JP6854984B1 - レーザ加工システム - Google Patents

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Abstract

レーザ加工システム(1)は、レーザ加工が行われている場合の加工ヘッド(23)の内部の状態又は加工対象(70)の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する状態計測部(25)と、加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定したレーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する推定部(31)と、加工対象(70)の加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する加工監視部(26)と、監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良の有無を判定し、レーザ加工の良否を判定結果として決定する加工判定部(32)と、推定結果と判定結果とに基づいて、レーザ加工の停止又は継続を指示する制御信号を出力する機械安全ユニット部(33)とを有する。

Description

本開示は、レーザ光を用いて加工対象を加工するレーザ加工システムに関する。
従来、ユーザは、レーザ加工システムを用いて加工対象を加工する場合、製造元が用意した加工条件である標準加工条件を用いて加工を実施することが多い。標準加工条件には、加工対象の材料又は厚み毎にレーザ加工を実施するための加工パラメータとパラメータ値とが設定されている。しかし、標準加工条件で加工を実施しても所望の加工品質が得られない場合も多くあり、ユーザは加工条件を修正しながら生産を行っている。
このような背景の中、工作機械に機械学習の技術を適用することが注目され、例えばシステムの異常検知又は予兆保全といった技術の研究が行われている。機械学習の技術を搭載したシステムにおいて、推定結果の誤り又は見逃しが発生する場合がある。機械学習を活用した制御と従来手法とを組み合わせた制御によりユーザの加工機が意図しない動きとなってマシンダウンすることを防止するために、システムの安全を保障する必要がある。
従来、機械学習装置の安全を担保する技術が提案されている。例えば、特許文献1は、状態観測部が計測する製造機械の内的データ及び外的データに対して、例えばノイズの異常値を検出し、安全な入力データを出力する入力安全回路と推論データの異常を検出する出力安全回路とを用意し、少なくともどちらかの安全回路で各異常値を検出することで機械学習装置の安全性を保障する制御装置及び機械学習装置を開示している。
特許文献2は、実運用前の精度の高い異常検知モデルを生成するために、状態値格納部に格納された状態値から複数の特徴量を生成し、生成された特徴量をもとに異常検知に有効な度合いである重要度を算出し、複数の方法にしたがって重要度の統合及び特徴量間のランクを決定する異常検知システムおよびモデル生成方法を開示している。すなわち、特許文献1及び特許文献2は、機械学習における前後処理の工夫又はモデルの高精度化により誤判定を少なくする技術を開示している。
特開2019−86928号公報 特開2019−185530号公報
特許文献1が開示している技術は、機械学習器へのデータの入力時に、ノイズ又は外れ値といった異常値を事前に検知することで異常値の影響を最小限に抑えることができ、学習用データを高精度化することができる。また、特許文献1が開示している技術は、機械学習部の出力結果においても異常値の検知又は結果の修正を行うことができるため、ユーザは安全に機械学習装置を使うことができる。しかし、特許文献1が開示している技術では、学習用データの精度を上げても機械学習部が出力する結果の誤判定又は未検出を無くすことはできない。また、特許文献1が開示している技術では、機械学習部が出力する結果が誤判定なのかどうかの判断については、ヒトの確認が必要である。
特許文献2が開示している技術は、サーボモータの制御指令に加える補正量を最適化する場合、補正量が加えられた後の制御指令が動作を不安定にさせないように制御指令の範囲を制限する制限部を設けることで安全機能を確保する。しかし、工作機械で加工しながら加工パラメータのような多変数を最適化する場合、単純に制限部を設けるだけでは機械学習による推論を継続することができない可能性がある。つまり、特許文献2が開示している技術では、機械学習の推論結果に基づいた制御指令によって異常動作が生じる可能性がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、機械学習の推定結果に誤り又は見逃しが生じてもマシンダウンを発生させないレーザ加工システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかるレーザ加工システムは、レーザ発振器から出射された光を集めて加工対象に照射する加工ヘッドと加工対象との相対位置を変更する駆動部と、駆動部及びレーザ発振器への動作指令を、制御信号とレーザ加工についてのパラメータ及び数値を指示する加工条件とに基づいて決定する制御装置と、レーザ加工が行われている場合の加工ヘッドの内部の状態又は加工対象の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する状態計測部と、加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定したレーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する推定部と、加工対象の加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する加工監視部と、監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良の有無を判定し、レーザ加工の良否を判定結果として決定する加工判定部と、推定結果と判定結果とに基づいて、レーザ加工の停止又は継続を指示する制御信号を出力する機械安全ユニット部とを有する。機械安全ユニット部は、少なくともひとつの種類の加工不良についての推定結果の良否の度合いがあらかじめ定められた基準に比べて不良となる場合、判定結果を決定することを加工判定部に指示する指令である監視指令を決定する。
本開示にかかるレーザ加工システムによれば、機械学習の推定結果に誤り又は見逃しが生じてもマシンダウンを発生させないという効果が得られる。
実施の形態1にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 実施の形態1にかかるレーザ加工システムの動作の手順を示すフローチャート ガウジングが発生した場合の加工対象の表面の例を示す図 加工傷が発生した場合の切断された加工対象の切断面の例を示す図 実施の形態1にかかるレーザ加工システムが有する推定部が機械学習を用いて判定処理を行う場合に用いる機械学習モデルの例を説明するための図 実施の形態1にかかるレーザ加工システムが有する推定部の構成の例を示す図 実施の形態1にかかるレーザ加工システムが有する加工判定部が信号処理により判定処理を行う場合の判定処理の例を説明するための図 実施の形態2にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 加工裕度を示す図 実施の形態2にかかるレーザ加工システムの動作の手順を示すフローチャート 実施の形態3にかかるレーザ加工システムの構成を示す図 材料及び加工の状況により加工裕度が変化することを説明するための図 実施の形態3にかかるレーザ加工システムの動作の手順を示すフローチャート 実施の形態1にかかるレーザ加工システムの制御部が有する推定部、加工判定部、機械安全ユニット部、補正加工条件決定部、制御装置、表示部及び入力部の少なくとも一部がプロセッサによって実現される場合のプロセッサを示す図 実施の形態1にかかるレーザ加工システムの制御部が有する推定部、加工判定部、機械安全ユニット部、補正加工条件決定部、制御装置、表示部及び入力部の少なくとも一部が処理回路によって実現される場合の処理回路を示す図
以下に、実施の形態にかかるレーザ加工システムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1の構成を示す図である。レーザ加工システム1は、レーザ光を用いて加工対象70を加工するシステムである。図1には、加工対象70も示されている。レーザ加工システム1は、レーザ光を出射するレーザ加工機2と、レーザ加工機2を制御する制御部3とを有する。レーザ加工機2は、レーザ発振器21と、光路22と、加工ヘッド23と、駆動部24と、状態計測部25と、加工監視部26とを有する。
レーザ発振器21は、制御部3が有する制御装置35が決定する動作指令に基づいてレーザ光を発振して射出する。制御部3の詳細については、後述する。レーザ発振器21は、連続発振(Continuous Wave)とパルス発振とを切替えることが可能な装置であってもよい。レーザ発振器21がパルス発振を行う場合、レーザ発振器21にはパルス周波数とデューティとが設定されてもよい。レーザ発振器21は、連続発振とパルス発振とのうちのいずれか一方のみの発振を行う装置であってもよい。
レーザ発振器21の種類は、限定されない。レーザ発振器21は、例えば炭酸ガスレーザといった気体レーザであってもよいし、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)結晶を媒体とする固体レーザであってもよい。レーザ発振器21は、光ファイバを励起媒体とするファイバーレーザであってもよいし、レーザダイオードから出射されるレーザ光を結合するダイレクトダイオードレーザであってもよい。レーザ加工機2は、レーザ発振器21を含む複数のレーザ発振器を有してもよい。
