JP6855648B1 - 透明導電フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な光学特性、電気特性に加えて面内の抵抗値異方性がほとんど無い金属ナノワイヤを含む透明導電フィルムを提供する。【解決手段】金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む導電層を備える透明導電フィルムの製造方法において、前記金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む塗布液を調製する調製工程と、透明基材の一主面に前記塗布液を塗布する塗布工程と、を含み、前記塗布工程は、バー表面を構成する材質の摩擦係数が0.05〜0.45であるバーを用いてバーコーターにて行い、前記塗布液を前記透明基材の一主面に塗布する際のバーに対する前記透明基材の相対移動速度(塗布速度)をV(mm/sec)としたとき2000≧V≧350且つ、前記バーに形成された溝のピッチ(P)と深さ(H)の比率P/Hが9〜30且つ、バーの長手方向と溝の形成方向とのなす角が60°〜88°の範囲で傾斜していることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電フィルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、バーコート方式の印刷方法による金属ナノワイヤを含む透明導電フィルムの製造方法に関する。
透明導電膜(透明導電フィルム)は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機エレクトロルミネッセンス型ディスプレイ、太陽電池(PV)およびタッチパネル(TP)の透明電極、帯電防止(ESD)フィルムならびに電磁波遮蔽(EMI)フィルム等の種々の分野で使用されている。これらの透明導電膜としては、従来、ITO(酸化インジウム錫)を用いたものが使われている。
近年、スマートフォンやカーナビゲーションシステム、自動販売機などにもタッチパネルが採用されている。特に、折り曲げ可能なスマートフォンが注目を集めていることから、タッチパネルも折り曲げ可能なものが求められている。
折り曲げ可能なタッチパネルを実現するためには、折り曲げ可能な透明導電膜、すなわち耐屈曲性に優れた透明導電膜が必要不可欠である。そのため次世代透明導電膜として、金属ナノワイヤフィルムの開発が進んでいる。
特許文献1には銀ナノワイヤインクの塗布工程としてスロットダイを有するスロットダイコーターを用いる透明導電フィルムの製造方法が示されている。また面内の抵抗値異方性を解決するために、せん断速度(印刷速度/スロットダイヘッド先端とフィルムとの間隔)が特定されている。しかしながら印刷速度は製造設備(特に乾燥設備)の能力によって制限される。
特許文献2にも銀ナノワイヤインクの塗布工程としてスロットダイコーターが示されている。面内の抵抗値異方性の解決には、乾燥工程で印刷方向と異なる方向から基材へ向かって送風することが有効であることを開示している。しかしながら異なる方向から送風する設備が新たに必要となる。
特許文献3では銀ナノワイヤインクの塗布工程としてグラビア印刷が示されている。しかし、面内の抵抗値異方性の解決については記載も示唆もされていない。
特開2011−90879号公報 WO2013/121556号パンフレット 特表2014−507746号公報
金属ナノワイヤインク用いた透明導電フィルムの作製では、印刷方向の抵抗値(RMD)と印刷方向に対して垂直の方向の抵抗値(RTD)が異なる、つまり抵抗値異方性が生じることが課題である。この課題を解決するため本出願人は特定の溝形状を有するワイヤレスバーを用いたバーコート印刷が有効であることを見出した。しかしながら、塗布速度が速くなると塗布面に縦スジが入りやすくなるという不具合があり、改良の余地があった。
本発明は、良好な光学特性、電気特性に加えて面内の抵抗値異方性が小さく、かつ塗布速度が速い条件で塗布面への縦スジの発生が生じる不具合がない金属ナノワイヤを含む透明導電フィルムを提供することを目的とする。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む導電層を備える透明導電フィルムの製造方法において、前記金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む塗布液を調製する調製工程と、透明基材の一主面に前記塗布液を塗布する塗布工程と、を含み、前記塗布工程は、バー表面を構成する材質の摩擦係数が0.05〜0.45であるバーを用いてバーコーターにて行い、前記塗布液を前記透明基材の一主面に塗布する際のバーに対する前記透明基材の相対移動速度(塗布速度)をV(mm/sec)としたとき2000≧V≧350且つ、前記バーに形成された溝のピッチ(P)と深さ(H)の比率P/Hが9〜30且つ、バーの表面において長手方向と溝の形成方向とのなす角が60°〜88°の範囲で傾斜していることを特徴とする透明導電フィルムの製造方法。
[2]前記金属ナノワイヤの平均長さが1〜100μm、平均直径が1〜500nmであることを特徴とする[1]に記載の透明導電フィルムの製造方法。
[3]前記塗布液の25℃での粘度範囲が1〜50mPa・sであることを特徴とする[1]または[2]に記載の透明導電フィルムの製造方法。
本発明の透明導電フィルムの製造方法によれば、面内の抵抗値異方性がほとんど無い透明導電フィルムを提供できる。
バーコーターに使用されるバーに形成された溝の形状を説明するための概略図である。 抵抗値の測定方法の説明図である。 バーコーターに使用されるバーに形成された溝の形成方向の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
実施形態にかかる透明導電フィルムの製造方法は、金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む塗布液を調製する調製工程と、透明基材(透明フィルム)の一主面に上記塗布液を塗布する塗布工程と、を含み、上記塗布工程は、バー表面を構成する材質の摩擦係数が0.05〜0.45であるバーを用いてバーコーターにて行い、上記塗布液を上記透明基材の一主面に塗布する際のバーに対する上記透明基材の相対移動速度(塗布速度)をV(mm/sec)としたとき2000≧V≧350であり、上記バーに形成された溝のピッチ(P)と深さ(H)の比率P/Hが9〜30であり、バーの表面において長手方向と溝の形成方向とのなす角が60°〜88°の範囲で傾斜していることを特徴とする。上記透明導電フィルムの製造方法により、透明基材上に形成された、金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む導電層を備える透明導電フィルムを製造できる。
なお、上記透明導電フィルムの製造方法により製造した透明導電フィルムには、後述する保護膜を形成してもよい。
<透明基材>
上記透明基材は着色していてもよいが、全光線透過率(可視光に対する透明性)は高い方が好ましく、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート[PET]、ポリエチレンナフタレート[PEN]等)、ポリカーボネート、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート[PMMA]等)、シクロオレフィンポリマー等の樹脂フィルムを好適に使用することができる。また、これら透明基材には光学特性、電気的特性や耐屈曲性を損なわない範囲で、易接着、光学調整(アンチグレア、アンチリフレクションなど)、ハードコートなどの機能を有する層を、単一または複数備えていてもよく、これらの層を片面または両面に備えていてもよい。これらの樹脂フィルムの中でも、優れた光透過性(透明性)や柔軟性、機械的特性などの点からポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンポリマーを用いることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートとしては、コスモシャイン(登録商標、東洋紡株式会社製)を用いることができる。シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネンの水素化開環メタセシス重合型シクロオレフィンポリマー(ZEONOR(登録商標、日本ゼオン株式会社製)、ZEONEX(登録商標、日本ゼオン株式会社製)、ARTON(登録商標、JSR株式会社製)等)やノルボルネン/エチレン付加共重合型シクロオレフィンポリマー(APEL(登録商標、三井化学株式会社製)、TOPAS(登録商標、ポリプラスチックス株式会社製))を用いることができる。具体的には、コスモシャインA4100、A4160や、ZEONOR ZF−14、ZF−16、ARTON RX4500、RH4900、R5000が挙げられる。透明基材の厚みは用途により異なるが、10〜200μmのものを用いることが好ましい。本明細書において「透明」とは、全光線透過率が70%以上であることを意味する。
