JP6854677B2 - 超音波探触子、超音波探傷装置、及び超音波探傷方法 - Google Patents

超音波探触子、超音波探傷装置、及び超音波探傷方法 Download PDF

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Description

本開示は、超音波探触子、超音波探傷装置、及び超音波探傷方法に関する。
溶接部分など部材の接合部分の状態を超音波探傷にて検査するための幾つかの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、容器に円形の穴を開けてノズルを溶接により接合した場合に、溶接部分に対して超音波探傷を行なうための検査方法及び装置が示されている。
特開平8−271675号公報
径が異なる2つの配管を接合する方法として、これら2つの配管の間にテーパ形状を有する配管を挿入して接合する方法がある。特に、このようなテーパ形状を有する配管は、外周面のうちテーパの付けられていない直線部を有する端部を備え、この端部で配管の接合を行なう方法がある。
この方法で接合された配管の接合部分全体を超音波探傷するために、テーパ部(外周面のうちテーパが付けられている部分)に超音波探触子を移動させ、さらに、直線部に超音波探触子を移動させて超音波で接合部分を走査する場合がある。
しかしながら、この場合、テーパ部に超音波探触子を設置して移動させた後に、直線部に超音波探触子を設置し直す必要がある点で、超音波探傷に時間を要する。また、特許文献1には、テーパ部から超音波を入力して超音波探傷を行なうことについては記載されていない。
また、外周面にテーパ部を有する配管の形状にも様々なものがある。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態は上述の問題点に鑑みなされたものであり、外周面にテーパ部を有する様々な形状の配管に対して、その接合部分全体をより短時間で探傷することができる超音波探触子、超音波探傷装置、及び超音波探傷方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探触子は、配管と前記配管の端面に設けられた溶接部との境界を超音波探傷するための超音波探触子であって、前記配管の外周面における前記境界に連なる直線部に配置され、前記境界のうち第1領域を超音波探傷する第1アレイと、前記配管の外周面における前記直線部に連なるテーパ部であって、前記境界から離間するにつれて前記配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置され、前記境界のうち前記第1領域とは異なる第2領域を超音波探傷する第2アレイと、を備え、前記第2アレイは、前記第2領域に対するセクタスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷するように構成される。
上記(1)の構成によれば、第1アレイは、配管の外周面における境界に連なる直線部に配置される。そして、この第1アレイは境界のうち第1領域を超音波探傷する。また、第2アレイは、配管の外周面における直線部に連なるテーパ部であって、境界から離間するにつれて配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置される。そして、この第2アレイは、境界のうち第1領域とは異なる第2領域を超音波探傷する。このように、配管の外周面における直線部とテーパ部とに跨って超音波探触子を設置することができるため、超音波探触子をテーパ部に設置した後に、直線部に設置し直す必要はなく、より短時間で超音波探傷を行なうことができる。
また、直線部に配置される第1アレイから超音波を発信して第1領域を超音波探傷し、テーパ部に配置される第2アレイから超音波を発信して第2領域を超音波探傷するので、配管と溶接部との境界全体を超音波探傷することができる。
配管と溶接部との境界を超音波探傷する方法として、例えば、セクタスキャンと呼ばれる方法がある。セクタスキャンは、複数の振動子のそれぞれを振動させるタイミングを調整することで生成された扇形の超音波ビームによって超音波探傷を行なう方法である。上記(1)の構成によれば、第2アレイは、第2領域に対するセクタスキャンの実行によって、第2領域を超音波探傷するように構成される。このため、第2領域に対してセクタスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管と溶接部との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記第1アレイは、前記第1領域に対するセクタスキャンの実行によって、前記第1領域を超音波探傷するように構成される。
上記(2)の構成によれば、第1領域に対してセクタスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管と溶接部との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記第1アレイは、前記第1領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第1領域を超音波探傷するように構成される。
配管と溶接部との境界を超音波探傷する方法として、例えば、タンデムスキャンと呼ばれる方法がある。タンデムスキャンは、超音波を発信する振動子(送信用振動子)と超音波を受信する振動子(受信用振動子)とを別々に設け、送信用振動子、受信用振動子それぞれの位置を変えながら超音波探傷を行なう方法である。上記(3)の構成によれば、第1アレイは、第1領域に対するタンデムスキャンの実行によって、第1領域を超音波探傷するように構成される。このため、第1領域に対してタンデムスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管と溶接部との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記第2アレイは、前記第2領域に対する前記セクタスキャンの実行に加えて、前記第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷するように構成される。
上記(4)の構成によれば、第2アレイによって第2領域に対してタンデムスキャンとセクタスキャンとの両方が実行されるので、第2領域の探傷結果の評価精度を向上させることができる。特に、損傷か境界エコーかの識別性を向上させることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記第1アレイは、前記第1領域に対する前記タンデムスキャンの実行に加えて、前記第1領域に対するセクタスキャンの実行によって、前記第1領域を超音波探傷するように構成される。
上記(5)の構成によれば、第1アレイによって第1領域に対してタンデムスキャンとセクタスキャンとの両方が実行されるので、第1領域の探傷結果の評価精度を向上させることができる。特に、損傷か境界エコーかの識別性を向上させることができる。
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探触子は、配管と前記配管の端面に設けられた溶接部との境界を超音波探傷するための超音波探触子であって、前記配管の外周面における前記境界に連なる直線部に配置される第1アレイと、前記配管の外周面における前記直線部に連なるテーパ部であって、前記境界から離間するにつれて前記配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置される第2アレイと、を備え、前記第1アレイから発信された第1超音波が、前記境界のうち第1領域によって反射された後に、前記第2アレイで受信されることで、前記第1領域を超音波探傷し、前記第2アレイは、前記境界のうち前記第1領域とは異なる第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷するように構成される。
上記(6)の構成によれば、第1アレイは、配管の外周面における境界に連なる直線部に配置される。第2アレイは、配管の外周面における直線部に連なるテーパ部であって、境界から離間するにつれて配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置される。このように、配管の外周面における直線部とテーパ部とに跨って超音波探触子を設置することができるため、超音波探触子をテーパ部に設置した後に、直線部に設置し直す必要はなく、より短時間で超音波探傷を行なうことができる。
