JP6855118B2 - 全身状態の良不良を評価するための情報を提供する方法及び測定試薬 - Google Patents

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本発明は検体中のアドレノメデュリン類を測定することによる侵襲的治療介入あるいは臓器障害などの患者の全身状態の良不良を評価するための情報を提供する方法および測定試薬に関する。
集中治療を要する患者や侵襲的治療介入を行う患者において全身状態の病状把握手段として臓器障害指標であるSOFAスコア(Sequential Organ Failure Assesment Score)や、APACHEスコア(Acute Physiology and Chronic Health Evaluation Score)が用いられている。SOFAスコアやAPACHEスコアは複数のパラメーターから算出されるスコアリング方法であり、SOFAスコアは呼吸器を酸素比(PaO2/FiO2)、凝固系を血小板数、肝機能をビリルビン値、心血管系を血圧やエピネフリン投与量、中枢神経をGlasgow Coma Scale、腎機能をクレアチニンもしくは尿量にて、それぞれ5段階に分類しスコアリングする。さらに Glasgow Coma Scaleは開眼機能、言語機能、運動機能からなる3機能のスコアリングの合計値をもってなされる。APACHEスコアはさらに複数のパラメーターからスコアリングがなされる。また、これらスコアの一部等を用いた簡易的な全身状態の把握手段として、qSOFAスコアやカテコールアミンインデックス等も利用されている。これらスコアの算出は極めて煩雑であり、集中管理下の状態では可能であるが、一般病棟においては困難であること、終日経時的にスコアを算出することはさらに困難であること、重症の患者においては治療介入により全身状態を反映しないスコアになること等の問題があり、簡便にSOFAスコア等に置き換わる、あるいは匹敵するような全身状態の良不良を評価可能な簡便に測定可能な診断マーカーが切望されている。
SOFAスコアが用いられる代表的な疾患として敗血症があげられる。2016年敗血症の定義が世界的に改められSOFAスコアと関連づけられた。それまで敗血症マーカーとしての位置づけはSIRS(Systemic inflammatory Response Syndrome)と敗血症の弁別に重きをおかれていたが、現在SOFAスコアの変動が重視される。血清マーカーとしてプロカルシトニン、プレセプシン、アドレノメデュリン(非特許文献1,2)、中間領域プロアドレノメデュリン(非特許文献3,4)が敗血症で濃度上昇する報告がある。また一般的な炎症マーカーであるCRPやIL−6なども敗血症で濃度上昇することが知られている。しかし、これらマーカーとSOFAスコアの変動との関連性に関しての詳細に検討された報告はない。
アドレノメデュリンは北村らによりヒト褐色細胞腫組織から発見された血管拡張性ペプチドであり、52個のアミノ酸からなり、最終的にC末端がアミド化され生理活性を有した成熟型アドレノメデュリンとなる(非特許文献5、特許文献1)。ヒトアドレノメデュリン前駆体は185個のアミノ酸からなり、N末端側より21アミノ酸からなるシグナルペプチド、20個のアミノ酸からなるプロアドレノメデュリン(PAMP)、54アミノ酸からなる中間領域プロアドレノメデュリン(MR−proADM)、52アミノ酸からなるアドレノメデュリン(以下、AMと記載する場合もある。配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るもの)、38アミノ酸からなるC末端アドレノメデュリンの構成である。AMは前駆体であるpreproAMからプロセッシングを受け切断された後、C末端にグリシンが付加した状態の中間体アドレノメデュリン(以下、iAMと記載する場合もある。配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端にグリシン(Gly)が付加したもの)を経て、アミド化酵素によりC末端がアミド(−CONH2)の成熟型アドレノメデュリン(以下、mAMと記載する場合もある。配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端がアミド化(−CONH2)したもの)となる。PAMPならびにmAMはそのセレプターを介した生理活性を有することから、血清中での消失が通常の代謝に加えレセプターによる取込みにより極めて短い特徴を有している。AMの生理活性は血行動態改善、臓器保護作用、抗炎症作用、組織再生等の報告があるが未だ不明な点も多い。またアドレノメデュリンは、血中半減期が極めて短いことから血清マーカーとしての利用が困難(非特許文献6,7)とされていた。血清中のAM濃度が変動する疾患としては、敗血症、心疾患、炎症性腸疾患等の報告があるがSOFAスコアの変動を鋭敏に反映し変動することを示す報告はない。