<金属ナノワイヤ>
透明基材上に形成される導電層を構成する導電性材料としては、金属ナノワイヤを好適に使用することができる。金属ナノワイヤは、径がナノメーターオーダーのサイズである金属であり、ワイヤ状の形状を有する導電性材料である。なお、本実施形態では、金属ナノワイヤとともに(混合して)、または金属ナノワイヤに代えて、ポーラスあるいはノンポーラスのチューブ状の形状を有する導電性材料である金属ナノチューブを使用してもよい。本明細書において、「ワイヤ状」と「チューブ状」はいずれも線状であるが、前者は中央が中空ではないもの、後者は中央が中空であるものを意図する。性状は、柔軟であってもよく、剛直であってもよい。前者を「狭義の金属ナノワイヤ」、後者を「狭義の金属ナノチューブ」と呼び、以下、本願明細書において、「金属ナノワイヤ」は狭義の金属ナノワイヤと狭義の金属ナノチューブとを包括する意味で用いる。狭義の金属ナノワイヤ、狭義の金属ナノチューブは、単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
本明細書において「導電層」とは、上記金属ナノワイヤと後述のバインダー樹脂を含む厚みが20〜200nmの薄膜状のものであり、厚みが必ずしも均一であるものに限定されない。
金属ナノワイヤの製造方法としては、公知の製造方法を用いることができる。例えば銀ナノワイヤは、ポリオール(Poly−ol)法を用いて、ポリビニルピロリドン存在下で硝酸銀を還元することによって合成することができる(Chem.Mater.,2002,14,4736参照)。金ナノワイヤも同様に、ポリビニルピロリドン存在下で塩化金酸水和物を還元することによって合成することができる(J.Am.Chem.Soc.,2007,129,1733参照)。銀ナノワイヤおよび金ナノワイヤの大規模な合成および精製の技術に関しては国際公開第2008/073143号パンフレットと国際公開第2008/046058号パンフレットに詳細な記述がある。ポーラス構造を有する金ナノチューブは、銀ナノワイヤを鋳型にして、塩化金酸溶液を還元することにより合成することができる。ここで、鋳型に用いた銀ナノワイヤは塩化金酸との酸化還元反応により溶液中に溶け出し、結果としてポーラス構造を有する金ナノチューブができる(J.Am.Chem.Soc.,2004,126,3892−3901参照)。
金属ナノワイヤの径の太さの平均(平均直径)は、1〜500nmが好ましく、5〜200nmがより好ましく、5〜100nmがさらに好ましく、10〜50nmが特に好ましい。また、金属ナノワイヤの長軸の長さの平均(平均長さ)は、1〜100μmが好ましく、1〜80μmがより好ましく、2〜70μmがさらに好ましく、5〜50μmが特に好ましい。金属ナノワイヤは、径の太さの平均および長軸の長さの平均が上記範囲を満たすとともに、アスペクト比の平均が5より大きいことが好ましく、10以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましく、200以上であることが特に好ましい。ここで、アスペクト比は、金属ナノワイヤの平均直径をb、長軸の平均長さをaと近似した場合、a/bで求められる値である。a及びbは、走査型電子顕微鏡(SEM)及び光学顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、b(平均直径)は電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7000F(日本電子株式会社製)を用い、任意に選択した100本の銀ナノワイヤの直径を測定し、その算術平均値として求めることができる。また、a(平均長さ)の算出には、形状測定レーザマイクロスコープVK−X200(キーエンス株式会社製)を用い、任意に選択した100本の銀ナノワイヤの長さを測定し、その算術平均値として求めることができる。
このような金属ナノワイヤの材料としては、金、銀、白金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種及びこれらの金属を組み合わせた合金等が挙げられる。低い表面抵抗かつ高い全光線透過率を有する塗膜を得るためには、金、銀及び銅の少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの金属は導電性が高いため、一定の表面抵抗を得る際に、面に占める金属の密度を減らすことができるので、高い全光線透過率を実現できる。これらの金属の中でも、金または銀の少なくとも1種を含むことがより好ましい。最適な態様としては、銀のナノワイヤが挙げられる。
上記導電層は、金属ナノワイヤとバインダー樹脂を含む。バインダー樹脂としては、透明性を有するものであれば制限なく適用できるが、導電性材料としてポリオール法を用いた金属ナノワイヤを使用する場合は、その製造用溶媒(ポリオール)との相溶性の観点から、アルコールまたは水に可溶なバインダー樹脂を使用することが好ましい。本明細書において「アルコールまたは水に可溶」とは、アルコールまたは水1Lに対してバインダー樹脂が0.1g以上溶解することを意味する。具体的には、ポリ−N−ビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースといった水溶性セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA(登録商標))を用いることができる。上記樹脂は単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせる場合は、単純な混合でも良いし、共重合体を用いてもよい。ポリ−N−ビニルアセトアミドは、N−ビニルアセトアミド(NVA)のホモポリマーであるが、N−ビニルアセトアミド(NVA)が70モル%以上である共重合体を使用することもできる。NVAと共重合できるモノマーとしては、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。共重合成分の含有量が多くなると、得られる透明導電パターンのシート抵抗が高くなり、銀ナノワイヤと基板との密着性が低下する傾向があり、また、耐熱性(熱分解開始温度)も低下する傾向があるので、N−ビニルアセトアミド由来のモノマー単位は、重合体中に70モル%以上含むことが好ましく、80モル%以上含むことがより好ましく、90モル%以上含むことがさらに好ましい。N−ビニルアセトアミドをモノマー単位として含む重合体(ホモポリマーおよび共重合体)は絶対分子量による重量平均分子量が3万〜400万であることが好ましく、10万〜300万であることがより好ましく、30万〜150万であることがさらに好ましい。絶対分子量は以下の方法により測定したものである。
<分子量測定>
下記溶離液にバインダー樹脂を溶解させ、20時間静置した。この溶液におけるバインダー樹脂の濃度は0.05質量%である。
これを0.45μmメンブレンフィルターにて濾過し、濾液をGPC−MALSにて測定を実施し、絶対分子量基準の重量平均分子量を算出した。
GPC:昭和電工株式会社製Shodex(登録商標)SYSTEM21
カラム:東ソー株式会社製TSKgel(登録商標)G6000PW
カラム温度:40℃
溶離液:0.1mol/L NaHPO水溶液+0.1mol/L NaHPO水溶液
流速:0.64mL/min
試料注入量:100μL
MALS検出器:ワイアットテクノロジーコーポレーション、DAWN(登録商標) DSP
レーザー波長:633nm
多角度フィット法:Berry法
上記導電層は、上記金属ナノワイヤ、バインダー樹脂および溶媒を含む導電性インク(金属ナノワイヤインク)を塗布液として透明基材の少なくとも一方の主面上に印刷し、溶媒を乾燥除去することによって形成する。