また、第1アレイから発信された第1超音波が、第1領域によって反射された後に、第2アレイで受信されることで、第1領域を超音波探傷し、第2アレイは第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、第2領域を超音波探傷するので、配管と溶接部との境界全体を超音波探傷することができる。また、このような超音波探傷を行うのに適した配管と溶接部との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)の何れかに記載の一構成において、前記第1アレイから発信された第1超音波の進行方向と、前記第1超音波が入射した前記配管の入射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が30度以上55度以下であり、且つ前記第1超音波が前記配管に入射した第1入射波の進行方向と前記第1入射波を反射する前記第1領域の反射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が35度以上となるように構成される。
本発明者らの知見によれば、図6Aに示すように、往復透過率は、第1超音波の入射角度が0度から大きくなるにつれ増加するが、第1超音波の入射角度が28度附近では往復透過率は0となり、その後急激に増加し、第1超音波の入射角度が32度附近でピークとなる。そして、往復透過率はピークを超えると、第1超音波の入射角度が大きくなるにつれて減少し、第1超音波の入射角度が55度より大きくなると急激に減少して、58度付近では0となる。また、図6Bに示すように、反射率は、第1入射波の入射角度が0度から大きくなるにつれ減少し、第1入射波の入射角度が30度附近では反射率が最も小さくなり、その後急激に増加し、第1入射波の入射角度が32度附近でピークとなる。
上記(7)の構成によれば、第1アレイから発信された第1超音波は、第1超音波の入射角度が30度以上55数値度以下で配管内に入射するので、第1アレイから配管に入射した際の第1超音波の往復透過率は比較的高い。また、第1入射波は、第1入射波の入射角度が35度以上で第1領域に入射するので、配管内の第1領域と反射した際の第1入射波の反射率は比較的高い。このため、第1アレイによって第1領域を精度良く超音波探傷することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)から(7)の何れかに記載の一構成において、前記第2アレイから発信された第2超音波の進行方向と、前記第2超音波が入射した前記配管の入射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が30度以上55度以下であり、且つ前記第2超音波が前記配管に入射した第2入射波の進行方向と前記第2入射波を反射する前記第2領域の反射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が35度以上となるように構成される。
上記(8)の構成によれば、第2アレイから発信された第2超音波は、第2超音波の入射角度が30度以上55度以下で配管内に入射するので、第2アレイから配管に入射した際の第2超音波の往復透過率は比較的高い。また、第2入射波は、第2入射波の入射角度が35度以上で第2領域に入射するので、配管内の第2領域と反射した際の第2入射波の反射率は比較的高い。このため、第2アレイによって第2領域を精度良く超音波探傷することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)から(8)の何れかに記載の一構成において、前記第1アレイは、前記第2アレイよりも振動子間の隙間が小さくなるように構成される。
第1アレイでは、第2アレイよりも伝播経路が短い超音波を受信する場合が多い。このため、上記(9)の構成によれば、第1アレイは、第2アレイよりも大きい周波数で第1領域を超音波探傷することができる。また、第2アレイは、第1アレイよりも超音波の減衰による影響を低減させて第2領域を超音波探傷することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)から(9)の何れかに記載の一構成において、前記第1アレイと前記第2アレイとを角度可変に接続する接続部をさらに備える。
上記(10)の構成によれば、第1アレイ及び第2アレイの両方が、配管の外周面に接した状態で超音波探傷を行なうことができる。このため、第1アレイ及び第2アレイの両方とも、超音波を発信した際に配管の外周面での反射が比較的少なくて済む。よって、超音波探触子は、超音波探傷を高精度に行なうことができる。
また、第1アレイと第2アレイとの角度が可変であることで、超音波探触子は様々なテーパ角度の配管の超音波探傷を高精度に行なうことができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)から(10)の何れかに記載の一構成において、前記第1アレイと前記第2アレイは角度固定に接続されており、前記超音波探触子は、前記第1アレイと前記直線部との隙間、又は前記第2アレイと前記テーパ部との隙間、を埋めるスペーサをさらに備える。
上記(11)の構成によれば、超音波探触子は、第1アレイと第2アレイとを角度可変に接続する仕組みを備える必要がないため、超音波探触子の構造を簡単にすることができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷装置は、上記(1)から(11)の何れかに記載の一構成の超音波探触子を備える。
上記(12)に構成によれば、従来の超音波探傷装置よりも短時間で、配管と溶接部との境界全体を探傷することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の構成において、前記超音波探触子を前記配管の周方向に移動させる移動機構をさらに備える。
上記(13)の構成によれば、配管と溶接部との境界を周方向に走査することができる。このため、配管と溶接部との境界全体に対して超音波探傷を行なうことができる。
(14)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、上記(1)から(5)の何れか一つに記載の超音波探触子を用いた超音波探傷方法であって、前記第2アレイによって、前記第2領域に対してセクタスキャンを実行することで、前記第2領域を超音波探傷する第2領域探傷ステップを備える。
上記(14)の方法によれば、第2領域探傷ステップにおいて、第2アレイは、第2領域に対するセクタスキャンの実行によって、第2領域を超音波探傷する。このため、第2領域に対してセクタスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管と溶接部との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
(15)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、上記(6)に記載の超音波探触子を用いた超音波探傷方法であって、前記第1アレイから発信された第1超音波が、前記境界のうち第1領域によって反射された後に、前記第2アレイで受信されることで、前記第1領域を超音波探傷する第1領域探傷ステップと、前記第2アレイによる、前記第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷する第2領域探傷ステップと、を備える。
