以下に添付図面を参照して、本願に係る医用画像診断システム及びX線検出器の実施形態を詳細に説明する。なお、本願に係る医用画像診断システム及びX線検出器は、以下に示す実施形態によって限定されるものではない。また、以下の実施形態では、X線診断装置を含む医用画像診断システムを一例に挙げて説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像診断システムの一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像診断システムは、X線高電圧装置、X線管、X線可動絞り、X線管保持装置、X線平面検出器(FPD)、立位撮影台、臥位撮影台、画像処理装置などを備える。また、図1に示す医用画像診断システムは、図示しないビューワーやPACS(Picture Archiving and Communication Systems)サーバ等にネットワークを通じて接続される。また、医用画像診断システムは、HIS(Hospital Information Systems)や、RIS(Radiology Information Systems)が適用され、各システムを管理する管理サーバとそれぞれ接続される。
図1に示すX線高電圧装置はX線管に高電圧を供給し、X線管は供給された高電圧を用いてX線を曝射する。また、X線可動絞りは、被検体に対する被曝線量の低減や画像データの画質向上を目的として、X線の照射野を制御する。X線管保持装置は、X線管及びX線可動絞りをアームにより保持し、アームを駆動させることで、X線管及びX線可動絞りの位置を撮影位置や退避位置等に移動させる。ここで、X線管保持装置は、例えば天井走行式であり、天井面に敷設されたレール上を走行することで、X線管及びX線可動絞りの位置を移動させることもできる。FPDは、図1に示す各位置において使用されるX線検出器であり、被検体を透過したX線情報を画像データ(投影データ)に変換し、画像処理装置に送る。
ここで、FPDは、例えば可搬式のFPDであり、図1に示すように、立位撮影台や臥位撮影台に組み込まれて使用される。例えば、立位撮影台では、一端がレールと連結された保持部によってFPDが保持され、保持部をレール上で移動することにより、FPDが上下にスライドされる。また、臥位撮影台では、FPDは、被検体を載置する天板の下部に組み込まれて使用される。或いは、臥位撮影台では、天板上にFPDが載置されて使用される。なお、FPDは、可搬式ではなく、各撮影台に組み込まれ固定される場合であってもよい。
画像処理装置は、医用画像診断システムの全体制御を行う。具体的には、画像処理装置は、立位撮影台や臥位撮影台を制御して、X線画像を収集する。例えば、画像処理装置は、X線高電圧装置を制御することで被検体に対してX線を曝射させ、FPDから送信された画像データを受信し、受信した画像データに対して、種々の画像処理を実行することでX線画像を生成する。また、画像処理装置は、マウスやキーボード等を介して、X線画像の収集や、画像処理に関する操作を受け付ける。また、画像処理装置は、X線画像をディスプレイに表示する。また、画像処理装置は、画像データや、X線画像を一時保管したり、ネットワークを介して画像データや、X線画像を他の装置に転送したりする。
例えば、図1に示す医用画像診断システムは、立位撮影台の前に立った状態の被検体に対してX線管からX線を曝射し、被検体を透過したX線を、立位撮影台に設置されたFPDにより検出する事で、立位での撮影を実行する。また、例えば、図1に示す医用画像診断システムは、臥位撮影台が備える天板上の被検体に対してX線管からX線を曝射し、被検体を透過したX線を、臥位撮影台に設置されたFPDにより検出する事で、臥位での撮影を実行する。また、例えば、図1に示す医用画像診断システムは、臥位撮影台の天板上に載置されたFPDにより、被検体を透過したX線を検出する事で撮影を実行する。
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1の構成の一例を説明する。図2は、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1は、X線高電圧装置110と、X線管120と、X線可動絞り130と、線質フィルタ140と、FPD150と、ディスプレイ160と、入力回路170と、記憶回路180と、処理回路190とを備える。ここで、X線管120、X線可動絞り130、線質フィルタ140及びFPD150は、例えば、図1に示す立位撮影台及び臥位撮影台にそれぞれ含まれる。また、ディスプレイ160、入力回路170、記憶回路180及び処理回路190は、例えば、図1に示す画像処理装置に含まれる。
X線高電圧装置110は、処理回路190による制御のもと、X線管120に高電圧を供給する。X線管120は、X線高電圧装置110から供給された高電圧を用いてX線を曝射する。X線可動絞り130は、X線管120から曝射されるX線の照射領域を制御する。ここで、X線管120及びX線可動絞り130は、例えばアームなどの支持部に支持され、図示しない駆動装置によって駆動される。駆動装置は、処理回路190による制御のもと、X線管120及びX線可動絞り130の位置を移動させる。また、駆動装置は、処理回路190による制御のもと、X線可動絞り130が有する絞り羽根の開度を調整することで、X線管120から照射されるX線の照射範囲を制御する。線質フィルタ140は、所定のSID(Source Image Distance)及びX線条件において、所定の線質や線量を有するX線がFPD150に入射するように、X線の経路上(例えば、X線可動絞り130の前面)に設置されるフィルタである。例えば、線質フィルタ140は、所定の材質、厚さの金属板である。
ここで、FPD150について、図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態に係るFPD150の一例を示す図である。図3に示すように、第1の実施形態に係るFPD150は、X線変換部やコンデンサ、TFT(Thin Film Transistor)等を有する。X線変換部は、X線のエネルギーを電荷に変換する。ここで、X線変換部は、X線を直接電荷に変換する直接変換型と、X線を光に変換し、変換後の光を電荷に変換する間接変換型のどちらが用いられてもよい。直接変換型の場合、X線変換部は、例えば、アモルファスセレン半導体(a−Se)などで構成され、被検体を透過して入射したX線を電荷に変換する。間接変換型の場合、X線変換部は、例えば、シンチレータとフォトダイオードなどで構成され、シンチレータが被検体を透過して入射したX線を光に変換し、フォトダイオードが光を電荷に変換する。
コンデンサは、X線変換部により変換された電荷を蓄積する。TFTは、各コンデンサから電荷を取り出す半導体スイッチであり、図示しない駆動回路からの駆動信号を入力するゲート線や、コンデンサから取り出した電荷を流す信号線に接続される。図3に示すコンデンサ及びTFTが画素ごとに設けられる。FPDは、各画素に対応するコンデンサから取り出した電荷をアンプによってそれぞれ増幅し、増幅した電荷をA/D変換器(Analog to Digital Converter)によってデジタル信号に変換することで、画像データを生成する。
図2に戻って、ディスプレイ160は、操作者によって参照されるモニタであり、処理回路190による制御のもと、処理回路190によって生成されたX線画像等を表示する。入力回路170は、各種指示や各種設定の入力に用いるマウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック等を有し、操作者から指示や設定を受け付ける。記憶回路180は、処理回路190が医用画像診断システム1による処理の全体を制御する際に用いるデータ、及び画像データ、X線画像等を記憶する。例えば、記憶回路180は、処理回路190によって実行される、各プログラムを記憶する。また、記憶回路180は、X線画像の補正に用いるデータを記憶する。なお、X線画像の補正に用いるデータについては後述する。