レーザ発振器21から射出されたレーザ光は、光路22を介して、加工ヘッド23へ伝送される。光路22は、レーザ発振器21から照射されたレーザ光を加工ヘッド23まで伝送する経路である。光路22は、レーザ光を例えばミラーを用いて空気中で伝搬させる経路であってもよいし、光ファイバを通じてレーザ光を伝送させる経路であってもよい。光路22は、レーザ発振器21の発振方式、種類及び出力、並びにレーザ光の波長及び特性に対応している。
加工ヘッド23は、レーザ光を集めてレーザ光を加工対象70へ照射する。加工ヘッド23がレーザ光を加工対象70に照射することにより、加工対象70は加工される。例えば、加工ヘッド23がレーザ光を加工対象70に照射することにより、加工対象70は切断される。加工対象70を適切に切断するために、加工ヘッド23は、レーザ光が適切な位置に焦点を結ぶための光学系を有する。光学系は、図示されていない。光学系に含まれる素子の例は、集光レンズ又はレンズカートリッジである。
加工ガスが加工ヘッド23の内部に供給され、加工ヘッド23は、レーザ光を加工対象70へ照射する際、加工ガスを加工対象70へ供給する。加工ヘッド23は、加工ガスを加工対象70へ供給するためのガスの流路を有する。ガスの流路は、図示されていない。加工ヘッド23が加工対象70へ供給する加工ガスの圧力を加工対象70の厚みに対応する圧力とする機能を加工ヘッド23が有することが望ましい。
加工ヘッド23の先端には、加工ノズルが取り付けられている。加工ノズルは、図示されていない。加工ノズルには、開口部が形成されている。例えば、開口部は集光レンズと加工対象70との間の光路上に形成されている。レーザ光及び加工ガスは、開口部を通過する。レーザ光が加工対象70の適切な位置に焦点を結ぶように、加工ノズルが加工ヘッド23と加工対象70との距離を検出する機能と加工対象70に対する加工ヘッド23の相対位置を検出する機能とのうちの一方又は双方を有することが望ましい。
駆動部24は、制御部3が有する制御装置35が決定する制御信号に基づいて加工ヘッド23と加工対象70との相対位置を変化させる機能を有する。つまり、駆動部24は、レーザ発振器21から出射された光を集めて加工対象70に照射する加工ヘッド23と加工対象70との相対位置を変更する。駆動部24は、加工ヘッド23を指令速度で指定の位置に移動させてもよいし、加工対象70を乗せた加工パレットを指令速度で指定の位置に移動させてもよい。加工パレットは、図示されていない。
駆動部24の例は、リニアモータ及び位置検出器を有するサーボ制御装置である。駆動部24は、モータ及びギアによる駆動方式を用いる装置であってもよいし、回転軸を有する駆動機構であってもよい。例えば、駆動部24はモータを有していて、モータが制御部3による制御をもとに回転することにより、加工ヘッド23と加工対象70との相対位置が変更される。
状態計測部25は、加工の開始から加工の終了までの、加工ヘッド23の内部の状態又は加工対象70の状態を計測する。更に言うと、状態計測部25は、レーザ加工が行われている場合の加工ヘッド23の内部の状態又は加工対象70の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する。状態計測部25は、加工の開始から加工の終了までの、加工ヘッド23の内部の状態と、加工対象70の状態とを計測してもよい。状態計測部25は、加工の際に発生した反射光が光路22を通じてレーザ発振器21に伝わったものを検出してもよい。状態計測部25は、加工開始指令及び信号をもとに計測を開始する。状態計測部25は、人間の作業の介在を要しない自律的な計測装置であってもよい。計測の開始指令は、加工を行うための加工プログラムの中に記載されていてもよい。
状態計測部25は、加工中に発生する散乱光及び反射光の振幅及び強度と、加工ガスの音のスペクトル及び強度と、加工ヘッド23の内部の部品の温度とのうちのひとつ以上のものを計測し、計測によって得られた情報を加工状態を示す状態変数として数値化する。状態計測部25は、数値化した検出結果を加工信号として制御部3へ出力する。
例えば、状態計測部25は、フォトダイオード、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサもしくはスペクトル分光器といった光学センサ、マイクロホンといった音響センサ、圧力センサ、又は、熱電対といった温度センサである。状態計測部25は、上記の光学センサ、音響センサ、圧力センサ及び温度センサのうちの複数のセンサが組み合わされた装置であってもよい。このように、状態計測部25は、音響センサ、光センサ、加速度センサ及び温度センサのうちの少なくともいずれかひとつを含んでもよい。
レーザ加工機2は、状態計測部25を含む複数の状態計測部を有してもよい。レーザ加工機2が複数の状態計測部を有する場合、複数の状態計測部の各々の種類は他の状態計測部の種類と異なっていてもよい。
加工監視部26は、加工対象70の表面及び裏面に発生する加工不良を計測する。加工対象70の表面は加工対象70の二つの平面のうちのレーザ光が照射される面であり、加工対象70の裏面は加工対象70の二つの平面のうちの表面の逆の面である。つまり、加工監視部26は、加工対象70の加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する。更に言うと、加工監視部26は、制御部3が有する制御装置35から出力される監視信号及び指令にしたがって加工対象70の表面の状態と裏面の状態とのうちの一方又は双方を計測する。計測の開始指令は、加工を行うための加工プログラムの中に記載されていてもよい。
加工監視部26は、加工対象70の表面及び裏面の一方又は双方について、温度推移、発光強度及び画像の一部又は全部を計測し、例えば溶融物の有無及び溶融物の面積といった加工対象70の状態を数値化する。加工監視部26は、状態計測部25と同様に、数値化した結果を加工信号として制御部3へ出力する。加工監視部26の例は、フォトダイオード、ネットワークカメラ、LiDAR(Laser Imaging Detection and Ranging)もしくはToF(Time of Flight)カメラといった光学センサ、放射温度計といった温度センサ、又は、触式センサもしくは超音波センサといった距離センサである。加工監視部26は、上記の光学センサ、温度センサ及び距離センサのうちの複数のセンサが組み合わされた装置であってもよい。このように、加工監視部26は、音響センサ、光センサ、カメラ、振動センサ及び距離センサのうちの少なくともいずれかひとつを含んでもよい。
加工監視部26は、加工ヘッド23の周囲又は駆動部24に設置され、加工ヘッド23又は駆動部24と同期して動作してもよい。レーザ加工機2は、加工監視部26を含む複数の加工監視部を有してもよい。加工監視部26は、加工対象70の計測範囲を限定している。加工監視部26によって得られる値は、加工不良を検出することに比較的大きく寄与するため、状態計測部25によって得られる値より重み付けされて制御部3で数値処理される。
制御部3は、推定部31と、加工判定部32と、機械安全ユニット部33と、補正加工条件決定部34と、制御装置35と、表示部36と、入力部37とを有する。制御部3は、加工のためにレーザ加工機2を制御する。推定部31は、状態計測部25から出力される加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定したレーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する。つまり、推定部31は、加工対象70の加工状態を推定する。例えば、推定部31は、機械学習を用いて加工対象70の加工状態を推定する。
加工判定部32は、加工監視部26から出力される監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良の有無を判定し、レーザ加工の良否を判定結果として決定する。つまり、加工判定部32は、加工対象70の加工異常を検知する。加工状態が不良である場合、補正加工条件決定部34は、加工条件を適切な加工条件に修正するための補正量を生成し、補正量をもとに補正後加工条件を生成する。更に言うと、補正加工条件決定部34は、推定部31によって得られる推定結果に基づいて加工条件を補正して補正後加工条件を決定する。補正加工条件決定部34は、補正後加工条件を制御装置35に出力する。
機械安全ユニット部33は、推定部31によって得られる推定結果と加工判定部32によって得られる判定結果とに基づいて、レーザ加工の停止又は継続を指示する制御信号を制御装置35に出力する。制御装置35は、駆動部24及びレーザ発振器21への動作指令を、制御信号とレーザ加工についてのパラメータ及び数値を指示する加工条件とに基づいて決定する。更に言うと、制御装置35は、機械安全ユニット部33が出力する制御信号と、補正加工条件決定部34が出力する補正後加工条件とを受け取る。
表示部36は、ユーザからの入力を受け付けるための画像を表示したり、制御部3の内部で生成された情報を表示したりするヒューマンマシンインターフェイスである。例えば、ユーザは、表示部36を用いて加工プログラムの指定及び加工条件の入力を行うことができる。表示部36は、推定部31及び加工判定部32によって得られる結果を表示する。表示部36は、ディスプレイ又はモニタにより実現される。表示部36が設置される場所は、限定されない。表示部36は、制御装置35と一体化されてもよいし、入力部37と一体化されてもよい。
入力部37は、ユーザから入力される情報を受け付け、受け付けた情報を、制御部3が有する複数の構成要素のうちの受け付けた情報に対応する構成要素へ出力する。入力部37は、例えばキーボード又はマウスにより実現される。入力部37は、表示部36と一体化されてソフトウェアキーボードとして実現されてもよい。