上記(15)の方法によれば、第1領域探傷ステップにおいて、第1アレイから発信された第1超音波が、第1領域によって反射された後に、第2アレイで受信されることで、第1領域を超音波探傷する。また、第2領域探傷ステップにおいて、第2アレイは第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、第2領域を超音波探傷する。このため、このような超音波探傷を行うのに適した配管と溶接部との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、外周面にテーパ部を有する様々な形状の配管に対して、その接合部分(境界)全体をより短時間で探傷することができる超音波探触子、超音波探傷装置、及び超音波探傷方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置によって超音波探傷が行なわれる配管の外形の例を示す概略外形図である。 外周面にテーパ構造を有する配管と溶接部との境界を拡大して示す断面図である。 外周面にテーパ構造を有する配管と溶接部との境界を拡大して示す断面図である。 外周面にテーパ構造を有する配管と溶接部との境界を拡大して示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Aに示した配管に対して配置した場合を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Bに示した配管に対して配置した場合を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Cに示した配管に対して配置した場合を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Bに示した配管に対して配置した場合を示す図である。 本発明の一実施形態に係る第1アレイから超音波が発信されている状態を示す拡大図である。 本発明の一実施形態に係る第2アレイから超音波が発信されている状態を示す拡大図である。 屈折角度と往復透過率との関係を示す図である。 入射角度と反射率との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Bに示した配管に対して配置した場合を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探触子の移動方向の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る表示部による超音波探傷の結果の表示の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
本発明の一実施形態にかかる超音波探触子は、例えば後述する図3A〜図3Cに示すような、外周面にテーパ構造を有する配管の溶接部を超音波探傷するためのものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
図1に示すように、超音波探傷装置1は、超音波探触子100と、処理装置200とを備える。超音波探触子100は、第1アレイ110と、第2アレイ120と、移動機構130とを備える。第1アレイ110は、複数の第1アレイ用振動子111を備える。第2アレイ120は、複数の第2アレイ用振動子121を備える。処理装置200は、信号入出力部210と、表示部220と、操作入力部230と、記憶部280と、制御部290とを備える。超音波探触子100は、さらに後述する接続部140を備える。
超音波探傷装置1は、テーパ(Taper)形状を有する配管の溶接部に対して超音波探傷を行なう。超音波探触子100は、超音波の入出力を行なう。具体的には、超音波探触子100は、探傷対象に超音波を発し、反射した超音波を検出する。
第1アレイ110は、配管の外周面における境界に連なる直線部に配置されて、配管と配管の端面に設けられた溶接部との境界のうち第1領域を超音波探傷する。
ここで、直線部は、配管の外周面のうちテーパを付けられていない部分である。また、本開示における第1領域は、配管と溶接部との境界を2つに分けた各領域のうち配管の外周面側の領域である。また、第2領域は、配管と溶接部との境界を2つに分けた各領域のうち第1領域以外の領域である。従って、第2領域は、配管と溶接部との境界を2つに分けた各領域のうち、第1領域よりも内側(配管の中心側)の領域である。後述するように、第2アレイ120によって第2領域を超音波探傷する。
第2アレイ120は、配管の外周面における直線部に連なるテーパ部であって、境界から離間するにつれて配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置されて、配管と配管の端面に設けられた溶接部との境界のうち第2領域を超音波探傷する。上述したように、第2領域は、配管と溶接部との境界における第1領域よりも内側の領域である。ここで、テーパ部は、配管の外周面のうちテーパを付けられている部分である。
配管と溶接部との境界を超音波探傷する方法として、例えば、セクタスキャンと呼ばれる方法がある。セクタスキャンは、複数の振動子のそれぞれを振動させるタイミングを調整することで生成された扇形の超音波ビームによって超音波探傷を行なう方法である。
第2アレイ用振動子121の各々は、制御部290の制御に従って、超音波を発信し、また、超音波を受信する。このため、第2アレイ用振動子121の各々が所定のタイミング及び強度で超音波を発信することで、第2アレイ120は第2領域に対してセクタスキャンを実行することができる。
尚、第2アレイ120が備える第2アレイ用振動子121の数は、セクタスキャン及び後述するタンデムスキャンを実行可能な数であればよい。
移動機構130は、制御部290の制御に従って、超音波探触子100を配管の周方向に移動させる。これにより、超音波探傷装置1は、配管と溶接部との境界を周方向に走査することができる。移動機構130は、例えば1ミリメートル(mm)毎など、所定の走査間隔毎に超音波探触子100を移動させる。そして、超音波探傷装置1は、移動機構130が超音波探触子100を移動させる毎に超音波探傷を行なう。
処理装置200、第1アレイ用振動子111の各々、及び、第2アレイ用振動子121の各々を制御して超音波を発信させる。また、処理装置200は、第1アレイ用振動子111の各々、及び、第2アレイ用振動子121の各々が受信した超音波を解析する。処理装置200は、例えばコンピュータを用いて構成される。
信号入出力部210は、超音波探触子100との間で信号のやり取りを行なう。特に、信号入出力部210は、超音波の出力を指示する信号を制御部290から取得して超音波探触子100へ出力する。また、信号入出力部210は、超音波探触子100による超音波受信結果を示す信号を超音波探触子100から取得して制御部290へ出力する。
表示部220は、例えば液晶パネル等の表示画面を備え、各種画像を表示する。特に、表示部220は、超音波探触子100による超音波受信結果(すなわち、超音波探探傷の結果)を示す画像を、制御部290の制御に従って表示する。具体的には、表示部220は、第1アレイ110による超音波探傷の結果を示す画像と第2アレイ120による超音波探傷の結果を示す画像とをつなぎ合わせた1つの画像を表示する。
操作入力部230は、例えば押ボタン等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受ける。例えば、操作入力部230は超音波探傷開始を指示するユーザ操作を受ける。操作入力部230は、受けたユーザ操作を示す信号を制御部290へ出力する。
記憶部280は、処理装置200が備える記憶デバイスを用いて構成され、各種情報を記憶する。
制御部290は、処理装置200の各部を制御して各種処理を実行する。制御部290は、例えば処理装置200が備えるCPU(Central Processing Unit)が記憶部280からプログラムを読み出して実行することで構成される。
図2は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷装置によって超音波探傷が行なわれる配管の外形の例を示す概略外形図である。
図2に示すように、第1配管910と第2配管920とが溶接部930にて溶接されている。第2配管920の外周面には、直線部921とテーパ部922とが含まれている。第2配管920の端部は、その外周面に直線部921を含む。そして、この端部が溶接部930に接している。また、軸線L11は第2配管920の軸線である。
ここで、直線部921は、第2配管920の外周面のうち軸線L11に対して平行な部分である。テーパ部922は、第2配管920の外周面のうち、第2配管920と溶接部930との境界から離間するにつれて第2配管920の軸線L11との距離が近くなる部分である。第2配管920は配管(テーパ形状を有する配管)の例に該当する。
超音波探傷装置1は、第2配管920と溶接部930との境界面を超音波探傷する。
図3A〜図3Cは、外周面にテーパ構造を有する配管と溶接部との境界を拡大して示す断面図である。
図3A〜図3Cに示すように、配管920のそれぞれは、溶接部930との境界A付近の配管920形状が互いに異なっている場合がある。
図3A〜図3Cに示した実施形態では、テーパ部922は外周面側変曲点927を介して直線部と連なっている。そして、外周面における直線部921の長さは、図3Aが一番短く、次いで図3B、図3Cの順に長くなっている。また、外周面におけるテーパ部922のテーパ角度αは、図3Aが一番小さく、次いで図3B、図3Cの順に大きくなっている。
次に図3A〜図3Cに示した配管920それぞれについて、内周面の形状の違いを説明する。図3Aに示した配管920は、配管920の内周面のうち境界Aに連なり、軸線L11に対して平行な内周面側直線部926を含む。また、配管920の内周面のうち内周面側変曲点928を介して内周面側直線部926と連なり、境界Aから離間するにつれて配管920の軸線L11との距離が遠くなる内周面側テーパ部924Uを含む。
