JP6321243B1 - エレベータのガバナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗り籠が自由落下した場合に、ロープ掴み装置を速やかに動作させることができるエレベータのガバナ装置を得ることにある。【解決手段】エレベータのガバナ装置は、乗り籠の動きに追従して走行するガバナロープによって回転されるガバナシーブと、ガバナシーブと同軸状に配置され、ガバナロープを掴むロープ掴み機構を動作させる回転輪と、ガバナシーブに回動可能に支持されたフライウエイトと、を備えている。フライウエイトは、乗り籠が自由落下した際にガバナシーブに加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により回転輪に係合する動作位置に向けて変位し、当該フライウエイトが回転輪に係合することで、回転輪がガバナシーブに追従して回転するとともにロープ掴み機構が動作する。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、ガバナシーブの回転加速度に基づく慣性力で変位するフライウエイトを備えたエレベータのガバナ装置に関する。
エレベータは、乗り籠の速度が定格速度を超過した時に、乗り籠の非常停止装置を動作させるガバナ装置を備えている。この種のガバナ装置は、ガバナシーブ、ラチェットホイールおよびガバナシーブに回動可能に支持されたフライウエイトを主要な要素として備えている。
ガバナシーブは、乗り籠に追従して走行するガバナロープにより回転される。乗り籠の速度が定格速度を超過した、いわゆる過速度域に達すると、フライウエイトがガバナシーブの回転速度に基づく遠心力により動作位置に向けて変位する。
この結果、フライウエイトがラチェットホイールの外周部の爪に引っ掛かり、当該ラチェットホイールがガバナシーブに追従して回転する。ラチェットホイールが回転すると、ロープ掴み機構が動作し、ガバナロープの走行が強制的に停止される。これにより、ガバナロープに連結されたセフティリンク機構を介して乗り籠の非常停止装置が動作するようになっている。
従来のガバナ装置によると、フライウエイトは、ガバナシーブの回転速度に基づく遠心力を受けることで、例えばエレベータに異常が生じて乗り籠が過速度域に達したことを検知するようになっている。
しかしながら、例えば乗り籠が昇降路に沿って自由落下した場合、乗り籠の落下距離が短いと、フライウエイトが動作位置に達する速度域までガバナシーブの回転速度が上昇しないことがある。
この結果、乗り籠の非常停止装置が動作する以前に、乗り籠が昇降路の底に設置された緩衝用のバッファに衝突するのを否めない。
本発明の目的は、乗り籠が自由落下した場合に、ロープ掴み装置を速やかに動作させることができ、安全性の向上に寄与するエレベータのガバナ装置を得ることにある。
実施形態によれば、エレベータのガバナ装置は、乗り籠の動きに追従して走行するガバナロープが巻き掛けられ、当該ガバナロープによって回転されるガバナシーブと、前記ガバナシーブと同軸状に配置され、前記ガバナロープを掴むロープ掴み機構を動作させる回転輪と、前記ガバナシーブに回動可能に支持されたフライウエイトと、備えている。
前記フライウエイトは、前記乗り籠が自由落下した際に前記ガバナシーブに加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により前記回転輪に係合する動作位置に向けて変位し、当該フライウエイトが前記回転輪に係合することで、前記回転輪が前記ガバナシーブに追従して回転するとともに、前記ロープ掴み機構が動作することを特徴としている。
前記フライウエイトは、前記乗り籠が自由落下した際に前記ガバナシーブに加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により前記回転輪に係合する動作位置に向けて変位し、当該フライウエイトが前記回転輪に係合することで、前記回転輪が前記ガバナシーブに追従して回転するとともに、前記ロープ掴み機構が動作することを特徴としている。
「第1の実施形態」
以下、第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
以下、第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、トラクション方式のエレベータ1を概略的に示している。図1に示すように、建屋の昇降路2には、一対のガイドレール3a,3bを介して乗り籠4が昇降動可能に支持されている。乗り籠4は、複数のメインロープ5を介して昇降路2に吊り下げられている。乗り籠4は、例えば昇降路2の上の機械室6に設置した巻上機(図示せず)でメインロープ5を巻き上げたり、巻き戻すことで昇降路2に沿って昇降動される。
乗り籠4は、一対の上部案内装置8a,8b、一対の下部案内装置9a,9bおよび一対の非常停止装置10a,10bを装備している。上部案内装置8a,8bは、乗り籠4の上梁4aに取り付けられている。下部案内装置9a,9bは、乗り籠4の下梁4bに取り付けられている。上部案内装置8a,8bおよび下部案内装置9a,9bは、ガイドレール3a,3bを挟み込むことで、乗り籠4をガイドレール3a,3bに沿って昇降動可能に案内する。
非常停止装置10a,10bは、乗り籠4の下降時にガイドレール3a,3bを掴むことで乗り籠4を強制的に停止させるための要素であって、下部案内装置9a,9bと共に乗り籠4の下梁4bに取り付けられている。
さらに、昇降路2の底に図1に示すようなバッファ11が設置されている。バッファ11は、下降中の乗り籠4が最下階を通り過ぎた場合に、乗り籠4を下方から受け止める非常用の安全装置である。
図1に示すように、ガバナ装置12が機械室6に据え付けられている。ガバナ装置12は、ガバナロープ13を備えている。ガバナロープ13は、ガバナ装置12が有するガバナシーブ14と、昇降路2の底に設置されたテンショナシーブ15との間に亘って無端状に巻き掛けられている。言い換えると、ガバナロープ13は、乗り籠4が昇降動する範囲の全域に亘るように昇降路2に沿って延びている。
ガバナロープ13は、ガバナシーブ14とテンショナシーブ15との間の中間部が複数のリンクを組み合わせたセフティリンク機構16を介して乗り籠4に連結されている。これにより、ガバナロープ13は、乗り籠4が昇降動する方向に乗り籠4と同じ速度で無端走行するようになっている。さらに、セフティリンク機構16は、乗り籠4の非常停止装置10a,10bに連動されている。
次に、ガバナ装置12の詳細について、図2ないし図4を加えて説明する。図1ないし図3に示すように、ガバナ装置12は、基台18、回転加速度検出機構19およびロープ掴み機構20を主要な要素として備えている。
基台18は、機械室6に配置した機械台6aの上に据え付けられている。基台18は、一対の支持板22a,22bを有している。支持板22a,22bは、互いに間隔を存して向かい合うように起立されている。
回転加速度検出機構19は、支持板22a,22bの上端部の間に介在されている。回転加速度検出機構19は、前記ガバナシーブ14、回転軸23、回転輪としてのラチェットホイール24および一対のフライウエイト25a,25bを備えている。
回転軸23は、基台18の支持板22a,22bの上端部の間に水平に架け渡されている。図3に示すように、回転軸23の一端部に軸受27aを介して円盤状の第1のホルダ26が支持されている。さらに、回転軸23の軸方向に沿う中間部に軸受27bを介して円盤状の第2のホルダ28が支持されている。第1のホルダ26は、一方の支持板22aの上端部に複数のボルトで固定されている。第2のホルダ28は、他方の支持板22bの上端部に複数のボルトで固定されている。
図3に示すように、ガバナシーブ14は、第1のホルダ26と第2のホルダ28との間に位置するように回転軸23の上に同軸状に支持されている。ガバナシーブ14は、回転軸23の外周面にキー29を介して固定されたボス部30と、ボス部30から放射状に突出された四本のアーム部31a,31b,31c,31dと、アーム部31a,31b,31c,31dの先端部の間を結ぶ円環状のリム32と、を備えている。リム32は、ボス部30を同軸状に取り囲んでいるとともに、当該リム32にガバナロープ13が巻き掛けられている。