処理回路190は、入力回路170を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用画像診断システム1が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路190は、プロセッサによって実現される。処理回路190は、記憶回路180から対応するプログラムを読み出して実行することで、制御機能191と、取得機能192と、調整機能193と、更新機能194とを実行する。ここで、取得機能192は、特許請求の範囲における取得部の一例である。また、調整機能193は、特許請求の範囲における調整部の一例である。また、更新機能194は、特許請求の範囲における更新部の一例である。なお、これら各機能の詳細については、後に詳述する。
このような構成のもと、本実施形態に係る医用画像診断システム1は、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避することを可能にする。具体的には、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1は、FPD150によって生成された画像データを補正する補正値の更新時期を、検査の予約に応じて調整することで、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避する。上述したように、FPD150によって生成された画像データは、種々のノイズを除去するための補正処理を受ける。医用画像診断システム1は、この補正処理において使用される補正値の更新時期を検査の予約に応じて調整する。
以下、FPD150によって生成された画像データに対する補正処理の一例について、図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態に係る画像データに対する補正処理の一例を説明するための図である。FPD150によって生成される画像データは、例えば、X線変換部やTFTからの暗電流等によって生じるオフセット成分や、X線変換部における空間的な不均一性及びアンプ個々の製造ばらつき等によって生じるゲインの不均一性、X線変換部及びTFTの欠陥等に起因する欠陥点等を有する。そこで、医用画像診断システム1におけるFPD150においては、これらを補正するために、例えば、図4に示すように、オフセット補正、ゲイン補正、欠陥点補正などが実行される。
例えば、FPD150は、図4に示すように、所定のオフセット補正値を、生成された画像データから減ずることでオフセット成分を除去する。そして、FPD150は、図4に示すように、所定のゲイン補正係数を画像データに乗ずることで、ゲインの不均一性を補正する。その後、FPD150は、図4に示すように、所定の欠陥点マップに沿って、欠陥点周囲の正常画素の画素値を用いて、欠陥点を補間する。このように、FPD150によって生成された画像データは、オフセット補正値、ゲイン補正係数及び欠陥点マップなどの補正値を用いた補正処理が実行される。これら補正値は、定期的にキャリブレーションされることで、常に正確な補正が行われるように制御される。
ここで、上述したように、オフセット補正は、変動しやすく、例えば、温度変化などによって大きく変化する。そのため、医用画像診断システム1は、オフセット補正値の変動による画質低下を抑止するために、オフセット補正値を更新するオフセットキャリブレーションを高頻度(例えば、10分間隔等)で定期的に実行することで、より正確なオフセット補正値を維持するように制御する。しかしながら、オフセットキャリブレーションが実行されると撮影ができなくなるため、上述したオフセットキャリブレーションが検査実施中に実行された場合、操作者の操作や、撮影を阻害する要因となる。そのため、医用画像診断システム1では、検査実施中にオフセットキャリブレーションの実施タイミングとなった場合に、オフセットキャリブレーションを実施しないように制御したり、オフセットキャリブレーション実施中に検査が開始された場合に、オフセットキャリブレーションをキャンセルしたりすることができる。
しかしながら、この場合、オフセットキャリブレーションが実施されず、オフセット補正値が更新されない場合があるため、画質が低下する恐れがある。そこで、医用画像診断システム1は、以下詳細に説明する処理回路190による処理によって、検査の予約情報に基づいてオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整することで、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避することを可能にする。
以下、処理回路190の詳細について説明する。処理回路190における制御機能191は、医用画像診断システム1の全体制御を実行する。例えば、制御機能191は、検査のオーダ情報を取得し、取得したオーダ情報に基づいて、立位撮影台や、臥位撮影台、FPD150等を制御することで、画像データを収集する。また、制御機能191は、FPD150から出力される画像データを記憶回路180に記憶させる。また、制御機能191は、画像データから種々のX線画像を生成して、生成したX線画像を記憶回路180に記憶させたり、ディスプレイ160に表示させたりする。また、制御機能191は、入力回路170を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、種々の処理を実行させる。また、制御機能191は、記憶回路180によって記憶されたオフセット補正値、ゲイン補正係数及び欠陥点マップを用いて、画像データに対してオフセット補正、ゲイン補正及び欠陥点補正を実行する。また、制御機能191は、ゲイン補正係数及び欠陥点マップを取得して、記憶回路180に記憶させる。
取得機能192は、検査の予約情報を示す予約検査情報を取得する。例えば、取得機能192は、ネットワークを介して、HISやRISを管理する管理サーバに対してアクセスして、医用画像診断システム1における予約検査情報を取得する。一例を挙げると、取得機能192は、各管理サーバから、予約された検査の日時、検査内容等の情報を取得して、記憶回路180に格納する。また、取得機能192は、予約検査情報の他にも、医用画像診断システム1による検査に関する情報を取得することができる。例えば、取得機能192は、患者(被検体)の来院登録、場内アナウンス、検査オーダの取得、患者(被検体)検索、及び、カルテの読み出し等の事象が発生したことを示す情報を取得する。
調整機能193は、予約検査情報に基づいて、医用画像を補正する補正値の更新時期を調整する。例えば、調整機能193は、予約検査情報に基づいて検査の実施時期を特定し、オフセット補正値の定期的な更新の更新時期が検査の実施時期と重なる場合に、オフセット補正値の定期的な更新が検査の実施前に実行されるように、定期的な更新の更新時期を調整する。図5は、第1の実施形態に係る調整機能193による調整処理の一例を説明するための図である。図5においては、上段に調整前の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期の例を示し、下段に調整後のオフセットキャリブレーションの実施時期の例を示す。
例えば、オフセットキャリブレーションは、図5の上段に示すように、定期的(例えば、10分ごと)に、所定の時間(例えば、10秒)を用いて実施される。ここで、図5の上段に示すように、定期的なオフセットキャリブレーションの実施中に検査開始時間となった場合(オフセットキャリブレーションの実施時間が検査の実施時間と重った場合)、所定の時間(例えば、10秒)検査を実施することができず、技師や患者(被検体)を待たせることとなる。
そこで、調整機能193は、取得機能192によって取得された予約検査情報から検査時間に基づいて、オフセットキャリブレーションの実施時間が検査の実施時間と重ならないように、オフセットキャリブレーションを実施するタイミングを調整する。例えば、調整機能193は、図5の下段に示すように、予約された検査の検査実施時間と重なる定期的なオフセットキャリブレーションを、検査開始までに終了するように、オフセットキャリブレーションのタイミングを調整する。このように、調整機能193が予約検査時間直前にオフセットキャリブレーションを実施するようにタイミングを調整することで、検査開始時にFPD150をすぐに使用することができ、操作者による操作に支障をきたすことを回避することができる。また、予約検査時間直前にオフセットキャリブレーションを実施することで、予約検査において撮影された画像データに対して、より正確なオフセット補正値を用いたオフセット補正を実行することができ、画質の低下を回避することができる。