図3Bに示した配管920は、配管920の内周面のうち境界Aに連なり、境界Aから離間するにつれて配管920の軸線L11との距離が近くなる内周面側テーパ部924Dを含む。また、配管920の内周面のうち内周面側変曲点928を介して内周面側テーパ部924Dと連なり、配管920の軸線L11に対して平行な内周面側直線部926を含む。
図3Cに示した配管920は、配管920の内周面のうち境界Aに連なるシンニング925を含む。また、配管920の内周面のうちシンニング925に連なり、配管920の軸線11に対して平行な内周面側直線部926を含む。
図4Aは、本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Aに示した配管に対して配置した場合を示す図である。図4Bは、本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Bに示した配管に対して配置した場合を示す図である。図4Cは、本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Cに示した配管に対して配置した場合を示す図である。
図4A〜図4Cに示すように、超音波探触子100は、第1アレイ110と第2アレイ120とを備える。第1アレイ110は、配管920の外周面のうち直線部921に配置されている。そして、この第1アレイ110は、配管920と溶接部930との境界Aのうち第1領域A11を超音波探傷するように構成されている。
第2アレイ120は、配管920の外周面のうちテーパ部922に配置されている。そして、この第2アレイ120は、配管920と溶接部930との境界Aのうち第2領域A12を超音波探傷するように構成されている。特に、第2アレイ120は、上述したように制御部290の制御によって、第2領域A12に対するセクタスキャンの実行によって、第2領域A12を超音波探傷するように構成されている。図4A〜図4Cに示した実施形態では、第2アレイ120は第2領域A12に対してセクタスキャンを実行している。
このような本発明の一実施形態に係る超音波探触子100によれば、第1アレイ110は、配管920の外周面における境界Aに連なる直線部921に配置される。そして、この第1アレイ110は境界Aのうち第1領域A11を超音波探傷する。また、第2アレイ120は、配管920の外周面における直線部921に連なるテーパ部922であって、境界Aから離間するにつれて配管920の軸線L11との距離が近くなるテーパ部922に配置される。そして、この第2アレイ120は、境界Aのうち第1領域A11とは異なる第2領域A12を超音波探傷する。このように、配管920の外周面における直線部921とテーパ部922とに跨って超音波探触子100を設置することができるため、超音波探触子100をテーパ部922に設置した後に、直線部921に設置し直す必要はなく、より短時間で超音波探傷を行なうことができる。
また、このような本発明の一実施形態に係る超音波探触子100によれば、直線部921に配置される第1アレイ110から超音波を発信して第1領域A11を超音波探傷し、テーパ部922に配置される第2アレイ120から超音波を発信して第2領域A12を超音波探傷するので、配管920と溶接部930との境界A全体を超音波探傷することができる。
幾つかの実施形態では、上述したように、内周面に境界Aに連なる内周面側テーパ部924Dを含む配管920と溶接部930との境界Aを超音波探傷する場合において、第2アレイ120は、第2領域A12に対してセクタスキャンを実行するように構成される。このような構成によれば、第2アレイ120は、内周面側テーパ部924Dで反射した超音波を受信する必要がないので、配管920の内周面に内周面側テーパ部924Dが含まれていても、第2領域A12に対して超音波探傷を実行することができる。
幾つかの実施形態では、上述したように、内周面にシンニング925を含む配管920と溶接部930との境界Aを超音波探傷する場合において、第2アレイ120は、第2領域A12に対してセクタスキャンを実行するように構成される。このような構成によれば、第2アレイ120は、シンニング925で反射した超音波を受信する必要がないので、配管920の内周面にシンニング925が含まれていても、第2領域A12に対して超音波探傷を実行することができる。
このような本発明の一実施形態に係る超音波探触子100によれば、第2アレイ120は、第2領域A12に対するセクタスキャンの実行によって、第2領域A12を超音波探傷するように構成される。このため、第2領域A12に対してセクタスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管920と溶接部930との境界に対して、短時間で境界A全体を探傷することができる。
尚、幾つかの実施形態では、配管920の軸線方向における外周面側変曲点927の位置が内周面側変曲点928の位置よりも境界Aに近い形状を有する配管920と溶接部930との境界Aを超音波探傷する場合において、第2アレイ120は、第2領域A12に対してセクタスキャンを実行するように構成される。
幾つかの実施形態では、第1アレイ110は、第1領域A11に対するセクタスキャンの実行によって、第1領域A11を超音波探傷するように構成される。図4A〜図4Cに示した実施形態では、第1アレイ110は第1領域A11に対してセクタスキャンを実行している。
上述した第2アレイ用振動子の各々と同様に、第1アレイ用振動子111の各々は、処理装置200からの信号に従って、超音波を発信し、また、超音波を受信するように制御される。このため、第1アレイ用振動子111の各々が所定のタイミング及び強度で超音波を発信することで、第1アレイ110はセクタスキャンを第1領域A11に対して実行することができる。
このような構成によれば、第1領域A11に対してセクタスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管920と溶接部930との境界Aに対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
幾つかの実施形態では、第1アレイ110は、第1領域A11に対するタンデムスキャンの実行によって、第1領域A11を超音波探傷するように構成される。
配管920と溶接部930との境界Aを超音波探傷する方法として、例えば、タンデムスキャンと呼ばれる方法がある。タンデムスキャンは、超音波を発信する振動子(送信用振動子)と超音波を受信する振動子(受信用振動子)とを別々に設け、送信用振動子、受信用振動子それぞれの位置を変えながら超音波探傷を行なう方法である。
上述したように、第1アレイ用振動子111の各々は、制御部290の制御に従って、超音波を発信し、また、超音波を受信する。このため、処理装置200は、第1アレイ用振動子111の一部を送信用振動子に設定し、残りの第1アレイ用振動子111の一部を受信用振動子に設定する。そして、送信用振動子に設定された第1アレイ用振動子111の各々が所定のタイミング及び強度で所定の向きに超音波を発信することで、第1アレイ110は第1領域A11に対してタンデムスキャンを実行することができる。
尚、第1アレイ110が備える第1アレイ用振動子111の数は、セクタスキャン及びタンデムスキャンを実行可能な数であればよい。
第1アレイ110から第1領域A11までの距離は、第2アレイ120から第2領域A12までの距離と比較して短い。このため、第1アレイ110が第1領域A11に対してセクタスキャンを実行(扇型の超音波ビームを発信)すると、第1領域A11の全体に対して超音波探傷が行なわれず、第1領域A11内に超音波探傷が行なわれない領域が生じる場合がある。
このような構成によれば、第1アレイ110は、セクタスキャンより幅広く超音波探傷することが可能なタンデムスキャンによって第1領域A11を超音波探傷する。このため、第1領域A11に対してタンデムスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管920と溶接部930との境界Aに対して、短時間で境界A全体を探傷することができる。
幾つかの実施形態では、第2アレイ120は、第2領域A12に対するセクタスキャンの実行に加えて、第2領域A12に対するタンデムスキャンの実行によって、第2領域A12を超音波探傷するように構成される。