このため、乗り籠4の昇降動に追従してガバナロープ13が走行すると、ガバナシーブ14がガバナロープ13の走行方向に応じて回転するようになっている。本実施形態では、乗り籠4が下降した時に、ガバナシーブ14は図2の矢印Aの方向に回転する。
図3に示すように、ラチェットホイール24は、第2のホルダ28の外周面に固定されている。ラチェットホイール24は、ガバナシーブ14に対し回転軸23の軸方向に間隔を存して同軸状に配置されている。ラチェットホイール24の外周部24aは、ガバナシーブ14のリム32の側面と向かい合っている。
図3および図4に示すように、複数の爪部34がラチェットホイール24の外周部24aに形成されている。爪部34は、ラチェットホイール24の外周部24aからガバナシーブ14のリム32に向けて突出されているとともに、ラチェットホイール24の周方向に互いに間隔を存して配置されている。さらに、爪部34は、ラチェットホイール24の周方向に延びた内周面34aを有している。
図2に示すように、ガバナシーブ14の周方向に隣り合うアーム部31a,31b,31c,31dは、互いに交差する方向に延びている。具体的に述べると、アーム部31aおよびアーム部31cは、ガバナシーブ14の径方向に沿う同一の直線S1の上に位置されている。同様に、アーム部31bおよびアーム部31dは、ガバナシーブ14の径方向に沿う同一の直線S2の上に位置されている。直線S1および直線S2は、ガバナシーブ14の回転中心O1で交差されている。
本実施形態によると、一対のフライウエイト25a,25bのうちの一方のフライウエイト25aは、アーム部31aの中間部に支持されている。他方のフライウエイト25bは、アーム部31cの中間部に支持されている。すなわち、フライウエイト25a,25bは、回転軸23を中心に互いに対称となるように配置されている。
フライウエイト25a,25bは互いに共通の構成を有するので、一方のフライウエイト25aを代表して説明する。図2に示すように、フライウエイト25aは、アーム部31aに沿うウエイト本体36と、ウエイト本体36の中間部からアーム部31aと直交する方向に突出された第1の凸部37aと、ウエイト本体36の中間部から第1の凸部37bの反対側に向けて突出された第2の凸部37bと、を備えている。
ウエイト本体36の中間部は、ピボット軸38を介してアーム部31aに回動可能に支持されている。ピボット軸38は、ガバナシーブ14の回転中心O1を通る直線S1の上で当該直線S1と交差されている。レバー部39が第2の凸部37dに形成されている。レバー部39は、第2の凸部37bから隣り合うアーム部31bに向けて突出されている。
他方のフライウエイト25bは、一方のフライウエイト25aに対し向きを反転させた姿勢でアーム部31cに回動可能に支持されている。他方のフライウエイト25bのレバー部39は、第2の凸部37bから隣り合うアーム部31bに向けて突出されている。ストッパボルト40が他方のフライウエイト25bのレバー部39の先端に固定されている。ストッパボルト40は、アーム部31bの側縁部に突き当てられている。
さらに、一方のフライウエイト25aの第2の凸部37bと他方のフライウエイト25bの第1の凸部37aとの間は、リレーロッド41を介して連結されている。
本実施形態によると、フライウエイト25a,25bは、夫々重心Gを有している。重心Gは、前記直線S1の上でフライウエイト25a,25bの回動中心となるピボット軸38よりもガバナシーブ14の径方向に沿う外側に位置されている。
このため、乗り籠4の下降に伴いガバナシーブ14が図2の矢印Aの方向に回転した場合、フライウエイト25a,25bの重心Gにガバナシーブ14の回転速度による遠心力F1と、ガバナシーブ14に加わる回転加速度とは逆の向きに生じる慣性力F2と、が作用する。
遠心力F1は、直線S1に沿う方向の力となるので、当該直線S1の上で直線S1と交差するピボット軸38が遠心力F1を受け止める。そのため、フライウエイト25a,25bは、遠心力F1では回動せずに静止状態を保つ。
一方、慣性力F2は、回転加速度と逆向きの力となるので、フライウエイト25a,25bがピボット軸38を中心に回動可能となる。本実施形態では、ガバナシーブ14に過大な回転加速度が加わった時に、フライウエイト25a,25bは、慣性力F2により第2の凸部37bの先端部がガバナシーブ14の径方向に沿う外側に向けて進出する動作位置に変位するようになっている。
ガバナシーブ14に加わる過大な回転加速度とは、例えば全てのメインロープ5が破断して乗り籠4が自由落下した時に、ガバナシーブ14に加わる回転加速度のことを指している。
図2に示すように、ガバナシーブ14のアーム部31bは、一方のフライウエイト25aの第1の凸部37aの先端部と隣り合っている。第1の凸部37aの先端部とアーム部31bから突出されたばね受け42との間に圧縮コイルばね43が介在されている。圧縮コイルばね43は、フライウエイト25a,25bに作用する慣性力F2に対抗する方向にフライウエイト25a,25bを弾性的に付勢している。
この結果、ストッパボルト40がアーム部31bの側縁部に押し付けられ、フライウエイト25a,25bが図2に示す待機位置に保持されている。待機位置では、フライウエイト25a,25bの第2の凸部37bの先端部が前記動作位置よりもガバナシーブ14の径方向に沿う内側に位置されている。
フライウエイト25a,25bの第2の凸部37bの先端部は、ガバナシーブ14とラチェットホイール24との間に張り出している。係合部45が第2の凸部37bの先端部に形成されている。係合部45は、ラチェットホイール24の周方向に延びた外周面45aを有している。
図4は、ラチェットホイール24の爪部34とフライウエイト25a,25bの係合部45との位置関係を開示している。図4に示すように、フライウエイト25a,25bが待機位置に保持された状態では、フライウエイト25a,25bの係合部45は、ラチェットホイール24の爪部34よりもラチェットホイール24の径方向に沿う内側に位置されている。このため、ガバナシーブ14が乗り籠4の昇降動に追従して回転した状態においても、係合部45が爪部34と干渉することはない。係合部45は、フライウエイト25a,25bが待機位置から動作位置に変位する過程で爪部34に向けて進出する。
係合部45の外周面45aは、フライウエイト25a,25bが動作位置に達した状態において、フライウエイト25a,25bに作用する慣性力F2により爪部34の内周面34aに係合する。この係合により、ラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転する。
図2に示すように、前記ロープ掴み機構20は、基台18に支持されている。ロープ掴み機構20は、固定シュー47および可動シュー48を備えている。固定シュー47は、回転加速度検出機構19の下方に位置するように基台18に固定されているとともに、ガバナシーブ14から下向きに延びたガバナロープ13と向かい合っている。
可動シュー48は、固定シュー47に対しガバナロープ13を間に挟んで向かい合っている。可動シュー48は、支持棒49の先端にホルダ50を介して取り付けられている。さらに、可動シュー48は、圧縮コイルばね51によりガバナロープ13に向けて弾性的に付勢されている。
支持棒49の基端は、ピボット軸52を介して基台18に回動可能に支持されている。このため、可動シュー48は、固定シュー47の上側に退避した第1の位置と、固定シュー47と協働してガバナロープ13を挟み込む第2の位置との間で回動可能となっている。
第1の位置では、可動シュー48がガバナロープ13から離れているとともに、ホルダ50がラチェットホイール24の外周部24aから突出されたフック53に引っ掛かっている。したがって、乗り籠4に自由落下に伴う重力加速度が作用しない限り、ロープ掴み機構20の可動シュー47は、第1の位置に保持されている。
このような構成のエレベータ1において、乗り籠4が昇降路2に沿って昇降動すると、ガバナシーブ14が乗り籠4の動きに追従して回転する。ガバナシーブ14に支持されたフライウエイト25a,25bは、ガバナシーブ14と一緒に回転するので、フライウエイト25a,25bの重心Gに遠心力F1および慣性力F2が作用する。
遠心力F1は、フライウエイト25a,25bの回動中心となるピボット軸38が受け止める。そのため、フライウエイト25a,25bに遠心力F1が作用しても、フライウエイト25a,25bは、回動することなく静止状態を保つ。