特開平7−196693号公報
Crit.Care Med.1997;25:953−957 J.Crit.Care.2017;38:68−72 Intensive Care Med.2013;39:1945−1952 Minerva Medica 2016;82:760−766 Biochem.Biophys.Res.Commun.1993;192:553−560 J.Endocrinol.Metab.1997;82:95−100 Clin.Chem.1998;44:571−577
これまでにアドレノメデュリンが敗血症で濃度上昇することは多くの報告があるが、敗血症以外でSOFAスコアとアドレノメデュリンの関連性に関する報告はないこと、また時間単位で変動するSOFAスコアの変動を鋭敏に反映する報告はなかった。本発明はアドレノメデュリン類濃度を測定することにより、集中治療を要する患者や侵襲的治療介入を行う患者において全身状態を簡便に判定する方法を提供することにある。
本発明者らは、全身状態の症状が短時間で大きく変動する各種手術事例において、手術介入に伴う経時的なSOFAスコアと各種パラメーターを解析した結果、アドレノメデュリン類(以下、AM類と記載する場合もある)が最も良好な相関性を示し、さらに時間単位で変動するSOFAスコアを鋭敏に反映することを見いだし、本発明に到達した。即ち本発明は下記の発明を包含する。
(1)侵襲的治療介入を受ける動物の全身状態の良不良を評価するための情報を提供する方法であって、
前記動物に由来する検体中のアドレノメデュリン類を測定すること、及び
前記アドレノメデュリン類の測定値と前記動物の全身状態の良不良との関連付けをすること、
を含む方法。
(2)敗血症以外の全身状態の良不良を評価する、(1)に記載の方法。
(3)SOFAスコア、APACHEスコア、又はqSOFAスコアにより全身状態の良不良を評価する、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)アドレノメデュリン類が配列番号1記載のアミノ酸配列を含む、(1)〜(3)いずれかに記載の方法。
(5)アドレノメデュリン類が、配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、又は成熟型アドレノメデュリンである、(1)〜(4)いずれかに記載の方法。
(6)アドレノメデュリン類が、アドレノメデュリン部分ペプチドである、(1)〜(4)いずれかに記載の方法。
(7)アドレノメデュリン類が、配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、成熟型アドレノメデュリン、及びアドレノメデュリン部分ペプチドである、(1)〜(6)いずれかに記載の方法。
(8)アドレノメデュリン類が、成熟型アドレノメデュリンおよびその部分ペプチドである、(1)〜(6)いずれかに記載の方法。
(9)アドレノメデュリン類を認識する抗体を用いて免疫化学的方法により測定する、(1)〜(10)いずれかに記載の方法。
(10)アドレノメデュリン類を認識する抗体を含有することを特徴とする、(1)〜(9)いずれかに記載の方法に使用するための測定試薬。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明において、侵襲的治療介入とは特に限定されるものではないが、例えば手術等を上げることができる。
本発明において用いられる検体は侵襲的治療介入を受ける動物に由来するものであるが、特に限定はなく、ヒト由来の検体が好ましい。また検体としては、血液成分等をあげることができ、その中でも全血、血球、血漿などが好ましく、血清、血漿が更に好ましい。また、検体採取後のアドレノメデュリン(AM)類の分解を抑える目的で消化酵素阻害剤を添加する、あるいは添加された採血管を使用することが好ましい。