更新機能194は、調整機能193によって調整された更新時期に補正値を更新する。具体的には、更新機能194は、予め設定された定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングでオフセット補正値を更新させるとともに、調整機能193によって調整されたオフセットキャリブレーションの実施タイミングでオフセット補正値を更新させる。例えば、更新機能194は、FPD150における画素ごとに、X線を照射させない状態での電荷の読み出しを複数回実施し、実施した複数回の読み出し結果を画素ごとの平均したオフセット補正値を生成する。そして、更新機能194は、記憶回路180に記憶されたオフセット補正値を、生成したオフセット補正値に更新する。更新機能194は、上述した更新処理を、予め設定された定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミング、及び、調整機能193によって調整されたオフセットキャリブレーションの実施タイミングで実施する。
上述したように、医用画像診断システム1は、定期的なオフセットキャリブレーションのタイミングを、予約検査情報に基づいて調整する。ここで、医用画像診断システム1は、予約検査情報以外の種々の情報に基づいて、定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整することができる。
例えば、調整機能193は、オフセット補正値の定期的な更新が検査に関わる所定の事象の発生時期に実行されるように、オフセット補正値の定期的な更新の更新時期を調整する。一例を挙げると、調整機能193は、患者(被検体)の来院登録、場内アナウンス、検査オーダの取得、患者(被検体)検索、及び、カルテの読み出し等の事象が発生したタイミングでオフセットキャリブレーションが実施されるように、オフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する。この場合、調整機能193は、取得機能192によって各事象が発生した旨の情報が取得されたタイミングでオフセットキャリブレーションを実行するように、更新機能194を制御する。
また、例えば、調整機能193は、予約検査情報と所定の事象とを組み合わせて、定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整することもできる。一例を挙げると、調整機能193は、所定の事象の発生時期から検査の実施時期までの時間を推定し、推定した時間がオフセット補正値の定期的な更新の次の更新時期までの時間よりも短い場合に、オフセット補正値の定期的な更新が所定の事象の発生時期に実行されるように、オフセット補正値の定期的な更新の更新時期を調整する。
すなわち、調整機能193は、取得機能192によって各事象が発生した旨の情報が取得された時点から検査の実施時間までの時間を推定する。例えば、調整機能193は、患者の来院登録が実行された時点から検査の実施時間までの時間を推定する。そして、調整機能193は、推定した時間が、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングまでの時間よりも短い場合に、この時点でオフセットキャリブレーションが実施されるように実施タイミングを調整する。例えば、調整機能193は、患者の来院登録が実行された時点から検査の実施時間までの時間が、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングまでの時間よりも短い場合に、患者の来院登録の時点でオフセットキャリブレーションを実施するように更新機能194を制御する。
同様に、調整機能193は、院内で場内アナウンスが流れた場合(或いは、案内表示が表示された場合)、医用画像診断システム1において検査オーダが取得された場合、患者(被検体)の検索が実行された場合、及び、カルテの読み出しが実行された場合等に、各事象が生じた時点から検査の実施時間(開始時間)までの時間を推定し、推定した時間が次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングまでの時間よりも短い場合に、その時点でオフセットキャリブレーションが実施されるように実施タイミングを調整する。なお、上述した各事象は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではなく、その他任意の事象が用いられる場合であってもよい。
次に、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1による処理の手順について、図6〜図8を用いて説明する。図6〜図8は、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1による処理手順を示すフローチャートである。ここで、図6は、予約検査情報に応じたオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図6におけるステップS101及びS102は、例えば、処理回路190が取得機能192に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS103及びS104は、例えば、処理回路190が調整機能193に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS105は、例えば、処理回路190が更新機能194に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
図7は、予約検査情報と所定の事象に応じたオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図7におけるステップS201及びS202は、例えば、処理回路190が取得機能192に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS203、S204、S206及びS207は、例えば、処理回路190が調整機能193に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS205及びS208は、例えば、処理回路190が更新機能194に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
図8は、予約検査情報と所定の事象との組み合わせに応じたオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図8におけるステップS301及びS302は、例えば、処理回路190が取得機能192に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS303、S304、S306〜S309は、例えば、処理回路190が調整機能193に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS305及びS310は、例えば、処理回路190が更新機能194に対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
例えば、予約検査情報に応じてオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、図6に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1では、まず、処理回路190が、予約検査情報を取得して(ステップS101)、検査の実施時間を特定する(ステップS102)。そして、処理回路190が、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なるか否かを判定する(ステップS103)。