慣性力F2は、フライウエイト25a,25bを動作位置に向けて回動させようとする力となるが、乗り籠4に重力加速度が作用しない限り、フライウエイト25a,25bは静止状態を維持するか、あるいは待機位置と動作位置との間の中間位置に回動される。
乗り籠4が下降している過程、あるいは乗り籠4が所望の乗場に着床している状態において、予期せぬ事態により乗り籠4を吊り下げている全てのメインロープ5が破断した場合、乗り籠4が昇降路2に沿って自由落下する。
乗り籠4に自由落下に伴う重力加速度が作用した場合、ガバナシーブ14が急激に回転するとともに、当該ガバナシーブ14に過大な回転加速度が作用する。このため、フライウエイト25a,25bに回転加速度と逆向きの慣性力F2が作用し、フライウエイト25a,25bが圧縮コイルばね43の付勢力に抗して待機位置から動作位置に向けて一気に変位する。
この結果、フライウエイト25a,25bの係合部45の外周面45aがラチェットホイール24の爪部34の内周面34aに係合し、静止していたラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転する。
ラチェットホイール24が回転すると、ラチェットホイール24のフック53がロープ掴み機構20のホルダ50から外れる。したがって、ロープ掴み機構20の可動シュー48が第1の位置から第2の位置に倒れ込み、可動シュー48がガバナロープ13に接触する。可動シュー48は、ガバナロープ13との接触に伴って下方に引き込まれ、固定シュー47と協働してガバナロープ13を掴む。
これにより、ガバナロープ13の走行が停止する。ガバナロープ13の走行が停止すると、セフティリンク機構16を介して乗り籠4の非常停止装置10a,10bが作動し、自由落下する乗り籠4を強制的に停止させる。
第1の実施形態によると、乗り籠4が予期せぬ事態により自由落下した場合、回転するガバナシーブ14の回転加速度をフライウエイト25a,25bで機械的に検出することで、速やかにガバナ装置12を動作させることができる。
このため、自由落下する乗り籠4を直ちに停止させることができる。それとともに、例えば建屋の下層階に位置する乗り籠4が自由落下した場合のように、乗り籠4の落下距離が短い状況化においても、直ちにガバナ装置12が動作する。
よって、乗り籠4がバッファ11に衝突する以前に乗り籠4を確実に停止させることができ、エレベータ1の安全性が向上する。
[第2の実施形態]
図5および図6は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、乗り籠4の速度が定格速度を超過した時のガバナシーブ14の回転速度および乗り籠4が自由落下した時のガバナシーブ14の回転加速度を個別に検出するようにした点が第1の実施形態と相違している。それ以外のガバナ装置12の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図5および図6は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、乗り籠4の速度が定格速度を超過した時のガバナシーブ14の回転速度および乗り籠4が自由落下した時のガバナシーブ14の回転加速度を個別に検出するようにした点が第1の実施形態と相違している。それ以外のガバナ装置12の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図5および図6に示すように、本実施形態のガバナ装置12は、ガバナシーブ14の回転速度に基づく遠心力F1で変位する一対の第1のフライウエイト61a,61bと、ガバナシーブ14に加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力F2で変位する一対の第2のフライウエイト62a,62bと、を備えている。
一対の第1のフライウエイト61a,61bのうちの一方の第1のフライウエイト61aは、ガバナシーブ14のアーム部31aの基端部に支持されている。他方の第1のフライウエイト61bは、ガバナシーブ14のアーム部31cの基端部に支持されている。すなわち、第1のフライウエイト61a,61bは、回転軸23を中心に互いに対称となるように配置されている。
第1のフライウエイト61a,61bは互いに共通の構成を有するので、一方の第1のフライウエイト61aを代表して説明する。図5に示すように、第1のフライウエイト61aは、アーム部31aと交差する方向に延びたウエイト本体63を有している。ウエイト本体63の中間部は、ピボット軸64を介してアーム部31aの基端部に回動可能に支持されている。ピボット軸64は、ガバナシーブ14の回転中心O1を通る直線S1の上に位置されている。
レバー部65および係合凸部66がウエイト本体63の一端部に形成されている。レバー部65は、ウエイト本体63の一端部から隣り合うアーム部31dに向けて突出されている。係合凸部66は、ウエイト本体63の一端部からガバナシーブ14のリム32に向けて突出されている。さらに、ウエイト本体63の他端部は、ウエイト本体63の一端部に対しアーム部31aを間に挟んだ反対側に位置されている。
他方の第1のフライウエイト61bは、一方の第1のフライウエイト61aに対し向きを反転させた姿勢でアーム部31cに回動可能に支持されている。他方の第1のフライウエイト61bのレバー部65は、ウエイト本体63の一端部から隣り合うアーム部31bに向けて突出されている。ストッパボルト67が他方の第1のフライウエイト61bのレバー部65の先端に固定されている。ストッパボルト67は、アーム部31dの側縁部に突き当てられている。
さらに、一方の第1のフライウエイト61aの一端部と他方の第1のフライウエイト61bの他端部との間は、リレーロッド68を介して連結されている。
本実施形態によると、第1のフライウエイト61a,61bは、夫々重心G1を有している。重心G1は、ピボット軸64が位置された前記直線S1に対しガバナシーブ14の回転方向にずれている。本実施形態によると、一方の第1のフライウエイト61aの重心G1および他方の第1のフライウエイト61bの重心G1は、ガバナシーブ14の回転中心O1を通る同一の直線S3の上に位置されている。直線S3は、ガバナシーブ14の回転中心O1で直線S1と交差している。
このため、乗り籠4の下降に伴いガバナシーブ14が図5の矢印Aの方向に回転した場合、第1のフライウエイト61a,61bの重心G1にガバナシーブ14の回転速度による遠心力F1と、ガバナシーブ14に加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力F2が作用する。遠心力F1は、第1のフライウエイト61a,61bの回動中心となるピボット軸64から外れた直線S3に沿って作用するので、当該遠心力F1が第1のフライウエイト61a,61bを回動させる力となる。
そのため、ガバナシーブ14が回転すると、第1のフライウエイト61a,61bは、ガバナシーブ14の回転に伴う遠心力F1により係合凸部66の先端部66aがガバナシーブ14の径方向に沿う外側に向けて進出する動作位置に変位するようになっている。
一方、慣性力F2は、重心G1と第1のフライウエイト61a,61bの回動中心となるピボット軸64とを結ぶ直線S4に沿う方向の力となるので、ピボット軸64が慣性力F2を受け止める。このため、第1のフライウエイト61a,61bは、慣性力F2では回動せずに静止状態を保つ。
図5に示すように、ガバナシーブ14のアーム部31bは、一方の第1のフライウエイト61aの他端部と隣り合っている。第1のフライウエイト61aの他端部とアーム部31bから突出された第1のばね受け70との間に第1の圧縮コイルばね71が介在されている。第1の圧縮コイルばね71は、第1のフライウエイト61a,61bに作用する遠心力F1に対抗する方向に第1のフライウエイト61a,61bを弾性的に付勢している。
この結果、ストッパボルト67がアーム部31bの側縁部に押し付けられ、第1のフライウエイト61a,61bが図5に示す待機位置に保持されている。待機位置では、第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66の先端部66aが前記動作位置よりもガバナシーブ14の径方向に沿う内側に位置されている。