本発明において、全身状態の良不良を評価するとは、良/不良の二者を識別し評価するだけでなく、良〜不良間の程度を評価することも含まれるものである。
本発明の方法により、侵襲的治療介入を受ける動物の全身状態の良不良を評価するための情報が提供される。そして医師等は、提供された情報等を参照して、全身状態の良不良を評価する。即ち本発明の方法自体は、全身状態の良不良に関する最終的な判断行為は含まず、医師等に判断材料を提供する段階までを含むものである。
また本発明の方法は、敗血症以外において全身状態の良不良を評価するための情報を提供するのに好ましいものである。
また評価に際しては、SOFAスコア、APACHEスコア、又はqSOFAスコアにより全身状態の良不良を評価することが好ましく、特にSOFAスコアにより評価することが更に好ましい。
本発明において、測定されるアドレノメデュリン類には特に限定はないが、配列番号1記載のアミノ酸配列を含むものが好ましい。また配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、又は成熟型アドレノメデュリンを測定することも好ましく、特に成熟型アドレノメデュリンを測定することが更に好ましい。一方、アドレノメデュリン類として、アドレノメデュリン部分ペプチドを測定してもよい。このアドレノメデュリン部分ペプチドとは、配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、又は成熟型アドレノメデュリンなどのアドレノメデュリン類がペプチダーゼなどにより分解を受けた部分ペプチドのことを意味する。
さらにアドレノメデュリン類として、配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、成熟型アドレノメデュリン、及びアドレノメデュリン部分ペプチドを測定する、即ちこれらすべてを測定対象とすることも好ましく、本発明ではこれらの合計量をtAM(total AMを意味する)と記載する場合もある。またアドレノメデュリン類として、成熟型アドレノメデュリンおよびその部分ペプチドを測定することも好ましいものである。
以上のように測定対象のアドレノメデュリン類には種々のものがあるが、なかでも成熟型アドレノメデュリン(mAM)又はtAMを測定することが、本発明の方法においては特に好ましいものである。
本発明において上述のようなAM類を測定する方法には特に限定はないが、例えばこれらを認識する抗体を用いた免疫化学的方法があげられる。より具体的には、測定対象のAM類を認識する抗体を含有する試薬を用いて行うことができる。このとき、例えば測定対象のAM類を認識する固相化抗体と、それとは異なる部位で測定対象のAM類を認識する標識化抗体を利用した試薬を用いて、サンドイッチ法により行うことができる。このときの標識としては、酵素等があげられる。なお、tAMの測定方法及びmAMの測定方法は、Crit.Care Med.1997;25:953−957、およびClin.Chem.1999;45:244−251に記載の抗体を用いて作製された、Endo.Connect.2015;4:43−49に記載の測定法により、測定可能である。
本発明により、様々な手術例において術前、手術直後、術後1時間、2時間と短時間の中でSOFAスコアの変動に伴い鋭敏にSOFAスコアの変化を追随し、SOFAスコアの変動を反映する診断マーカーを探索した結果、アドレノメデュリン類が極めて優れていることを見いだした。
アドレノメデュリン類は血中半減期が短いことから、採血時点でのリアルタイムの全身状態の良不良を反映すると考えられる。結果として全身状態の悪化、ならびに改善を鋭敏に反映するマーカーであると推察される。
また本発明により、tAM又はmAMを経時的に2点以上測定した場合、その濃度変動が一定値ごとに(即ち、tAMの濃度変動約2.2pmol/Lごとに、又はmAMの濃度変動約0.18pmol/Lごとに)SOFAスコアが1ポイント変動することが明らかとなった。このようにtAM又はmAMは、SOFAスコアの変動を反映する優れたマーカーである。
本発明によれば、検体中のアドレノメデュリン類を測定することにより、全身状態の良不良の程度を判定するための情報を提供することが可能である。本発明の測定試薬を用い測定を実施すれば、短時間でアドレノメデュリン類を定量可能であり、リアルタイムで全身状態を把握することが可能であり、集中治療室においても簡便、低コストで検査可能な試薬を提供することができる。