ここで、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なる場合(ステップS103肯定)、処理回路190が、検査の実施時間と重なるオフセットキャリブレーションの実施時間を検査の実施時間の前に調整する(ステップS104)。そして、処理回路190は、調整後の実施時間でオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS105)。一方、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重ならない場合(ステップS103否定)、処理回路190は、予め設定された定期的な時間でオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS105)。
また、予約検査情報と所定の事象に応じてオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、例えば、図7に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1では、まず、処理回路190が、予約検査情報を取得して(ステップS201)、検査の実施時間を特定する(ステップS202)。そして、処理回路190が、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なるか否かを判定する(ステップS203)。
ここで、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なる場合(ステップS203肯定)、処理回路190が、検査の実施時間と重なるオフセットキャリブレーションの実施時間を検査の実施時間の前に調整する(ステップS204)。そして、処理回路190は、調整後の実施時間でオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS205)。一方、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重ならない場合(ステップS203否定)、処理回路190は、検査が開始されたか否かを判定する(ステップS206)。
ここで、検査が開始された場合(ステップS206肯定)、処理回路190は、処理を終了する。一方、検査が開始されていない場合(ステップS206否定)、処理回路190は、所定の事象が生じたか否かを判定する(ステップS207)。例えば、処理回路190は、患者(被検体)の来院登録、場内アナウンス、検査オーダの取得、患者(被検体)検索、及び、カルテの読み出し等の事象が発生したか否かを判定する。
ここで、所定の事象が生じた場合(ステップS207肯定)、処理回路190は、所定の事象が生じたタイミングでオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS208)。一方、所定の事象が生じていない場合(ステップS207否定)、処理回路190は、ステップS203に戻って、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なるか否かを判定する。
また、予約検査情報と所定の事象との組み合わせに応じてオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、例えば、図8に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1では、まず、処理回路190が、予約検査情報を取得して(ステップS301)、検査の実施時間を特定する(ステップS302)。そして、処理回路190が、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なるか否かを判定する(ステップS303)。
ここで、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なる場合(ステップS303肯定)、処理回路190が、検査の実施時間と重なるオフセットキャリブレーションの実施時間を検査の実施時間の前に調整する(ステップS304)。そして、処理回路190は、調整後の実施時間でオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS305)。一方、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重ならない場合(ステップS303否定)、処理回路190は、検査が開始されたか否かを判定する(ステップS306)。
ここで、検査が開始された場合(ステップS306肯定)、処理回路190は、処理を終了する。一方、検査が開始されていない場合(ステップS306否定)、処理回路190は、所定の事象が生じたか否かを判定する(ステップS307)。ここで、所定の事象が生じた場合(ステップS307肯定)、処理回路190は、検査開始までの時間を推定して(ステップS308)、推定した時間が次のオフセットキャリブレーションまでの時間よりも短いか否かを判定する(ステップS309)。
ここで、推定した時間が次のオフセットキャリブレーションまでの時間よりも短い場合(ステップS309肯定)、処理回路190が、所定の事象が生じたタイミングでオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS310)。一方、推定した時間が次のオフセットキャリブレーションまでの時間よりも長い場合(ステップS309否定)、処理回路190が、ステップS303に戻って、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なるか否かを判定する。なお、ステップS307の判定において、所定の事象が生じていない場合(ステップS307否定)、処理回路190は、ステップS303に戻って、次の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間が、検査の実施時間と重なるか否かを判定する。
上述したように、第1の実施形態によれば、取得機能192は、検査の予約情報を示す予約検査情報を取得する。調整機能193は、予約検査情報に基づいて、医用画像を補正するオフセット補正値のオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。更新機能194は、調整機能193によって調整されたオフセットキャリブレーションの実施時期にオフセット補正値を更新する。従って、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1は、予約検査の実施中にオフセットキャリブレーションが実施されることを回避しつつ、予約された時間以外でオフセットキャリブレーションを実施することができ、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、調整機能193は、予約検査情報に基づいて検査の実施時期を特定し、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期が検査の実施時期と重なる場合に、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが検査の実施前に実行されるように、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1は、検査が実施される直前にオフセットキャリブレーションを実施することができ、より正確なオフセット補正値を用いたオフセット補正を実行することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、調整機能193は、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが検査に関わる所定の事象の発生時期に実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1は、任意の時期にオフセットキャリブレーションが実施されるように調整することができ、オフセットキャリブレーションの実施タイミングを任意のタイミングに調整することを可能にする。
