JP6856471B2 - ラクトン化合物の製造方法、および該ラクトン化合物を使用したビオチンの製造方法 - Google Patents
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Description
下記式(2)
塩化水素の存在下、
下記式(1)
R1、およびR2は、それぞれ、水素原子、又はウレイレン基の保護基であり、
R3は、アルキル基、アラルキル基、又はアリール基であり、
R4、R5、およびR6は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはハロゲン原子である。)で示されるアミドアルコール化合物を、
分子中の全炭素数が2〜12であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む溶媒中で環化させることにより、
下記式(2)
R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義である)で示されるラクトン化合物を製造する方法。
R1Aは、炭素数1〜6のアルキル基であり、
R1Bは、水素原子、又は炭素数1〜6のアルキルであり、nが2以上の場合、R1Bは同一の基であっても、異なる基であってもよく、
nは、1〜6の整数である。)で示され、かつ分子中の全炭素数が2〜12であるアルコールであることが好ましい。
下記式(3)
R1、およびR2は、前記式(1)におけるものと同義である。)で示されるチオラクトン化合物を製造する方法である。
下記式(4)
本発明おいては、下記式(1)
本発明においては、分子中の全炭素数が2〜12であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む溶媒中で、前記アミドアルコール化合物と塩化水素とを接触させることにより、該アミドアルコール化合物を環化させて、前記ラクトン化合物を製造することができる。
本発明は、塩化水素の存在下で実施する。使用する塩化水素は、水を含む塩酸の状態で反応系内に導入することもできるし、塩化水素ガスを反応系内に導入することもできる。ただし、生産性、装置の簡便化を考慮すると、水を含む塩酸の状態で使用することが好ましい。塩酸を使用する場合、塩化水素が30〜40質量%であり、水が60〜70質量%である塩酸(ただし、水と塩化水素との合計は100質量%である)を使用することができる。これら塩化水素、または塩酸は、市販のものを使用することができる。
本発明においては、分子中の全炭素数が2〜12であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む溶媒中で環化反応を行う。該アルキレングリコールモノアルキルエーテルを使用することにより、比較的短時間で反応が進み、かつ副生物の生成を抑制し、後処理工程を容易にすることができる。中でも、その除去をより容易とし、ラクトン化合物の収率をより高めるためには、分子中の全炭素数が2〜6であるアルキレングリコールモノアルキルエーテルを使用することが好ましい。
R1Aは、炭素数1〜6のアルキル基であり、
R1Bは、水素原子、又は炭素数1〜6のアルキルであり、nが2以上の場合、R1Bは同一の基であっても、異なる基であってもよく、
nは、1〜6の整数である。)で示されるアルコールであることが好ましい。すなわち、前記式(A)において、R1Aの炭素原子数と、nの繰り返し部分における炭素原子数との合計数が2〜12であり、さらには2〜6となることが好ましい。
本発明においては、塩化水素と前記アミドアルコール化合物とを前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルを含む反応溶媒中で接触させるため、撹拌混合することが好ましい。反応系内に、前記アミドアルコール化合物、塩化水素、前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルを導入する方法は、特に制限されるものではない。例えば、前記アミドアルコール化合物を前記反応溶媒に溶解させておき、撹拌混合しながら、そこに塩化水素(塩酸)を加えることができる。
以上のような条件で、下記式(2)
前記方法で得られたラクトン化合物は、公知の方法でチオラクトン化合物とすることができる。具体的には、前記ラクトン化合物を硫化剤と反応させることにより、
前記チオラクトン化合物は、それを原料として、下記式(4)
得られたラクトン化合物の分析値;mp:100〜101℃、IR(Nujol):1775cm−1であり、目的とするラクトン化合物であることが確認できた。
実施例1と同じ反応を行った。3口ナスフラスコに実施例1と同じアミドアルコール化合物(5.00g、含水量17%、9.4mmol)と、アルキレンモノアルキルエーテルとして2−ブトキシエタノール(20mL)と、36質量%の塩酸(2.47g、塩化水素 24mmol 前記アミドアルコール化合物1モルに対して2.6モル使用)を仕込んだ。