第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66の先端部66aは、ガバナシーブ14とラチェットホイール24との間に張り出している。先端部66aは、ラチェットホイール24の周方向に延びた外周面66bを有している。
図5に示すように、一対の第2のフライウエイト62a,62bのうちの一方の第2のフライウエイト62aは、アーム部31aの先端部に支持されている。他方の第2のフライウエイト62bは、アーム部31cの先端部に支持されている。すなわち、第2のフライウエイト62a,62bは、回転軸23を中心に互いに対称となるように配置されている。
したがって、本実施形態では、第1のフライウエイト61aおよび第2のフライウエイト62aがアーム部31aの長手方向に互いに隣り合うように配置され、第1のフライウエイト61bおよび第2のフライウエイト62bがアーム部31cの長手方向に互いに隣り合うように配置されている。
第2のフライウエイト62a,62bは互いに共通の構成を有するので、一方の第2のフライウエイト62aを代表して説明する。
図5に示すように、第2のフライウエイト62aは、アーム部31aに沿うウエイト本体73と、ウエイト本体73の中間部からアーム部31aと直交する方向に突出された第1の凸部74aと、ウエイト本体73の中間部から第1の凸部74aの反対側に向けて突出された第2の凸部74bと、を備えている。
ウエイト本体73の中間部は、ピボット軸75を介してアーム部31aの先端部に回動可能に支持されている。ピボット軸75は、ガバナシーブ14の回転中心O1を通る直線S1の上に位置されている。
係合凸部76が第2の凸部74bに形成されている。係合凸部76は、第2の凸部74bの先端よりもガバナシーブ14のリム32に向けて突出されている。
係合凸部76が第2の凸部74bに形成されている。係合凸部76は、第2の凸部74bの先端よりもガバナシーブ14のリム32に向けて突出されている。
他方の第2のフライウエイト62bは、一方の第2のフライウエイト62aに対し向きを反転させた姿勢でアーム部31cに回動可能に支持されている。さらに、一方の第2のフライウエイト62aの第2の凸部74bと他方の第2のフライウエイト62bの第1の凸部74aとの間は、リレーロッド77を介して連結されている。
本実施形態によると、第2のフライウエイト62a,62bは、夫々重心G2を有している。重心G2は、前記直線S1の上で第2のフライウエイト62a,62bの回動中心となるピボット軸75よりもガバナシーブ14の径方向に沿う外側に位置されている。
このため、乗り籠4の下降に伴いガバナシーブ14が図2の矢印Aの方向に回転した場合、第2のフライウエイト62a,62bの重心G2にガバナシーブ14の回転速度による遠心力F1と、ガバナシーブ14の回転加速度とは逆の向きに生じる慣性力F2と、が作用する。遠心力F1は、直線S1に沿う方向の力となるので、当該直線S1の上でピボット軸75が遠心力F1を受け止める。そのため、第2のフライウエイト62a,62bは、遠心力F1では回動せずに静止状態を保つ。
一方、慣性力F2は、回転加速度と逆向きの力となるので、第2のフライウエイト62a,62bがピボット軸75を中心に回動可能となる。したがって、ガバナシーブ14に乗り籠4の自由落下に伴う回転加速度が加わった状態では、第2のフライウエイト62a,62bは、慣性力F2により係合凸部76がガバナシーブ14の径方向に沿う外側に向けて進出する動作位置に変位するようになっている。
図5に示すように、ガバナシーブ14のアーム部31bは、一方の第2のフライウエイト62aの第1の凸部74aの先端部と隣り合っている。第1の凸部74aの先端部とアーム部31bから突出された第2のばね受け78との間に第2の圧縮コイルばね79が介在されている。第2の圧縮コイルばね79は、第2のフライウエイト62a,62bに作用する慣性力F2に対抗する方向に第2のフライウエイト62a,62bを弾性的に付勢している。
この結果、第2のフライウエイト62a又は62bに設けたストッパボルト(図示せず)がガバナシーブ14に押し付けられ、第2のフライウエイト62a,62bが図5に示す待機位置に保持されている。待機位置では、第2のフライウエイト62a,62bの係合凸部76が前記動作位置よりもガバナシーブ14の径方向に沿う内側に位置されている。
第2のフライウエイト62a,62bの係合凸部76は、ガバナシーブ14とラチェットホイール24との間に張り出している。係合凸部76は、ラチェットホイール24の周方向に延びた外周面76aを有している。
図6は、ラチェットホイール24の爪部34と第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66との位置関係、およびラチェットホイール24の爪部34と第2のフライウエイト62a,62bの係合凸部76との位置関係を開示している。
図6に示すように、第1のフライウエイト61a,61bが待機位置に保持された状態では、第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66の先端部66aは、ラチェットホイール24の爪部34よりもラチェットホイール24の径方向に沿う内側に位置されている。
このため、ガバナシーブ14が乗り籠4の昇降動に追従して回転した状態においても、係合凸部66の先端部66aが爪部34と干渉することはない。係合凸部66は、第1のフライウエイト61a,61bが待機位置から動作位置に変位する過程で爪部34に向けて進出する。
係合凸部66の外周面66bは、第1のフライウエイト61a,61bが動作位置に達した状態において、第1のフライウエイト61a,61bに作用する遠心力F1により爪部34の内周面34aに係合する。この係合により、ラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転する。
一方、第2のフライウエイト62a,62bが待機位置に保持された状態では、第2のフライウエイト62a,62bの係合凸部76は、ラチェットホイール24の爪部34よりもラチェットホイール24の径方向に沿う内側に位置されている。このため、ガバナシーブ14が乗り籠4の昇降動に追従して回転した状態においても、係合凸部76が爪部34と干渉することはない。係合凸部76は、第2のフライウエイト62a,62bが待機位置から動作位置に変位する過程で爪部34に向けて進出する。
係合凸部76の外周面76aは、第2のフライウエイト62a,62bが動作位置に達した状態において、第2のフライウエイト62a,62bに作用する慣性力F2により爪部34の内周面34aに係合する。この係合により、ラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転する。
さらに、本実施形態のガバナ装置12は、図5に示すリミットスイッチ81を備えている。リミットスイッチ81は、ブラケット82を介して基台18の上端部に支持されている。リミットスイッチ81は、乗り籠4の下降速度が定格速度を超過した状態において、巻上機の電源を遮断するとともに、当該巻上機の電磁ブレーキを作動させる要素である。リミットスイッチ81は、ガバナシーブ14とラチェットホイール23との間に進出する検出レバー83を備えている。
このような構成のエレベータ1において、乗り籠4が昇降路2に沿って昇降動すると、ガバナシーブ14が乗り籠4の動きに追従して回転する。ガバナシーブ14に支持された第1のフライウエイト61a,61bおよび第2のフライウエイト62a,62bは、ガバナシーブ14と一緒に回転するので、第1のフライウエイト61a,61bの重心G1および第2のフライウエイト62a,62bの重心G2に夫々遠心力F1および慣性力F2が作用する。
第1のフライウエイト61a,61bは、慣性力F2では回動することなく静止状態を維持し、遠心力F1のみに応答して回動する。第2のフライウエイト62a,62bは、遠心力F1では回動することなく静止状態を維持し、慣性力F2のみに応答して回動する。
そのため、乗り籠4の下降速度が定格速度を超過した場合、第1のフライウエイト61a,61bの重心G1に作用する遠心力F1により第1のフライウエイト61a,61bが第1の圧縮コイルばね71の付勢力に抗して待機位置から動作位置に向けて変位し始める。
乗り籠4の下降速度が例えば定格速度の130%に近づくと、第1のフライウエイト61a,61bから突出された操作ボルト(図示せず)の先端がリミットスイッチ81の検出レバー83を押し下げる。これにより、リミットスイッチ81が作動し、巻上機の電源を遮断するとともに電磁ブレーキを作動させる。
