、521…ウェイト、521a…第一部位、521b…第二部位、522…弾性部材、10…エレベータ、11…昇降路、12…巻上機、12a…主シーブ、13…主ロープ、14a…非常止め装置、14b…非常止めレバー、15…カウンターウェイト、16…テンションシーブ、17…ガバナロープ(調速ロープ)、17a、17b…鉛直部位、900…ロープ挟み込み機構、910…固定側シュー、920…ヘッド部、921…可動側シュー、930…アーム部、931…第一調整部、932…第二調整部、940…圧縮コイルバネ、950…調速ロープ、C、C、c…回動軸、D…第二の向き(かごが降下する向き)、U…第一の向き(かごが上昇する向き)、α…回動軸と初期位置のヘッド部との間隔、β…圧縮コイルバネの全長

Claims (4)

  1. エレベータのかごに連結される調速ロープに沿った位置に固定される固定側シューと、
    前記固定側シューとの間に前記調速ロープを挟み込み可能な可動側シューを有するヘッド部と、
    前記調速ロープの挟み込まれる部位の延びる方向、及び該挟み込まれる部位と前記固定側シューとが並ぶ方向のそれぞれに直交する方向に延びる回動軸を回動中心にして回動可能であり、且つ、前記回動軸と直交する所定方向において該回動軸と間隔をあけた基準位置から該回動軸に向けて往復移動可能に前記ヘッド部を保持する回動部と、
    前記ヘッド部の前記基準位置からの前記回動軸側への移動によって弾性変形し又は弾性変形量が増大することにより該ヘッド部を付勢する弾性変形部と、を備え、
    前記回動部は、
    前記回動軸と前記基準位置との間隔を調整可能な位置調整部と、
    前記弾性変形部の弾性変形量を調整可能な変形量調整部と、を有し、
    前記位置調整部と前記変形量調整部とは、前記回動軸に対して前記ヘッド部の側と反対側の位置において隣り合う又は一部を共通させている、エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構。
  2. 前記可動側シューは、前記固定側シューとの間に前記調速ロープを挟み込むときに該調速ロープと接触する把持面を有し、
    前記回動部は、二つ配置され、
    これら二つの回動部は、前記把持面が前記調速ロープの前記挟み込まれる部位と平行又は略平行となるような前記ヘッド部の姿勢を維持しつつ各回動部が回動するように、前記ヘッド部と共に平行クランク機構を構成する、請求項1に記載のエレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構。
  3. 前記位置調整部は、レンチと嵌合可能な第一被嵌合部を有し、該第一被嵌合部が回転することによって前記回動軸と前記基準位置との間隔を変化させ、
    前記変形量調整部は、レンチと嵌合可能な第二被嵌合部を有し、該第二被嵌合部が回転することによって前記弾性変形部の弾性変形量を変化させる、請求項1又は2に記載のエレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構。
  4. 前記弾性変形部は、並列に配置された一対の圧縮コイルバネを有し、
    前記変形量調整部は、
    前記一対の圧縮コイルバネのうちの一方の圧縮コイルバネの弾性変形量を調整可能な第一調整部と、
    前記一対の圧縮コイルバネのうちの他方の圧縮コイルバネの弾性変形量を調整可能な第二調整部と、を有する、請求項1に記載のエレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構。
JP2019088350A 2019-04-16 2019-05-08 エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構 Active JP6857335B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201910303178.6A CN111824875B (zh) 2019-04-16 2019-04-16 电梯用调速装置的缆索夹入机构
CN201910303178.6 2019-04-16

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020176012A JP2020176012A (ja) 2020-10-29
JP6857335B2 true JP6857335B2 (ja) 2021-04-14

Family

ID=72915744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019088350A Active JP6857335B2 (ja) 2019-04-16 2019-05-08 エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6857335B2 (ja)
CN (1) CN111824875B (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10121344A1 (de) * 2001-05-02 2002-11-07 Fft Flexible Fertigungstechnik Zum Greifen von Gegenständen ausgebildete Greifvorrichtung
DE102005006116A1 (de) * 2004-11-12 2006-05-18 Schukra Gerätebau AG Verstellvorrichtung für eine Kopfstütze
JP4769530B2 (ja) * 2005-09-20 2011-09-07 株式会社工業技術研究所 ロープ牽引装置
JP2009208950A (ja) * 2008-03-06 2009-09-17 Mitsubishi Electric Corp エレベータの索条体の巻き掛け異常検出装置
CN101700850B (zh) * 2009-11-05 2012-09-05 日立电梯(中国)有限公司 电梯制停装置
JP5548521B2 (ja) * 2010-05-27 2014-07-16 クラリオン株式会社 移動体搭載用電子機器
JP5496228B2 (ja) * 2012-01-05 2014-05-21 東芝エレベータ株式会社 エレベータのガバナスタンド
JP5809746B2 (ja) * 2012-05-21 2015-11-11 株式会社日立製作所 エレベーター装置
JP6296973B2 (ja) * 2014-12-24 2018-03-20 株式会社日立製作所 調速機及びエレベータ装置
JP6522564B2 (ja) * 2016-08-22 2019-05-29 株式会社日立製作所 調速機、および、試験装置
JP6321243B1 (ja) * 2017-03-03 2018-05-09 東芝エレベータ株式会社 エレベータのガバナ装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN111824875B (zh) 2023-02-21
CN111824875A (zh) 2020-10-27
JP2020176012A (ja) 2020-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5655143B2 (ja) エレベータ装置およびローラガイドアッセンブリ
JP5287859B2 (ja) エレベータ用調速機
JP5902405B2 (ja) エレベータ装置
CN102633174B (zh) 紧急制动装置以及具有该紧急制动装置的电梯设备
JP5955388B2 (ja) エレベータの非常止め装置
KR20170086567A (ko) 엘리베이터 장치
JP6348074B2 (ja) 非常止め装置及びエレベータ
US20170121148A1 (en) Elevator device
JP6857335B2 (ja) エレベータ用調速装置のロープ挟み込み機構
JP6187194B2 (ja) エレベータ用調速機
CN1384802A (zh) 旋转式起动的过速安全装置
EP3328772B1 (en) Safety block for elevator
JP2011037552A (ja) エレベータの荷重検出装置
EP1464607B1 (en) Load detection device and control method therefor, and elevator device
CN111217276B (zh) 用于离合器型制动器调整的故障安全杆
US20180251336A1 (en) Elevator brake
JP7500847B1 (ja) エレベータ用調速機及びエレベータ
CN110217664B (zh) 机械触发装置
JP7418895B2 (ja) エレベーター装置
KR101830837B1 (ko) 엘리베이터 조속기 로프 텐션 장치
JP6467325B2 (ja) エレベータ
US11807493B1 (en) Retrofitted hoist machine
CN213136809U (zh) 一种工业机器人一轴硬限位结构
JP2018131297A (ja) エレベータ用制動装置及びエレベータ
JP2004075362A (ja) エレベーターの主索引き止め装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191211

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6857335

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250