また、第1の実施形態によれば、調整機能193は、所定の事象の発生時期から検査の実施時期までの時間を推定し、推定した時間がオフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの次の実施時期までの時間よりも短い場合に、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが所定の事象の発生時期に実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1は、検査までの時間と任意のタイミングとを考慮した実施タイミングの調整を行うことを可能にする。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、検査中に画像データの収集タイミングを予測し、予測結果に応じてオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合について説明する。図9は、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aの構成の一例を示すブロック図である。第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、第1の実施形態に係る医用画像診断システム1と比較して、処理回路190aによる処理内容が異なる。以下、この点を中心に説明する。
第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aにおける処理回路190aは、入力回路170を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、医用画像診断システム1aが有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路190aは、プロセッサによって実現される。処理回路190aは、記憶回路180から対応するプログラムを読み出して実行することで、制御機能191aと、予測機能195aと、調整機能193aと、更新機能194aとを実行する。ここで、処理回路190aは、検査実施中に、画像データの収集タイミングを予測し、予測結果に基づいて定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する。制御機能191aは、制御機能191と同様に医用画像診断システム1aの全体制御を実行する。すなわち、制御機能191は、検査オーダに基づいて画像データを収集し、収集した画像データからX線画像を生成する。
予測機能195aは、検査の実施中において、医用画像の収集時期を予測する。具体的には、予測機能195aは、検査オーダに基づいて、制御機能191aの制御のもと実行されている現在の検査における画像データの収集内容を特定する。例えば、予測機能195aは、画像データの収集時期に基づいて、検査における画像データの残り収集回数を予測する。すなわち、予測機能195aは、検査オーダから現在の検査における画像データの総収集回数を取得し、制御機能191aによって実行された画像データの収集回数を取得する。そして、予測機能195は、画像データの総収集回数と現時点で実行済みの収集回数とからの画像データの残り収集回数を予測する。
調整機能193aは、画像データの残り収集回数が所定の回数を下回った場合に、オフセット補正値の定期的な更新が検査の終了後に実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。図10は、第2の実施形態に係る調整機能193aによる調整処理の一例を説明するための図である。図10においては、上段に調整前の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期の例を示し、下段に調整後のオフセットキャリブレーションの実施時期の例を示す。
例えば、定期的なオフセットキャリブレーションは、図10の上段に示すように、検査の実施中であっても定期的に実施される。ここで、図10の上段に示すように、定期的なオフセットキャリブレーションの実施中に撮影タイミングとなった場合、所定の時間(例えば、10秒)撮影を実施することができず、技師や患者(被検体)を待たせることとなる。
そこで、調整機能193aは、予測機能195aによって予測された残り撮影回数に基づいて、オフセットキャリブレーションを即時的に実施するか否かを判定し、判定結果に応じてオフセットキャリブレーションの調整処理を実行する。例えば、図10の上段に示すように、検査オーダで予定された予定撮影枚数が3撮影であり、予測機能195aが予測した残り撮影回数が「1回」の場合(現時点で残りの撮影が、3回目の撮影である撮影3だけであった場合)、調整機能193aは、図10の下段に示すように、定期的なオフセットキャリブレーションを撮影3の後(3回目の曝射実施後)に実施されるように実施タイミングを調整する。このように、調整機能193aは、残り撮影回数が所定の回数以下の場合に、オフセットキャリブレーションを撮影後に実施されるように調整することで、画質の低下を抑止しつつ、操作者による操作に支障をきたすことを回避することができる。
更新機能194aは、更新機能194と同様に、調整機能193aによって調整された更新時期に補正値を更新する。具体的には、更新機能194aは、予め設定された定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングでオフセット補正値を更新させるとともに、調整機能193aによって調整されたオフセットキャリブレーションの実施タイミングでオフセット補正値を更新させる。
ここで、調整機能193aは、予測機能195aによる残り撮影回数の予測結果が所定の回数を超えている場合に、定期的なオフセットキャリブレーションを即時的に実施するように制御する。すなわち、調整機能193aは、残り撮影回数が所定の回数を超えている場合には、検査実施中にであっても、定期的なオフセットキャリブレーションを予め設定された実施タイミングで実施するように、更新機能を制御する。これにより、画質の低下を回避することができる。
上述したように、医用画像診断システム1aは、定期的なオフセットキャリブレーションのタイミングを、検査中の残り撮影回数に応じて調整する。ここで、医用画像診断システム1aは、所定の撮影回数ごとにオフセットキャリブレーションを実施するように、実施タイミングを調整することができる。例えば、集団検診などのように、次々と被検体が入れ替わり撮影を行う場合などに、予め設定した予定撮影枚数が完了した段階で、検査終了を待たずに、オフセットキャリブレーションを実施してもよい。この場合には、例えば、調整機能193aは、画像データの収集回数が所定の回数に達するごとにオフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。
なお、医用画像診断システム1aは、第1の実施形態で説明した予約検査情報に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理を適宜実行することも可能である。すなわち、医用画像診断システム1aは、検査開始前に予約検査情報に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理を実行し、検査開始後は上述した撮影回数に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理を実行することも可能である。この場合には、処理回路190aが、処理回路190と同様の機能を実行する。また、上述した残り撮影回数に関する判定処理に用いる所定の回数は任意に設定することができる。また、上述したオフセットキャリブレーションを実施する際の所定の回数は任意に設定することができる。