リミットスイッチ81が作動したにも拘らず、乗り籠4が停止せずに乗り籠4の下降速度が例えば定格速度の140%に近づいた場合、第1のフライウエイト61a,61bに作用する遠心力F1が増大する。この結果、第1のフライウエイト61a,61bが動作位置に向けてさらに変位し、第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66の外周面66bがラチェットホイール24の爪部34の内周面34aに係合する。
これにより、静止状態にあるラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転する。ラチェットホイール24が回転すると、前記第1の実施形態と同様に、ロープ掴み機構20の可動シュー48が固定シュー47と協働してガバナロープ13を掴み、ガバナロープ13の走行を停止させる。この結果、セフティリンク機構16を介して乗り籠4の非常停止装置10a,10bが作動し、下降する乗り籠4を強制的に停止させる。
一方、乗り籠4が予期せぬ事態により自由落下した場合、乗り籠4に重力加速度が作用し、ガバナシーブ14に過大な回転加速度が作用する。このため、第2のフライウエイト62a,62bに回転加速度と逆向きの慣性力F2が作用し、第2のフライウエイト62a,62bが第2の圧縮コイルばね79の付勢力に抗して待機位置から動作位置に向けて変位する。
この結果、第2のフライウエイト62a,62bの係合凸部76の外周面76aがラチェットホイール24の爪部34の内周面34aに係合し、静止していたラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転する。したがって、乗り籠4が自由落下した時点でロープ掴み機構20がガバナロープ13の走行を停止させるとともに、非常停止装置10a,10bが自由落下する乗り籠4を強制的に停止させる。
第2の実施形態によると、乗り籠4の速度が定格速度を超過した場合、ならびに乗り籠4が自由落下した場合のいずれにおいても、乗り籠4を強制的に停止させることができる。
加えて、例えば建屋の下層階に位置する乗り籠4が自由落下した場合のように、乗り籠4の落下距離が短く、ガバナシーブ14の回転速度が第1のフライウエイト61a,61bを動作位置に変位させる速度域に達しない状況化においても、第2のフライウエイト62a,62bを用いて非常停止装置10a,10bを速やかに動作させることができる。
この結果、乗り籠4が昇降路2の底のバッファ11に衝突する以前に乗り籠4を停止させることが可能となり、エレベータ1の安全性を飛躍的に高めることができる。
さらに、乗り籠4が自由落下した際のガバナシーブ14の回転加速度を機械的に検出することで、乗り籠4に重力加速度が作用した時にガバナ装置12に加わる衝撃を小さく抑えることができる。そのため、ガバナ装置12の損傷を未然に防止することができる。
[第2の実施形態の変形例]
図7は、第2の実施形態の変形例を開示している。変形例は、他方の第2のフライウエイト62bの代わりにダミーウエイト91を用いた点が第2の実施形態と相違している。それ以外のガバナ装置12の構成は、基本的に第2の実施形態と同様である。
図7は、第2の実施形態の変形例を開示している。変形例は、他方の第2のフライウエイト62bの代わりにダミーウエイト91を用いた点が第2の実施形態と相違している。それ以外のガバナ装置12の構成は、基本的に第2の実施形態と同様である。
図7に示すように、ダミーウエイト91は、ガバナシーブ14が回転した時のガバナシーブ14のバランスを保つための要素であって、例えば第1のフライウエイト62aと同じ形状および同じ質量を有している。
ダミーウエイト91は、その中間部がボルトのような締結具92を用いてガバナシーブ14のアーム部31cの先端部に固定されている。そのため、ダミーウエイト91の重心G2に遠心力F1および慣性力F2が作用しても、ダミーウエイト91は回動することなく静止状態を維持している。
変形例によれば、乗り籠4が予期せぬ事態により自由落下した場合、ガバナシーブ14の回転加速度を第2のフライウエイト62aで機械的に検出することができる。したがって、前記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、変形例によれば、第2の実施形態で必要としていたリレーロッド77を省略することができ、ガバナ装置12の部品点数の削減に寄与するといった利点がある。
[第3の実施形態]
図8ないし図10は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、遠心力F1で変位する第1のフライウエイト61a,61bおよび慣性力F2で変位する第2のフライウエイト62a,62bの支持の仕方が第2の実施形態と相違している。それ以外のガバナ装置12の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図8ないし図10は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、遠心力F1で変位する第1のフライウエイト61a,61bおよび慣性力F2で変位する第2のフライウエイト62a,62bの支持の仕方が第2の実施形態と相違している。それ以外のガバナ装置12の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、加速度検出シーブ100が回転軸23の上に同軸状に支持されている。加速度検出シーブ100は、回転部材の一例であって、例えばガバナロープ13が巻き掛けられたガバナシーブ14と同一の形状および大きさを有している。さらに、加速度検出シーブ100は、ガバナシーブ14に対し回転軸23の軸方向に離れており、当該加速度検出シーブ100とガバナシーブ14との間にラチェットホイール24が位置されている。
図8および図10に示すように、加速度検出シーブ100は、回転軸23の外周面にキー101を介して固定されたボス部102と、ボス部102から放射状に突出された四本のアーム部103a,103b,103c,103dと、アーム部103a,103b,103c,103dの先端部の間を結ぶ円環状のリム104と、を備えている。
このため、乗り籠4の昇降動に追従してガバナロープ13が走行すると、加速度検出シーブ100がガバナシーブ14に追従してガバナシーブ14と同方向に同速度で回転するようになっている。本実施形態では、乗り籠4が下降した時に、加速度検出シーブ100は図10の矢印Bの方向に回転する。
図9に示すように、一対の第1のフライウエイト61a,61bは、夫々ガバナシーブ14のアーム部31a,31cの先端部にピボット軸64を介して回動可能に支持されている。第1のフライウエイト61a,61bの構成は、係合凸部66の突出量が少ない点を除き前記第2の実施形態と同様であるので、第2の実施形態の第1のフライウエイト61a,61bと同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
さらに、本実施形態のガバナ装置12は、第1のフライウエイト61a,61bによって操作されるリミットスイッチ81を有している。リミットスイッチ81の構成は、前記第2の実施形態と同様である。
図10に示すように、一対の第2のフライウエイト62a,62bは、夫々加速度検出シーブ100のアーム部103a,103cの先端部にピボット軸75を介して回動可能に支持されている。第2のフライウエイト62a,62bの各部の構成は、前記第1の実施形態のフライウエイト25a,25bと同様であるので、第1の実施形態のフライウエイト25a,25bの各部と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図8に示すように、ラチェットホイール24は、複数の第1の爪部105および複数の第2の爪部106を有している。第1の爪部105は、ラチェットホイール24の外周部24aからガバナシーブ14のリム32に向けて突出されているとともに、ラチェットホイール24の周方向に互いに間隔を存して配置されている。第2の爪部106は、ラチェットホイール24の外周部24aから加速度検出シーブ100のリム104に向けて突出されているとともに、ラチェットホイール24の周方向に互いに間隔を存して配置されている。