溶媒としては、金属ナノワイヤが良好な分散性を示し、かつバインダー樹脂が溶解する溶媒であれば特に限定されないが、導電性材料としてポリオール法で合成した金属ナノワイヤを用いる場合には、その製造用溶媒(ポリオール)との相溶性の観点から、アルコール、水あるいはアルコールと水との混合溶媒が好ましい。前述の通りバインダー樹脂もアルコール、水あるいはアルコールと水との混合溶媒に可溶なバインダー樹脂を用いることが好ましい。バインダー樹脂の乾燥速度を容易に制御する事が出来る点でアルコールと水との混合溶媒を用いることがより好ましい。アルコールとしては、C2n+1OH(nは1〜3の整数)で表される炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコール(メタノール、エタノール、ノルマルプロパノールおよびイソプロパノール)[以下、単に「炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコール」と表記]を少なくとも1種含む。炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコールを全アルコール中40質量%以上含むことが好ましい。炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコールを用いると乾燥が容易となるため工程上都合が良い。
アルコールとして、C2n+1OH(nは1〜3の整数)で表される炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコール以外のアルコールを併用することもできる。併用できるC2n+1OH(nは1〜3の整数)で表される炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコール以外のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。これらを上記C2n+1OH(nは1〜3の整数)で表される炭素原子数が1〜3の飽和一価アルコールと併用する事で乾燥速度を調整する事が出来る。また、混合溶媒における全アルコールの含有率は、5〜90質量%であることが好適である。混合溶媒におけるアルコールの含有率が5質量%未満、又は90質量%超であるとコーテイングした際に縞模様(塗布斑)が発生し不適切であることがある。
上記導電性インクは、上記バインダー樹脂、金属ナノワイヤおよび溶媒を自転公転攪拌機等で攪拌して混合することにより製造することができる。導電性インク中に含有されるバインダー樹脂の含有量は0.01から1.0質量%の範囲であることが好ましい。導電性インク中に含有される金属ナノワイヤの含有量は0.01から1.0質量%の範囲であることが好ましい。導電性インク中に含有される溶媒の含有量は98.0から99.98質量%の範囲であることが好ましい。上記組成とすることにより1〜50mPa・sの粘度の導電性インクが得られ、これを透明基材の主面上に印刷し、溶媒を乾燥除去することによって膜厚20〜200nmの導電層が得られる。導電性インクのより好ましい粘度は1〜20mPa・sであり、さらに好ましい粘度は1〜10mPa・sである。粘度は25℃でブルックフィールド社製デジタル粘度計DV−E(スピンドル:SC4−18)により測定した値である。
透明導電フィルムの製造方法(印刷方法)には、バーコート印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法、スリットコート法などの印刷法が挙げられる。その中でバーコート印刷法は低粘度のインクの塗布性が良好で、且つ、薄膜の形成に優れている。また、インクジェット法と異なり、バーコート印刷法は無機や金属粒子などを含有した低粘度インクも目詰まりなく印刷できる。
本実施形態の透明導電フィルムの製造方法は透明基材の少なくとも片面(一主面)に上記導電性インクをバーコート法で塗布、乾燥する工程を含む。塗布は20〜30℃の範囲で大気雰囲気下で行うことが好ましい。塗布後の乾燥は60〜100℃の範囲で大気雰囲気下で1〜10分間行うことが好ましい。バーコーターに使用されるバーはワイヤーを巻き付けたマイヤーバー(またはワイヤーバー)とワイヤを巻き付けず、バーを切削加工して溝を形成するワイヤレスバーがあるが、後述する理由によりワイヤレスバーが好適である。上記導電性インクを透明基材の少なくとも片面(一主面)にバーコート法で塗布する速度V(mm/sec)(以下、「塗布速度」という)は、バーの透明基材に対する相対移動速度、すなわち、塗布時における透明基材に対するバーの移動速度またはバーに対する透明基材の搬送速度を意味する。Vは2000≧V≧350である。V≧350であると、生産性良く導電層の面内の抵抗値異方性が小さい透明導電フィルムを製造することができる。また、2000≧Vであれば、塗布斑(かすれ等を含む)なく面内の抵抗値異方性が小さい導電層を形成できる。Vのより好ましい範囲は1000≧V≧350であり、さらに好ましい範囲は700≧V≧350である。
図1(a)、(b)、(c)には、バーコーターに使用されるバーに形成された溝の形状を説明するための概略図が示される。図1(a)がワイヤレスバーの例であり、図1(b)がマイヤーバー(またはワイヤーバー)の例である。また、図1(c)は、市販されているワイヤレスバーの溝の形状の例である。
図1(a)、(b)において、Pが溝のピッチであり、Hが溝の深さであり、Aが溝により形成されるポケットの断面積である。図1(a)に示されるワイヤレスバーでは、溝を切削加工により形成するので、P及びHを任意に調整できる。一方、図1(b)に示されるマイヤーバーでは、直径Dのワイヤーをバーに巻き付けて作製するためPはDに、HはD/2に固定される。
後述する実施例で示すように、上記バーの溝のピッチ(P)と深さ(H)の比率(P/H)を9〜30とすると、マイヤーバーを用いる場合に比べて導電層の面内の抵抗値異方性を低減できる。上述した通り、マイヤーバーではP/H=D/(D/2)=2に固定されてしまう。一方、ワイヤレスバーでは、P及びHを任意に設定し、P/Hの値を9〜30に調整できるので好適である。P/Hの好ましい範囲は9.5〜20であり、10〜15であることがより好ましい。
ワイヤレスバーの溝の形状は、上記ピッチ(P)と深さ(H)の比率(P/H)が9〜30であれば、その形状は種々のものを使用できる。例えば、図1(c)に示されるように、S形(滑らかな曲線形状)、K形(下部がやや平坦な形状)、W形(上部と下部がやや平坦な形状)のものが挙げられ、いずれも市販されている。
本発明者は、使用するワイヤレスバーの透明基材と接する表面の材質がバーコート印刷により形成される導電層の面内の抵抗値の異方性に影響を及ぼすことを先に見出した。すなわち、後述する測定方法により求められる摩擦係数が0.05〜0.40である材質で構成された表面を有するワイヤレスバーを用いてバーコート印刷することにより、印刷速度に依らず面内の抵抗値の異方性(抵抗値異方性)が小さい導電層が得られることを本発明者は先に見出した。上記摩擦係数の範囲のワイヤレスバーを用いることにより、印刷方向(縦方向)のみならず印刷方向と垂直の方向(横方向)にも導電性インクが適度に流れやすい現象が誘発されたと推定される。摩擦係数は0.05〜0.30であるとより好ましく、0.05〜0.20であるとさらに好ましい。上記摩擦係数を有する材質で製造されたワイヤレスバーを用いることもできるが、一般的に用いられる材質(SUS等)のワイヤレスバーの表面に対して種々の表面処理を施すことにより上記摩擦係数の範囲に調整することができる。例えば、硬質クロムメッキ処理は摩擦係数が0.7、無電解ニッケルメッキ処理は摩擦係数0.3、無電解ニッケルテフロンメッキ処理は摩擦係数0.25、ダイヤモンドライクカーボン処理は摩擦係数0.15が挙げられ、表面処理していないSUS304は摩擦係数0.45である。摩擦係数はいずれもカタログ値であり、表面処理されたワイヤレスバーは市販されている。
摩擦係数は、ボールオンディスク摩擦摩耗試験機によりJIS R1613に準じて測定する。ボールの材質はSUS304であり、ディスクとして上記ワイレスバーと同等の材質または同等の材質で表面処理された基板を用いる。ディスクが回転することにより発生する摩擦力をセンサーで計測し、負荷された荷重で除して摩擦係数を算出する。
本発明者は、更なる検討をした結果、バーの長手方向と溝の形成方向とのなす角を特定の範囲で傾斜させることでも面内の抵抗値の異方性(抵抗値異方性)が小さい導電層が得られ、さらに筋斑(縦スジ)のない外観が良好な透明導電フィルムが得られることを見出した。
図3には、バーコーターのバーに形成された溝の形成方向の説明図(平面図)が示される。図3の例では、バー10の表面に形成される溝12が簡略的に直線で示されているが、これは溝12の稜線または谷線を表している。