図2は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1の動作の手順を示すフローチャートである。まず、レーザ加工システム1は、加工用の加工条件を生成する(S1)。具体的には、制御部3の補正加工条件決定部34が加工条件を生成する。生成される加工条件は、推定部31によって推定された加工状態に基づいて決定されてもよいし、ユーザによって指定されてもよい。
次に、レーザ加工システム1は、ステップS1で生成された加工条件に基づいて加工を実施する。レーザ発振器21から出射されたレーザ光が加工対象70に照射され、状態計測部25は、加工対象70の状態の変化及び加工ヘッド23の内部の状態を検出する(S2)。図2では、ステップS2の動作は、「状態信号計測」という文言で表現されている。加工監視部26は、加工中の加工対象70の表裏面の状態の変化を検出する(S3)。図2では、ステップS3の動作は、「監視信号計測」という文言で表現されている。
推定部31は、状態計測部25によって検出された結果に基づいて特徴量を抽出し、特徴量を使用して加工の良否を判定する(S4)。図2では、ステップS4の動作は、「状態判定」という文言で表現されている。特徴量は、加工対象70の切断面を撮影することによって得られる画像から抽出される値であってもよいし、加工ガスの音のスペクトルのピークの周波数であってもよい。特徴量は、加工の良否を判定するために用いられるものであればどのようなものであってもよい。加工判定部32は、加工監視部26によって検出された結果に基づいて閾値による判定又は画像を用いる判定によって加工不良を検出する(S5)。図2では、ステップS5の動作は、「異常判定」という文言で表現されている。
機械安全ユニット部33は、推定部31によって得られた推定結果と加工判定部32によって得られた判定結果とをもとに、加工を継続するか否かを判断する(S6)。具体的には、機械安全ユニット部33は、推定部31によって良加工の推定結果が得られ、加工判定部32によって不良なしの判定結果が得られた場合、加工を継続すると判断する。機械安全ユニット部33は、加工判定部32によって異常判定が得られた場合、推定部31によって得られた結果に関係なく、加工を一時的に中止すると判断する。
機械安全ユニット部33は、加工を中止すると判断した場合(S6でNo)、アラームを出力する(S7)。レーザ加工システム1は、アラームが解消されたか否かを判断する(S8)。レーザ加工システム1は、アラームが解消されたと判断した場合(S8でYes)、ステップS1の動作を行う。アラームが解消されないとレーザ加工システム1によって判断された場合(S8でNo)、レーザ加工システム1の動作は終了する。
機械安全ユニット部33が加工を継続すると判断した場合(S6でYes)、具体的には、機械安全ユニット部33が加工を継続させる制御信号を出力した場合、補正加工条件決定部34は、推定部31によって得られた判定結果に対応する補正量を算出する(S9)。補正加工条件決定部34は、補正量をもとに加工条件を修正して補正加工条件を生成する(S10)。レーザ加工システム1は、修正された加工条件をもとに加工を実施する。上述のように、レーザ加工システム1は、監視結果と推定結果とに基づいた二重安定性を実現するシステムである。
以下では、レーザ加工システム1が加工対象70に対して切断加工を行う例を説明する。なお、例えば加工結果の評価方法が加工の種別に対応する方法に変更されることにより、レーザ加工システム1は、例えば穴あけ加工といった切断加工以外の加工を行うこともできる。
加工対象70に発生する加工不良は、突発的に発生する加工不良と、加工対象70又は加工ヘッド23の継時変化によって発生する加工不良との二つに大別することができる。突発的に加工不良が発生する要因の例は、加工中にレーザ加工機2が有する複数の構成要素のうちのガラス又はレンズが汚れたり焼けたり、加工ノズルの損傷又は変形が発生することである。突発的に発生する加工不良を発生前に検知することは困難である。継時変化によって発生する加工不良の例は、比較的長時間の加工により加工対象70又は加工ヘッド23の内部の光学部品が熱を蓄えることにより発生する加工不良である。
加工不良には、複数の種類がある。具体的には、ガウジング、バーニング又はバーストといった加工対象70の表面に現れる不良もあるし、加工対象70の裏面に溶融物が発生するという不良もある。溶融物は、ドロスである。酸化膜剥がれ、加工傷、切断面荒れ又はプラズマによる不良といった加工不良は、加工対象70の表裏面には現れず、切断面にしか現れない。
上述した加工不良以外の加工不良が、検出すべき加工不良として追加されてもよい。例えば、加工ガスの純度による切断面の変色、又はレーザ加工機2の機械振動による振動面についての加工不良が追加されてもよい。加工で使用される加工ガスの種類によって、発生する加工不良が異なる場合もある。例えば、加工ガスが酸素である酸素切断が行われる場合、切断面に酸化膜が発生するため、加工不良として酸化膜剥がれが発生する。しかし、加工ガスが窒素である窒素切断が行われる場合、切断面に酸化膜が発生することがないため、加工不良に酸化膜剥がれは含まれなくてよい。
図3は、ガウジングが発生した場合の加工対象70の表面の例を示す図である。部分41に示されるように、ガウジングは、切断表面において局所的に溶融した金属が吹き上がるように発生するものである。したがって、ガウジングの発生の有無は、例えば加工対象70の表面を撮影することによって得られた画像に基づいて判定されてもよい。
図4は、加工傷が発生した場合の切断された加工対象70の切断面の例を示す図である。部分42に示されるように、加工傷は、切断面において局所的に上部から下部にかけて発生する。したがって、加工傷の発生の有無は、例えば切断面を撮影することによって得られる画像の画素の明度の差に基づいて判定されてもよい。加工監視部26が計測することができる加工不良は、加工対象70の表面又は裏面に発生し、かつ発生すると直ちに加工条件の修正を必要とする。
推定部31は、状態計測部25から得られる時系列信号又は数値情報を解析し、加工の状態を表す特徴量を求め、加工の良否の度合い又は加工不良の種類を推定し、推定した結果を出力する。例えば、推定部31によって行われる良否判定方法は、機械学習のいわゆる教師あり学習により、事前に学習した内容にしたがって、加工の良否を判定する方法である。推定部31が出力する加工不良の種類の例は、ガウジング、バーニング、ドロス、酸化膜剥がれ、加工傷、バリ、上面荒れ、面荒れ、プラズマ又はバーストである。
推定部31は、良否結果として、良又は否の結果のみを示す値を出力してもよいし、良又は否の度合いである評価値を出力してもよいし、良又は否である確率を示す情報を出力してもよい。例えば、推定部31は、良である確率が75%であることを示す情報を出力してもよい。推定部31は、複数の不良の中から単一の加工不良の結果を出力する場合、発生した加工不良の評価値の下限を0とし、上限を1とし、1が良で0が不良であると定義されたとき、0から1までの範囲のなかのいずれかの評価値を出力してもよいし、0、0.5及び1といった少なくとも三つ以上の評価値のいずれかを出力してもよい。
推定部31は、複数の加工不良の結果を出力する場合、不良毎に、0から1までの範囲のなかのいずれかの評価値を出力してもよいし、0、0.5及び1といった少なくとも三つ以上の評価値のいずれかを出力してもよい。推定部31は、各加工不良の評価値の合計値をもとに加工の良否の度合い又は加工不良の種類を判定してもよいし、加工不良がひとつでもあれば切断面の良否結果を否と判断してもよい。
加工良否の判定基準は、ユーザによって異なる場合がある。推定部31は、加工不良の評価値が良であるのか否であるのかについての判断を、ユーザが決定する閾値をもとに行ってもよい。
推定部31が判定を行う際に使用する特徴量の例は、状態計測部25から得られる時系列信号の平均値及び標準偏差である。推定部31は、特徴量を特徴量に対応する組に変換し、各組についての基準値からの差をもとに加工の各区間で発生している不良の不良度合いを評価する。状態計測部25の構成又は種類に対応して、特徴量を求める方法は変更される。
特徴量を求める方法は、複数存在する。特徴量は、例えば状態計測部25から得られる時系列信号の統計解析、周波数解析又はフィルタバンク解析といった変換方法により時系列信号を解析することで得られる値の組であってもよい。特徴量は、時系列信号の一般的な解析方法を用いて求められてもよい。
推定部31は、状態計測部25から得られた時系列信号を解析して得られた特徴量に対して、線形判別、ロジスティクス回帰、サポートベクターマシン、関連ベクトルマシン又は決定木といった分類器による手法と、線形回帰、多項式回帰、ベイズ線形回帰又はガウス過程回帰といった回帰手法とを用いることができる。加工状態の評価には、K−meansアルゴリズム、混合ガウス分布又は混合ベルヌーイ分布を用いるクラスタリングの手法が用いられてもよい。
推定部31は、上記以外のアルゴリズム以外のアルゴリズムを用いてもよい。上記以外のアルゴリズムは、特徴量そのものを抽出して学習する、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network)又は再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)を代表手法とした深層学習(Deep Learning)を用いたものであってもよいし、上記のすべてのアルゴリズムのうちの複数のアルゴリズムを組み合わせた手法を用いたものであってもよい。