SOFAスコアごとのtAMの濃度分布を示す箱ひげ図である。箱ひげ図の表示は典型的表記であり、具体的には中央の箱は25−75パーセンタイルと中央値を示しており、上限下限の各棒線は75および25パーセンタイル値の1.5倍以上のデータを除く最大値、最小値を示しており、他の箱ひげ図も同様である。 SOFAスコアごとのmAMの濃度分布を示す箱ひげ図である。 SOFAスコアごとのPresepsinの濃度分布を示す箱ひげ図である。 SOFAスコアごとのIL−6の濃度分布を示す箱ひげ図である。 SOFAスコアごとのCRPの濃度分布を示す箱ひげ図である。 SOFAスコアごとのWBCの濃度分布を示す箱ひげ図である。 SOFAスコアごとの各パラメーターの弁別能をROC解析した際のAUCを示す図である。 SOFAスコア5以上の各パラメーターの弁別能の比較結果をROC曲線で示す図である。 SOFAスコア9以上の各パラメーターの弁別能の比較結果をROC曲線で示す図である。 3例の患者における術前(B)、術後0時間(0h)、1時間(1h)、2時間(2h)後の各パラメーターの変動を示す図である。 tAMのSOFAスコア弁別能をROC解析した際のカットオフ値を示した図である。各SOFAスコアのtAMカットオフ値を1次回帰した際の相関式ならびに相関係数を示している。 mAMのSOFAスコア弁別能をROC解析した際のカットオフ値を示した図である。各SOFAスコアのmAMカットオフ値を1次回帰した際の相関式ならびに相関係数を示している。
以下に実施例を示すが、本発明は実施例に記載された例に限られるものではない。以下の実験を行うに当たっては、各施設の研究倫理委員会での承認のもと実施した。tAM測定ならびにmAM測定は、前述のCrit.Care Med.1997;25:953−957、およびClin.Chem.1999;45:244−251に記載の抗体を用いて作製された、Endo.Connect.2015;4:43−49に記載の測定法により、自動免疫測定装置AIAシリーズ(東ソー社製)を用い実施した。
実施例1:患者背景と検体数
様々な手術対象者(心臓手術、弓部大動脈人工血管置換術部分切除術、冠動脈バイパス移植術、胸部大動脈人工血管置換術、肝部分切除、膵頭部十二指腸切除術、食道亜全摘手術、頸椎椎弓形成術)に対し、手術前、手術直後(0h)、術後1時間後(1h)、2時間後(2h)の各点にて採血を実施し、各種パラメーターを測定しその変動の確認を行った。症例により採血できなかったものもあり、採血ポイントでの検体数は表1に示す通りである。パラメーターとして、SOFAスコア、tAM、mAM、Presepsin、IL−6(インターロイキン6)、CRP(C反応性ペプチド)、WBC(白血球数)を測定した。
Figure 0006855118
実施例2:SOFAスコアとの相関性
実施例1の検体において、術例に関わらずSOFAスコアに対する各パラメーターの相関性(Spearman’s rho)を検証した。表2に示す通り、SOFAスコアとCRP間では相関性が認められないものの、他のパラメーターは有意差をもって相関性を示した。tAMならびにmAMにおいては順位相関係数がそれぞれ0.771、0.755と良好な相関性を示すものであった。
Figure 0006855118
実施例3:SOFAスコアごとの各パラメーターの分布
実施例1の検体において、SOFAスコアごとの各パラメーターの濃度あるいは数量の分布を図1、図2、図3、図4、図5、図6に示す。SOFAスコアごとの例数はSOFAスコア0/1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11それぞれ8/25/8/10/8/8/16/7/8/7/3/3検体の計111検体である。
実施例4:各パラメーターのSOFAスコア診断能比較
実施例1の検体において、それぞれのSOFAスコアの弁別能をROC(Receiver Operating Characteristic)解析によりAUC(曲線下面積)にて比較した。例えばSOFAスコア5以上の弁別能の検証ではSOFAスコアが4以下を陰性群、5以上を陽性群としROC解析を行った。その結果を図7に示す。なお横軸は、当該スコア以上の弁別能の検証を行ったものである。SOFAスコア1から11までの全域を通してtAMが最も優れたAUCを示し0.874以上を示した。続いてmAMが優れたAUCを示し0.821以上を示した。AUC一覧を表3に示す。またSOFAスコア5以上のROC解析図ならびにSOFAスコア9以上のROC解析図をそれぞれ図8、図9に示す。