本実施形態では、第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66の先端部は、ガバナシーブ14とラチェットホイール24との間に張り出している。係合凸部66の先端部は、ラチェットホイール24の第1の爪部105よりもラチェットホイール24の径方向に沿う内側に位置されている。
さらに、第2のフライウエイト62a,62bの第2の凸部37bの先端部は、加速度検出シーブ100とラチェットホイール24との間に張り出している。第2の凸部37bの先端部に形成された係合部45は、ラチェットホイール24の第2の爪部106よりもラチェットホイール24の径方向に沿う内側に位置されている。
このような構成のエレベータ1において、乗り籠4が昇降路2に沿って昇降動すると、ガバナシーブ14および加速度検出シーブ100が乗り籠4の動きに追従して一体的に回転する。ガバナシーブ14に支持された第1のフライウエイト61a,61bは、ガバナシーブ14と一緒に回転するので、第1のフライウエイト61a,61bの重心G1に遠心力F1および慣性力F2が作用する。
第1のフライウエイト61a,61bは、慣性力F2では回動することなく静止状態を維持し、遠心力F1のみに応答して回動する。そのため、乗り籠4の下降速度が定格速度を超過した場合、第1のフライウエイト61a,61bの重心G1に作用する遠心力F1により第1のフライウエイト61a,61bが第1の圧縮コイルばね71の付勢力に抗して待機位置から動作位置に向けて変位し始める。
乗り籠4の下降速度が例えば定格速度の130%に近づくと、第1のフライウエイト61a,61bから突出された操作ボルト(図示せず)の先端がリミットスイッチ81の検出レバー83を押し下げる。これにより、リミットスイッチ81が作動し、巻上機の電源を遮断するとともに電磁ブレーキを作動させる。
リミットスイッチ81が作動したにも拘らず、乗り籠4が停止せずに乗り籠4の下降速度が例えば定格速度の140%に近づいた場合、第1のフライウエイト61a,61bに作用する遠心力F1が増大する。この結果、第1のフライウエイト61a,61bが動作位置に向けてさらに変位し、第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66がラチェットホイール24の第1の爪部105に係合する。
これにより、静止状態にあるラチェットホイール24がガバナシーブ14に追従して回転し、前記第1の実施形態と同様に、ロープ掴み機構20がガバナロープ13の走行を停止させる。
加速度検出シーブ100に支持された第2のフライウエイト62a,62bは、加速度検出シーブ100と一緒に回転するので、第2のフライウエイト62a,62bの重心G2に遠心力F1および慣性力F2が作用する。
第2のフライウエイト62a,62bは、遠心力F1では回動しないので、第1のフライウエイト61a,61bが変位する速度域では、第2のフライウエイト62a,62bは静止状態を維持している。そのため、第2のフライウエイト62a,62bの係合部45は、ラチェットホイール24の第2の爪部106から離脱した状態に保たれている。
一方、乗り籠4が予期せぬ事態により自由落下した場合、乗り籠4に重力加速度が作用し、ガバナシーブ14および加速度検出シーブ100に回転加速度が加わる。ガバナシーブ14に支持された第1のフライウエイト61a,61bは、慣性力F2では回動することなく静止状態を維持するので、第1のフライウエイト61a,61bの係合凸部66は、ラチェットホイール24の第1の爪部105から離脱した状態に保たれている。
加速度検出シーブ100に支持された第2のフライウエイト62a,62bは、遠心力F1では回動することなく静止状態を維持し、慣性力F2のみに応答して回動する。このため、加速度検出シーブ100に過大な回転加速度が作用した時点で、第2のフライウエイト62a,62bに回転加速度と逆向きの慣性力F2が働き、第2のフライウエイト62a,62bが圧縮コイルばね43の付勢力に抗して待機位置から動作位置に変位する。
この結果、第2のフライウエイト62a,62bの係合部45がラチェットホイール24の第2の爪部106に係合し、静止していたラチェットホイール24が加速度検出シーブ100に追従して回転する。したがって、乗り籠4の速度が定格速度を上回った時と同様に、ロープ掴み機構20がガバナロープ13の走行を停止させるとともに、非常停止装置10a,10bが自由落下する乗り籠4を強制的に停止させる。
第3の実施形態によると、乗り籠4の速度が定格速度を超過した場合、ならびに乗り籠4が自由落下した場合のいずれにおいても、乗り籠4を強制的に停止させることができ、前記第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施形態]
図11ないし図13は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態に係るガバナ装置12は、乗り籠4の速度が定格速度を超過したことを検出する第1の検出モジュール200と、乗り籠4が自由落下したことを検出する第2の検出モジュール300と、を個別に備えた点が前記第1の実施形態と相違している。それ以外のエレベータ1の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。
図11ないし図13は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態に係るガバナ装置12は、乗り籠4の速度が定格速度を超過したことを検出する第1の検出モジュール200と、乗り籠4が自由落下したことを検出する第2の検出モジュール300と、を個別に備えた点が前記第1の実施形態と相違している。それ以外のエレベータ1の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。
図11および図12に示すように、第1の検出モジュール200は、第1のガバナシーブ201、第1の回転輪としての第1のラチェットホイール202、一対の第1のフライウエイト203a,203bおよび第1のロープ掴み機構204を主要な要素として備えている。
第1のガバナシーブ201は、水平な回転軸205を介して機械室6内の基台206に支持されている。第1のガバナシーブ201は、回転軸205と一体的に回転するボス部207と、ボス部207から放射状に突出された四本のアーム部208a,208b,208c,208dと、アーム部208a,208b,208c,208dの先端部の間を結ぶ円環状のリム209と、を備えている。
第1のガバナシーブ201のリム209と昇降路2の底に設置された第1のテンショナシーブ211との間に亘って第1のガバナロープ212が無端状に巻き掛けられている。第1のガバナロープ212は、乗り籠4の一側に位置されるとともに、当該乗り籠4が昇降動する範囲の全域に亘るように昇降路2に沿って延びている。
第1のガバナロープ212は、第1のガバナシーブ201と第1のテンショナシーブ211との間の中間部が第1のセフティリンク機構213を介して乗り籠4に連結されている。そのため、第1のガバナロープ212は、乗り籠4が昇降動する方向に乗り籠4と同じ速度で無端走行する。第1のガバナロープ212が走行すると、第1のガバナシーブ201が第1のガバナロープ212の走行方向に応じて回転するようになっている。さらに、第1のセフティリンク機構213は、乗り籠4の非常停止装置10a,10bに連動されている。
第1のラチェットホイール202は、回転軸205の上に回転自在に支持されている。第1のラチェットホイール202は、第1のガバナシーブ201に対し回転軸205の軸方向に間隔を存して同軸状に配置されている。第1のラチェットホイール202の外周部は、第1のガバナシーブ201のリム209の側面と向かい合っている。
本実施形態によると、第1のラチェットホイール202は、図示しない複数の爪部を有している。爪部は、第1のラチェットホイール202の外周部から第1のガバナシーブ201のリム209に向けて突出されているとともに、第1のラチェットホイール202の周方向に間隔を存して配置されている。
第1のガバナシーブ201の周方向に隣り合うアーム部208a,208b,208c,208dは、互いに交差する方向に延びている。本実施形態では、アーム部208aとアーム部208cは、第1のガバナシーブ201の径方向に沿う同一の直線S1の上に位置されている。