図5は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1が有する推定部31が機械学習を用いて判定処理を行う場合に用いる機械学習モデルの例を説明するための図である。図5に示される例では、機械学習としてニューラルネットワークが適用される。図5に示されるニューラルネットワークは、入力層のノードであるX1,X2,X3と、中間層のノードであるY1,Y2と、出力層のノードであるZ1,Z2,Z3とで構成される3層のニューラルネットワークである。
入力層の各ノードには、モータの電流値又は加工中に発生する散乱光の振幅もしくは強度を示す加工信号が入力されてもよいし、抽出された特徴量が入力されてもよい。加工信号が入力層の各ノードに入力される場合、特徴量の抽出は機械学習によって行われる。抽出された特徴量が入力層の各ノードに入力される場合、状態計測部25で計測される信号から特徴量が抽出され、特徴量が入力層に入力される。
図6は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1が有する推定部31の構成の例を示す図である。例えば、推定部31は、加工対象70の状態を推定する場合、製造元が用意した学習モデルを用いて加工状態を推定する。しかし、ユーザの生産状況においては、電炉材又は粗悪材といった種々の加工材料での加工が求められ、事前に学習したモデルを更新しなければならない場合がある。
モデルを更新する場合、状態計測部25から出力された信号と加工対象70の加工結果とを対応付ける作業はユーザの環境で行わなければならない。状態計測部25から出力された信号と加工結果との対応付けには、目視確認で得られた結果が反映されてもよいし、写真判定又は面粗さを計測して得られた結果が反映されてもよい。新たに追加されるモデルは、成功と失敗とを分けるような分類モデルであってもよいし、成功を1、失敗を0とするような回帰モデルであってもよい。より正確な判定を行うことができるモデルを学習するために、モデルへの入力に加工条件が加えられてもよい。
図6に示される推定部31は、学習部44を有する。学習部44は、状態計測部25から出力される加工状態信号と加工対象70の良及び不良を示す教師ラベルとを含む学習用データを取得するデータ取得部45と、データ取得部45によって取得された学習用データを用いてレーザ加工の良否の度合いを推定するための学習済みモデルを生成するモデル生成部46とを有する。図6に示される推定部31は、モデル生成部46によって生成された学習済みモデルを記憶する学習済モデル記憶部47を更に有する。例えば、学習済モデル記憶部47は半導体メモリによって実現される。
加工判定部32は、加工監視部26から得られる時系列信号又は画像を解析し、加工対象70の表面及び裏面に発生している異常を検知し、異常を示す情報を出力する。図7は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1が有する加工判定部32が信号処理により判定処理を行う場合の判定処理の例を説明するための図である。図7では、横軸は時間を示しており、縦軸は加工中に発生する散乱光を電圧に換算した値である出力電圧を示している。
電圧信号49は、ある加工において加工監視部26により検出された出力電圧を示している。例えば、加工監視部26は、出力電圧が閾値をある一定時間超えた場合に加工不良が発生したと判定する。図7で示される例では、電圧信号49は、時刻t1で閾値を超えるが、時刻t2では閾値以下である。このように一時的に閾値を超えただけでは、加工監視部26は、加工不良が発生したと判定しない。電圧信号49は、時刻t3で閾値を再度超える。電圧信号49が時刻t3から時刻t4までのあらかじめ決められた時間より長い時間閾値を超えた場合のみ、加工監視部26は、加工不良が発生したと判定する。図7は一例であり、複数の閾値が設定されて、評価値が複数の閾値をもとに算出されてもよい。加工良否の判定基準は、レーザ加工システム1を使用するユーザによって異なる。閾値は、ユーザによって決定されてもよい。
加工判定部32が出力する加工不良の種類の例は、ガウジング、バーニング、ドロス、プラズマ及びバーストである。ガウジング、バーニング、バースト及びドロスは、加工ヘッド23に損傷を生じさせる可能性があるため、レーザ加工システム1をできるだけ早急に停止する必要がある。そのため、加工判定部32は、加工不良を検知し、加工不良を確実に判定する必要がある。加工判定部32は、機械学習を用いない検知手法又は画像処理を用いて、加工の良否、又は加工不良の種類を出力する。
加工判定部32が判定を行う際に使用する検知方法の例は、加工監視部26から得られる時系列信号についての閾値を用いる判定と時系列信号の継続時間を用いる判定とを行う方法である。閾値及び継続時間については、不良毎に数値が保持されてもよいし、全ての不良において共通であってもよい。上記以外の検知手法は、カメラを用いる画像認識により溶融物の有無を判定する方法、又は接触式センサによる溶融物の有無を判定する方法である。LiDARを用いて光を走査させて溶融物又は吹き上がりを検知する方法が行われてもよいし、イメージングセンサを用いて加工対象70の表面の形状を計測する方法が行われてもよい。放射温度計を用いて温度の残留時間を継続的に計測する方法が行われてもよい。複数のセンサが使用される場合、複数の判定結果が用いられてもよい。
機械安全ユニット部33は、推定部31が出力する推定結果と加工判定部32が出力する判定結果との両方に基づいて加工の停止又は継続を示す情報を制御装置35に出力する。機械安全ユニット部33は、加工判定部32によって得られる判定を基準に制御信号を出力する。機械安全ユニット部33は、加工判定部32によって得られる判定が不良判定である場合、推定部31によって得られる推定結果によらず、制御信号を制御装置35に出力する。
更に言うと、機械安全ユニット部33は、少なくともひとつの種類の加工不良についての判定結果に加工不良があると判定した場合、加工を停止する停止指令を決定する。しかし、加工判定部32によって得られる判定が良判定であって推定部31によって得られる推定結果が不良であった場合、機械安全ユニット部33は、加工判定部32に再判定を促してもよいし、加工判定部32に判定周期の変更を要求してもよい。
機械安全ユニット部33は、推定部31によって得られた推定結果と加工判定部32によって得られた判定結果との組合せをテーブルとして持ってもよいし、シーケンス制御を行ってもよい。機械安全ユニット部33は、少なくともひとつの種類の加工不良についての推定結果の良否の度合いがあらかじめ定められた基準に比べて不良となる場合、判定結果を決定することを加工判定部32に指示する指令である監視指令を決定する。
機械安全ユニット部33から出力される制御信号は、駆動部24の軸移動のモータへのエネルギーを遮断し、軸を停止させる信号であってもよいし、レーザ発振器21のビーム発振を停止させる信号であってもよい。駆動部24への信号は、発生している加工不良に対応して停止カテゴリ0又は停止カテゴリ1といった制御指令のカテゴリに分けられてもよい。停止カテゴリ0は無制御停止を意味し、停止カテゴリ1は制御停止を意味する。機械安全ユニット部33は、非常停止情報又はアラーム情報を出力してもよい。非常停止情報又はアラーム情報は、レーザ加工システム1を一時停止させてユーザに状況を確認することを促す情報であることが望ましい。機械安全ユニット部33は、加工判定部32に再判定を促してもよいし、加工判定部32の判定周期を変更してもよい。
上述のように、機械安全ユニット部33は、少なくともひとつの種類の加工不良についての推定結果の良否の度合いがあらかじめ定められた基準に比べて不良となる場合、判定結果を決定する時間間隔である判定周期をより短い周期へ変更することを加工判定部32に指示する指令である周期変更指令を決定してもよい。判定周期が短くなることで、加工判定部32は判定精度を向上させることができる。
機械安全ユニット部33は、安全用リモートI/O(Input/Output)装置によって実現されてもよいし、安全リレー回路によって実現されてもよいし、安全プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller)によって実現されてもよい。機械安全ユニット部33は、安全機能を有する数値制御装置(Numerical Controller)によって実現されてもよい。
制御部3は、機械安全ユニット部33を含む複数の機械安全ユニット部を有してもよい。機械安全ユニット部33は、制御装置35と制御信号の通信を常時行う必要がある。機械安全ユニット部33が設置される場所は、限定されない。機械安全ユニット部33は、レーザ発振器21に配置されてもよい。
補正加工条件決定部34は、推定部31によって得られる加工状態の推定結果に基づいて加工条件を補正するための補正量を決定し、補正量をもとに補正後加工条件を決定し、補正後加工条件を制御装置35に出力する。補正加工条件決定部34は、推定部31から出力された不良状態に基づき、不良を取り除くように加工パラメータと補正量とを決定してもよいし、良加工が継続している場合、良加工を維持させる加工パラメータと補正量とを決定してもよい。
補正加工条件決定部34は、加工不良を取り除く場合、推定された加工不良と、推定された加工不良を解消する優先度と、加工不良を取り除くための加工パラメータとを組にして、不良回避データとして保持する。補正加工条件決定部34は、加工不良を取り除くための加工パラメータと補正量とをルールベースのテーブルとして持ち、テーブルを使用してもよい。
更に言うと、補正加工条件決定部34は、加工不良の種類と、加工不良が発生した際に加工不良を回避するために補正する加工条件のパラメータである補正パラメータと、補正パラメータ毎の優先度とを組にしたデータを不良回避データとして保持し、推定結果と不良回避データとに基づいて補正後加工条件を決定し、補正後加工条件を用いた加工についての推定結果があらかじめ定められた基準より不良である場合、補正後加工条件を更に補正してもよい。この場合、レーザ加工システム1は、レーザ加工機2のマシンダウンへの影響が大きい加工不良が優先的に取り除かれるように加工条件を修正することができる。