図3において、バーの表面における長手方向と溝の形成方向とのなす角がαで示され、バーの長手方向と垂直の方向と溝の形成方向とのなす角(溝の形成方向と、その溝の1点を通り、バーの長手(軸)方向に直角な平面とのなす角)がβで示されている。本発明は、バーの長手方向と溝の形成方向とのなす角αが60°〜88°の範囲、換言すると、バーの溝の形成方向が、バーの長手方向と垂直の方向(基板に対する相対的な移動方向)となす角βが2°〜30°(以下、「バーの溝角度βが2°〜30°」というように表記することがある)の範囲、で傾斜しているバーを用いることを特徴の一つとしている。バーコーターのバー表面を構成する材質の摩擦係数が上記範囲を満たさない汎用(バーの表面において長手方向と溝の形成方向とのなす角αが90°)のバー(SUS等)を使用した場合には、塗布速度が低速になると面内の抵抗値の異方性(抵抗値異方性)が大きくなる傾向が認められたが、バー表面を構成する材質の摩擦係数が0.05〜0.45の範囲であるバーであれば、上記の通り溝が傾斜して形成されたバーを用いて上記塗布速度Vで印刷することにより、面内の抵抗値の異方性(抵抗値異方性)が小さい導電層が得られ、さらに筋斑のない外観が良好な透明導電フィルムが得られることを本発明者は見出した。好ましくはバーの表面において長手方向と溝の形成方向とのなす角αが70°〜88°(バーの溝角度βが2°〜20°)の範囲であり、より好ましくはバーの表面において長手方向と溝の形成方向とのなす角αが75°〜88°(バーの溝角度βが2°〜15°)の範囲である。溝が上記角度で傾斜して形成されたバーを用いることにより、印刷方向と垂直の方向(横方向)へ導電性インクが流れやすい現象がさらに誘発されたと推定される。また、溝を傾斜して形成することにより、塗工中、特に塗布速度が大きいほど顕著となる気泡の発生を低減、あるいは発生した気泡を消失させる作用がはたらき、気泡発生に伴い生起したと推定される印刷方向への縦スジ状の筋斑を解消できる。バーの長手方向と溝の形成方向とのなす角αが垂直であった場合には面内抵抗値異方性が小さくない及び/又は筋斑が認められた上記摩擦係数が0.45である汎用のバー(SUS等)でも、上記バーの長手方向と溝の形成方向とのなす角αを垂直方向から傾斜させて形成することにより、面内の抵抗値の異方性(抵抗値異方性)が小さい導電層が得られ、さらに筋斑のない外観が良好な透明導電フィルムが得られる。
上記バーコート印刷法により透明基材上に面内の抵抗値異方性が小さい、すなわち、(RTD)/(RMD)が0.7〜1.3の導電層を形成できる。(RTD)/(RMD)0.8〜1.2がより好ましく、0.9〜1.1が更に好ましい。ここで、(RMD)は、導電性インクの塗布方向(印刷方向)における導電層の抵抗値であり、(RTD)は、導電性インクの塗布方向(印刷方向)に対して垂直方向おける導電層の抵抗値である。
<保護膜>
透明導電フィルムの導電層の表面には、導電層を保護するための保護膜を設けることが好ましく、硬化性樹脂組成物の硬化膜であることが好ましい。硬化性樹脂組成物としては、(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンと、(B)エポキシ化合物と、(C)硬化促進剤と、(D)溶媒と、を含むものが好ましい。硬化性樹脂組成物を上記透明導電膜上に印刷、塗布等により形成し、硬化させて保護膜を形成する。硬化性樹脂組成物の硬化は、熱硬化性樹脂組成物を加熱・乾燥させることにより行うことができる。
上記(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンは、その重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましく、2,000〜70,000であることがより好ましく、3,000〜50,000であると更に好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと表記)で測定したポリスチレン換算の値である。分子量が1,000未満では、印刷後の塗膜の伸度、可撓性、並びに強度を損なうことがあり、100,000を超えると溶媒へのポリウレタンの溶解性が低くなる上に、溶解しても粘度が高くなりすぎるために、使用面で制約が大きくなることがある。
本明細書においては、特に断りのない限り、GPCの測定条件は以下のとおりである。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804
移動相:テトラヒドロフラン
流速 :1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製 RI−2031Plus
温度 :40.0℃
試料量:サンプルル−プ 100μL
試料濃度:約0.1質量%に調製
(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの酸価は10〜140mg−KOH/gであることが好ましく、15〜130mg−KOH/gであると更に好ましい。酸価が10mg−KOH/g以上であれば、硬化性、耐溶剤性とも良好である。140mg−KOH/g以下であるとポリウレタンとしての溶媒への溶解性が良好であり、所望の粘度に調整し易い。また、硬化物が硬くなりすぎることによる基材フィルムの反り等の問題を起こし難くなる。
また、本明細書において、樹脂の酸価は以下の方法により測定した値である。
100mL三角フラスコに試料約0.2gを精密天秤にて精秤し、これにエタノール/トルエン=1/2(質量比)の混合溶媒10mlを加えて溶解する。更に、この容器に指示薬としてフェノールフタレインエタノール溶液を1〜3滴添加し、試料が均一になるまで十分に攪拌する。これを、0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを、中和の終点とする。その結果から下記の計算式を用いて得た値を、樹脂の酸価とする。
酸価(mg−KOH/g)=〔B×f×5.611〕/S
B:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液の使用量(mL)
f:0.1N水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:試料の採取量(g)
(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンは、より具体的には、(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、および(a3)カルボキシ基を有するジヒドロキシ化合物をモノマーとして用いて合成されるポリウレタンである。耐候性・耐光性の観点では(a1)、(a2)、(a3)はそれぞれ芳香族化合物などの共役性を有する官能基を含まないことが望ましい。以下、各モノマーについてより詳細に説明する。
(a1)ポリイソシアネート化合物
(a1)ポリイソシアネート化合物としては、通常、1分子当たりのイソシアナト基が2個であるジイソシアネートが用いられる。ポリイソシアネート化合物としては、たとえば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート等が挙げられ、これらの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンがゲル化をしない範囲で、イソシアナト基を3個以上有するポリイソシアネートも少量使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエ−テルジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリイソシアネートとしては、たとえば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI、イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、水素化(1,3−または1,4−)キシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
(a1)ポリイソシアネート化合物として、イソシアナト基(−NCO基)中の炭素原子以外の炭素原子の数が6〜30である脂環式化合物を用いることにより、実施の形態に係るポリウレタン樹脂から形成される保護膜は、特に高温高湿時の信頼性に高く、電子機器部品の部材に向いている。上記例示した脂環式ポリイソシアネートの中でも、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが好ましい。
上述の通り耐候性・耐光性の観点では(a1)ポリイソシアネート化合物としては芳香環を有さない化合物を用いる方が好ましい。そのため、必要に応じて芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを用いる場合は、(a1)ポリイソシアネート化合物の中に、(a1)ポリイソシアネート化合物の総量(100mol%)に対して、50mol%以下、好ましくは30mol%以下、さらに好ましくは10mol%以下含まれていてもよい。
(a2)ポリオール化合物
(a2)ポリオール化合物(ただし、(a2)ポリオール化合物には、後述する(a3)カルボキシ基を有するジヒドロキシ化合物は含まれない。)の数平均分子量は通常250〜50,000であり、好ましくは400〜10,000、より好ましくは500〜5,000である。この分子量は前述した条件でGPCにより測定したポリスチレン換算の値である。