上述したように、第2アレイ用振動子121の各々は、処理装置200からの信号に従って、超音波を発信し、また、超音波を受信するように制御される。処理装置200は、第2アレイ用振動子121の一部を送信用振動子に設定し、残りの第2アレイ用振動子121の一部を受信用振動子に設定する。そして、送信用振動子に設定された第2アレイ用振動子121の各々が所定のタイミング及び強度で所定の向きに超音波を発信することで、第2アレイ120は、セクタスキャンに加えて、タンデムスキャンを第2領域A12に対して実行することができる。
この場合、第2アレイ120は、タンデムスキャンとセクタスキャンとが同時に実行されるように構成されてもよい。つまり、第2アレイ用振動子121の一部でタンデムスキャンを実行し、残りの第2アレイ用振動子121の一部でセクタスキャンを実行してもよい。または、第2アレイ120は、タンデムスキャンの実行とタイミングをずらしてとセクタスキャンを実行するように構成されてもよい。
このような構成によれば、第2領域A12に対して、タンデムスキャンとセクタスキャンとが実行されるので、第2領域A12の探傷結果の評価精度を向上させることができる。特に、損傷か境界エコーかの識別性を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、第1アレイ110は、第1領域A11に対するタンデムスキャンの実行に加えて、第1領域A11に対するセクタスキャンの実行によって、第1領域A11を超音波探傷するように構成される。
上述したように、第1アレイ用振動子111の各々は、処理装置200からの信号に従って、超音波を発信し、また、超音波を受信するように制御される。このため、第1アレイ用振動子111の各々が所定のタイミング及び強度で超音波を発信することで、第1アレイ110は、タンデムスキャンに加えて、セクタスキャンを第1領域A11に対して実行する。
この場合、第1アレイ110は、タンデムスキャンとセクタスキャンとが同時に実行されるように構成されてもよい。つまり、第1アレイ用振動子111の一部でタンデムスキャンを実行し、残りの第1アレイ用振動子111の一部でセクタスキャンを実行してもよい。または、第1アレイ110は、タンデムスキャンの実行とタイミングをずらしてとセクタスキャンを実行するように構成されてもよい。
このような構成によれば、第1領域A11に対して、タンデムスキャンとセクタスキャンとが実行されるので、第1領域A11の探傷結果の評価精度を向上させることができる。特に、損傷か境界エコーかの識別性を向上させることができる。
尚、上述した処理装置200は、第1アレイ110をセクタスキャン又はタンデムスキャンを実行するように制御する。同様に、処理装置200は、第2アレイ120をセクタスキャン又はタンデムスキャンを実行するように制御する。このため、第1アレイ110は第1領域A11に対してタンデムスキャンを実行し、第2アレイ120は第2領域A12に対してタンデムスキャンを実行するように構成されてもよい。あるいは、第1アレイ110は第1領域A11に対してタンデムスキャンとセクタスキャンとを実行し、第2アレイ120は第2領域A12に対してタンデムスキャンを実行するように構成されてもよい。
本発明の一実施形態に係る超音波探触子100は、配管920と配管920の端面に設けられた溶接部930との境界Aを超音波探傷するための装置である。そして、上述したように、このような超音波探触子100は、配管920の外周面における境界Aに連なる直線部921に配置される第1アレイ110と、配管920の外周面における直線部921に連なるテーパ部922であって、境界Aから離間するにつれて配管920の軸線L11との距離が近くなるテーパ部922に配置される第2アレイ120と、を備える。
そして、この超音波探触子100は、図4Dに示すように、第1アレイ110から発信された第1超音波が、境界Aのうち第1領域A11によって反射された後に、第2アレイ120で受信されることで、第1領域A11を超音波探傷(変則タンデムスキャン)する。図4Dに示した実施形態では、第1超音波が第1領域A11によって反射された後に、配管920の内周面側テーパ部924Dによって反射されてから第2アレイ120で受信されている。第2アレイ120は、第2領域A12に対するタンデムスキャンの実行によって、第2領域A12を超音波探傷するように構成される。
このような構成によれば、第1アレイ110は、配管920の外周面における境界Aに連なる直線部921に配置される。第2アレイ120は、配管920の外周面における直線部921に連なるテーパ部922であって、境界Aから離間するにつれて配管920の軸線L11との距離が近くなるテーパ部922に配置される。このように、配管920の外周面における直線部921とテーパ部922とに跨って超音波探触子100を設置することができるため、超音波探触子100をテーパ部922に設置した後に、直線部921に設置し直す必要はなく、より短時間で超音波探傷を行なうことができる。
また、このような構成によれば、第1アレイ110から発信された第1超音波が、第1領域A11によって反射された後に、第2アレイ120で受信されることで、第1領域A11を超音波探傷し、第2アレイ120は第2領域A12に対するタンデムスキャンの実行によって、第2領域A12を超音波探傷するので、配管920と溶接部930との境界A全体を超音波探傷することができる。また、このような超音波探傷を行うのに適した配管920と溶接部930との境界に対して、短時間で境界全体を探傷することができる。
図5Aは、本発明の一実施形態に係る第1アレイから超音波が発信されている状態を示す拡大図である。図5Bは、本発明の一実施形態に係る第2アレイから超音波が発信されている状態を示す拡大図である。図6Aは、屈折角度と往復透過率との関係を示す図である。図6Bは、入射角度と反射率との関係を示す図である。
幾つかの実施形態では、図5Aに示すように、第1アレイ110から発信された第1超音波U1の進行方向と、この第1超音波U1が入射した配管920の入射面に対する垂直方向(L12)と、によって第1超音波U1の入射角度D1が形成される。そして、この第1超音波U1の入射角度D1は、30度以上55度以下となるように構成される。また、第1超音波U1が配管920に入射した第1入射波S1の進行方向と第1入射波S1を反射する第1領域A11の反射面に対する垂直方向(L13)と、によって第1入射波S1の入射角度D2が形成される。そして、この第1入射波S1の入射角度D2は、35度以上となるように構成される。
尚、第1超音波とは、第1アレイ用振動子111の各々から発信された超音波であってもよいし、第1アレイ用振動子111の各々から発信された超音波を合成した超音波であってもよい。
尚、第1超音波U1の入射角度D1は35度以上55度以下となることが好ましい。
ここで、往復透過率及び反射率について説明する。本発明者らの知見によれば、図6Aに示すように、往復透過率は、入射角度が0度から大きくなるにつれ増加するが、入射角度が28度附近では往復透過率は0となり、その後急激に増加し、入射角度が32度附近でピーク(往復透過率がおよそ0.3)となる。そして、往復透過率はピークを超えると、入射角度が大きくなるにつれて減少し、入射角度が55度より大きくなると急激に減少して、58度付近では0となる。
また、本発明者らの知見によれば、図6Bに示すように、反射率は、入射角度が0度から大きくなるにつれ減少し、入射角度が30度附近では反射率が最も小さくなり、その後急激に増加し、入射角度が32度附近でピークとなる。図6Bに示した実施形態では、反射率のピークが1となる角度(臨界角)が示されており、臨界角より大きくなっても反射率は1のままである。つまり、入射角度が臨界角以上であると、第1入射波S1は第1領域A11に対して完全反射する。
幾つかの実施形態では、第1アレイ110は、第1超音波U1の入射角度D1が30度以上55度以下となるような第1超音波U1が第1アレイ110から発信されるように、処理装置200によって制御される。この場合、処理装置200は、既知であるテーパ角度α及びベベル角度β(開先の角度)などを考慮して、第1アレイ用振動子111の各々が超音波を発信するタイミングを制御する。
幾つかの実施形態では、第1アレイ110は、第1入射波S1の入射角度D2が35度以上(臨界角より大きい角度)となるような第1超音波U1が第1アレイ110から発信されるように、処理装置200によって制御される。この場合、処理装置200は、既知であるテーパ角度α及びベベル角度β(開先の角度)などを考慮して、第1アレイ用振動子111の各々が超音波を発信するタイミングを制御する。
このような構成によれば、第1アレイ110から発信された第1超音波U1は、第1超音波U1の入射角度D1が30度以上55度以下で配管920内に入射するので、第1アレイ110から配管920に入射した際の第1超音波U1の往復透過率は比較的高い。また、第1入射波S1は、第1入射波S1の入射角度D2が35度以上で第1領域A11に入射する。このため、第1入射波S1は第1領域A11によって完全反射される。よって、第1領域A11を精度良く超音波探傷することができる。