複数の加工不良が同時に発生した場合に、複数の加工不良の解消に寄与する共通の加工パラメータがある場合、共通の加工パラメータの値のみが変更されてもよい。加工不良とは別に、物理モデルを用いた加工条件の補正が行われてもよい。例えば、レーザ光が光学部品に照射され、光学部品の温度が上昇すると温度が上昇した部分の密度及び屈折率が変化することで二つの部位について屈折率の差が生まれてレンズ作用が生じるような熱レンズ効果は、時間と焦点の遷移量とについてのモデルがあるため、補正式に使用されてもよい。新しい加工不良が追加された場合、追加された加工不良に対応するルールベースが追加されてもよい。
補正加工条件決定部34が推定部31によって得られる加工状態の推定結果に基づいて加工条件の適正な補正量をもとにする補正後加工条件を出力することが望ましい。加工条件は、決められた固定値をもとに補正されてもよい。例えば、レーザ出力が調整される場合、固定値が100ワットであると定められてレーザ出力が100ワット上がったり下がったりしてもよいし、固定値がパーセントで定められてレーザ出力が5パーセント上がったり下がったりしてもよい。固定値は、加工パラメータ毎に設定されてもよい。固定値は、ユーザによって指定されてもよい。
補正加工条件決定部34によって変更されるパラメータは、レーザ出力、加工ガスの圧力、加工速度、焦点位置、集光径、レーザのパルス周波数、パルスのデューティ比、加工ヘッド23の内部のズーム光学系の倍率、アダプティブオプティクス(A/O)の曲率変化、ノズルの種類、ノズルの径、加工対象70とノズルとの距離、レーザビームモードの距離、及び、加工制御のオンとオフとの切り替えの一部又は全部である。
補正加工条件決定部34は、加工条件に設定される加工パラメータのうち、補正後加工条件として出力する加工パラメータを選択してもよい。
制御装置35は、図示されていない構成要素により、通常加工時には、例えば、加工プログラムと設定された加工条件とにしたがって、レーザ光が加工対象70上の加工経路を走査するように、レーザ発振器21及び駆動部24のモータを制御する。制御装置35は、機械安全ユニット部33が出力する制御信号に基づいて、レーザ発振器21及び駆動部24の制御を行う。制御装置35は、加工条件が変更された場合、補正加工条件決定部34から出力された補正後加工条件をもとに制御を行う。
以上述べたように、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1は、加工を行い、その際に得られた加工信号を用いて、加工対象の状態推定と異常判定とを行う。レーザ加工システム1は、推定結果と監視結果とを使用し、加工の継続又は停止の判定と加工条件の補正とを行う。このため、レーザ加工システム1は、安全を確保しつつ、生産に適した条件で加工を継続することができる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム1Aの構成を示す図である。レーザ加工システム1Aは、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1が有するレーザ加工機2と、レーザ加工機2を制御する制御部3Aとを有する。実施の形態2では、実施の形態1との相違点を主に説明する。制御部3Aは、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34A、制御装置35、表示部36、入力部37及び制限部38Aを有する。補正加工条件決定部34Aは、実施の形態1の補正加工条件決定部34が有する機能を有する。
次に、レーザ加工システム1Aの動作を説明する。加工が開始されると、状態計測部25及び加工監視部26は、実施の形態1と同様に動作する。推定部31は、状態計測部25によって得られる情報に基づいて、加工対象70の状態を推定する。加工判定部32は、加工監視部26によって得られる情報に基づいて、加工対象70の表裏面に発生する異常についての判定を実施する。
制限部38Aは、加工裕度を記憶しており、加工裕度をもとに加工条件を修正する範囲を制限する制限範囲を設定する。加工裕度は、良加工が得られる加工条件の範囲である。加工裕度として示される良加工条件の範囲は、実際の加工結果に加え、装置の安定性と、製造工程の組立誤差が原因となって生じる加工への影響度とが考慮された範囲である。
図9は、加工裕度を示す図である。図9は、パラメータAとパラメータBとによって特定される加工裕度を示している。図9において、丸印は良加工であった加工条件を示しており、バツ印は不良加工であった加工条件を示している。三角印は、標準加工条件としてレーザ加工システム1Aに設定されている加工条件を示している。境界50は、パラメータAとパラメータBとによって規定される2次元の領域において、加工結果が良となる場合と不良となる場合との境界を示しており、領域60は、制限部38Aによって設定される制限範囲であって、加工裕度が反映された制限範囲である。
パラメータAのa1からa2までの範囲であってパラメータBのb1からb2までの範囲が、制限範囲として設定される。a2はa1より大きく、b2はb1より大きい。制限範囲は、加工への影響度を積み上げた値より広い。例えば、パラメータAが焦点であり、加工中に変動する熱レンズ現象を対象とした場合、熱レンズによる焦点の変動量が2ミリメートルであれば、a2からa1を引いた値が2ミリメートル以上であればよい。パラメータBも同様な基準で設定されていてもよいし、安全率のようにパーセントで規定されてもよい。
ユーザが使用される材料における加工裕度を所持していれば、ユーザは、所持している加工裕度を、入力部37を用いてレーザ加工システム1Aに入力してもよい。その場合、制限範囲は再設定される。補正加工条件決定部34Aは、制限部38Aに補正加工条件を出力する。
制御装置35は、補正加工条件が制限部38Aによって制限される範囲内の条件であれば補正加工条件決定部34Aが出力する加工条件を使用し、レーザ加工システム1Aは、加工を継続する。補正加工条件が制限範囲外の条件であれば、レーザ加工システム1Aは、加工を中止し、アラーム情報をユーザに通知してもよい。例えば、レーザ加工システム1Aは、アラーム情報をユーザに通知する場合、メールを用いる。制限範囲は、パラメータ毎に設定されていてもよいし、ユーザが最適化したいパラメータのみに設定されてもよい。レーザ加工システム1Aは、制限部38Aを有するので、補正された加工条件による加工不良を抑制することができる。
図10は、実施の形態2にかかるレーザ加工システム1Aの動作の手順を示すフローチャートである。実施の形態1と同様に、レーザ加工システム1Aは、加工用の加工条件を生成する(S11)。制御部3Aの補正加工条件決定部34Aが、加工条件を生成してもよい。生成される加工条件は、推定部31によって得られる加工状態の推定結果に基づいて決定されてもよい。生成される加工条件は、ユーザによって指定されてもよい。生成される加工条件は、制限部38Aが設定する制限範囲内の条件である必要がある。
次に、レーザ加工システム1Aは、生成された加工条件に基づいて加工を開始する(S12)。レーザ発振器21から出射されたレーザ光が加工対象70に照射され、検知開始の信号及び指令をもとに、状態計測部25は、加工対象70の状態の変化及び加工ヘッド23の内部の状態を検出する(S13)。図10では、ステップS13の動作は、「状態信号計測」という文言で表現されている。加工監視部26は、加工中の加工対象70の表裏面の状態の変化を検出する(S14)。図10では、ステップS14の動作は、「監視信号計測」という文言で表現されている。
推定部31は、状態計測部25で検出された結果に基づいて特徴量を抽出し、特徴量を使用して加工の良否を判定する(S15)。図10では、ステップS15の動作は、「状態判定」という文言で表現されている。加工判定部32は、加工監視部26で検出された結果に基づいて閾値による判定又は画像を用いる判定によって加工不良を検出する(S16)。図10では、ステップS16の動作は、「異常判定」という文言で表現されている。
機械安全ユニット部33は、推定部31によって得られた推定結果と加工判定部32によって得られた判定結果とをもとに、加工を継続するか否かを判断する(S17)。具体的には、推定部31によって良加工の推定結果が得られ、かつ加工判定部32によって不良なしの判定結果が得られた場合、機械安全ユニット部33は加工を継続すると判断する。機械安全ユニット部33は、加工判定部32から不良を示す異常判定が出力された場合、推定部31によって得られた結果に関係なく、加工を中止すると判断する。
機械安全ユニット部33は、加工を中止すると判断した場合(S17でNo)、アラームを出力する(S18)。更に言うと、機械安全ユニット部33は、補正加工条件決定部34Aによって決定された加工条件が制限部38Aによって設定された制限範囲の範囲外の条件である場合、レーザ加工を中断すると判断し、アラームを出力する。
機械安全ユニット部33がレーザ加工を中断すると判断した場合、レーザ加工システム1Aは、加工を一時的に中止する。レーザ加工システム1Aは、アラームが解消されたか否かを判断する(S19)。レーザ加工システム1Aは、アラームが解消されたと判断した場合(S19でYes)、ステップS11の動作を行う。アラームが解消されないとレーザ加工システム1Aによって判断された場合(S19でNo)、レーザ加工システム1Aの動作は終了する。
機械安全ユニット部33が加工を継続すると判断した場合(S17でYes)、つまり加工を継続させる制御信号が機械安全ユニット部33から出力された場合、補正加工条件決定部34Aは、推定部31によって得られた推定結果に対応する補正量を算出し、算出した補正量をもとに補正加工条件を算出し、補正加工条件を制限部38Aへ出力する(S20)。制限部38Aは、記憶している加工裕度、又はユーザが所有している加工裕度をもとに、補正加工条件が制限範囲内の条件であるか否かを判断する(S21)。