次に、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aによる処理の手順について、図11〜図12を用いて説明する。図11〜図12は、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aによる処理手順を示すフローチャートである。ここで、図11は、検査中の残り撮影回数に応じたオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図11におけるステップS401は、例えば、処理回路190aが制御機能191aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS402、S403及びS408は、例えば、処理回路190aが予測機能195aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS404は、例えば、処理回路190aが調整機能193aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS405〜S407は、例えば、処理回路190aが更新機能194aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
図12は、所定の撮影回数ごとに実施するオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図12におけるステップS501は、例えば、処理回路190aが制御機能191aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS502は、例えば、処理回路190aが予測機能195aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS503及びS504は、例えば、処理回路190aが更新機能194aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
検査中の残り撮影回数に応じたオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、例えば、図11に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1aでは、まず、処理回路190aが、検査を開始して(ステップS401)、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間か否かを判定する(ステップS402)。ここで、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間ではない場合(ステップS402否定)、処理回路190aは、実施時間となるまで待機状態となる。
一方、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間である場合(ステップS402肯定)、処理回路190aは、残り撮影回数が所定の回数以下であるか否かを判定する(ステップS403)。ここで、残り撮影回数が所定の回数以下である場合(ステップS403肯定)、処理回路190aは、オフセットキャリブレーションの実施時間を検査終了後に調整して(ステップ404)、検査が終了したか否かを判定する(ステップS405)。そして、検査が終了した場合(ステップS405肯定)、処理回路190aは、オフセットキャリブレーションを実施する(ステップS406)。なお、処理回路190aは、検査が終了するまで待機状態である(ステップS405否定)。
一方、ステップS403の判定において、残り撮影回数が所定の回数以下ではない場合(ステップS403否定)、処理回路190aは、オフセットキャリブレーションを実施して(ステップS407)、次の実施時間よりも先に検査が終了するか否かを判定する(ステップS408)。ここで、次の実施時間よりも先に検査が終了する場合(ステップS408肯定)、処理回路190aは、処理を終了する。一方、次の実施時間よりも先に検査が終了しない場合(ステップS408否定)、処理回路190aは、ステップS402に戻って、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間か否かを判定する。
また、所定の撮影回数ごとに実施するオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、例えば、図12に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1aでは、まず、処理回路190aが、検査を開始して(ステップS501)、撮影回数が所定の回数に達したか否かを判定する(ステップS502)。ここで、撮影回数が所定の回数に達した場合(ステップS502肯定)、処理回路190aは、オフセットキャリブレーションを実施して(ステップS503)、検査が終了したか否かを判定する(ステップS504)。ここで、検査が終了した場合(ステップS504肯定)、処理回路190aは、処理を終了する。なお、処理回路190aは、撮影回数が所定の回数に達するまで待機状態である(ステップS502否定)。また、処理回路190aは、検査が終了するまで待機状態である(ステップS504否定)。
上述したように、第2の実施形態によれば、予測機能195aは、検査の実施中において、画像データの収集時期を予測する。調整機能193aは、画像データの収集時期の予測結果に基づいて、画像データを補正するオフセット補正値のオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。更新機能194aは、調整機能193aによって調整されたオフセットキャリブレーションの実施時期にオフセット補正値を更新する。従って、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、検査の実施中においても、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避することを可能にする。
また、第2の実施形態によれば、予測機能195aは、画像データの収集時期に基づいて、検査における画像データの残り収集回数を予測する。調整機能193aは、画像データの残り収集回数が所定の回数を下回った場合に、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが検査の終了後に実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、検査の実施中においても、残り撮影回数に応じて最適なタイミングでオフセットキャリブレーションを実施することを可能にする。
また、第2の実施形態によれば、調整機能193aは、画像データの収集回数が所定の回数に達するごとにオフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、長期間検査が実施される場合であっても、画質の低下を回避することを可能にする。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、複数のFPD150を用いて検査が実施されている場合の各FPD150におけるオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合について説明する。なお、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、第2の実施形態に係る医用画像診断システム1aと比較して、制御機能191aによる処理内容と、予測機能195aによる処理内容と、調整機能193aによる処理内容とが異なる。以下、これらの点を中心に説明する。
第3の実施形態に係る制御機能191aは、検査オーダに基づいて、複数のFPD150を用いた画像データの収集を制御する。例えば、制御機能191aは、立位撮影台及び臥位撮影台にそれぞれ設置された2つのFPD150による画像データの収集を制御し、各画像データからX線画像をそれぞれ生成する。