幾つかの実施形態では、図5Bに示すように、第2アレイ120から発信された第2超音波U2の進行方向と、この第2超音波U2が入射した配管920の入射面に対する垂直方向(L14)と、によって第2超音波U2の入射角度D11が形成される。そして、この第2超音波U2の入射角度D11は、30度以上55度以下となるように構成される。また、第2超音波U2が配管920に入射した第2入射波S2の進行方向と第2入射波S2を反射する第2領域A12の反射面に対する垂直方向(L15)と、によって第2入射波S2の入射角度D12が形成される。そして、この第2入射波S2の入射角度D12は、35度以上となるように構成される。
尚、第2超音波U2とは、第2アレイ用振動子121の各々から発信された超音波であってもよいし、第2アレイ用振動子121の各々から発信された超音波を合成した超音波であってもよい。
尚、第2超音波U2の入射角度D11は35度以上55度以下となることが好ましい。
幾つかの実施形態では、第2アレイ120は、第2超音波U2の入射角度D11が30度以上55度以下となるような第2超音波U2が第2アレイ120から発信されるように、処理装置200によって制御される。この場合、処理装置200は、既知であるテーパ角度α及びベベル角度βなどを考慮して、第2アレイ用振動子121の各々が超音波を発信するタイミングを制御する。
幾つかの実施形態では、第2アレイ120は、第2入射波S2の入射角度D12が35度以上となるような第2超音波U2が第2アレイ120から発信されるように、処理装置200によって制御される。この場合、処理装置200は、既知であるテーパ角度α及びベベル角度βなどを考慮して、第2アレイ用振動子121の各々が超音波を発信するタイミングを制御する。
このような構成によれば、第2アレイ120から発信された第2超音波U2は、第2超音波U2の入射角度D11が30度以上55度以下で配管920内に入射するので、第2アレイ120から配管920に入射した際の第2超音波U2の往復透過率は比較的高い。また、第2入射波S2は、第2入射波S2の入射角度D12が35度以上で第2領域A12に入射する。このため、第2入射波S2は第2領域A12によって完全反射される。よって、第2領域A12を精度良く超音波探傷することができる。
幾つかの実施形態では、図4A〜図4Cに示すように、第1アレイ110は、第2アレイ120よりも振動子間の隙間が小さくなるように構成される。図4A〜図4Cに示した実施形態では、第1アレイ用振動子110間のピッチの長さP1は、第2アレイ用振動子120間のピッチの長さP2より短くなるように構成されている。
上述したように、第1アレイ110から第1領域第A11までの距離は、第2アレイ120から第2領域A12までの距離よりも短い。このため、第1アレイ110は第2アレイ120よりも伝播経路が短い超音波を受信する場合が多い。このような構成によれば、第1アレイ110は、第2アレイ120よりも大きい周波数で第1領域A11を超音波探傷することができる。また、第2アレイ120は、第1アレイ110よりも超音波の減衰による影響を低減させて第2領域A12を超音波探傷することができる。
幾つかの実施形態では、図4A〜図4Cに示すように、超音波探触子100は、第1アレイ110と第2アレイ120とを角度可変に接続する接続部140をさらに備える。これにより、第1アレイ110は、直線部921に接している。また、第2アレイ120は、テーパ部922に接している。
このような構成によれば、第1アレイ110及び第2アレイ120の両方が、配管920の外周面に接した状態で超音波探傷を行なうことができる。このため、第1アレイ110及び第2アレイ120の両方とも、超音波を発信した際に配管920の外周面での反射が比較的少なくて済む。よって、超音波探触子100は、超音波探傷を高精度に行なうことができる。
また、このような構成によれば、第1アレイ110と第2アレイ120との角度が可変であることで、超音波探触子100はいろいろなテーパ角度の配管920の超音波探傷を高精度に行なうことができる。
図7は、本発明の一実施形態に係る超音波探触子を図3Bの配管に対して配置した場合の図である。
幾つかの実施形態では、図7に示すように、第1アレイ110と第2アレイ120は角度固定に接続されている。そして、超音波探触子100は、第1アレイ110と直線部921との隙間、又は第2アレイ120とテーパ部922との隙間を埋めるスペーサ150をさらに備える。
図7に示した実施形態では、第1アレイ110と直線部921との隙間を埋めるスペーサ150を例にして説明する。第1アレイ110における第1アレイ用振動子111の配置は図3Bの場合と同様であるが、第1アレイ110と第2アレイ120とが直線状に結合されている点で図3Bの場合と異なる。また、第1アレイ110が直線部921に設置されている点は、図3Bの場合と同様であるが、第1アレイ110が直線部921に接していない点で図3Bの場合と異なる。さらに、第1アレイ110と直線部921との間にスペーサ150が設けられている点でも図3Bの場合と異なる。このような場合、超音波探触子100は、接続部140に代えてスペーサ150を備える。
スペーサ150は、配管920と同じ素材で出来ており、直線部921及び第1アレイ110と接している。すなわち、スペーサ150により、第1アレイ110と直線部921との間の隙間が埋められている。これにより、第1アレイ110が超音波を発信した際に直線部921での反射が比較的少なくて済む。この点で、超音波探傷装置1は、超音波探傷を高精度に行なうことができる。
尚、第2アレイ120は、テーパ部922に接した状態で、超音波探傷を行なう。これにより、第2アレイ120が超音波を発信した際にテーパ部922での反射が比較的少なくて済む。この点で、超音波探傷装置1は、超音波探傷を高精度に行なうことができる。
このような構成によれば、第1アレイ110と第2アレイ120とは角度固定に接続されている。そして、スペーサ150は、第1アレイ110と直線部921との隙間を埋める。このため、超音波探触子100は、第1アレイ110と第2アレイ120とを角度可変に接続する仕組みを備える必要がない。よって、超音波探触子100の構造を簡単にすることができる。
また、ユーザは第1アレイ110と直線部921との隙間にスペーサ150を挿入するという簡単な処理で、第1アレイ110と直線部921との隙間を埋めることができる。スペーサ150が、第1アレイ110と直線部921との間を埋めることで、第1アレイ110が超音波を発信した際に直線部921での反射が比較的少なくて済む。この点で、超音波探傷装置1は、超音波探傷を高精度に行なうことができる。
図2を例にして上述したように、超音波探傷装置1は超音波探触子100を備える。このような構成によれば、従来の超音波探傷装置1’よりも短時間で、配管920と溶接部930との境界A全体を探傷することができる。
図8は、本発明の一実施形態に係る超音波探触子の移動方向の例を示す説明図である。
幾つかの実施形態では、図1及び図8に示すように、超音波探傷装置1は、移動機構130をさらに備える。この移動機構130は、超音波探触子100を配管920の周方向に移動させるように構成される。
図8に示した実施形態では、超音波探触子100の端部には、移動機構130の不図示のタイヤが設けられている。移動機構130のタイヤは、例えば磁石により形成されており、直線部921に設けられた磁性体のレール940に磁力で吸着して配置されている。移動機構130は、このタイヤを回転させる不図示のモータを備え、モータがタイヤを回転させることで、超音波探触子100を周方向(例えば、矢印B11の方向)に移動させて、配管920の外周面上を一周させる。処理装置200は、タイヤの回転数から超音波探触子100の位置(特に、超音波探触子100が配管920の外周面上を一周したか否か)を判定する。
尚、ユーザが超音波探触子100を手動で移動させるようにしてもよい。
このような構成によれば、超音波探触子100は、配管920と溶接部930との境界Aを周方向に走査することができる。このため、配管920と溶接部930との境界A全体に対して超音波探傷を行なうことができる。
図9は、本発明の一実施形態に係る表示部による超音波探傷の結果の表示の例を示す図である。
表示部220が超音波探傷の結果を座標軸と共に表示している。横軸は、配管920の周方向を示し、縦軸はおおよそ配管920の半径方向を示している。横軸の上側が配管920の外表面側(配管920の外周面側)に相当し、下側が配管920の内表面(配管920の内周面側)に相当する。