補正加工条件が制限範囲内の条件でないと制限部38Aによって判断された場合(S21でNo)、加工不良が発生するため、レーザ加工システム1AはステップS18の動作を行う。補正加工条件が制限範囲内の条件であると制限部38Aによって判断された場合(S21でYes)、制御装置35は加工条件を修正し(S22)、レーザ加工システム1Aは次の加工を実施する。
上述のように、実施の形態2にかかるレーザ加工システム1Aは、制限部38Aによって設定される制限範囲に基づいて加工条件を修正する。このため、レーザ加工システム1Aによれば、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1によって得られる効果と同様の効果が得られ、レーザ加工システム1Aはより安全に加工を実施することができる。すなわち、レーザ加工システム1Aは安定性を実現するシステムである。更に言うと、レーザ加工システム1Aは、制限部38Aを有するので、補正された加工条件による加工不良を抑制することができる。
なお、ユーザは、制限範囲を示す情報をレーザ加工システム1Aに入力することにより、制限範囲を変更してもよい。例えば、実加工が行われて不良が発生した場合、ユーザは、表示部36に表示される制限範囲を、入力部37を用いて変更してもよい。
補正加工条件決定部34Aが加工条件に設定される加工パラメータのうちの補正後加工条件として出力する加工パラメータを選択する場合、制限部38Aは、補正加工条件決定部34Aにより選択された加工パラメータにおいて制限範囲を設定してもよい。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3にかかるレーザ加工システム1Bの構成を示す図である。レーザ加工システム1Bは、実施の形態2にかかるレーザ加工システム1Aが有するレーザ加工機2と、レーザ加工機2を制御する制御部3Bとを有する。実施の形態3では、実施の形態2との相違点を主に説明する。制御部3Bは、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34B、制御装置35、表示部36、入力部37、制限部38B及び加工条件記憶部39Bを有する。
次に、レーザ加工システム1Bの動作を説明する。加工が開始されると、状態計測部25及び加工監視部26は、実施の形態2と同様に動作する。推定部31は、状態計測部25によって得られる情報に基づいて、加工対象70の状態を推定する。加工判定部32は、加工監視部26によって得られる情報に基づいて、加工対象70の表裏面に発生する異常についての判定を実施する。推定部31及び加工判定部32は、得られた結果を出力する場合、結果と加工条件とを紐づけて加工条件記憶部39Bに出力する。加工条件記憶部39Bは情報を記憶する機能を有しており、加工条件記憶部39Bの少なくとも一部は例えば半導体メモリによって実現される。加工条件記憶部39Bは、記憶した良加工及び不良加工の加工条件を制限部38Bに出力する。制限部38Bは、加工条件記憶部39Bから出力された加工条件をもとに、制限範囲を更新し、制限範囲を再設定する。
図12は、材料及び加工の状況により加工裕度が変化することを説明するための図である。加工が継続すると、加工対象70への蓄熱による加工対象70の状態の変化と加工ヘッド23の状態の変化との一方又は双方が生じ、加工対象70の状態の変化と加工ヘッド23の状態の変化との一方又は双方により、加工可能な領域が変化することがある。図12は、パラメータAとパラメータBとによって特定される加工裕度を示している。図12において、丸印は良加工であった加工条件を示しており、バツ印は不良加工であった加工条件を示している。三角印は、標準加工条件としてレーザ加工システム1Bに設定されている加工条件を示している。境界51は、変更後の加工結果が良好となる場合と不良となる場合との境界を示しており、領域61は、制限部38Bによって設定される制限範囲であって、変更後の境界51に対応している。
図12には、図9の境界50及び領域60も示されている。図9の場合と比べて、図12の場合での加工可能な領域は狭い。つまり、パラメータAのa3からa4までの範囲であってパラメータBのb3からb4までの範囲が制限範囲として設定される。a3は、a1より大きくa4より小さい。a4は、a2より小さい。b3は、b1より大きくb4より小さい。b4は、b2より小さい。このように、同じ条件で加工した際に加工結果が異なる場合、制限部38Bは制限範囲を更新してもよい。
図13は、実施の形態3にかかるレーザ加工システム1Bの動作の手順を示すフローチャートである。実施の形態2と同様に、レーザ加工システム1Bは、加工用の加工条件を生成する(S31)。制御部3Bの補正加工条件決定部34Bが、加工条件を生成してもよい。生成される加工条件は、推定部31によって得られる加工状態の推定結果に基づいて決定されてもよい。生成される加工条件は、制限部38Bが設定する制限範囲内の条件である必要がある。
次に、レーザ加工システム1Bは、ステップS31で生成された加工条件に基づいて加工を開始する(S32)。レーザ発振器21から出射されたレーザ光が加工対象70に照射され、加工開始の合図をもとに、状態計測部25は、加工対象70の状態の変化及び加工ヘッド23の内部の状態を検出する(S33)。図13では、ステップS33の動作は、「状態信号計測」という文言で表現されている。加工監視部26は、加工中の加工対象70の表裏面の状態の変化を検出する(S34)。図13では、ステップS34の動作は、「監視信号計測」という文言で表現されている。
推定部31は、状態計測部25で検出された結果に基づいて特徴量を抽出し、特徴量を使用して加工の良否を判定する(S35)。図13では、ステップS35の動作は、「状態推定」という文言で表現されている。加工判定部32は、加工監視部26で検出された結果に基づいて閾値による判定又は画像を用いる判定によって加工不良を検出する(S36)。図13では、ステップS36の動作は、「異常判定」という文言で表現されている。
加工の結果にかかわらず、加工条件記憶部39Bは、加工条件を推定結果と合わせて記憶し、加工条件を判定結果と合わせて記憶する(S37)。制限部38Bは、加工条件記憶部39Bに保存された情報を参照し、制限範囲を更新する(S38)。
機械安全ユニット部33は、推定部31によって得られた推定結果と加工判定部32によって得られた判定結果とをもとに、加工を継続するか否かを判断する(S39)。具体的には、推定部31によって良加工の推定結果が得られて加工判定部32によって不良なしの判定結果が得られた場合、機械安全ユニット部33は加工を継続すると判断する。加工判定部32から不良を示す異常判定が出力された場合、推定部31によって得られた結果に関係なく、機械安全ユニット部33は加工を中止すると判断する。
機械安全ユニット部33は、加工を中止すると判断した場合(S39でNo)、アラームを出力する(S40)。更に言うと、機械安全ユニット部33は、補正加工条件決定部34Bによって決定された補正後加工条件が制限部38Bによって設定された制限範囲の範囲外の条件である場合、レーザ加工を中断すると判断し、アラームを出力する。
機械安全ユニット部33がレーザ加工を中断すると判断した場合、レーザ加工システム1Bは、加工を一時的に中止する。レーザ加工システム1Bは、アラームが解消されたか否かを判断する(S41)。レーザ加工システム1Bは、アラームが解消されたと判断した場合(S41でYes)、ステップS32の動作を行う。アラームが解消されないとレーザ加工システム1Bによって判断された場合(S41でNo)、レーザ加工システム1Bの動作は終了する。
機械安全ユニット部33が加工を継続すると判断した場合(S39でYes)、つまり加工を継続させる制御信号が機械安全ユニット部33から出力された場合、補正加工条件決定部34Bは、推定部31によって得られた推定結果に対応する補正量を算出し、算出した補正量をもとに補正加工条件を算出し、補正加工条件を制限部38Bへ出力する(S42)。制限部38Bは、補正加工条件決定部34Bから出力された補正加工条件が更新された制限範囲内の条件であるか否かを判断する(S43)。
補正加工条件が制限範囲内の条件でないと制限部38Bによって判断された場合(S43でNo)、加工不良が発生するため、レーザ加工システム1BはステップS40の動作を行う。補正加工条件が制限範囲内の条件であると制限部38Bによって判断された場合(S43でYes)、制御装置35は加工条件を修正し(S44)、レーザ加工システム1Bは次の加工を実施する。
上述のように、実施の形態3にかかるレーザ加工システム1Bは、加工対象70の状態又はバラつきによって加工裕度が変化しても安定性を実現することができる。
上述のように、推定部31は、良否の推定結果と同時に、良加工条件と不良加工条件とを加工条件記憶部39Bに出力する。加工判定部32は、良否の判定結果と同時に、良加工条件と不良加工条件とを加工条件記憶部39Bに出力する。加工条件記憶部39Bは、推定部31から出力された推定結果、良加工条件及び不良加工条件を受け取り、推定結果を良加工条件及び不良加工条件と対応付けて加工結果のデータとして記憶する。加工条件記憶部39Bは、加工判定部32から出力された判定結果、良加工条件及び不良加工条件を受け取り、判定結果を良加工条件及び不良加工条件と対応付けて加工結果のデータとして記憶する。
加工条件記憶部39Bは、制限部38Bへ条件修正時の数値範囲を出力する。加工条件記憶部39Bは、加工判定部32によって得られた判定結果と推定部31によって得られた推定結果とのいずれもが良となる加工条件を良加工条件として記憶し、加工判定部32によって得られた判定結果が否となる加工条件を不良加工条件として記憶する。加工条件記憶部39Bは、判定結果及び推定結果があらかじめ定められた基準より良となる加工条件を良加工条件として記憶すると共に、判定結果及び推定結果があらかじめ定められた基準より不良となる加工条件を不良加工条件として記憶してもよい。