(a2)ポリオール化合物は、両末端にヒドロキシ基を有するジオールが好ましい。たとえば、ポリカーボネートポリオール、ポリエ−テルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、両末端水酸基化ポリシリコーン、および植物系油脂を原料とするC18(炭素原子数18)不飽和脂肪酸およびその重合物由来の多価カルボン酸を水素添加しカルボン酸を水酸基に変換した炭素原子数が18〜72であるポリオール化合物である。これらの中でも保護膜としての耐水性、絶縁信頼性、基材との密着性のバランスを考慮するとポリカーボネートポリオールが好ましい。
上記ポリカーボネートポリオールは、炭素原子数3〜18のジオールを原料として、炭酸エステルまたはホスゲンと反応させることにより得ることができ、たとえば、以下の構造式(1)で表される。
Figure 0006855648
式(1)において、Rは対応するジオール(HO−R−OH)から水酸基を除いた残基であって炭素原子数3〜18のアルキレン基であり、nは正の整数、好ましくは2〜50である。
式(1)で表されるポリカーボネートポリオールは、具体的には、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,10−デカメチレングリコールまたは1,2−テトラデカンジオールなどを原料として用いることにより製造できる。
上記ポリカーボネートポリオールは、その骨格中に複数種のアルキレン基を有するポリカーボネートポリオール(共重合ポリカーボネートポリオール)であってもよい。共重合ポリカーボネートポリオールの使用は、(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの結晶化防止の観点から有利な場合が多い。また、溶媒への溶解性を考慮すると、分岐骨格を有し、分岐鎖の末端に水酸基を有するポリカーボネートポリオールが併用されることが好ましい。
(a3)カルボキシ基を含有するジヒドロキシ化合物
(a3)カルボキシ基を含有するジヒドロキシ化合物としては、ヒドロキシ基、炭素数が1または2のヒドロキシアルキル基から選択されるいずれかを2つ有する分子量が200以下のカルボン酸またはアミノカルボン酸であることが架橋点を制御できる点で好ましい。具体的には2,2−ジメチロ−ルプロピオン酸、2,2−ジメチロ−ルブタン酸、N,N−ビスヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビスヒドロキシエチルアラニン等が挙げられ、この中でも、溶媒への溶解度から、2,2−ジメチロ−ルプロピオン酸、2,2−ジメチロ−ルブタン酸が特に好ましい。これらの(a3)カルボキシ基を含有するジヒドロキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述の(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンは、上記の3成分((a1)、(a2)および(a3))のみから合成が可能である。なお、さらに(a4)モノヒドロキシ化合物および/または(a5)モノイソシアネート化合物を反応させて合成することもできる。耐光性の観点から分子内に芳香環や炭素−炭素二重結合を含まない化合物を用いることが好ましい。
上記(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンは、ジブチル錫ジラウリレートのような公知のウレタン化触媒の存在下または非存在下で、適切な有機溶媒を用いて、上記した(a1)ポリイソシアネート化合物、(a2)ポリオール化合物、(a3)カルボキシ基を有するジヒドロキシ化合物を反応させることにより合成ができるが、無触媒で反応させた方が、最終的にスズ等の混入を考慮する必要がなく好適である。
上記有機溶媒は、イソシアネート化合物と反応性が低いものであれば特に限定されないがアミン等の塩基性官能基を含まず、沸点が50℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上である溶媒が好ましい。このような溶媒としては、たとえば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、シクロヘキサン、イソホロン、ジエチレングリコールジメチルエ−テル、エチレングリコールジエチルエ−テル、エチレングリコールモノメチルエ−テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエ−テルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエ−テルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエ−テルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ−テルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、メトキシプロピオン酸エチル、エトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
なお、生成するポリウレタンの溶解性が低い有機溶媒は好ましくないこと、および電子材料用途においてポリウレタンを保護膜用インクの原料にすることを考えると、これらの中でも、特に、プロピレングリコールモノメチルエ−テルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエ−テルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエ−テルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエ−テルアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
原料の仕込みを行う順番については特に制約はないが、通常は(a2)ポリオール化合物および(a3)カルボキシ基を有するジヒドロキシ化合物を先に仕込み、溶媒に溶解または分散させた後、20〜150℃、より好ましくは60〜120℃で、(a1)ポリイソシアネート化合物を滴下しながら加え、その後、30〜160℃、より好ましくは50〜130℃でこれらを反応させる。
原料の仕込みモル比は、目的とするポリウレタンの分子量および酸価に応じて調節する。
具体的には、これらの仕込みモル比は、(a1)ポリイソシアネート化合物のイソシアナト基:((a2)ポリオール化合物の水酸基+(a3)カルボキシ基を有するジヒドロキシ化合物の水酸基)が、0.5〜1.5:1、好ましくは0.8〜1.2:1より好ましくは0.95〜1.05:1である。
また、(a2)ポリオール化合物の水酸基:(a3)カルボキシ基を有するジヒドロキシ化合物の水酸基が、1:0.1〜30、好ましくは1:0.3〜10である。
上記(B)エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、キレート型エポキシ樹脂、グリオキザール型エポキシ樹脂、アミノ基含有エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノリック型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、グリシジル基を含有した脂肪族型エポキシ樹脂、グリシジル基を含有した脂環式エポキシ樹脂などの一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物を挙げることができる。
特に、一分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物がより好適に使用できる。このようなエポキシ化合物としては、例えば、EHPE(登録商標)3150(株式会社ダイセル製)、jER(登録商標)604(三菱化学株式会社製)、EPICLON(登録商標)EXA−4700(DIC株式会社製)、EPICLON(登録商標)HP−7200(DIC株式会社製)、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、TEPIC(登録商標)−S(日産化学株式会社製)などが挙げられる。
上記(B)エポキシ化合物としては、分子内に芳香環を有していても良く、その場合、上記(A)と(B)の合計質量に対して(B)の質量は20質量%以下が好ましい。