第3の実施形態に係る予測機能195aは、検査の実施中において、検査の実施中におけるFPD150ごとの画像データの収集時期をそれぞれ予測する。具体的には、予測機能195aは、検査オーダに基づいて、各FPD150による画像データの収集タイミングを特定する。
第3の実施形態に係る調整機能193aは、各FPD150における画像データの収集時期に基づいて、FPD150ごとのオフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。図13は、第3の実施形態に係る調整機能193aによる調整処理の一例を説明するための図である。例えば、医用画像診断システム1においては、画像データの収集方式(術式)に応じて、図13に示すように、FPD1及びFPD2の2つのFPDを用いて画像データがそれぞれ収集される場合がある。この場合、予測機能195aは、例えば、図13に示すように、FPD1による2回の撮影タイミングと、FPD2による1回の撮影タイミングを検査オーダに基づいて予測する。
調整機能193aは、FPD1及びFPD2の定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングと、予測機能195aによって予測された撮影タイミングとを比較して、オフセットキャリブレーションの実施タイミング撮影タイミングとが重なる場合に、該当するFPDにおける定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する。例えば、調整機能193aは、図13に示すように、FPD1における撮影タイミング(2回目の撮影)と定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングとが重なる(定期的なオフセットキャリブレーションの実施中に2回目の撮影タイミングがくる)ことから、術式が切り替わるタイミング(FPD1での撮影が終了するタイミング)後にオフセットキャリブレーションが実施されるように、実施タイミングを調整する。
一方、FPD2における定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングは、図13に示すように、FPD2による撮影タイミングと重ならないことから、調整機能193aは、定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングで、FPD2におけるオフセットキャリブレーションを実施するように、更新機能194aを制御する。ここで、FPD1及びFPD2における検査中のオフセットキャリブレーションは、バックグラウンドでそれぞれ実施される。このように、調整機能193aは、複数のFPD150が使用される場合に、各FPD150が使用されていないタイミングにオフセットキャリブレーションを実施するように、オフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する。これにより、オフセットキャリブレーションを効率よく実施することができる。
上述したように、医用画像診断システム1aは、複数のFPD150を用いる場合に、定期的なオフセットキャリブレーションの実施タイミングを、各FPD150の撮影タイミングに応じて調整する。ここで、医用画像診断システム1aは、単一のFPD150を使用している場合でも、所定の条件を満たす場合に、オフセットキャリブレーションを実施するように、実施タイミングを調整することができる。例えば、複数の部位が撮影対象部位となっており、それらの対象部位が隣接していない異なる部位である場合や、FPD150の位置を変えている場合、寝台の位置を変えている場合、X線管を移動させている場合、X線診断装置が配置された検査室の扉が開いている場合などに、オフセットキャリブレーションを実施するように制御してもよい。
すなわち、上述した各ケースは、X線の曝射が実施されないと考えられるタイミングであり、X線が曝射されないと考えられる上述した各ケースで、オフセットキャリブレーションを実施することで、効率よくオフセット補正値の更新を行うことができる。この場合、例えば、調整機能193aは、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションが検査中の所定の事象の発生時期に実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。
なお、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、第1の実施形態で説明した予約検査情報に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理、及び、第2の実施形態で説明した撮影回数に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理を適宜実行することも可能である。すなわち、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、複数のFPD150におけるオフセットキャリブレーションについて、検査開始前には予約検査情報に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理を実行し、検査開始後は撮影回数に基づくオフセットキャリブレーションの調整処理を各FPD150に対してそれぞれ実行することも可能である。この場合には、処理回路190aが、第1の実施形態に係る処理回路190及び第2の実施形態に係る処理回路190aと同様の機能を実行する。
次に、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aによる処理の手順について、図14〜図15を用いて説明する。図14〜図15は、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aによる処理手順を示すフローチャートである。ここで、図14は、複数のFPD150におけるオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図14におけるステップS601は、例えば、処理回路190aが制御機能191aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS602は、例えば、処理回路190aが予測機能195aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS603は、例えば、処理回路190aが調整機能193aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS604は、例えば、処理回路190aが更新機能194aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
図15は、所定の条件ごとに実施するオフセットキャリブレーションの実施タイミングの調整処理について示し、図15におけるステップS701は、例えば、処理回路190aが制御機能191aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS702は、例えば、処理回路190aが予測機能195aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS703は、例えば、処理回路190aが調整機能193aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。また、ステップS504及びS505は、例えば、処理回路190aが更新機能194aに対応するプログラムを記憶回路180から呼び出して実行することにより実現される。
複数のFPD150におけるオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、例えば、図14に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1aでは、まず、処理回路190aが、検査を開始して(ステップS601)、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間か否かを判定する(ステップS602)。ここで、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間ではない場合(ステップS602否定)、処理回路190aは、実施時間となるまで待機状態となる。