加工条件記憶部39Bによって記憶されるパラメータは、レーザ出力、加工ガスの圧力、加工速度、焦点位置、集光径、レーザのパルス周波数、パルスのデューティ比、加工ヘッド23の内部のズーム光学系の倍率、アダプティブオプティクスの曲率変化、ノズルの種類、ノズルの径、加工対象70とノズルとの距離、レーザビームモードの距離、及び、加工制御のオンとオフとの切り替えの一部又は全部である。
加工条件記憶部39Bは、上述のパラメータ以外のパラメータを記憶してもよい。加工条件記憶部39Bによって記憶されるパラメータは、レーザ加工において設定可能なパラメータであれば制限されない。加工条件記憶部39Bは、加工条件の設計情報、過去の条件開発で使用された加工裕度情報、レーザ発振器21の出力安定性、又は加工ヘッド23の冷却能力といった数値をテーブルにして記憶してもよい。
制限部38Bは、加工条件記憶部39Bに記憶された良加工条件及び不良加工条件に基づいて、制限範囲を再決定する。制限部38Bは、加工条件記憶部39Bに保存された結果を参照して制限範囲を更新すること以外は実施の形態2の制限部38Aと同様に動作する。
加工可能な領域は、例えば加工対象70の表面状態によって狭くなったり広がったりする。そのため、ユーザが制限部38Bで設定される加工パラメータの数値範囲を更新してもよい。つまり、ユーザは、加工パラメータの数値範囲を広げてもよいし狭めてもよい。ユーザは、数値範囲を状況に対応して自動的に変動する範囲に設定してもよい。数値範囲は、設定された回数分の加工が行われた後の加工記録データをもとに更新されてもよいし、加工毎に加工記録データを参照して更新されてもよい。
上述のように、実施の形態3にかかるレーザ加工システム1Bは、制限部38Bによって設定される制限範囲に基づいて加工条件を修正する。このため、レーザ加工システム1Bによれば、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1及び実施の形態2にかかるレーザ加工システム1Aによって得られる効果と同様の効果が得られる。加えて、レーザ加工システム1Bは、より短い時間で目的に合った加工を適切に実施することができる。
図14は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1の制御部3が有する推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくとも一部がプロセッサ91によって実現される場合のプロセッサ91を示す図である。つまり、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくとも一部の機能は、メモリ92に格納されるプログラムを実行するプロセッサ91によって実現されてもよい。プロセッサ91は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図14には、メモリ92も示されている。
推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくともの一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、当該少なくともの一部の機能は、プロセッサ91と、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせとにより実現される。ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ92に格納される。プロセッサ91は、メモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくとも一部の機能を実現する。
推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくとも一部の機能がプロセッサ91によって実現される場合、レーザ加工システム1は、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37によって実行されるステップの少なくとも一部が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を有する。メモリ92に格納されるプログラムは、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37が実行する手順又は方法の少なくとも一部をコンピュータに実行させるものであるともいえる。
メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク又はDVD(Digital Versatile Disk)等である。
図15は、実施の形態1にかかるレーザ加工システム1の制御部3が有する推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくとも一部が処理回路93によって実現される場合の処理回路93を示す図である。つまり、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の少なくとも一部は、処理回路93によって実現されてもよい。
処理回路93は、専用のハードウェアである。処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものである。
推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の一部は、残部と別個の専用のハードウェアによって実現されてもよい。
推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の複数の機能について、当該複数の機能の一部がソフトウェア又はファームウェアで実現され、当該複数の機能の残部が専用のハードウェアで実現されてもよい。このように、推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34、制御装置35、表示部36及び入力部37の複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって実現することができる。
実施の形態1にかかるレーザ加工システム1のレーザ加工機2が有する駆動部24、状態計測部25及び加工監視部26の少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリはメモリ92と同様のメモリであり、当該プロセッサはプロセッサ91と同様のプロセッサである。駆動部24、状態計測部25及び加工監視部26の少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
実施の形態2にかかるレーザ加工システム1Aの制御部3Aが有する推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34A、制御装置35、表示部36、入力部37及び制限部38Aの少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリはメモリ92と同様のメモリであり、当該プロセッサはプロセッサ91と同様のプロセッサである。制御部3Aが有する推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34A、制御装置35、表示部36、入力部37及び制限部38Aの少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
実施の形態3にかかるレーザ加工システム1Bの制御部3Bが有する推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34B、制御装置35、表示部36、入力部37、制限部38B及び加工条件記憶部39Bの少なくとも一部の機能は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサによって実現されてもよい。当該メモリはメモリ92と同様のメモリであり、当該プロセッサはプロセッサ91と同様のプロセッサである。制御部3Bが有する推定部31、加工判定部32、機械安全ユニット部33、補正加工条件決定部34B、制御装置35、表示部36、入力部37、制限部38B及び加工条件記憶部39Bの少なくとも一部は、処理回路によって実現されてもよい。当該処理回路は、処理回路93と同様の処理回路である。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略又は変更することも可能である。
1,1A,1B レーザ加工システム、2 レーザ加工機、3,3A,3B 制御部、21 レーザ発振器、22 光路、23 加工ヘッド、24 駆動部、25 状態計測部、26 加工監視部、31 推定部、32 加工判定部、33 機械安全ユニット部、34,34A,34B 補正加工条件決定部、35 制御装置、36 表示部、37 入力部、38A,38B 制限部、39B 加工条件記憶部、44 学習部、45 データ取得部、46 モデル生成部、47 学習済モデル記憶部、70 加工対象、91 プロセッサ、92 メモリ、93 処理回路。

Claims (11)

  1. レーザ発振器から出射された光を集めて加工対象に照射する加工ヘッドと前記加工対象との相対位置を変更する駆動部と、
    前記駆動部及び前記レーザ発振器への動作指令を、制御信号とレーザ加工についてのパラメータ及び数値を指示する加工条件とに基づいて決定する制御装置と、
    レーザ加工が行われている場合の前記加工ヘッドの内部の状態又は前記加工対象の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する状態計測部と、