図12に示すように、一対の第1のフライウエイト203a,203bは、夫々第1のガバナシーブ201のアーム部208a,208cの先端部にピボット軸215を介して回動可能に支持されている。第1のフライウエイト203a,203bの各部の構成は、前記第3の実施形態の第1のフライウエイト61a,61bと同様であるので、第3の実施形態の第1のフライウエイト61a,61bと同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、第1のフライウエイト203a,203bの係合凸部66の先端部は、第1のガバナシーブ201と第1のラチェットホイール202との間に張り出している。係合凸部66の先端部は、第1のラチェットホイール202の爪部よりも第1のラチェットホイール202の径方向に沿う内側に位置されている。
第1のロープ掴み機構204は、第1のガバナシーブ201および第1のラチェットホイール202の下方に位置するように基台206に支持されている。第1のロープ掴み機構204は、前記第1の実施形態のロープ掴み機構20と同様の構成を有するので、第1のロープ掴み機構204の各部に第1の実施形態のロープ掴み機構20と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
第1のロープ掴み機構204は、そのホルダ50が第1のラチェットホイール202の外周部から突出されたフック216に引っ掛かることで、第1の位置に保持されている。
さらに、第1の検出モジュール200は、リミットスイッチ217を備えている。リミットスイッチ217は、ブラケット218を介して基台206の上端部に支持されている。リミットスイッチ217は、乗り籠4の下降速度が定格速度を超過した状態において、巻上機の電源を遮断するとともに、当該巻上機の電磁ブレーキを作動させる。リミットスイッチ218は、第1のガバナシーブ201と第1のラチェットホイール202との間に進出する検出レバー219を備えている。
図13は、前記第2の検出モジュール300を開示している。第2の検出モジュール300は、第2のガバナシーブ301、第2の回転輪としての第2のラチェットホイール302、一対の第2のフライウエイト303a,303bおよび第2のロープ掴み機構304を主要な要素として備えている。
第2のガバナシーブ301は、水平な回転軸305を介して機械室6内の基台306に支持されている。第2のガバナシーブ301は、回転軸305と一体的に回転するボス部307と、ボス部307から放射状に突出された四本のアーム部308a,308b,308c,308dと、アーム部308a,308b,308c,308dの先端部の間を結ぶ円環状のリム309と、を備えている。
第2のガバナシーブ301のリム309と昇降路2の底に設置された第2のテンショナシーブ311との間に亘って第2のガバナロープ312が無端状に巻き掛けられている。第2のガバナロープ312は、乗り籠4の他側に位置されるとともに、当該乗り籠4が昇降動する範囲の全域に亘るように昇降路2に沿って延びている。
第2のガバナロープ312は、第2のガバナシーブ301と第2のテンショナシーブ311との間の中間部が第2のセフティリンク機構313を介して乗り籠4に連結されている。そのため、第2のガバナロープ312は、乗り籠4が昇降動する方向に乗り籠4と同じ速度で無端走行する。第2のガバナロープ312が走行すると、第2のガバナシーブ301が第2のガバナロープ312の走行方向に応じて回転するようになっている。さらに、第2のセフティリンク機構313は、乗り籠4の非常停止装置10a,10bに連動されている。
第2のラチェットホイール302は、回転軸305の上に回転自在に支持されている。第2のラチェットホイール302は、第2のガバナシーブ301に対し回転軸305の軸方向に間隔を存して同軸状に配置されている。第2のラチェットホイール302の外周部は、第2のガバナシーブ301のリム309の側面と向かい合っている。
本実施形態によると、第2のラチェットホイール302は、図示しない複数の爪部を有している。爪部は、第2のラチェットホイール302の外周部から第2のガバナシーブ301のリム309に向けて突出されているとともに、第2のラチェットホイール302の周方向に間隔を存して配置されている。
第2のガバナシーブ301の周方向に隣り合うアーム部308a,308b,308c,308dは、互いに交差する方向に延びている。本実施形態では、アーム部308aとアーム部308cは、第2のガバナシーブ301の径方向に沿う同一の直線S1の上に位置されている。
図13に示すように、一対の第2のフライウエイト303a,303bは、夫々第2のガバナシーブ301のアーム部308a,308cの先端部にピボット軸315を介して回動可能に支持されている。第2のフライウエイト303a,303bの各部の構成は、前記第3の実施形態の第2のフライウエイト62a,62bと同様であるので、第3の実施形態の第2のフライウエイト62a,62bと同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、第2のフライウエイト303a,303bの係合部45の先端部は、第2のガバナシーブ301と第2のラチェットホイール302との間に張り出している。係合部45の先端部は、第2のラチェットホイール302の爪部よりも第2のラチェットホイール302の径方向に沿う内側に位置されている。
第2のロープ掴み機構304は、第2のガバナシーブ301および第2のラチェットホイール302の下方に位置するように基台306に支持されている。第2のロープ掴み機構304は、前記第1の実施形態のロープ掴み機構20と同様の構成を有するので、第2のロープ掴み機構304の各部に第1の実施形態のロープ掴み機構20と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
第2のロープ掴み機構304は、そのホルダ50が第2のラチェットホイール302の外周部から突出されたフック316に引っ掛かることで、第1の位置に保持されている。
このような構成のエレベータ1において、乗り籠4が昇降路2に沿って昇降動すると、第1の検出モジュール200の第1のガバナシーブ201および第2の検出モジュール300の第2のガバナシーブ301が乗り籠4の動きに追従して一体的に回転する。
第1のフライウエイト203a,203bは、慣性力F2では回動することなく静止状態を維持し、遠心力F1のみに応答して回動する。そのため、乗り籠4の下降速度が定格速度を超過した場合、第1のフライウエイト203a,203bの重心G1に作用する遠心力F1により第1のフライウエイト203a,203bが第1の圧縮コイルばね71の付勢力に抗して待機位置から動作位置に向けて変位し始める。
乗り籠4の下降速度が例えば定格速度の130%に近づくと、第1のフライウエイト203a,203bから突出された操作ボルト(図示せず)の先端がリミットスイッチ217の検出レバー219を押し下げる。これにより、リミットスイッチ217が作動し、巻上機の電源を遮断するとともに電磁ブレーキを作動させる。
リミットスイッチ217が作動したにも拘らず、乗り籠4が停止せずに乗り籠4の下降速度が例えば定格速度の140%に近づいた場合、第1のフライウエイト203a,203bが動作位置に向けてさらに変位し、第1のフライウエイト203a,203bの係合凸部66が第1のラチェットホイール202の爪部に係合する。
これにより、静止状態にある第1のラチェットホイール202が第1のガバナシーブ201に追従して回転し、前記第1の実施形態と同様に、第1のラチェットホイール202のフック216が第1のロープ掴み機構204のホルダ50から外れる。この結果、第1のロープ掴み機構204の可動シュー48が固定シュー47と協働して第1のガバナロープ212を掴み、第1のガバナロープ212の走行を停止させる。
第2のガバナシーブ301に支持された第2のフライウエイト303a,303bは、第2のガバナシーブ301と一緒に回転するので、第2のフライウエイト303a,303bの重心G2に遠心力F1および慣性力F2が作用する。
第2のフライウエイト303a,303bは、遠心力F1では回動しないので、前記第1の検出モジュール200の第1のフライウエイト203a,203bが変位する速度域では、第2のフライウエイト303a,303bは静止状態を維持している。