一方、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間である場合(ステップS602肯定)、処理回路190aは、現在使用中のFPD150におけるオフセットキャリブレーションの実施時間を撮影終了後に調整する(ステップS603)。そして、処理回路190aは、現在使用してないFPD150におけるオフセットキャリブレーションを実施する(ステップS604)。
所定の条件ごとに実施するオフセットキャリブレーションの実施タイミングを調整する場合、例えば、図15に示すように、本実施形態に係る医用画像診断システム1aでは、まず、処理回路190aが、検査を開始して(ステップS701)、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間か否かを判定する(ステップS702)。ここで、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間ではない場合(ステップS702否定)、処理回路190aは、実施時間となるまで待機状態となる。
一方、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間である場合(ステップS702肯定)、処理回路190aは、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS703)。例えば、処理回路190aは、複数の部位が撮影対象部位となっており、それらの対象部位が隣接していない異なる部位である場合、FPD150の位置を変えている場合、寝台の位置を変えている場合、X線管を移動させている場合、又は、X線診断装置が配置された検査室の扉が開いている場合であるか否かを判定する。
ここで、所定の条件を満たす場合(ステップS703肯定)、処理回路190aは、オフセットキャリブレーションを実施して(ステップS704)、検査が終了したか否かを判定する(ステップS705)。一方、所定の条件を満たさない場合(ステップS703否定)、処理回路190aは、検査が終了したか否かを判定する(ステップS705)。ステップS705において、検査が終了した場合には(ステップS705肯定)、処理回路190aは、処理を終了する。一方、検査が終了していない場合には(ステップS705否定)、処理回路190aは、ステップS702に戻って、定期的なオフセットキャリブレーションの実施時間か否かを判定する。
上述したように、第3の実施形態によれば、予測機能195aは、検査の実施中におけるFPD150ごとの画像データの収集時期をそれぞれ予測する。調整機能193aは、各FPD150における画像データの収集時期に基づいて、FPD150ごとのオフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、複数のFPD150を用いる場合に、各FPDの使用状況に応じたオフセットキャリブレーションを実施することができ、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避することを可能にする。
また、第3の実施形態によれば、調整機能193aは、オフセット補正値の定期的な更新が検査中の所定の事象の発生時期に実行されるように、オフセット補正値の定期的なオフセットキャリブレーションの実施時期を調整する。従って、第3の実施形態に係る医用画像診断システム1aは、検査中であってもFPD150が使用されない時間帯にオフセットキャリブレーションを実施することができ、オフセットキャリブレーションを効率よく実施することを可能にする。
(第4の実施形態)
さて、これまで第1〜第3の実施形態について説明したが、上述した第1〜第3の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
上述した実施形態では、医用画像診断システム1及び医用画像診断システム1aが各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、FPD150において各種処理が実行される場合であってもよい。図16及び図17は、第4の実施形態に係るFPD150の構成の一例を示すブロック図である。ここで、図16は、第1の実施形態において説明した各種処理を実行する場合のFPD150の構成を示すブロック図であり、図17は、第2及び第3の実施形態において説明した各種処理を実行する場合のFPD150の構成を示すブロック図である。
図16に示すように、処理回路151は、制御機能1511と、取得機能1512と、調整機能1513と、更新機能1514とを実行する。制御機能1511、取得機能1512、調整機能1513及び更新機能1514は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路152へ記録されている。処理回路151はプログラムを記憶回路152から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路151は、図16の処理回路151に示された各機能を有することとなる。
制御機能1511は、FPD150による処理の全体を制御する。FPD150による処理とは、画像データの収集や、X線画像の補正に用いるデータの生成や送信等に係る一連の処理である。取得機能1512は、上述した取得機能192と同様の処理を実行する。調整機能1513は、上述した調整機能193と同様の処理を実行する。更新機能1514は、上述した更新機能194と同様の処理を実行する。記憶回路152は、処理回路151がFPD150による処理の全体を制御する際に用いるデータを記憶する。例えば、記憶回路152は、処理回路151によって実行される、各プログラムを記憶する。
図17に示すように、処理回路151aは、制御機能1511aと、予測機能1515aと、調整機能1513aと、更新機能1514aとを実行する。制御機能1511a、予測機能1515a、調整機能1513a及び更新機能1514aは、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路152へ記録されている。処理回路151aはプログラムを記憶回路152から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路151aは、図17の処理回路151aに示された各機能を有することとなる。
制御機能1511aは、FPD150による処理の全体を制御する。予測機能1515aは、上述した予測機能195aと同様の処理を実行する。調整機能1513aは、上述した調整機能193aと同様の処理を実行する。更新機能1514aは、上述した更新機能194aと同様の処理を実行する。記憶回路152は、処理回路151aがFPD150による処理の全体を制御する際に用いるデータを記憶する。例えば、記憶回路152は、処理回路151aによって実行される、各プログラムを記憶する。
また、上述した図2、図9、図16及び図17では、単一の処理回路によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
また、上述した各実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合には、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)−ROM、FD(Flexible Disk)、CD−R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、操作者による操作に支障をきたすことなく、画質の低下を回避することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。