上記(B)エポキシ化合物に対する(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの配合割合は、(B)エポキシ化合物のエポキシ基に対するポリウレタン中のカルボキシ基の当量比で0.5〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.3であることがより好ましく、0.9〜1.1であることがさらに好ましい。
上記(C)硬化促進剤としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンなどのホスフィン系化合物(北興化学工業株式会社製)、キュアゾール(登録商標)(イミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤:四国化成工業株式会社製)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、U−CAT(登録商標)SAシリーズ(DBU塩:サンアプロ株式会社製)、Irgacure(登録商標)184等が挙げられる。これらの使用量としては、使用量があまりに少ないと添加した効果が無く、使用量が多すぎると電気絶縁性が低下するので、(A)と(B)の合計質量に対して0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜6質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%、特に好ましくは0.5〜3質量%使用される。
また、硬化助剤を併用してもよい。硬化助剤としては、多官能チオール化合物やオキセタン化合物などが挙げられる。多官能チオール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、カレンズ(登録商標)MTシリーズ(昭和電工株式会社製)などが挙げられる。オキセタン化合物としては、アロンオキセタン(登録商標)シリーズ(東亜合成株式会社製)、ETERNACOLL(登録商標)OXBPやOXMA(宇部興産株式会社製)が挙げられる。これらの使用量としては、使用量があまりに少ないと添加した効果が無く、使用量が多すぎると硬化速度が速くなり過ぎ、ハンドリング性が低下するので、(B)の質量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜6質量%使用される。
上記硬化性樹脂組成物には(D)溶媒を95.0質量%以上99.9質量%以下含むことが好ましく、96質量%以上99.7質量%以下含むことがより好ましく、97質量%以上99.5質量%以下含むことがさらに好ましい。(D)溶媒としては、(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの合成に用いた溶媒をそのまま使用することもできるし、ポリウレタンの溶解性や印刷性を調整するために他の溶媒を用いることもできる。他の溶媒を用いる場合には、新たな溶媒を添加する前後に反応溶媒を留去し、溶媒を置換してもよい。ただし、操作の煩雑性やエネルギーコストを考えると(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの合成に用いた溶媒の少なくとも一部をそのまま用いることが好ましい。保護膜用組成物の安定性を考慮すると、溶媒の沸点は、80℃から300℃であることが好ましく、80℃から250℃であることがより好ましい。沸点が80℃未満である場合、印刷時に乾燥しやすく、ムラが出来やすい。沸点が300℃より高いと、乾燥、硬化時に高温で長時間の加熱処理を要するために、工業的な生産には向かなくなる。
このような溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエ−テルアセテート(沸点146℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点218℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点243℃)等のポリウレタン合成に用いる溶媒や、プロピレングリコールジメチルエーテル(沸点97℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)などのエーテル系の溶媒、イソプロピルアルコール(沸点82℃)、t−ブチルアルコール(沸点82℃)、1−ヘキサノール(沸点157℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点196℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)、トリエチレングリコール(沸点276℃)、乳酸エチル(沸点154℃)等の水酸基を含む溶媒、メチルエチルケトン(沸点80℃)、酢酸エチル(沸点77℃)を用いることができる。これらの溶媒は、1種単独でもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。2種類以上を混合する場合には、(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの合成に用いた溶媒に加えて、使用するポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの溶解性を考慮し、凝集や沈殿などが起きない、ヒドロキシ基を有する沸点が100℃超である溶媒や、インクの乾燥性の観点から沸点が100℃以下の溶媒を併用することが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は、上記(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンと、(B)エポキシ化合物と、(C)硬化促進剤と、(D)溶媒とを、(D)溶媒の含有率が95.0質量%以上99.9質量%以下となるように配合し、均一になるように攪拌して製造することができる。
このような硬化性樹脂組成物中の固形分濃度は所望する膜厚や印刷方法によっても異なるが、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。固形分濃度が0.1〜10質量%の範囲であると、導電層上に塗布した場合に膜厚が厚くなり過ぎることによる銀ペースト等からの電気的なコンタクトがとれない不具合が発生せず、かつ十分な耐候性・耐光性を有する膜厚が50〜500nmの保護膜が得られる。
なお、耐光性の観点から、保護膜(保護膜インク中の固形分である(A)カルボキシ基を含有するポリウレタン、(B)エポキシ化合物および、(C)硬化促進剤における硬化残基)中に含有する下式で定義される芳香環含有化合物の割合は15質量%以下に抑えることが好ましい。ここでいう「(C)硬化促進剤における硬化残基」とは、硬化条件により(C)硬化促進剤の全てまたは一部が消失(分解、揮発など)するものがあるので、硬化条件で保護膜中に残留する(C)硬化促進剤を意味する。また、「芳香環含有化合物」とは、分子内に芳香環を少なくとも1つ有する化合物を意味する。
[(芳香環含有化合物使用量)/(保護膜の質量((A)カルボキシ基を含有するポリウレタン質量+(B)エポキシ化合物質量+(C)硬化促進剤における硬化残基)]×100(%)
以上に述べた硬化性樹脂組成物を使用し、バーコート印刷法、グラビア印刷法、インクジェット法、スリットコート法などの印刷法により、金属ナノワイヤを含む導電層が形成された透明基材(透明導電フィルム)上に硬化性樹脂組成物を塗布し、溶媒を乾燥、除去後に硬化性樹脂を硬化して保護膜を形成する。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<透明導電フィルムの評価方法の概要>
銀ナノワイヤ、バインダー樹脂および溶媒を含む導電性インクを作製したのち、透明基材の一方の主面上にバーコーターを用いて塗布、乾燥して導電層を形成した。続いて保護膜インクを作製したのち、上記導電層の上に塗布、乾燥して保護膜を形成し、透明導電フィルムを作製した。このとき透明基材表面における導電性インクの塗布方向をMD、塗布方向に垂直な方向をTDと定め、試験片を作製し、後述する二点間抵抗値を計測し、導電層の面内の抵抗値異方性を検討した。
実施例1
<銀ナノワイヤの作製>