一方、乗り籠4が予期せぬ事態により自由落下した場合、乗り籠4に重力加速度が作用し、第1のガバナシーブ201および第2のガバナシーブ301に回転加速度が加わる。第1のガバナシーブ201に支持された第1のフライウエイト203a,203bは、慣性力F2では回動することなく静止状態を維持するので、第1のフライウエイト203a,203bの係合凸部66は、第1のラチェットホイール202の爪部から離脱した状態に保たれている。
これに対し、第2のガバナシーブ301に支持された第2のフライウエイト303a,303bは、遠心力F1では回動することなく静止状態を維持し、慣性力F2のみに応答して回動する。このため、第2のガバナシーブ301に過大な回転加速度が作用した時点で、第2のフライウエイト303a,303bに回転加速度と逆向きの慣性力F2が働き、第2のフライウエイト303a,303bが圧縮コイルばね43の付勢力に抗して待機位置から動作位置に変位する。
この結果、第2のフライウエイト303a,303bの係合部45が第2のラチェットホイール302の爪部に係合し、静止していた第2のラチェットホイール302が第2のガバナシーブ301に追従して回転する。これにより、第2のラチェットホイール302のフック316が第2のロープ掴み機構304のホルダ50から外れる。この結果、乗り籠4の速度が定格速度を上回った時と同様に、第2のロープ掴み機構304が第2のガバナロープ312の走行を停止させる。
第4の実施形態によると、乗り籠4の速度が定格速度を超過した場合、ならびに乗り籠4が自由落下した場合のいずれにおいても、乗り籠4を強制的に停止させることができ、前記第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
4…乗り籠、12…ガバナ装置、13…ガバナロープ、14…ガバナシーブ、20,204,304…ロープ掴み機構(第1のロープ掴み機構、第2のロープ掴み機構)、24…回転輪(ラチェットホイール)、25a,25b…フライウエイト、61a,61b…第1のフライウエイト、62a,62b…第2のフライウエイト、100…回転部材(加速度検出シーブ)、201…第1のガバナシーブ、202…第1の回転輪(第1のラチェットホイール)、203a,203b…第1のフライウエイト、212…第1のガバナロープ、301…第2のガバナシーブ、302…第2の回転輪(第2のラチェットホイール)、303a,303b…第2のフライウエイト、312…第2のガバナロープ。
Claims (9)
- 乗り籠の動きに追従して走行するガバナロープが巻き掛けられ、当該ガバナロープによって回転されるガバナシーブと、
前記ガバナシーブと同軸状に配置され、前記ガバナロープを掴むロープ掴み機構を動作させる回転輪と、
前記ガバナシーブに回動可能に支持されたフライウエイトと、を具備し、
前記フライウエイトは、前記乗り籠が自由落下した際に前記ガバナシーブに加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により前記回転輪に係合する動作位置に向けて変位し、 前記フライウエイトが前記回転輪に係合することで、前記回転輪が前記ガバナシーブに追従して回転するとともに、前記ロープ掴み機構が動作するエレベータのガバナ装置。 - 前記フライウエイトは、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時に生じる遠心力では変位せずに静止状態を維持する請求項1に記載のエレベータのガバナ装置。
- 乗り籠の動きに追従して走行するガバナロープが巻き掛けられ、当該ガバナロープによって回転されるガバナシーブと、
前記ガバナシーブと同軸状に配置され、前記ガバナロープを掴むロープ掴み機構を動作させる回転輪と、
前記ガバナシーブに回動可能に支持され、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時の前記ガバナシーブの回転速度に基づく遠心力で前記回転輪に係合する動作位置に向けて変位するとともに、前記回転輪を介して前記ロープ掴み機構を動作させる第1のフライウエイトと、
前記ガバナシーブに回動可能に支持され、前記乗り籠が自由落下した際に前記ガバナシーブに加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により動作位置に向けて変位するとともに、前記回転輪を介して前記ロープ掴み機構を動作させる第2のフライウエイトと、を具備したエレベータのガバナ装置。 - 前記第1のフライウエイトは、前記乗り籠が自由落下した際に生じる前記慣性力では変位せずに静止状態を維持し、
前記第2のフライウエイトは、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時に生じる前記遠心力では変位せずに静止状態を維持する請求項3に記載のエレベータのガバナ装置。 - 乗り籠の動きに追従して走行するガバナロープが巻き掛けられ、当該ガバナロープによって回転されるガバナシーブと、
前記ガバナシーブと同軸状に配置され、前記ガバナシーブに追従して回転する回転部材と、
前記ガバナシーブおよび前記回転部材と同軸状に配置され、前記ガバナロープを掴むロープ掴み機構を動作させる回転輪と、
前記ガバナシーブに回動可能に支持され、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時の前記ガバナシーブの回転速度に基づく遠心力で前記回転輪に係合する動作位置に向けて変位するとともに、前記回転輪を介して前記ロープ掴み機構を動作させる第1のフライウエイトと、
前記回転部材に回動可能に支持され、前記乗り籠が自由落下した際に前記回転部材に加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により前記回転輪に係合する動作位置に向けて変位するとともに、前記回転輪を介して前記ロープ掴み機構を動作させる第2のフライウエイトと、を具備したエレベータのガバナ装置。 - 前記ガバナシーブおよび前記回転部材は、互いに間隔を存して配置されているとともに、前記回転輪は、前記ガバナシーブと前記回転部材との間に配置された請求項5に記載のエレベータのガバナ装置。
- 前記第1のフライウエイトは、前記乗り籠が自由落下した際に生じる前記慣性力では変位せずに静止状態を維持し、
前記第2のフライウエイトは、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時に生じる前記遠心力では変位せずに静止状態を維持する請求項5又は請求項6に記載のエレベータのガバナ装置。 - 乗り籠の動きに追従して走行する第1のガバナロープおよび第2のガバナロープと、
前記第1のガバナロープが巻き掛けられ、当該第1のガバナロープによって回転される第1のガバナシーブと、
前記第2のガバナロープが巻き掛けられ、当該第2のガバナロープによって回転される第2のガバナシーブと、
前記第1のガバナシーブと同軸状に配置され、前記第1のガバナロープを掴む第1のロープ掴み機構を動作させる第1の回転輪と、
前記第2のガバナシーブと同軸状に配置され、前記第2のガバナロープを掴む第2のロープ掴み機構を動作させる第2の回転輪と、
前記第1のガバナシーブに回動可能に支持され、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時の前記第1のガバナシーブの回転速度に基づく遠心力で前記第1の回転輪に係合する動作位置に向けて変位するとともに、前記第1の回転輪を介して前記第1のロープ掴み機構を動作させる第1のフライウエイトと、
前記第2のガバナシーブに回動可能に支持され、前記乗り籠が自由落下した際に前記第2のガバナシーブに加わる回転加速度と逆の向きに生じる慣性力により前記第2の回転輪に係合する動作位置に向けて変位するとともに、前記第2の回転輪を介して前記第2のロープ掴み機構を動作させる第2のフライウエイトと、を具備したエレベータのガバナ装置。 - 前記第1のフライウエイトは、前記乗り籠が自由落下した際に生じる前記慣性力では変位せずに静止状態を維持し、
前記第2のフライウエイトは、前記乗り籠の速度が定格速度を超過した時に生じる前記遠心力では変位せずに静止状態を維持する請求項8に記載のエレベータのガバナ装置。
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