領域A21は、第1アレイ110が第1領域A11を超音波探傷して得られた画像の表示領域である。領域A22は、第2アレイ120が第2領域A12を超音波探傷して得られた画像の表示領域である。
このように、表示部220は、第1アレイ110による超音波探傷の結果と第2アレイ120による超音波探傷の結果とを1つの画像につなぎ合わせて表示する。これにより、ユーザは、1つの画像を参照して配管920と溶接部930との境界A全体の状況を把握することができる。この点で、ユーザは、配管920と溶接部930との境界A全体の状況を容易かつ迅速に把握することができる。
図10は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートである。
本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法は、配管920と配管920の端面に設けられた溶接部930との境界Aを超音波探傷するための超音波探傷方法である。このような超音波探傷方法は、上述した超音波探触子100を用いた超音波探傷方法であって、第2アレイ120によって、第2領域A12に対してセクタスキャンを実行することで、第2領域A12を超音波探傷する第2領域探傷ステップを備える。
図10に示した処理で、制御部290は、第2アレイ120が超音波を発信する角度を算出する(ステップS101)。
次に、制御部290は第1アレイ用振動子111の各々、及び、第2アレイ用振動子121の各々が超音波を発信するタイミング及び強度を設定する(ステップS102)。特に、制御部290は、ステップS101で算出した角度に基づいて、第2アレイ用振動子の各々が超音波を発信するタイミング及び強度を設定する。
次に、制御部290は、第1アレイを制御してセクタスキャンの実行によって第1領域A11(図4A〜図4C)の超音波探傷を行なわせる(ステップS111)。具体的には、制御部290は、ステップS102で決定したタイミング及び強度にて、第1アレイ用振動子111の各々に超音波を発信させる。
そして、制御部290は、第1アレイ用振動子111の各々が受信した超音波(第1領域A11からの反射波)を解析する(ステップS112)。
また、ステップS102の後、制御部290は、第2アレイ120を制御してセクタスキャンの実行によって第2領域A12(図4A〜図4C)の超音波探傷を行なわせる(ステップS121)。具体的には、制御部290は、ステップS102で決定したタイミング及び強度にて、第2アレイ用振動子121の各々に超音波を発信させる。
そして、制御部290は、第2アレイ用振動子121の各々が受信した超音波(第2領域A12からの反射波)を解析する(ステップS122)。
尚、制御部290が、ステップS111及びステップS112とステップS121及びステップS122とを同時に実行するようにしてもよいし、いずれか一方を先に実行するようにしてもよい。
尚、ステップS121が第2領域探傷ステップに相当する。
ステップS112及びステップS122の後、制御部290は、超音波探触子100が配管920の外周面上を一周したか否かを判定する(ステップS131)。例えば上述したように、制御部290は、移動機構130が備えるタイヤの回転数が所定の回転数に達したか否かを判定することで、超音波探触子100が配管920の外周面上を一周したか否かを判定する。
未だ一周していないと判定した場合(ステップS131:NO)、制御部290は、移動機構130を制御して配管920の外周の方向に所定の距離(サンプリング間隔)だけ移動させる(ステップS141)。あるいは、超音波探触子100が手動で移動するようにしてもよい。例えば、制御部290が、超音波探触子100の移動を促すメッセージを表示部220に表示させ、この表示を見たユーザが超音波探触子100を手動で移動させるようにしてもよい。ステップS141の後、ステップS111及びステップS121に戻る。
一方、ステップS131で、超音波探触子100が配管920の外周面上を一周したと判定した場合(ステップS131:YES)、制御部290は、解析結果を表示部220に表示させる(ステップS151)。特に、制御部290は、第1アレイ110による超音波探傷の結果を示す画像と第2アレイによる超音波探傷の結果を示す画像とをつなぎ合わせた1つの画像を表示部220に表示させる。ステップS151の後、図10の処理を終了する。
このような本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法によれば、第2領域探傷ステップ(S121、S221)では、第2アレイ120は、第2領域A12に対するセクタスキャンの実行によって、第2領域A12を超音波探傷する。このため、第2領域A12に対してセクタスキャンによって超音波探傷を行うのに適した配管920と溶接部930との境界Aに対して、短時間で境界A全体を探傷することができる。
図11は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートである。
図11のステップS201は、図10のステップS101と同様である。ステップS202では、制御部290は、第1アレイ110がタンデムスキャンを実行するように、第1アレイ用振動子111の各々が超音波を発信するタイミング及び強度を設定する。また、ステップS202では、制御部290は、図10のステップS102での処理に加え、さらに、第2アレイ120がタンデムスキャンを実行するように、第2アレイ用振動子121の各々が超音波を発信するタイミング及び強度を設定する。
次に、制御部290は、第1アレイ110を制御してタンデムスキャンの実行によって第1領域A11(図4A〜図4C)の超音波探傷を行なわせる(ステップS211)。具体的には、制御部290は、ステップS202で決定したタイミング及び強度にて、第1アレイ用振動子111の各々に超音波を発信させる。
そして、制御部290は、第1アレイ用振動子111の各々が受信した超音波(第1領域A11からの反射波)を解析する(ステップS212)。
ステップS221〜ステップS222は、図7のステップS121〜ステップS122と同様である。ステップS222の後、制御部290は、第2アレイを制御してタンデムスキャンの実行によって第2領域A12(図4A〜図4C)の超音波探傷を行なわせる(ステップS223)。具体的には、制御部290は、ステップS202で決定したタイミング及び強度にて、第2アレイ用振動子121の各々に超音波を発信させる。
そして、制御部290は、第2アレイ用振動子121の各々が受信した超音波(第2領域A12からの反射波)を解析する(ステップS224)。
尚、制御部290が、ステップS223及びステップS224の処理を、ステップS221及びステップS222の処理よりも先に行なうようにしてもよい。すなわち、第2アレイ120が第2領域A12に対してタンデムスキャンを実行した後に、この第2領域A12に対してセクタスキャンを実行してもよい。
次に、制御部290は、ステップS222での解析結果とステップS224での解析結果とを纏める。例えば、制御部290は、ステップS222での解析結果とステップS224での解析結果とを1つの画像に重ね合わせる。ステップS212及びステップS225の後、ステップS231へ進む。ステップS231、S241、S251は、それぞれ、図10のステップS131、S141、S151と同様である。ステップS241の後、ステップS211及びステップS221に戻る。また、ステップS251の後、図11の処理を終了する。
このような超音波探傷方法によれば、第2アレイ120は、第2領域A12に対してセクタスキャンとタンデムスキャンとの両方を実行している。このため、ユーザは、セクタスキャンとタンデムスキャンとの2つの方法で探傷結果の評価を行なうことができ、この点で評価精度の向上が期待される。特に、損傷か境界エコーかの識別性が向上することが期待される。
図12は、本発明の一実施形態に係る超音波探傷方法のフローチャートである。
図12のステップS301は、図10のステップS101と同様である。ステップS302では、制御部290は、上述した変則タンデムスキャンを実行するように、第1アレイ用振動子111の各々が超音波を発信するタイミング及び強度を設定する。また、ステップS302では、制御部290は、第2アレイ120がタンデムスキャンを実行するように、第2アレイ用振動子121の各々が超音波を発信するタイミング及び強度を設定する。
次に、制御部290は、第1アレイ110を制御して、変則タンデムスキャンの実行によって第1領域A11(図4D)の超音波探傷を行なわせる(ステップS311)。具体的には、制御部290は、ステップS302で決定したタイミング及び強度にて、第1アレイ用振動子111の各々に超音波を発信させる。