    前記加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定した前記レーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する推定部と、
    前記加工対象の前記加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する加工監視部と、
    前記監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の前記加工不良の有無を判定し、前記レーザ加工の良否を判定結果として決定する加工判定部と、
    前記推定結果と前記判定結果とに基づいて、前記レーザ加工の停止又は継続を指示する前記制御信号を出力する機械安全ユニット部とを備え、
    前記機械安全ユニット部は、少なくともひとつの種類の前記加工不良についての前記推定結果の前記良否の度合いがあらかじめ定められた基準に比べて不良となる場合、前記判定結果を決定することを前記加工判定部に指示する指令である監視指令を決定する
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  2. 前記機械安全ユニット部は、少なくともひとつの種類の前記加工不良についての前記判定結果に加工不良があると判定した場合、加工を停止する停止指令を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工システム。
  3. レーザ発振器から出射された光を集めて加工対象に照射する加工ヘッドと前記加工対象との相対位置を変更する駆動部と、
    前記駆動部及び前記レーザ発振器への動作指令を、制御信号とレーザ加工についてのパラメータ及び数値を指示する加工条件とに基づいて決定する制御装置と、
    レーザ加工が行われている場合の前記加工ヘッドの内部の状態又は前記加工対象の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する状態計測部と、
    前記加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定した前記レーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する推定部と、
    前記加工対象の前記加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する加工監視部と、
    前記監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の前記加工不良の有無を判定し、前記レーザ加工の良否を判定結果として決定する加工判定部と、
    前記推定結果と前記判定結果とに基づいて、前記レーザ加工の停止又は継続を指示する前記制御信号を出力する機械安全ユニット部とを備え、
    前記機械安全ユニット部は、少なくともひとつの種類の前記加工不良についての前記推定結果の前記良否の度合いがあらかじめ定められた基準に比べて不良となる場合、前記判定結果を決定する時間間隔である判定周期をより短い周期へ変更することを前記加工判定部に指示する指令である周期変更指令を決定する
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  4. 前記推定結果に基づいて前記加工条件を補正して補正後加工条件を決定する補正加工条件決定部と、
    前記加工条件を修正する範囲を制限する制限範囲を設定する制限部とを更に備え、
    前記機械安全ユニット部は、前記補正加工条件決定部によって決定された前記補正後加工条件が前記制限部によって設定された制限範囲の範囲外の条件である場合、前記レーザ加工を中断すると判断する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のレーザ加工システム。
  5. 前記判定結果及び前記推定結果があらかじめ定められた基準より良となる前記加工条件を良加工条件として記憶すると共に、前記判定結果及び前記推定結果があらかじめ定められた基準より不良となる前記加工条件を不良加工条件として記憶する加工条件記憶部を更に備え、
    前記制限部は、前記加工条件記憶部に記憶された前記良加工条件及び前記不良加工条件に基づいて、前記制限範囲を再決定する
    ことを特徴とする請求項4に記載のレーザ加工システム。
  6. レーザ発振器から出射された光を集めて加工対象に照射する加工ヘッドと前記加工対象との相対位置を変更する駆動部と、
    前記駆動部及び前記レーザ発振器への動作指令を、制御信号とレーザ加工についてのパラメータ及び数値を指示する加工条件とに基づいて決定する制御装置と、
    レーザ加工が行われている場合の前記加工ヘッドの内部の状態又は前記加工対象の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する状態計測部と、
    前記加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定した前記レーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する推定部と、
    前記加工対象の前記加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する加工監視部と、
    前記監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の前記加工不良の有無を判定し、前記レーザ加工の良否を判定結果として決定する加工判定部と、
    前記推定結果と前記判定結果とに基づいて、前記レーザ加工の停止又は継続を指示する前記制御信号を出力する機械安全ユニット部と、
    前記推定結果に基づいて前記加工条件を補正して補正後加工条件を決定する補正加工条件決定部と、
    前記加工条件を修正する範囲を制限する制限範囲を設定する制限部とを備え、
    前記機械安全ユニット部は、前記補正加工条件決定部によって決定された前記補正後加工条件が前記制限部によって設定された制限範囲の範囲外の条件である場合、前記レーザ加工を中断すると判断し、
    前記補正加工条件決定部は、前記加工不良の種類と、前記加工不良が発生した際に前記加工不良を回避するために補正する前記加工条件のパラメータである補正パラメータと、前記補正パラメータ毎の優先度とを組にしたデータを不良回避データとして保持し、前記推定結果と前記不良回避データとに基づいて前記補正後加工条件を決定し、前記補正後加工条件を用いた加工についての前記推定結果があらかじめ定められた基準より不良である場合、前記補正後加工条件を更に補正する
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  7. 前記補正加工条件決定部は、前記加工条件に設定される加工パラメータのうち、前記補正後加工条件として出力する前記加工パラメータを選択する
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のレーザ加工システム。
  8. 前記補正加工条件決定部は、前記加工条件に設定される加工パラメータのうち、前記補正後加工条件として出力する前記加工パラメータを選択する
    ことを特徴とする請求項6に記載のレーザ加工システム。
  9. 前記制限部は、前記補正加工条件決定部により選択された前記加工パラメータにおいて前記制限範囲を設定する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載のレーザ加工システム。
  10. レーザ発振器から出射された光を集めて加工対象に照射する加工ヘッドと前記加工対象との相対位置を変更する駆動部と、
    前記駆動部及び前記レーザ発振器への動作指令を、制御信号とレーザ加工についてのパラメータ及び数値を指示する加工条件とに基づいて決定する制御装置と、
    レーザ加工が行われている場合の前記加工ヘッドの内部の状態又は前記加工対象の状態変化を観測し、観測した結果を加工状態信号として出力する状態計測部と、
    前記加工状態信号に基づいて、少なくとも1種類以上の加工不良について加工不良毎に推定した前記レーザ加工の良否の度合いを推定結果として決定する推定部と、
    前記加工対象の前記加工不良の有無を監視し、監視した結果を監視信号として出力する加工監視部と、
    前記監視信号に基づいて、少なくとも1種類以上の前記加工不良の有無を判定し、前記レーザ加工の良否を判定結果として決定する加工判定部と、
    前記推定結果と前記判定結果とに基づいて、前記レーザ加工の停止又は継続を指示する前記制御信号を出力する機械安全ユニット部とを備え、
    前記推定部は、前記加工状態信号と前記加工対象の良及び不良を示す教師ラベルとを含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて前記レーザ加工の良否の度合いを推定するための学習済みモデルを生成するモデル生成部とを有する
    ことを特徴とするレーザ加工システム。
  11. 前記状態計測部は、音響センサ、光センサ、加速度センサ及び温度センサのうちの少なくともいずれかひとつを含み、
    前記加工監視部は、音響センサ、光センサ、カメラ、振動センサ及び距離センサのうちの少なくともいずれかひとつを含む
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のレーザ加工システム。
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