Figure 0006855118
実施例5:各パラメーターの経時変化
実施例1の患者において術前、術後0時間、1時間、2時間後の4点全てでSOFAスコア、tAM、mAM、Presepsin、IL−6、CRP、WBC全てのパラメーターが測定できた3例の患者(心臓手術1例、食道亜全摘手術2例)の各パラメーターの経時変化を図10に示す。SOFAスコアの時間単位での変動を鋭敏に反映するパラメーターはmAMであり、続いてtAMが概ね変動傾向を反映している。その他パラメーターは症例により必ずしもSOFAスコアと変動傾向を同一にするものではなかった。
実施例6:アドレノメデュリン測定値によるSOFAスコアの弁別
実施例1の患者を含めて、SOFAスコア、tAM、mAMの3パラメーターが取得された患者背景を表4に示す。405検体のtAM、mAMの測定値を用いSOFAスコアの弁別能をROC解析した。AUC、カットオフ値、感度、特異度を表5(tAM)ならびに表6(mAM)に示す。なおカットオフ値は(1−感度)2+(1−特異度)2が最小値となる濃度を求めた。各SOFAスコアとカットオフ値の関連性を検証した結果、tAM(r=0.982)、mAM(r=0.984)それぞれ高い相関係数を示し、またその比例関係はそれぞれtAMカットオフ値=2.1981×SOFAスコア+9.2007、mAMカットオフ値=0.1781×SOFAスコア+1.0159で示されるものであった(図11、図12)。本結果より、tAM、mAMそれぞれは、カットオフ値の一定の濃度変動をもってSOFAスコアが1ポイントずつ変動することを示している。すなわちtAMを経時的に2点以上測定した場合、その濃度変動約2.2pmol/L濃度ごとにSOFAスコアが1ポイント変動すること、またmAMを経時的に2点以上測定した場合、その濃度変動約0.18pmol/L濃度ごとにSOFAスコアが1ポイント変動することを示している。
Figure 0006855118
Figure 0006855118
Figure 0006855118

Claims (10)

  1. 侵襲的治療介入を受けた後の動物の全身状態の良不良を評価することを補助するための情報を提供する方法であって、
    前記動物に由来する検体中のアドレノメデュリン類を測定すること、及び
    前記アドレノメデュリン類の測定値と前記動物の全身状態の良不良との関連付けを補助すること、
    を含む方法。
  2. 敗血症以外の全身状態の良不良を評価することを補助する、請求項1に記載の方法。
  3. SOFAスコア、APACHEスコア、又はqSOFAスコアにより全身状態の良不良を評価することを補助する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. アドレノメデュリン類が配列番号1記載のアミノ酸配列を含む、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. アドレノメデュリン類が、配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、又は成熟型アドレノメデュリンである、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. アドレノメデュリン類が、アドレノメデュリン部分ペプチドである、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  7. アドレノメデュリン類が、配列番号1に記載のアミノ酸配列から成るアドレノメデュリン、中間体アドレノメデュリン、成熟型アドレノメデュリン、及びアドレノメデュリン部分ペプチドである、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
  8. アドレノメデュリン類が、成熟型アドレノメデュリンおよびその部分ペプチドである、請求項1〜6いずれかに記載の方法。
  9. アドレノメデュリン類を認識する抗体を用いて免疫化学的方法により測定する、請求項1〜いずれかに記載の方法。
  10. アドレノメデュリン類を認識する抗体を含有することを特徴とする、請求項1〜9いずれかに記載の方法に使用するための測定試薬。
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