そして、制御部290は、第2アレイ用振動子121の各々が受信した超音波(第1領域A11からの反射波)を解析する(ステップS322)。
ステップS322の後、制御部290は、第2アレイを制御してタンデムスキャンの実行によって第2領域A12(図4D)の超音波探傷を行なわせる(ステップS323)。具体的には、制御部290は、ステップS302で決定したタイミング及び強度にて、第2アレイ用振動子121の各々に超音波を発信させる。
そして、制御部290は、第2アレイ用振動子121の各々が受信した超音波(第2領域A12からの反射波)を解析する(ステップS324)。
尚、制御部290が、ステップS323及びステップS324の処理を、ステップS311及びステップS322の処理よりも先に行なうようにしてもよい。すなわち、第2アレイ120が第2領域A12に対してタンデムスキャンを実行した後に、第1領域A11に対して変則タンデムスキャンを実行してもよい。
次に、制御部290は、ステップS322での解析結果とステップS324での解析結果とを纏める。例えば、制御部290は、ステップS322での解析結果とステップS324での解析結果とを1つの画像に重ね合わせる。ステップS325の後、ステップS331へ進む。ステップS331、S341、S351は、それぞれ、図10のステップS131、S141、S151と同様である。ステップS341の後、ステップS311に戻る。また、ステップS351の後、図12の処理を終了する。
このような超音波探傷方法によれば、第1領域探傷ステップ(ステップS311)において、第1アレイ110から発信された第1超音波U1が、第1領域A11によって反射された後に、第2アレイA120で受信されることで、第1領域A11を超音波探傷する。また、第2領域探傷ステップ(ステップS323)において、第2アレイ120は第2領域A12に対するタンデムスキャンの実行によって、第2領域を超音波探傷する。このため、このような超音波探傷を行うのに適した配管920と溶接部930との境界Aに対して、短時間で境界A全体を探傷することができる。
以上、本発明の一実施形態にかかる超音波探触子、超音波探傷装置、及び超音波探傷方法について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
1 超音波探傷装置
100 超音波探触子
110 第1アレイ
111 第1アレイ用振動子
120 第2アレイ
121 第2アレイ用振動子
130 移動機構
140 接続部
150 スペーサ
200 処理装置
210 信号入出力部
220 表示部
230 操作入力部
280 記憶部
290 制御部
910 第1配管
920 配管、第2配管
921 直線部
922 テーパ部
924D 内周面側テーパ部
924U 内周面側テーパ部
925 シンニング
926 内周面側直線部
927 外周面側変曲点
928 内周面側変曲点
930 溶接部
940 レール
A 境界
A11 第1領域
A12 第2領域
D1 第1超音波の入射角度
D2 第1入射波の入射角度
D11 第2超音波の入射角度
D12 第2入射波の入射角度
L11 軸線
S1 第1入射波
S2 第2入射波
U1 第1超音波
U2 第2超音波

Claims (13)

  1. 配管と前記配管の端面に設けられた溶接部との境界を超音波探傷するための超音波探触子であって、
    前記配管の外周面における前記境界に連なる直線部に配置され、前記境界のうち第1領域を超音波探傷する第1アレイと、
    前記配管の外周面における前記直線部に連なるテーパ部であって、前記境界から離間するにつれて前記配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置され、前記境界のうち前記第1領域とは異なる第2領域を超音波探傷する第2アレイと、を備え、
    前記第1アレイは、前記第1アレイから発信された超音波が、前記第1領域によって反射された後に、前記第1アレイで受信されることで、前記第1領域を超音波探傷するように構成され、
    前記第1アレイは、前記第1領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第1領域を超音波探傷するように構成され、
    前記第2アレイは、前記第2領域に対するセクタスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷するように構成される超音波探触子。
  2. 前記第2アレイは、前記第2領域に対する前記セクタスキャンの実行に加えて、前記第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷するように構成される請求項に記載の超音波探触子。
  3. 前記第1アレイは、前記第1領域に対する前記タンデムスキャンの実行に加えて、前記第1領域に対するセクタスキャンの実行によって、前記第1領域を超音波探傷するように構成される請求項に記載の超音波探触子。
  4. 配管と前記配管の端面に設けられた溶接部との境界を超音波探傷するための超音波探触子であって、
    前記配管の外周面における前記境界に連なる直線部に配置される第1アレイと、
    前記配管の外周面における前記直線部に連なるテーパ部であって、前記境界から離間するにつれて前記配管の軸線との距離が近くなるテーパ部に配置される第2アレイと、を備え、
    前記第1アレイから発信された第1超音波が、前記境界のうち第1領域によって反射された後に、前記第2アレイで受信されることで、前記第1領域を超音波探傷し、
    前記第2アレイは、前記境界のうち前記第1領域とは異なる第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷するように構成される超音波探触子。
  5. 前記第1アレイから発信された第1超音波の進行方向と、前記第1超音波が入射した前記配管の入射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が30度以上55度以下であり、且つ
    前記第1超音波が前記配管に入射した第1入射波の進行方向と前記第1入射波を反射する前記第1領域の反射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が30度以上となるように構成される請求項1からの何れか一項に記載の超音波探触子。
  6. 前記第2アレイから発信された第2超音波の進行方向と、前記第2超音波が入射した前記配管の入射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が30度以上55度以下であり、且つ
    前記第2超音波が前記配管に入射した第2入射波の進行方向と前記第2入射波を反射する前記第2領域の反射面に対する垂直方向と、によって形成される入射角度が30度以上となるように構成される請求項1からの何れか一項に記載の超音波探触子。
  7. 前記第1アレイは、前記第2アレイよりも振動子間の隙間が小さくなるように構成される請求項1からの何れか一項に記載の超音波探触子。
  8. 前記第1アレイと前記第2アレイとを角度可変に接続する接続部をさらに備える請求項1からの何れか一項に記載の超音波探触子。
  9. 前記第1アレイと前記第2アレイは角度固定に接続されており、
    前記超音波探触子は、前記第1アレイと前記直線部との隙間、又は前記第2アレイと前記テーパ部との隙間、を埋めるスペーサをさらに備える請求項1からの何れか一項に記載の超音波探触子。
  10. 請求項1からの何れか一項に記載の超音波探触子を備える超音波探傷装置。
  11. 前記超音波探触子を前記配管の周方向に移動させる移動機構をさらに備える請求項10に記載の超音波探傷装置。
  12. 請求項1乃至の何れか一項に記載の超音波探触子を用いた超音波探傷方法であって、
    前記第2アレイによって、前記第2領域に対してセクタスキャンを実行することで、前記第2領域を超音波探傷する第2領域探傷ステップを備える超音波探傷方法。
  13. 請求項に記載の超音波探触子を用いた超音波探傷方法であって、
    前記第1アレイから発信された第1超音波が、前記境界のうち第1領域によって反射された後に、前記第2アレイで受信されることで、前記第1領域を超音波探傷する第1領域探傷ステップと、
    前記第2アレイによる、前記第2領域に対するタンデムスキャンの実行によって、前記第2領域を超音波探傷する第2領域探傷ステップと、を備える超音波探傷方法。
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