ポリN−ビニルピロリドンK−90(株式会社日本触媒社製)(0.98g)、AgNO(1.04g)及びFeCl(0.8mg)を、エチレングリコール(250mL)に溶解し、150℃で1時間加熱反応した。得られた銀ナノワイヤ粗分散液をメタノール2000mLに分散させ、卓上小型試験機(日本ガイシ株式会社製、セラミック膜フィルター セフィルト使用、膜面積0.24m、孔径2.0μm、寸法Φ30mm×250mm、ろ過差圧0.01MPa)に流し入れ、循環流速12L/min、分散液温度25℃にてクロスフロー濾過を実施し不純物を除去し、銀ナノワイヤ(平均直径:26nm、平均長さ:20μm)を得た。得られた銀ナノワイヤの平均直径の算出には、電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7000F(日本電子株式会社製)を用い、任意に選択した100本の銀ナノワイヤの直径を測定し、その算術平均値を求めた。また、得られた銀ナノワイヤの平均長の算出には、形状測定レーザマイクロスコープVK−X200(キーエンス株式会社製)を用い、任意に選択した100本の銀ナノワイヤの長さを測定し、その算術平均値を求めた。また、上記メタノール、エチレングリコール、AgNO、FeClは富士フイルム和光純薬株式会社製試薬を用いた。
<導電性インク(銀ナノワイヤインク)作製>
上記ポリオール法で合成した銀ナノワイヤの水/メタノール/エタノール混合溶媒の分散液11g(銀ナノワイヤ濃度0.62質量%、水/メタノール/エタノール=10:20:70[質量比])、水2.4g、メタノール3.6g(富士フイルム和光純薬株式会社製)、エタノール8.3g(富士フイルム和光純薬株式会社製)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、富士フイルム和光純薬株式会社製)12.8g、プロピレングリコール1.2g(PG、旭硝子株式会社製)、PNVA(登録商標)水溶液(昭和電工株式会社製、固形分濃度10質量%、重量平均分子量90万)0.7gを混合し、ミックスローターVMR−5R(アズワン株式会社製)で1時間、室温、大気雰囲気下で撹拌(回転速度100rpm)して銀ナノワイヤインク40gを作製した。
得られた銀ナノワイヤインクに含まれる銀ナノワイヤの濃度および粘度を表1に示した。得られた銀濃度は、バリアン社製AA280Zゼーマン原子吸光分光光度計により測定した。粘度は25℃でブルックフィールド社製デジタル粘度計DV−E(スピンドル:SC4−18)により測定した。
<導電層(銀ナノワイヤ層)の形成>
プラズマ処理装置(積水化学工業株式会社製AP−T03)を用いてプラズマ処理(使用ガス:窒素、搬送速度:50mm/sec、処理時間:6sec、設定電圧:400V)した、透明基材としてのA4サイズのシクロオレフィンポリマー(COP)フィルムZF14(日本ゼオン株式会社製、ガラス転移温度136℃[カタログ値]、厚み100μm)上に、TQC自動フィルムアプリケータースタンダード(コーテック株式会社製)とワイヤレスバーOSP−CN−22L15°(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):500μm、深さ(H):44μm、P/H:11.4、バー表面:SUS304(摩擦係数:0.45)、溝角度β:15°)とを用いて銀ナノワイヤインクを透明基材(ZF14−013)の片面全面に室温、大気雰囲気下で塗布した(塗布速度V:500mm/sec)。その後、恒温器HISPEC HS350(楠本化成株式会社製)で80℃、1分間、大気雰囲気下で熱風乾燥し、銀ナノワイヤ層を形成した。
<膜厚測定>
導電層(銀ナノワイヤ層)の膜厚は光干渉法に基づく膜厚測定システムF20−UV(フィルメトリクス株式会社製)を用いて測定した。測定箇所を変え、3点測定した平均値を膜厚として用いた。解析には450nmから800nmのスペクトルを用いた。この測定システムによると、透明基材上に形成された銀ナノワイヤ層の膜厚(Tc)が直接測定できる。測定結果を表1に示す。
<硬化性樹脂組成物作製>
(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの合成例
実施合成例1 硬化性樹脂組成物OC022に用いる元樹脂の合成
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた2L三口フラスコに、ポリオール化合物としてC−1015N(株式会社クラレ製、ポリカーボネートジオール、原料ジオールモル比:1,9−ノナンジオール:2−メチル−1,8−オクタンジオール=15:85、分子量964)42.32g、カルボキシ基を含有するジヒドロキシル化合物として2,2−ジメチロールブタン酸(日本化成株式会社製)27.32g、および溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(株式会社ダイセル製)158gを仕込み、90℃で上記2,2−ジメチロールブタン酸を溶解させた。
反応液の温度を70℃まで下げ、滴下ロートにより、ポリイソシアネートとしてデスモジュール(登録商標)−W(ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン)、住化コベストロウレタン株式会社製)59.69gを30分かけて滴下した。滴下終了後、120℃に昇温し、120℃で6時間反応を行い、イソシアナト基が殆ど消失したことをIRによって確認した後、イソブタノールを0.5g加え、更に120℃にて6時間反応を行った。得られたカルボキシ基含有ポリウレタンのGPCにより求められた重量平均分子量は32300、その樹脂溶液の酸価は35.8mgKOH/gであった。
実施硬化性樹脂組成物1
上記実施合成例1で得られた(A)カルボキシ基を含有するポリウレタンの溶液(カルボキシ基含有ポリウレタン含有率:45質量%)10.0gをポリ容器に量り取り、(D)溶媒として1−ヘキサノール85.3gと酢酸エチル85.2gを加え、ミックスローターVMR−5R(アズワン株式会社製)で12時間、室温、大気雰囲気下で撹拌(回転速度100rpm)した。均一であることを目視で確認したのち、(B)エポキシ化合物としてペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル(昭和電工株式会社製)0.63g、(C)硬化促進剤として、U−CAT(登録商標)5003(サンアプロ株式会社製)0.31gを加え、再度ミックスローターを用いて1時間撹拌し、実施硬化性樹脂組成物1(実施保護膜インク1)を得た。実施硬化性樹脂組成物1の固形分(実施硬化性樹脂組成物1により形成した保護膜)中の芳香環含有化合物である硬化促進剤の割合は5.7質量%である。
<保護膜の形成>
上記透明基材上に形成した銀ナノワイヤ層の上に、TQC自動フィルムアプリケータースタンダード(コーテック株式会社製)により、以下のように実施保護膜インク1を塗布した(塗工速度500mm/sec)。ワイヤレスバーOSP−CN−05Mを用いてウェット膜厚が5μmになるように室温、大気雰囲気下で塗布した。その後、恒温器HISPEC HS350(楠本化成株式会社製)で80℃、1分間、大気雰囲気下で熱風乾燥し、保護膜(膜厚80nm)を形成した。これを実施例1の透明導電フィルムとした。
<膜厚測定>
保護膜の膜厚は、前述の銀ナノワイヤ層の膜厚同様光干渉法に基づく膜厚測定システムF20−UV(フィルメトリクス株式会社製)を用いて測定した。測定箇所を変え、3点測定した平均値を膜厚として用いた。解析には450nmから800nmのスペクトルを用いた。この測定システムによると、透明基材上に形成された銀ナノワイヤ層の膜厚(Tc)とその上に形成された保護膜の膜厚(T)との総膜厚(Tc+)が直接測定できるので、この測定値から先に測定した銀ナノワイヤ層の膜厚(Tc)を差し引くことにより保護膜の膜厚(T)が得られる。
<二点間抵抗値測定>
試験片は、A4サイズの上記透明導電フィルムから20mm×50mmのサイズの試料を切り出し、端子間距離が40mmとなるように保護膜上に銀ペーストで端子部分を形成することにより作製した。銀ペーストは導電性ペーストDW−420L−2A(東洋紡株式会社製)を用い、これを手塗りで約2mm角に塗布したのち、恒温器HISPEC HS350(楠本化成株式会社製)で80℃、30分間、大気雰囲気下で熱風乾燥することで端子部分を形成した。その後、端子間の抵抗値を測定した。なお、保護膜の厚みが薄いため(銀ナノワイヤーが保護膜表面から突出しており)銀ペーストと導電層とは導通している。銀ナノワイヤを用いた透明導電パターンと導電ペーストパターンを電気的に接続するためには、銀ナノワイヤの一部(ワイヤの端点や、ワイヤ同士が交差し高さ方向に盛り上がっている部分)がオーバーコート層表面から露出している必要があり、露出している箇所が多いほど、銀ナノワイヤを用いた透明導電パターンと導電ペーストパターンとの電気的接続が容易となる。銀ナノワイヤの形状(径・長さ)や、基材上に塗布されている銀ナノワイヤの本数によっても影響を受けるため一概には言えないが、オーバーコート層の厚みが例えば500nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下と薄い場合、電気的接続を取るために十分な数の露出箇所が存在する。本実施例ではオーバーコート層の厚みは80nmと薄いため銀ペーストと導電層とは導通する。なお、オーバーコート層の厚みが電気的接続を取ることが困難な厚みの場合には、オーバーコート層を公知のエッチング技術を用いて除去し銀ナノワイヤを露出させることができる。