得られたラクトン化合物の分析値;mp:99〜101℃、IR(Nujol):1775cm−1であり、目的とするラクトン化合物であることが確認できた。
実施例1と同じ反応を行った。3口ナスフラスコに実施例1と同じアミドアルコール化合物(40.00g、90mmol)と、ブタノール(400mL)と、36質量%の塩酸(93.5g、塩化水素 900mmol 前記アミドアルコール化合物1モルに対して10モル使用)を仕込んだ。
下記の反応式に従い、以下の条件でチオラクトン化合物を製造した。
下記の反応式に従い、以下の条件でビオチンを製造した。
(トリオン化合物の準備)
下記式で示される方法で製造したトリオン化合物を以下の方法で準備した。
前記3口ナスフラスコに滴下ロートを取り付け、(R)−(+)−1−メチルベンジルアミン(65.6g、536.2mmol、0.95当量 光学活性アミン化合物)を前記3口ナスフラスコ中に仕込んだ。つまり、第二反応溶液を185℃に加熱、撹拌したまま、2時間30分かけて、該第二反応溶液中に該光学活性アミン化合物を滴下した。瞬時に反応が完了した。無水化合物が消費された(下記式で示されるアミド体Iおよびアミド体IIを含む混合物が生成した)のは、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で確認した。また、この際、アミド体Iおよびアミド体IIを含む混合物は、溶液中に析出しなかった。以上の方法を行うことにより、前記混合物、およびメシチレンを含む第一反応溶液を準備した。この時、第一反応溶液は、前記混合物1g当たり、メシチレンを3mL含むものであった。
光学活性アミン化合物の滴下終了後さらに、撹拌しながら第一反応溶液を3時間30分加熱した。そして、Dean−Stark管にさらに水が溜まらないことを確認した。前記混合物(前記式で示されるアミド体Iおよびアミド体II)が消費された(トリオン化合物(最初の反応式の右側の化合物)が生成した)のは、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で確認した。
その後、このDean−Stark管からメシチレンを合計200mL抜き出した。反応器内の温度を100℃以下に下げた。攪拌しながらイソプロピルアルコールを700mL加えた。温度を80℃に保ちながら、さらに水を280mL滴下した。その後、種晶を加え、さらに、水を220mL加えた。その後、23℃まで放冷して24時間撹拌し、得られた結晶をろ過した。
ナスフラスコに塩化カルシウム(68.26mmol、7.97g(純度95%))とエタノール(180mL、純度99.4%)を入れて超音波を用いて溶かした。氷浴につけて5分以上攪拌した。氷浴で冷やしたまま、水素化ホウ素ナトリウム(136.51mmol、5.74g(純度90%))を加えた。そのまま氷浴で20分攪拌して水素化ホウ素カルシウムを製造した。
前記方法と同様の操作を行い製造したトリオン化合物(30.0g、68.26mmol)を、水素化カルシウムを準備したナスフラスコに仕込み、室温(23℃)で16時間攪拌した。50℃に温度を上げて2時間攪拌した。得られた反応液をHPLCで分析した。トリオン化合物の転化率:100%、異性体比:75/25、アミナール体:0.6%であった。
製造例1と同様の操作を行い、得られたアミドアルコール化合物を使用して以下の反応を行った。
実施例5と同じ反応を行った。3口ナスフラスコに実施例5と同じアミドアルコール化合物(製造例1と同様の方法で製造したアミドアルコール化合物; 5.00g、含水量17%、9.4mmol)と、アルキレンモノアルキルエーテルとして2−ブトキシエタノール(20mL)と、36質量%の塩酸(2.47g、塩化水素 24mmol 前記アミドアルコール化合物1モルに対して2.6モル使用)を仕込んだ。
実施例5と同じ反応を行った。3口ナスフラスコに実施例5と同じアミドアルコール化合物(製造例1と同様の方法で製造したアミドアルコール化合物; 4.15g、9.4mmol)と、アルキレンモノアルキルエーテルとして2−メトキシ−1−プロパノール(8.3mL)と、36質量%の塩酸(2.07g、塩化水素 20.4mmol 前記アミドアルコール化合物1モルに対して2.2モル使用)を仕込んだ。
Claims (6)
- 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルが、分子中の全炭素数が2〜6であること特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルが、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ヘキシルオキシエタノール、2−イソブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、および2−メトキシ−1−プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルコールである請求項1〜3の何れかに記載の方法。
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