図2(a)、(b)には、抵抗値の測定方法の説明図が示される。図2(a)において、塗布方向(印刷方向)が矢印で示されており、長手方向が塗布方向及びこれに対して垂直方向となる試料S1及びS2を切り出した。
次に、図2(b)に示されるように、各試料S1、S2について、前述の方法で形成した銀ペースト端子間の抵抗値を、デジタルマルチメータPC5000a(三和電気計器株式会社製)を用いて上記の通り塗布切り出した試料S1の抵抗値を(RMD)として試料S2の抵抗値を(RTD)として、それぞれ測定し、抵抗値の比(RTD)/(RMD)を算出することで面内の抵抗値異方性を評価した。
<シート抵抗測定>
上記A4サイズの透明導電フィルムから3cm×3cmの試験片を切り出し、試験片の保護膜上の中心部に手動式非破壊抵抗測定器EC−80P(ナプソン株式会社製)の端子を置いて測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
<全光線透過率、ヘイズ測定>
上記3cm×3cmの試験片を用い、ヘーズメーターNDH2000(日本電色工業株式会社製)で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
実施例2
銀ナノワイヤインクの塗布速度Vを350mm/secとした以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
実施例3
ワイヤレスバーOSP−CN−22L−2°(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):500μm、深さ(H):42μm、P/H:11.9、バー表面:SUS304(摩擦係数:0.45)、溝角度β:2°)を用いた以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例1
ワイヤレスバーOSP−CN−22L−1°(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):500μm、深さ(H):42μm、P/H:11.9、バー表面:SUS304(摩擦係数:0.45)、溝角度β:1°)を用いた以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例2
ワイヤレスバーOSP−CN−22L(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):500μm、深さ(H):42μm、P/H:11.9、バー表面:SUS304(摩擦係数:0.45)、溝角度β:0°)を用いた以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例3
銀ナノワイヤインクの塗布速度Vを300mm/secとした以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例4
銀ナノワイヤインクの塗布速度Vを100mm/secとした以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例5
ワイヤレスバーOSP−CN−22L−15°クロムメッキ処理(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):500μm、深さ(H):44μm、P/H:11.4、バー表面:クロムメッキ処理(摩擦係数:0.70)、溝角度β:15°)を用いた以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例6
ワイヤレスバーOSP−CN−22M(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):250μm、深さ(H):40μm、P/H:6.3、バー表面:SUS304(摩擦係数:0.45)、溝角度β:15°)を用いた以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
比較例7
ワイヤレスバーOSP−CN−22Lクロムメッキ処理(コーテック株式会社製、バーの溝形状 S形/ピッチ(P):500μm、深さ(H):42μm、P/H:11.9、バー表面:クロムメッキ処理(摩擦係数:0.70)、溝角度β:0°)を用い、銀ナノワイヤインクの塗布速度Vを333mm/secとした以外は実施例1と同条件で検討した。その結果を表1に示す。
Figure 0006855648
表1に示されるように、バーの溝のピッチ(P)/深さ(H)[P/H]が9以上で、塗布速度Vが350mm/sec以上で、バー表面の摩擦係数が0.45以下のワイヤレスバーを用いた実施例1、2(溝角度βが15°)、3(溝角度βが2°)ではRTD/RMDが1.3以下の良好な結果となり、面内の抵抗値異方性が小さい透明導電フィルムが得られた。この理由として、バーの溝のピッチ(P)/深さ(H)[P/H]の値を一定以上にすると、横方向に銀ナノワイヤインクが流れやすい現象が誘発され、金属ナノワイヤの印刷方向への配向を緩和して金属ナノワイヤの向きをランダムに近づけることができたためと考えられる。また、バー表面の摩擦係数が小さいと、横方向に銀ナノワイヤインクが流れやすい現象がさらに誘発され、金属ナノワイヤの向きを一層ランダムに近い状態にできていると考えられる。
一方、バーの溝形状のピッチ(P)/深さ(H)が9以上で溝角度βが15°でも、印刷速度が350mm/sec以下の比較例3、4では、面内の抵抗値異方性((RTD)/(RMD))が1.40以上となった。また、バーの溝形状のピッチ(P)/深さ(H)が9以上で溝角度βが15°でも、バー表面の摩擦係数が0.45を超える比較例5では、面内の抵抗値異方性((RTD)/(RMD))が1.68となった。印刷速度が350mm/sec以上で溝角度βが15°でも、バーの溝形状のピッチ(P)/深さ(H)が9以下の比較例6では、面内の抵抗値異方性((RTD)/(RMD))が1.82となった。銀ナノワイヤインクの横方向への流れが十分誘発されなかったと考えられる。
表1に示されるように、バーの溝角度βが2°以上を用いた実施例1〜3では、外観による縦スジが見られなかった。この理由として、塗工中のバーを目視観察すると、溝角度βが2°未満であり且つ印刷速度500mm/secの場合、気泡がバーの塗布直後から印刷方向に縦スジ状に発生(比較例1、2)していたのに対し、バーの溝角度βを2°以上とすることで気泡が発生し難くなったためと考えられる。
印刷速度を333mm/secにするとその気泡は発生していなかった。そのためその条件では(比較例7)では縦スジは見られなかった。この結果より、バーが高速に回転するため気泡が発生すると考えられる。
溝角度β15°の場合、いずれの印刷速度でも気泡の発生が見られなかった。そのため塗工されたフィルムの外観に縦スジが見られなかった。
すなわち、本発明の透明導電フィルムの製造方法により、面内の抵抗値異方性がほとんど無く、外観が良好な透明導電フィルムを実現することができる。
10 バー
12 溝

Claims (3)

  1. 金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む導電層を備える透明導電フィルムの製造方法において、
    前記金属ナノワイヤおよびバインダー樹脂を含む塗布液を調製する調製工程と、
    透明基材の一主面に前記塗布液を塗布する塗布工程と、を含み、
    前記塗布工程は、バー表面を構成する材質の摩擦係数が0.05〜0.45であるバーを用いてバーコーターにて行い、
    前記塗布液を前記透明基材の一主面に塗布する際のバーに対する前記透明基材の相対移動速度(塗布速度)をV(mm/sec)としたとき2000≧V≧350且つ、
    前記バーに形成された溝のピッチ(P)と深さ(H)の比率P/Hが9〜30且つ、
    バーの表面において長手方向と溝の形成方向とのなす角が60°〜88°の範囲で傾斜していることを特徴とする透明導電フィルムの製造方法。
  2. 前記金属ナノワイヤの平均長さが1〜100μm、平均直径が1〜500nmであることを特徴とする請求項1に記載の透明導電フィルムの製造方法。
  3. 前記塗布液の25℃での粘度範囲が1〜50mPa・sであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電フィルムの製造方法。
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